K 0230:2007
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本液体清澄化技術工業会 (LFPI)/財団法
人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS K 0230には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) 逐次サンプリングによる判定方法
附属書2(参考) 清浄度クラスの判定及び決定例
K 0230:2007
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 純水の清浄度クラス ········································································································· 1
5. 清浄度クラスの判定方法及び決定方法 ················································································· 2
附属書1(規定)逐次サンプリングによる判定方法 ····································································· 5
附属書2(参考)清浄度クラスの判定及び決定例 ········································································ 8
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日本工業規格 JIS
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純水の清浄度の測定方法及びクラス判定方法
Determination and classification of purified water cleanliness
序文 この規格は,2002年に改正されたJIS B 9920と同様の考え方を純水に適用して作成した日本工業規
格である。
1. 適用範囲 この規格は,主に電子工業,精密機械工業などの製造工程に用いられる,純水中の粒子個
数濃度による清浄度の測定方法及びクラス分類について規定する。クラス分類は,粒子径範囲0.1〜0.5 μm
における累積粒子個数濃度(以下,“粒子個数濃度”という。)によって行う。ここで規定するクラス分類
とその上限粒子個数濃度との関係は,クラス分類を行うためのものであり,実際の粒子個数濃度を表すも
のではない。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 9920 クリーンルームの空気清浄度の評価方法
JIS B 9925 液体用光散乱式自動粒子計数器
JIS K 0554 超純水中の微粒子測定方法
JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 9920,JIS B 9925,JIS Z 8122及びJIS K 0554によ
るほか,次による。
a) 清浄度クラス 純水中の粒子個数濃度による清浄度の等級(クラス)。クラスNWで表し,Nは,1 L
中の水に含まれる粒子径0.1 μm以上の粒子数を,10のべき乗で表したときの指数部を示す。
b) 上限粒子個数濃度 清浄度クラス及び粒子径別に定めた,粒子個数濃度の上限値。
c) 有効試料体積 液体用光散乱式自動粒子計数器に導入した試料の体積のうち,実際に測定した試料の
体積で,JIS B 9925で規定する有効試料流量に測定時間を乗じたもの。
d) 最少有効試料体積 清浄度クラスを測定するのに必要な最少限の有効試料体積。
4. 純水の清浄度クラス 清浄度クラス1 W,クラス2 W,クラス3 W,・・・クラスNWなどと表す。こ
こに,Nは,1〜8までの整数を示す。各クラスの対象とする粒子径の上限粒子個数濃度 (CU) は,式 (1) で
算出する。
3
U
1.0
10 ×
=
D
C
N
······································································· (1)
ここに, CU: 上限粒子個数濃度(個/L)
N: 清浄度クラスNWのN
2
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D: 測定粒子径 (μm)
各清浄度クラス及びその上限粒子個数濃度を,表1に示す。
なお,表1の粒子径範囲内でこの表に示されていない粒子径の上限粒子個数濃度は,式 (1) による。
表 1 清浄度クラス
清浄度クラス
上限粒子個数濃度 CU
個/L
粒子径
0.1 μm
0.2 μm
0.3 μm
0.5 μm
1 W
10
1.3
0.4
0.1
2 W
100
12.5
3.7 1
3 W
1 000 125
37
8
4 W
10 000 1 250
370
80
5 W
100 000 12 500
3 700
800
6 W
1 000 000 125 000
37 000
8 000
7 W
10 000 000 1 250 000
370 000
80 000
8 W
100 000 000 12 500 000
3 700 000
800 000
5. 清浄度クラスの判定方法及び決定方法 清浄度クラスの判定方法は,粒子個数濃度測定による方法及
び逐次サンプリングによる方法の2種類とする。清浄度クラスの決定方法は,f) による。清浄度クラスの
判定を行うのか又は決定を行うのか,更に清浄度クラスの判定を行う場合はいずれの方法によるかについ
ては,実施者が決定する。
ここで,判定とは,ある清浄度クラスを満足しているかどうかを確認することであり,清浄度クラスを
決定することではない。一方,決定とは,清浄度クラスが幾つであるかを決定することである。
清浄度クラスの判定方法及び決定方法は,次による。
a) 測定器 測定器には,JIS B 9925に規定する液体用光散乱式自動粒子計数器を用いる。
b) 測定対象粒子径 通常,測定対象粒子径は,表1に示す一つ以上の粒子径とする。複数の粒子径で測
定した場合は,最小の粒子径で上限粒子個数濃度を満足しなければならない。測定粒子径及び表1の
範囲外の測定粒子径の上限粒子個数濃度は,実施者が決定する。
c) 測定点 測定点は,実施者が決定する。
d) 最少有効試料体積 最少試料体積は,測定する清浄度クラスを想定して決定する。この場合,最少試
料体積は,測定に要する有効試料体積 (Vm) を[式 (2)]によるVm以上とし,かつ,最少測定時間を
1分間とする。
U
m
20
C
V=
·················································································· (2)
ここに, Vm: 最少有効試料体積 (L)=有効試料流量 (L/min)×時間 (min)
CU: 想定した清浄度クラスの測定対象粒子径における上限粒子
個数濃度(個/L)(測定対象粒子径が複数の場合,どの
粒子径における上限粒子個数濃度を用いるかについては,
実施者が決定する。)
備考 CUの値は,表1又は式 (1) から求める。
e) 清浄度クラスの判定方法 この判定方法は,決められた清浄度クラスを満足することを判定する方法
であり,清浄度クラスを決定するものではない。清浄度クラスの判定方法は,次のいずれかによる。
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1) 粒子個数濃度測定による方法 測定粒子数 (P) と有効試料体積 (V) とから,式 (3) によって粒子
個数濃度 (CM) を算出する。
V
P
C=
M
··················································································· (3)
ここに, CM: 粒子個数濃度(個/L)
P: 測定粒子数(個)
V: 有効試料体積 (L) (V≧Vm)
CM≦CUのとき,清浄度クラスを満足すると判定する。
2) 逐次サンプリング法 清浄度クラスの判定は,逐次サンプリング法によって,計測された累積粒子
個数と上限値[式 (5)]及び下限値[式 (6)]との比較によって行う。図1に示す上限値及び下限値
は,式 (5),式 (6) 及び式 (7) によって求める。
なお,合否判定基準表を用いる判定方法を,附属書1に示す。
E
H
03
.1
96
.3
+
=
········································································ (5)
E
L
03
.1
96
.3
+
−
=
······································································ (6)
U
C
t
Q
E
×
×
=
··········································································· (7)
ここに, H: 上限値(個)
L: 下限値(個)
E: 清浄度クラスの上限累積粒子個数(個)
Q: 有効試料流量 (L/min)
t: 測定時間 (min)
CU: 清浄度クラスの上限粒子個数濃度(個/L)
図 1 逐次サンプリング法による合否判定
3) 逐次サンプリング法による判定方法 逐次サンプリング法による清浄度クラスの判定は,次の3.1)
〜3.4) による。また,判定例を,附属書2に示す。
3.1) 計測された累積粒子個数が下限値よりも小さいときは,試料の粒子個数濃度は当該清浄度クラス
を満足しているため,測定はその時点で終了する。
3.2) 計測された累積粒子個数が上限値又は20を超えるときには,試料の粒子個数濃度は当該清浄度ク
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ラスを満足しないため,測定を終了する。
3.3) 計測された累積粒子個数が上限値と下限値との間にある限り,測定は清浄度クラスの上限累積粒
子個数が20になるまで続ける。
3.4) 清浄度クラスの上限累積粒子個数が20になったときで,かつ,計測された累積粒子個数が20以
下のとき,当該清浄度クラスを満足するものとする。
f)
清浄度クラスの決定方法 清浄度クラスの決定方法は,次の1)〜6) による。また,決定例を附属書2
に示す。
1) 清浄度クラス (NW) を想定して測定粒子径 (D) を決定し,5. d) に従って最少有効試料体積 (Vm)
を算出する。ただし,Vmを測定するための時間が1分間に満たない場合は,1分間以上とする。
2) 測定した有効試料体積 (V) 及び測定粒子数 (P) から式 (3) によって粒子個数濃度 (CM) を算出し,
測定粒子径 (D) から式 (4) によってnを計算する。
=
3
M
1.0
log
D
C
n
····································································· (4)
nは,小数点以下2けたまで計算し,切り上げて小数点以下1けたとする。
清浄度クラスNWのNは,nの小数部分がゼロのときは,N=nとし,それ以外は,N=n(整数部)
+1とする。ここで得られた清浄度クラスが,想定した清浄度クラスと等しいか又は清浄度クラス
の数値が大きい(清浄度が低い)ときは,ここで得られた清浄度クラスをその清浄度クラスとする。
それ以外の場合は,次の3) 以下の作業を行う。
3) 2) で得られた清浄度クラス (N) 及び測定粒子径 (D) から,表1又は式 (1) によって上限粒子個数
濃度を決定する。
4) 3) で得られた上限粒子個数濃度を,式 (2) のCUとしてVmを計算する。
5) Vが4) で得られたVm以上のときは,清浄度クラスを2) のNとする。
6) Vが4) で得られたVm未満のときは,Vを4) のVm以上として再度測定し,2)〜6) を繰り返す。
g) 測定結果の表示 清浄度の測定結果の表記には,次の項目を含める。
1) 測定日時
2) 測定点
3) 測定者
4) 測定器
5) 判定方法
6) 判定結果及び測定結果
7) 清浄度クラス
8) 対象粒子径及びその上限粒子個数濃度
9) この規格に従って試験した旨の記述
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附属書1(参考)逐次サンプリングによる判定方法
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
逐次サンプリングによる清浄度クラスの判定は,計測された累積粒子個数と,清浄度クラスの上限累積
粒子個数(想定した清浄度クラスの上限粒子個数濃度にある場合に,測定時間の経過とともに見込まれる
累積粒子個数)の95 %信頼区間上限値(上側限界値)及び下限値(下側限界値)との比較によって行う。
ここでは,比較を容易に行うことができる,合否判定基準表を用いる判定方法を示す。
1. 清浄度クラスの上限累積粒子個数による合否判定基準 粒子計数器による測定値は1個,2個,3個な
どと整数の離散値になるので,逐次サンプリングによる判定は,0〜20個の計測された累積粒子個数に対
しての判定基準である。本体の図1の合否判定は,0〜20個の計測された累積粒子個数と,清浄度クラス
の上限累積粒子個数とを用いて,附属書1表1で表すことができる。清浄度クラスの上限累積粒子個数E
の不合格値及び合格値は,それぞれ本体の式 (5) 及び式 (6) によって計算できる。
附属書1表 1 清浄度クラスの上限累積粒子個数Eによる合否判定基準
計測された累
積粒子個数
個
清浄度クラスの上限累積粒子個数E
個
不合格値(以下)
合格値(以上)
0
3.85
1
4.82
2
5.79
3
6.76
4
0.038 8
7.73
5
1.00
8.70
6
1.98
9.67
7
2.95
10.7
8
3.92
11.7
9
4.89
12.6
10
5.86
13.6
11
6.83
14.6
12
7.80
15.5
13
8.77
16.5
14
9.74
17.5
15
10.7
18.5
16
11.6
19.4
17
12.6
18
13.6
19
14.6
20
15.5
6
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2. 清浄度クラスの測定時間による合否判定基準 合否判定基準値は,清浄度クラスの上限累積粒子個数
Eよりも測定時間tで表した方が便利である。清浄度クラスの上限累積粒子個数Eは式 (1) で表されるが,
有効試料流量Q (L/min) 及び清浄度クラスの上限粒子個数濃度CU(個/L)は,実際の測定では定数となる
ので,上限累積粒子個数Eは測定時間tの比例関数になる。ここで,清浄度クラスの上限累積粒子個数が
20個 (E=20) となる測定時間をtEとすると,附属書1表1の合否判定基準値は,t/tEを用いて附属書1表
2で表すことができる。
E=Q×t×CU ············································································ (1)
20=Q×tE×CU ·········································································· (2)
t/tE=E/20 ················································································· (3)
実際の測定においてQ及びCUを決定すれば,式 (2) 及び附属書1表2を用いて,測定時間tを合否判
定基準とする合否判定基準表を作成できる。
附属書1表 2 t/tEによる合否判定基準
計測された累
積粒子個数
個
t/tE
不合格値(以下)
合格値(以上)
0
0.193
1
0.241
2
0.290
3
0.338
4
0.001 94
0.387
5
0.050 4
0.435
6
0.099 0
0.484
7
0.147
0.533
8
0.196
0.581
9
0.244
0.630
10
0.293
0.678
11
0.341
0.727
12
0.390
0.775
13
0.438
0.824
14
0.487
0.872
15
0.535
0.921
16
0.584
0.969
17
0.633
18
0.681
19
0.730
20
0.778
一例として,有効試料流量Q=0.02 L/min,清浄度クラスの上限粒子濃度CU=100個/Lの場合,式 (2) か
らtE=10 minとなり,附属書1表2の合否判定は,附属書1表3で表される。
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附属書1表 3 測定時間tによる合否判定基準(tE=10 minのとき)
計測された累
積粒子個数
個
測定時間t
min
不合格値(以下)
合格値(以上)
0
1.93(1分56秒)
1
2.41(2分25秒)
2
2.90(2分54秒)
3
3.38(3分23秒)
4
0.019 4(0分1秒) 3.87(3分53秒)
5
0.504(0分30秒)
4.35(4分21秒)
6
0.990(0分59秒)
4.84(4分51秒)
7
1.47(1分28秒)
5.33(5分20秒)
8
1.96(1分57秒)
5.81(5分49秒)
9
2.44(2分26秒)
6.30(6分18秒)
10
2.93(2分55秒)
6.78(6分47秒)
11
3.41(3分24秒)
7.27(7分17秒)
12
3.90(3分54秒)
7.75(7分45秒)
13
4.38(4分22秒)
8.24(8分15秒)
14
4.87(4分52秒)
8.72(8分44秒)
15
5.35(5分21秒)
9.21(9分13秒)
16
5.84(5分50秒)
9.69(9分42秒)
17
6.33(6分19秒)
18
6.81(6分48秒)
19
7.30(7分18秒)
20
7.78(7分46秒)
測定前に附属書1表3のような合否判定基準表を準備し,次のいずれかの条件に該当した時点で測定を
終了する。
a) 計測された累積粒子個数が,不合格値以下の測定時間で計数されたときは,想定清浄度クラスを満足
しないと判定する。
b) 計測された累積粒子個数が,合格値以上の測定時間を経過して計数されたときは,想定清浄度クラス
を満足すると判定する。
c) 計測された累積粒子個数が20個を超えたときは,想定清浄度クラスを満足しないと判定する。
d) 測定時間がtEに達した時点で計測された累積粒子個数が20個以下のときは,想定清浄度クラスを満
足すると判定する。
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附属書2(参考)清浄度クラスの判定及び決定例
この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
1. 清浄度クラスの判定例
1.1
粒子個数濃度測定による方法 清浄度クラスの判定例1及び判定例2を,次に示す。
例1 次のa)〜f) に示す。
a) 評価条件
想定清浄度クラス: クラス2 W
測定対象粒子径: 0.1 μm
粒子計数器の有効試料流量: 0.05 L/min
b) 上限粒子個数濃度を,本体の表1から確認するか,本体の式 (1) に従って計算する。
CU=102×(0.1/0.1)3=100個/L
c) 本体の式 (2) に従って最少有効試料体積を計算し,測定時間を決定する。
Vm=20/100=0.2 L
測定時間 (min)=最少有効試料体積Vm (L)/有効試料流量 (L/min)=0.2/0.05=4
したがって,測定時間は少なくとも4分間必要である。
d) 測定点で4分間測定を行った結果を示す。
0.1 μm以上の粒子個数: 16個
e) 本体の式 (3) に従って粒子個数濃度を算出する。
CM=16/0.2=80個/L
f)
清浄度クラスの判定 測定した粒子個数濃度は,想定した清浄度クラスの上限粒子個数濃度以下なの
で,測定対象は清浄度クラス2 Wを満足すると判定する。
例2 次のa)〜f) に示す。
a) 評価条件
想定清浄度クラス: クラス4 W
測定対象粒子径: 0.3 μm及び0.5 μm
粒子計数器の有効試料流量: 0.08 L/min
b) 上限粒子個数濃度を本体の表1から確認するか,本体の式 (1) に従って計算する。
− 0.3 μm以上の粒子について: CU=104×(0.1/0.3)3=370.4個/L
− 0.5 μm以上の粒子について: CU=104×(0.1/0.5)3=80個/L
c) 本体の式 (2) に従って最少有効試料体積を計算し,測定時間を決定する。
− 0.3 μm以上の測定粒子数を基準にする場合: Vm=20/370=0.054 L
− 0.5 μm以上の測定粒子数を基準にする場合: Vm=20/80=0.25 L
本体の5. b) によって,測定対象粒子径が複数の場合の最少有効試料体積は,実施者が決定するこ
ととなっている。ここでは,大きい方の測定対象粒子径を採用する場合を例にあげる。
最少有効試料体積 (0.25 L) 及び粒子計数器の有効試料流量 (0.08 L/min) から,測定時間は少なくと
も3.2分間必要であり,これは最少測定時間の1分間より長い。ここでは,測定時間を5分間とする
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(有効試料体積V=0.4 L)。
d) 測定点で5分間測定を行った結果を示す。
− 0.3 μm以上の測定粒子数: 127個
− 0.5 μm以上の測定粒子数: 31個
e) 本体の式 (3) に従って粒子個数濃度を算出する。
− 0.3 μm以上の粒子について: CM=127/0.4=317.5個/L
− 0.5 μm以上の粒子について: CM=31/0.4=77.5個/L
f)
清浄度クラスの判定 最小の測定対象粒子径0.3 μm以上の粒子について,測定した粒子個数濃度は想
定した清浄度クラスの上限粒子個数濃度以下なので,測定対象は清浄度クラス4 Wを満足すると判定
する。
1.2
逐次サンプリングによる方法 清浄度クラスの逐次サンプリングによる判定例を,次のa)〜c) に示
す。
a) 評価条件
想定清浄度クラス: クラス2 W
測定対象粒子径: 0.1 μm
粒子計数器の有効試料流量: 0.01 L/min
b) 上限粒子個数濃度を本体の表1から確認するか,本体の式 (1) に従って計算する。
CU=102×(0.1/0.1)3=100個/L
c) 合否判定基準表の作成 附属書1の式 (2) 及び附属書1表2を用いて,当該評価条件における合否判
定基準表(附属書2表1)を作成する。
tE=20/(0.01×100)=20 min
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2表 1 測定時間tによる合否判定基準(tE=20 minのとき)
計測された累
積粒子個数
個
測定時間t
min
不合格値(以下)
合格値(以上)
0
3.85(3分51秒)
1
4.82(4分50秒)
2
5.79(5分48秒)
3
6.76(6分46秒)
4
0.038 8(0分2秒)
7.73(7分44秒)
5
1.00(1分00秒)
8.70(8分48秒)
6
1.98(1分58秒)
9.67(9分41秒)
7
2.95(2分57秒)
10.7(10分42秒)
8
3.92(3分55秒)
11.7(11分42秒)
9
4.89(4分53秒)
12.6(12分36秒)
10
5.86(5分51秒)
13.6(13分36秒)
11
6.83(6分49秒)
14.6(14分36秒)
12
7.80(7分48秒)
15.5(15分30秒)
13
8.77(8分46秒)
16.5(16分30秒)
14
9.74(9分44秒)
17.5(17分30秒)
15
10.7(10分42秒)
18.5(18分30秒)
16
11.6(11分36秒)
19.4(19分24秒)
17
12.6(12分36秒)
18
13.6(13分36秒)
19
14.6(14分36秒)
20
15.5(15分30秒)
d) 粒子個数の測定及び判定 例えば,3分55秒以内に計測された累積粒子個数が8個に達すれば不合格,
計測された累積粒子個数が8個のまま測定時間が11分42秒以上経過すれば合格と判定し,測定を終
了する。測定は,合格又は不合格が確定するまで続ける。ただし,計測された累積粒子個数が20個を
超えたときは,その時点で不合格,20分間 (tE) 経過時点で計測された累積粒子個数が20個以下のと
きは合格と判定し,測定を終了する。
2. 清浄度クラスの決定例 清浄度クラスの決定例を,次のa)〜g) に示す。
a) 評価条件
想定清浄度クラス: クラス4 W
測定対象粒子径: 0.2 μm
粒子計数器の有効試料流量: 0.05 L/min
b) 上限粒子個数濃度を本体の表1から確認するか,本体の式 (1) に従って計算する。
CU=104×(0.1/0.2)3=1 250個/L
c) 本体の式 (2) に従って最少有効試料体積を計算し,測定時間を決定する。
Vm=20/1 250=0.016 L
最少有効試料体積 (0.016 L) 及び粒子計数器の有効試料流量 (0.05 L/min) から,測定時間は少なく
とも0.32分間必要であり,これは最少測定時間の1分間より短い。したがって,測定時間は1分間以
上となるが,ここでは測定時間を5分間とする(有効試料体積V=0.25 L)。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 測定点で5分間測定を行った結果を示す。
0.2 μm以上の測定粒子数: 27個
e) 本体の式 (3) 及び本体の式 (4) に従って,粒子個数濃度及び清浄度クラスを算出する。
CM=27/0.25=108個/L
n=log [108 (0.2/0.1)3]=2.9であり,整数部2+1=3,つまり清浄度クラス3 Wとなり,想定した清
浄度クラス (4 W) を上回る。
f) 得られた清浄度クラス及び測定対象粒子径から,本体の式 (1) によって上限粒子個数濃度を算出する。
CU=103×(0.1/0.2)3=125個/L
g) 得られた上限粒子個数濃度から,最少有効試料体積Vmを本体の式 (2) よって算出する。
Vm=20/125=0.16 L
実際に測定した有効試料体積Vは0.25 Lで,V≧Vmなので,測定対象の清浄度クラスは,クラス3 W
であると決定する(V<Vmの場合は,Vm以上の最小有効試料体積で再測定する。)。