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K 0301:2016  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 一般事項························································································································· 2 

5 分析方法の種類及び概要 ···································································································· 2 

6 試料ガス採取方法 ············································································································· 2 

6.1 試料ガスの採取位置 ······································································································· 2 

6.2 試料ガスの採取方法の種類 ······························································································ 2 

6.3 試料ガス採取装置及び器具 ······························································································ 3 

6.4 試料ガス採取装置の構成及び採取操作················································································ 3 

7 定量方法························································································································· 5 

7.1 ガス吸収法(オルザット式) ··························································································· 5 

7.2 ガスクロマトグラフ法 ···································································································· 9 

8 自動計測法 ····················································································································· 13 

9 分析結果の記録 ··············································································································· 13 

9.1 分析結果の表示及びデータの質の管理··············································································· 13 

9.2 記録項目 ····················································································································· 13 

附属書A(参考)検知管法 ···································································································· 15 

附属書B(参考)ガス吸収法(ヘンペル式)············································································· 18 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

環境測定分析協会(JEMCA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工

業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工

業規格である。 

これによって,JIS K 0301:1998は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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排ガス中の酸素分析方法 

Methods for determination of oxygen in flue gas 

適用範囲 

この規格は,燃料及び廃棄物の燃焼,金属精錬,化学反応工程などに伴って,煙道,煙突,ダクトなど

(以下,ダクトという。)に排出される排ガス中の酸素を分析する方法について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7983 排ガス中の酸素自動計測器 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則 

JIS K 0095 排ガス試料採取方法 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 0214 分析化学用語(クロマトグラフィー部門) 

JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門) 

JIS K 0216 分析化学用語(環境部門) 

JIS K 0512 水素 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 1105 アルゴン 

JIS K 1107 窒素 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) 

JIS K 8780 ピロガロール(試薬) 

JIS K 8893 メチルオレンジ(試薬) 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0211,JIS K 0214,JIS K 0215及びJIS K 0216による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

一般事項 

一般事項は,次による。 

a) 化学分析に共通する一般事項は,JIS K 0050による。 

b) 排ガス試料採取に共通する一般事項は,JIS K 0095による。 

c) ガスクロマトグラフィーに共通する一般事項は,JIS K 0114による。 

d) 標準ガスは,国際単位系(SI)に対するトレーサビリティが確保されたものを用いる。 

注記 トレーサビリティが確保された標準ガスには,国家計量標準(計量法第136条若しくは第144

条の規定に基づくjcss又はJCSS校正証明書が添付されたものがある。 

e) 装置及び器具は,規定した機能を満足するものを用いる。 

f) 

酸素の分析に用いた排ガスなどは適切に処理する。 

g) 水は,JIS K 0557に規定する種別A2又はA3のもの。 

注記 ガスクロマトグラフ法とは,ガスクロマトグラフィーを示す。 

分析方法の種類及び概要 

分析方法の種類及び概要は,表1による。 

表1−分析方法の種類及び概要 

分析方法の

種類 

分析方法の概要 

適用条件 

要旨 

試料採取 

定量範囲 

ガス吸収法
(オルザッ

ト式)a) 

試料ガス中の酸素を酸素吸収液
によって吸収させ,試料ガスの
体積の減少量から試料ガス中の
酸素濃度を求める。 

直接採取 

0.2〜25 vol % b) 

7.1参照 

捕集バッグ 

0.2〜25 vol % 

ガスクロマ
トグラフ法 

熱伝導度検出器(TCD)又は光
イオン化検出器(PID)c)を備え
たガスクロマトグラフを用い,
絶対検量線法によって酸素濃度
を求める。 

注射筒法,捕集バッグ
法又は捕集瓶法によ
る。 
試料ガス採取量: 
100 mL〜10 L程度 

TCD:0.1〜20 vol % 
PID:0.1〜20 vol % d) 

7.2参照 

自動計測法 a) 磁気式 

b) 電気化学式 

捕集バッグ法又は連続
測定 

0〜5 vol % 
0〜10 vol % 
0〜25 vol % 

箇条8 

参照 

注記1 濃度の概略値を簡便に求める場合,測定条件が合えば附属書Aの検知管法を用いる方法もある。 
注記2 ガス吸収法(ヘンペル式)は附属書Bを参照。 
注a) 酸素吸収液は,試料ガスに含まれる二酸化炭素も吸収するため,酸素の測定前に二酸化炭素吸収液を用いて

二酸化炭素を吸収させて除き,試料ガスの体積の減少量を測定しておく必要がある。 

b) 酸素と二酸化炭素との合計の体積である。 

c) 放電型の光イオン化検出器には,ヘリウムプラズマ光イオン化検出器(HPID),バリア光放電イオン化検出

器(BID)などの種類がある。ランプ式光イオン化検出器は使用できない。 

d) 濃度が高い場合,気体試料の導入量を減らす,試料の希釈を行うなどの手段を講じる。 

試料ガス採取方法 

6.1 

試料ガスの採取位置 

試料ガスの採取位置は,代表的なガスが採取できる点,例えばガスの流速の分布が均一な位置を選ぶ。 

6.2 

試料ガスの採取方法の種類 

試料ガスの採取方法は,表1による。 

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6.3 

試料ガス採取装置及び器具 

試料ガスの採取装置及び器具は,次の機能及び条件を備えなければならない。 

a) 試料ガス採取管は,排ガス中の共存成分によって腐食されないような管,例えばほうけい酸ガラス管,

ステンレス鋼管,石英ガラス管,四ふっ化エチレン樹脂製管などを用いる。 

b) 試料ガス中にダストが混入することを防ぐため,試料ガス採取管の先端にろ過材を詰める。ただし,

詰められない場合は適切な位置にろ過材を詰める。 

c) 配管中に水分が凝縮するおそれがある場合は,試料ガス採取管を120 ℃以上に加熱し,導管の途中に

凝縮液トラップを設ける。この場合,た(溜)まった凝縮液中に試料ガスがバブリングしないように,

トラップは容量の大きなものを用いる。 

d) 加熱部分における配管の接続には,すり合わせ接手管,シリコーンゴム管又は四ふっ化エチレン樹脂

製管を用いる。 

6.4 

試料ガス採取装置の構成及び採取操作 

6.4.1 

ガス吸収法(オルザット式)の場合 

採取管を図1の方法によって設置し,吸引ポンプ又はスプレー用二連球によって吸引する試料ガスを直

接分析装置に送り込む1)。 

保温又は加熱

吸引ポンプ又はスプレー用二連球

分析装置又は捕集バッグ

採取管

乾燥管

導管

図1−試料ガス採取方法 

注1) 採取管に設置したろ過材の抵抗が大きい場合又はダクト内が負圧の場合には,空気の漏れ込み

に注意する。 

6.4.2 

ガスクロマトグラフ法の場合 

6.4.2.1 

試料ガス採取装置及び器具 

試料ガス採取装置の例を図2,図3及び図4に示す。 

6.4.2.2 

試料ガスの捕集容器 

試料ガスの捕集容器として次のものがある。 

a) 注射筒 図2のHに例を示す注射筒形試料採取器を用い,内筒を引くことによって,これに試料ガス

を導入して採取する。注射筒のすり合わせ根部には,必要に応じグリースを少量塗布しておく。 

b) 捕集バッグ 四ふっ化エチレン樹脂製,ポリプロピレン製など,ガスの透過性の小さいガス採取用の

もので内容積1 L以上の袋。使用前に破れなどによる漏れがないことを確認しておく。 

c) 捕集瓶 試料ガスをガスの状態で捕集するガラス製の容器で,コックが二つ付いた流通採取用捕集瓶

(300〜500 mL)又はコックが一つ付いた真空採取用捕集瓶(100〜1 000 mL)とする。 

6.4.2.3 

試料ガスの採取操作 

試料ガスの採取操作は,次のいずれかによる。 

a) 注射筒法 注射筒法の試料ガスの採取操作は,次による。 

なお,ここに示す装置の記号は,図2による。 

1) 流路切替三方コック(G)を水平方向に開き,ポンプをつなぐ。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2) 針を外した注射筒(H)を流路切替三方コック(G)部にゴム管でつなぐ。 

3) 流路切替三方コック(G)を全方向(水平方向及び上方向)に開く。 

4) 注射筒(H)について吸引,押出しを数回繰り返して,導管内,トラップ(F)内及び注射筒(H)

内を試料ガスで十分に置換する。 

5) 注射筒(H)に試料ガスを採取する2)。このとき,ガスメーター(K)の指針又はカウンターが作動

している状態であることを確認しながら採取する。 

6) 流路切替三方コック(G)を閉じ,注射筒(H)を外し,手早く注射針を注射筒(H)に取り付け,

針先にゴム片を刺しておく。 

注2) 煙道内が負圧の場合,注射筒に試料ガスを採取できていない場合があるので注意する。 

 A 試料ガス採取管 

B 保温材 
C ろ過材 
D ヒーター 

シリコーン 

トラップ 

G 流路切替三方コック 
H 注射筒 

乾燥剤 

吸引ポンプ又はゴム球 

K ガスメーター 

図2−試料ガス採取装置(注射筒法)の例 

b) 捕集バッグ法 捕集バッグ法の試料ガスの採取操作は,次による。 

なお,ここに示す装置の記号は,図3による。 

1) 捕集バッグ(H)と吸引ポンプ(I)とをつないで,捕集バッグ(H)内を脱気し,栓をする。 

2) 試料ガス採取管(A)からコック(J)までの導管を図3のようにつなぎ,吸引ポンプ(I)とをつな

いで,採取管内を試料ガスに置換し,コック(J)を閉じる。 

3) 捕集バッグ(H)を気密容器(G)に入れてコック(J)につなぎ,蓋をして気密容器を密閉する。

吸引ポンプ(I)を図3のようにつなぎ換えてコック(J,K)を開いて吸引ポンプ(I)を作動させ,

気密容器(G)内を減圧にして捕集バッグ(H)に試料ガスを採取する。 

4) コック(J)を閉じ,吸引ポンプ(I)を止めて,捕集バッグ(H)を気密容器(G)から取り出し,

シリコーンゴム栓をしておく。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

気密容器の接続方法 

 A 試料ガス採取管 

B 保温材 
C ろ過材 
D ヒーター 

シリコーン 

ゴムパッキン 

G メタクリル樹脂製気密容器 
H 捕集バッグ 

吸引ポンプ 

四ふっ化エチレン樹脂製コック 

K コック 

スクリューコック 

図3−試料ガス採取装置(捕集バッグ法)の例 

c) 捕集瓶法 図4に例を示すガス捕集瓶に,その容量の10倍以上のガスを通過させた後に採取するか,

又はガス捕集瓶をあらかじめ真空ポンプを用いて真空にしておき,これに試料ガスを導入して採取す

る。このとき,試料ガス採取管は,採取前に試料ガスで十分に置換しておく。 

単位 mm 

図4−試料ガス採取装置(捕集瓶法)の例 

定量方法 

7.1 

ガス吸収法(オルザット式) 

7.1.1 

一般事項 

この方法は,オルザット式分析装置を用いた定量方法に適用する。 

7.1.2 

試薬及び試薬溶液の調製 

7.1.2.1 

試薬 

試薬は,次による。 

a) 塩化ナトリウム JIS K 8150に規定するもの。 

b) 塩酸 JIS K 8180に規定するもので,特級のもの。 

c) メチルオレンジ JIS K 8893に規定するもの。 

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d) 水酸化カリウム JIS K 8574に規定するもの。 

e) ピロガロール JIS K 8780に規定するもの。 

7.1.2.2 

試薬溶液の調製 

試薬溶液の調製は,次による。 

a) 封液 水200 mLに塩化ナトリウム44 gを溶かし,これに塩酸(2+98)2 mLを加え,メチルオレン

ジ溶液1〜2 mLを加えて赤に着色したもの。 

b) メチルオレンジ溶液 水100 mLにメチルオレンジ1 gを溶かしたもの。 

c) 塩酸(2+98) 塩酸の体積2と水の体積98とを混合したもの。 

d) 二酸化炭素吸収液 水200 mLに水酸化カリウム60 gを溶かしたもの。 

e) 酸素吸収液 水100 mLに水酸化カリウム60 gを溶かしたものと,水100 mLにピロガロール12 gを

溶かしたものとを等体積ずつ吸収ピペット内で混合して用いる。 

7.1.3 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。オルザット式分析装置の一例を,図5に示す。 

a) ガスビュレット及び水準瓶 ガスビュレットは,図6に示すような容量100 mLのガラス製で0〜25 mL

の間は0.1 mLごとに目盛を刻み,1 mLごとに目盛を示す数字を記入したもので,外側に水ジャケッ

ト管を取り付ける。ガスビュレットと水準瓶とは図5に示すように約1 mLのゴム管で連結し,ガス

ビュレットを台に固定して分配管(S)と接続する。水準瓶は容量250 mL以上のガラス瓶を用い,こ

の中に7.1.2.2 a)に示す封液を約200 mL入れる。 

b) ガス吸収ピペット ガス吸収ピペットは図7に示すような2連瓶で,一方のガス接触部に細いガラス

管を充塡した約200 mL容量のものとする。図5に示す吸収ピペット(C)に7.1.2.2 d)に示す二酸化炭

素吸収液を約180 mL入れ,二方コック(c)と接続する。同じく吸収ピペット(D)には7.1.2.2 e)に

示す酸素吸収液を約180 mL入れ,二方コック(d)と接続する。次に,吸収ピペットの後方側とゴム

袋(R)を付けた連結管とをそれぞれ接続する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

A ガスビュレット 
B 水準瓶 
C 二酸化炭素吸収ピペット 
D 酸素吸収ピペット 

一酸化炭素吸収ピペット 

水ジャケット管 

G ゴム管 

吐出管 

R ゴム袋 

分配管(内径1〜1.2 mm毛管) 

U 導管(内径1〜1.2 mm毛管) 
c,d,e 二方コック 

流路切替三方コック 

図5−オルザット式分析装置の例 

図6−オルザット式ガスビュレットの例 

単位 mm 

図7−オルザット式ガス吸収ピペットの例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.1.4 

定量操作 

定量操作は,次による。 

なお,本文中に示す装置の記号は,図5による。 

7.1.4.1 

標線合わせ 

a) 流路切替三方コック(f)を開き[  ],水準瓶(B)を上げてガスビュレット(A)中の空気を追い

出して流路切替三方コック(f)を閉じる[  ]。 

b) 水準瓶(B)を下げつつ二方コック(c)を開いて吸収液の液面を吸収ピペット(C)の標線に合わせ

て二方コック(c)を閉じる。吸収ピペット(D)についても同様に行う。 

c) 流路切替三方コック(f)を開き[  ],水準瓶(B)を上げてガスビュレット(A)の標線に封液の

液面を合わせて,流路切替三方コック(f)を閉じる[  ]。 

7.1.4.2 

分析用試料ガスの採取 

a) 分析用試料ガスの入った容器とオルザット式分析装置の導管とを接続した状態のまま,水準瓶(B)

を下げ,流路切替三方コック(f)を開いて[  ],ガスビュレット(A)に試料ガス約100 mLを採

取し,分析用試料ガスの入った容器のコックを閉じた後,流路切替三方コック(f)を閉じる[  ]。 

b) 水準瓶(B)を上げた後,流路切替三方コック(f)を吐出管(P)側に開いて[  ],1回目の試料

ガスを追い出し,分配管(S)中の空気を試料ガスと置換する。 

c) a),b)の操作を繰り返し,分配管(S)内の空気を完全に試料ガスと置換する。 

d) a),b)と同様な操作で試料ガスをガスビュレット(A)に100 mLよりやや過剰に採取して,流路切替

三方コック(f)を閉じる[  ]。 

e) 水準瓶(B)の高さを調節してガスビュレット(A)のゼロ目盛に封液面を合わせ,ゴム管(G)を指

で押さえるなどして流路切替三方コック(f)を開き[  ],過剰の試料ガスを追い出して,速やか

に流路切替三方コック(f)を閉じる[  ]。ゴム管(G)を押さえていた指を離す。 

f) 

ガスビュレット(A)の封液面と水準瓶(B)の封液面とを同一のレベルにしてガスビュレット(A)

の目盛を0.1 mLの単位まで読み取る。1回の操作で追出し不十分なときは,この操作を繰り返す。 

7.1.4.3 

二酸化炭素の吸収 

a) 水準瓶(B)を上げ,二方コック(c)を開いて試料ガスを二酸化炭素吸収ピペット(C)に送り込み,

水準瓶(B)を上下して試料ガスを二酸化炭素吸収ピペット(C)とガスビュレット(A)との間を数

回往復させ,二酸化炭素を吸収させる。 

b) 吸収後,水準瓶(B)を下げ,二酸化炭素吸収液の液面を二酸化炭素吸収ピペット(C)上部の標線に

合わせて3) 二方コック(c)を閉じ,ガスビュレット(A)の封液面と水準瓶(B)の封液面とを同一

レベルにして吸収されずに残った試料ガス体積を測定し,試料ガス体積の減少量を求める。測定に当

たっては,ガスビュレット中にガスを戻したら,管内壁に付着した封液が流下するまで待つ必要があ

り,待ち時間は毎回一定にして目盛を読み取る。 

c) a)の操作では吸収が不十分な場合があるので,試料ガス体積の減少が認められなくなるまでa),b)の

操作を繰り返す。 

d) この吸収による試料ガス体積の減少量a mLを求める。 

注3) 吸収液を標線に合わせるとき,水準瓶(B)をゆっくり下げて,吸収液が分配管(S)に上が

らないように注意する。 

7.1.4.4 

酸素の吸収 

二酸化炭素による吸収減少量を読み取った後,水準瓶(B)を上げ,二方コック(d)を開いて,試料ガ

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

スを酸素吸収ピペット(D)に送り込み,二酸化炭素の吸収と同様に操作を行い,吸収後の全減少量b mL

を求める。 

7.1.4.5 

計算 

次の式によって,試料ガス中の酸素濃度を算出する。 

100

×

=Va

b

C

ここに, 

C: 酸素濃度(vol %) 

a: 二酸化炭素吸収後のガス体積減少量(mL) 

b: 酸素吸収後のガス体積の全減少量(mL) 

V: 採取した試料ガス量(mL) 

なお,二酸化炭素濃度は,次の式によって求めることができる。 

100

×

=Va

C'

ここに, 

C': 二酸化炭素濃度(vol %) 

7.2 

ガスクロマトグラフ法 

7.2.1 

概要 

熱伝導度検出器又は光イオン化検出器を備えたガスクロマトグラフを用い,試料ガス中の酸素をカラム

によって分離する。記録されたクロマトグラムのそれぞれのピークの面積を,同一装置及び同一条件下で

得られた標準ガスのピーク面積又はピーク高さと比較して定量する。 

7.2.2 

ガス類 

ガス類は,次による。 

a) ヘリウム 純度99.99 vol %以上又は99.999 9 vol %以上のもの。 

b) 窒素 JIS K 1107に規定する1級又は2級のもの。 

c) 水素 JIS K 0512に規定する1級〜3級のもの。 

d) アルゴン JIS K 1105に規定する1級のもの。 

7.2.3 

装置及び器具 

7.2.3.1 

ガスクロマトグラフへの試料導入器具及び装置 

ガスクロマトグラフへの試料導入器具及び装置は,次による。 

a) ガスタイトシリンジ 容量0.1〜5 mLのガラス製のもので,あらかじめ水洗,乾燥したもの。 

b) 気体試料導入装置 容量 0.1〜5 mLの試料計量管を取り付けることができるもので,用いるカラムに

よって,次に示す充塡カラム用とキャピラリーカラム用とに大別する。試料計量管の容量及び導入装

置は,分析対象成分の濃度,検出器の感度及び用いるカラムによって適切なものを選択し,試料ガス

をガスクロマトグラフに導入するときは,試料ガスの温度及び圧力を一定にしてから導入しなければ

ならない。図8に気体試料導入装置の例を示す。気体試料導入部は,試料計量管,試料流路及びキャ

リヤーガス流路の切換可能なバルブから構成される。 

1) 充塡カラム及びメガボアカラム用試料導入部は,全量導入方式が可能な導入部を選ぶ。そのため,

図8中の4と記載された接続口はカラム又は全量導入方式が可能な注入口と接続する。 

2) キャピラリーカラム用試料導入部は,スプリット注入又は全量導入が可能な方式を選ぶ。一般的に

は,スプリット注入方式のほうがピークがシャープになり,分離が良くなる。スプリット注入方式

を選ぶ場合は,図8中の4と記載された接続口はスプリット注入方式が可能な注入口と接続する。

一方,全量導入方式を選ぶ場合は,カラム又は全量導入方式が可能な注入口と接続する。 

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K 0301:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 空気混入の影響を防ぐため,低濃度の酸素をPID検出器を用いて測定する場合にはガスタイト

シリンジではなく気体試料導入装置を用いたほうがよい。 

図8−気体試料導入装置の例 

7.2.3.2 

ガスクロマトグラフの構成 

ガスクロマトグラフの構成は,次による。 

a) カラム カラムは,次による。 

1) カラム用管 内面をよく洗浄したステンレス鋼管,ほうけい酸ガラス管などとし,一般的に表2に

示す内径及び長さをもつ。 

2) カラム充塡剤 カラム充塡剤は,分析対象成分に対して必要かつ十分な分離機能をもつものを用い

る。例を表2に示す。 

3) 充塡方法(充塡カラムの場合) カラム用管の一端にガラスウール又はシリカ綿を軽く詰める。管に

振動を与えるか,又は吸引しながら,他端からカラム充塡剤を少量ずつ流入させ,内部に隙間がで

きないように均一かつ密に充塡する。充塡後,充塡剤が漏れないように,両端にガラスウール又は

シリカ綿を詰める。 

4) カラムのコンディショニング カラムをガスクロマトグラフに接続し,キャリヤーガスを通しなが

らカラム槽の温度を分析に使用される温度より高く(ただし,最高使用温度以下)調整する。調整

後,残存溶媒などが除去されるまで空焼きを行う。このとき,カラムの検出器側の一端は,検出器

に接続しないでおく。また,検出器への接続口は密栓しておく。 

表2−カラムの例 

カラムの種類 

カラム充塡剤a) 

管 

固定相 

担体の粒径 

µm 

内径 

mm 

長さ 

充塡カラム 

合成ゼオライト13X形(Na塩)又は
合成ゼオライト5A形(Ca塩) 

150〜500 

1〜5 

0.5〜6 

吸着形キャピラリー
カラム 

合成ゼオライト5A形(Ca塩) 

0.32〜0.53 

30〜50 

注a) 合成ゼオライトには,モレキュラシーブ13X及びモレキュラシーブ5Aがある。 

b) 検出器 熱伝導度検出器又は光イオン化検出器を用いる。 

c) キャリヤーガス 熱伝導度検出器の場合は,7.2.2 a)のヘリウム,7.2.2 b)の窒素,7.2.2 c)の水素又は7.2.2 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d)のアルゴンを,光イオン化検出器の場合は,7.2.2 a)の純度99.999 9 vol %以上のヘリウムを用いる。 

d) 検出器用ガス 各検出器に用いるガスは,次による。 

1) 熱伝導度検出器用付加ガス キャリヤーガスと同種のものを用いる。 

2) 光イオン化検出器用ガス キャリヤーガスと同種のものを用いる。 

e) データ処理装置 データ処理装置は,クロマトグラム,保持時間,ピーク面積,ピーク高さなどを測

定及び表示できなければならない。データ処理ソフトによる場合は,処理が正しい結果を与えること

が検証されたものを用いる。 

f) 

記録装置 記録装置は,クロマトグラムを記録するものであり,必要に応じて取り付ける。 

7.2.4 

ガスクロマトグラフの操作条件 

7.2.4.1 

試料導入部の条件 

試料導入部の条件は,用いるカラムの種類及び機器によって最適条件が異なる場合があるので,各機器

の操作手引書を参考に最適化する。設定条件の例を次に示す。 

a) 充塡カラム 

1) ガスタイトシリンジによる場合 試料導入部温度は,50〜200 ℃程度に設定する。試料注入量は,

0.1〜3 mL程度とする。 

2) 気体試料導入装置による場合 気体試料導入装置の設定温度は,室温程度に設定する。槽温度が気

体試料導入装置の温度に影響を与える場合は,200 ℃程度まで設定してもよい。試料注入量は,0.1

〜3 mL程度とする。 

b) キャピラリーカラム 

1) ガスタイトシリンジによる場合 試料導入部温度は,50〜200 ℃程度に設定する。試料注入量は,

0.1〜3 mL程度とする。カラムの内径に応じて適宜スプリット注入を行う。 

2) 気体試料導入装置による場合 試料導入部温度及び気体試料導入装置の設定温度は,室温程度に設

定する。槽温度が試料導入部及び気体試料導入装置の温度に影響を与える場合は,200 ℃程度まで

設定してもよい。試料注入量は,0.1〜3 mL程度とする。カラムの内径に応じて適宜スプリット注

入を行う。 

7.2.4.2 

カラム条件の例 

カラム条件は,7.2.3.2 a)のカラムの分離性能が十分発揮できるカラム温度及びキャリヤーガス流量とす

る。特に光イオン化検出器を使用する場合は共存物質の影響を受けやすいため,アルゴンと酸素との間で

十分なピークの分離を確保しておく必要がある。カラム条件の例を,表3に示す。 

表3−カラム条件の例 

カラムの種類 

分析条件 

カラム温度 ℃ 

キャリヤーガスb) 

流量 mL/min 

充塡カラムa) 

−50〜40 c) 

ヘリウム,窒素,アルゴ
ン又は水素 

5〜60 

吸着形キャピラリーカラム 

0〜40 d) 

ヘリウム,窒素,アルゴ
ン又は水素 

2〜10 

注a) 流量5〜15 mL/min,内径2 mm以下のものはマイクロパックドカラムとも呼ばれている。 

b) 検出器がPIDの場合,キャリヤーガスはヘリウムを使用する。 

c) 3 mカラムの場合,−50 ℃程度でアルゴンと酸素とが分離できる。 

d) 30 mカラムの場合,0 ℃程度でアルゴンと酸素とが分離できる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2.4.3 

検出器の操作条件 

各機器の温度及びガス流量を最適な条件に設定する。用いるカラムの種類及び機器によって最適条件が

異なる場合があるので,各機器の操作手引書を参考に最適化する。操作条件の例を,次に示す。 

a) 充塡カラム 

1) 熱伝導度検出器による場合 条件例 検出器温度:100〜200 ℃ 

2) 光イオン化検出器による場合 条件例 検出器温度:100〜350 ℃,検出器ガス流量:20〜100 mL/min 

b) キャピラリーカラム 

1) 熱伝導度検出器による場合 条件例 検出器温度:100〜200 ℃,付加ガス流量:8〜45 mL/min 

2) 光イオン化検出器による場合 条件例 検出器温度:100〜350 ℃,検出器ガス流量:20〜100 mL/min 

7.2.5 

定量操作 

定量操作は,次による。 

a) ガスクロマトグラフを測定可能な状態にし,7.2.4の分析条件に合わせてカラム温度を設定し,カラム

にキャリヤーガスを一定の流量で流しておく。 

b) ガスクロマトグラフへの分析用試料ガスの導入は,次のいずれかによる。 

1) ガスタイトシリンジによる場合 注射筒又は捕集バッグの開口部を,例えば,シリコーンゴムで密

栓をし,ガスタイトシリンジに取り付けたニードル(針)を栓に貫通させ,試料ガスの採取及び大

気中放出を何回か繰り返した後(共洗い),分析用試料ガスを採取し,ガスクロマトグラフに直接導

入する。 

2) 気体試料導入装置による場合 図8の試料導入の状態で,注射筒又は捕集バッグの開口部を図8の

気体試料導入装置の試料採取部(試料IN)に接続する。気体試料導入装置のバルブを切り替えると

ともに,計量管容量の5倍以上の試料ガスの量を計量管に通過させて,計量管を試料ガスで満たし

た後,気体試料導入装置のバルブを切り替えて,計量管中の分析用試料ガスをガスクロマトグラフ

に導入する。 

c) 試料ガスを導入後,適切な時間のクロマトグラムを記録する。 

d) クロマトグラム上の酸素に相当するピークについて,ピーク面積又はピーク高さを求める。 

e) 7.2.6の検量線から,試料ガス中の酸素の質量(ng)を求める。 

7.2.6 

検量線の作成 

検量線の作成は,次による。 

a) 検量線の作成は,試料ガスの測定時と同じ室温及び気圧下で行う。 

b) ガスクロマトグラフの分析条件及び検出器の操作条件に従って装置を設定する。 

c) 捕集バッグ,真空捕集瓶などに適切な濃度の検量線用ガスを調製したもの,又は市販の標準ガスを

7.2.5 b)と同様の操作によって導入し,クロマトグラムを記録する。この操作は,1日の分析の始め又

は分析条件が変わったときには,少なくとも1回行うことが望ましい。 

d) 検量線用ガス中の酸素のピーク面積又はピーク高さを測定し,酸素の質量(ng)とピーク面積又はピ

ーク高さとの検量線を作成する。 

7.2.7 

酸素濃度の算出 

試料ガス中の酸素の濃度算出は,次の式による。 

32

.

101

15

.

273

15

.

273

10

10

700

.0

2

6

v

P

t

V

A

C

×

+

×

×

×

×

=

13 

K 0301:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

v

4

w

10

43

.1

32

.

101

15

.

273

15

.

273

C

P

t

V

A

C

×

×

=

×

+

×

=

ここに, 

Cv: 試料ガス中の酸素の体積分率(vol %) 

Cw: 試料ガス中の酸素の濃度(mg/m3) 

A: 検量線で求めた分析用試料ガス中の酸素の質量(ng) 

V: 試料ガス注入量(mL) 

t: 試料ガス測定時の温度(℃) 

P: 試料ガス測定時の大気圧(kPa) 

0.700: 酸素1 mgに相当する酸素の体積(mL) 

1.43: 酸素1 vol ppmに相当する濃度(mg/m3) 

10−6: 質量の単位をngからmgに変換する係数 

102: mL/mLをvol %へ変換する係数 

104: vol %をvol ppmへ変換する係数 

273.15: 0 ℃に対応する絶対温度(K) 

101.32: 標準大気圧(kPa) 

自動計測法 

自動計測法による測定は,JIS B 7983に規定する自動計測器によって行う。校正については,JIS K 0055

によって行う。 

分析結果の記録 

9.1 

分析結果の表示及びデータの質の管理 

分析は,試料採取ごとに同一分析試料について2回以上行い,その平均値を求め,JIS Z 8401によって

有効数字2桁に丸める。ただし,連続して2回以上試料を採取した場合には,各測定値の全ての平均値を

求める。 

測定値にばらつきが見られた場合は,装置,配管などの不備,操作の不具合などを確認し,必要な処置

を施す。また,JIS K 0114によって,標準試料,検量線用標準試料の有効性,検出限界の確認,ブランク

の確認,定期的な装置の性能の点検などを実施するとともに,内部精度管理の実施,外部精度管理への参

加などを行い必要な精度を確保する。 

9.2 

記録項目 

分析結果として記録する項目は,次による。 

a) 測定対象の設備及び試験目的 

b) 試料採取及び分析の実施日,時刻,時間及び実施者 

c) 設備又は工程の運転状況及び試料採取期間内に生じた設備又は工程の変動 

d) 設備の測定採取面の位置 

e) 測定採取面上の試料採取点 

例1 ダクトの大きさ,測定断面における試料採取の位置など 

f) 

試料採取方法 

例2 試料ガス採取方法,等速サンプリング又は非等速サンプリング,試料採取管の口径,ダスト

除去用フィルター及び取付位置,フィルター温度,試料採取の時間など 

g) 分析方法の種類 

h) 測定結果 

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K 0301:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

例3 排ガス中の濃度及び標準状態への換算濃度のほかに,測定点のガス流量,排ガスの静圧,温

度,水蒸気濃度,採取ガス量,分析用試料の体積,試料中の酸素の分析値,試料採取時間内

に生じた異常など 

i) 

測定の品質 

例4 漏れ試験結果,現地測定における空試験値,測定結果に影響した可能性のある周囲の特殊事

情,標準ガスの品質記録などを記入するとよい。 

j) 

この規格の分析方法からの変更点 

その他,a)〜j)以外に有用な項目がある場合には,追加するとよい。 

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K 0301:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 
検知管法 

A.1 一般 

この方法は,現場測定での環境管理,又は,化学分析方法での測定に当たって,排ガス濃度の概略値を

事前に簡便に求めることができるなどの利点があるので,参考として附属書に示す。 

A.2 適用条件 

検知管法は,事業者が日常の環境管理,又は,スクリーニングを目的として行うための簡易法であり,

検知管法によって得られた測定結果をもって排出規制値と直接比較するものではない。 

検知管法は,共存するガスの妨害が無視できる場合に適用する。 

A.3 分析方法の概要 

検知管法の反応原理及び概要は,表A.1による(図A.1参照)。 

表A.1−検知管法の反応原理及び概要 

反応原理a) 

試料採取 

定量範囲 

注記 

a) 塩化チタン(III)と反応して酸化チタン

(IV)を生成し,黒から白に変色する。 

検知管用ガス採取器 
50 mL又は100 mL 

1.5〜24 vol % 

酸性ガス(HCl)に注意する。 
附属の後処理管を必ず装着
するb)。 

b) アルカリ性ピロガロールと反応し,白か

ら褐色に変色する。 

検知管用ガス採取器 
50 mL 

2〜24 vol % 

二酸化炭素の影響を受ける
ため,測定時には補正を行
うc)。 

c) 次の2種類を使用 
 

二酸化炭素:アルカリと反応して指示薬
が変色し,桃色から黄に変色する。 

酸素:アルカリ性ピロガロールと反応し,
白から褐色に変色する。 

検知管用ガス採取器 
100 mL 

二酸化炭素: 
1〜20 vol % 
 
酸素: 
2〜10 vol % 

二酸化炭素と酸素との分離
定量用検知管d) 

注a) いずれも変色の長さを基に濃度を求める。 

b) ガス通気時,検知管の採取器側から高濃度のHClが発生するので後処理管は必ず装着する(検知剤と,後処

理剤が1本のガラス管に充塡されているものもある。)。 

c) 取扱説明書の指示に従い,補正表によって濃度を求める。 

d) 二酸化炭素検知管の後に酸素検知管を接続し,酸素検知管にガス採取器を取り付ける。 

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K 0301:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 塩化チタン(III)を使用した検知管[全長約210〜280 mm(2本接続時)] 

b) アルカリ性ピロガロールを使用した検知管(全長約150 mm) 

c) 二酸化炭素と酸素との分離定量用検知管[全長約280 mm(2本接続時)] 

図A.1−酸素検知管の例 

A.4 装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

a) 検知管 JIS K 0804の5.2(検知管の品質及び性能)に規定した検知管で酸素用のもの。 

b) ガス採取器 シリンダー形真空方式のもので,JIS K 0804の5.1(ガス採取器の品質及び性能)を満た

すもの。 

c) 試料ガス採取装置 図A.2及び図A.3に例示する構成で行うことが望ましい。ただし,試料ガスの吸

引流量は,0.5〜1 L/minとする2)。 

 A 試料ガス採取管 

B 保温材 
C ろ過材 
D ヒーター 

シリコーン 

トラップ 

G 流路切替三方コック 
H ガス検知管 

試料ガス採取器 

乾燥剤 

K 吸引ポンプ 

ガスメーター 

煙道内が負圧の場合,検知管に規定量の試料ガスを採取できず,検知管指示値は低めの値を示すので

注意する。 

検知管での試料ガス採取時に,ガスメーターの指針又はカウンターが作動している状態であることを

確認しながら採取する。負圧の大きい場合は注射筒法,又は捕集バック法を参照して適用する。 

図A.2−試料ガス採取装置(燃焼排ガスなど)の例 

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K 0301:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 I 

試料ガス採取器 

M 四ふっ化エチレン樹脂製管 

N シリコーン 

四ふっ化エチレン樹脂製管(M)が長い場合は,デッドスペースが誤差要因になることがあ

るため,四ふっ化エチレン樹脂製管内を十分置換してから測定を行う。また,水分の凝縮がな
い排ガスが,採取する試料ガスであることが条件となる。 

図A.3−試料ガス採取装置の例 

A.5 測定手順 

A.5.1 測定準備 

測定準備は,次による。 

a) 測定点における温度を測定し,検知管の仕様書に示されている使用範囲内であることを確認する。 

b) 使用する検知管の温度を測定場所の温度になるようにする。冷蔵庫などで冷暗所保管していた検知管

などを使用する場合は,外気温と同温になってから使用する。また,このときに直射日光に当たらな

いように注意する。 

c) 取扱説明書に従ってガス採取器の漏れ試験を行う。 

A.5.2 測定 

測定は,次による。 

a) 検知管の両端をチップカッターなどで折り取り,検知管表面に印刷されている矢印の向きに試料ガス

が流れるようにガス採取器の検知管取付口へ接続する4)。 

b) ガス採取器のハンドルを一気に引いてロックさせ,その検知管について規定された時間放置する。 

c) 吸引終了後速やかに検知管を取り外し,変色層先端の濃度目盛を読み取る。 

このとき,変色層先端面が斜めの場合には,中間点を濃度として読み取る。また,検知管によって

は,通気終了後の時間経過によって変色した層が退色する,変色層の長さが変化するなどの場合があ

るので,通気終了後に変色層の先端に印を付け,速やかに読み取る 

なお,高濃度の二酸化炭素が共存する場合は検知管の変色層の長さに影響を与えるので,補正表等

による補正,又は取扱説明書の指示に従って濃度を決定する。 

注4) 検知管の種類によっては使用直前に,示温剤の部分をライター等で色が変わるまで加熱して

使用するもの,又は裸火が使用できない場所では薬液[塩化銅(II)]によって加熱するもの

もある。また,検知管から発生する酸性ガス(塩化水素)を除去する後処理管の接続が必要

なものもある。取扱説明書を十分理解してから使用しなければ機器の故障,破損などのおそ

れがあるので十分注意する。 

A.5.3 妨害物質 

検知管の変色の原理は,多くの場合,分析対象物質だけの特異反応ではなく,化学的性質の似た物質に

共通する反応である。したがって,測定対象物質と同じ反応をする物質が共存する場合には,測定対象物

質の濃度より高い指示値(プラスの誤差)を与える。反対に共存物質が変色反応を妨害してマイナス誤差

を与える場合及び変色境界を不明瞭にする場合がある。測定するときは,共存する可能性のある物質につ

いて調査し,検知管の仕様書,技術資料などを参考にその影響について,あらかじめ検討する必要がある。 

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18 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

ガス吸収法(ヘンペル式) 

B.1 

要旨 

この方法は,燃料及び廃棄物の燃焼,金属精錬,化学反応工程などに伴って,煙道,煙突,ダクトなど

に排出される排ガス中の酸素の濃度を求めるものである。 

B.2 

分析方法の概要 

この方法の概要は,表B.1による。 

表B.1−分析方法の概要 

要旨 

試料採取 

定量範囲 

試料ガス中の酸素を酸素吸収液a)によって吸収させ,試料ガスの
体積の減少量から試料ガス中の酸素濃度を求める。 

捕集バッグ 

0.1〜20 vol % 

注a) 酸素吸収液は,試料ガスに含まれる二酸化炭素も吸収するため,酸素の測定前に二酸化炭素吸収液

を用いて二酸化炭素を吸収させて除き,試料ガスの体積の減少量を測定しておく必要がある。 

B.3 

試薬及び試薬溶液の調製 

B.3.1 試薬 

試薬は,7.1.2.1による。 

B.3.2 試薬溶液の調製 

試薬溶液の調製は,7.1.2.2による。 

B.4 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。ヘンペル式分析装置の一例を図B.1に示す。 

B.4.1 ガスビュレット及び水準管 

ガスビュレットは,図B.2に示すような容量100 mLのガラス製で0.2 mL又は0.1 mLごとに目盛を刻み,

2 mL又は1 mLごとに目盛を示す数字を記入したもので,外側に水ジャケット管を取り付ける。ガスビュ

レット及び水準管は,図B.1に示すように台に固定し,長さ1 mのゴム管で連結する。ガスビュレットの

毛管部には図B.3に示すように,ピンチコックを付けたゴム管によってガラス製毛管を取り付ける。ガス

ビュレット及び水準管はB.3.2に示す封液を適量満たす。 

なお,ガスビュレットの毛管部にはピンチコックの代わりにガラス製コックを取り付けてもよい。 

B.4.2 ガス吸収ピペット 

ガス吸収ピペットは,図B.4に示すように複式吸収ピペットを用いる。二酸化炭素吸収ピペットは,左

側第一球及び第二球にB.3.2に示す二酸化炭素吸収液約150 mLを入れる。酸素吸収ピペットは,左側第一

球及び第二球にB.3.2に示す酸素吸収液約150 mLを入れる。右側第三球及び第四球に外気を遮断するため

の水を適量入れる。 

また,吸収ピペットの毛管先端には,ピンチコックを付けた短いゴム管をはめて毛管側に気泡が残らな

いように吸収液を満たす。 

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19 

K 0301:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図B.1−ヘンペル式分析装置の例 

単位 mm 

図B.2−ヘンペル式ガスビュレット及び水準管の例 図B.3−ガスビュレットと吸収ピペット接続の例 

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20 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図B.4−ヘンペル式複式吸収ピペットの例 

B.5 

定量操作 

B.5.1 分析用試料ガスの採取 

a) 試料ガスを採取した捕集バッグとガスビュレットとを接続し,水準管を下げて試料ガスを約100 mL

採取する。 

b) 試料ガス容器及びガスビュレットのコックを閉じて取り外し,水準管を上げて試料ガスを放出し,毛

管を試料ガスと置換する。 

c) 試料ガス容器とガスビュレットとを接続して,試料ガスを100 mL以上採取してコックを閉じて取り

外す。 

B.5.2 目盛合わせ 

水準管の高さを調節して,ガスビュレット中の試料ガスをゼロに合わせ,接続ゴム管で押さえて5)ガス

ビュレットのコックを瞬間開き,余剰の試料ガスを放出し,ガスビュレットの液面をゼロ目盛に合わせる。 

なお,1回の操作で追出し不十分なときは,この操作を繰り返す。また,試料ガスの体積の測定は,ガ

スビュレットの内壁に付着している封液が流れ落ち,液面の高さが安定したことを確かめた後に行わなけ

ればならない。試料ガスの体積は,0.1 mLの目盛まで正確に読み取る。 

また,試料ガスの体積を正しく測定するために,分析操作中の装置,封液,吸収液などの温度及び室内

温度は,なるべく一定に保つことが必要である。 

注5) 微妙なゼロ合わせは,ゴム管を二つ折りにして調節するとやりやすい。 

B.5.3 二酸化炭素の吸収 

a) B.5.1及びB.5.2によって試料ガスを採取したガスビュレットを,二酸化炭素吸収ピペットに毛管を用

いて図B.3に示すように連結する。ゴム管を連結するとき,指でゴム管を圧縮して中の空気をできる

だけ追い出しながら接続する。ゴム管中に吸収液が付着すると,接続部分が外れやすくなるので,ろ

紙などで絶えず拭き取る。 

b) 毛管のピンチコックを開き,水準管の封液面の高さを調節することによって,試料ガスの全量を吸収

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K 0301:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ピペットに移す。この場合,封液と吸収液とが混合しないように,注意して操作する。 

c) 毛管のピンチコックを閉じ,吸収ピペットを前後に数十回振って二酸化炭素を吸収液に吸収させる。 

なお,吸収ピペットの振とう方法は,次のように行うとよい。 

1) あらかじめ台におもしを載せる。右手で吸収ピペットの右上固定枠を押すようにして持つ。 

2) 左手の薬指と小指とでガスビュレットの最上部を挟みながら,親指と人さし指とで吸収ピペットの

左上固定枠を持つ。中指は伸ばしてU字毛管とゴム管との接続部を支える。吸収ピペットの固定枠

を前方にやや傾斜させて振とうする。 

d) 静置して気泡の消えるのを待って,毛管のピンチコックを開き,水準管の封液面の高さを調節して,

吸収されずに残った試料ガス全量をガスビュレットに戻し,その体積を測定する。このとき,ガスビ

ュレットに残りの試料ガスを戻す場合,水準管の封液面をできるだけ下げてピンチコックを瞬間開き,

試料ガスを2〜3 mLガスビュレットに移す。次に,水準管をゆっくり上げながらピンチコックを開い

て,吸収ピペットの毛管中に残る吸収液を吸収ピペット中に送り込む。この操作によって,吸収液が

ガスビュレット中に混入することを防ぐ。 

e) b)〜d)までの吸収操作を,ガス体積の減少が認められなくなるまで繰り返す。 

f) 

この吸収による試料ガスの体積の減少量a(mL)を求める。 

B.5.4 酸素の吸収 

a) B.5.3の吸収操作後,ガスビュレットを酸素吸収ピペットに連結し,B.5.3と同様にして残りの試料ガ

スの全量を吸収ピペットに移す。 

b) B.5.3の操作に準じて,酸素の吸収操作を行う。 

c) 残りの試料ガスをガスビュレットに戻し,酸素吸収後の全減少量b(mL)を求める。 

B.5.5 計算 

7.1.4.5に準じて,試料ガス中の酸素濃度を算出する。 

参考文献 JIS K 0804 検知管式ガス測定器(測長形)