K 0970:2013
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類,形式及びチャネル ···································································································· 2
5 計量性能上の要求事項 ······································································································· 3
5.1 固定容量形の最大許容誤差 ······························································································ 3
5.2 可変容量形の最大許容誤差 ······························································································ 4
5.3 マルチチャネルの最大許容誤差 ························································································ 4
6 性能試験························································································································· 5
7 校正······························································································································· 5
8 表示······························································································································· 5
附属書A(規定)試験方法 ····································································································· 6
附属書B(規定)浮力補正値及び質量から容量変換の補正係数Z ·················································· 12
附属書C(参考)校正方法及び不確かさ評価 ············································································ 14
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 20
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
計量機器工業連合会(JMIF)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工
業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工
業規格である。
これによって,JIS K 0970:1989は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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ピストン式ピペット
Piston pipettes
序文
この規格は,2002年に第1版として発行されたISO 8655-2及びISO 8655-6を基とし,国内の使用状況
を考慮するため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,液体体積計として公称容量を吸引・排出するように設計し,空気置換式(Air displacement)
及び直接置換式(Direct displacement)のシングルチャネル及びマルチチャネルのピストン式ピペットにつ
いて規定する。ただし,ピストン式ビュレット,ピストン式ダイリュータ,ピストン式ディスペンサ,全
量ピペット,メスピペット及びマイクロシリンジに対しては適用しない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 8655-2:2002,Piston-operated volumetric apparatus−Part 2: Piston pipettes
ISO 8655-6:2002,Piston-operated volumetric apparatus−Part 6: Gravimetric methods for the
determination of measurement error(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS Z 8103 計測用語
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211及びJIS Z 8103によるほか,次による。
3.1
公称容量(nominal volume)
製造業者が指定した測定容量。可変容量形においては,有効容量範囲のうちの最大設定容量。
3.2
有効容量範囲(useful volume range)
2
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可変容量形において製造業者が指定した設定容量の可変範囲。
3.3
設定容量(selected volume)
有効容量範囲から一定容量を分注するために設定する容量。
3.4
分注(dispense)
ピストン式ピペットを用いて液体を他の容器に吸引・排出する一連の操作。
3.5
最大許容誤差(maximum permissible error)
公称容量又は設定容量からの分注量の偏差に対する最大の許容値。
3.6
系統誤差(systematic error)
分注容量と設定容量との差異の平均値。
3.7
偶然誤差(random error)
分注容量の平均値周りの再現不能なばらつき。
3.8
校正(calibration)
重量法(衡量法)を用いて質量及び密度によって実現される値と設定容量との関係を確定する一連の操
作。
注記 校正には,機器を調整して誤差を修正することは含まない。
3.9
測定の不確かさ(uncertainty of measurement)
測定の結果に付随した合理的に測定量に結び付けられ得る値のばらつきを特徴付けるパラメータ。
4
種類,形式及びチャネル
ピストン式ピペットの種類,形式及びチャネルは,表1及び次の記載のとおり区分する。基本構造の例
を図1に示す。
表1−ピストン式ピペットの種類,形式及びチャネル
種類
種類の細区分
形式
チャネル
空気置換式
(type A)
−
固定容量形
シングルチャネル
可変容量形
シングルチャネル
マルチチャネル
直接置換式
(type D)
再利用タイプ
(type D1)
固定容量形
シングルチャネル
使い捨てタイプ
(type D2)
可変容量形
シングルチャネル
a) 種類
1) 空気置換式(type A) 吸入する液体とピストンとの間に空気層をもつ構造のピストン式ピペット。
2) 直接置換式(type D) 吸入する液体とピストンとが直接接触して吸入・排出を行う構造のピスト
3
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ン式ピペット。ピストン及び細管が再利用可能なもの(type D1)及び使い捨てのもの(type D2)が
ある。
注記 シリンダ内で往復運動をするピストンをプランジャーと呼ぶことがある。
b) 形式
1) 固定容量形 容量が固定されているもので,公称容量が1段の単一固定容量式と,2段以上の公称
容量を使用者が切り替えできる複数固定容量式とがある。
2) 可変容量形 容量が連続的に可変設定できるようになっているもので,公称容量は,その最大設定
容量を示す。
c) チャネル
1) シングルチャネル 単一のピストン構造のピストン式ピペット
2) マルチチャネル 複数のピストンが一体となって動作する構造のピストン式ピペット
直接置換式(type D) 空気置換式(type A)
シングルチャネル マルチチャネル
図1−基本構造の例
5
計量性能上の要求事項
5.1
固定容量形の最大許容誤差
固定容量形の最大許容誤差は,次による。
a) 空気置換式(type A)及び直接置換式の再利用タイプ(type D1)の最大許容誤差は,表2による。
シリンダ
ピストン
空気層
チップ
プッシュボタン
細管
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表2−空気置換式(type A)及び直接置換式の再利用タイプ(type D1)の最大許容誤差
公称容量
最大許容系統誤差
最大許容偶然誤差
μL
±%
±μLa)
±%b)
±μLc)
1
2
5
10
20
50
100
200
500
1 000
2 000
5 000
10 000
20 000
5.0
4.0
2.5
1.2
1.0
1.0
0.8
0.8
0.8
0.8
0.8
0.8
0.6
0.6
0.05
0.08
0.12
0.12
0.2
0.5
0.8
1.6
4
8
16
40
60
120
5.0
2.0
1.5
0.8
0.5
0.4
0.3d)
0.3d)
0.3
0.3
0.3
0.3
0.3
0.3
0.05
0.04
0.07
0.08
0.1
0.2
0.3d)
0.6d)
1.5
3
6
15
30
60
注a) A.5.4に示される10回の測定の平均値と公称容量又は設定容量との偏差。
b) A.5.5に示される10回の測定の相対標準偏差。
c) A.5.5に示される10回の測定の繰返しの標準偏差。
d) 直接置換式の再利用タイプ(type D1)については,最大許容偶然誤差は,0.4 %と
する。
b) 直接置換式の使い捨てタイプ(type D2)の最大許容誤差は,表3による。
表3−直接置換式の使い捨てタイプ(type D2)の最大許容誤差
公称容量
最大許容系統誤差
最大許容偶然誤差
μL
±%
±μLa)
±%b)
±μLc)
5
10
20
50
100
200
500
1 000
2.5
2.0
2.0
1.4
1.5
1.5
1.2
1.2
0.13
0.2
0.4
0.7
1.5
3
6
12
1.5
1.0
0.8
0.6
0.6
0.4
0.4
0.4
0.08
0.1
0.16
0.3
0.6
0.8
2
4
注a) A.5.4に示される10回の測定の平均値と公称容量又は設定容量との偏差。
b) A.5.5に示される10回の測定の相対標準偏差。
c) A.5.5に示される10回の測定の繰返しの標準偏差。
c) 表2及び表3の数値の中間の公称容量をもつ固定容量形の最大許容誤差は,表2及び表3に示された
直近の数値のより大きい公称容量の最大許容誤差とする。
5.2
可変容量形の最大許容誤差
可変容量形の最大許容誤差は,有効容量範囲全体にわたり公称容量の最大許容誤差とする。空気置換式
(type A)及び直接置換式の再利用タイプ(type D1)の最大許容誤差は,表2による。直接置換式の使い
捨てタイプ(type D2)の最大許容誤差は,表3による。
5.3
マルチチャネルの最大許容誤差
マルチチャネルの最大許容誤差は,表2で規定した値の2倍とする。
5
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6
性能試験
性能試験は,附属書Aに従って行う。A.5.3に示す質量から体積への変換を附属書Bによる補正を用い
て行った後,系統誤差をA.5.4に従って,偶然誤差をA.5.5に従って計算する。計算したこれらの値は,表
2及び表3に示す最大許容誤差を超えてはならない。
注記 附属書Aに示す試験方法は,実際の使用環境において用いる場合がある。
7
校正
校正を行う場合には,得られた値の不確かさを算出して評価する。その方法の例を附属書Cに示す。
8
表示
ピストン式ピペットには,次の事項を表示しなければならない。
a) この規格の番号
b) 公称容量又は有効容量範囲
c) 測定単位(μL又はmL)
d) 供給者の名称及び/又は商標
e) ピストン式ピペットの名称又は型式
f)
製造番号又は同等の識別子
6
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附属書A
(規定)
試験方法
A.1 試験機器
A.1.1 質量の計測器
質量の計測に用いるはかりは,被試験器の設定容量に応じて表A.1の要求性能を満たさなければならな
い。
表A.1−設定容量に応じたはかりの要求性能
被試験器の設定容量a)
V
はかりの要求性能
分解能
mg
繰返し性及び直線性b)
mg
測定の標準不確かさc)
mg
1 μL ≦ V ≦ 10 μL
0.001
0.002
0.002
10 μL < V ≦ 100 μL
0.01
0.02
0.02
100 μL < V ≦ 1 000 μL
0.1
0.2
0.2
1 mL < V ≦ 10 mL
0.1
0.2
0.2
10 mL < V ≦ 20 mL
1
2
2
注a) 実用上,公称容量に基づきはかりを選択してもよい。
b) 製造業者が提供するカタログ,仕様書,校正証明書などから確認する。
c) 校正証明書などからはかりの測定の標準不確かさが分かっている場合には,繰返し性及び直線性
の代わりにこれを使用してもよい。ただし,測定の標準不確かさは,分解能の3倍を超えてはな
らない。
A.1.2 温度の計測器
温度の計測器は,次による。
a) 温度計(液中) 0.1 ℃以下の標準不確かさをもつもの。
b) 温度計(室温) 0.2 ℃以下の標準不確かさをもつもの。
A.1.3 湿度計
10 %以下の標準不確かさをもつもの。
A.1.4 大気圧計
5 hPa以下の標準不確かさをもつもの。
A.1.5 ひょう量容器
測定中の試験液の蒸発をなるべく少なくするため,蓋付のものが望まれる。
A.2 試験に用いる水(試験液)
蒸留水又はイオン交換水を用いる。
注記1 腐敗すると粘性,密度などの特性が変化して試験結果に影響するため,適切な管理が必要で
ある。
注記2 試験液の容器は,一連の測定において注ぎ足しなどが不要なように十分な量をためることが
できる容積が必要である。
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A.3 試験条件
A.3.1 一般
被試験器は,製造業者が提供する取扱説明書などの規定に従って操作し,試験前には基本的機能が正常
であることを確認する。
A.3.2 試験室
試験は,空調機による風などでピペッティングに影響が出ない安定した環境の試験室で行う。
試験中の試験室の環境は,相対湿度50 %以上,温度15 ℃〜30 ℃の範囲内の一定温度(温度変化が±
0.5 ℃以内)とする。
注記 湿度が65 %を超える環境では試験機器などへの結露に注意する必要がある。
A.3.3 蒸発
試験中の試験液の蒸発による影響がないように注意する。
特に,50 μL未満の少量の試験の場合には,蒸発に考慮したひょう量容器の構造及び蒸発防止装置など
の付属品を備えたはかりの使用,並びに試験時間に配慮する。
注記 蒸発防止装置とは,液体の蒸発による影響を緩和させるために,ひょう量台の周辺に水を張る
ようにしたはかりの付属品。
A.3.4 試験のサイクル時間
試験時間(1回の分注に必要な時間)は,最小限に保つ。おおむね60秒を超えないことが望ましい。ま
た,試験時間及び試験の間隔は一定であることが望ましい。
A.3.5 試験容量
固定容量形の場合,試験容量は公称容量とする。可変容量形の場合は,少なくとも次の三つの容量を試
験する。
a) 公称容量
b) 公称容量の約50 %
c) 有効容量範囲の下限値又は公称容量の10 %のいずれか大きい方
注記 試験容量の設定は,取扱説明書などで指定する方法で行いバックラッシュの影響を避ける。
バックラッシュとは,可変容量形ピストン式ピペットの数値目盛(ダイアル)内の歯車機構
において,回転方向に意図して設けられた隙間である。
A.3.6 試験容量ごとの測定回数
各試験容量について10回の測定を行う。
なお,可変容量形においては,10回の測定中に試験容量の設定を変更してはならない。
A.4 試験手順
A.4.1 空気置換式(type A)
A.4.1.1 シングルチャネル
シングルチャネルは,次による。
a) 準備
1) 試験開始前に全ての試験機器及び被試験器並びに試験液を試験室に置き,温度差がないようにする。
2) 試験開始時の試験液の温度並びに試験室の大気圧,相対湿度及び室温を記録する。
3) ひょう量容器に試験液を3 mm程度の深さになるまで入れる。
4) チップをピペットに取り付ける。
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5) 試験液の吸引・排出(リンス)を5回行い,ピペット内の空気層を試験液の蒸気で満たすことによ
って湿度を平衡状態にする。
注記 この吸引・排出の操作をリンシング操作又は単にリンスという。
b) 試験
1) 新しいチップに交換する。
2) 試験液の吸引・排出(リンス)を1回行う。
3) はかりにひょう量容器を載せ,風袋引きするか,又は風袋を記録する。
4) プッシュボタンを1段目の停止位置まで押し下げ,チップ先端を試験液の容器の液面から2 mm〜
3 mm程度沈める。
5) ゆっくりプッシュボタンを戻し,そのまま1秒〜2秒待ってチップに完全に試験液を満たす。
6) ピペットを垂直に引き上げて水面から取り出す。
7) 試験液の容器の内面壁にチップ先端を付けてチップの外側に付着している水滴を拭い取る。
8) チップの先端をひょう量容器の内面壁に約30°〜45°の角度で付けた状態でプッシュボタンを1段
目の停止位置まで押し下げてチップ内の試験液を排出する。
9) 排出が止まったらプッシュボタンを2段目の停止位置まで一気に押し込んでチップ内に残っている
試験液を全て排出する。
10) プッシュボタンを押し下げたままチップ先端をひょう量容器の内面壁に沿って引き上げて,チップ
先端又はその周りに付着している水滴を拭い取る。
11) 安定するのを待ってからはかりの指示値を読み取り,記録する。
12) 各試験容量について10回の測定が完了するまで上記1)〜11)の試験を繰り返す。ただし,1)のチッ
プの交換については2回目以降においては任意とする。
13) 10回目の測定が完了後,試験液の容器に残っている試験液の温度を測定し,a) 2)で記録した試験開
始時の試験液の温度との平均温度を計算して記録する。
14) 試験液の蒸発による質量損失を計算する必要がある場合は,10回の測定が完了するまでに要した時
間を記録し,それと同じ時間経過後にひょう量容器内の試験液の質量を測定,記録する。
15) 必要がある場合には,A.5.1で計算した蒸発による質量損失量を1回ごとの各排出量に加える。
注記 試験と試験との間,時間がかかる場合には,ピペットが操作者の手で温まらないように注意
する。
A.4.1.2 マルチチャネル
マルチチャネルのピストン式ピペットは,単一の作動機構によって全てのチャネルが同時に動作する一
組の単一容量測定ユニット及び排出ユニットで構成されているという点で,シングルチャネルのピストン
式ピペットに類似していることから,試験は,各チャネルをシングルチャネルとみなし,A.4.1.1のシング
ルチャネルと同様に試験を行う。
A.4.2 直接置換式(type D)
直接置換式(type D)については,A.4.1.1に準じて試験を行う。ただし,A.4.1.1 a) 5)及びb) 2)のリンス
操作は,取扱説明書などで指示がなければ行わなくてもよい。
A.5 試験の評価
A.5.1 蒸発量損失の計算
蒸発による質量損失を計算する必要がある場合には,式(A.1)によって各排出量の平均の質量損失(me)
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を計算してもよい。
(
)10
/
10
11
e
m
m
m
−
=
··································································· (A.1)
ここに,
me: 蒸発による質量損失(mg)
m10: 10回目の測定完了時のひょう量容器内の
試験液の質量(mg)[A.4.1.1 b) 11)参照]
m11: A.4.1.1 b) 14)で記録したひょう量容器内の
試験液の質量(mg)
注記 式(A.1)は,一例を示しており,ひょう量容器が蓋付か,蓋なしかなどで計算方法又は数式が違
ってくるので,これらを考慮して計算する必要がある。
A.5.2 各排出量の補正質量の計算
はかりの風袋引き機能を使用していない場合には,m1−m0,m2−m1,…,m10−m9のように減算によっ
て各排出量ごとの質量を計算する。
A.5.3 補正質量の容量(体積)への変換
A.4.1.1 b) 11)及びA.5.2で得られた値は,質量(mi)である。質量(mi)を容量(Vi)に変換するために
試験液の密度及び空気浮力による補正が必要である。変換には,A.4.1.1 a) 2)で記録した気圧及びA.4.1.1 b)
13)で記録した温度における表B.1又はB.2に規定している補正係数Zを適用して,各質量(mi)に式(A.2)
を用いて変換する。
Z
i
i
=m
V
············································································· (A.2)
ここに,
Vi: 容量(体積)(μL)
mi: 質量(mg)
10回分(n=10)の排出容量(Vi)を加算し,合計を10で除算して試験温度で排出された平均容量(V)
を得る。この値は,マイクロリットル(μL)単位で表すことができる。
∑
=
×
=
n
i
V
V
1
i
10
1
········································································ (A.3)
ここに,
V: 平均容量(μL)
Vi: 排出容量(μL)
n: 測定回数(この場合,n=10である。)
試験温度が標準温度(20 ℃)と異なる場合,式(A.2)を次の式(A.4)に置き換えてもよい。
Y
Z
m
V =
i
i
i
·········································································· (A.4)
ここに,
Vi: 排出容量(μL)
mi: 質量(mg)
Y: 熱膨張補正率
A.5.4 測定の系統誤差
A.5.4.1 計算
ピストン式ピペットの系統誤差は式(A.5)を用いて,マイクロリットル(μL)単位で計算する。
s
s
V
V
e
−
=
············································································· (A.5)
ここに,
es: 系統誤差(μL)
V: 平均容量(μL)
Vs: 設定容量(μL)
又は,式(A.6)を用いて体積百分率で計算する。
100
s
s
s
×
−
=
V
V
V
e
····································································· (A.6)
10
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ここに,
es: 系統誤差(μL)
V: 平均容量(μL)
Vs: 設定容量(μL)
固定容量形ピストン式ピペットの場合,設定容量(Vs)は,公称容量(V0)であり,(Vs)を(V0)に置
き換えることができる。
A.5.4.2 系統誤差試験
ピストン式ピペットの系統誤差試験は,式(A.5)又は式(A.6)によって行う。固定容量形ピストン式ピペッ
トの場合,試験容量(Vs)は,公称容量(V0)であり,VsをV0に置き換えて表2又は表3に規定する最大
許容系統誤差を超えてはならない。しかし,可変容量形ピストン式ピペットについて,体積百分率で表さ
れている測定の相対系統誤差を系統誤差試験に使用する場合には,式(A.7)を用いて得られた値と表2で規
定されている値を超えてはならない。
100
0
s
s
×
−
=
V
V
V
e
······································································ (A.7)
ここに,
es: 系統誤差(%)
V: 平均容量(μL)
Vs: 設定容量(μL)
V0: 公称容量(μL)
A.5.5 測定の偶然誤差
A.5.5.1 計算
ピストン式ピペットの偶然誤差は式(A.8)を用い,繰返しの標準偏差を計算する。
(
)
1
1
2
i
r
−
−
=∑
=n
V
V
S
n
i
··································································· (A.8)
ここに,
Sr: 繰返しの標準偏差(μL)
Vi: 排出容量(μL)
V: 平均容量(μL)
n: 測定回数(この場合,n=10である。)
この偶然誤差は,式(A.9)を用い,相対標準偏差(CV)によって体積百分率として表すこともできる。
100
CV
r×
=VS
········································································· (A.9)
ここに,
CV: 相対標準偏差(%)
Sr: 繰返しの標準偏差(μL)
V: 平均容量(μL)
A.5.5.2 偶然誤差試験
設定容量(Vs)が公称容量(V0)と一致する固定容量形ピストン式ピペットの場合,式(A.8)又は式(A.9)
で得られた値は,表2又は表3に規定する最大許容偶然誤差を超えてはならない。しかし,可変容量形ピ
ストン式ピペットで,体積百分率で表されている測定の相対偶然誤差を偶然誤差試験に使用する場合には,
式(A.10)を用いて得られた値と表2で規定されている値を超えてはならない。
100
CV
0
s
r
×
×
=
V
V
V
S
···································································(A.10)
ここに,
CV: 相対標準偏差(%)
Sr: 繰返しの標準偏差(μL)
V: 平均容量(μL)
Vs: 設定容量(μL)
11
K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
V0: 公称容量(μL)
A.6 試験報告書
試験報告書には少なくとも次の事項を記録する。
a) 次による被試験器の識別
1) 製造業者の名称
2) ピストン式ピペットの名称,型式
3) 製造番号又は同等の識別子
4) 公称容量又は有効容量範囲
b) 標準温度(20 ℃)
c) 使用されるチップ及びその他の消耗付属品の形式の識別
d) 試験液の温度並びに試験室の大気圧,相対湿度及び室温
e) 試験容量について得られた系統誤差及び偶然誤差
f)
この規格の番号
g) 試験年月日
h) 試験を実施した機関及び操作者の識別
12
K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(規定)
浮力補正値及び質量から容量変換の補正係数Z
B.1
補正係数Zの値を表から求める場合
補正係数Zの値を表から求める場合は,表B.1による。
表B.1−試験温度及び気圧の関数としての蒸留水用の補正係数Z
単位 μL/mg
温度
℃
気圧
hPa
800
850
900
950
1 000
1 013
1 050
15.0
15.5
1.001 7
1.001 8
1.001 8
1.001 9
1.001 9
1.001 9
1.001 9
1.002 0
1.002 0
1.002 0
1.002 0
1.002 0
1.002 0
1.002 1
16.0
16.5
1.001 9
1.002 0
1.002 0
1.002 0
1.002 0
1.002 1
1.002 1
1.002 1
1.002 1
1.002 2
1.002 1
1.002 2
1.002 2
1.002 2
17.0
17.5
1.002 1
1.002 2
1.002 1
1.002 2
1.002 2
1.002 3
1.002 2
1.002 3
1.002 3
1.002 4
1.002 3
1.002 4
1.002 3
1.002 4
18.0
18.5
1.002 2
1.002 3
1.002 3
1.002 4
1.002 3
1.002 4
1.002 4
1.002 5
1.002 5
1.002 5
1.002 5
1.002 6
1.002 5
1.002 6
19.0
19.5
1.002 4
1.002 5
1.002 5
1.002 6
1.002 5
1.002 6
1.002 6
1.002 7
1.002 6
1.002 7
1.002 7
1.002 8
1.002 7
1.002 8
20.0
20.5
1.002 6
1.002 7
1.002 7
1.002 8
1.002 7
1.002 8
1.002 8
1.002 9
1.002 8
1.002 9
1.002 9
1.003 0
1.002 9
1.003 0
21.0
21.5
1.002 8
1.003 0
1.002 9
1.003 0
1.002 9
1.003 1
1.003 0
1.003 1
1.003 1
1.003 2
1.003 1
1.003 2
1.003 1
1.003 2
22.0
22.5
1.003 1
1.003 2
1.003 1
1.003 2
1.003 2
1.003 3
1.003 2
1.003 3
1.003 3
1.003 4
1.003 3
1.003 4
1.003 3
1.003 4
23.0
23.5
1.003 3
1.003 4
1.003 3
1.003 5
1.003 4
1.003 5
1.003 4
1.003 6
1.003 5
1.003 6
1.003 5
1.003 6
1.003 6
1.003 7
24.0
24.5
1.003 5
1.003 7
1.003 6
1.003 7
1.003 6
1.003 8
1.003 7
1.003 8
1.003 7
1.003 9
1.003 8
1.003 9
1.003 8
1.003 9
25.0
25.5
1.003 8
1.003 9
1.003 8
1.004 0
1.003 9
1.004 0
1.003 9
1.004 1
1.004 0
1.004 1
1.004 0
1.004 1
1.004 0
1.004 2
26.0
26.5
1.004 0
1.004 2
1.004 1
1.004 2
1.004 1
1.004 3
1.004 2
1.004 3
1.004 2
1.004 4
1.004 3
1.004 4
1.004 3
1.004 4
27.0
27.5
1.004 3
1.004 5
1.004 4
1.004 5
1.004 4
1.004 6
1.004 5
1.004 6
1.004 5
1.004 7
1.004 5
1.004 7
1.004 6
1.004 7
28.0
28.5
1.004 6
1.004 7
1.004 6
1.004 8
1.004 7
1.004 8
1.004 7
1.004 9
1.004 8
1.004 9
1.004 8
1.005 0
1.004 8
1.005 0
29.0
29.5
1.004 9
1.005 0
1.004 9
1.005 1
1.005 0
1.005 1
1.005 0
1.005 2
1.005 1
1.005 2
1.005 2
1.005 2
1.005 1
1.005 2
30.0
1.005 2
1.005 2
1.005 3
1.005 3
1.005 4
1.005 4
1.005 4
B.2
補正係数Zの値を計算で求める場合
浮力補正値及び質量から容量への変換のための補正係数(Z)は,式(B.1)で算出でき,単位はμL/mgで
ある。この単位はcm3/gと等価である。
13
K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
−
+
×
≈
−
−
×
=
b
w
a
w
w
a
b
a
w
1
1
1
1
1
1
1
Z
ρ
ρ
ρ
ρ
ρ
ρ
ρ
ρ
ρ
··································· (B.1)
ここに,
Z:
ρw:
補正係数(μL/mg)
吸入した水の密度(g/cm3)
ρa: 空気密度(g/cm3)
ρb: はかりの校正に用いた分銅の密度(g/cm3)
水の密度(ρw)は,0 ℃〜40 ℃までの温度範囲において,国際度量衡委員会(CIPM)によって推奨さ
れている有効な近似式である式(B.2)によって示される。
(
)(
)
(
)
+
+
+
−
=
4
w
3
2
w
2
1
w
5
w
1
a
t
a
a
t
a
t
a
ρ
······················································ (B.2)
ここに,
ρw:
a1:
水の密度(g/cm3)
−3.983 035±0.000 67 ℃
a2: 301.797 ℃
a3: 522 528.9 ℃2
a4: 69.348 81 ℃
a5: 0.999 974 950±8.4×10−6 g/cm3
tw: 試験前後の水の摂氏温度の平均値(℃)
空気密度(ρa)の導出には,“OIML R111 (E3.1)”から式(B.3)のようになる。
()
(
)
a
a
a
15
.
273
000
1
)
061
.0
exp(
009
.0
48
348
.0
t
t
hr
p
+
×
−
=
ρ
······································ (B.3)
ここに,
ρa:
ta:
空気の密度(g/cm3)
試験前後の室温の平均値(℃)
hr: 試験前後の相対湿度の平均値(%)
p: 試験前後の大気圧の平均値(hPa)
はかりの校正に使用した分銅の密度(ρb)は,協定値として8 g/cm3として与えられるが,はかりの校正
機関から参照値を得てもよい。
14
K 0970:2013
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附属書C
(参考)
校正方法及び不確かさ評価
C.1 概要
ピストン式ピペットによって排出された液体の体積は,衡量法を用いて校正及び不確かさ評価する。
なお,不確かさ評価に関してはISO/IEC Guide 98-3に基づいた算出方法を示す。
C.2 校正に使用する装置
ピペットの校正方法の一つである衡量法において標準となる量は,質量及び密度であり,次の機器及び
設備が必要となる。これらの要求事項は,A.1及びA.2を参照する。
a) 質量測定用機器 :はかり(電子天びん)
b) 液中温度測定用機器 :温度計
c) 環境測定用機器(室温) :温度計
d) 環境測定用機器(相対湿度) :湿度計
e) 環境測定用機器(大気圧) :大気圧計
f)
試験液 :水(蒸留水など)
g) 計量容器 :ひょう量容器
注記1 これらの機器及び設備は,使用頻度,使用履歴,機器特性などを考慮し実態に即した校正周
期又は点検周期を設定することが望ましい。
注記2 使用する機器,設備及び必要な仕様は,校正方法及び実現しようとする不確かさの値によっ
て異なる。
注記3 校正に使用する液体(水)は,密度及び安定性が確保されている必要がある。
C.3 校正
校正は,A.1〜A.4に準拠して行う。
C.4 校正のモデル式
校正におけるモデル式は,次のとおりとする。
20 ℃で排出された水の容量(V)は,式(C.1)によって算出する。
Y
Z
m
V
×
×
=
·········································································· (C.1)
ここに,
V: 20 ℃で排出された水の容量(μL)
m: 排出された水の質量の平均値(mg)
Z: 浮力補正及び質量から体積への換算のための
補正係数(μL/mg)
Y: 熱膨張補正係数
ただし,平均値mは,式(C.2)によって算出する。また,Yは,式(C.3)によって算出する。
(
)
n
m
m
m
n
i∑
=
+
=
1
e
i
····································································· (C.2)
15
K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ここに,
mi: i回目に排出された水のはかりの読み取り値(mg)
me: 蒸発量補正値(mg)
n: 繰返し測定の反復回数
注記 Zは,表B.1の値を用いるか又は式(B.1)によって算出する。
(
)
20
1
d
c
−
−
=
t
Y
α
····································································· (C.3)
ここに,
αc: 体膨張係数(℃−1)
td: ピペットの摂氏温度(℃)
このモデルは,20 ℃で排出された水の容量(V)はm,ρw,ρa,ρb,αc,tdの関数であることを示して
いる。
(
)
d
c
b
a
w
,
,
,
,
,
t
m
F
V
α
ρ
ρ
ρ
=
····························································· (C.4)
ここに,
m: 排出された水の質量の平均値(mg)
ρw: 吸入した水の密度(g/cm3)
ρa: 空気密度(g/cm3)
ρb: はかりの校正に用いた分銅の密度(g/cm3)
αc: 体膨張係数(℃−1)
td: ピペットの摂氏温度(℃)
C.5 不確かさ評価
C.5.1 容量Vに附随する測定の標準不確かさ
容量(V)に附随する測定の標準不確かさは,ISO/IEC Guide 98-3によって,式(C.5)のとおり表すこと
ができる。
()
()
()
∑
∑
×
∂∂
=
×
=
i
i
x
u
x
F
x
u
c
V
u
i
2
2
i
i
2
2
i
2
()
()
()+
×
∂∂
+
×
∂∂
+
×
∂∂
=
a
2
2
a
w
2
2
w
2
2
ρ
ρ
ρ
ρ
u
F
u
F
m
u
m
F
··················· (C.5)
ここに,
u(xi): モデル式によって表された最終的な結果に影響を
もつ各量の測定に起因する標準不確かさ
ci: 感度係数と呼ばれ,出力単位への変換係数
感度係数は,Vについて,式(C.5)に示す各変数の偏導関数を計算し,求めることができる。
容量(V)に附随する測定の不確かさ要因は,次のとおりになる。
− 質量測定に関する不確かさ u(m)
− 水の密度に関する不確かさ u(ρw)
− 空気の密度に関する不確かさ u(ρa)
− はかりの校正に使用した分銅の密度に関する不確かさ u(ρb)
− ピペットの体膨張係数に関する不確かさ u(αc)
− ピペットの温度に関する不確かさ u(td)
− ひょう量容器の水の蒸発量補正量に関する不確かさ u(me)
必要があれば,他の要因も加味しなくてはならない。
上記と同等な他の数学的表現も考えることができる。例えば,JIS Z 8402-2に従って実施した実験から
得られた値を利用した測定の不確かさを考慮する場合は,JIS Z 8404-1を参考にしてもよい。
a) 質量測定に関する標準不確かさ 質量測定に関する標準不確かさ[u(m)]は質量計に関する標準不確
かさ[uba(m)]と繰返しの標準不確かさ[urep(m)]の合成で表すことができる。
16
K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
()
()
()
m
u
m
u
m
u
2
rep
2
ba
2
+
=
···························································· (C.6)
ここに,
u(m): 質量測定に関する標準不確かさ(mg)
uba(m): 質量計に関する標準不確かさ(mg)
urep(m): 繰返しの標準不確かさ(mg)
1) 質量計に関する標準不確かさ はかりに関する標準不確かさは,使用するはかりの校正に関する標
準不確かさであり,直線性に起因する標準不確かさ[uba̲b(m)]と,校正値の標準不確かさ[uba̲std(m)]
を合成して,式(C.7)で表すことができる。
()
()
()
m
u
m
u
m
u
2
ba̲std
2
ba̲b
2
ba
+
=
······················································ (C.7)
ここに,
uba(m): 質量計に関する標準不確かさ(mg)
uba̲b(m): 直線性に起因する標準不確かさ(mg)
uba̲std(m): 校正値の標準不確かさ(mg)
指示値が補正をされずに測定値になる場合には,直線性に起因する不確かさを考慮する必要があ
り,校正値(Mcalb,i)と校正点の荷重(Mi)の偏差の絶対値
i
calb,i
i
M
M
M
−
=
∆
を用いて,uba̲b(m)を
式(C.8)で評価することができる。
()
3
i
ba̲b
M
m
u
∆
=
······································································ (C.8)
ここに,
uba̲b(m): 直線性に起因する不確かさ(mg)
Mcalb,i: 校正値(mg)
Mi: 校正点の荷重(mg)
また,校正された荷重ポイントが複数ある場合には,ΔMiの最大値(ΔMcalb,i)を代わりに用いて,
式(C.8)からuba̲b(m)を求め,同荷重ポイントでの校正証明書に記載された拡張不確かさから,
uba̲std(m)を求めることができる。校正値の標準不確かさ[uba̲std(m)]は,校正証明書に記載された
校正値の拡張不確かさ[Uba̲std(Mcalb,i)]を用いて式(C.9)のように表すことができる。
()
(
)
2
i
calb
ba̲std
ba̲std
,
M
U
m
u
=
···························································· (C.9)
ここに,
uba̲std(m): 校正値の標準不確かさ(mg)
Uba̲std(Mcalb,i): 校正証明書に記載された校正値の拡張不確
かさ(mg)(包含係数が2の場合)
2) 平均値の実験に基づく標準不確かさ 平均値の実験標準偏差[urep(m)]は,毎回のmiの10回の測
定を行い,得られたmi(i=1, …,10)から式(C.10)を用いて求めることができる。
()
(
)
(
)1
1
2
rep
−
−
=∑
=
n
n
m
m
m
u
n
i
i
····························································· (C.10)
ここに,
urep(m): 平均値の実験標準偏差(mg)
m: 排出された水の質量の平均値(mg)
mi: i回目に排出された水のはかりの読み取り値
(mg)
n: 繰返し測定の反復回数
b) 水の密度に関する標準不確かさ 水の密度に関する標準不確かさは,液中の温度の変動範囲における,
水の密度(ρw)の最大値(ρwmax)及び最小値(ρwmin)が式(B.2)から与えられる場合,水の密度の不確
かさを一様分布として推定し,式(C.11)で評価することができる。影響が小さい場合は無視してもよい。
17
K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
()(
)
3
2
min
w
max
w
w
ρ
ρ
ρ
−
=
u
····························································· (C.11)
ここに,
u(ρw): 水の密度に関する標準不確かさ(g/cm3)
max
w
ρ
: 液中の温度変動範囲における水の密度の最大値
(g/cm3)
min
w
ρ
: 液中の温度変動範囲における水の密度の最小値
(g/cm3)
c) 空気の密度に関する標準不確かさ 測定環境の条件下で大気圧の最大値(pmax),相対湿度の最小値
(hrmin),気温の最小値(tamin)での式(B.3)を用いた空気密度を(ρamax)として,気圧の最小値(pmin)
相対湿度の最大値(hrmax),気温の最大値(tamax)での式(B.3)を用いた空気密度を(ρamin)として,空
気密度の標準不確かさは,式(C.12)で評価することができる。影響が小さい場合は無視してもよい。
()(
)
3
2
min
a
max
a
a
ρ
ρ
ρ
−
=
u
······························································· (C.12)
ここに,
u(ρa): 空気の密度に関する標準不確かさ(g/cm3)
max
aρ
: 測定環境の条件下での空気密度の最大値(g/cm3)
min
aρ
: 測定環境の条件下での空気密度の最小値(g/cm3)
ただし,
(
)
(
)
min
a
min
a
min
max
max
a
15
.
273
000
1
)
061
.0
exp(
009
.0
48
348
.0
t
t
hr
p
+
×
−
=
ρ
·························· (C.13)
(
)
(
)
max
a
max
a
max
min
min
a
15
.
273
000
1
)
061
.0
exp(
009
.0
48
348
.0
t
t
hr
p
+
×
−
=
ρ
························· (C.14)
ここに,
pmax: 測定環境の条件下で大気圧の圧力の最大値(hPa)
hrmax: 測定環境の条件下で相対湿度の最大値(%)
tamax: 測定環境の条件下で室温の最大値(℃)
pmin: 測定環境の条件下で大気圧の圧力の最小値(hPa)
hrmin: 測定環境の条件下で相対湿度の最小値(%)
tamin: 測定環境の条件下で室温の最小値(℃)
d) はかりの校正に使用した分銅の密度に関する標準不確かさ 分銅の密度(ρb)の標準不確かさ[u(ρb)]
は,厳密に行うためにはかりの校正機関によって与えられる値を参照してもよいが,通常,影響が小
さく無視することができる。
e) ピペットの体膨張係数に関する標準不確かさ ピペットは,単一の素材で作られるものではなく,そ
の体膨張係数(αc)は単純に明確な値ではない。ただし,合成樹脂の場合は,おおよそ2×10−4〜4×
10−4 K−1と知られている。例えば,その範囲で一様分布と推定可能な場合では,体膨張係数の標準不
確かさはu(αc)=5.774×10−5K−1になる。影響が小さい場合は無視してもよい。
f)
ピペットの温度に関する標準不確かさ ピペットの温度tdは装置の中央部及び上部が手の接触によっ
て温められて,装置の下部が蒸発冷却するため,必ずしも空間的にも時間的にも一定でないが手袋を
して操作するなどの対策がとられ,影響が小さいと考えられる場合はその不確かさ[u(td)]は無視し
てもよい。
g) ひょう量容器の水の蒸発補正量の不確かさ 蒸発量の影響を防止できる機構をもつはかりなどを用い
ており,蒸発量補正をしない場合,実験標準偏差の中に蒸発補正量の不確かさは含まれていると考え
て無視することができる。微量の測定で,かつA.5.1に従い測定作業中のひょう量容器からの液体の
質量損失を計算し,蒸発量の補正値を求めている場合は,繰返し実験による事前評価を行っておくこ
とが望ましい。
18
K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
h) 感度係数 式(C.5)の感度係数ciは,式(C.15)〜式(C.20)で表すことができる。
(
)
−
−
−
+
×
=
∂∂
=
20
1
1
1
1
d
c
b
w
a
w
m
t
m
V
c
α
ρ
ρ
ρ
ρ
································· (C.15)
(
)
−
−
−
+
×
−
=
∂∂
=
20
1
2
1
d
c
b
w
a
2
w
w
w
t
m
V
c
α
ρ
ρ
ρ
ρ
ρ
ρ
····························· (C.16)
−
×
=
∂∂
=
b
w
w
a
a
1
1
ρ
ρ
ρ
ρ
ρ
m
V
c
····················································· (C.17)
2
b
a
w
b
b
ρ
ρ
ρ
ρ
ρ
×
=
∂
∂
=
m
V
c
······························································ (C.18)
(
)
20
d
w
c
c
−
×
−
=
∂∂
=
t
m
V
c
ρ
α
α
························································· (C.19)
c
w
d
d
α
ρ×
−
=
∂∂
=
m
tV
ct
································································· (C.20)
ここに,
V: 排出された容量の平均値(μL)
m: 排出された水の質量の平均値(mg)
ρw: 吸入した水の密度(g/cm3)
ρa: 空気密度(g/cm3)
ρb: はかりの校正に用いた分銅の密度(g/m3)
αc: 体膨張係数(℃−1)
td: ピペットの摂氏温度(℃)
C.5.2 容量Vに関連する測定の拡張不確かさ
容量(V)の拡張不確かさは,式(C.21)によって表すことができる。
()
V
u
k
U =
··········································································· (C.21)
ここに,
U: 容量Vの拡張不確かさ(μL)
k: 包含係数
u(V): 容量Vの標準不確かさ(μL)
ここで,拡張不確かさは,標準不確かさに包含係数(k)を乗じている。校正には,一般的な値k=2が
使用されている。これは正規分布の場合,約95 %の信頼の水準で,その値をV±Uによって与えられる範
囲内に見出すことができることを意味している。
したがって,測定結果は,式(C.22)によって与えることができる。
(
)2
=
±
k
U
V
········································································· (C.22)
ここに,
U: 容量Vの拡張不確かさ(μL)
k: 包含係数
V: 排出された容量の平均値(μL)
包含係数(k)は,報告されなければならない。また,不確かさの数値の丸めは,有効数字2桁とする。
C.5.3 ピペット校正の不確かさ導出例
C.5.3.1 校正条件
校正条件は次のとおりである。
a) ピストンが排出する公称容量10 μLの10回測定
b) 校正に使用した機器:C.2に基づくもの
c) 容量の平均値:V=9.97 μL
d) 繰返しの不確かさ:urep(m)=28 μg
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K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
e) 環境条件:水温及び気温 22 ℃〜23 ℃,湿度 50 %〜80 %,大気圧 990 hPa〜1 030 hPa
f)
ピペットの温度:td=20.5 ℃〜24.5 ℃
C.5.3.2 バジェット表
ピペット校正の不確かさの導出例を表C.1に示す。
表C.1−ピペット校正の不確かさ導出例におけるバジェット表
要因
記号
標準不確かさ
感度係数
出力量の単位に変換
した標準不確かさ
水の質量の不確かさ
u(m)
0.049
mg
1.00
μL/mg
0.044 9
μL
質量測定の不確かさ
urep(m)
0.028
mg
はかりの不確かさ
uba(m)
0.035 1
mg
校正証明書
uba̲std(m)
0.021 5
mg
最大偏差
uba̲b(m)
0.027 7
mg
水の密度の不確かさ
u(ρw)
0.000 067
mg/μL
−10.0
(μL)2/mg
6.71E-4
μL
空気密度の不確かさ
u(ρa)
0.000 015 9
mg/μL
8.76
(μL)2/mg
1.39E-4
μL
ピペットの体膨張係数
の不確かさ
u(αc)
0.000 057 7
℃−1
−24.9
μL/−1
0.001 44
μL
ピペットの温度に関す
る標準不確かさ
u(td)
1.154
℃
−0.002 99
μL/℃
0.003 44
μL
蒸発量による不確かさ
u(me)
0.010 0
μL
1
μL
0.010 0
μL
合成標準不確かさ
0.046 2
μL
拡張不確かさ
0.092 4
μL
校正結果
9.970
±
0.092
μL
参考文献 JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS Z 8402-2 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第2部:標準測定方法の併行
精度及び再現精度を求めるための基本的方法
JIS Z 8404-1 測定の不確かさ−第1部:測定の不確かさの評価における併行精度,再現精度及
び真度の推定値の利用の指針
ISO/IEC Guide 99,International vocabulary of metrology−Basic and general concepts and associated
terms (VIM) (JCGM/WG2/200)
注記 TS Z 0032:2012 国際計量計測用語−基本及び一般概念並びに関連用語(VIM)
ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in
measurement (GUM) (JCGM/WG1/100)
注記 TS Z 0033:2012 測定における不確かさの表現のガイド
ISO 8655-1:2002,Piston-operated volumetric apparatus−Part 1: Terminology, general requirements and
user recommendations
ISO/TR 20461:2000,Determination of uncertainty for volume measurements made using the
gravimetric method
M. Tanaka, G. Girard, R. Davis, A. Peuto and N. Bignell/Recommended table for the density of water
between 0℃ and 40℃ based on recent experimental report, Metrologia 38, 301-309(2001)
OIML R111-1 (Weights of classes E1,E2,F1,F2,M1,M1-2,M2,M2-3 and M3), (2004)
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K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 0970:2013 ピストン式ピペット
ISO 8655-2:2002 Piston-operated volumetric apparatus−Part 2: Piston pipettes
ISO 8655-6:2002 Piston-operated volumetric apparatus−Part 6: Gravimetric
methods for the determination of measurement error
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
ISO
8655-2
1.適用範
囲
− 計量要求事項
− 最大許容誤差
− マーキングの要求事
項
− ユーザーに提供しな
ければならない事項
変更
ユーザーに提供しなければなら
ない事項の規定を削除。
また,備考(注記)を削除。
性能及び試験方法規格に限定し
たが,この部分については技術的
差異はない。
2 引用規
格
3 用語及
び定義
ISO
8655-2
3.用語及
び定義
ISO 8655-1にまとめて規
定。
変更
ISO 8655-1の規定から性能及び
試験方法規格に必要なものを選
定及び追加。
性能及び試験方法規格に限定し
たが,この部分については技術的
差異はない。
4 種類,
形式及び
チャネル
a) 種類
b) 形式
c) チャネル
ISO
8655-2
追加
規定した機器を明確にした。
ISO
8655-2
4.動作原
理
5.設計
6.型式,
名称
削除
性能及び試験方法規格に限定し
たため,4.動作原理,5.設計,6.
型式,名称を削除した。
削除した部分以外は,技術的差異
はない。
4
K
0
9
7
0
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 計量性
能上の要
求事項
5.1 固定容量形の最
大許容誤差
ISO
8655-2
7.計量性
能要求事
項
7.2 型式A及びD1の固定
式容量形ピストンピペッ
ト
追加
ISO 8655-2は10 000 μLまでで
あったが,20 000 μLを追加。
国内の使用実態を考慮した。
表1-タイプA及びタイプ
D1の最大許容誤差
変更
公称容量5 μLの系統誤差及び
偶然誤差を有効桁数を小数点以
下2桁とし,3桁目を丸めた。
他が全て小数点以下2桁までとな
っていることから有効桁数を小
数点以下2桁までとした。
7.3 型式D2の固定式容量
形ピストンピペット
一致
5.2 可変容量形の最
大許容誤差
7.4 可変容量形ピストン
ピペット
一致
5.3 マルチチャネル
の最大許容誤差
7.5 マルチチャネルピス
トン式ピペット
一致
−
7.6 ピペットチップ
削除
ピストン式ピペット本体との一
体としての規定に限定した。
チップだけを規定する意味がな
く,また一体として規定すれば問
題なく,技術的差異もない。
6 性能試
験
ISO
8655-2
7.計量性
能要求事
項
7.1.1 適合性試験
一致
7.1.2 ユーザー試験
削除
ユーザーにおける試験まで含め
ていない。
7 校正
追加
ISO 8655-2は適合性評価だけで
校正を規定していない。
附属書Cに(参考)として追加し
た。
8 表示
ISO
8655-2
8.マーキ
ング
8.1 ピストン式ピペット
追加
表示に,この規格の番号を追加
した。
技術的差異はない。
8.2 ピペットチップ
削除
ピストン式ピペット本体との一
体としての規定に限定した。
チップの規定を削除したため,表
記も省いた。
4
K
0
9
7
0
:
2
0
1
3
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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K 0970:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書A
(規定)
A.1.1 質量の計測器
ISO
8655-6
4.機器
4.1 分析天びん又は同等
はかり
変更
10 mL<V≦200 mLの範囲を
10 mL<V≦20 mLまでに変更。
ピストン式ピペットに限定。
A.1.2 温度の計測器
ISO
8655-6
4.5 温度計
変更
水温(液中)用と室温用とに分
けた。
水温(液中)用として高精度のも
のを規定した。
A.1.3 湿度計
A.1.4 大気圧計
A.1.5 ひょう量容器
4.6 湿度計,4.7 気圧計,
4.2 液体容器
一致
−
4.4 ストップウォッチ
削除
必須ではないため,削除した。 必須ではないため,技術的な問題
はない。
A.2 試験に用いる水
ISO
8655-6
5.試験液
変更
ISO 3696に規定されるグレー
ド3に適合するを削除。
ISO 3696規格の水は国内で入手
困難である。
A.3 試験条件
ISO
8655-6
6 試験条
件
変更
品質管理のための試験を削除
適合性試験の条件だけを規定し
たが,この部分については技術的
差異はない。
A.4 試験手順
7.手順
変更
7.1.1,7.1.2及び7.1.4を箇条6
に移動。
分かりやすくした。
A.5 試験の評価
ISO
8655-6
8.評価
一致
A.6 試験報告書
ISO
8655-6
9.試験報
告書
一致
附属書B
(規定)
浮力補正値及び質量
から容量変換の補正
係数Z
ISO
8655-6
Annex A
天びんの読取値を基にし
た容積(体積)の計算
変更
追加
気圧の単位をkPaからhPaに変
更。
計算による補正係数Zを求める
方法を追加。
より使いやすくした。
附属書C
(参考)
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 8655-2:2002,ISO 8655-6:2002,全体評価MOD)
4
K
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9
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0
:
2
0
1
3
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
4
K
0
9
7
0
:
2
0
1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。