K 0400-42-60 : 2000
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS K 0400-42-60には,次に示す附属書がある。
附属書A(参考) ρNに及ぼす物質の影響
附属書B(参考) 空試験液及び標準液の代表的な吸光度値
JIS K 0400シリーズは,付表1に示す各部からなる。
K 0400-42-60 : 2000
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目次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 原理 ······························································································································ 2
4. 試薬 ······························································································································ 2
5. 装置 ······························································································································ 3
6. サンプリング方法及び試料 ································································································ 3
7. 手順 ······························································································································ 3
7.1 測定試料 ······················································································································ 3
7.2 試験液の調製 ················································································································ 3
7.3 定量 ···························································································································· 3
7.4 空試験 ························································································································· 4
7.5 校正 ···························································································································· 4
8. 試験結果の表現 ··············································································································· 4
8.1 計算方法 ······················································································································ 4
8.2 精度 ···························································································································· 5
9. 妨害物質 ························································································································ 5
10. 特殊な場合 ··················································································································· 6
11. 操作上の注意················································································································· 6
11.1 一般 ··························································································································· 6
11.2 空試験及び校正標準吸光度値の監視 ················································································· 6
11.3 分析結果の正確さの確認 ································································································ 6
12. 試験報告 ······················································································································ 6
附属書A(参考) (Nに及ぼす他の物質の影響 ·········································································· 8
附属書B(参考) 空試験液及び標準液の代表的な吸光度値 ························································· 9
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日本工業規格 JIS
K 0400-42-60 : 2000
水質−アンモニウムの定量
−第1部:吸光光度法
Water quality−Determination of ammonium−
Part 1 : Manual spectrometric method
序文 この規格は,1984年に第1版として発行されたISO 7150-1, Water quality−Determination of ammonium
−Part 1 : Manual spectrometric methodを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した
日本工業規格であるが,適用範囲から飲料水を除いてある。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲
1.1
対象物質 この規格は,水中のアンモニウムの吸光光度法について規定する。
備考 アンモニウムの自動吸光光度法による定量は,JIS K 0400-42-70 (ISO 7150-2) に規定する。
1.2
試料の種類 この方法は,多くの原水及び廃水の試験に適用できる。強く着色した水又は塩水に適
用する場合は,あらかじめ蒸留しなければならない(10.参照)。
妨害物質に関しては9.参照。
1.3
定量範囲 測定試料40mlを用いたとき,アンモニウム体窒素,ρN1mg/Lまでを定量できる。これよ
り高濃度のときは少量の測定試料を用いる。
1.4
検出下限1) 測定試料40ml,吸収セル40mmを用いたとき,検出下限はρN=0.003〜0.008mg/Lの範
囲にある。
1.5
感度1) 測定試料40ml,吸収セル40mmを用いたとき,ρN=0.200mg/Lは吸光度約0.69を示す。
測定試料40ml,吸収セル10mmを用いたとき,ρN=0.750mg/Lは吸光度約0.65を示す。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 7150-1 : 1984, Water quality−Determination of ammonium−Part 1 : Manual spectrometric
method
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0400-42-360 水質−アンモニウムの定量−蒸留・滴定法
備考1. ISO 5664 : 1984, Water quality−Determination of ammonium−Distillation and titration methodか
らの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
注1) 参加者5の連合王国共同試験による。
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JIS K 0400-42-60 水質−アンモニウムの定量−第2部:自動吸光光度法
備考2. ISO 7150-2 : 1986, Water quality−Determination of ammonium−Part 2 : Automated spectrometric
methodからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS K 8102 エタノール (95) (試薬)
JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8288 くえん酸三ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8397 サリチル酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8722 ペンタシアノニトロシル鉄 (III) 酸ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
3. 原理 ニトロソペンタシアノ鉄 (III) 酸ナトリウム[ペンタシアノニトロシル鉄 (III) 酸ナトリウム
(ニトロプルシッドナトリウム)]の存在でアンモニウムがサリチル酸塩及び次亜塩素酸イオンと反応して
生成する青い化合物の約665nmの吸光度を測定する。
次亜塩素酸イオンは,N, N'−ジクロロ−1, 3, 5−トリアジン−2, 4, 6 (1H, 3H, 5H) −トリオンナトリウム
塩(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)のアルカリ性での加水分解によって生成する。生じたクロラミ
ン(クロロアミン)とサリチル酸ナトリウムとの反応は,ニトロプルシッドの存在下でpH12.6で起こる。
したがって,試料中に存在するクロラミン(クロロアミン)はすべて定量される。くえん酸ナトリウムは,
陽イオン,特に,カルシウム及びマグネシウムの妨害をマスキングするために加える。
4. 試薬 分析には,分析用と認められた試薬だけを,及び4.1で調製した水だけを使用する。
4.1
水 アンモニウムを含まないもの。次のいずれかの方法で調製する。
4.1.1
イオン交換法 蒸留水を強酸性陽イオン交換樹脂(水素形)のカラムに通し,流出液を密栓できる
ガラス栓付きのガラス瓶に集める。貯蔵する場合は,流出液1Lにつき同じ樹脂約10gを加える。
4.1.2
蒸留法 蒸留水1 000±10mlにJIS K 8951に規定する硫酸 (ρ=1.84g/ml) 0.10±0.01mlを加え,全
ガラス蒸留装置で再蒸留する。最初の留出液50mlを捨て,その後の留出液を密栓できるガラス栓付きガ
ラス瓶に集める。留出液1Lにつき強酸性陽イオン交換樹脂(水素形)約10gを加える。
4.2
発色試薬 JIS K 8397に規定するサリチル酸ナトリウム (C7H6O3Na) 130±1g及びJIS K 8288に規定
するくえん酸三ナトリウム二水和物 (C6H5O7Na3・2H2O) 130±1gを全量フラスコ1 000ml中の水に溶かす。
水を加えて約950mlとし,JIS K 8722に規定するペンタシアノニトロシル鉄 (III) 酸ナトリウム二水和物
{[Fe (CN) 5NO] Na2・2H2O} 0.970±0.005gを加え,固形物を溶かし,水で標線まで薄める。
褐色ガラス瓶に密栓して貯蔵すれば,この試薬は少なくとも2週間は安定である。
4.3
ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム溶液 JIS K 8576に規定する水酸化ナトリウム32.0±0.1gを水
(4.1)500±50mlに溶かす。溶液を室温に冷却し,ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム二水和物
(C3N3O3Cl2Na・2H2O) 2.00±0.02gを加える。固形物を溶かし,溶液を全量フラスコ1 000mlに移し,水を
標線まで加える。
褐色ガラス瓶に密栓して貯蔵すれば,この試薬は少なくとも2週間は安定である。
3
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4.4
アンモニウム体窒素標準液,ρN=1 000mgN/L JIS K 8116に規定する塩化アンモニウム(105℃で少
なくとも2時間乾燥)3.819±0.004gを全量フラスコ1 000ml中で水(4.1)約800mlに溶かし,水を標線まで
加える。
この標準液1mlはアンモニウム体窒素1mgを含む。
ガラス瓶に密栓して貯蔵した場合,この溶液は少なくとも1か月間は安定である。
4.5
アンモニウム体窒素標準液,ρN=100mgN/L アンモニウム体窒素標準液(4.4)100mlをピペットで全
量フラスコ1 000mlにとり,水を標線まで加える。
この標準液1mlはアンモニウム体窒素0.1mgを含む。
ガラス瓶に密栓して貯蔵すれば,この溶液は1週間は安定である。
4.6
アンモニウム体窒素標準液,ρN=1mgN/L アンモニウム体窒素標準液(4.5)1mlをピペットで全量フ
ラスコ100mlにとり,水を標線まで加える。
この標準液1mlはアンモニウム体窒素1μgを含む。
この溶液は,使用直前に調製する。
4.7
洗浄液 JIS K 8574に規定する水酸化カリウム100±2gを水100±2mlに溶かす。溶液を冷却し,JIS
K 8102に規定するエタノール (95) 900±50mlを加える。
この溶液は,ポリエチレン瓶に貯蔵する。
5. 装置 装置は,通常の試験室用の装置及び次による。
5.1
分光光度計 光路長10mm〜50mmの吸収セルで波長655nmの測定ができるもの。
5.2
水浴又は培養器 25±1℃を維持できるもの。
ガラス器具の清浄に関する注意 すべてのガラス器具は洗浄液(4.7)で慎重に洗い,水(4.1)でよくすすが
なければならない。
6. サンプリング方法及び試料 試験室試料は,ポリエチレン又はガラス瓶に採取しなければならない。
これらはできるだけ早く分析するか,分析するまで2〜5℃で貯蔵する。もし,酸性にした試料が,大気中
のアンモニアの吸収によって汚染することが避けられれば,硫酸でpH2未満にすることは,保存の役に立
つ。
7. 手順
7.1
測定試料 測定試料は最大40mlとし,アンモニウム体窒素ρN=1mg/Lまでの定量ができる。より高
濃度のアンモニウム体窒素を定量するときは少量の試料を用いてもよい。懸濁物を含む試験室試料は沈降
するのを待つか又は洗浄したガラス繊維ろ紙で(自然)ろ過する。又は,あらかじめ試料を蒸留すること
もできる(10.参照)。
7.2
試験液の調製 測定試料(7.1)をピペットで全量フラスコ50mlにとり,必要があれば,水(4.1)で40
±1mlに薄める。
7.3
定量
7.3.1
吸収化合物の生成
− 発色試薬(4.2)4.00±0.05mlを加え,よく混ぜ合わせる。ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム溶液
(4.3)4.00±0.05mlを加え,よく混ぜ合わせる。
備考1. このとき,溶液のpHが12.6±0.1となるとよい。溶液が極端に酸性又はアルカリ性であると
4
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誤差を生じる。
− 水(4.1)を標線まで加える。フラスコをよく振り,水浴(5.2)中で25±1℃に保つ。
備考2. 異なる水温の水浴を用いてもよいが,定量,校正はすべて同じ温度(±1K以内)で行う。
7.3.2
吸光度測定 60分間以上経過した後,フラスコを水浴から下ろし,適切な光路長のセルで吸収極
大,約655nmにおける吸光度を水(4.1)を対照として測定する。
備考3. 最初の試験で吸収極大の波長を確認し,その後は同一波長を用いるとよい。
7.4
空試験 7.2及び7.3を行う。ただし,測定試料の代わりに水(4.1)40±1mlを用いる。
7.5
校正
7.5.1
検量線用溶液の調製
− 9個の全量フラスコ50mlに,ビュレットを用いて表1に示す量のアンモニウム体窒素標準液(4.6)をそ
れぞれ加える。
− 必要があれば,水(4.1)を加えて40±1mlにする。
7.5.2
吸収化合物の生成 7.3.1参照。
7.5.3
吸光度測定 表1に示す光路長の吸収セルを用い,7.3.2に従って操作する。
7.5.4
検量線の作成 各検量線用溶液について得られた吸光度からゼロメンバーのそれを差し引き,各光
路長のセルについてアンモニウム体窒素の質量,mNと吸光度の関係線をプロットする。このグラフは直線
で原点を通ることが望ましい。
表1 検量線作成に用いる標準液の量
標準液(4.6) アンモニウム体窒素の質量,mN 吸収セル長
ml
μg
mm
0.00 *
0
10及び40**
2.00
2
40
4.00
4
40
6.00
6
40
8.00
8
40
10.00
10
10
20.00
20
10
30.00
30
10
40.00
40
10
注*
ゼロメンバー
** 吸収セル50mmを用いてもよい。
8. 試験結果の表現
8.1
計算方法
− 測定試料中のアンモニウムによる吸光度,Arは,次の式で示される。
Ar=As−Ab
ここに,
As: 試験液の吸光度(7.3.2)
Ab: 空試験液の吸光度(7.4)
備考 個々の試料について,As及びAbは同一光路長の吸収セルで測定しなければならない。
− アンモニウム体窒素,ρN, mg/Lは,次の式で示される。
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V
mN
ここに,
mN: Ar及び検量線(7.5.3)から求めたアンモニウム体窒素の質量,μg
V: 測定試料の体積,ml
− ρNのアンモニア,アンモニウム濃度への換算については表2参照。
表2 換算表
ρN
ρNH3
ρNH4+
c (NH4+)
mg/L
mg/L
mg/L
μmol/L
ρN=1mg/L
1
1.216
1.288
71.4
ρNH3=1mg/L
0.823
1
1.059
58.7
ρNH4+=1mg/L
0.777
0.944
1
55.4
c (NH4+) =1μmol/L
0.014
0.017
0.018
1
例 アンモニウムイオンの濃度,ρNH4+, 1mg/Lは,窒
素濃度0.777mg/Lに相当する。
8.2
精度 繰返し性及び再現性の標準偏差を表3に示す。
表3 繰返し性及び再現性*
試料**
アンモニウム体窒素濃度
ρN
吸収セル
光路長
標準偏差,s
繰返し性
再現性
mg/L
mm
mg/L
mg/L
標準液
0.150
40
0.002***
−
標準液
1.00
10
0.005〜0.025† 0.015〜0.038†
標準液
5.00
10
0.036***
−
井戸水
0.217
40
0.002†
0.004〜0.010†
下水処理水
0.877
10
0.007〜0.027† 0.009〜0.027†
注*
連合王国データ
** 測定試料はいずれも40ml使用。ただし,標準液5.00mg/Lは5ml使用。
*** 1試験室のデータ,自由度9。
† 参加者数5の室間試験の最高値及び最低値,自由度は9。
9. 妨害物質
− 試料中によく存在する物質について,この規格の方法における妨害について検討した。詳細は附属書
Aに示す。重大な妨害を示すのはアニリンとエタノールアミン(2−アミノエタノール)だけであり,
一般に第一アミンが問題になる。しかし,これらがかなりの濃度で存在することはまれである。
− 強い酸性及びアルカリ性は,吸収化合物の生成を妨害する。同様に,次亜塩素酸を還元するような物
質も妨害になるが,一般にこのような物質は水中に存在しない。10.に示す方法は,この種の試料に適
用するとよい。
− 塩水試料では,くえん酸塩の錯化能を超えた場合にマグネシウムの沈殿が生成する。したがって,事
前の蒸留が必要である(10.参照)。
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10. 特殊な場合 試料が著しく着色し又は塩分を含んでいて,吸光度の測定に誤差を与えそうなとき,並
びに高濃度のマグネシウム又は塩化物の妨害がありそうなときは,試験試料は蒸留によって調製しなけれ
ばならない。JIS K 0400-42-30 (ISO 5664) に示された手順に従う。ただし,留出液の捕集は塩酸 [1vol%]
[塩酸 (1+99)]の中に行わなければならないことに注意する。次いで,留出液を中和し,一定の体積,
V2ml,とする。蒸留のために用いた試料の体積,V1ml,も書き留めなければならない。このように調製し
た試験試料は,7.に従って分析することができる。しかし,この結果は,試験試料中のアンモニウム体窒
素の濃度である。元の試料中の濃度は,次の式で示される。
1
2
1
V
V
N×
ρ
ここに,
ρN1: 試験試料の結果
V1, V2: 上に定義されている
11. 操作上の注意
11.1 一般 低濃度のアンモニウムの定量は,分析環境中の微量アンモニウムの存在によって生じる偏り
の影響を特に受けやすい。この規格に示されている指示に十分注意すれば,この影響は少なくなるが,偏
った結果の可能性は残る。誤差の可能性を確かめる二つの方法は,次による。
11.2 空試験及び校正標準吸光度値の監視 空試験液及び一連の検量線用溶液について得られた実測吸光
度値(対照セル中の水に対して測定した)を常に記録しておかなければならない。この測定値の記録によ
って,いかなる偏差も発見できる。この種の偏差は空試験液又は検量線用溶液のアンモニウム汚染,又は
一つ以上の試薬の欠陥に由来する。いずれの場合も改善策を講じなければならない。附属書Bには室間試
験で得られた代表的な値を示す。
11.3 分析結果の正確さの確認
− この方法を最初に適用する場合,全標準偏差(少なくとも自由度9)の見積りを,最高濃度の検量線
用溶液の約50%の濃度のコントロール用アンモニウム体窒素標準液について求めておくとよい。
− このコントロール用標準液は,検量線用に用いてはならない。
− コントロール用標準液の一つについて,全分析操作を行う。測定値は,検量線から求める。このコン
トロール用標準液の測定濃度は,次の式の範囲にならなければならない。
ρN2±3s1
ここに,
ρN2: 溶液の濃度
s1: コントロール用標準液についてあらかじめ求めた標準偏差
− いずれの分析バッチにおいてもこの基準が達成できないときは,その原因を検討し,試験を繰返さな
ければならない。
− コントロール用標準液について少なくとも20回以上の測定を行い,前述の基準を満足するすべての値
を用いて,今後の使用に備えてs1を再計算しなければならない。
12. 試験報告 報告書には,次の事項を含めなければならない。
a) この規格の引用
b) 試料の確認に必要なすべての情報
c) 試験前の試料の貯蔵,保存の詳細
d) 繰返し性に関する情報
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e) 試験結果及び用いた表現方法
f)
この規格に示されていない操作又は応用操作の詳細,及び試験結果に影響した可能性がある情報のす
べて。
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附属書A(参考) ρNに及ぼす他の物質の影響
序文 この附属書は,ρNに及ぼす他の物質の影響を参考として記述したものであり,規定の一部ではない。
附属書A表1 ρNに及ぼす他の物質の影響*
物質
測定試料40ml中の濃度 ρNに及ぼす物質の影響,mg/L
実際の***ρN (mg/L)
ρB**
mg/L
0.00
0.200
0.500
塩化ナトリウム
ρC1
1 000
+0.002
+0.013
+0.033
炭酸水素ナトリウム ρHCO3
1 000
+0.002
+0.002
−0.025
りん酸ナトリウム
ρPO4
100
0.000
−0.001
−0.015
硫酸ナトリウム
ρSO4
500
0.000
+0.001
−
ふっ化カリウム
ρF
5
+0.002
−0.001
−
硝酸カリウム
ρN
50
+0.006
+0.002
−
けい酸ナトリウム
ρSlO2
50
+0.003
0.000
−
チオ硫酸ナトリウム ρS2O3
10
−0.001
+0.007
−
シアン化カリウム
ρCN
5
+0.002
+0.019
+0.016
塩化カルシウム
ρCa
500
0.000
+0.013
−0.001
酢酸マグネシウム
ρMg
50
+0.004
−0.009
+0.002
硫酸鉄 (III)
ρFe
10
+0.001
+0.003
−
硫酸アルミニウム
ρAl
5
0.000
+0.008
−
硫酸銅
ρCu
5
+0.003
+0.011
−
硫酸亜鉛
ρZn
5
+0.003
+0.006
−
酢酸鉛
ρPb
5
+0.001
+0.016
+0.011
アニリン
ρC6H5NH2
1
±0.040
±0.040
−
エタノールアミン
ρNH2C2H4OH
1
+0.164
+0.114
−
注*
連合王国データ
** 電荷がある場合は省略
*** 他の物質が妨害しないならば,95%信頼限界は
濃度,ρN (mg/L)
0.000
0.200
0.500
95%信頼限界
±0.003 ±0.014 ±0.021
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B(参考) 空試験液及び標準液の代表的な吸光度値
序文 この附属書は,空試験液及び標準液の代表的な吸光度値を参考として記述したものであり,規定の
一部ではない。
附属書B表1 空試験液及び標準液の代表的な吸光度値*
溶液の濃度,ρN
セルの光路長
吸光度**
mg/L
mm
試験室1
試験室2
試験室3
試験室4
0.000
40
0.07
0.12
0.08
0.06
0.050
40
0.26
−
0.22
0.24
0.500
10
0.50
0.48
0.38
0.45
注*
連合王国のデータ
** 吸光度値は連続5日間の室間実験の平均
10
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付表1 JIS K 0400シリーズ規格
JIS K 0400-9-10 水質−濁度の測定
JIS K 0400-11-10 水質−色の試験及び測定
JIS K 0400-12-10 水質−pHの測定
JIS K 0400-13-10 水質−電気伝導率の測定
JIS K 0400-15-10 水質−アルカリ度の測定−第1部:全及び混合アルカリ度の測定
JIS K 0400-15-20 水質−アルカリ度の測定−第2部:炭酸塩アルカリ度の測定
JIS K 0400-20-10 水質−化学的酸素消費量の測定
JIS K 0400-21-10 水質−5日後の生物化学的酸素消費量 (BOD5) の測定−希釈と植種による方法
JIS K 0400-22-10 水質−全有機体炭素 (TOC) の定量のための指針
JIS K 0400-28-10 水質−フェノール指標の測定−蒸留・4−アミノアンチピリン吸光光度法
JIS K 0400-28-20 水質−一価フェノール類の定量−第1部:溶媒抽出濃縮後のガスクロマトグラフ法
JIS K 0400-30-10 水質−界面活性剤の定量−第1部:メチレンブルー吸光光度法による陰イオン界面
活性剤の定量
JIS K 0400-30-20 水質−界面活性剤の定量−第2部:ドラゲンドルフ試薬による非イオン界面活性剤
の定量
JIS K 0400-32-10 水質−溶存酸素の定量−よう素滴定法
JIS K 0400-32-30 水質−溶存酸素の定量−電気化学プローブ法
JIS K 0400-33-10 水質−遊離塩素及び全塩素の定量−第1部:N, N−ジエチル−1, 4−フェニレンジ
アミンを用いる滴定法
JIS K 0400-33-20 水質−遊離塩素及び全塩素の定量−第2部:日常管理のためのN, N−ジエチル−1,
4−フェニレンジアミン比色法
JIS K 0400-33-30 水質−遊離塩素及び全塩素の定量−第3部:全塩素定量のためのよう素滴定法
JIS K 0400-34-10 水質−ふっ化物の定量−第1部:低汚濁水の電気化学プローブ法
JIS K 0400-34-20 水質−ふっ化物の定量−第2部:加熱分解及び蒸留後の無機ふっ化物の定量
JIS K 0400-35-10 水質−塩化物の定量−クロム酸塩を指示薬とする硝酸銀滴定(モール法)
JIS K 0400-35-30 水質−イオンの液体クロマトグラフィーによる溶存ふっ化物,塩化物,亜硝酸,オ
ルトりん酸,臭化物,硝酸及び硫酸イオンの定量−第1部:低汚濁水のための方法
JIS K 0400-35-40 水質−イオンの液体クロマトグラフィーによる溶存陰イオンの定量−第2部:廃水
中の臭化物,塩化物,硝酸,亜硝酸,オルトりん酸及び硫酸イオンの定量
JIS K 0400-38-10 水質−シアン化物の定量−第1部:全シアン化物の定量
JIS K 0400-38-20 水質−シアン化物の定量−第2部:容易に遊離するシアン化物の定量
JIS K 0400-38-30 水質−シアン化物の定量−第3部:塩化シアンの定量
JIS K 0400-38-40 水質−シアン化物の定量−第4部:pH6での拡散によるシアン化物の定量
JIS K 0400-39-10 水質−溶存硫化物の定量−メチレンブルー吸光光度法
JIS K 0400-41-40 水質−硫酸塩の定量−塩化バリウムを用いる重量法
JIS K 0400-42-30 水質−アンモニウムの定量−蒸留・滴定法
JIS K 0400-42-60 水質−アンモニウムの定量−第1部:吸光光度法
JIS K 0400-42-70 水質−アンモニウムの定量−第2部:自動吸光光度法
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JIS K 0400-42-80 水質−アンモニウムの定量−電位差法
JIS K 0400-43-30 水質−亜硝酸塩の定量−吸光光度法
JIS K 0400-43-40 水質−硝酸塩の定量−第1部:2, 6−ジメチルフェノール吸光光度法
JIS K 0400-43-50 水質−硝酸塩の定量−第2部:蒸留後の4−フルオロフェノール吸光光度法
JIS K 0400-43-60 水質−硝酸塩の定量−第3部:スルホサリチル酸吸光光度法
JIS K 0400-44-40 水質−ケルダール窒素の定量−セレンを用いる無機質化後の方法
JIS K 0400-45-10 水質−窒素の定量−デバルダ合金還元後の接触分解
JIS K 0400-46-40 水質−りんの定量−第1部:モリブデン酸アンモニウム吸光光度法
JIS K 0400-48-10 水質−ナトリウム及びカリウムの定量−第3部:フレーム発光法によるナトリウム
及びカリウムの定量
JIS K 0400-48-20 水質−ナトリウム及びカリウムの定量−第1部:原子吸光法によるナトリウムの定
量
JIS K 0400-49-20 水質−ナトリウム及びカリウムの定量−第2部:原子吸光法によるカリウムの定量
JIS K 0400-50-10 水質−カルシウムの定量−EDTA滴定法
JIS K 0400-50-20 水質−カルシウム及びマグネシウムの定量−原子吸光法
JIS K 0400-51-10 水質−カルシウム及びマグネシウムの合計量の定量−EDTA滴定法
JIS K 0400-52-20 水質−コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,カドミウム及び鉛の定量−原子吸光法
JIS K 0400-55-20 水質−原子吸光法によるカドミウムの定量
JIS K 0400-57-10 水質−鉄の定量−1, 10−フェナントロリン吸光光度法
JIS K 0400-58-10 水質−アルミニウムの定量−ピロカテコールバイオレット吸光光度法
JIS K 0400-61-10 水質−全ひ素の定量−ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法
JIS K 0400-65-10 水質−全クロムの定量−原子吸光法
JIS K 0400-65-20 水質−クロム (VI) の定量−1, 5−ジフェニルカルバジド吸光光度法
JIS K 0400-66-10 水質−フレームレス原子吸光法による全水銀の定量−第1部:過マンガン酸塩−ペ
ルオキソ二硫酸塩処理による方法
JIS K 0400-66-20 水質−フレームレス原子吸光法による全水銀の定量−第2部:紫外線照射処理によ
る方法
JIS K 0400-66-30 水質−フレームレス原子吸光法による全水銀の定量−第3部:臭素処理による方法
JIS K 0400-67-20 水質−セレンの定量−原子吸光法(水素化物発生法)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
平成8年度JIS K 0102改正原案作成委員会 構成表(平成9年3月現在)
氏名
所属
(委員長) ○ 並 木 博
工学院大学工学部
○ 佐 藤 寿 邦
横浜国立大学工学部
○ 西 出 徹 雄1)
工業技術院標準部消費生活規格課
乾 敏 一2)
通商産業省環境立地局産業施設課
○ 畑 野 浩3)
環境庁水質保全局水質規制課
中 村 進
工業技術院物質工学技術研究所計測化学部
中 村 和 憲
工業技術院生命工学工業技術研究所
○ 田 尾 博 明
工業技術院資源環境技術総合研究所水圏環境保全部
田 中 宏 明
建設省土木研究所水道部
柴 田 康 行
国立環境研究所化学環境部
○ 土 屋 悦 輝
東京都立衛生研究所環境保健部
渡 辺 真利代
東京都立衛生研究所環境保健部
○ 日 野 隆 信
千葉県衛生研究所
小 倉 光 夫
神奈川県環境科学センター水質環境部
西 尾 高 好
財団法人日本環境衛生センター東日本支局環境科学部
○ 坂 本 勉
財団法人日本規格協会技術部
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会技術部
浅 田 正 三
財団法人日本品質保証機構環境計画センター
○ 梅 崎 芳 美
社団法人産業環境管理協会名誉参与
横 倉 清 治
社団法人日本環境測定分析協会(三菱マテリアル株式会社)
神 代 啓
社団法人日本化学工業協会
池 田 久 幸
社団法人日本分析機器工業会(横河アナリティカルシステムズ株式会社)
長 澤 忠 彦
社団法人日本鉄鋼連盟(住友金属工業株式会社)
山 田 昭 捷
社団法人日本下水道協会(東京都下水道局)
土 屋 徳 之
石油連盟(興亜石油株式会社)
松 谷 成 晃
日本石鹸洗剤工業会(ライオン株式会社)
波多江 正 和
日本製紙連合会技術環境部
佐 山 恭 正
日本鉱業協会(三菱マテリアル株式会社)
狩 野 久 直
日本練水株式会社研究所
久 島 俊 和
オルガノ株式会社総合研究所
○ 川 瀬 晃
セイコー電子工業株式会社科学機器事業部
○ 米 倉 茂 男
元東京都立工業技術センター
岩 﨑 岩 次
社団法人日本工業用水協会
(事務局)
秋 本 孝
社団法人日本工業用水協会
飛 渡 祥 弘
社団法人日本工業用水協会
本 郷 秀 昭
社団法人日本工業用水協会
備考
1):発足当初は岡林哲夫(工業技術院標準部繊維化学規格課)
2):発足当初は相澤徹(通商産業省環境立地局産業施設課)
3):発足当初は飯島孝(環境庁水質保全局水質規制課)
○は小委員会委員兼任
(文責 並木 博)