K 0225 : 2002
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人化学物質
評価研究機構 (CERI) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによってJIS K 0225 : 1990は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS K 0225には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) ガルバニ電池式酸素計
附属書2(規定) 静電容量式水分計
附属書3(規定) 拡散管式校正用ガス調製装置及び水分計校正用ガスの調製方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 0225 : 2002
希釈ガス及びゼロガス中の
微量成分測定方法
Testing methods for determination of trace components
in diluent gas and zero gas
1. 適用範囲 この規格は,標準ガスの製造に用いる希釈ガス及び計測器の最小目盛値を校正するために
用いるゼロガス中の微量の窒素酸化物,二酸化硫黄,一酸化炭素,二酸化炭素,メタン,酸素及び水分の
濃度測定方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7952 大気中の二酸化硫黄自動計測器
JIS B 7953 大気中の窒素酸化物自動計測器
JIS C 1302 絶縁抵抗計
JIS G 3459 配管用ステンレス鋼管
JIS K 0032 亜硝酸イオン標準液
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則
JIS K 0103 排ガス中の硫黄酸化物分析方法
JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0151 赤外線ガス分析計
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0512 水素
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 1107 高純度窒素
JIS K 8197 N-1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩(試薬)
JIS K 8230 過酸化水素(試薬)
JIS K 8247 過マンガン酸カリウム(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8586 スルファニル酸(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS Z 8103 計測用語
2
K 0225 : 2002
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JIS Z 8401 数値の丸め方
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 0211及びJIS Z 8103によるほか,次による。
a) 希釈ガス 低濃度標準ガスを製造する際に,高濃度の標準ガスを希釈するために用いる適正な品質の
窒素又は空気で,製造した標準ガスが経時変化を起こすような成分又は製造した標準ガスの調製値に
影響を与えるような成分を含まないもの。
b) ゼロガス 計測器の最小目盛値を校正するために用いる窒素又は空気で,測定値に影響を与えるよう
な成分を含まないもの。
c) 試料ガス 希釈ガスとゼロガスの総称。
d) 窒素 JIS K 1107に規定する1級又はそれ以上の品質で高圧ガス容器詰めのもの。
e) 空気 酸素濃度が19〜23vol%で高圧ガス容器詰めのもの。
f)
窒素酸化物 一酸化窒素と二酸化窒素の合量。
4. 測定方法及び定量下限値 試料ガス中の各成分濃度の測定方法及び定量下限値は,表1による。
表1 測定方法及び定量下限値
成分
測定方法
定量下限値 (vol ppm)
窒素酸化物 化学発光法窒素酸化物計測器を用いる方法
0.005
ザルツマン吸光光度法
0.005
二酸化硫黄 紫外線蛍光法二酸化硫黄計測器を用いる方法
0.005
イオンクロマトグラフ法
0.005
一酸化炭素 ガスクロマトグラフ(水素炎イオン化検出器付き)法(1) 0.05
赤外線ガス分析計を用いる方法
0.05
二酸化炭素 ガスクロマトグラフ(水素炎イオン化検出器付き)法(1) 0.05
赤外線ガス分析計を用いる方法
0.05
メタン
ガスクロマトグラフ(水素炎イオン化検出器付き)法 0.05
酸素(2)
ガルバニ電池式酸素計を用いる方法
0.1
黄りん発光式分析法
0.1
水分
静電容量式水分計を用いる方法
2
露点計を用いる方法
2(露点温度−72℃)
注(1) ガスクロマトグラフ(水素炎イオン化検出器付き)法では,メタン化反応装置が必
要である。
(2) 試料ガスが窒素の場合だけ酸素の測定を行う。
備考 表1では推奨する測定方法及び定量下限値の一例を示したものであり,次の測定方
法で行ってもよい。
a) JISで定める排ガス中の分析方法,又は大気中の自動計測器の測定方法に準じる
方法。
b) 表1の測定方法と同等以上の測定精度であることを確認した方法。
5. 窒素酸化物濃度の測定
5.1
化学発光法窒素酸化物計測器を用いる方法
5.1.1
装置,器具及びガス類 装置,器具及びガス類は,次による。測定系の構成を図1に示す。
a) 化学発光法窒素酸化物計測器 計測器は,JIS B 7953の7.2.2(化学発光方式)に規定するもののうち,
0〜0.1vol ppmレンジをもつもの。
b) 校正用ガス調製装置 校正用ガス調製装置は,流量比混合方式の校正用ガス希釈装置で,ガス接触部
3
K 0225 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
分にJIS G 3459に規定するSUS304及びSUS316のもの又はこれと同等以上の吸着性及び反応性の少
ない材質であるものを用いる。
c) 窒素酸化物除去装置 窒素酸化物除去装置は,内径10〜15mm,長さ800〜1 000mmのステンレス鋼
製U字管に,合成ゼオライト(粒径範囲177〜250μm)を50g以上均一に充てんし活性化したもので,
液化アルゴンで冷却して用いる。
なお,これと同等以上の性能が確認されているゼロガス精製器などを用いてもよい。
d) 配管及びバルブ類 配管及びバルブ類の材質は,JIS G 3459に規定するSUS304又はSUS316のもの
を用いる。また,配管及びバルブ類は,できる限り短く,かつ,遊び空間ができないように接続する。
e) 圧力調整器 圧力調整器は,圧力調整機構をもつ調整器で,ガスの接触する部分の材質には,吸着性
及び反応性の少ないものか,無視できるものを用いる。
f)
精製ガス 精製ガスは,一酸化窒素校正用ガスを調製するときに一酸化窒素標準ガスをある濃度に希
釈するために用いるガスで,試料ガスが窒素の場合は高圧ガス容器詰めの窒素,試料ガスが空気の場
合は高圧ガス容器詰めの空気を窒素酸化物除去装置に通したものを用いる。
g) 一酸化窒素標準ガス 一酸化窒素標準ガス濃度が0.1〜100vol ppmのもの。
備考 ここでいう一酸化窒素標準ガスは,計量法標準供給制度(トレーサビリティ制度)で供給され
ている一酸化窒素実用標準ガス又は一酸化窒素特定二次標準ガスを指す。
図1 窒素酸化物測定系の構成(一例)
5.1.2
校正及び測定
5.1.2.1
流路切換方式の場合 流路切換方式の場合は,次による。
a) 計測器の流路を一酸化窒素測定流路とし,精製ガスを校正用ガス調製装置を経て計測器に定められた
流量で導入し,指示が安定した後,ゼロ調整を行う。
b) 計測器の流路を窒素酸化物測定流路とし,指示に変化がないことを確認する(3)。その後,再び計測器
の流路を一酸化窒素測定流路とする。
注(3) 変化の限度は,±1vol ppb。
c) 校正用ガス調製装置を用いて計測器の測定目盛範囲の90〜100%に相当する一酸化窒素校正用ガスを
4
K 0225 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
発生させ,これを計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,スパン調整を行う。
d) 計測器の流路を窒素酸化物測定流路とし,指示に変化がないことを確認する(3)。その後,再び計測器
の流路を一酸化窒素測定流路とする。
e) JIS K 0055の5.3.2(校正曲線の作成方法)に従って,校正曲線を作成する。
f)
計測器の流路を窒素酸化物測定流路とし,四方切換弁を操作し,試料ガスを計測器に定められた流量
で導入する。指示が安定した後,その値を読み取り,e)で作成した校正曲線から試料ガス中の窒素酸
化物濃度を求める。
5.1.2.2
光路切換方式及び二流路二光路方式の場合 光路切換方式及び二流路二光路方式の場合は,次に
よる。
a) 精製ガスを校正用ガス調製装置を経て計測器に定められた流量で導入し,一酸化窒素測定流路及び窒
素酸化物測定流路の指示が安定した後,それぞれゼロ調整を行う。
b) 校正用ガス調製装置を用いて計測器の測定目盛範囲の90〜100%に相当する一酸化窒素校正用ガスを
発生させ,これを計測器に定められた流量で導入し,一酸化窒素測定流路及び窒素酸化物測定流路の
指示が安定した後,スパン調整を行う。
c) JIS K 0055の5.3.2に従って,校正曲線を作成する。
d) 四方切換弁を操作し,試料ガスを計測器に定められた流量で導入し,窒素酸化物測定流路の指示が安
定した後,その値を読み取り,c)で作成した校正曲線から試料ガス中の窒素酸化物濃度を求める。
5.1.3
結果の表示 窒素酸化物濃度 (vol ppm) は,小数点以下4けた目まで求め,JIS Z 8401によって,
小数点以下3けたに丸めて表示する。ただし,窒素酸化物濃度が0.005 0vol ppmに満たないものは,0.005vol
ppm未満とする。
5.2
ザルツマン吸光光度法
5.2.1
要旨 試料ガス中に含まれる一酸化窒素及び二酸化窒素を吸収発色液(ザルツマン試薬)を用いる
吸光光度法によって同時に測定する方法である。
吸収発色液の一定量に一定流量の試料ガスを一定時間通気して二酸化窒素を吸収させ,吸収発色液の吸
光度を測定し,二酸化窒素濃度を求める。一酸化窒素は吸収発色液と反応しないため,酸化液で二酸化窒
素に変えてから,二酸化窒素と同様の方法で測定する。
5.2.2
試薬 試薬は,次による。
a) 水 JIS K 0557に規定する種別A2のもの。
b) 酢酸 JIS K 8355に規定するもの。
c) スルファニル酸 JIS K 8586に規定するもの。
d) 過マンガン酸カリウム JIS K 8247に規定するもの。
e) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
f)
亜硝酸イオン標準液 JIS K 0032に規定するもの。
g) 二酸化窒素標準液 (5.80μl NO2/ml) 亜硝酸イオン標準液を水で希釈して10mgNO2−/Lに調製する。
この二酸化窒素標準液1mlは,5.80μlNO2 (0℃,101.32kPa) に相当する。
h) N-1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩 JIS K 8197に規定するもの。
i)
N-1−ナフチルエチレンジアミン溶液 (1g/L) N-1−ナフチルエチレンジアミン二塩酸塩0.1gを水
100mlに溶解する。
j)
吸収発色液 スルファニル酸5gを,酢酸50mlを含む温水約900mlに溶解する。冷却後,N-1−ナフ
チルエチレンジアミン溶液 (1g/L) 50mlを加え,水で全量を1 000mlとし,褐色瓶に蓄える。
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K 0225 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
k) 酸化液 過マンガン酸カリウム25gを約900mlの水に溶かし,濃硫酸25g又は硫酸 (1+3) 52mlを加
え,全量を水で1Lにする。
5.2.3
試料ガス採取装置 図2に試料ガス採取装置の一例を示す。
5.2.4
試料ガスの採取 試料ガスの採取は,次による。
a) 吸収瓶2個を用意し,1個は二酸化窒素用に,他は一酸化窒素用に用いる。それぞれに吸収発色液10ml
ずつを入れる。
なお,吸収瓶は,最大孔径60μmのガラスろ過板付きのものを用いる。
b) 酸化瓶に酸化液10mlを入れ,測定前に60分間程度空気を通しておく。
なお,酸化瓶は直径1mmのノズルをもつ通常の吸収瓶を用いる。
c) 三方コックをガス排出側に回し(),次に配管内を試料ガスでパージする。パージ中に圧力調整器で
0.4L/min以下のガス流量に調整する。調整後,試料ガスボンベのバルブを閉じ,三方コックを吸収瓶
側に回す(
)。
d) ガスメータの指示を読み取った後,試料ガスボンベのバルブを開き,試料ガスを吸収瓶に通し,試料
ガスを採取する。所定の試料ガスを採取した後,試料ガスボンベのバルブを閉じ,ガスメータの指示
を読む。試料ガスの吸引流量は0.4L/min程度までとする。定量下限値の目安は,24Lの吸引量で0.005vol
ppm程度である。
図2 試料ガス採取装置(一例)
5.2.5
定量操作 通気終了20分後,各吸収瓶内の呈色液をそれぞれ10mmのセルに移し入れ,JIS K 0115
に基づき波長545nm付近で吸光度を測定する。対照液には吸収発色液を用いる。次に,検量線から二酸化
窒素及び一酸化窒素の体積を求める。
5.2.6
検量線の作成 二酸化窒素標準液0〜1.5mlを段階的に全量フラスコ10mlにとり,吸収発色液を標
線まで加える。これを常温で20分間放置した後,5.2.5の操作によって吸光度を測定し,二酸化窒素量と
吸光度との関係線を作成する。
5.2.7
計算 次の式によって試料ガス中の二酸化窒素又は一酸化窒素の濃度を算出する。
a) 試料ガス採取量の換算
32
.
101
273
273
v
m
a
s
P
P
P
t
V
V
−
+
×
+
×
=
ここに,
VS: 試料ガス採取量 (L) (0℃,101.32kPa)
V: 吸引ガス量 (L)
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Pa: 大気圧 (kPa)
Pm: ガスメータにおけるゲージ圧 (kPa)
t: ガスメータにおける温度 (℃)
PV: t℃における飽和水蒸気圧 (kPa)
b) 二酸化窒素又は一酸化窒素の濃度の算出
sV
V
C=
ここに,
C: 二酸化窒素又は一酸化窒素の濃度 (vol ppm)
V: 検量線から求めた二酸化窒素又は一酸化窒素 (μl)
5.2.8
結果の表示 5.1.3による。
6. 二酸化硫黄濃度の測定
6.1
紫外線蛍光法二酸化硫黄計測器を用いる方法
6.1.1
装置,器具及びガス類 装置,器具及びガス類は,次による。測定系の構成を図3に示す。
a) 紫外線蛍光法二酸化硫黄計測器 計測器は,JIS B 7952に規定する紫外線蛍光方式に基づくもので,0
〜0.1vol ppmレンジをもつもの。
b) 校正用ガス調製装置 5.1.1b)による。
c) 硫黄酸化物除去装置 硫黄酸化物除去装置は,内径20〜30mm,長さ800〜1 000mmのステンレス鋼
製円筒管に,合成ゼオライト(粒径範囲177〜250μm)を50g以上充てんし活性化したもの。
なお,これと同等以上の性能が確認されているゼロガス精製器などを用いてもよい。
d) 配管及びバルブ類 5.1.1d)による。
e) 圧力調製器 5.1.1e)による。
f)
精製ガス 精製ガスは,二酸化硫黄校正用ガスを調製するときに二酸化硫黄標準ガスをある濃度に希
釈するために用いるガスで,試料ガスが窒素の場合は高圧ガス容器詰めの窒素,試料ガスが空気の場
合は高圧ガス容器詰めの空気を硫黄酸化物除去装置に通したものを用いる。
g) 二酸化硫黄標準ガス 二酸化硫黄標準ガス濃度が0.1〜100vol ppmのもの。
備考 ここでいう二酸化硫黄標準ガスは,計量標準供給制度(トレーサビリティ制度)で供給されて
いる二酸化硫黄実用標準ガス又は二酸化硫黄特定二次標準ガスを指す。
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図3 二酸化硫黄測定系の構成(一例)
6.1.2
校正及び測定 校正及び測定は,次の順序で行う。
a) 精製ガスを校正用ガス調製装置を経て計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,ゼロ調
整を行う。
b) 校正用ガス調製装置を用いて計測器の測定目盛範囲の90〜100%に相当する二酸化硫黄校正用ガスを
発生させ,これを計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,スパン調整を行う。
c) JIS K 0055の5.3.2に従って,校正曲線を作成する。
d) 四方切換弁を操作し,試料ガスを計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,その値を読
み取り,c)で作成した校正曲線から試料ガス中の二酸化硫黄濃度を求める。
6.1.3
結果の表示 二酸化硫黄濃度 (vol ppm) は,小数点以下4けた目まで求め,JIS Z 8401によって,
小数点以下3けたに丸めて表示する。ただし,二酸化硫黄濃度が0.005 0vol ppmに満たないものは,0.005vol
ppm未満とする。
6.2
イオンクロマトグラフ法
6.2.1
要旨 試料ガスを過酸化水素水に吸収させ,二酸化硫黄を硫酸イオンに変えて,イオンクロマトグ
ラフ法で定量する。
6.2.2
試薬 試薬は,次による。
a) 水 JIS K 0557に規定する種別A2の水。
b) 過酸化水素水 JIS K 8230に規定するもの。
c) 過酸化水素水 (1+99) 過酸化水素水10mlをとり,水990mlを加えたもの。
6.2.3
装置 装置は,次による。
a) 試料ガス採取装置 図4に試料ガス採取装置の一例を示す。
b) イオンクロマトグラフ JIS K 0103の6.2.3(イオンクロマトグラフ)による。
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図4 試料ガス採取装置(一例)
6.2.4
試料ガスの採取 試料ガスの採取は,次による。
a) 吸収瓶2個を用意し,それぞれに吸収液である過酸化水素水 (1+99) を10mlずつ入れる。
b) 三方コックをガス排出側に回し(),次に配管内を試料ガスでパージする。パージ中に圧力調整器で
0.5L/min以下のガス流量に調整する。調整後,試料ガスボンベのバルブを閉じ,三方コックを吸収瓶
側に回す(
)。
c) ガスメータの指示を読み取った後,試料ガスボンベのバルブを開き,試料ガスを吸収瓶に通し,試料
ガスを採取する。所定の試料ガスを採取した後,試料ガスボンベのバルブを閉じ,ガスメータの指示
を読む。試料ガスの吸引流量は,0.5L/min程度までとする。定量下限値の目安は200Lの吸引量で
0.005vol ppm程度である。
6.2.5
定量操作 イオンクロマトグラフの分析条件及び定量操作は,JIS K 0103の6.2(イオンクロマト
グラフ法)による。
6.2.6
計算 JIS K 0103の6.2.6に従って二酸化硫黄の濃度を算出する。
6.2.7
結果の表示 6.1.3による。
7. 一酸化炭素濃度の測定
7.1
ガスクロマトグラフを用いる方法
7.1.1
装置,器具及びガス類 装置,器具及びガス類は,次のとおりとし,測定系の構成を図5に示す。
a) ガスクロマトグラフ ガスクロマトグラフは,JIS K 0114の5.(装置)に規定するもので,次による。
1) 検出器 水素炎イオン化検出器
2) カラム用管 ステンレス鋼製,内径3〜4mm,長さ2〜8m
3) 充てん剤 合成ゼオライト(粒径範囲177〜250μm)
4) メタン化反応装置 メタン化反応装置は,カラムで分離された一酸化炭素を還元触媒管(4)によって
メタンに変換するための装置。
注(4) 還元触媒管は,内径3〜4mm,長さ200〜250mmのステンレス鋼製の管にニッケル触媒を均一に
充てんし,水素雰囲気中で450℃に加熱して用いる。
5) キャリヤーガス 7.1.1f)の窒素の精製ガス
6) 附属装置 自動試料導入装置及びデータ処理装置
b) 校正用ガス調製装置 5.1.1b)による。
c) 一酸化炭素除去装置 一酸化炭素除去装置は,酸化剤管の後に合成ゼオライト管を接続したもの。
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K 0225 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
なお,これと同等以上の性能が確認されているゼロガス精製器などを用いてもよい。
1) 酸化剤管 酸化剤管は,内径20〜30mm,長さ100〜200mmのステンレス鋼製円筒管に,粒状酸化
第二銅(粒径範囲177〜250μm)を50g以上均一に充てんし活性化したもので,250℃に加熱して用
いる。
2) 合成ゼオライト管 合成ゼオライト管は,内径20〜30mm,長さ100〜200mmのステンレス鋼製円
筒管に,合成ゼオライト(粒径範囲177〜250μm)を50g以上均一に充てんし活性化したもの。
d) 配管及びバルブ類 5.1.1d)による。
e) 圧力調整器 5.1.1e)による。
f)
精製ガス 精製ガスは,一酸化炭素校正用ガスを調製するときに一酸化炭素標準ガスをある濃度に希
釈するために用いるガスで,試料ガスが窒素の場合は高圧ガス容器詰めの窒素,試料ガスが空気の場
合は高圧ガス容器詰めの空気を一酸化炭素除去装置に通したものを用いる。
なお,窒素の精製ガスはキャリヤーガスにも用いる。
g) 一酸化炭素標準ガス 一酸化炭素標準ガス濃度が3〜1 000vol ppmのもの。
備考 ここでいう一酸化炭素標準ガスは,計量法標準供給制度(トレーサビリティ制度)で供給され
ている一酸化炭素実用標準ガス又は一酸化炭素特定二次標準ガスを指す。
図5 一酸化炭素測定系の構成(一例)
7.1.2
校正及び測定 校正及び測定は,次の順序で行う。
a) ガスクロマトグラフを次の条件に設定し,指示が安定した後,ゼロ調整を行う。
1) カラム槽温度 40〜80℃
2) キャリヤーガス流量 20〜60ml/min
b) 校正用ガス調製装置から1.0vol ppmの一酸化炭素校正用ガスを発生させ,その5mlを自動試料導入装
置を用いてガスクロマトグラフに導入し,感度調整を行う。
c) 1.0vol ppmの一酸化炭素校正用ガス5mlを自動試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導入し,
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K 0225 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ピーク面積を求める。
d) 校正用ガス調製装置から0.5vol ppmの一酸化炭素校正用ガスを発生させ,その5mlを自動試料導入装
置を用いてガスクロマトグラフに導入し,ピーク面積を求める。
e) 試料ガス5mlを自動試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導入し,ピーク面積を求める。
f)
JIS K 0114の11.4(絶対検量線法)に従って,試料ガス中の一酸化炭素濃度を求める。
備考1. ガスクロマトグラフの校正は,校正用ガス調製装置による希釈校正用ガスの代わりに,3vol
ppm一酸化炭素標準ガスをそのまま用いて行ってもよい。
2. c)〜e)の試料採取には,温度・圧力などに十分注意して常に一定量採取することを心掛ける。
7.1.3
結果の表示 一酸化炭素濃度 (vol ppm) は,小数点以下3けた目まで求め,JIS Z 8401によって,
小数点以下2けたに丸めて表示する。ただし,一酸化炭素濃度が0.050vol ppmに満たないものは,0.05vol
ppm未満と表示する。
7.2
赤外線一酸化炭素分析計を用いる方法
7.2.1
装置,器具及びガス類 装置,機器及びガス類は,次による。測定系の構成を図5に示す。
a) 赤外線一酸化炭素分析計 分析計は,JIS K 0151に規定する赤外線吸収方式に基づくもので,0〜1vol
ppmレンジをもつもの。
b) 校正用ガス調製装置 5.1.1b)による。
c) 一酸化炭素除去装置 7.1.1c)による。
d) 配管及びバルブ類 5.1.1d)による。
e) 圧力調整器 5.1.1e)による。
f)
精製ガス 7.1.1f)による。
g) 一酸化炭素標準ガス 7.1.1g)による。
7.2.2
校正及び測定 校正及び測定は,次の順序で行う。
a) 精製ガスを校正用ガス調製装置を経て計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,ゼロ調
整を行う。
b) 校正用ガス調製装置を用いて計測器の測定目盛範囲の90〜100%に相当する一酸化炭素校正用ガスを
発生させ,これを計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,スパン調整を行う。
c) JIS K 0055の5.3.2に従って,校正曲線を作成する。
d) 四方切換弁を操作し,試料ガスを計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,その値を読
み取り,c)で作成した校正曲線から試料ガス中の一酸化炭素濃度を求める。
7.2.3
結果の表示 7.1.3による。
8. 二酸化炭素濃度の測定
8.1
ガスクロマトグラフを用いる方法
8.1.1
装置,器具及びガス類 装置,器具及びガス類は,次による。測定系の構成を図6に示す。
a) ガスクロマトグラフ 7.1.1a)による。
1) 検出器 7.1.1a)の1)による。
2) カラム用管 7.1.1a)の2)による。
3) 充てん剤 ポーラスポリマー(粒径範囲149〜177μm)
4) メタン化反応装置 メタン化反応装置は,7.1.1a)の4)と同じもので,カラムで分離された二酸化炭
素を還元触媒管によってメタンに変換するための装置。
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5) キャリヤーガス 8.1.1f)の精製窒素
6) 附属装置 7.1.1a)の6)による。
b) 校正用ガス調製装置 5.1.1b)による。
c) 二酸化炭素除去装置 7.1.1c)の2)による。
d) 配管及びバルブ類 5.1.1d)による。
e) 圧力調整器 5.1.1e)による。
f)
精製ガス 精製ガスは,二酸化炭素校正用ガスを調製するときに二酸化炭素標準ガスをある濃度に希
釈するために用いるガスで,試料ガスが窒素の場合は高圧ガス容器詰めの窒素,試料ガスが空気の場
合は高圧ガス容器詰めの空気を二酸化炭素除去装置に通したものを用いる。
なお,窒素の精製ガスはキャリヤーガスにも用いる。
g) 二酸化炭素標準ガス 二酸化炭素標準ガス濃度が3〜1 000vol ppmのもの。
備考 ここでいう二酸化炭素標準ガスは,計量法標準供給制度(トレーサビリティ制度)で供給され
ている二酸化炭素実用標準ガス又は二酸化炭素特定二次標準ガスを指す。
図6 二酸化炭素測定系の構成(一例)
8.1.2
校正及び測定 校正及び測定は,次の順序で行う。
a) ガスクロマトグラフを次の条件に設定し,指示が安定した後,ゼロ調整を行う。
1) カラム槽温度 40〜80℃
2) キャリヤーガス流量 20〜60ml/min
b) 校正用ガス調製装置から1.0vol ppmの二酸化炭素校正用ガスを発生させ,その5mlを自動試料導入装
置を用いてガスクロマトグラフに導入し,感度調整を行う。
c) 1.0vol ppmの二酸化炭素校正用ガス5mlを自動試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導入し,
ピーク面積を求める。
d) 校正用ガス調製装置から0.5vol ppmの二酸化炭素校正用ガスを発生させ,その5mlを自動試料導入装
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置を用いてガスクロマトグラフに導入し,ピーク面積を求める。
e) 試料ガス5mlを自動試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導入し,ピーク面積を求める。
f)
JIS K 0114の11.4に従って,試料ガス中の二酸化炭素濃度を求める。
備考1. ガスクロマトグラフの校正は,校正用ガス調製装置による希釈校正用ガスの代わりに,3vol
ppm二酸化炭素標準ガスをそのまま用いて行ってもよい。
2. c)〜e)の試料採取には,温度・圧力などに十分注意して常に一定量採取することを心掛ける。
8.1.3
結果の表示 二酸化炭素濃度 (vol ppm) は,小数点以下3けた目まで求め,JIS Z 8401によって,
小数点以下2けたに丸めて表示する。ただし,二酸化炭素濃度が0.050vol ppmに満たないものは,0.05vol
ppm未満と表示する。
8.2
赤外線二酸化炭素分析計を用いる方法
8.2.1
装置,器具及びガス類 装置,機器及びガス類は,次による。測定系の構成を図5に示す。
a) 赤外線二酸化炭素分析計 分析計は,JIS K 0151に規定する赤外線吸収方式に基づくもので,0〜1vol
ppmレンジをもつもの。
b) 校正用ガス調製装置 5.1.1b)による。
c) 二酸化炭素除去装置 7.1.1c)の2)による。
d) 配管及びバルブ類 5.1.1d)による。
e) 圧力調整器 5.1.1e)による。
f)
精製ガス 8.1.1f)による。
g) 二酸化炭素標準ガス 8.1.1g)による。
8.2.2
校正及び測定 校正及び測定は,次の順序で行う。
a) 精製ガスを校正用ガス調製装置を経て計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,ゼロ調
整を行う。
b) 校正用ガス調製装置を用いて計測器の測定目盛範囲の90〜100%に相当する二酸化炭素校正用ガスを
発生させ,これを計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,スパン調整を行う。
c) JIS K 0055の5.3.2に従って,校正曲線を作成する。
d) 四方切換弁を操作し,試料ガスを計測器に定められた流量で導入し,指示が安定した後,その値を読
み取り,c)で作成した校正曲線から試料ガス中の二酸化炭素濃度を求める。
8.2.3
結果の表示 8.1.3による。
9. メタン濃度の測定
9.1
装置,機器及びガス類 装置,機器及びガス類は,次による。測定系の構成を図7に示す。
a) ガスクロマトグラフ 7.1.1a)による。
1) 検出器 7.1.1a)の1)による。
2) カラム用管 ステンレス鋼製,内径3〜4mm,長さ2〜3m
3) 充てん剤 7.1.1a)の3)による。
4) キャリヤーガス 9.1.1f)の精製窒素
5) 附属装置 7.1.1a)の6)による。
b) 校正用ガス調製装置 5.1.1b)による。
c) メタン除去装置 メタン除去装置は,酸化触媒管の後に合成ゼオライト管を接続したもの。
1) 酸化触媒管 酸化触媒管は,内径20〜30mm,長さ100〜200mmのステンレス鋼製円筒管に,白金
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系酸化触媒(粒径範囲177〜250μm)を50g以上均一に充てんし活性化したもので,450℃に加熱し
て用いる。
2) 合成ゼオライト管 7.1.1c)の2)による。
d) 配管及びバルブ類 5.1.1d)による。
e) 圧力調整器 5.1.1e)による。
f)
精製窒素 精製窒素は,キャリヤーガス及びメタン校正用ガスを調製するときにメタン標準ガスをあ
る濃度に希釈するために用いるガスで,高圧ガス容器詰めの窒素をメタン除去装置に通したもの。
g) メタン標準ガス メタン標準ガス濃度が1〜50vol ppmのもの。
備考 ここでいうメタン標準ガスは,計量法標準供給制度(トレーサビリティ制度)で供給されてい
るメタン実用標準ガス又はメタン特定二次標準ガスを指す。
図7 メタン測定系の構成(一例)
9.2
校正及び測定 校正及び測定は,次の順序で行う。
a) ガスクロマトグラフを次の条件に設定し,指示が安定した後,ゼロ調整を行う。
1) カラム槽温度 40〜80℃
2) キャリヤーガス流量 20〜60ml/min
b) 校正用ガス調製装置から0.5vol ppmのメタン校正用ガスを発生させ,その5mlを自動試料導入装置を
用いてガスクロマトグラフに導入し,感度調整を行う。
c) 0.5vol ppmのメタン校正用ガス5mlを自動試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導入し,ピー
ク面積を求める。
d) 校正用ガス調製装置から0.2vol ppmのメタン校正用ガスを発生させ,その5mlを自動試料導入装置を
用いてガスクロマトグラフに導入し,ピーク面積を求める。
e) 試料ガス5mlを自動試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導入し,ピーク面積を求める。
f)
JIS K 0114の11.4に従って,試料ガス中のメタン濃度を求める。
備考1. ガスクロマトグラフの校正は,校正用ガス調製装置による希釈校正用ガスの代わりに,1vol
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ppmメタン炭素標準ガスをそのまま用いて行ってもよい。
2. c)〜e)の試料採取には,温度・圧力などに十分注意して常に一定量採取することを心掛ける。
9.3
結果の表示 メタン濃度 (vol ppm) は,小数点以下3けた目まで求め,JIS Z 8401によって,小数
点以下2けたに丸めて表示する。ただし,メタン濃度が0.050vol ppmに満たないものは,0.05vol ppm未満
と表示する。
10. 酸素濃度の測定
10.1 ガルバニ電池式酸素計を用いる方法
10.1.1 装置,機器及びガス類 装置,機器及びガス類は,次による。測定系の構成を図8に示す。
a) ガルバニ電池式酸素計 酸素計は,附属書1による。
b) 校正用ガス調製装置 5.1.1b)による。
c) 酸素除去装置 酸素除去装置は,窒素中の酸素濃度を0.01vol ppm以下に低減できるもの。
参考 酸素除去装置には,市販品として酸化マンガン系の吸着剤を使用した製品がある。
d) 配管及びバルブ類 5.1.1d)による。
e) 圧力調整器 5.1.1e)による。
f)
精製窒素 精製窒素は,酸素校正用ガスを調製するときに酸素標準ガスをある濃度に希釈するために
用いるガスで,高圧ガス容器詰めの窒素を酸素除去装置に通したもの。
g) 酸素標準ガス 標準ガス濃度が1vol %のもの。
備考 ここでいう酸素標準ガスは,計量法標準供給制度(トレーサビリティ制度)で供給されている
酸素実用標準ガス又は酸素特定二次標準ガスを指す。
h) 酸素混合ガス 酸素標準ガスとJIS K 1107に規定する1級の窒素を用いて質量比混合法で調製した高
圧容器詰め又は流量比混合法で調製した酸素濃度360〜400vol ppmのもの。
図8 酸素測定系の構成(一例)
10.1.2 校正及び測定 校正及び測定は,次による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 精製窒素を校正用ガス調製装置を経て酸素計に定められた流量で導入し,指示が安定した後,ゼロ調
整を行う。
b) 校正用ガス調製装置を用いて酸素計の測定目盛範囲の90〜100%に相当する酸素校正用ガスを発生さ
せ,これを酸素計に定められた流量で導入し,指示が安定した後,スパン調整を行う。
c) JIS K 0055の5.3.2に従って,校正曲線を作成する。
d) 四方切換弁を操作し,試料ガスを酸素計に定められた流量で導入し,指示が安定した後,その値を読
み取り,c)で作成した校正曲線から試料ガス中の酸素濃度を求める。
10.1.3 結果の表示 酸素濃度 (vol ppm) は,小数点以下2けた目まで求め,JIS Z 8401によって,小数点
以下1けたに丸めて表示する。ただし,酸素濃度が0.10vol ppmに満たないものは,0.1vol ppm未満と表示
する。
10.2 黄りん発光式分析法を用いる方法
10.2.1 装置,機器,ガス類及び試薬 装置,機器,ガス類及び試薬は,次による。測定系の構成を図8
に示す。
a) 黄りん発光式分析計 JIS K 0512の6.7.2(黄りん発光式分析法)による測定装置を用いる。
b) 校正用ガス調製装置 5.1.1b)による。
c) 酸素除去装置 10.1.1c)による。
d) 配管及びバルブ類 5.1.1d)による。
e) 圧力調整器 5.1.1e)による。
f)
精製窒素 10.1.1f)による。
g) 酸素標準ガス 10.1.1g)による。
h) 酸素混合ガス 10.1.1h)による。
i)
試薬 黄りん
10.2.2 校正及び測定 校正及び測定は,次による。
a) 電源が断の状態で電流計の指示がゼロを指していることを確認後,電源を入の状態でゼロ調整を行う。
b) 校正用ガス調製装置を用いて酸素計の測定目盛範囲の90〜100%に相当する酸素校正用ガスを発生さ
せ,これを酸素計に定められた流量で導入し,指示が安定した後,スパン調整を行う。ゼロ及びスパ
ン調整を繰り返し,指示に変化のないことを確認する。
c) JIS K 0055の4.3.2に従って,校正曲線を作成する。
d) 四方切換弁を操作し,試料ガスを酸素計に定められた流量で導入し,指示が安定した後,その値を読
み取り,c)で作成した校正曲線から試料ガス中の酸素濃度を求める。
10.2.3 結果の表示 10.1.3による。
11. 水分濃度の測定
11.1 静電容量式水分計を用いる方法
11.1.1 装置,機器及びガス類 装置,機器及びガス類は,次による。測定系の構成を図9に示す。
a) 静電容量式水分計 静電容量式水分計は,附属書2による。
b) 校正用ガス調製装置 校正用ガス調製装置は,拡散管式校正用ガス調製装置で附属書3による。
c) 水分除去装置 水分除去装置は,内径30〜35mm,長さ350〜400mmのステンレス鋼製又はガラス製
容器に,合成ゼオライト(粒径範囲177〜250μm)を200g以上均一に充てんし活性化したもの。
なお,これと同等以上の性能が確認されているゼロガス精製器などを用いてもよい。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
d) 配管及びバルブ類 5.1.1d)によるものとし,かつ,校正用ガス,試料ガス及び精製ガスの接触部分は,
調製装置の恒温水槽の設定温度よりやや高め(40℃程度)に保温する(5)。
注(5) 水分除去装置から調製装置までの流路は,精製ガスの流量及び恒温水槽の温度に影響を与える
ので,保温しない。
e) 圧力調整器 5.1.1e)による。
f)
精製ガス 精製ガスは,水分校正用ガスを調整するときに用いるガスで,高圧ガス容器詰めの窒素又
は空気を水分除去装置に通したもの。
図9 水分測定系の構成(一例)
11.1.2 校正及び測定
11.1.2.1 準備操作 準備操作は,次の順序で行う。ただし,記号は,図9による。
a) 水分計への配管を保温して,弁V3及び調製装置への流路を閉じ(6),弁V2及びS1を開け,精製ガスを
弁VSを経て水分計に定められた流量で2時間以上(7)導入し,指示を安定させる。
注(6) 調製装置への流路の開閉は,内蔵の弁で行う。
(7) 水分計及び配管を大気に開放した場合や長時間使用せず放置状態にあった場合は,24時間以上
とする。
b) a)の操作が終了する1時間前(8)から精製ガスを調製装置に導入して,附属書3の3.(校正用ガスの調
製方法)に従って,水分5vol ppmの校正用ガスを調製し弁VSを経て大気に放出させておく。
注(8) 調製装置の安定には,約1時間を要する。
11.1.2.2 校正 校正は,次の手順で行う。ただし,記号は,図9による。
a) 弁V2を閉じ,弁VSを切り換えて水分5vol ppmの校正用ガスを弁V1の調節によって水分計に定めら
れた流量で導入する。
b) 水分計の指示が安定したときの値 (Q) を読み取り,11.1.3の計算に用いる。
c) 附属書3の3.に従って水分15vol ppmの校正用ガスを調製する。このガスを弁V1の調節によって水分
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
計に定められた流量で4時間以上導入する。
d) 水分計の指示が安定したときの値 (R) を読み取り,11.1.3の計算に用いる。
11.1.2.3 測定 測定は,次の順序で行う。ただし,記号は,図9による。
a) 調製装置の流路を閉じる。
b) 弁V2を開け,弁VSを切り換え,精製ガスを水分計に定められた流量で2時間以上導入し,指示値を
安定させる。
c) 弁V2を閉じ,弁V3を開けて試料ガスを水分計に定められた流量で導入する。
d) 水分計の指示が安定したときの値 (S) を読み取り,11.1.3の計算に用いる。
e) 連続して別の試料ガスを測定する場合は,弁V3を閉じ,弁V2を開け,精製ガスを水分計に定められ
た流量で2時間以上導入する。
f)
水分計の指示が安定した後,c)及びd)の操作を行う。
g) 測定が終了したときには,直ちに弁V3を閉じ,弁V2を開け,精製ガスを低流量で流し続けるか,又
は弁V2, 弁V3及びS1を閉じ,系内を静圧に保持しておく。
11.1.3 計算 次の式によって,試料ガス中の水分を求める。
5
)
(
)
(
)5
15
(
w
+
−
−
×
−
=
Q
R
Q
S
C
ここに,
CW: 試料ガス中の水分 (vol ppm)
Q, R, S: 11.1.2.2及び11.1.2.3の指示値
11.1.4 結果の表示 水分濃度 (vol ppm) は,小数点以下1けた目まで求め,JIS K 8401によって,整数に
丸めて表示する。ただし,水分濃度が2.0vol ppmに満たないものは,2vol ppm未満と表示する。
11.2 露点計による方法
11.2.1 装置,器具及びガス類 装置,器具及びガス類は,次による。測定系の構成を図10に示す。
a) 光学式露点計 露点計は,鏡面の観測,温度調節を自動化した露点計を用いる。
b) 水分除去装置 11.1.1c)による。
c) 配管及びバルブ類 5.1.1(1)による。
d) 圧力調整器 5.1.1e)による。
e) 精製ガス 11.1.1f)による。
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図10 水分測定系の構成(一例)
11.2.2 準備操作及び測定
11.2.2.1 準備操作 準備操作は,次による。
a) 精製ガスが露点計に流れるように四方切換弁を切り換える。
b) 露点計への配管を保温して,精製ガスを水分計に定められた流量で1時間以上(9)導入し,指示を安定
させる。
注(9) 水分計及び配管を大気に開放した場合や長時間使用せず放置状態にあった場合は,24時間以上
とする。
11.2.2.2 測定 測定は,次の順序で行う。
a) 四方切換弁を試料ガス側に切り換える。
b) 試料ガスを露点計に定められた流量で導入し,指示を安定させる。露点計の指示が安定したときの露
点温度を読み取り,JIS K 0512の表2の露点温度−水分濃度換算表を用いて水分濃度を求める。
11.2.3 結果の表示 11.1.4による。
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附属書1(規定) ガルバニ電池式酸素計
1. 適用範囲 この附属書は,希釈ガス及びゼロガス中の微量酸素濃度の測定に用いるガルバニ電池式酸
素計(以下,酸素計という。)について規定する。
2. 酸素計の構成 酸素計は,圧力調整器,バイパス弁,絞り弁,流量計,検出器,増幅器,温度補償回
路,指示記録計などで構成し,次による。酸素計の構成例を附属書1図1に示す。
附属書1図1 酸素計の構成(一例)
3. 検出器 検出器は,ガス透過性隔膜,作用電極,対電極などを備えたガルバニ電池を用いる。
a) ガス透過性隔膜 ガス透過性隔膜は,酸素の透過性に優れたもので,電解液の流出や蒸発を防ぐこと
ができるもの,例えば,四ふっ化エチレン樹脂膜を用いる。
b) 作用電極 作用電極は,電解液中に拡散,吸収された酸素が電解還元されたときに,酸素の濃度に対
応した電解電流を発生させるための電極で,銀電極又は白金電極を用いる。
c) 対電極 対電極は,作用電極と対の電気回路を構成する電極で,カドミウム電極,鉛電極などを用い
る。
d) 電解液 電解液は,水酸化カリウム溶液を用いる。
4. 酸素計の性能 酸素計は,次の性能を満足していなければならない。
a) 測定レンジ 測定レンジは,0〜1vol ppm及び0〜2vol ppmとする。
b) 繰返し性 5.2a)で試験を行ったとき,その偏差は,0〜1vol ppmレンジにおいては最大目盛値の±3%
以内,0〜2vol ppmレンジにおいては最大目盛値の±2%以内でなければならない。
c) ゼロドリフト 5.2b)で試験を行ったとき,その最大変動幅は,各レンジごとに最大目盛値の±3%以内
でなければならない。
d) スパンドリフト 5.2c)で試験を行ったとき,その最大変動幅は,各レンジごとに最大目盛値の±3%以
内でなければならない。
e) 直線性(指示誤差) 5.2d)で試験を行ったとき,その直線性(指示誤差)は,各レンジごとに最大目
盛値の±2%以内でなければならない。
f)
応答時間 5.2e)で試験を行ったとき,その応答時間は,2分以下でなければならない。
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g) 試料ガスの流量変化に対する安定性 5.2f)で試験を行ったとき,その指示変化は,いずれも各レンジ
ごとに最大目盛値の±2%以内でなければならない。
h) 電源変動に対する安定性 5.2g)で試験を行ったとき,その指示変化は,いずれも各レンジごとに最大
目盛値の±2%以内でなければならない。
i)
絶縁抵抗 5.2h)で試験を行ったとき,絶縁抵抗は2MΩ以上でなければならない。
5. 酸素計の性能試験方法
5.1
試験条件 試験条件は,次による。
a) 温度 20±15℃
b) 湿度 相対湿度 (65±20) %
c) 電源電圧 定格電圧
d) 暖機時間 製造業者の指定する暖機時間
5.2
試験方法 試験方法は,次による。
a) 繰返し性 精製窒素を酸素計に定められた流量で導入し,指示を安定させる。次に,スパンガスを同
様に導入し,指示が安定したときの値を読み取る。これらの操作を3回繰り返し,スパンガス(1)を用
いたときの3回の各指示値とその平均値との差の最大目盛値に対する比をそれぞれ求める。
注(1) スパンガスは,校正用ガス調製装置へ精製窒素及び酸素標準ガスを導入して得られたガス。
b) ゼロドリフト 精製窒素を酸素計に定められた流量で導入し,8時間連続測定を行う。この間におけ
るゼロ指示値の設定値から最大目盛値に対する最大変動幅を求める。
c) スパンドリフト スパンガスを酸素計に定められた流量で導入し,8時間連続測定を行う。この間に
おけるスパン指示値の設定値から最大目盛値に対する最大変動幅を求める。
d) 直線性(指示誤差) ゼロ調整及びスパン調整を行った後,中間目盛付近の濃度の校正用ガスを導入
し,指示が安定したときの値と校正用ガス濃度表示値との差の最大目盛値に対する比を求める。
e) 応答時間 校正用ガス導入口から精製窒素を酸素計に定められた流量で導入し,指示が安定した後,
スパンガスを同様に導入する。スパン導入時から最終指示値の90%値に達するまでの時間をはかる。
f)
試料ガスの流量変化に対する安定性 校正用ガス導入口からスパンガスを酸素計に定められた流量で
導入し,指示が安定したときの値 (A) を読み取る。次に,流量を設定値から+10%変化させ,指示が
安定したときの値 (B) を読み取る。さらに,流量を設定値から−10%変化させ,指示値が安定したと
きの値 (C) を読み取る。 (B−A) 及び (C−A) の各レンジの最大目盛値に対する比をそれぞれ求める。
g) 電源変動に対する安定性 校正用ガス導入口からスパンガスを酸素計に決められた流量で導入し,指
示が安定したときの値 (A) を読み取る。
次に,電源電圧を定格電圧の+10%に徐々に変化させ,指示値が安定したときの値 (B) を読み取る。
さらに,定格電圧の−10%に徐々に変化させ,指示値が安定したときの値 (C) を読み取る。
h) 絶縁抵抗 酸素計の電気回路を閉の状態で電源端子一括と外箱との間の絶縁抵抗をJIS C 1302に規定
する直流500V絶縁抵抗計で測定する。
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附属書2(規定) 静電容量式水分計
1. 適用範囲 この附属書は,希釈ガス及びゼロガス中の微量水分濃度の測定に用いる静電容量式水分計
(以下,水分計という。)について規定する。
2. 水分計 水分計は,検出器,流量計,増幅器,リニアライザ,指示記録計などで構成し,次による。
水分計の構成例を附属書2図1に示す。
a) 検出器 検出器は,アルミニウムを基板とし,その上に酸化アルミニウム層を作り,更に金を蒸着さ
せた三層の金属膜からなり,アルミニウムと金とを両極としたインピーダンス素子で,水分を電気信
号として検出できるもの。
b) 流量計 流量計は,フロート形面積流量計で,精製ガス,水分校正用ガス及び試料ガスの流量を±5%
の精度で測定できるもの。
c) 増幅器 増幅器は,検出器からの微小信号を増幅し,水分に換算した電気信号に変換できるもの。
d) リニアライザ リニアライザは,増幅器の信号と水分との関係を直線化できるもの。
附属書2図1 水分計の構成(一例)
3. 水分計の性能 水分計は,次の性能を満足していなければならない。
a) 測定レンジ 測定レンジは,2〜20vol ppmとする。
b) 繰返し性 4.2a)の試験を行ったとき,その繰返し性は,±1vol ppm以内でなければならない。
c) ドリフト 4.2b)の試験を行ったとき,そのドリフトは,±1vol ppm以内でなければならない・
d) 直線性(指示誤差) 4.2c)の試験を行ったとき,その直線性(指示誤差)は,±1vol ppm以内でなけ
ればならない。
e) 応答時間 4.2d)の試験を行ったとき,その応答時間は,15分以下でなければならない。
4. 水分計の性能試験方法
4.1
試験条件 試験条件は,次による。
a) 温度 20±15℃
b) 湿度 相対湿度 (65±20) %
22
K 0225 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 電源電圧 定格電圧
d) 暖機時間 製造業者の指定する暖機時間
4.2
試験方法 試験方法は,次による。
a) 繰返し性 水分10vol ppmの校正用ガスを水分計に定められた流量で導入し,指示が安定したときの
値を読み取る。次に,水分5vol ppmの校正用ガスを導入する(1)。これらの操作を3回繰り返し,水分
10vol ppmの校正用ガスを用いたときの3回の各指示値とその平均値との差をそれぞれ求める。
注(1) 指示を安定させる必要はない。
b) ドリフト 水分15vol ppmの校正用ガスを水分計に定められた流量で導入し,指示が安定したときの
値 (A) を読み取る。その後,8時間連続測定を行い,この間における指示値のAからの最大変動幅を
求める。
c) 直線性(指示誤差) 水分5vol ppmの校正用ガスを水分計に定められた流量で導入し,指示が安定し
たときの値 (A) を読み取る。次に,水分15vol ppmの校正用ガスを導入し,指示が安定したときの値
(B) を読み取る。さらに,水分10vol ppmの校正用ガスを導入し,指示が安定したときの値 (C) を読
み取る。
+
−
−
×
−
5
)
(
)
(
)5
15
(
A
B
A
C
vol ppmと10vol ppmとの差を求める。
d) 応答時間 精製ガスを水分計に定められた流量で導入し,指示が安定した後,水分20vol ppmの校正
用ガスを同様に導入する。校正用ガスの導入時から最終指示値の90%値に達するまでの時間をはかる。
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附属書3(規定) 拡散管式校正用ガス調製装置及び
水分計校正用ガスの調製方法
1. 適用範囲 この附属書は,希釈ガス及びゼロガス中の微量水分濃度の測定に用いる静電容量式水分計
を校正する際に使用する拡散管式校正用ガス調製装置(以下,調製装置という。)及び校正用ガスの調製方
法について規定する。
2. 調製装置 調製装置は,拡散管,恒温水槽,温度計,流量計,熱交換器,混合器などから構成し,次
による。調製装置の構成を附属書3図1に示す。
a) 拡散管 拡散管は,底部に精製水を入れて35℃の温度に保持したとき,所定の水拡散速度をもつもの。
備考 拡散管は,校正用ガスの水分に適合した水拡散速度をもつものを選ぶ。
b) 恒温水槽 恒温水槽は,拡散管の温度を35±0.1℃に保持できるもの。
c) 温度計 温度計は,温度範囲0〜50℃,最小目盛0.1℃の基準ガラス製温度計。
d) 流量計 流量計は,流量範囲0〜10L/min,最小目盛0.2L/minのフロート形面積流量計で,精製ガスの
流量を±2%の精度で測定できるもの。
e) 熱交換器 熱交換器は,精製ガスの温度を拡散管温度と同一にできるステンレス鋼製管。
f)
混合器 混合器は,ステンレス鋼製で,精製ガスと拡散管から発生する水分とを均一に混合できるも
の。
g) 精製水 精製水は,JIS K 0050の7.3(水)に規定されたもの。
h) 配管及びバルブ 配管及びバルブは,できる限り短く,かつ,遊び空間ができないように接続する。
ただし,恒温水槽の水との接触部分は溶接する。配管及びバルブの材質は,アルミニウム,ステンレ
ス鋼又は黄銅とする。
附属書3図1 拡散管式校正用ガス調製装置の構成(一例)
3. 校正用ガスの調製方法 校正用ガスの調製方法は,次による。
a) 調製装置の恒温水槽の温度を35℃に設定し,安定化させる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 拡散管に精製水を規定量入れた後,これを調製装置の所定位置に装着し,精製ガスを1L/minの流量で
流しながら1時間放置し,安定化させる。
c) 精製水を入れた拡散管を取り出し,その質量を0.1mgのけたまで正確にひょう量し,その後直ちに所
定位置に装着する。この操作を1〜2日間隔で少なくとも4回繰り返し,単位時間当たりの拡散管の質
量減少量を最小二乗法で求め,この値を水拡散速度(1)とする。
注(1) 0.01μg/minのけたまで求める。
備考 水拡散速度は,精製水が規定量下限以下にならないか又は拡散管を変えなければ一定である。
d) 精製ガスの流量を,次の式によって求める。
C
R
P
t
M
F
d
3.
101
273
273
4.
22
×
×
+
×
=
ここに,
F: 精製ガスの流量 (L/min)
M: 水の分子量 (=18)
t: 室内温度 (℃)(2)
P: 大気圧 (kPa)(3)
Rd: 水拡散速度 (μg/min)
C: 校正用ガスの水分 (vol ppm)
注(2) 室内温度は,最小目盛0.1℃の基準ガラス製温度計を用いて0.1℃のけたまで正確に読み取る。
(3) 大気圧は,フォルタン形水銀気圧計を用いて,正確に読み取る。
e) 精製ガスの流量をd)で求めた値に設定し(4),所定水分の校正用ガスを調製する。
注(4) 精製ガス流量を設定する際,精製ガスが窒素の場合と空気の場合とでその流量を補正する。精
製ガス流量は,0.1L/minのけたまで正確に読み取る。
日本工業標準調査会 標準部会 一般化学技術専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
川 瀬 晃
セイコーインスツルメンツ株式会社科学機器事業部
(委員)
齋 藤 壽
社団法人日本分析機器工業会
角 田 欣 一
群馬大学工学部応用化学科
中 村 陽
旭化成株式会社研究開発本部基盤技術センター
中 村 進
独立行政法人産業技術総合研究所
中 村 洋
東京理科大学薬学部
西 川 輝 彦
石油連盟
西 本 右 子
神奈川大学理学部化学科
槇 宏
日本プラスチック工業連盟
松 本 潔
社団法人日本化学工業協会
松 本 保 輔
財団法人化学物質評価研究機構
森 嵜 功 一
社団法人日本試薬協会