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K 0450-50-10:2004  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

JIS K 0450-50-10には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定)活性けい酸マグネシウムによるカラムクロマトグラフ分離 

附属書2(規定)感度係数(RF)を用いる濃度の算出方法 

附属書3(参考)定量範囲の下限値を確認する方法 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 共通事項 ························································································································ 1 

4. 試料 ······························································································································ 2 

4.1 試料の採取 ··················································································································· 2 

4.2 試料の取扱い ················································································································ 2 

5. 試料の前処理 ·················································································································· 3 

5.1 試薬 ···························································································································· 3 

5.2 器具 ···························································································································· 3 

5.3 操作 ···························································································································· 4 

6. ガスクロマトグラフ質量分析法 ·························································································· 6 

6.1 試薬 ···························································································································· 6 

6.2 器具及び装置 ················································································································ 7 

6.3 準備操作 ······················································································································ 7 

6.4 操作 ···························································································································· 7 

7. 結果の表示 ····················································································································· 8 

附属書1(規定)活性けい酸マグネシウムによるカラムクロマトグラフ分離 ··································· 10 

附属書2(規定)感度係数(RF)を用いる濃度の算出方法 ·························································· 11 

附属書3(参考)定量範囲の下限値を確認する方法 ···································································· 12 

  

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 0450-50-10:2004 

用水・排水中のベンゾフェノン試験方法 

Testing method for benzophenone in industrial water and wastewater 

1. 適用範囲 この規格は,工業用水及び工場排水中のジフェニルメタノン[ベンゾフェノン(C13H10O)

(CAS No.119-61-9)]の試験方法について規定する。 

2. 引用規格 付表1に示す規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成

する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

3. 共通事項 共通事項は,次による。 

a) 通則 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050による。 

b) 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0101,JIS K 0102,JIS K 0211及びJIS K 0215に

よる。 

c) ガスクロマトグラフ質量分析法 ガスクロマトグラフ質量分析法に共通する一般事項は,JIS K 0123

による。 

d) 化合物の名称 化合物の名称は,社団法人日本化学会が定めた化合物命名法[国際純正及び応用化学

連合(IUPAC)の有機化学命名法]によるものを用い,その末尾に慣用名を括弧で記載してある。 

e) 定量範囲 試験方法に示してある定量範囲は,ガスクロマトグラフ質量分析計に導入した溶媒中の目

的成分の質量(pg)で示す。 

f) 

分析精度 分析精度は,試験方法の定量下限値付近において繰返し試験で求めた変動係数(%)で示

す(1)。 
注(1) 変動係数(%)=xs×100 

ここに, 

s: 標準偏差 

x: 平均値 

g) 水 空試験などに用いる水は,JIS K 0557のA4又はA3の水とする(2)。 

使用前に,水1 Lを分液漏斗にとり,5.1 a)の塩化ナトリウム50 gと5.1 d)のヘキサン100 mlとを加

え,振とう器を用いて約10 分間振り混ぜ,放置する。これを5.3 b)〜d),j)及びk)の操作[ただし,

5.1 i)のナフタレン-d8内標準液(10 μgC10H8-d8/ml)の添加は行わない。]を行い,6.4a)によってその濃

縮液1 μlをマイクロシリンジでとり,ガスクロマトグラフ質量分析計に導入し,ベンゾフェノンの保

持時間に相当する位置にピークのないことを確認する(3)。 

注(2) ガラス器具類の洗浄に用いる水は,JIS K 0557のA2又はA3の水を用いてもよい。 

(3) 精製が必要な場合には,JIS K 0557の4.備考6.による。又はA4又はA3の水を活性炭などで処

理する。 

K 0450-50-10:2004  

   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

h) 試薬 試薬についての共通事項は,次による。 

1) 試薬は,JISに規定されているもので試験に支障のないものを用いる。JISに規定されていないもの

は,試験に支障のないものを用いる。 

2) 標準液の濃度は,mg/ml又はμg/mlで表す。 

3) 液体試薬の混合溶液は,試薬A-試薬B(a+b)で表す。この表し方は,試薬Aのa mlと試薬Bのb 

mlとを混合したことを示す。 

4) 標準液の名称の後に括弧で示されている濃度は,正確な濃度であることを意味する。 

5) 試薬類の名称は,国際純正及び応用化学連合(IUPAC)の無機化学命名法及び有機化学命名法を基

にして社団法人日本化学会が定めた化合物命名法,及びJIS試薬の名称とできるだけ整合させてい

る。 

6) 標準液の調製に使用する化合物は,純度既知のものを用いる。この規格では,“標準品”と記述して

ある。それらの中には類似した化合物が不純物として含まれることが多いので,試験に支障のない

ものを使用する。 

7) 試薬類及び廃液などの取扱については,関係法令規則などに従い,十分に注意する。 

i) 

ガラス器具類 ガラス器具類についての共通事項は,次による。 

1) ガラス器具類は,特に断らない限りJIS R 3503及びJIS R 3505に規定するものを使用する。また,

加熱操作を伴う場合には,JIS R 3503に規定するほうけい酸ガラス-1を用いる。 

デシケーターに用いる乾燥剤は,特に断らない限りシリカゲル(4)とする。 

2) 試験に用いるガラス器具類は,使用前にあらかじめ水で洗浄した後,更にアセトン(JIS K 8040に

規定する濃縮 300以上の品質のもの。)で洗浄し,放置してアセトンを揮散させた後,200 ℃以上

で2 時間以上加熱し,汚染のないところで放冷する。 

注(4) JIS Z 0701に規定する包装用シリカゲル乾燥剤A形1種を用いる。 

j) 

検量線 検量線の作成に当たっては,試験方法に示される定量範囲内を4〜6 段階に分け,ガスクロ

マトグラフ質量分析計への導入時の濃度に一致するように標準液をとり,定量範囲内について作成す

る。 

4. 試料  

4.1 

試料の採取 試料の採取は,次による。 

4.1.1 

器具 器具は,次による。 

a) 試料容器 共栓ガラス瓶1 000 ml(5) 

注(5) 共栓の代わりに,四ふっ化エチレン樹脂製のパッキン付きねじぶたを用いたものでもよい。 

4.1.2 

採取操作 採取操作は,次による。 

a) 表層水の採取 試料をJIS K 0094の4.1.1(試料容器による採取)又は4.1.2(バケツ類による採取)

に従って採取する。 

b) 各深度の水の採取 試料をJIS K 0094の4.1.4(バンドーン採水器による採取)に従って採取する。バ

ンドーン採水器のほかにこれと同等の性能をもつものを用いてもよい。 

c) 配管装置からの採取 試料をJIS K 0094の4.3(採取弁を用いる採取)に従って採取する。 

4.2 

試料の取扱い 試験は試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,0〜10 ℃の暗所に保存

し,できるだけ早く試験する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 試料の前処理 試料に塩化ナトリウム及びベンゾフェノン-d10を加え,ヘキサンを加えて振り混ぜて

抽出した後,抽出液を濃縮する。濃縮液をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフ管に流して妨害物質

を流出分離した後,アセトン-ヘキサン溶離液を用いて対象物質を溶出し,再び濃縮後,ナフタレン-d8を

加え,一定量とする。 

妨害物質が存在しない場合は,カラムクロマトグラフ分離の操作を省略してもよい。 

5.1 

試薬 試薬は,次による。 

a) 塩化ナトリウム JIS K 8150に規定する塩化ナトリウム。約600 ℃で約60 分間加熱した後,デシケ

ーター中で放冷する。 

b) 硫酸ナトリウム JIS K 8987に規定するもの。約600 ℃で約60 分間加熱した後,デシケーター中で

放冷する。 

参考 硫酸ナトリウムは,PCB・フタル酸エステル試験用が市販されている。 

c) アセトン JIS K 8040に規定する濃縮 300以上のもの(6)。 

注(6) 使用前に,200 mlを用いて5.3 i)及びk)の操作[ただし,i)のナフタレン-d8内標準液(10 

μgC10H8-d8/ml)の添加は行わない。]に準じて1 mlまで濃縮する。6.4 a)によってその濃縮液1 μl

をマイクロシリンジでとり,ガスクロマトグラフ質量分析計に導入し,ベンゾフェノンの保持

時間に相当する位置にピークのないことを確認する。 

d) ヘキサン JIS K 8825に規定する濃縮 300以上のもの(6)。 

e) アセトン-ヘキサン溶離液(1+19) アセトン及びヘキサンを用いて調製する。 

f) 

ベンゾフェノン-d10内標準液(100 μgC13H10O-d10/ml-アセトン) ベンゾフェノン-d10(C13H10O-d10)の

標準品0.100 gを,あらかじめアセトン2〜3 mlを入れた全量フラスコ100 mlにとり,アセトンを標

線まで加える。この10 mlを全量フラスコ100 mlにとり,アセトンを標線まで加える(7)。 

注(7) −5℃以下の暗所に保存する。 

g) ベンゾフェノン-d10内標準液(10 μgC13H10O-d10/ml-アセトン) ベンゾフェノン-d10内標準液(100 

μgC13H10O-d10/ml)1 mlを,全量フラスコ10 mlにとり,アセトンを標線まで加える(7)。 

h) ナフタレン-d8内標準液(100 μgC10H8-d8/ml) ナフタレン-d8(C10H8-d8)の標準品0.100 gを,あらか

じめヘキサン2〜3 mlを入れた全量フラスコ100 mlにとり,ヘキサンを標線まで加える。この10 ml

を全量フラスコ100 mlにとり,ヘキサンを標線まで加える(7)(8)。 

注(8) この溶液は,試料に添加したベンゾフェノン-d10の回収率を求めるときの内標準物質として用い

る。 

i) 

ナフタレン-d8内標準液(10 μgC10H8-d8/ml) ナフタレン-d8内標準液(100 μgC10H8-d8/ml)1 mlを,全

量フラスコ10 mlにとり,ヘキサンを標線まで加える(7)(8)。 

j) 

窒素 JIS K 1107に規定する高純度窒素2級 

5.2 

器具 器具は,次による。 

a) 分液漏斗 1 000〜2 000 mlのもの。 

b) 目盛付き共栓試験管 10〜20 mlのもの。1 mlに目盛のあるもの。 

c) マイクロシリンジ 10〜200 μl,又は自動導入装置 

d) 共栓三角フラスコ 100〜500 mlのもの。 

e) なす形フラスコ 100〜500 mlの共通すり合わせで濃縮器(ロータリーエバポレーター)に接続でき

るもの。 

f) 

カラムクロマトグラフ管 カラムクロマトグラフ管は,次による。一例を図 1に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) カラム用管 内径約1 cm,長さ約30 cmのコック付きガラス管 

2) カラム充てん剤 カラムクロマトグラフ用のシリカゲル(9)(粒径150〜250 μm)を約130 ℃で約15 

時間加熱した後,デシケーター中で放冷する。その95 gを共栓三角フラスコにとり,かき混ぜなが

ら,水5 mlを滴加する。密栓し,発熱が終了するまで静かに混合する。さらに,振とう器で約30 分

間振り混ぜる。3)でカラムクロマトグラフ管として調製したものについて,対象物質の保持時間に

ピークの生じないもの(10)。 

3) カラムクロマトグラフ管の作り方 カラム用管の底部にJIS K 8251に規定するガラスウール(あら

かじめヘキサンで洗浄したもの。)を詰め,少量のヘキサンを加えてガラスウール間の気泡を除去す

る。続いて,カラム充てん剤約5gをビーカーにとり,ヘキサンを加えてスラリー状にし,これを気

泡が入らないようにカラム用管に流し込み(11),その上部に硫酸ナトリウムを約2 cmになるように

積層した後,コックを操作し,ヘキサンが硫酸ナトリウム層よりわずかに上部になるようにヘキサ

ンを流し出す(12)。 

注(9) 活性けい酸マグネシウムを用いてもよい。その場合の操作は附属書1による。 

参考 活性けい酸マグネシウムは,フロリジルPRなどが市販されている。 

(10) 調製したシリカゲルの5 gを,3)によってカラムクロマトグラフ管とし,5.3 f)〜k)に準じた操

作[ただし,ナフタレン-d8内標準液(10 μgC10H8-d8/ml)の添加は行わない。]を行い,6.4 a)

によってその濃縮液1 μlをマイクロシリンジでとり,ガスクロマトグラフ質量分析計に導入

し,ベンゾフェノンの保持時間に相当する位置にピークのないことを確認する。 

(11) カラム用管に充てん剤を均一に充てんするために,流し込んだ後,カラム用管に縦横の振動を

与えるとよい。 

(12) 市販のシリカゲルカートリッジを用いてもよい。ただし,使用前に回収率などをあらかじめ確

認しておく。 

            単位 cm 

図 1 カラムクロマトグラフ管の一例 

g) 振とう器  

h) 濃縮器 ロータリーエバポレーター又はクデルナ-ダニッシュ濃縮器 

5.3 

操作 操作は,次による。 

a) 4.1.2で採取した試料(13)の適量(例えば,1 L)を分液漏斗にとり,ベンゾフェノン-d10内標準液(10 

μgC13H10O-d10/ml-アセトン)10 μl(マイクロシリンジでとる。)及び液量1 Lにつき塩化ナトリウム50 

gとヘキサン100 mlとを加え,振とう器を用いて約10 分間振り混ぜ,放置する。 

注(13) 試料中に懸濁物が多い場合は,備考の操作を行う。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 水層を別の分液漏斗に移し入れる。ヘキサン層を共栓三角フラスコに移し入れ,分液漏斗を少量のヘ

キサンで洗い,洗液は先の共栓三角フラスコに合わせる。分液漏斗の水層に液量1 Lにつきヘキサン

100 mlを加え,再び振とう器を用いて約10 分間振り混ぜ,放置する。水層を捨て,ヘキサン層を先

の共栓三角フラスコに合わせる。 

c) 共栓三角フラスコ中のヘキサン溶液に硫酸ナトリウム20〜30 g(14)を加え,軽く振り混ぜて脱水し(15),

約10分間放置した後,ろ紙5 種A(又は5 種B)(16)を用いてろ過し,ろ液をなす形フラスコ(又は

クデルナ-ダニッシュ濃縮器)に受ける。共栓三角フラスコをヘキサン10〜20 mlで洗浄し,更にその

洗液で先のろ紙上の硫酸ナトリウムも洗浄する。この洗浄操作を数回行い,洗液も先のなす形フラス

コに合わせる。 

注(14) ヘキサン溶液にエマルションがある場合には,更に過剰に加える。 

(15) このほかの脱水には,ヘキサン抽出液を約−20 ℃の暗所に保存し,水分を凍結させる方法もあ

る。濃縮操作を当日行わない場合に用いるとよい。 

(16) ろ紙は,抽出に用いる溶媒で使用時に洗浄する。 

d) 濃縮器を用いて,ヘキサン溶液が約5 mlになるまで濃縮する(17)(18)。 

注(17) 40 ℃以下の水浴中で減圧濃縮する。クデルナ-ダニッシュ濃縮器を用いる場合は,濃縮器を大

気圧で75 ℃以下に加熱して濃縮する。スニーダーカラムを少量のヘキサンで洗い,スニーダ

ーカラムを付けたまま放冷する。 

(18) 乾固近くまで濃縮すると,対象物質が揮散することもあるので注意する。 

e) この濃縮液を目盛付き共栓試験管に移す。なす形フラスコをヘキサン約2 mlで洗浄し,その洗液も先

の目盛付き共栓試験管に合わせる。さらに,窒素を緩やかに吹き付け,約1 mlまで濃縮する(18)(19)。 

注(19) f)〜j)のカラムクロマトグラフ分離操作を省略する場合は,この操作に引き続いてk)以降の操作

を行う。 

f) 

この濃縮液の全量をカラムクロマトグラフ管の上部から流し込み,コックを操作し,液面が硫酸ナト

リウム層よりわずかに上部になるようにする。目盛付き共栓試験管の内壁をヘキサン約2 mlで洗い,

これもカラムクロマトグラフ管に流し込む。 

g) カラムクロマトグラフ管の上部から,ヘキサン20 mlを約1 ml/minで流下させ,流出液は捨てる。 

h) 受器になす形フラスコを用い,先のヘキサンが硫酸ナトリウム層のわずか上にあるうちにアセトン-

ヘキサン溶離液(1+19)を加え,その50 ml(20)(21)を約1 ml/minで流下させ,溶出液を受器に受ける。 

注(20) 活性けい酸マグネシウムを用いた場合の操作は附属書1による。 

(21) ヘキサン約1 mlを目盛付き共栓試験管にとり,6.1 d)のベンゾフェノン標準液(1 μgC13H10O/ml)

100 μl,6.1 e)のベンゾフェノン-d10内標準液(100 μgC13H10O-d10/ml-ヘキサン)10 μl及びナフタ

レン-d8内標準液(100 μgC10H8-d8/ml)10 μlをそれぞれマイクロシリンジで加え,振り混ぜた後,

全量をカラムクロマトグラフ管の上部から流し込み,コックを操作し,液面が硫酸ナトリウム

層よりわずかに上部になるようにする。続いてg)の操作を行い,流出する溶液約10 mlを1画

分として目盛付き共栓試験管にとる。さらに,h)の操作を行い,溶出する溶液約10 ml(最初か

ら)を1画分として目盛付き共栓試験管にとる。分取したそれぞれの目盛付き共栓試験管を約

40 ℃の水浴中で加熱しながら,窒素を緩やかに吹き付け約1 mlまで濃縮する。各濃縮液につ

いて6.4 a)及びb),e)によって溶出パターン及び回収率を確認しておく。この操作によってカラ

ムクロマトグラフ操作に必要なヘキサン及びアセトン-ヘキサン溶離液(1+19)の量を確認して

おくとよい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

i) 

濃縮器を用いて,溶出液が約5 mlになるまで濃縮する(17)(18)。 

j) 

濃縮液を目盛付き共栓試験管に移し,なす形フラスコをヘキサン約2 mlで洗浄し,その洗液も目盛付

き共栓試験管に合わせる。 

k) この濃縮液にナフタレン-d8内標準液(10 μgC10H8-d8/ml)10 μlを加え,窒素を緩やかに吹き付け,1 ml

まで濃縮して測定用試料溶液とする(22)。 

注(22) 乾固近くまで濃縮すると,対象物質が揮散することもあるので注意する。 

直ちに測定できない場合には,この濃縮液を約−20 ℃の暗所に保管する。 

l) 

空試験用として水1 Lを分液漏斗にとり,ベンゾフェノン-d10内標準液(10 μgC13H10O-d10/ml-アセトン)

10 μl(マイクロシリンジでとる。)及び液量1 Lにつき塩化ナトリウム50 gとヘキサン100 mlとを加

え,振とう器を用いて約10 分間振り混ぜ,放置する。続いてb)〜k)の操作を行って空試験用溶液と

する。 

備考 試料中に懸濁物の量が多い場合は,次の操作を行い,続いて5.3 b)以降の操作を行う。 

1) 4.1.2で採取した試料1 LをJIS K 0102 14.1(懸濁物質)b)によってろ過する。ただし,ろ

過材には,ガラス繊維ろ紙(孔径1 μm以下のもの。)(*)を用いる。 

2) ガラス繊維ろ紙上の懸濁物は,ろ紙ごとビーカーに移し,少量のアセトン(**)を加え,溶出

操作を超音波洗浄器を用いて2,3 回行う。溶出液を合わせ,遠心器を用いて,遠心力約

30 000 min/s2{3 000 g}で約5 分間分離操作を行う。 

3) 1)のろ液及び2)の溶出液を分液漏斗にとり,液量1 Lにつき塩化ナトリウム50 gとヘキサ

ン100 mlとを加え,振とう器を用いて約10 分間振り混ぜ,放置する。続いて5.3 b)以降

の操作を行う。 

注* 

あらかじめアセトンで洗浄しておく。 

** アセトンの試料量は,試料1 Lにつき10 ml程度とする。 

6. ガスクロマトグラフ質量分析法 5.の前処理で得た測定用試料溶液の一定量をガスクロマトグラフ質

量分析計に導入し,ベンゾフェノン-d10を内標準物質として,選択イオン検出法(SIM法)又はマスクロ

マトグラフ法(MC法)によってベンゾフェノンを定量する。 

 定量範囲:C13H10O 10〜300 pg  分析精度:10〜20 %(いずれも装置,測定条件によって異なる。) 

参考 定量範囲の下限値を確認する場合は,附属書3によるとよい。 

6.1 

試薬 試薬は,次による。 

a) ヘキサン 5.1 d)による。 

b) ベンゾフェノン標準液(1 mgC13H10O/ml) ベンゾフェノンの標準品0.100 gを,あらかじめヘキサン

5〜10 mlを入れてある全量フラスコ100 mlにとり,ヘキサンを標線まで加える(7)。 

c) ベンゾフェノン標準液(10 μgC13H10O/ml) ベンゾフェノン標準液(1 mgC13H10O/ml)1 mlを,あら

かじめヘキサン2〜5 mlを入れてある全量フラスコ100 mlにとり,ヘキサンを標線まで加える(7)。 

d) ベンゾフェノン標準液(1 μgC13H10O/ml) ベンゾフェノン標準液(10 μgC13H10O/ml)1 mlを,あらか

じめヘキサン2〜5 mlを入れてある全量フラスコ10 mlにとり,ヘキサンを標線まで加える(7)。 

e) ベンゾフェノン-d10内標準液(100 μgC13H10O-d10/ml-ヘキサン)  5.1 f)と同じ操作によってヘキサンを

用いて調製する(7)。 

f) 

ナフタレン-d8内標準液(100 μgC10H8-d8/ml) 5.1 h)による。 

g) 窒素 5.1 j)による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2 

器具及び装置 器具及び装置は,次による。 

a) 目盛付き共栓試験管 5.2 b)による。 

b) マイクロシリンジ 5.2 c)による。 

c) ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS) 次に掲げる条件を満たすもの(23)。 

1) キャピラリーカラム用管 内径0.1〜0.53 mm,長さ5〜100 mのステンレス鋼,石英ガラス又はほ

うけい酸ガラス製のもの。 

2) キャピラリーカラム キャピラリーカラム用管の内壁に,5 %フェニルシリコーン化学結合形又は

メチルシリコーン系固定相液体を厚さ0.05〜5 μmで被覆したもの又は同等の性能をもつもの。 

参考 この試験に用いるキャピラリーカラムには,DB-5,TC-5,HP-5+,SPB-5などがある。 

3) 検出器 選択イオン検出法(SIM法)又はマスクロマトグラフ法(MC法)が行えるもの。 

4) キャリヤーガス ヘリウム[体積分率99.999 9 %以上]で,線速度20〜40 cm/sに調節して用いる。 

5) 試料導入方法及び試料導入部温度 試料導入方法は,スプリットレス注入法(非分割導入方式)又

はコールドオンカラム注入法(全量導入方式)による。試料導入部温度は,スプリットレス注入法

の場合は220〜280℃,コールドオンカラム注入法の場合は50〜100 ℃。 

6) GC/MS接続部温度 220〜280 ℃ 

7) イオン源温度 200〜250 ℃ 

8) 電子加速電圧 20〜70 V 

9) 昇温プログラム 50〜240 ℃(2〜30 ℃/min) 

注(23) これらの条件は装置,測定条件によって異なる。 

6.3 

準備操作 準備操作は,次による。 

a) ベンゾフェノン標準液(1 μgC13H10O/ml)100 μl及びベンゾフェノン-d10内標準液(100 μgC13H10O-d10/ml-

ヘキサン)10 μlをマイクロシリンジでとり,目盛付き共栓試験管に移し入れ,更にナフタレン-d8内

標準液(100 μgC10H8-d8/ml)10 μlをマイクロシリンジでとり,ヘキサンを1 mlの標線まで加える。 

6.4 

操作 操作は,次による。 

a) 6.3 a)の溶液の1 μlをマイクロシリンジ(24)でとり,スプリットレス注入法又はコールドオンカラム注

入法によってガスクロマトグラフ質量分析計に導入し,あらかじめベンゾフェノン,ベンゾフェノン

-d10及びナフタレン-d8の選択イオン(m/z)を設定し(25)たガスクロマトグラフ質量分析計に,選択イ

オン検出法又はマスクロマトグラフ法によって測定してそのマスフラグメントグラムを記録し,ベン

ゾフェノン,ベンゾフェノン-d10及びナフタレン-d8の保持時間に相当するピークの位置を確認してお

く。 

注(24) 検量線作成時と同じものを用いる。 

(25) 選択イオンの一例を表1に示す。 

表 1 選択イオンの一例 

物質 

選択イオン(m/z) 

定量用 

確認用 

  ベンゾフェノン(C13H10O) 

105 

182 

  ベンゾフェノン-d10(C13H10O-d10) 

192 

− 

  ナフタレン-d8(C10H8-d8) 

136 

− 

b) 5.3 k)で得た溶液1 μlをマイクロシリンジ(24)でとり,a)と同じ操作を行ってマスフラグメントグラム

を記録し,a)の保持時間と一致していることを確認(26)し,保持時間に相当する位置のピークについて,

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指示値(27)を読み取る。ベンゾフェノンの指示値とベンゾフェノン-d10の指示値との比及びベンゾフェ

ノン-d10の指示値とナフタレン-d8の指示値との比(28)を求める。 

注(26) 対象物質のフラグメントイオンのピークが予想保持時間の±5 秒間に出現し,フラグメントイ

オンのピーク強度比が標準物質のピークの±20 %にあれば,同じ物質が存在しているものとみ

なす。 

(27) ピーク高さ又はピーク面積 

(28) ベンゾフェノン-d10の指示値とナフタレン-d8の指示値との比は,前者の回収率を求めるのに用

いる[注(29)参照。]。 

c) 空試験として,5.3 l)で得た空試験用溶液について,a)及びb)の操作を行う。 

d) 検量線からベンゾフェノンの濃度とベンゾフェノン-d10の濃度との比(試料中の比a及び空試験の比b)

を求め,次の式によって試料中のベンゾフェノンの濃度(μg/L)を算出する。 

(

)

V

n

b

a

X

000

1

×

×

=

ここに, 

X: 試料中のベンゾフェノンの濃度(μg/L) 

a: 検量線から求めたベンゾフェノンとベンゾフェノン-d10との

濃度比 

b: 空試験から求めたベンゾフェノンとベンゾフェノン-d10との

濃度比 

n: 試料に添加したベンゾフェノン-d10の質量(μg) 

V: 試料(ml) 

1 000: 試料1 Lに換算する係数 

検量線 ベンゾフェノン標準液(1 μgC13H10O/ml)0.1〜3 mlを全量フラスコ10 mlに段階的にとり,

それぞれにベンゾフェノン-d10内標準液(100 μgC13H10O-d10/ml-ヘキサン)10 μl及びナフタレン-d8

内標準液(100 μgC10H8-d8/ml)10 μlをマイクロシリンジで加え,ヘキサンを標線まで加える。これ

らを検量線作成用標準液とする。それぞれの一定量[試料と同量(例えば,1 μl)]をマイクロシリ

ンジでとり,a)及びb)の操作を行う。 

検量線作成用標準液中のベンゾフェノンの濃度(Ms)とベンゾフェノン-d10の濃度(Mi)との比 

  を横軸にとり,ベンゾフェノンの選択イオン(25)による指示値(As)とベンゾフェノン-d10の選

択イオン(26)による指示値(Ai)との比  を縦軸にとって,関係線を作成する。 

別に,段階的にとった検量線用標準液中の,ベンゾフェノン-d10の選択イオン(25)による指示値と

ナフタレン-d8の選択イオン(25)による指示値とのそれぞれの比を求め,その平均値を算出する(29)。 

検量線の作成は,試料測定時に行う。 

注(29) 試料に添加したベンゾフェノン-d10とナフタレン-d8とについて,b)で求めた指示値の比,

及び検量線で求めた両物質の指示値の平均値の比から回収率を求める。回収率が70〜

130 %にあることを確認する。この範囲を超過した場合は再度試験を行う。 

備考 検量線の作成において,感度係数(RF)を求め,これによって検出量を求める方法を附属

書2に示す。 

7. 結果の表示 結果の表示には,試料量,濃縮条件(例えば,濃縮量,カラムクロマトグラフ分離の有

無など),ガスクロマトグラフ質量分析計の測定条件[例えば,6.2 c)に掲げる条件において,いずれかを

i

s

M

M

i

s

A

A

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選択した事項など。],ガスクロマトグラフ質量分析計への導入量などを明記する。 

付表 1 引用規格 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0094 工業用水・工場排水の試料採取方法 

JIS K 0101 工業用水試験方法 

JIS K 0102 工場排水試験方法 

JIS K 0123 ガスクロマトグラフ質量分析通則 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門) 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 1107 高純度窒素 

JIS K 8039 アセトニトリル(残留農薬・PCB試験用)(試薬) 

JIS K 8040 アセトン(残留農薬・PCB試験用)(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8251 ガラスウール(試薬) 

JIS K 8825 ヘキサン(残留農薬・PCB試験用)(試薬) 

JIS K 8987 硫酸ナトリウム(試薬) 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505 ガラス製体積計 

JIS Z 0701 包装用シリカゲル乾燥剤 

10 

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附属書1(規定)活性けい酸マグネシウムによるカラムクロマトグラフ分離 

序文 この附属書は,試料の前処理のカラムクロマトグラフ分離について規定する。 

1. 活性けい酸マグネシウムによるカラムクロマトグラフ分離 カラムクロマトグラフ用の活性けい酸マ

グネシウムを用いたカラムクロマトグラフ分離は,次による。 

1.1 

試薬 試薬は,次による。 

a) 硫酸ナトリウム 本体5.1 b)による。 

b) アセトニトリル JIS K 8039に規定する濃縮300以上のもの(1)。 

注(1) 本体注(6)による。 

c) ヘキサン 本体5.1 d)による。 

d) アセトニトリル-ヘキサン溶離液(1+100) アセトニトリル及びヘキサンを用いて調製する。 

1.2 

器具 器具は,次による。 

a) 目盛付き共栓試験管 本体5.2 b)による。 

b) 共栓三角フラスコ 本体5.2 d)による。 

c) なす形フラスコ 本体5.2 e)による。 

d) カラムクロマトグラフ管 カラムクロマトグラフ管は,次による。一例は,本体図 1を参照。 

1) カラム用管 本体5.2 f) 1)による。 

2) カラム充てん剤 カラムクロマトグラフ用の活性けい酸マグネシウム(粒径150〜250 μm)を用い,

調製などの操作は本体5.2 f) 2)による。 

3) カラムクロマトグラフ管の作り方 本体5.2 f) 3)による。 

e) 濃縮器 本体5.2 h)による。 

1.3 

操作 操作は,次による。 

a) 本体 5.3 a)〜f)による。 

b) 受器になす形フラスコを用い,先のヘキサンが硫酸ナトリウム層のわずかに上にあるうちにアセトニ

トリル-ヘキサン溶離液(1+100)を加え,その100 ml(2)を約1 ml/minで流下させ,溶出液を受器に受

ける。 

注(2) 本体注(21)による。 

c) 本体 5.3 h)〜k)による。 

11 

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附属書2(規定)感度係数(RF)を用いる濃度の算出方法 

序文 この附属書は,本体6.4の検量線の作成に際して,感度係数(RF)を求め,これによって試料中の

ベンゾフェノンの濃度を求める方法について規定する。 

a) 検量線作成において,それぞれの検量線作成用標準液中の標準物質(ベンゾフェノン)及び内標準物

質(ベンゾフェノン-d10)によって得られた指示値と,それぞれの物質の質量から,次の式によって感

度係数(RF)を算出する(1)。 

s

is

is

st

C

C

A

A

RF

×

=

ここに, 

Ast: 標準物質による指示値 

Ais: 内標準物質による指示値 

Cis: 内標準物質(μg) 

Cs: 標準物質(μg) 

注(1) 求めた各感度係数の値の相対標準偏差は15 %以下でなければならない。 

b) 平均感度係数(RF)(2)から,次の式によって試料中のベンゾフェノンの濃度(μg/L)を算出する。 

)

(

)

(

)

(

)

(

)

(

e

is

s

s

V

RF

A

I

A

N

×

×

×

=

ここに, 

N: 試料中のベンゾフェノンの濃度(μg/L) 

As: 試料中のベンゾフェノンによる指示値 

is

A′: 添加した内標準物質による指示値 

Is: 添加した内標準物質(μg) 

Ve: 試料(L) 

注(2) a)で求めた各感度係数の平均値。 

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附属書3(参考)定量範囲の下限値を確認する方法 

序文 この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,装置の検出限界から,定量範囲の下限値を

確認する方法を参考として示したもので,規定の一部ではない。 

a) 下限値の算出方法  

1) 本体 6.1 d)のベンゾフェノン標準液(1 μgC13H10O/ml)100 μl及び本体 6.1 e)のベンゾフェノン-d10

内標準液(100 μgC13H10O-d10/ml-ヘキサン)100 μlをマイクロシリンジでとり,全量フラスコ10 ml

に移し入れ,ヘキサンを標線まで加える。 

2) 1 μlをマイクロシリンジでとり,スプリットレス注入法又はコールドオンカラム注入法によってガ

スクロマトグラフ質量分析計に導入し,選択イオン検出法又はマスクロマトグラフ法を用いて定量

する。 

3) 1)及び2)の操作を,5 回以上繰り返す。 

4) 得られた測定値から,次の式によって標準偏差を求め,その3 倍を装置の検出下限(1)(2),10 倍を

装置の定量下限(2)とする。 

(

)

1

2

=∑n

x

x

s

i

ここに, 

s: 標準偏差 

xi: 個々の測定値 

x: 測定値の平均値 

n: 測定回数 

注(1) ここで得られた装置の検出下限が,対象物質の定量下限より大きいときには,器具,機器な

どを確認して,これらの値以下になるように調整する。 

(2) この装置の検出下限及び定量下限は,使用する装置の状態などによって変動するため,ある

一定周期で確認し,常に十分な値が得られるように管理する。また,使用する装置及び測定

条件を変更した場合などには必ず確認する。