日本工業規格
JIS
K
1459
-1961
塩素酸ナトリウム
NaClO
3
M=106.45
Sodium Chlorate
1.
適用範囲 この規格は,工業薬品としての塩素酸ナトリウムについて規定する。
2.
品質 塩素酸ナトリウムは,3.試験方法によって試験し,表 1 の規定に適合しなければならない。
表 1
塩素酸ナトリウム
99.0 %
以上
塩化ナトリウム
0.50%
以下
水分
0.30%
以下
水不溶分
0.10%
以下
3.
試験方法
3.1
試料の取り方 試料採取の最小容器数は,表 2 によりランダムに容器を抜き取り,その各々の容器
から,全量がほぼ 300g になるように手早く等量ずつ採取し,広口共栓瓶 500ml に入れ,密栓してよく混
合した後試料とする。
表 2
容器数
試料採取最小容器数
1
∼ 10
1
11
∼ 50
2
51
∼ 100
3
101
∼ 500
5
501
∼ 1 000
10
3.2
試薬
(1)
クロム酸カリウム溶液 (5%)
(2)
硫酸マンガン溶液
JIS K 8001
(試薬試験方法通則)の 4.1 による。
(3) N/10
硝酸銀溶液 JIS K 8001 の 4.4(16)による。
(4) N/10
過マンガン酸カリウム溶液 JIS K 8001 の 4.4(9)による。
(5)
硫酸第一鉄溶液:硫酸第一鉄 5g に水 90ml を加えて溶かし,硫酸(比重 1.84)を加えて 100ml とする。
備考 試薬は,日本工業規格による特級のものを用いる。
3.3
器具 ブンゼン弁:図 1 に示す。
2
K 1459-1961
図 1
3.4
塩素酸ナトリウム 試料 1g を量り,水を加えて溶かした後,全量フラスコ 500ml の中に移し,水で
標線まで薄め,十分に振る。これから 25ml を平底フラスコ 250ml に取り,硫酸第一鉄溶液 25ml を加え,
ブンゼン弁(
図 1)を付けて 10 分間煮沸した後ピンチコックを締め,冷却後硫酸マンガン溶液 10ml を加
え,N/10 過マンガン酸カリウム溶液で滴定し,溶液がかすかに紅色を呈したときを終点とする。このとき
の N/10 過マンガン酸カリウム溶液の使用量を b ml とする。
別に硫酸第一鉄溶液 25ml を平底フラスコ 250ml に取り,水 25ml を加え,ブンゼン弁を付けて 10 分間
煮沸した後ピンチコックを締め,冷却後硫酸マンガン溶液 10ml を加え,N/10 過マンガン酸カリウム溶液
で滴定し,溶液がかすかに紅色を呈したときを終点とする。このときの N/10 過マンガン酸カリウム溶液の
使用量を a ml とし,次の式から塩素酸ナトリウム (%) を算出する。
(
)
100
25
500
001774
.
0
×
×
−
×
=
S
b
a
A
ここに,
A
:
塩素酸ナトリウム
(%)
a
:
空試験における
N/10
過マンガン酸カリウム溶液の使用量
(ml)
b
:
試料試験における
N/10
過マンガン酸カリウム溶液の使用量
(ml)
S
:
試料
(g)
3.5
塩化ナトリウム 試料
5g
を量り,温水
100ml
を加えて溶かし,放冷後クロム酸カリウム溶液
(5%) 4
∼
5
滴を指示薬として加え,この溶液を激しくかき混ぜながら
N/10
硝酸銀溶液で滴定し,溶液がわずかに
赤を呈したときを終点として,次の式から塩化ナトリウム
(%)
を算出する。
100
005845
.
0
×
×
=
S
D
C
ここに,
C
: 塩化ナトリウム (%)
D
: N/10 硝酸銀溶液の使用量 (ml)
S
: 試料 (g)
3
K 1459-1961
3.6
水分 試料 10g を JIS R 3503(化学分析用ガラス器具)の平形はかり瓶 60mm に取り,試料をはか
り瓶の底の全面になるべく均等の厚さにひろげる。次に栓を除き,はかり瓶及び栓を 105∼110℃に調節し
た乾燥器中で 3 時間乾燥し,デシケーター中に入れ,冷却後栓をして量り,次の式によって水分 (%) を算
出する。
100
×
=
S
E
H
ここに,
H
: 水分 (%)
E
: 減量 (g)
S
: 試料 (g)
3.7
水不溶分 試料 5g を量り,水 100ml を加えて煮沸して溶かす。これを質量の知れている JIS R 3503
のガラスろ過器(るつぼ形)1G3 でこし,熱水で洗った後,105∼110℃に調節した乾燥器中で 2 時間乾燥
し,デシケーター中で放冷後量り,次の式から水不溶分 (%) を算出する。
100
×
=
S
F
I
ここに,
I
: 水不溶分 (%)
F
: 増量 (g)
S
: 試料 (g)