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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 1417-1992 

水酸化バリウム 

Barium hydroxide 

Ba (OH) 2・8H2O  FW : 315.46 

1. 適用範囲 この規格は,工業用の水酸化バリウムについて規定する。 

備考1. 化学名は,水酸化バリウム八水和物である。 

2. この規格の引用規格を,付表1に示す。 

3. 溶液の濃度の単位を%で示す場合,特に限定のない限り,質量百分率を表す。 

2. 品質 水酸化バリウムの品質は,4.によって試験したとき,表1のとおりとする。 

表1 品質 

単位 % 

項目 

品質 

水酸化バリウム [Ba (OH)2・8H2O] 

94.0 

以上 

炭酸バリウム (BaCO3) 

 1.0 

以下 

水酸化ストロンチウム [Sr (OH)2・8H2O] 

 2.5 

以下 

塩酸不溶分 

 0.03 以下 

塩化物 (Cl) 

 0.03 以下 

鉄 (Fe) 

 0.003 以下 

硫酸で沈殿しない物質 

 0.2 

以下 

よう素還元性物質(Sとして) 

 0.05 以下 

3. 試料採取方法 品質が同一とみなすことができる1ロットから,全体を代表するようランダムに2イ

ンクリメント以上を採取し,均質に混合したものを試料とする。 

4. 試験方法 

4.1 

一般事項 一般事項は,次のとおりとする。 

(1) 試験において共通する一般事項は,JIS K 0050による。 

(2) 分析用ガラス器具は,JIS R 3503及びJIS R 3505に規定するものを用いる。 

(3) 原子吸光分析法については,JIS K 0121の規定による。 

(4) 分光光度計又は光電光度計については,JIS K 0115の規定による。 

(5) 数値の丸め方は,JIS Z 8401による。 

4.2 

水酸化バリウム 

(1) 要旨 試料を二酸化炭素を含まない水で溶解し,フェノールフタレインを指示薬として塩酸で滴定す

K 1417-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る。滴定量からバリウムとストロンチウムを水酸化バリウムとして求め,①とする。 

別に4.4で求めた水酸化ストロンチウムを水酸化バリウムに換算し,①から差し引いて水酸化バリ

ウムを求める。 

(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(2.1) フェノールフタレイン溶液 (0.1g/100ml) JIS K 8001の4.4(表7)(中和滴定用)に規定するもの。 

(2.2) 1mol/l塩酸 JIS K 8001の4.5(5)(塩酸)に規定するもの。 

(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(3.1) 化学はかり 0.1mgのけたまではかれるもの。 

(3.2) 共栓付三角フラスコ 300ml 

(3.3) ビュレット 50ml 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(4.1) 試料約3gを0.1mgのけたまではかり取り,共栓付三角フラスコ300mlに移す。 

(4.2) 二酸化炭素を含まない水(1)50mlを加え,直ちに指示薬としてフェノールフタレイン溶液 

(0.1g/100ml) を2,3滴加える。 

注(1) JIS K 8001の3.6(3)(二酸化炭素を含まない水)に規定する水を用いる。 

(4.3) 1mol/l塩酸で滴定し赤色が消えた点を終点(2)とする。 

注(2) この水酸化バリウム試験の終了液は,4.3の供試液とする。 

(5) 計算 水酸化バリウムは,次の式によって算出する。 

187

.1

100

1578

.0

×

×

×

×

=

C

S

f

B

A

ここに, 

A: 水酸化バリウム (%) 

B: 1mol/l塩酸の滴定量 (ml) 

f: 1mol/l塩酸のファクター 

S: 試料の質量 (g) 

C: 4.4で求めた水酸化ストロンチウム (%) 

0.157 8 : 1mol/l塩酸1mlに相当する水酸化バリウムの量 (g) 

1.187 : 水酸化ストロンチウム1gに相当する水酸化バリウムの量 

(g) 

4.3 

炭酸バリウム 

(1) 要旨 4.2の水酸化バリウムを求めた後の溶液に,ブロモフェノールブルー溶液を指示薬として塩酸で

滴定し,滴定量から炭酸バリウムを求める。 

(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(2.1) ブロモフェノールブルー溶液 (0.1g/100ml) JIS K 8001の4.4(表7)に規定するもの。 

(2.2) 1mol/l塩酸 4.2(2.2)による。 

(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(3.1) 化学はかり 4.2(3.1)による。 

(3.2) 共栓付三角フラスコ 4.2(3.2)による。 

(3.3) ビュレット 4.2(3.3)による。 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(4.1) 4.2の供試液に,指示薬としてブロモフェノールブルー溶液 (0.1g/100ml) を2,3滴加える。 

(4.2) 1mol/l塩酸で滴定し,青が消えた点を終点とする。 

K 1417-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(5) 計算 炭酸バリウムは,次の式によって算出する。 

100

0987

.0

×

×

×

=

S

f

E

D

ここに, 

D: 炭酸バリウム (%) 

E: 1mol/l塩酸の滴定量 (ml) 

f: 1mol/l塩酸のファクター 

S: 4.2の試料の質量 (g) 

0.098 7: 1mol/l塩酸1mlに相当する炭酸バリウムの量 (g) 

4.4 

水酸化ストロンチウム 

(1) 要旨 試料を塩酸に溶かし,ストロンチウムの量を原子吸光分析装置を用いて標準添加法によって求

める。 

(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(2.1) 塩酸 (1+1)  JIS K 8180に規定する特級を用いて調製したもの。 

(2.2) ストロンチウム標準液 (0.01mgSr/ml)  JIS K 8001の4.3(2)(原子吸光法,炎光光度法用)に規定

する標準液 (0.1mgSr/ml) 10mlを100mlの全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加え調製したもの。 

(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(3.1) 化学はかり 1mgのけたまではかれるもの。 

(3.2) 原子吸光分析装置 

(3.3) ヒーター 電気又はガスなどを熱源にしてビーカー中の液を煮沸できるもの。 

(3.4) 全量フラスコ 100ml,250ml 

(3.5) メスピペット 25ml 

(3.6) 全量ピペット 5ml 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(4.1) 試料約3gを1mgのけたまではかり取り,ビーカー300mlに移し,水約100mlと塩酸 (1+1) 8mlを

加えて加熱溶解する。 

(4.2) 冷却後,全量フラスコ250mlに移し,水を標線まで加える。 

(4.3) この中から数個の全量フラスコ100mlに全量ピペットを用い,それぞれ5ml(3)ずつ分取する。この

全量フラスコにストロンチウム標準液 (0.01mgSr/ml) を0mlから段階的に取り,水を標線まで加え

る。 

注(3) 全量フラスコ100mlのストロンチウムの濃度が10mgSr/l以下となるようにはかり取る。 

(4.4) 原子吸光分析装置を用いて波長460.7nmで吸光度を測定し,ストロンチウムの濃度と吸光度の関係

を示す検量線を作成する。 

(5) 計算 水酸化ストロンチウムは,次の式によって算出する。 

100

033

.3

×

×

×

=

G

S

F

C

ここに, 

C: 水酸化ストロンチウム (%) 

F: 検量線から求めたストロンチウムの量 (g) 

S: 試料の質量 (g) 

G: 試料溶液の分取比 

3.033: ストロンチウム1gに相当する水酸化ストロンチウムの量 

(g) 

4.5 

塩酸不溶分 

K 1417-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 要旨 試料を塩酸に溶かし,未溶解残分の質量から塩酸不溶分を求める。 

(2) 試薬 塩酸 (2+1) JIS K 8180に規定する特級を用いて調製したもの。 

(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(3.1) 化学はかり 4.2(3.1)による。 

(3.2) 乾燥器 105±2℃に保持できるもの。 

(3.3) るつぼ形ガラスろ過器 1G4 

(3.4) デシケーター 適当な大きさでシリカゲル又は塩化カルシウムを入れたもの。 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(4.1) 試料約10gを0.01gのけたまではかり取り,ビーカー300mlに移し,水約100mlと塩酸 (2+1) 12ml

を加え,振り混ぜて溶かす。 

(4.2) この液を質量既知のるつぼ形ガラスろ過器を用いてろ過する。 

(4.3) 水洗後,105±2℃に保った乾燥器で2時間乾燥する。 

(4.4) デシケーターに入れ放冷した後,質量を0.1mgのけたまではかり,るつぼ形ガラスろ過器の質量を

減じて塩酸不溶分の質量とする。 

(5) 計算 塩酸不溶分は,次の式によって算出する。 

100

×

=SI

H

ここに, H: 塩酸不溶分 (%) 
 

I: 塩酸不溶分の質量 (g) 

S: 試料の質量 (g) 

4.6 

塩化物 

(1) 要旨 試料を硝酸に溶かし,この溶液に硝酸銀溶液を加え,液中の塩素イオンを塩化銀とし,白濁の

程度を塩化物の標準液と比濁して塩化物を求める。 

(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(2.1) 硝酸 (1+2)  JIS K 8541に規定する硝酸を用いて調製したもの。 

(2.2) 硝酸銀溶液 (2g/100ml)  JIS K 8001の4.2(試薬溶液)に規定するもの。 

(2.3) デキストリン溶液 (2g/100ml)  JIS K 8646に規定するデキストリンを用いて調製したもの。 

(2.4) 塩化物標準液 (0.01mgCl/ml)  JIS K 8001の4.3(1)(一般用)に規定するもの。 

(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(3.1) 化学はかり 0.01gのけたまではかれるもの。 

(3.2) ヒーター 4.4(3.3)による。 

(3.3) 比色管 50ml 

(3.4) 全量フラスコ 100ml 

(3.5) ろ紙 JIS P 3801に規定する5種C。 

(3.6) 全量ピペット 25ml 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(4.1) 試料約2gを0.01gのけたまではかり取り,ビーカー100mlに移し,硝酸 (1+2) 2mlを加えて溶かし

全量フラスコ100mlに移し入れ,水を標線まで加える(水に溶かしたとき濁りがある場合は,ろ紙

でこす。)。 

(4.2) この中から全量ピペットを用いて25mlを比色管に取り,硝酸 (1+2) 5mlとデキストリン (2g/100ml) 

K 1417-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

0.2ml,及び硝酸銀溶液 (2g/100ml) 1mlを加えてよく振り混ぜ,15分間暗所に放置する。 

(4.3) これと同様に操作した塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) を用いた白濁と比濁し,試料溶液と同程度の白

濁を示す塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) の添加量を求める。 

(5) 計算 塩化物は,次の式によって算出する。 

100

100

25

01

000

.0

×

×

×

=

S

K

J

ここに, 

J: 塩化物 (%) 

K: 塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) の添加量 (ml) 

S: 試料の質量 (g) 

0.000 01: 塩化物標準液 (0.01mgCl/ml) 1ml中のClの量 (g) 

4.7 

鉄 

4.7.1 

試験方法の種類 鉄の試験方法は,次の2種類とし,そのいずれかによる。 

(1) 吸光光度法 

(2) 原子吸光分析法 

4.7.2 

吸光光度法 

(1) 要旨 試料を塩酸及び硝酸に溶かし,溶液中の鉄を塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液によって還元

し,1, 10-フェナントロリン溶液及び酢酸アンモニウム加えて生成する1, 10-フェナントロリン鉄錯体

の吸光度を測定して鉄を求める。 

(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(2.1) 塩酸 (2+1)  4.5(2)による。 

(2.2) 硝酸 (1+2)  4.6(2.1)による。 

(2.3) アンモニア水 (1+1)  JIS K 8085に規定するアンモニア水を用いて調製したもの。 

(2.4) 酢酸アンモニウム (25g/100ml)  JIS K 8001の4.2に規定するもの。 

(2.5) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (10g/100ml)  JIS K 8201に規定する塩化ヒドロキシルアンモ

ニウムを用いて調製したもの。 

(2.6) L (+) -アスコルビン酸 (5g/100ml)  JIS K 9502に規定するL (+) -アスコルビン酸を用いて調製し

たもの。 

(2.7) 1, 10-フェナントロリン溶液 (0.2g/100ml)  JIS K 8001の4.2に規定するもの。 

(2.8) 鉄 (III) 標準液 (Fe3+) (0.1mgFe3+/1ml)  JIS K 8001の4.3(1)に規定する鉄 (III) 標準液 (Fe3+) の

原液 (1mgFe3+/ml) 10mlを全量フラスコ100mlに移し入れ,塩酸 (2+1) 0.5mlを加えた後,水を標

線まで加えて調製したもの。 

(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(3.1) 化学はかり 4.6(3.1)による。 

(3.2) 分光光度計又は光電光度計 

(3.3) pH計 JIS Z 8802の4.(pH計の種類及び形式)に規定する形式II。 

(3.4) ヒーター 4.4(3.3)による。 

(3.5) 全量フラスコ 100ml 

(3.6) メスピペット 1ml,5ml 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

K 1417-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(4.1) 試料約5gを0.01gのけたまではかり取り,ビーカー300mlに移し,水約40mlと塩酸 (2+1) 10ml

及び硝酸 (1+2) 1mlを加え約5分間煮沸した後,冷却する。 

(4.2) pH計を用い,アンモニア水 (1+1) を加えpH値1〜2に調整する。 

(4.3) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (10g/100ml) (4)2mlを加え,よく振り混ぜ約15分間放置して鉄

を完全に還元した後,酢酸アンモニウム (25g/100ml) 15mlを加える。 

注(4) L (+) -アスコルビン酸 (5g/100ml) 2mlを用いてもよい。 

(4.4) 1,10−フェナントロリン溶液 (0.2g/100ml) 5mlを加え,全量フラスコ100mlに移し入れ,水を標線

まで加え,よく振り混ぜた後20分間静置する。 

(4.5) この溶液について光度計を用いて,波長510nm付近の吸光度を測定する。この場合,対照溶液は水

とする。 

(4.6) 全操作にわたって空試験を行い,(4.5)で測定した吸光度を補正する。 

(4.7) 鉄標準液 (0.1mgFe/ml) を数個のビーカー300mlにメスピペットを用いて0〜3mlまで段階的に取り,

(4.3)〜(4.5)によって操作し,鉄量と吸光度との関係を示す検量線を作成する。 

(5) 計算 鉄は,次の式によって算出する。 

100

=SL

L

ここに, 

L: 鉄 (%) 

L': 検量線から求めた鉄の量 (g) 

S: 試料の質量 (g) 

4.7.3 

原子吸光分析法 

(1) 要旨 試料に塩酸,硝酸を加え,加熱溶解する。液中の鉄をジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム

でキレート化し,これを4-メチル-2-ペンタノンで抽出する。原子吸光分析装置を用いて標準添加法に

よって吸光度を測定し,鉄を求める。 

(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(2.1) 塩酸 (2+1)  4.5(2)による。 

(2.2) 硝酸 (1+2)  4.6(2.1)による。 

(2.3) 酒石酸カリウムナトリウム (10g/100ml)  JIS K 8001の4.2に規定するもの。 

(2.4) メチルオレンジ溶液 JIS K 8001の4.4(表7)に規定するもの。 

(2.5) アンモニア水 (1+1)  4.7.2(2.3)による。 

(2.6) 緩衝液 JIS K 8359に規定する酢酸アンモニウム50g及びJIS K 8355に規定する酢酸約16mlを水

200mlに加え溶解し,pH値5に調整したもの。 

(2.7) ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液 (2g/100ml)  JIS K 8355に規定するN, N-ジエチルジ

チオカルバミン酸ナトリウム三水和物2gを水に溶かして100mlとしたもの。 

(2.8) 4-メチル-2-ペンタノン JIS K 8903に規定するもの。 

(2.9) 鉄標準液 (Fe) (0.1mgFe/ml)  JIS K 8001の4.3(2)に規定する原液 (1mgFe/ml) 10mlを全量フラスコ

100mlに移し入れ,硝酸 (1+2) 5mlと水を標線まで加え調製したもの。 

(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(3.1) 化学はかり 4.2(3.1)による。 

(3.2) 原子吸光分析装置 

(3.3) ヒーター 4.4(3.3)による。 

K 1417-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3.4) 全量フラスコ 250ml 

(3.5) 全量ピペット 5ml 

(3.6) メスピペット 1ml,2ml 

(3.7) 分液漏斗 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(4.1) 試料約5gを0.01gのけたまではかり取り,ビーカー300mlに移し,水約100mlと塩酸 (2+1) 10ml

及び硝酸 (1+2) 1mlを加え,5分間煮沸し,放冷する。 

(4.2) 全量フラスコ250mlに移し入れ,水を標線まで加える。 

(4.3) 分液漏斗4本に全量ピペットを用いてそれぞれ50mlを分取し,鉄標準液 (0.01mgFe/ml) を0ml,

0.5ml,1.0ml,2.0ml添加する。 

(4.4) 酒石酸カリウムナトリウム溶液 (10g/100ml) 1ml,及び指示薬メチルオレンジ溶液1〜2滴を加え,

液が淡黄色になるまでアンモニア水 (1+1) を用いて中和する。 

(4.5) 緩衝液5ml,ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム溶液 (2g/100ml) 2mlを加え,1分間振り混ぜ

る。 

(4.6) 4-メチル-2-ペンタノンを全量ピペットを用いて5ml加え,1分間振り混ぜる。 

(4.7) 約10分間静置後,4-メチル-2-ペンタノン層を分液採取し,直ちに原子吸光光度計を用いて波長

248.3nmの吸光度を測定する。このときの対照液は4-メチル-2-ペンタノンを用いる。 

(4.8) 全操作にわたり空試験を行い(4.7)で測定した吸光度を補正する。 

(4.9) 鉄の量と吸光度との関係を示す検量線を作成する。 

(5) 計算 鉄は,次の式によって算出する。 

100

'

×

×

=

M

S

L

L

ここに, 

L: 鉄 (%) 

L': 検量線から求めた鉄の量 (g) 

S: 試料の質量 (g) 

M: 試料溶液の分取比 

4.8 

硫酸で沈殿しない物質 

(1) 要旨 試料を塩酸で溶かした後,硫酸を加えてろ過し,ろ液を蒸発乾固し,残分の質量から硫酸で沈

殿しない物質を求める。 

(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(2.1) 塩酸 (1+1)  4.4(2.1)による。 

(2.2) 硫酸 (1+15)  JIS K 8951に規定する硫酸を用いて調製したもの。 

(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(3.1) 化学はかり 4.2(3.1)による。 

(3.2) ヒーター 4.4(3.3)による。 

(3.3) 全量フラスコ 250ml 

(3.4) ろ紙 4.6(3.5)による。 

(3.5) 全量ピペット 100ml 

(3.6) 蒸発皿 JIS R 1302に規定するもの。 

(3.7) デシケーター 4.5(3.4)による。 

K 1417-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(4.1) 試料約5gを0.01gのけたまではかり取り,ビーカーに移し,水200mlと塩酸 (2+1) 4mlを加えて溶

解する。 

(4.2) 溶液をヒーターで煮沸し,かき混ぜながら,あたためた硫酸 (1+15) 16mlを加え,約30分間加温

し,冷却した後,全量フラスコ250mlに移し入れ,水を標線まで加える。 

(4.3) 乾いたろ紙でろ過し,最初の20mlは捨ててからろ液を採取し,全量ピペット100mlで質量既知の

蒸発皿に移す。ヒーター上で蒸発乾固し,更に強熱した後,デシケーターに入れ放冷する。 

(4.4) 質量を0.1mgのけたまではかり,蒸発皿の質量を減じて強熱残分の質量を求める。 

(5) 計算 硫酸で沈殿しない物質は,次の式によって算出する。 

100

250

100×

×

=

S

Q

P

ここに, P: 硫酸で沈殿しない物質 (%) 
 

Q: 強熱残分の質量 (g) 

S: 試料の質量 (g) 

4.9 

よう素還元性物質 

(1) 要旨 試料を水に溶かし,一定量のよう素溶液を加えてから塩酸を加え,過剰のよう素溶液をチオ硫

酸ナトリウム溶液で,でんぷん溶液を指示薬として滴定し,試料が消費したよう素溶液量からよう素

還元性物質を求める。 

(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。 

(2.1) 0.05mol/lよう素溶液 JIS K 8001の4.5(24)(0.05mol/lよう素溶液)に規定するもの。 

(2.2) 塩酸 (2+1)  JIS K 8180に規定する特級を用いて調製したもの。 

(2.3) 0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8001の4.5(21)(チオ硫酸ナトリウム溶液)に規定するも

の。 

(2.4) でんぷん溶液 JIS K 8001の4.4(表8)(沈殿滴定,酸化還元滴定,錯滴定用など)に規定するも

の。 

(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。 

(3.1) 化学はかり 4.6(3.1)による。 

(3.2) 共栓付三角フラスコ 300ml 

(3.3) 全量ピペット 15ml 

(3.4) ビュレット 25ml 

(4) 操作 操作は,次のとおり行う。 

(4.1) 試料約4gを0.01gのけたまではかり取り,共栓付三角フラスコに移し,水100mlに溶かす。 

(4.2) 0.05mol/lよう素溶液を全量ピペット15mlを用いて加えた後,塩酸 (2+1) 20mlを加え,軽く振り混

ぜてから静置する。 

(4.3) 過剰のよう素溶液を0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で,でんぷん溶液を指示薬として滴定し,青

が消えた点を終点とする。 

(5) 計算 よう素還元性物質は,次の式によって算出する。 

100

603

001

.0

)

15

(

2

1

×

×

×

×

=

S

f

T

f

R

K 1417-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, 

R: よう素還元性物質 (%) 

T: 0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液の消費量 (ml) 

f1: 0.05mol/lよう素溶液のファクター 

f2: 0.1mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター 

S: 試料の質量 (g) 

0.001 603: 0.05mol/lよう素溶液1mlに相当するよう素還元性物質 

(S) の量 (g) 

5. 検査 検査は,4.によって試験し,表1に適合しなければならない。 

6. 表示 水酸化バリウムの容器は,次の事項を表示しなければならない。 

(1) 規格名称又は水酸化バリウム八水和物 

(2) 正味質量 

(3) 製造業者名又はその略号 

(4) 製造年月又はその略号 

(5) 製造番号又はロット番号 

付表1 引用規格 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0121 原子吸光分析のための通則 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

JIS K 8085 アンモニア水(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8201 塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8359 酢酸アンモニウム(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8646 デキストリン(試薬) 

JIS K 8903 4-メチル-2-ペンタノン(メチルイソブチルケトン)(試薬) 

JIS K 8951 硫酸(試薬) 

JIS K 9502 L (+) −アスコルビン酸(試薬) 

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用) 

JIS R 1302 化学分析用磁器蒸発ざら 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製化学用体積計 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8802 pH測定方法 

10 

K 1417-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JISバリウム塩類改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

委員会 

分科会 

(委員長) 

並 木   昭 

財団法人化学品検査協会 

○ 

中 島 邦 雄 

通商産業省基礎産業局 

○ 

細 川 幹 夫 

通商産業省工業技術院標準部 

○ 

高 橋   潔 

通商産業省工業技術院標準部 

○ 

○ 

石 毛 和 之 

通商産業省通商産業検査所化学部 

○ 

○ 

黒 木 勝 也 

財団法人日本規格協会 

○ 

(分科会主査) 

大 津 晃 一 

堺化学工業株式会社小名浜事業所 

○ 

○ 

沢 木 吉 茂 

大同化成工業株式会社 

○ 

大和田   孝 

呉羽化学工業株式会社原料資材部 

○ 

○ 

橋 口 陽 一 

旭硝子株式会社資材資源部 

○ 

○ 

村 井   一 

第一薬品興業株式会社 

○ 

平 松 恒之助 

株式会社耕正 

○ 

森   英 二 

日本化学工業株式会社生産技術部 

○ 

○ 

山 田 明 英 

バライト工業株式会社小坂工場 

○ 

○ 

加 藤 晴 巳 

白水化学工業株式会社堺研究室 

○ 

○ 

大 西 忠 義 

株式会社伏見製薬所東京営業所 

○ 

山 田 市 次 

三菱瓦斯化学株式会社化学品第二本部 

○ 

(事務局) 

佐々木 一 郎 

日本無機薬品協会 

○ 

○