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K 1468-3 : 1999  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

今回の制定は,日本工業規格を国際規格に整合させるためにISO 5438 : 1993を基礎として用いた。 

K 1468-3には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定) 蛍光X線分析方法 

附属書2(参考) 異なる方法で得られた結果の比較 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 1468-3 : 1999 

ふっ化水素酸用ほたる石分析方法 

−第3部 シリカ含有量の定量 

Acid-grade fluorspar−Method for chemical analysis  

Part 3 : Determination of silica content 

序文 この規格は,1993年に発行された,ISO 5438, Acid-grade and ceramic-grade fluorspar−Determination of 

silica content−Reduced-molybdosilicate spectrometric methodを基礎として作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,ふっ化水素酸用ほたる石のシリカ含有量をモリブデン青吸光光度法及び蛍光

X線分析方法によって定量する方法について規定する。なお,蛍光X線分析方法については,附属書1(規

定)に規定する。 

この方法は,シリカ (SiO2) として0.05〜4.0%を含有する製品に適用する。 

備考 この規格の対応国際規格を次に示す。 

ISO 5438 : 1993 Acid-grade and ceramic-grade fluorspar−Determination of silica content−

Reduced-molybdosilicate spectrometric method 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけが規格の規

定を構成するものであって,その後の改正・追補は適用しない。発効年(又は発行年)を付記していない

引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8532 L (+) −酒石酸(試薬) 

JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬) 

JIS K 8863 ほう酸(試薬) 

JIS K 8905 七モリブデン酸六アンモニウム四水和物(試薬) 

JIS K 8906 モリブテン (VI) 酸二ナトリウム二水和物(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS Z 8801 試験用ふるい 

備考 ISO 565 : 1990, Test sieves−Metal wire cloth, perforated metal plate and electroformed sheet−

Nominal sizes of openingsが,この規格と一致している。 

JIS M 8100 粉塊混合物−サンプリング方法通則 

備考 ISO 8868 : 1989, Fluorspar−Samplng and sample preparationが,この規格と同等である。 

K 1468-3 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3. 原理 分析試料に炭酸ナトリウムを加え融解,分解する。次いで,ふっ化物を錯化するためにほう酸

を加え,さらに,塩酸を加えて酸性にする。りん酸塩による妨害を避けるために酒石酸を加え,モリブド

けい酸の生成及びモリブデン青への選択的還元を行う。発色した錯体の最大吸収波長を用いて吸光度の測

定を行う。 

4. 試薬 分析に当たっては,日本工業規格に規定された試薬又は同等の純度をもつ試薬及び蒸留水又は

同等の純度をもつ水だけを用いる。すべての試薬は,シリカ含有量の極めて低いものを用いなければなら

ない。 

4.1 

炭酸ナトリウム,無水 JIS K 8625に規定するもの。 

4.2 

ほう酸 40g/l溶液 JIS K 8863に規定するほう酸を用いて調製したもの。 

4.3 

塩酸 約7mol/l溶液 JIS K 8180に規定する塩酸を用いて調製したもの。 

4.4 

硫酸 約7mol/l溶液 JIS K 8951に規定する硫酸を用いて調製したもの。 

4.5 

硫酸 約18mol/l溶液 JIS K 8951に規定する硫酸を用いて調製したもの。 

4.6 

モリブデン酸塩溶液 モリブデンとして55g/l 次のいずれかの方法で調製する。 

a) JIS K 8906に規定するモリブデン酸ナトリウム二水和物28gを,150mlの水に溶解し,水で200mlに

薄める。 

b) JIS K 8905に規定する七モリブデン酸六アンモニウム四水和物20gを150mlの水に溶解し,水で200ml

に薄める。 

溶液は瓶(5.3)に保存し,沈殿が生成したら廃棄する。 

4.7 

酒石酸 100g/l JIS K 8532に規定する酒石酸を用いて調製したもの。 

4.8 

アスコルビン酸 20g/l 

この溶液は使用日に調製する。 

4.9 

けい酸塩 標準液 SiO2として500mg/l 

次のいずれかの操作によって得たシリカ約0.25gを,白金るつぼ(5.1)に入れ,0.1mgまで量り取る。 

a) 高純度けい酸 (H2SiO3) を1 000℃で恒量になるまで(連続して2回測定したものの結果の差が1mg以

下)加熱して得られたシリカ (SiO2)。 

b) あらかじめ細かくすりつぶし,1 000℃で1時間加熱し,デシケーター中で放冷した高純度シリカ。 

シリカをはかりとった白金るつぼ(5.1)に炭酸ナトリウム(4.1)2.5gを加える。かくはん棒(5.5)でよくかき

混ぜ,注意して混合物を加熱,溶融する。冷却した後,溶融物の入ったるつぼに直接温水を加え,緩やか

に加熱して完全に溶解させる。この溶液を適切な容量のビーカー(5.2)に移す。 

冷却した後,溶液を約400mlに薄め,全量フラスコ(5.4)500mlに移し,水で標線まで薄め,混合する。 

この溶液は,直ちに瓶(5.3)に移し,保存する。 

この標準液1mlは,500μgのSiO2を含む。 

4.10 けい酸塩 標準液SiO2として100mg/lけい酸塩標準液(4.9)100mlを全量フラスコ(5.4)500mlに移し,

水で標線まで薄め,500mlとする。 

この溶液は,直ちに瓶(5.3)に移し,保存する。 

この標準液1mlは,100μgのSiO2を含む。 

この標準液は,使用する直前に調製する。 

K 1468-3 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.11 希釈液 ビーカー(5.2)600mlに炭酸ナトリウム(4.1)4gを加え,約300mlの水を加えて溶解する。こ

の溶液に,ほう酸(4.2)20mlを加え,塩酸(4.3)でpHを約2に調整する(pH試験紙を用いて行う)。この溶

液に水を加え500mlに薄める。 

この溶液は,瓶(5.3)に保存する。 

5. 装置及び器具 装置及び器具については,以下に規定するものを使用しなければならない。なお,こ

こに規定していない試験器具については,通常の試験器具を用いることとする。 

5.1 

白金るつぼ 白金製ふた付きるつぼで,直径40mm,深さ30mm程度のもの。 

5.2 

ビーカー 100ml,250ml,600ml,1 000mlの各容量で,ふっ素樹脂,ポリエチレン,ポリプロピレ

ンなどの,シリカを含まない材質のもの。 

5.3 

瓶 ふっ素樹脂,ポリエチレン,ポリプロピレンなどの,シリカを含まない材質のもの。 

5.4 

全量フラスコ ポリエチレンなどの,シリカを含まない材質のもの。 

5.5 

かくはん棒 ステンレス鋼,アルミニウムなどの,シリカを含まない材質のものとし,一端が扁平

な形状のもの。 

5.6 

分光光度計又は光電光度計 光路長2cmのセルが装着できる分光光度計又は最大透過波長約795nm

のフィルター及び光路長cmのセルが装着できる光電光度計。この波長のフィルターがない場合には,光

路長4cmのセルを用い,約680nmの波長で測定する。 

5.7 

pH計 ガラス電極及び銀−塩化銀電極を用い,最小目盛が0.05のもの。 

5.8 

乾燥器 105℃±2℃に調節可能なもの。 

5.9 

乳鉢及び乳棒 アルミナ又は炭化タングステン製でシリカを含まないもの。 

6. 試験試料 試験試料は,JIS M 8100の5.に準じた受渡当事者間で規定した方法によって採取,調製す

る。 

7. 操作 

7.1 

分析試料及び試験溶液の調製 6.で調製した試験試料数gを,乳鉢と乳棒(5.9)を用いてJIS Z 8801

に規定する目開き63μmの網ふるいを全通するまですりつぶす。 

すりつぶした分析試料は,105℃±2℃に調節した乾燥器(5.8)で2時間乾燥した後デシケーター中で放冷

する。 

白金るつぼ(5.1)に,この試料約0.2gを0.1mgまではかりとり,炭酸ナトリウム(4.1)4gを加える。 

るつぼの内容物をかくはん棒(5.5)でかき混ぜる。るつぼにふたをし,初めはゆっくりと,その後は暗赤

色になるまでガスバーナーで加熱する。完全に溶融してから,さらに5〜10分間赤熱する。るつぼを振り

動かして,内容物をよく混合する。るつぼから溶融物をはく離させるために,るつぼの外壁に冷水をかけ

冷却する。溶融物をビーカー(5.2)600mlに移し,るつぼ中に残った溶融物は,水を用いて注意してビーカ

ーに洗い入れる。最後に,約200mlとなるまで水を加える。 

このビーカーを蒸気浴上に30分間放置する。次いで,かくはん棒(5.5)で固まりをつぶす。冷却後,水で

約300mlとし,ほう酸(4.2)20mlを加える。かくはんしながら,この溶液に塩酸(4.3)を加えpH値を約2に

調整する(pH試験紙を用いる)。この溶液(淡い乳白色を呈することがある)を全量フラスコ(5.4)500ml

に移し,水で標線まで薄め,混合する。 

硫酸バリウムの白色沈殿が生成した場合には,次の操作前に沈殿させる必要がある。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2 

空試験 試料を用いないで,全操作(7.4)を定量と並行して行い,空試験とする。 

7.3 

検量線の作成 

7.3.1 

吸光度測定のための標準液の調製 6個のビーカー(5.2)600mlに,表1に示す量のけい酸塩標準液

(4.10)を入れる。 

炭酸ナトリウム(4.1)4gを加え,水で約300mlとし,ほう酸(4.2)20mlを加える。かき混ぜながら塩酸(4.3)

を加えてpH値を約2に調整する(適切なpH試験紙を用いる)。全量フラスコ(5.4)500mlに移し,水で標

線まで薄め,混合する。 

表1 検量線用溶液 

けい酸標準液量(4.10) 

ml 

相当するSiO2の質量 

μg 

0(1) 
2.0 
5.0 

10.0 
20.0 
25.0 


20 
40 
80 

100 

注(1) ゼロ点の検量線用溶液(検量線用試薬を用いた空試験液) 

7.3.2 

予備試験及びpH調整 SiO2100μgを含む標準液(7.3.1)20mlをビーカー(5.2)100mlにとる。水で約

60mlに薄め,かき混ぜながら,pH計(5.7)を用い,硫酸(4.4)を加えpH1.1に調整する。 

この操作に必要な硫酸(4.4)の容量を記録し,溶液は廃棄する。 

7.3.3 

発色液の調製 6個の全量フラスコ(5.4)100mlに7.3.1で調製した溶液を,各々20mlずつとり,水

で約60mlに薄める。7.3.2で記録した容量の硫酸(4.4)及びモリブデン酸塩溶液(4.6)10mlを加える。混合し,

15分間放置する。酒石酸(4.7)5mlを加え,混合し,5分間放置する。次に,硫酸(4.5)10mlを添加し,アス

コルビン酸(4.8)2mlを加える。水で標線まで薄め,混合した後30分間放置する。 

7.3.4 

吸光度測定 あらかじめ水を用いて吸光度をゼロに調節し,最大吸収波長(約795nm)に合わせた

分光光度計(5.6)又は適切なフィルターを装着した光電光度計(5.6)を用いて各々の標準液の吸光度を測定す

る。 

7.3.5 

検量線の作成 正味の吸光度を求めるために,各々の発色標準液(表1参照)の吸光度からゼロ点

の検量線用溶液の吸光度を差し引く。 

検量線は,例えば,横軸に発色標準液中のシリカ (SiO2) のμgの単位で表した質量を,縦軸に正味の吸

光度をとり,グラフを作図する。 

7.4 

定量 

7.4.1 

予備試験及びpH調整 試験溶液(7.1)20mlをビーカー(5.2)100mlにとる。水で約60mlに薄め,か

き混ぜながら,pH計(5.7)を用い,硫酸(4.4)を加えpH1.1に調整する。 

この操作に必要な硫酸(4.4)の容量を記録し,溶液は廃棄する。 

7.4.2 

発色 試験溶液(7.1)を全量フラスコ(5.4)100mlに分取する。このとき試験溶液採取量は20ml以下

とし,それに含まれるSiO2は100μg以下とする。20ml以下を用いる場合には,全量を正確に20mlとする

ために希釈液(4.11)を加える。 

水を加えて約60mlとし,7.4.1で記録した容量の硫酸(4.4)を加える。モリブデン酸塩溶液(4.6)10mlを加

え,よく混合し,15分間放置する。酒石酸(4.7)5mlを加え,混合し,5分間放置する。次に,硫酸(4.5)10ml

を加え,アスコルビン酸(4.8)2mlを加える。水で標線まで薄め,混合し,30分間放置する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.4.3 

吸光度測定 水を用いて装置のゼロ点を調節した後,試験溶液(7.4.2)及び空試験液(7.2)の吸光度を,

7.3.4に記す操作に従って測定する。 

8. 結果の表示 検量線(7.3.5)から,試験溶液及び空試験液の正味の吸光度に相当するシリカ (SiO2) の含

有量を求める。 

SiO2の質量百分率で表したシリカ含有量は,次の式によって算出する。 

4

0

2

1

10−

×

×

=

D

r

m

m

m

C

ここに, 

C: 分析試料のシリカ含有量 (%) 

m0: 分析試料(7.1)の質量 (g) 

m1: 発色のために採取した試験溶液(7.1)中のシリカ (SiO2) の

質量 (μg) 

m2: 発色のために採取した空試験液(7.2)中のシリカ (SiO2) の

質量 (μg) 

rD: 試験溶液の体積と発色(7.4.2)に用いた溶液との体積比率 

備考 異なる分析方法によって得られたシリカ含有量の一例を附属書2(参考)に示す。 

9. 試験結果の報告 試験結果の報告は,次の事項を記載しなければならない。 

a) 試料の識別に必要なすべての情報 

b) 用いた分析方法の明示(この規格の引用) 

c) 結果及び用いた表示方法 

d) 測定時に気づいた特記事項 

e) この規格又は引用した規格に含まれていない操作及び随意とみなされるすべての操作 

関連規格 JIS K 0050 化学分析方法通則 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定) 蛍光X線分析方法 

1. 適用範囲 この附属書は,ふっ化水素酸用ほたる石中のシリカ含有量を蛍光X線分析方法を用いて定

量する方法について規定する。 

この方法は,シリカ (SiO2) として0.05〜4.0%を含有する製品に適用する。 

2. 引用規格 

JIS K 0119 蛍光X線分析方法通則 

JIS Z 8801 試験用ふるい 

備考 ISO 565 : 1990, Test sieves−Metal wire cloth, perforated metal plate and electroformed sheet−

Nominal sizes of openingsが,この規格と一致している。 

3. 要旨 平面に加圧成形した試料に,一次X線を照射してけい素を励起し,発生した蛍光X線を分光結

晶を用いた分光器で分光し,検出器に入射させ,その蛍光X線強度を測定する。 

4. 装置及び器具 

4.1 

蛍光X線分析装置 蛍光X線分析装置は,JIS K 0119による。使用する装置は,適用範囲内のシリ

カ含有量において十分な測定感度をもつものを用いる。 

4.2 

試料形成リング又は試料形成容器 試料形成リングの材質は,アルミニウムなどの金属又はポリ塩

化ビニルなどの合成樹脂とし,試料形成容器は,アルミニウム,鋼などの金属とする。 

5. 試料 JIS Z 8801に規定する目開き105μmの網ふるいを全通するまで粉砕した試料を,105℃〜110℃

に調節した乾燥器中で恒量になるまで乾燥する。この試料の適切量をとり,さらに粉砕器で粉砕する(1)。

これを板状に加圧成形して測定試料を作製し,この試料面をX線照射面とする。 

注(1) 一般に,試料の粒径を小さくすれば精度は向上する。測定に際しては,あらかじめ試料の粒径

又は粉砕条件と蛍光X線強度との関係を調べ,蛍光X線強度の変化が少なくなる粒径又は粉砕

条件を求め,一定の粒径となるように粉砕することが望ましい。 

6. 操作 

6.1 

分析線 この方法で用いる分析線は,附属書1表1による。 

附属書1表1 分析線 

測定元素 

分析線 

波長nm 

次数 

分光結晶 

けい素 

Si K α 

0.712 6 

PET 

PET:ペンタエリスリトール 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2 

測定 測定試料を試料ホルダーを用いて装置の試料室に正しく装着し,X線照射面積を試料マスク

又は一次X線の絞りを用いて調節する。必要ならば,X線通路を真空にするか又はヘリウムで置換する。

あらかじめ装置を適切な測定条件(2)に設定し,一次X線を試料に照射し,発生したけい素の蛍光X線強度

を測定する。測定は,パルス計数方式の装置では定時計測法(又は定数計時法)又は対比法(3),積分電圧

測定方式の装置ではモニター法又は定時積分法による。 

注(2) 装置の形式,測定元素及びその含有量の範囲,所要定量精度などを考慮して,実験的に最も適

切な測定条件を設定する。測定条件には,附属書1表1に示す分析線,分光結晶の他に,X線発

生部の設定条件(管電圧,管電流など),分光部の設定条件(スリット幅など),計数記録部の

設定条件などがある。 

(3) 自動対比機構をもたない装置で対比法を用いる場合には,分析試料と対照試料の測定は,原則

として連続して行う。 

6.3 

検量線の作成 

6.3.1 

検量線 標準試料を測定して得た蛍光X線強度又は対照試料との強度比とシリカ含有量との関係

線を作成して検量線とする。 

6.3.2 

標準物質 

a) 標準物質は,試料と共存物質の量及び組成が同一のもので,シリカ含有量が定量範囲内に含まれる3

試料以上を用いる。 

b) 標準物質は,試料と同一の方法で調製する。 

c) 標準物質のシリカ含有量は,本体に規定する方法で測定された値を用いる。 

7. 含有量の計算 6.3で作成した検量線からシリカの含有量を求める。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(参考) 異なる方法で得られた結果の比較 

いくつかのほたる石についてモリブドけい酸塩重量法(Leverkusen研究所の方法)及びGifford法によっ

て分析を行った結果を,附属書2表1に示す。 

附属書2表1 結果報告 

試料 

この規格に規定された吸光光度法 

モリブドけい酸塩重量法(平均) 

Gifford法(平均) 

ほたる石No1(1) 

1.55 ; 1.56 

1.50 

1.5 

ほたる石No2(1) 

1.27 ; 1.27 

1.24 

1.2 

ほたる石No3(1) 

1.73 ; 1.80 

1.70 

− 

ほたる石(2) 

1.03 ; 1.03 

0.99 

1.0 

ほたる石A(3) 

0.30 ; 0.31 

0.31 

− 

ほたる石B(3) 

0.50 ; 0.51 

− 

0.5 

ほたる石C(3) 

1.09 ; 1.10 

− 

1.1 

ほたる石D(3) 

0.17 ; 0.17 

− 

0.2 

ほたる石E(3) 

1.68 ; 1.67 

1.66 

− 

注(1) ISO/TC47の比較試験に用いた試料 

(2) Rottleberode 
(3) ルーチン分析に用いたほたる石 

JIS K 1468-3(ふっ化水素酸用ほたる石分析方法 第3部 シリカ含有量の定量) 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

川 瀬   晃 

セイコーインスツルメンツ株式会社 

(委員) 

大 嶋 清 治 

通商産業省工業技術院標準部材料規格課 

大 橋 和 夫 

通商産業省製品評価技術センター検査部 

西 出 徹 雄 

通商産業省基礎産業局化学課 

佐々木 謙 治 

社団法人日本海事検定協会 

新 井 一 正 

日本軽金属株式会社 

成 塚 定 司 

旭硝子株式会社 

後 藤 正二郎 

セイミケミカル株式会社 

(主査) 

百 田 邦 堯 

森田化学工業株式会社 

中須賀 正 直 

森田化学工業株式会社 

新 井 博 通 

セントラル硝子株式会社 

山 本 浩 司 

株式会社トーケムプロダクツ 

上 山 恵 一 

ダイキン工業株式会社 

米 沢   勗 

ステラ ケミファ株式会社 

(事務局) 

中 島 俊 隆 

日本無機薬品協会 

金 古 博 文 

日本無機薬品協会 

解説文責者 新井 博通(セントラル硝子株式会社)