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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 1420-1958 

チオ硫酸ナトリウム(結晶) 

〔チオ硫酸ソーダ(結晶)〕(1) 

Na2S2O3・5H2O 

M=248.19 

1. 適用範囲 この規格は,工業薬品としてのチオ硫酸ナトリウム(結晶)について規定する。 

注(1) この名称は参考である。 

2. 品質 チオ硫酸ナトリウム(結晶)は,3.試験方法によって試験し,次表の規定に適合しなければな

らない。 

表 

チオ硫酸ナトリウム 
(Na2S2O3・5H2Oとして) 

99.0% 以上 

塩化ナトリウム 

0.05% 以下 

鉄 

0.002% 以下 

3. 試験方法 

3.1 

チオ硫酸ナトリウム 試料約1gを正確にはかり水50ccに溶かす。デンプン溶液(2)を指示薬として,

N/10ヨウ素溶液(3)で滴定し,次式によってチオ硫酸ナトリウム (%) を算出する。 

100

02482

.0

×

×

=

S

B

A

ここに 

A: チオ硫酸ナトリウム (Na2S2O3・5H2O) (%)  

S: 試料 (g)  

B: N/10ヨウ素溶液使用量 (cc)  

注(2) デンプン溶液の作り方 デンプン約1gを少量の水で練り,熱水約200cc中にかきまぜながら注

入したのち,約1分間煮沸し,冷却後こして用いる。 

(3) N/10ヨウ素溶液の作り方 ヨウ化カリウム約40gを水約25ccに溶解し,ヨウ素約13gを加えて

溶解したのち水で約1 000ccにうすめ,塩酸(比重1.18)3滴を加え,着色ビンに入れて暗所に

保存する。この力価は,つぎの方法によってきめる。 

本溶液25ccをとり,デンプン溶液を指示薬としてN/10チオ硫酸ナトリウム溶液*で滴定する。

ただし,デンプン溶液は,溶液がごくうすい黄色になってから加える。 

K 1420-1958  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

N/10チオ硫酸ナトリウム溶液の作り方 チオ硫酸ナトリウム(結晶)約26gを炭酸ナトリウム

(無水)約0.2gとともに,炭酸を含まない水約1 000ccに溶解する。これにイソアミルアルコ

ール約10ccを加え,センをして2日間放置する。この力価は,つぎの方法によってきめる。 

120〜140℃で約2時間乾燥し,硫酸デシケーター中で冷却したJIS K 8005(標準試薬)のヨ

ウ素酸カリウム1〜1.5gを正確にはかり,水を加えて溶解し,メスフラスコ250ccに移し,水

で標線までうすめる。その25ccをとり,ヨウ化カリウム約2gおよび塩酸 (2+1) 約5ccを加え

たのち,デンプン溶液を指示薬として本溶液で滴定する。 

ただしデンプン溶液は,溶液がごくうすい黄色になってから加える。 

別にヨウ化カリウムについて同一条件で空試験を行い,その使用量を差引く。 

3.2 

塩化ナトリウム 試料1gをはかりとり水約10ccを加えて溶解し,つぎに水酸化ナトリウム溶液 

(10%) 5ccおよび過酸化水素水 (30%) 5ccを加えて水浴上でほとんど蒸発乾固したのち,水を加えて溶解し,

水で200ccとする。 

その10 cc (=0.05g) を試験管(内径約2.3cm)にとり,水を加えて20ccとし,硝酸 (1+2) 5cc,デキス

トリン溶液 (2%) 0.2ccを加えたのち,硝酸銀溶液 (2%) 1ccを加えて振り,その濁りを,別に水酸化ナト

リウム溶液 (10%) 0.25ccおよび過酸化水素水 (30%) 0.25ccを水浴上でほとんど蒸発乾固し,水約5 ccに溶

解して試験管(内径約2.3cm)に移したのち,塩化ナトリウム標準溶液 (1cc=0.01mgNaCl) (4)を加えて水

で20ccにうすめ,以下,前と同様に処理して作った標準濁度列と比較し,濁りの等しいものの塩化ナトリ

ウム標準溶液量を求めて,塩化ナトリウム (%) を算出する。 

100

001

00

.0

×

×

=

S

D

C

ここに 

C: 塩化ナトリウム (%)  

S: 試料 (g)  

D: 塩化ナトリウム標準溶液使用量 (cc)  

注(4) 塩化ナトリウム標準溶液 (1 cc=0.01 mgNaCl) の作り方 塩化ナトリム1gを水に溶解して 

1 000ccとし,その10ccに水を加えて1 000ccとする。 

3.3 

鉄 試料5gをはかりとり,水20ccに溶解し,アンモニア水 (1+2) 5ccを加え,つぎに過酸化水素

水 (15%) 40ccを徐々に加え,10分間放置したのち水浴上で蒸発乾固する。これに塩酸 (1+1)5 cc,水5cc

を加え,沸騰するまで加熱したのち水で100ccとする(A液とする)。鉄標準溶液 (1cc=0.01mgFe) (5)を同

様に処理して100ccとする(B液とする)。 

A液およびB液のそれぞれ5ccを試験管にとり,両液にブチルアルコール性チオシアン酸カリウム溶液

(6)15 ccを加え1分間振りまぜる。ブチルアルコール層の呈する色を比較し,色の等しいものの鉄標準溶液

量を求め,次式によって鉄 (%) を算出する。 

100

00001

.0

×

×

=

S

G

E

ここに 

E: 鉄 (%)  

S: 試料 (g)  

G: 鉄標準溶液使用量 (cc)  

注(5) 鉄標準溶液 (1cc=0.01mgFe) の作り方 硫酸第二鉄アンモニウム8.63gを硝酸 (1+6) 約10cc

および水に溶解して1 000ccとし,その10ccに硝酸 (1+6) 約10ccおよび水を加えて1 000ccと

する。 

(6) ブチルアルコール性チオシアン酸カリウム溶液の作り方 チオシアン酸カリウム10gを水10cc

K 1420-1958  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

に溶解し,n−ブチルアルコール90ccを加えて激しく振りまぜる。