2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 1418-1958
亜硫酸ナトリウム(結晶)
〔亜硫酸ソーダ(結晶)〕(1)
Na2SO3・7H2O
M=252.16
1. 適用範囲 この規格は,工業薬品としての亜硫酸ナトリウム(結晶)について規定する。
注(1) この名称は参考である。
2. 品質 亜硫酸ナトリウム(結晶)は,3.試験方法によって試験し,次表の規定に適合しなければなら
ない。
表
1号
2号
水溶状
澄明ないしほとんど澄明
−
亜硫酸ナトリウム
(Na2SO3・7H2Oとして)
95.0% 以上
90.0% 以上
硫酸ナトリウム
1.25% 以下
−
塩化ナトリウム
0.05% 以下
0.25% 以下
鉄
0.001%以下
0.02% 以下
炭酸ナトリウム
0.05% 以下
−
3. 試験方法
3.1
水溶状 試料1gをはかりとり,水10ccを加えて溶解したとき,澄明ないしほとんど澄明でなけれ
ばならない。
3.2
亜硫酸ナトリウム 試料約0.4gを正確にはかり,あらかじめ共セン三角フラスコにとったN/10ヨウ
素溶液(2)40cc中に加えて溶解し,センをして5分間放置したのち塩酸 (2+1) 5ccを加える。つぎに過剰の
ヨウ素をデンプン溶液(3)を指示薬としてN/10チオ硫酸ナトリウム溶液(4)で逆滴定し,次式によって亜硫酸
ナトリウム (%) を算出する。
ただしデンプン溶液は,溶液がごくうすい黄色になってから加える。
100
)
(
01261
.0
×
−
×
=
S
C
B
A
ここに
A:亜硫酸ナトリウム (Na2SO3・7H2O) (%)
S:試料 (g)
2
K 1418-1958
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B:N/10ヨウ素溶液40cc
C:N/10チオ硫酸ナトリウム溶液使用量 (cc)
注(2) N/10ヨウ素溶液の作り方 ヨウ化カリウム約40gを水約25ccに溶解し,ヨウ素約13gを加えて溶
解したのち,水で約1000ccにうすめ,塩酸(比重1.18)3滴を加え,着色ビンに入れて暗所に保
存する。この力価は,つぎの方法によってきめる。
本溶液25ccをとり,デンプン溶液を指示薬としてN/10チオ硫酸ナトリウム溶液(4)で滴定す
る。ただしデンプン溶液は,溶液がごくうすい黄色になってから加える。
(3) デンプン溶液の作り方 デンプン約1gを少量の水で練り,熱水約200cc中にかきまぜながら注
入したのち,約1分間煮沸し,冷却後こして用いる。
(4) N/10チオ硫酸ナトリウム溶液の作り方 チオ硫酸ナトリウム(結晶)約26gを炭酸ナトリウム
(無水)約0.2gとともに,炭酸を含まない水約1000ccに溶解する。これにイソアミルアルコー
ル約10ccを加え,センをして2日間放置する。この力価は,つぎの方法によってきめる。
120〜140℃で約2時間乾燥し,硫酸デシケーター中で冷却したJIS K 8005(標準試薬)のヨ
ウ素酸カリウム1〜1.5gを正確にはかり,水を加えて溶解し,メスフラスコ250ccに移し,水で
標線までうすめる。その25ccをとり,ヨウ化カリウム約2gおよび塩酸 (2+1) 約5ccを加えた
のち,デンプン溶液を指示薬として本溶液で滴定する。ただしデンプン溶液は,溶液がごくう
すい黄色になってから加える。
別にヨウ化カリウムについて同一条件で空試験を行い,その使用量を差引く。
3.3
硫酸ナトリウム 試料約2gを正確にはかり,塩酸(比重1.18)約15ccを加えて煮沸し,完全に亜
硫酸ガスを駆除したのち,水浴上でほとんど蒸発乾固する。
これに塩酸(比重1.18)3ccおよび水約50ccを加えて溶解し,必要あればこし,水洗する。つぎに液量
を約300ccとし,沸騰するまで加熱し,かきまぜながら熱塩化バリウム溶液 (10%) 約20ccを加え,約30
分間水浴上で加温したのち約4時間放置する目のこまかいロ紙でこし,水で洗液に塩素イオンの反応がな
くなるまで洗う。沈殿は,ロ紙とともに磁製ルツボに移し,ルツボを傾けて十分に空気を通じさせて,で
きるだけ低温で灰化したのち約700℃に暫時強熱し,デシケーター中で冷却後硫酸バリウム (BaSO4) とし
てはかり,次式によって硫酸ナトリウム (%) を算出する。
100
6085
.0
×
×
=
S
E
D
ここに
D: 硫酸ナトリウム (%)
S: 試料 (g)
E: BaSO4 (g)
3.4
塩化ナトリウム 試料1gをはかりとり,水約10ccを加えて溶解し,つぎに水酸化ナトリウム溶液
(10%) 5ccおよび過酸化水素水 (30%) 5ccを加え,水浴上でほとんど蒸発乾固したのち水を加えて溶解し,
水で200ccとする。
その10cc (=0.05g)(5)を試験管(内径約2.3cm)にとり,水を加えて20ccとし,硝酸 (1+2) 5cc,デキス
トリン溶液 (2%) 0.2ccを加えたのち,硝酸銀溶液 (2%) 1ccを加えて振り,その濁りを,別に水酸化ナト
リウム溶液 (10%) 0.25ccおよび過酸化水素水 (30%) 0.25ccを水浴上でほとんど蒸発乾固し,水約5ccに溶
解して試験管(内径約2.3cm)に移したのち,塩化ナトリウム標準溶液 (1cc=0.01mgNaCl)(6)を加えて水で
20ccにうすめ,以下,前と同様に処理して作った標準濁度列と比較し,濁りの等しいものの塩化ナトリウ
ム標準溶液量を求め,次式によって塩化ナトリウム (%) を算出する。
3
K 1418-1958
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
100
00001
.0
×
×
=
S
H
G
ここに
G: 塩化ナトリウム (%)
S: 試料 (g)
H: 塩化ナトリウム標準溶液使用量 (cc)
注(5) 2号の場合は,5cc (=0.025g) をとる。
(6) 塩化ナトリウム標準溶液 (1cc=0.01mgNaCl) の作り方 塩化ナトリウム1gを水に溶解して
1000ccとし,その10ccに水を加えて1000ccとする。
3.5
鉄 試料5g(7)をはかりとり,水25ccに溶解し,塩酸(比重1.18)15ccを加え,水浴上で蒸発乾固す
る。これに水25ccを加えて溶解し,p−ニトロフェノール溶液 (0.2%) 2滴を指示薬として加え,アンモニ
ア水 (1+9) を黄色を呈するまで加えたのち,溶液が再び無色になるまで塩酸 (1+99) を加え,さらに
2.5ccを過剰に加えたのち水で50ccにうすめる(A液とする)。鉄標準溶液 (1cc=0.01mgFe)(8)を同様に処
理し,水で50ccにうすめる(B液とする)。
A液およびB液のそれぞれ20ccをとり,両液にo−フェナントロリン混合液(9)5ccを加えて10分間放置
し,つぎに水50ccを加えて色を比較し,色の等しいものの鉄標準溶液量を求め,次式によって鉄 (%) を
算出する。
100
00001
.0
×
×
=
S
J
I
ここに
I: 鉄 (%)
S: 試料 (g)
J: 鉄標準溶液使用量 (cc)
注(7) 2号の場合は,試料0.5gをはかりとり,水25ccに溶解し,塩酸(比重1.18)5ccを加え,以下同
様に行う。
(8) 鉄標準溶液 (1cc=0.01mgFe) の作り方 硫酸第一鉄アンモニウム7.02gを水に溶解し,塩酸 (1
+1) 2ccを加え,水で1000ccとし,その10ccに塩酸 (1+1) 2ccおよび水を加えて1000ccとす
る。
(9) o−フェナントロリン混合液の作り方 o−フェナントロリン溶液 (0.1%) と塩酸ヒドロキシル
アミン溶液 (10%) およびpH5の酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液をそれぞれ等量ずつ混合する。
pH5の酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液は,酢酸ナトリウム(無水)23gを2モル酢酸58ccに加え,
水で1000ccにうすめ,氷酢酸または水酸化ナトリウム溶液 (10%) を用いてpH5に調整する。
3.6
炭酸ナトリウム 試料3gをはかりとり,水20ccを加えて溶解し,過酸化水素水 (20%) 〔あらかじ
めメチルレッド溶液 (0.2%) を指示薬として中性としたもの〕4ccを加えて振り,水浴上で液量が約1/2に
なるまで蒸発したのち冷却し,水10ccを加え,メチルレッド溶液 (0.2%) を指示薬としてN/20塩酸(10)で
滴定し,次式によって炭酸ナトリウム (%) を算出する。
100
00265
.0
×
×
=
S
L
K
ここに
K: 炭酸ナトリウム (%)
S: 試料 (g)
L: N/20塩酸使用量 (cc)
注(10) N/20塩酸の作り方 塩酸(比重1.18)約5ccに水を加えて約1000ccとする。この力価は,つぎの
方法によってきめる。
500〜650℃で約40分間白金ルツボ中で加熱し,硫酸デシケーター中で冷却したJIS K 8005
4
K 1418-1958
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(標準試薬)の炭酸ナトリウム0.5〜0.8gを正確にはかり,水に溶解して250ccとする。その25cc
をとり,ブロムフェノールブルーのエチルアルコール(20容量%)溶液 (0.1%) を指示薬とし
て,本溶液で滴定する。このとき滴定の終点付近で煮沸して炭酸を除き,冷却後滴定を続け,
終点を求める。