K 0804:2014
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類······························································································································· 2
4.1 ガス採取器の種類 ·········································································································· 2
4.2 検知管の種類 ················································································································ 3
5 品質及び性能 ··················································································································· 4
5.1 ガス採取器の品質及び性能······························································································· 4
5.2 検知管の品質及び性能 ···································································································· 4
6 構造······························································································································· 5
6.1 ガス採取器 ··················································································································· 5
6.2 検知管及び前処理管 ······································································································· 5
7 試験方法 ························································································································· 5
7.1 検査方式 ······················································································································ 5
7.2 試験場所の標準状態 ······································································································· 6
7.3 外観 ···························································································································· 6
7.4 性能 ···························································································································· 6
8 表示······························································································································· 8
8.1 ガス採取器 ··················································································································· 8
8.2 直読式検知管,濃度表式検知管の濃度表及び検知管収納箱の表示 ············································ 9
9 取扱説明書 ······················································································································ 9
9.1 ガス採取器 ··················································································································· 9
9.2 検知管 ························································································································· 9
附属書A(参考)測定対象ガス,試験用標準ガスの一例及び概略の測定濃度範囲 ····························· 11
附属書B(規定)試験用ガス ································································································· 17
参考文献 ···························································································································· 20
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本
保安用品協会(JSAA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格
を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格
である。
これによって,JIS K 0804:1998は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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検知管式ガス測定器(測長形)
Gas detector tube measurement system (Length-of-stain type)
序文
この規格は,1985年に制定され,その後3回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1998年に
行われたが,その後の技術的変化に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,十数分間以内の濃度測定を目的とする短時間用の測長形検知管式ガス測定器(以下,測定
器という。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7516 金属製直尺
JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
検知管式ガス測定器
検知管及び検知管用ガス採取器(以下,ガス採取器という。)からなるガス測定器。
3.2
測長形検知管
試験用ガス中の測定成分と速やかに反応して,反応部分と未反応部分とが区別できる境界を形成する試
薬を充塡し,反応した変色部分の長さでガス濃度を測定する検知管。
3.3
前処理管
除湿剤又は分解反応剤など試料ガスの前処理剤を充塡した管で検知管に接続して用いるもの。
3.4
(ガス採取器の)内容積
ガス採取器の一回の通気操作で吸引される試料の体積。
2
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3.5
(ガス採取器の)気密性
ガス採取器内部を加圧又は減圧にして放置した場合の空気の漏れ量。
3.6
有効年月
8.2に記載した表示による方法に従い保存した場合において,5.2に規定する品質及び性能を満足する期
限を示す年月。
4
種類
4.1
ガス採取器の種類
ガス採取器の種類を,表1に示す。
表1−ガス採取器の種類
種類
ガス採取方式
参照
シリンダー形
真空方式
検知管を接続したガス採取器のシリンダー内部
をピストンによって減圧状態にし,試料ガスを検
知管を通して吸引する方式。
図1
送入方式
ガス採取器のシリンダー内部に,一旦試料ガスを
採取してから,ピストンによって試料ガスを検知
管を通して排出する方式。
図2
蛇腹形
蛇腹を圧縮し,内部ばねなどの応力によって蛇腹
内を減圧状態にし,試料ガスを検知管を通して吸
引する方式。
図3
図1−真空方式ガス採取器の例
図2−送入方式ガス採取器の例
3
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図3−蛇腹形ガス採取器の例
4.2
検知管の種類
4.2.1
読取方式による種類
読取方式による種類は,表2のとおりとする。
表2−読取方式による検知管の種類
種類
読取方式
注記
直読式
検知管の表面に濃度目盛が印刷してあり,変色の境界面の目盛を
直読して,測定対象ガスの濃度を求める方式。
図4
濃度表式
添付の濃度表a)と検知剤の変色長さとを比較して,測定対象ガス
の濃度を求める方式。
図5
図6
注a) ガラス管内径のばらつきによる変色長さを補正するための濃度目盛が付けてあるもの。
図4−直読式検知管の一例
図5−濃度表式検知管の一例
4
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図6−濃度表の一例及び使用方法
4.2.2
測定対象ガスによる種類
測定対象ガスの名称をそれぞれ付けて表す(附属書A参照)。
5
品質及び性能
5.1
ガス採取器の品質及び性能
ガス採取器の品質及び性能は,表3による。
表3−ガス採取器の品質及び性能
項目
品質及び性能
試験
外観
検知管取付口のゴムの亀裂,変形などがない。
7.3
内容積
9.1 a) の表示値に対する許容値 ±5 %
7.4.1 a)
気密性
真空方式
実測内容積の値に対する漏れ量の割合 3 % 以内
7.4.1 b) 1)
送入方式
実測内容積の値に対する漏れ量の割合 3 % 以内
7.4.1 b) 2)
蛇腹形
実測内容積の値に対する漏れ量の割合 3 % 以内
7.4.1 b) 1)
通気速度
吸引速度調節部を内蔵したガス採取器については,9.1 c)
に明示された通気量に対する差 ±10 %
7.4.1 c)
耐久性
通気操作を1 000回繰り返した後,内容積,気密性及び
通気速度の品質・性能を満足する。
7.4.1 d)
5.2
検知管の品質及び性能
検知管の品質及び性能は,表4による。
5
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表4−検知管の品質及び性能
項目
品質及び性能
試験
外観
ピンホール,亀裂,きずなどがなく,直読式の場合の目盛は鮮明でなけれ
ばならない。
7.3
指示精度
目盛範囲の1/3以上の試験用ガス濃度に対する差の割合
検知管の指示値 25 % 以内
指示値の平均値 15 % 以内
7.4.2 a)
目盛範囲の1/3以下の試験用ガス濃度に対する差の割合
検知管の指示値 35 % 以内
指示値の平均値 25 % 以内
酸素濃度18 %〜21 %を測定するものの試験用ガス濃度に対する差の割合
検知管の指示値 8 % 以内
指示値の平均値 5 % 以内
温度による影響
温度10 ℃±2 ℃及び30 ℃±2 ℃において,指示精度を満足する。
7.4.2 b)
変色先端面の傾斜
図9に示すΔL/Mの値 20 % 以内
7.4.2 c)
ガス入口側検知剤端
面の傾斜
図10に示すΔlの値 2 mm 以内
7.4.2 d)
6
構造
6.1
ガス採取器
ガス採取器は,内部を加圧状態又は減圧状態にして,検知管に一定量の試料ガスを通気する機能をもつ。
吸引速度調節機能をもつ採取器にあっては,検知管取付口の内部に取り付けたオリフィスなどによって,
試料ガスを検知管に通気する速度の調節を行う。
6.2
検知管及び前処理管
検知管及び前処理管は,内径が均一で全長がそろったガラス管などの透明な管に一定量の検知剤又は前
処理剤を詰め,これが緩まないように栓などを当て,さらに管の両端を密閉する。直読式検知管の目盛は,
容易に消えてはならない。
7
試験方法
7.1
検査方式
採取器,検知管共に製造ロットごとに,表5の検査方式に従って試験を行う。
ガス採取器の耐久性試験の抜取試験の試料の個数は1個とし,検知管の指示精度試験及び温度による影
響試験の抜取試験の試料の個数は,各ガス濃度に対してそれぞれ10本とする。
なお,抜取試験における試料は,無作為に抽出する。
ただし,変色先端面の傾斜試験及びガス入口側検知剤端面の傾斜試験は,指示精度試験及び温度による
影響試験を行った検知管について行う。
6
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表5−検査方式
試験項目
全数試験
抜取試験
ガ
ス
採
取
器
外観
○
内容積
○
気密性
○
通気速度
○
耐久性
○
検
知
管
外観
○
指示精度
○
温度による影響
○
変色先端面の傾斜
○
ガス入口側検知剤端面の傾斜
○
表中の○印は,試験を行うものを示す。
7.2
試験場所の標準状態
試験場所の標準状態は,JIS Z 8703に基づき,気温20 ℃±2 ℃,相対湿度(65±20)%及び気圧1 013 hPa
±30 hPaとする。
なお,検知管,ガス採取器が試験場所の温度と異なる温度下に保管されていた場合には,試験の前に20
分程度放置して試験場所の温度になじませる。
7.3
外観
ガス採取器については,検知管取付口のゴムの亀裂,変形などを,検知管については,ピンホール,亀
裂,きずなどを目視及び手触りによって調べる。直読式検知管の場合には,目盛数字,目盛線を目視によ
って調べる。
7.4
性能
7.4.1
ガス採取器
ガス採取器は,大気中で次の事項について試験を行う。
a) 内容積 ガス採取器の検知管取付口に,検知管代替の通気抵抗体(500 mL/minのときの圧力損失が140
hPa±10 hPa又は100 mL/minのときの圧力損失が430 hPa±30 hPaとする。)を接続し,通気抵抗体の
他端にトレーサビリティが明確な石けん膜流量計,又はトレーサビリティが明確なガラス製体積計を
用いて目盛を校正したガラス注射筒を連結して,通気操作を行い,ガス採取器の内容積を測定する。
石けん膜流量計を用いる方法及びガラス注射筒を用いる方法は,次による。
ここで通気操作とは,真空方式採取器及び蛇腹形ガス採取器にあっては吸引操作,送入方式採取器
にあっては送入操作とする。
1) 石けん膜流量計を用いる方法 石けん膜流量計の標線のゼロ位置に石けん膜を作り,ガス採取器の
通気操作による空気の流れで膜を上昇させ,膜の停止した位置から体積を求める(図7参照)。
7
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図7−石けん膜流量計を用いる方法
2) ガラス注射筒を用いる方法 目盛を校正したガラス注射筒のピストンを,真空方式及び蛇腹形のガ
ス採取器の場合には,9.1 a) によって明示する内容積の1.1倍の目盛位置に,送入方式のガス採取
器の場合には,ガラス注射筒のゼロ位置に合わせ,ガス採取器の通気操作による空気の流れでピス
トンを移動させ,停止した位置から体積を求める(図8参照)。
図8−ガラス注射筒を用いる方法
b) 気密性
1) 真空方式及び蛇腹形のガス採取器の場合には,ガス採取器の検知管取付口に閉止弁とa) に示す内
容積測定装置とを直列に接続し,弁を閉じて密閉し,通気操作を行い,9.1 b) によって記載する時
間後に弁を開いてa) に示す方法で内容積を求める。この内容積とa) で求めた実測内容積との差か
ら漏れ量を求め,実測内容積に対する漏れ量の割合を求める。
2) 送入方式のガス採取器の場合には,コックを操作してシリンダーを密閉し,ハンドルを引いて保持
し,9.1 b) によって記載する時間後,ハンドルを放してピストンが戻った位置で固定する。次にガ
ス採取器とa) に示す内容積測定装置とを直列に接続し,a) に示す方法でガス採取器のハンドルを
一杯に押し込んで,内容積測定装置の目盛から漏れ量を求め,実測内容積に対する漏れ量の割合を
求める。
c) 通気速度 ガス採取器の検知管取付口に,a) に規定する石けん膜流量計又はガラス注射筒を連結して,
通気操作を行い,9.1 c) によって記載する一定時間経過後の通気量を測定する。
d) 耐久性 ガス採取器の検知管取付口に,a) に規定する通気抵抗体を接続し,通気操作を1 000回繰り
返した後,a),b) 及びc) に規定する試験を行う。
ただし,1 000回の通気操作の途中で,9.1 d) に記載した使用前点検及び保守を行ってもよい。
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7.4.2
検知管
検知管は,附属書Bに規定する試験用ガスを用い,3段階の濃度について,次の試験を行う。ただし,3
段階の濃度は,検知管の目盛範囲を3等分した3区間の中間付近とする。
a) 指示精度 測定器に添付の取扱説明書によって明示された方法によって,濃度ごとに,検知管に試験
用ガスを通気し,検知管の指示値を求め,試験ガス濃度に対する差の割合を求める。
b) 温度による影響 10 ℃±2 ℃及び30 ℃±2 ℃でa) に規定する試験を行う。
c) 変色先端面の傾斜 a) 及びb) の試験を行った検知管の変色先端面の最低指示濃度(L1)及び最高指
示濃度(L2)からΔL/Mを求める(図9参照)。
20
.0
≦
M
L
Δ
ここに,M:指示濃度値の平均値
L1:最低指示濃度
L2:最高指示濃度
1
2L
L
ΔL
−
=
2
2
1L
L
M
+
=
図9−変色先端面の傾斜
d) ガス入口側検知剤端面の傾斜 JIS B 7516に規定する金属製直尺を用いて測る。ただし,濃度表式検
知管については,検知剤層の両端面について適用する(図10参照)。
図10−ガス入口側検知剤端面の傾斜
8
表示
8.1
ガス採取器
ガス採取器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。ただし,a) については,
ガス採取器の収納箱の表示でもよい。
a) ガス採取器の名前又はその型式
b) 製造業者名又はその略号
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c) 製造年月又はその略号
d) 製造番号又はロット番号
8.2
直読式検知管,濃度表式検知管の濃度表及び検知管収納箱の表示
直読式検知管,濃度表式検知管の濃度表及び検知管収納箱には,容易に消えない方法で,表6によって
表示をする。
表6−直読式検知管,濃度表式検知管の濃度表及び検知管収納箱の表示
表示事項
直読式検知管
濃度表式検知管の濃度表
検知管収納箱
測定対象ガス及びその化学式
○a)
○
○
濃度目盛
○
○
製造業者名又はその略号
○
○
○
製造番号b)
○
○
有効年月
○
検知管の保管方法
○
測定濃度範囲
○
注a) 直読式検知管の測定対象ガス名及び化学式の表示は,いずれか一方でよい。
b) 製造番号の表示は,検知管又は検知管収納箱のいずれかでよい。
9
取扱説明書
9.1
ガス採取器
ガス採取器には,次の事項について記載した取扱説明書を添付しなければならない。
a) ガス採取器内容積
b) ガス採取器の気密試験 使用に先立って行う気密試験の方法及び気密を確認するために必要な時間。
c) ガス採取器の通気速度試験 吸引速度調節部を内蔵したガス採取器について行う通気速度試験の方法
及び通気速度を確認するために必要な時間及び通気量。
d) ガス採取器の使用前点検方法及び保守方法
9.2
検知管
検知管には,次の事項について記載した取扱説明書を添付しなければならない。
a) 測定
1) 検知管の両端を開封した後,ガス採取器の検知管取付口に取り付ける正しい方向及び方法
2) ガス採取器を操作して,試料ガスを検知管に通気するときの通気量又は操作回数
3) 一回の通気操作に要する時間
4) 試料ガス吸引後,変色層先端から濃度目盛を読み取る方法,必要であれば,先端が斜めに変色した
場合の読取方法
b) 指示値の補正
1) 温度又は湿度による補正が必要な場合には,その補正の方法
2) 測定場所の気圧が大気圧と異なる場合の測定方法,及びその補正の方法
3) 通気回数による補正が必要な場合は,その補正の方法
c) その他の注意事項
1) 検知剤の色及び測定対象ガスによる変色
2) 他のガスによる影響。測定対象ガスの測定環境下において,一般的に存在する可能性の高い他のガ
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スが単独で又は測定対象ガスと共存した場合に,影響を及ぼすことが考えられるガスの情報。
この情報については,他のガスの影響を受ける濃度,プラス側の影響か又はマイナス側の影響か,
また,変色の状態も含め影響の程度など。
3) 検知管の廃棄方法
4) その他必要な事項
11
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附属書A
(参考)
測定対象ガス,試験用標準ガスの一例及び概略の測定濃度範囲
表A.1−測定対象ガス,試験用標準ガスの一例及び概略の測定濃度範囲
No.
測定対象ガス
概略の測定濃度範囲
(vol) b)
試験用標準ガス及びそれに用いる
調製用液体又は固体試薬の一例
名称a)
化学式
1
アクリルアルデヒド
[アクロレイン]
CH2=CHCHO
0.1 ppm〜1.8 %
2
アクリル酸エチル
CH2=CHCO2CH2CH3
5 ppm〜60 ppm
3
アクリル酸メチル
CH2=CHCO2CH3
2 ppm〜60 ppm
4
アクリロニトリル
CH2=CHCN
0.1 ppm〜500 ppm
0.1 %〜3.5 %
JCSS アクリロニトリル標準ガス
5
アセチレン
HC≡CH
25 ppm〜4 %
6
アセトアルデヒド
CH3CHO
0.5 ppm〜1.0 %
JCSS アセトアルデヒド標準ガス
7
アセトン
CH3COCH3
20 ppm〜5 %
JIS K 8034 アセトン(試薬)
8
アニリン
C6H5NH2
0.5 ppm〜60 ppm
JIS K 8042 アニリン(試薬)
9
アルシン
AsH3
0.04 ppm〜160 ppm
JCSS アルシン標準ガス
10
アンモニア
NH3
0.05 ppm〜32 %
JCSS アンモニア標準ガス
11
イソブタン
(CH3)3CH
50 ppm〜1 200 ppm
12
一酸化炭素
CO
0.5 ppm〜50 %
JCSS 一酸化炭素標準ガス
13
一酸化窒素
NO
0.5 ppm〜5 000 ppm
JCSS 一酸化窒素標準ガス
14
エタノール
[エチルアルコー
ル]
CH3CH2OH
15 ppm〜7.5 %
JCSS エタノール標準ガス
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試
薬)
15
エタンチオール
[エチルメルカプタ
ン]
C2H5SH
0.1 ppm〜1 000 ppm
16
エチルベンゼン
C6H5C2H5
5 ppm〜600 ppm
JCSS エチルベンゼン標準ガス
17
エチレン
CH2=CH2
0.01 ppm〜1.2 %
18
エチレンオキシド
(酸化エチレン)
C2H4O
0.1 ppm〜4 %
19
エチレングリコール
HOCH2CH2OH
3 mg/m3〜250 mg/m3
JIS K 8105 エチレングリコール
(試薬)
20
塩化水素
HCl
0.1 ppm〜5 000 ppm
21
塩化ビニル
CH2=CHCl
0.1 ppm〜2 %
JCSS 塩化ビニル標準ガス
22
塩素
Cl2
0.02 ppm〜10 %
23
オゾン
O3
0.025 ppm〜1 000 ppm
24
過酸化水素
H2O2
0.1 ppm〜20 ppm
25
ガソリン
CnHm
30 ppm〜1.2 %
26
ぎ酸
HCO2H
1 ppm〜80 ppm
27
キシレン
C6H4(CH3)2
2 ppm〜1 800 ppm
JCSS o-キシレン標準ガス
JCSS m-キシレン標準ガス
28
クレゾール
C6H4(CH3)(OH)
0.5 ppm〜25 ppm
29
クロロシアン
[シアン化塩素]
CNCl
0.5 ppm〜50 ppm
30
クロロピクリン
Cl3CNO2
0.05 ppm〜16 ppm
12
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−測定対象ガス,試験用標準ガスの一例及び概略の測定濃度範囲(続き)
No.
測定対象ガス
概略の測定濃度範囲
(vol) b)
試験用標準ガス及びそれに用いる
調製用液体又は固体試薬の一例
名称a)
化学式
31
2-クロロ1,3-ブタジエ
ン[クロロプレン]
CH2=CClCH=CH2
0.5 ppm〜90 ppm
32
クロロメチルオキシラ
ン[エピクロロヒドリ
ン]
CH2-CHCH2Cl
O
5 ppm〜80 ppm
33
クロロベンゼン
[クロルベンゼン]
C6H5Cl
0.5 ppm〜500 ppm
34
クロロホルム
CHCl3
23 ppm〜500 ppm
JCSS クロロホルム標準ガス
JIS K 8322 クロロホルム(試薬)
35
酢酸
CH3CO2H
0.125 ppm〜330 ppm
JIS K 8355 酢酸(試薬)
36
酢酸イソブチル
CH3CO2CH2CH(CH3)2 10 ppm〜1.4 %
37
酢酸イソプロピル
CH3CO2CH(CH3)2
10 ppm〜1.2 %
38
酢酸イソペンチル
[酢酸イソアミル]
CH3CO2CH2CH2CH
(CH3)2
10 ppm〜1 000 ppm
39
酢酸エチル
CH3CO2C2H5
10 ppm〜5 %
JIS K 8361 酢酸エチル(試薬)
40
酢酸ビニル
CH3CO2CH=CH2
5 ppm〜250 ppm
41
酢酸ブチル
CH3CO2(CH2)3CH3
10 ppm〜1 %
JIS K 8377 酢酸ブチル(試薬)
42
酢酸プロピル
CH3CO2CH2CH2CH3
20 ppm〜1.4 %
43
酢酸ペンチル
CH3CO2(CH2)4CH3
10 ppm〜200 ppm
44
酢酸メチル
CH3CO2CH3
200 ppm〜3 %
JIS K 8382 酢酸メチル(試薬)
45
酸化硫化炭素
[硫化カルボニル]
COS
5 ppm〜200 ppm
46
酸素
O2
1.5 %〜24 %
JCSS 酸素標準ガス
47
シアン化水素
HCN
0.2 ppm〜3 %
48
ジエチルアミン
(C2H5)2NH
1 ppm〜60 ppm
49
ジエチルエーテル
(エチルエーテル)
(C2H5)2O
10 ppm〜1.4 %
JIS K 8103 ジエチルエーテル(試
薬)
50
四塩化炭素
CCl4
0.1 ppm〜60 ppm
51
1,4-ジオキサン
C4H8O2
20 ppm〜2.5 %
JIS K 8461 1,4-ジオキサン(試薬)
52
シクロヘキサノール
C6H11OH
5 ppm〜500 ppm
JIS K 8462 シクロヘキサノール
(試薬)
53
シクロヘキサノン
C6H10O
2 ppm〜100 ppm
JIS K 8463 シクロヘキサノン(試
薬)
54
シクロヘキサン
C6H12
0.01 %〜0.6 %
JIS K 8464 シクロヘキサン(試
薬)
55
1,1-ジクロロエタン
CH3CHCl2
10 ppm〜160 ppm
56
1,2-ジクロロエタン
(1,2-ジクロルエタン)
ClCH2CH2Cl
5 ppm〜50 ppm
JCSS 1,2-ジクロロエタン標準ガ
ス
JIS K 8465 1,2-ジクロロエタン
(試薬)
57
1,1-ジクロロエチレン
[塩化ビニリデン]
CH2=CCl2
0.38 ppm〜40.6 ppm
58
1,2-ジクロロエチレン
(1,2-ジクロルエチレ
ン)
ClCH=CHCl
4.2 ppm〜840 ppm
13
K 0804:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−測定対象ガス,試験用標準ガスの一例及び概略の測定濃度範囲(続き)
No.
測定対象ガス
概略の測定濃度範囲
(vol) b)
試験用標準ガス及びそれに用いる
調製用液体又は固体試薬の一例
名称a)
化学式
59
ジクロロメタン
CH2Cl2
1 ppm〜1 000 ppm
JCSS ジクロロメタン標準ガス
JIS K 8161 ジクロロメタン(試薬)
60
1,3-ジクロロプロパン
ClCH2CH2CH2Cl
10 ppm〜500 ppm
61
o-ジクロロベンゼン
(オルト−ジクロルベ
ンゼン)
C6H4Cl2
2.5 ppm〜300 ppm
62
p-ジクロロベンゼン
(パラ−ジクロルベン
ゼン)
C6H4Cl2
10 ppm〜150 ppm
63
1,2-ジブロモエタン
[二臭化エチレン]
BrCH2CH2Br
1 ppm〜50 ppm
64
ジボラン
B2H6
0.02 ppm〜5 ppm
65
N, N-ジメチルアセトア
ミド
CH3CON(CH3)2
1.5 ppm〜240 ppm
66
N, N-ジメチルホルムア
ミド
(CH3)2NCHO
0.8 ppm〜90 ppm
67
臭化メチル
CH3Br
0.1 ppm〜600 ppm
68
臭素
Br2
1 ppm〜20 ppm
JIS K 8529 臭素(試薬)
69
硝酸
HNO3
0.1 ppm〜50 ppm
70
シラン
SiH4
0.5 ppm〜50 ppm
71
水銀
Hg
0.05 mg/m3〜13.2 mg/m3 JIS K 8572 水銀(試薬)
72
水素
H2
0.05 %〜3 %
73
スチレン
C6H5 CH=CH2
1 ppm〜1 500 ppm
74
セレン化水素
H2Se
1 ppm〜600 ppm
75
窒素酸化物
NO+NO2
0.04 ppm〜2 500 ppm
76
テトラエトキシシラン
Si (OC2H5)4
5 ppm〜200 ppm
77
テトラクロロエチレン
(テトラクロルエチレ
ン)
Cl2C=CCl2
0.1 ppm〜2 %
JCSS テトラクロロエチレン標準
ガス
78
テトラヒドロチオフェ
ン
C4H8S
1 ppm〜200 ppm
79
テトラヒドロフラン
C4H8O
5 ppm〜800 ppm
JIS K 9705 テトラヒドロフラン
(試薬)
80
トリエチルアミン
(C2H5)3N
0.25 ppm〜60 ppm
81
1,1,1-トリクロロエタン
(1,1,1-トリクロルエタ
ン)
CH3CCl3
10 ppm〜2 000 ppm
82
1,1,2-トリクロロエタン
(1,1,2-トリクロルエタ
ン)
Cl2CHCH2Cl
10 ppm〜100 ppm
83
トリクロロエチレン
(トリクロルエチレ
ン)
Cl2C=CHCl
0.1 ppm〜2.5 %
JCSS トリクロロエチレン標準ガ
ス
JIS K 8666 トリクロロエチレン
(試薬)
14
K 0804:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−測定対象ガス,試験用標準ガスの一例及び概略の測定濃度範囲(続き)
No.
測定対象ガス
概略の測定濃度範囲
(vol) b)
試験用標準ガス及びそれに用いる
調製用液体又は固体試薬の一例
名称a)
化学式
84
1,2,4-トリメチルベンゼ
ン
C6H3(CH3)3
10 ppm〜250 ppm
85
トルエン
C6H5CH3
1 ppm〜3 000 ppm
JCSS トルエン標準ガス
JIS K 8680 トルエン(試薬)
86
ナフタレン
[ナフタリン]
C10H8
10 ppm〜100 ppm
87
二酸化硫黄
[亜硫酸ガス]
SO2
0.05 ppm〜8 %
JCSS 二酸化硫黄標準ガス
88
二酸化塩素
ClO2
0.025 ppm〜20 ppm
89
二酸化炭素
(炭酸ガス)
CO2
100 ppm〜60 %
JCSS 二酸化炭素標準ガス
90
二酸化窒素
NO2
0.1 ppm〜2 000 ppm
91
ニッケルカルボニル
Ni (CO)4
20 ppm〜700 ppm
92
二硫化炭素
CS2
0.1 ppm〜4 000 ppm
JIS K 8732 二硫化炭素(試薬)
93
ヒドラジン
N2H4
0.01 ppm〜10 ppm
94
ピリジン
C5H5N
0.2 ppm〜35 ppm
JIS K 8777 ピリジン(試薬)
95
フェノール
C6H5OH
0.5 ppm〜25 ppm
JIS K 8798 フェノール(試薬)
96
1,3-ブタジエン
CH2=CHCH=CH2
0.1 ppm〜2.6 %
JCSS 1,3-ブタジエン標準ガス
97
1-ブタノール
CH3CH2CH2CH2OH
5 ppm〜5 000 ppm
JIS K 8810 1-ブタノール(試薬)
98
2-ブタノール
CH3CH2CH(OH)CH3
4 ppm〜300 ppm
JIS K 8812 2-ブタノール(試薬)
99
2-ブタノン
(メチルエチルケトン)
CH3COC2H5
10 ppm〜5 %
JIS K 8900 2-ブタノン(試薬)
100
ブタン
C4H10
25 ppm〜1 400 ppm
101
ふっ化水素(弗化水素) HF
0.17 ppm〜30 ppm
102
ふっ素
F2
0.1 ppm〜2 ppm
103
フラン
C4H4O
0.01 %〜2 %
104
フルフリルアルコール
C4H3OCH2OH
5 ppm〜25 ppm
105
2-プロパノール(イソプ
ロピルアルコール)
CH3CH(OH)CH3
15 ppm〜4 000 ppm
JIS K 8839 2-プロパノール(試
薬)
106
プロパン
CH3CH2CH3
0.02 %〜5.0 %
JCSS プロパン標準ガス
107
2-プロパンチオール
[イソプロピルメルカ
プタン]
(CH3)2CHSH
0.1 ppm〜100 ppm
108
プロピレンオキシド
(酸化プロピレン)
CH3-CHCH2
O
0.05 %〜5.0 %
109
プロペン
[プロピレン]
CH3CH=CH2
50 ppm〜1 000 ppm
110
ヘキサン
(ノルマルヘキサン)
CH3(CH2)4CH3
5 ppm〜1.32 %
111
ヘプタン
[ノルマルヘプタン]
CH3(CH2)5CH3
7 ppm〜1.68 %
112
ベンゼン
C6H6
0.1 ppm〜312 ppm
JCSS ベンゼン標準ガス
JIS K 8858 ベンゼン(試薬)
15
K 0804:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−測定対象ガス,試験用標準ガスの一例及び概略の測定濃度範囲(続き)
No.
測定対象ガス
概略の測定濃度範囲
(vol) b)
試験用標準ガス及びそれに用いる
調製用液体又は固体試薬の一例
名称a)
化学式
113
ペンタン
[ノルマルペンタン]
CH3(CH2)3CH3
50 ppm〜1 500 ppm
114
2-ペンテンニトリル
CH3CH2CH:CHCN
0.5 ppm〜15 ppm
115
ホスゲン
COCl2
0.02 ppm〜25 ppm
116
ホスフィン
PH3
0.01 ppm〜10 000 ppm JCSS ホスフィン標準ガス
117
ホルムアルデヒド
HCHO
0.05 ppm〜6 400 ppm
118
水
H2O
0.05 mg/L〜40 mg/L
119
メタクリル酸メチル
CH2=C(CH3)CO2CH3
10 ppm〜160 ppm
120
メタクリロニトリル
CH2=C(CH3)CN
0.2 ppm〜32 ppm
121
メタノール
CH3OH
2 ppm〜6 %
JIS K 8891 メタノール(試薬)
122
メタンチオール
[メチルメルカプタン]
CH3SH
0.1 ppm〜2 700 ppm
123
メチルアミン
CH3NH2
0.5 ppm〜100 ppm
124
メチルイソチオシアネ
ート
CH3NCS
10 ppm〜10 000 ppm
125
メチルエーテル
CH3OCH3
0.01 %〜1.2 %
126
メチルシクロヘキサノ
ール
CH3C6H10OH
5 ppm〜200 ppm
127
メチルシクロヘキサノ
ン
C7H12O
2 ppm〜100 ppm
128 α-メチルスチレン
C6H5C(CH3)=CH2
10 ppm〜500 ppm
129
3-メチル-1-ブタノール
(イソペンチルアルコ
ール)
(CH3)2CHCH2CH2OH
5 ppm〜300 ppm
JIS K 8051 3-メチル-1-ブタノー
ル(試薬)
130
2-メチル-1-プロパノー
ル(イソブチルアルコ
ール)
(CH3)2CHCH2OH
5 ppm〜150 ppm
JIS K 8811 2-メチル-1-プロパノ
ール(試薬)
131
2-メチル-2-プロパンチ
オール
[t-ブチルメルカプタ
ン]
(CH3)2CSH
0.5 mg/m3〜150 mg/m3
132
4-メチル-2-ペンタノン
(メチルイソブチルケ
トン)
(CH3)2CHCH2 COCH3
2.5 ppm〜0.6 %
JIS K 8903 4-メチル-2-ペンタノ
ン(試薬)
133
4-メチル-3-ペンテン-2-
オン[酸化メシチル]
(CH3)2C=CHCOCH3
5 ppm〜100 ppm
134
モノエタノールアミン
H2NCH2CH2OH
0.5 ppm〜50 ppm
JIS K 8109 2-アミノエタノール
(試薬)
135
よう化メチル
[沃化メチル]
CH3I
0.4 ppm〜34 800 ppm JIS K 8919 ヨードメタン(試薬)
136
硫化水素
H2S
0.1 ppm〜40 %
137
硫酸(硫酸ミスト)
H2SO4
0.5 mg/m3〜5 mg/m3
16
K 0804:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表A.1−測定対象ガス,試験用標準ガスの一例及び概略の測定濃度範囲(続き)
注a) 名称は主としてIUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)の名称(容認慣用名含む。)による。
( )内には労働安全衛生法の名称を,また[ ]内には別名を示した。
b) 測定濃度範囲は,国内で入手可能な製品の概略の最低測定濃度及び最高濃度を示したもので,必ずしも1本
の検知管で測定可能な範囲を示すものではない。測定濃度範囲欄のppmは体積百万分率を,%は体積百分率
を意味する。
なお,労働安全衛生法に基づく作業環境測定評価基準(厚生労働省告示)においても,管理濃度の単位と
してppmを使用している。
17
K 0804:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(規定)
試験用ガス
B.1
一般
この附属書は,各検知管の指示精度,温度による影響及び変色先端面の傾斜を試験するために用いる試
験用ガスについて規定する。
B.2
標準ガス又は校正用ガスによる試験用ガス
標準ガスは,国家計量標準(計量法第134条)に規定するトレーサビリティが確保されたもの又はそれ
をトレーサビリティが明確な流量計を用いて一定濃度にうすめたもの,若しくはJIS K 0055の4. b) (校
正用ガス調製装置による校正用ガス)によって調製した校正用ガスを用いる。
注記 トレーサビリティが確保された標準ガスとしては,JCSSマークを付けた高圧ガス容器詰めのも
のがある。
B.3
その他の試験用ガス
B.3.1
高純度物質又は既知濃度のガスが得られる場合
試験用ガスは,高純度物質又は既知濃度のガスと清浄な空気又は清浄な窒素などとの希釈ガスを,質量
比混合法,体積比混合法又は質量体積比混合法によって調製し,濃度値を体積百分率又は体積百万分率と
して確定し,必要に応じて各種の分析法で濃度を確認したガスを用いる。
なお,清浄な空気とは,測定値に影響を与える成分を含まない空気をいう。必要に応じて精製活性炭層,
精製シリカゲル層を通して精製する。また,清浄な窒素とは,測定値に影響を与える成分を含まない窒素
をいう。JIS K 1107がある。
これらの試験用ガスは,次の方法によって調製したものを用いる。
a) 高圧ガス容器詰法による試験用ガス 高純度物質又は既知濃度のガスと清浄な空気又は窒素などとの
希釈ガスを質量比混合法によって高圧ガス容器に調製し,濃度値を確定し,その安定性が確認された
ガス。
注記 代表的な質量比混合法の規格に,ISO 6142がある。
b) 体積比混合法による試験用ガス 図B.1に示すように,シリコーンゴム栓などにガラス製コックを付
けた20 L以上の内容積既知のガラス製容器内を減圧にした後にコックを通して,ガスの場合は,目盛
を校正したガラス注射筒で高純度ガス又は既知濃度のガスの一定量を入れた後,液体及び固体の場合
は,高純度液体又は固体試薬の質量を測定して入れ,気化させた後,清浄な空気又は窒素などで大気
圧にし,混合したガス。
ガス濃度は,成分ガスと希釈ガスとの体積比から確定する。
18
K 0804:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図B.1−体積比混合用ガラス製容器の一例
注記 代表的な体積比混合法の規格に,ISO 6144がある。
c) パーミエーションチューブ法による試験用ガス パーミエーションチューブは,一定品質のふっ素樹
脂管に高純度の液化ガス,液体などを封入したもので,これを恒温低湿に保持すると,単位時間に管
壁を拡散するガス量が一定となる。そこに一定流量の希釈ガスを通して混合し,調製したガス。
ガス濃度は,パーミエーションチューブの質量の減少量を一定間隔で測定し,単位時間に管壁を拡
散するガス量を求め,この値と希釈ガス量とから確定する。
図B.2に調製装置の一例を示す。
A:ニードル弁
B:流量計
C:恒温槽
D:パーミエーションチューブ
E:混合器
F:サンプリングポート
図B.2−パーミエーションチューブ法の調製装置の一例
注記 代表的なパーミエーションチューブ法の規格に,ISO 6145-10がある。
d) ガス拡散管法による試験用ガス ガス拡散管に高純度の液体又は固体を入れ,恒温に保持すると,液
体又は固体が蒸発拡散する量が一定となる。そこに一定流量の希釈ガスを通して混合し,調製したガ
ス。
ガス濃度は,ガス拡散管の質量の減少量を一定間隔で測定し,単位時間に拡散管から拡散するガス
量を求め,この値と希釈ガス量とから確定する。
図B.3に調製装置の一例を示す。
19
K 0804:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
A:ニードル弁
B:流量計
C:恒温槽
D:ガス拡散管
E:混合器
F:サンプリングポート
図B.3−ガス拡散管法の調製装置の一例
注記 代表的なガス拡散管法の規格に,ISO 6145-8がある。
e) 流量比混合法による試験用ガス 既知濃度のガス及び清浄な空気又は窒素などの流量をそれぞれ計測
制御して混合し,調製したガス。
ガス濃度は,流量の比から確定する。
注記 代表的な流量比混合法の規格に,ISO 6145-7がある。
B.3.2 高純度物質又は既知濃度のガスが得られない場合
日本工業規格に規定された分析方法又は各種の分析法を併用するなどして,十分に信頼性のある値付け
がなされたガスを用いる。
注記 代表的な混合ガスの濃度を確認する方法の規格に,ISO 6143がある。
20
K 0804:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献
JIS K 1107 窒素
JIS K 8034 アセトン(試薬)
JIS K 8042 アニリン(試薬)
JIS K 8051 3-メチル-1-ブタノール(試薬)
JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬)
JIS K 8103 ジエチルエーテル(試薬)
JIS K 8105 エチレングリコール(試薬)
JIS K 8109 2-アミノエタノール(試薬)
JIS K 8161 ジクロロメタン(試薬)
JIS K 8322 クロロホルム(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8361 酢酸エチル(試薬)
JIS K 8377 酢酸ブチル(試薬)
JIS K 8382 酢酸メチル(試薬)
JIS K 8461 1,4-ジオキサン(試薬)
JIS K 8462 シクロヘキサノール(試薬)
JIS K 8463 シクロヘキサノン(試薬)
JIS K 8464 シクロヘキサン(試薬)
JIS K 8465 1,2-ジクロロエタン(試薬)
JIS K 8529 臭素(試薬)
JIS K 8572 水銀(試薬)
JIS K 8666 トリクロロエチレン(試薬)
JIS K 8680 トルエン(試薬)
JIS K 8732 二硫化炭素(試薬)
JIS K 8777 ピリジン(試薬)
JIS K 8798 フェノール(試薬)
JIS K 8810 1-ブタノール(試薬)
JIS K 8811 2-メチル-1-プロパノール(試薬)
JIS K 8812 2-ブタノール(試薬)
JIS K 8839 2-プロパノール(試薬)
JIS K 8858 ベンゼン(試薬)
JIS K 8891 メタノール(試薬)
JIS K 8900 2-ブタノン(試薬)
JIS K 8903 4-メチル-2-ペンタノン(試薬)
JIS K 8919 ヨードメタン(試薬)
JIS K 9705 テトラヒドロフラン(試薬)
ISO 6142:2001,Gas analysis−Preparation of calibration gas mixtures−Gravimetric method
21
K 0804:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ISO 6143:2001,Gas analysis−Comparison methods for determining and checking the composition of calibration
gas mixtures
ISO 6144:2003,Gas analysis−Preparation of calibration gas mixtures−Static volumetric method
ISO 6145-7:2009,Gas analysis−Preparation of calibration gas mixtures using dynamic volumetric methods−
Part 7: Thermal mass-flow controllers
ISO 6145-8:2005,Gas analysis−Preparation of calibration gas mixtures using dynamic volumetric methods−
Part 8: Diffusion method
ISO 6145-10:2002,Gas analysis−Preparation of calibration gas mixtures using dynamic volumetric methods−
Part 10: Permeation method