K 0215:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
3.1 一般共通 ······················································································································ 2
3.2 電気化学分析機器 ·········································································································· 3
3.3 光分析機器 ··················································································································· 6
3.4 電磁気分析機器 ············································································································ 12
3.5 表面分析機器 ··············································································································· 24
3.6 分離分析機器 ··············································································································· 27
3.7 流れ分析機器 ··············································································································· 36
3.8 熱分析機器 ·················································································································· 37
3.9 自動(連続)分析機器(環境分析,プロセス用・現場用分析) ·············································· 40
3.10 バイオテクノロジー分析機器 ························································································· 45
K 0215:2016
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
分析機器工業会(JAIMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業
規格である。
これによって,JIS K 0215:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 0215:2016
分析化学用語(分析機器部門)
Technical terms for analytical chemistry (Analytical instrument part)
1
適用範囲
この規格は,化学分析における分析機器部門で用いる主な用語及びその定義について規定する。
2
分類
用語の分類は,次による。
a) 一般共通
b) 電気化学分析機器
c) 光分析機器
d) 電磁気分析機器
1) 質量分析機器
2) X線分析機器
3) 電子顕微鏡
4) 核磁気共鳴装置
e) 表面分析機器
f)
分離分析機器
1) クロマトグラフ
2) 電気泳動分析機器
g) 流れ分析機器
h) 熱分析機器
i)
自動(連続)分析機器(環境分析,プロセス用・現場用分析)
j)
バイオテクノロジー分析機器
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。
なお,記載方法は,次による。
a) 二つ以上の用語を並べた場合は,その欄の順序に従って優先使用する。
b) 用語は,通常それぞれ箇条2の分類の範囲内で用いるものであるが,誤解のおそれのある用語につい
ては,用語の後の丸括弧内に使用分野を示す。
c) 用語の読み方が紛らわしいものについては,用語の下に丸括弧書きでひらがなの読み方を示す。
d) 対応英語(参考)で,コンマ(,)を挟んで二つ以上併記してあるものは,それぞれ同義語である。
e) 汎用されるアルファベットによる略記号は,用語及び対応英語の欄に併記する。
2
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.1
一般共通
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
機器分析
機器を使用する化学分析。特に電磁気分析,光分析,熱
分析,クロマトグラフィーなどの大形又は中形の装置を
使用する場合にいう。
instrumental analysis
1002
検出下限,
検出限界
検出できる最小量(値)。
limit of detection (LOD),
detection limit,
limit of identification
1003
検出器
測定の対象となる物理量,物質などを検知して,電流,
電圧などの信号に変換するための素子,器具又は装置の
総称。
detector
1004
検知管
管内に発色試薬などを含む吸着剤又は液体を充塡し,こ
れに気体を通過させ,その気体の微量成分の検出又は簡
易な定量を行うための器具。
detecting tube
1005
検量線
物質の特定の性質,量,濃度などと測定値との関係を表
した線。
calibration curve,
working curve
1006
検量線用溶液
検量線を作成するために使用する濃度既知の溶液。
working solution
1007
校正(分析計の)
標準器,標準物質などを用いて分析計の表す値とその真
の値との関係を求め,偏りを補正する操作。
calibration (of analyzer)
1008
最小目盛
装置がもつ最小の目盛。
minimum scale
1009
最大目盛
装置がもつ最大の目盛。
maximum scale
1010
試料溶液
液体又は固体の試料を前処理して,測定できる状態に調
製した溶液。
test solution
1011
超臨界流体抽出,
SFE
超臨界流体を用いた抽出。
supercritical fluid
extraction,
SFE
1012
定性分析
物質に含まれる分析種の種類を明らかにするために行う
化学分析。
qualitative analysis
1013
定量下限
ある分析方法で,分析種の定量が可能な最小量(値)又
は最小濃度。
minimum limit of
determination
1014
定量上限
ある分析方法で,分析種の定量が可能な最大量(値)又
は最大濃度。
maximum limit of
determination
1015
定量分析
分析種の量的関係を明らかにするために行う化学分析。 quantitative analysis
1016
定量範囲
定量上限から定量下限までの範囲。
range of quantitation
1017
内標準法
分析種(A)を含む複数標準試料に分析対象とは異なる
標準の一定量(B)を添加して分析を行い,量比(A/B)
と信号比(IA/IB)との関係線を作成し,次に目的試料に
内標準成分の既知量を添加して分析し,先に求めた関係
線から分析種を定量する方法。
internal standard method
1018
バリデーション
手順,工程,機械設備,原材料,行動又はシステムのい
ずれもが,所期の結果を与えることを立証する成文化さ
れた行為。
validation
1019
分解
分離,定性,定量などの操作を行う前に,試料に化学的
操作を施して,処理しやすい形の構成成分の混合物に変
える処理。
decomposition
1020
分析計,
分析機器
分析種の性質,構造,組成などの定性的,定量的な測定
を行い,規定の信号に変換する機械又は機器。
analyzer,
analyser
1021
分析検査
調製した分析用試料を用いて分析し,その結果を製品規
格に規定した化学成分の規定値と比較判定する合否検
査。
−
3
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1022
分析誤差
化学分析を行うときに生じる誤差。
analytical error,
analysis error
1023
分析システム
複数の分析用要素が有機的に関係し合い,全体としてま
とまった機能を発揮する分析装置の集合体。
analytical instruments
system
1024
分析種,
分析対象成分
分析試料又は試料溶液中の被検成分。
analyte
1025
分析試料
a) 分析を行うために,分析用試料からはかりとった試
料。
b) 測定にかけられる状態に調製した試料。
analytical sample
1026
分析線
a) 分光分析において,元素の定量に利用される特定の
線スペクトル(目的元素の輝線)。
b) 発光分析において,特定元素の定量のために利用し
ようとする特定波長の輝線。
analytical line
1027
分析装置
分析試料の測定,データ解析などの機能をもった装置。 analytical instrument
3.2
電気化学分析機器
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2001
アノード
電気化学的酸化反応が起こる側の電極。
anode
2002
アンペロメトリー
作用電極に一定の電位(電圧)を印加して流れる電流を
測定する分析法。
amperometry
2003
イオン移動ボルタンメ
トリー
二つの液体中に入れた電極によって分極電位を変え,界
面を横切るイオンの移動による電流を測定する方法。
ion transfer voltammetry
2004
イオン交換膜電極
イオン交換膜を感応膜とするイオン選択性電極。
ion-exchange membrane
electrode
2005
イオン選択性電極式濃
度計,
イオンメーター,
イオン計
検出にイオン選択性電極を用いてイオン濃度(活量)を
測定する機器。
ion meter
2006
イオン電極,
イオン選択性電極,
ISE
溶液中の特定イオンの活量に応答し,電位を発生する電
極。
ion selective electrode,
ISE
2007
液間電位差
二種の電解質溶液が接触するときに,その両電解質溶液
間に生じる電位差。
liquid junction potential
2008
液絡(電気化学分析の) 電解質溶液による電気的な接続。
liquid junction (for
electrochemical
analysis)
2009
塩橋
二つ電解質溶液の混合を防止して相互作用を減少させ,
電気的な接触を得るために用いる電解質の溶液又はゲ
ル。
salt bridge
2010
カソード
電気化学的還元反応が起こる側の電極。
cathode
2011
ガラス電極
ガラス膜を感応膜とするH+,Na+などのイオン選択性電
極。一般には,H+を測定する電極を指す。
glass electrode
2012
ガルバニ電池
二種の異なる金属を半電池として,金属などの電子伝導
体の相と電解質溶液などのイオン伝導体とを含む少なく
とも二つの相が直列に接続している電池。
galvanic cell
2013
ガルバニ電池式酸素計 作用電極(Agカソードなど)と対極(Pbアノードなど)
とからなる電池で,隔膜を通して拡散する酸素の還元電
流を測定して酸素濃度を測定する機器。
galvanic cell type
oxygen analyzer
2014
ガルバノスタット
作用電極に流れる電流を一定に保って電解する機器。
galvanostat
4
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2015
カロメル電極
Hg|Hg2Cl2|Cl−の電極系からなる参照電極(比較電
極)。
calomel electrode
2016
銀−塩化銀電極
Ag|AgCl|Cl−の電極系からなる参照電極(比較電極)。 silver-silver chloride
electrode
2017
くし形電極
微小くし形の電極を2個,対向させた,化学的に可逆な
系に対して片側で酸化,もう一方の電極で還元を起こさ
せ,電極間での酸化還元を効率よく起させることによっ
て,検出感度を増大できる電気化学電極。
comb electrode
2018
クーロメーター,
ボルタメーター
電流と時間との積である電気量を求める装置。
coulometer,
voltameter
2019
酵素電極
酵素を固定した酵素膜を反応の場とする膜電極。
enzyme electrode
2020
固体電解質
イオン伝導性をもつ固体。
solid electrolyte
2021
固体膜電極
難溶性の固体感応膜を利用するイオン選択性電極。
solid-state membrane
electrode
2022
サイクリックボルタン
メトリー
作用電極の電位をある範囲内で往復掃引し,応答して流
れる電流と電極電位との関係を測定するボルタンメトリ
ー。
cyclic voltammetry
2023
作用電極
電極反応を行わせるための電極のうち,目的の電極反応
が行われる電極。
working electrode
2024
酸化還元電位差計,
ORP計
水溶液中の酸化体と還元体との活量比の平衡電位を測定
するための機器。
oxidation-reduction
potentiometer
2025
参照電極,
比較電極
作用電極又は指示電極と組み合わせて,電位を測定又は
制御するために基準とする電極。
reference electrode
2026
残余電流
注目する電極反応過程以外の原因で流れる電流。
residual current
2027
支持電解質
電極反応系において,泳動電流を無視できる程度に小さ
くするために用いる,より難電解性の電解質。
supporting electrolyte
2028
指示電極
溶液の電気化学的性質の変化を監視するための電極。
indicator electrode
2029
修飾電極
付加的な機能をもたせるために,表面を適切な化学種で
修飾した電極。
modified electrode
2030
ジルコニア式酸素計
部分安定化したジルコニアを固体電解質として用いる電
気化学的な酸素濃度計。
zirconia type oxygen
analyzer
2031
水素電極
Pt|H2|H+の半電池からなり,2H++2e=H2の電極反応
平衡電位を示す電極。
hydrogen electrode
2032
ストリッピング法,
溶出波ボルタンメトリ
ー
目的成分を電解によって電極上に析出,濃縮させた後,
電気化学的に溶出させて,溶出電位からイオンの定性分
析を,その電流値又は電気量から定量分析する方法。
stripping method
2033
セル定数(電気伝導率
測定の)
電気伝導率を測定するセル固有の定数で,コンダクタン
スと電気伝導率との比。
cell constant (for
conductivity
measurement)
2034
選択係数(イオン電極
の)
水溶液中の共存イオンが,測定対象イオンによる電位に
及ぼす影響の程度を示す値。
selectivity constant (of
ion selective electrode)
2035
電気化学インピーダン
ス法
試料に交流電圧を印加したときに流れる電流から,試料
特性を評価する方法。
electrochemical
impedance method
2036
対極
作用電極と対にして用いる電極。
counter electrode
2037
直流ポーラログラフィ
ー
電極に直流電圧を印加掃引して電極電位と電流との関係
を解析する分析方法。
direct current
polarography
2038
定電位電解分析法
作用電極の電位を一定にして電解を行う分析方法。
electrolytic analysis at
constant potential
5
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
2039
定電流電解分析法
作用電極に流れる電流を一定にして電解を行う分析方
法。
electrolytic analysis at
constant current
2040
滴下水銀電極
毛管の先端から水銀を滴下させて用いる電極。
dropping mercury
electrode
2041
電位差滴定法
分析種を含む溶液中に浸した指示電極の電位変化を測定
して,滴定の終点を求める滴定方法。
potentiometric titration
2042
電解重量分析法
電解によって電極上に析出した物質の質量を測定して,
分析する方法。
electrogravimetric
analysis
2043
電解分析法
電解によって変化する化学量を測定して,定性及び/又
は定量を行う電気化学分析法。
electrolytic analysis
2044
電気化学光電池
電子伝導体又はイオン伝導体中の化学種が光エネルギー
を吸収して生じる電気化学反応を駆動力とする電池。
electrochemical
photocell
2045
電気化学セル
電気化学分析において電気化学現象の進行する電極をも
つ容器。
electrochemical cell
2046
電気化学発光法
電極反応に伴って生じる光のふく(輻)射を測定する分
析方法。
electro-
chemiluminescence
2047
電気化学分析法
物質の電気的性質又は電気化学的性質を利用して定性及
び/又は定量を行う分析方法。
electrochemical analysis
2048
電気伝導度(溶液の) 溶液の電気抵抗(Ω)の逆数。単位はS(ジーメンス)。 conductance (of solution)
2049
電気伝導率(溶液の),
導電率(溶液の)
溶液がもつ電気抵抗率(Ω・m)の逆数。単位はS/m。
conductivity (of solution)
2050
電気伝導率計,
導電率計
溶液の電気伝導率を測定する機器。
conductivity meter
2051
電気伝導率セル,
導電率セル
電気伝導率を測定するためのセル。
conductivity cell
2052
電気伝導度滴定法
分析種を含む溶液の電気伝導度の変化から滴定の終点を
求める滴定法。
conductometric titration
2053
電流滴定法
分析種を含む溶液に浸した電極間に流れる電流変化から
滴定の終点を決定する滴定法。
amperometric titration
2054
電量滴定法,
クーロン滴定法
電流効率100 %で電解発生させた滴定剤で滴定を行い,
電解に要した電気量から定量を行う滴定法。
coulometric titration
2055
電量分析法
100 %の電流効率が得られる条件で分析種を直接電解
し,完全に電解されつくすまでに要する電気量から定量
を行う分析方法。
coulometric analysis
2056
内部電極
内部液をもつ電極の内部液中に挿入して組み込まれた半
電池。
internal electrode
2057
濃淡電池
電解質の濃度だけが異なる二つの半電池から構成される
電池。
concentration cell
2058
パルスポーラログラフ
ィー
ポーラログラフィーにおいて,電極間電位の変化にパル
ス状電圧を重畳させる分析方法。
pulse polarography
2059
半電池
金属などの電子伝導体の相と電解質溶液などのイオン伝
導体の相とを含む,少なくとも二つの相が直列に接触し
ている系。
注記 二つの半電池を組み合わせれば電池を構成するこ
とができる。
half cell
2060
半導体電気化学センサ
ー
電気化学反応による信号を半導体素子の特性に変換して
動作するセンサー。
semiconductor
electrochemical sensor
2061
半波電位
電気活性物質の電流電位曲線において,波高又は拡散電
流値の半分の電流を与える電位。記号はE1/2で示す。
half-wave potential
6
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2062
pH計
指示電極と比較電極との電位差から水溶液のpH値を測
定する機器。
pH meter
2063
pHスタット
溶液のpH値を一定に保持する機器。
pH-stat
2064
微小電極(電気化学分
析の)
電極間に電流を流しても溶液中の電気活性成分の濃度変
化が無視できるほど小さな表面積をもつ電極。
microelectrode (for
electrochemical
analysis)
2065
微分パルスポーラログ
ラフィー
パルス状電圧を重畳させて得られるポーラログラムの微
分係数を解析して行う分析方法。
derivative pulse
polarography
2066
フロークーロメトリー 流れ分析にフロー電解セルを用いる電量分析法。
flow coulometry
2067
フロー電解セル
目的の電気活性物質が電解セルの入口から出口に至る間
に,ほぼ100 %の電解効率で迅速電解できる流通式電気
化学セル。
flow electrolytic cell
2068
ポーラログラフ
ポーラログラフィーを行うための装置。
polarograph
2069
ポーラログラフィー
電極間電位を変化させながら,電解によって得られる電
流−電位(電圧)曲線を解析して行う分析方法。ボルタ
ンメトリーと同義で用いられるが,滴下水銀電極を用い
る場合はこの用語を用いる。
polarography
2070
ポーラログラフ式酸素
計
選択性ガス透過膜で被覆した固定電極を用いて,酸素の
ポーラログラフィー(ボルタンメトリー)を行う濃度計。
polarographic oxygen
analyzer
2071
ポテンシオスタット
作用電極の電位を一定に保って電解する機器。
potentiostat
2072
ボルタモグラム
ボルタンメトリーで得られる,電流−電位(電圧)曲線。 voltammogram
2073
ボルタンメトリー
電極間電位を変化させながら,電解によって得られる電
圧−電流曲線又は電流−電位(電圧)曲線を解析して行
う分析方法。ポーラログラフィーの中で,電極に水銀を
用いない場合,主にこの用語を用いる。
voltammetry
2074
膜電極
選択性膜とその内側に設置された各種電極とで構成され
る電極系。
membrane electrode
2075
溶存酸素計
水又は水溶液中の溶存酸素を測定する機器。
dissolved oxygen meter
3.3
光分析機器
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3001
エシェル格子
きょ(鋸)歯状の直線溝を刻み,溝の急斜面側に光を入
射させ,高次の回折線を得られるようにした回折格子。
echelette grating
3002
イオン化干渉(発光分
光分析の)
試料溶液中に共存する元素がプラズマでイオン化し,電
子密度が増加することによって,分析種のイオン化率が
変化する現象。
ionic interference (for
atomic emission
spectrometry)
3003
インターフェログラム,
干渉図形
干渉計からの信号を,光の光路差を横軸に,光の強度を
縦軸にとって示した図形。
interferogram
3004
炎光光度計
励起源に炎を用い,分析種の発光スペクトル強度を測定
する機器。
flame photometer
3005
炎光分光光度計
波長選択部にモノクロメーターを用いた炎光光度計。
flame spectrophotometer
3006
円二色性分散計
紫外線から赤外線領域における試料の円偏光二色性スペ
クトルを測定する機器。
circular dichroism
spectrometer
3007
回折格子
平面に格子状の溝を刻み,光の回折現象を利用する分散
素子。凹面形状のものもある。
diffraction grating
3008
化学修飾剤
試料溶液中の干渉成分の影響を除去又は抑制するために
用いられる物質。
matrix modifier
3009
化学干渉
測定の過程で生成する化合物によって生じる干渉。
chemical interference
7
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3010
拡散反射法
拡散された反射光から反射率を求める方法。
diffused reflection
3011
還元気化法(原子吸光
分析の)
原子吸光分析のため,試料溶液中の分析種を還元しガス
状物質とする方法。
reducing vaporization
method (for atomic
absorption
spectrometry)
3012
干渉(光分析の)
a) 原子スペクトル分析において,共存物の影響などに
よって分析値に誤差を生じる現象。
注記 分光干渉,物理干渉,化学干渉,イオン化
干渉などがある。
b) 二つ以上の光波が同一点で重なり合って互いに強め
合う,又は弱め合う現象。
interference (for optical
analysis)
3013
干渉フィルター
薄膜又はその多重層膜の光の干渉作用を利用し,必要と
する波長の光を取り出せるようにした光学フィルター。
interference filter
3014
キセノンランプ
高圧で封入したキセノン中でのアーク放電を用いた放電
管。
xenon lamp
3015
逆火
(ぎゃっか)
炎がバーナー内に引き込まれて燃焼する現象。
back fire,
flash back
3016
キャリヤーガス(ICP
発光分光分析の)
誘導結合プラズマにおいて,試料をプラズマへ導入する
ためのガス。
carrier gas (for ICP
atomic emission
spectrometry)
3017
キャリヤーガス(原子
吸光分析又は発光分
光分析の)
試料溶液又はその霧若しくは分析種の蒸気を搬送するた
めのガス。
carrier gas (for atomic
absorption
spectrometry or atomic
emission spectrometry)
3018
吸光度
試料を透過した光の強度と,透過前の光の強度との比を
常用対数で表した数値。
absorbance
3019
吸収セル
光の吸収を測定するために試料,対照液,ガスなどを入
れる容器。
absorption cell
3020
蛍光
物質の分子が光によって励起一重項状態に励起され,そ
れが基底状態に遷移するときに発生する光。
fluorescence
3021
蛍光光度計
蛍光強度を測定する機器。
fluorometer
3022
蛍光分光光度計
波長選択のために,励起光側はフィルター,蛍光測光側
はモノクロメーターを用いて蛍光強度を測定する機器。
励起光側にモノクロメーター,蛍光測光側にフィルター
を用いた機器も蛍光分光光度計という。
spectrofluorometer,
fluoro spectrophotometer
3023
原子吸光光度計
分析種を原子化し,その原子蒸気による光の吸収を測定
する機器。
atomic absorption
spectrometer
3024
原子吸光分光光度計
波長選択部にモノクロメーターを用いた原子吸光光度
計。
atomic absorption
spectrophotometer
3025
光学的零位法
複光束方式の分光分析機器において,試料側光束の光量
と対照側光束の光量とが等しくなるように,対照側の光
束中に設置した光減衰器を出し入れさせ,その変位から
透過率を求める方法。
optical null method
3026
光学フィルター
特定波長域の光を通過させ,他の波長域の光を吸収する
物質からなる層を用いて,特定波長域の光を取り出すた
めに用いる光学素子。
optical filter
3027
光源
光分析において,光波(光量子)を発生・放射する部分。
測定に用いる光の放射体。
light source
8
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3028
光電管
光の照射によって電子を放出する陰極と電子を受け取る
陽極とをガラス管内に封入したもので,管内に中間電極
を備えていない光検出素子。
phototube
3029
光電子増倍管
光電管と同様な光電子発生機構をもつが,陰極と陽極と
の間に,電子を増加させるための一つ以上の中間電極を
備えた光検出素子。
photomultiplier
3030
光電測光法
光電子増倍管又は半導体検出器などを用いて,スペクト
ル線強度の測定を行う方法。
photoelectric detection
method
3031
光伝導セル
光の照射によって抵抗が変化する現象を利用した測光素
子。
photoconductive cell
3032
光度計
光の強度を測定する機器。
photometer
3033
シーケンシャル形分光
器
分光した入射光の一連のスペクトル線の強度を逐次測定
する分光器。
sequential scanning
spectrometer
3034
シースガス(原子吸光
分析の)
分析種,装置の加熱部分の材質の酸化,窒化などを防ぐ
ために用いる不活性ガス。
sheath gas (for atomic
absorption
spectrometry)
3035
紫外・可視分光光度計 紫外領域・可視領域で分光器によって分散したスペクト
ルを光電測光法で測定する機器。
ultraviolet-visible
spectrometer
3036
重水素ランプ
低圧の重水素を封入した放電管。
deuterium lamp
3037
消光(蛍光光度分析の) 光によって励起された分子が,他の分子との衝突,化学
反応などによって蛍光を発する活性を失う現象。
quenching (for fluoro
spectrometry)
3038
錠剤法(赤外分光分析
の)
測定波長範囲における光の吸収が少ない微粉状の媒体中
に,微粉化した試料を均一に混合し,錠剤に成形する試
料調製方法。
disk method,
tablet method (for
infrared spectrometry)
3039
焦電素子
ピロ電子を発生する結晶を用いた光検出素子。
pyroelectric element
3040
助燃ガス(光分析の) 原子吸光分析法,炎光光度法などにおいて,燃焼を助け
るために混合するガス。通常,空気,酸素などが用いら
れる。
auxiliary gas (for optical
analysis)
3041
試料セル(吸光光度法
の)
試料を入れる吸収セル。
sample cell (for
absorptiometry)
3042
試料電極(発光分光分
析の)
試料自体を電極として調製した放電電極。通常,対電極
としてグラファイト電極を用いる。
sample electrode (for
atomic emission
spectrometry)
3043
真空紫外線
波長が約180 nmよりも短い紫外線。
vacuum ultraviolet
radiation
3044
真空熱電対
真空にした石英ガラス管などの中に熱電対を封入した光
検出素子。
vacuum thermocouple
3045
シングルモノクロメー
ター
一つの回折格子,プリズムなど,単一の分散素子を用い
たモノクロメーター。
single monochromator
3046
水銀ランプ
封入した水銀蒸気中のアーク放電を利用した放電管。
mercury lamp
3047
水素化物発生装置
試料溶液中の分析種(例えば,ひ素,セレン,アンチモ
ンなどの化合物)を還元して気体状の水素化合物とし,
原子化部又は発光部に導入する機器。
hydride generator
3048
スパーク放電(発光分
光分析の)
試料電極と対電極との間に微動電場を与えたとき起こる
放電。
spark discharge (for
atomic emission
spectrometry)
3049
スプレーチャンバー
(発光分光分析の)
試料溶液の大きな粒径の液滴を分離除去し,微細な液滴
だけを発光部に導入する器具。
spray chamber (for
atomic emission
spectrometry)
9
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3050
スペクトル
光を単色光成分に分解して波長の大きさの順に並べた情
報,又は一つの放射源から発生する電磁波をプリズム,
回折格子などの分散素子によって分散した放射。
spectrum
3051
スロットバーナー
細い溝状の開口部をもった原子吸光用バーナー。
slot burner
3052
顕微赤外測定装置,
赤外顕微鏡(分光分析
の)
400 cm−1付近から4 000 cm−1付近までの波数領域の赤外
線を用いて試料の微小部分を分光分析することができる
装置。光路及び対物鏡の切り替えによって透過,反射,
ATR及び高感度反射測定が可能な装置もある。
infrared microscope (for
spectrometry)
3053
赤外分光光度計
400 cm−1付近から4 000 cm−1付近までの波数領域の測定
が可能な分光光度計。
infrared
spectrophotometer
3054
積分球
反射を定量的に測定する目的で,試料物質に照射して得
た反射光を,定めた立体角内全体にわたって集光するた
めの機器。
integrating sphere
3055
ゼロ合わせ(透過パー
セントの)
透過パーセントをゼロに合わせる操作。
zero adjustment (of
percent transmission)
3056
旋光計
旋光性物質の旋光度を測る機器。
polarimeter
3057
全反射減衰法,
ATR
屈折率の高いプリズムに分析波長の光を臨界角以上の角
度で分析種に入射し,そのプリズム及び試料内部界面で
全反射を起こさせ,試料の物質表面の吸収スペクトルを
得る方法。
attenuated total
reflectance method,
ATR
3058
全噴霧バーナー
吸い上げた試料溶液の全てをフレーム中に噴霧し,原子
化又は発光させる方式のバーナー。
total consumption
burner
3059
相対反射率
試料の表面からの反射光の強度と,基準となる物質から
の反射光の強度との比。
relative reflectance,
reflectivity
3060
ダイオードアレイ検出
器
フォトダイオードを一次元又は二次元に配置した多チャ
ンネル光検出素子。
diode array detector
3061
対照セル(吸光光度法
の)
溶媒又は対照溶液を入れる吸収セル。
reference cell (for
absorptiometry)
3062
ダブルモノクロメータ
ー
二つのシングルモノクロメーターを光学的に直列に結ん
だモノクロメーター。
double monochromator
3063
単光束方式
光度計及び分光光度計において,光源から検出部までの
間で,光路が分岐しない光学系の方式。
single beam
3064
中空陰極ランプ
陽極及び分析種を含む中空円筒状の陰極を低圧のネオン
などとともに封入した放電管。主として原子吸光分析法
の光源として用いる。
hollow cathode lamp
3065
超音波ネブライザー
超音波振動によって微細な試料溶液の霧を発生させる装
置。
ultrasonic nebulizer
3066
電気加熱方式(原子吸
光分析の)
黒鉛,耐熱金属などを発熱体とする炉を通電加熱し,試
料を原子化する方式。
electrothermal type (of
atomic absorption
spectrometer)
3067
透過パーセント
透過率を百分率で表した値。
percent transmission
3068
透過率
光が物質を透過する割合を,透過後の光強度と透過前の
光強度との比で表したもの。
transmittance
3069
同時測定形分光器
入射光を分光し,複数のスペクトル線の強度を同時に測
定する分光器。
simultaneous
spectrometer
3070
トーチ(発光分光分析
の)
プラズマの点灯及び維持に必要なガス流を供給するため
に使用する管。
torch (for atomic
emission spectrometry)
3071
ナトリウムランプ
ナトリウムと低圧のアルゴン及び/又はネオンを封入し
た放電管。
sodium lamp
10
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3072
二波長測光方式
測定試料に波長の異なる二つの単色光束を透過,反射又
は吸収させ,それらの光強度を測定する方式。
double wavelength
spectrometry
3073
ニューマチックセル
(非分散赤外分析
の)
気体の熱膨張による圧力変化を利用した赤外線検出用セ
ル。
pneumatic cell (for
non-dispersive
infrared spectrometry)
3074
ネブライザー
試料溶液を霧状にする器具。
nebulizer
3075
燃料ガス(光分析の) 原子吸光分析法,炎光光度法などにおいて,原子化,励
起などに用いる燃料用ガス。通常アセチレン,プロパン
などが用いられる。
fuel gas (for optical
analysis)
3076
波長校正
既知波長の放射を与える光源又は吸収を与える物質を用
いて波長目盛の偏りの値を求める操作。
wavelength calibration
3077
バックグラウンド等価
濃度,
バックグラウンド相当
濃度,
BEC
バックグラウンド強度に等しい信号強度を与える分析種
の濃度。
background equivalent
concentration,
BEC
3078
バックグラウンド発光
(発光分光分析の)
分析種以外の発光。
background emission
(for atomic emission
spectrometry)
3079
バックグラウンド補正 吸光分析又は発光分光分析における分析種に由来しない
信号の補正。
background correction
3080
発光分光分析装置
光,熱,電気などのエネルギーを試料に与え,試料の原
子又は分子を励起して放射される発光スペクトルを測定
する装置。
atomic emission
spectrophotometer
3081
ハロゲンランプ
タングステンランプに微量のハロゲン元素を封入した放
電管。
halogen lamp
3082
半導体検出器
化合物結晶又は混晶からなる半導体の光検出素子。
compound
semiconductor detector
3083
光電池
金属,半導体などの内部光電効果を利用した測定素子。 photocell
3084
光分析
光の放射,吸収,散乱などを利用する化学分析法の総称。 photometric analysis,
photometry,
optical analysis
3085
非分散(光分析の)
分散素子を用いずに,フィルター,選択性検出器によっ
て分散する方式。
non-dispersion (of
optical analysis)
3086
100合わせ(透過パー
セントの)
機器の感度を調整して,試料ブランク又は参照試料の測
定時の分光透過パーセント目盛の指示計の指示を100目
盛に合わせる操作。
100 adjustment (of
percentage
transmission)
3087
フーリエ変換赤外分光
光度計
干渉曲線の信号のフーリエ変換によって分光スペクトル
を測定する赤外分光光度計。
Fourier transform infrared
spectrophotometer
3088
フーリエ変換赤外分析
法,
FTIR
同一光源から異なる光路を通ってきた二つの赤外光の干
渉光の強度を光路長の差に対してプロットすることによ
って得られるインターフェログラムを,フーリエ変換す
ることによって赤外光領域の分光スペクトルを測定し
て,分子構造などを分析する方法。
Fourier transform
infrared spectrometry,
FTIR
3089
複光束方式
光源からの光束を試料側と対照側とに分岐しない光学系
の方式。
double beam
3090
物理干渉
試料溶液の物理的性状の違いによるネブライザーの噴霧
効率の変化による干渉。
physical interference
3091
プラズマガス
誘導結合プラズマにおいて,プラズマの形成及びトーチ
の冷却を行うガス。
plasma gas
11
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3092
プリズム
光の屈折率が波長によって異なる性質を利用した分散素
子。
prism
3093
フレーム原子吸光分析
計
原子化に化学炎を用いる原子吸光分析計。
flame atomic absorption
spectrometer
3094
プレミックスバーナー ネブライザーで霧状にした試料溶液と燃料ガス,助燃ガ
スとをあらかじめ噴霧室で混合する方式のバーナー。
premix burner
3095
雰囲気ガス(発光分光
分析の)
放電の安定化,試料履歴による影響の除去,空気中の酸
素による吸収,バンドスペクトルの除去などの目的でス
パーク放電の電極周囲に流すガス。目的に応じて,アル
ゴン又は窒素及びこれらのガスに酸素を混合したガス。
atmospheric gas (for
atomic emission
spectrometry)
3096
分解(分光分析装置の) モノクロメーターの出射スリットから射出される光束の
スペクトル幅を波長で表したもの。低圧水銀ランプ又は
重水素放電管から放射される輝線スペクトルを測定し,
最大強度の1/2となる波長を長短両波長側に求め,その
ときの波長差として表す。
resolution (of
spectrometer)
3097
分解能(分光分析装置
の)
隣接する輝線スペクトルを個別のものとして識別できる
能力。通常,逆線分散によってその性能を示す。接近し
たスペクトル線を分離できる分光器の能力。
resolution,
resolving power (of
spectrometer)
3098
分光干渉(発光分光分
析の)
分析種の分析線に種々の発光線及びバックグラウンドが
重なり分析結果に影響を与える現象。
spectral interference (for
atomic emission
spectrometry)
3099
分光器
a) 一つの光源からの光を分散させて一つの焦点面上に
波長順にスリット像を結像させる機器。
b) a)の機器でスペクトルを目視観察可能な機器。
a) spectrograph,
spectrometer
b) spectroscope
3100
分光蛍光光度計
励起光側及び蛍光側いずれの波長選択部にもモノクロメ
ーターを用いて蛍光強度を測定する装置。
fluorescence
spectrophotometer
3101
分光光度計
モノクロメーターによって得られたスペクトル線を光電
測光法で測定する光度計。
spectrometer,
spectrophotometer
3102
分散(光分析の)
種々の波長を含む光が,プリズム及び/又は回折格子に
よって波長ごとの光に分かれる現象。
dispersion (of optical
analysis)
3103
分散素子(光分析の) 種々の波長成分の光を含む光を波長ごとに分けるための
光学素子。光を分散させるための光学素子。
dispersive device (of
optical analysis)
3104
ペースト法(赤外分光
分析の)
測定試料を細かくすりつぶし,流動パラフィンなどに分
散させ,これを透明板の上に塗り付けて測定を行う方法。
固体試料の分光測定を行うための試料作製方法の一つ。
paste method (for
infrared spectrometry)
3105
偏光ゼーマン原子吸光
分析計
偏光ゼーマン方式を用いた原子吸光分析計。
polarized Zeeman
atomic absorption
spectrometer
3106
偏光ゼーマン方式
ゼーマン効果と偏光とを組み合わせたバックグラウンド
補正方式。
polarized Zeeman splitted
spectrum system
3107
補助ガス
誘導結合プラズマがトーチに接触しトーチを融解するの
を防ぐために用いるガス。
auxiliary gas
3108
補助電極(発光分光分
析の)
試料電極の一種で,試料だけで電極を形成できない場合
に,試料を放電場内に保持するための電極。
注記 試料の性状によって適した形状のものを用いる。
supporting electrode (for
atomic emission
spectrometry)
3109
フォトダイオード
ダイオードの一種で,光電効果を利用した測光素子。
photodiode
3110
マイクロ波誘導プラズ
マ発光分光分析計
マイクロ波誘導プラズマを光源とした発光分光分析計。 microwave induced
plasma atomic
emission spectrometer
12
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3111
マイクロ波誘導プラズ
マ分析装置
高周波電力によって誘導されて発生するマイクロ波誘導
プラズマを用いて分析種をイオン化し,生成したイオン
を分析する装置。
microwave induced
plasma spectrometer
3112
無電極放電ランプ
金属ハロゲン化物などを希ガスとともに封入し,高周波
電場によって点灯する放電管。
electrodeless discharge
lamp
3113
モノクロメーター(光
分析の)
分散素子によって特定の波長の単色光を取り出す機器。 monochromator (of
optical analysis)
3114
誘導結合プラズマ,
ICP,
高周波誘導結合プラズ
マ
ラジオ波領域の高周波の電磁誘導によって発生する磁場
でガスを電離させて得られる高温のプラズマ。
inductively coupled
plasma,
ICP,
radio-frequency
inductively coupled
plasma
3115
誘導結合プラズマ発光
分光分析計
誘導結合プラズマを励起源とした発光分光分析計。
inductively coupled
plasma (ICP) atomic
emission spectrometer,
inductively coupled
plasma (ICP) optical
emission spectrometer
3116
予備放電時間(発光分
光分析の)
スパーク放電発光分光分析において,放電開始から発光
強度が安定するまでの間,測光しない期間として設定す
る時間。
pre-burn time,
pre-discharge time (for
atomic emission
spectrometry)
3117
ラマン分光法
ラマン散乱光を分光し,得られたラマンスペクトルから
分子構造を解析する方法。
Raman scattering
spectroscopy
3118
励起光(蛍光の)
基底状態にある分子を励起一重項状態に遷移させるため
に照射する光。
excitation light (of
fluorescence)
3119
冷蒸気方式原子吸光分
析計(水銀分析計の)
冷蒸気方式を用いた水銀蒸気の原子吸光分析計。
cold vapor atomic
absorption
spectrometer (of
mercury analyzer)
3120
連続スペクトル光源方
式(原子吸光分析の)
重水素ランプ,タングステンランプなどの連続スペクト
ルを用いたバックグラウンド補正法の一方式。
background correction
method using
continuous spectrum
source (for atomic
absorption
spectrometry)
3.4
電磁気分析機器
a) 質量分析機器
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4001
イオン化(質量分析の) 試料を気体状態の正イオン又は負イオンにする方法。
ionization (of mass
spectrometry)
4002
イオン化エネルギー
分子,原子又は原子団のイオン化に要するエネルギー。 ionization energy
4003
イオン化室
イオン源の一部であって,分子などをイオン化するため
の小室。
ionization chamber
4004
イオン化電流
試料分子をイオン化するのに用いる熱電子又はイオンの
電流。
ionizing current
13
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4005
イオン源
質量分析計を構成する部品のうち,試料をイオン化し,
イオンビームをつくるための部品。
ion source
4006
イオンサイクロトロン
共鳴形質量分析計
一様な磁場中で回転運動又はら(螺)旋運動するイオン
に高周波電場を加えると,共鳴的にエネルギーを吸収し
回転半径を増す現象を利用した質量分析計。
ion-cyclotron resonance
mass spectrometer
4007
イオントラップ質量分
析計
イオン化した分子の中でm/zが特定の範囲のものだけを
保持し,選択する機能をもつ質量分析計。
ion trap mass
spectrometer
4008
インビーム法,
IB
イオン化室内に挿入した固体試料を電子ビームに接触若
しくは接近させるか,又は化学イオン化によってイオン
化する方法。
in-beam method,
IB
4009
エネルギー収束
m/z及び方向が僅かに異なるイオンのうち,同じエネル
ギーのイオンビームが収束する現象。
energy focusing
4010
エミッター(質量分析
の)
試料をイオン化するためフィールドデソープション,フ
ィードイオン化などで用いられる試料ホルダー。
emitter (of mass
spectrometry)
4011
m/z
(えむおーばーじー)
イオンの質量を統一原子質量定数で割り,更にイオンの
電荷数で割って得られる無次元量。
m/z
4012
エレクトロスプレー
試料溶液を供給するキャピラリー先端で高電圧の印加に
よって試料溶液を霧化する技術。
electrospray
4013
エレクトロスプレーイ
オン化
エレクトロスプレーを使ってイオン化する方法。
electrospray ionization
4014
化学イオン化,
CI
試薬ガスから生成した反応イオンを用いて試料分子をイ
オン化する方法。
chemical ionization,
CI
4015
基準ピーク
質量スペクトルの相対イオン強度を示すときに,基準と
して用いるピーク。通常最大強度のピークを基準ピーク
とする。
base peak
4016
キャピラリー電気泳動
質量分析法
キャピラリー電気泳動装置と質量分析装置とを結合した
装置を用いて行う分析方法。
capillary electrophoresis
mass spectrometry,
CE/MS
4017
高周波プラズマ
ラジオ波領域の高周波を誘導結合させて発生する誘導結
合プラズマ(ICP)又はマイクロ波領域の高周波電力に
よって誘導されて発生するマイクロ波誘導プラズマ
(MIP)。
high frequency plasma
4018
高周波プラズマ質量分
析計
高周波プラズマで分析種をイオン化し,生成したイオン
を分析する質量分析計。
high frequency plasma
mass spectrometer
4019
高速原子衝撃,
FAB
数keVに加速した中性原子を試料に衝突させることによ
ってイオンを生成させる方法。
fast atom bombardment,
FAB
4020
コレクタースリット
質量分離されたある特定のm/zのイオンビームだけが検
出系に導入されるように設けたスリット。
collector slit
4021
四重極質量分析計
高周波電圧及び直流電圧を印加した四重極を用いて,イ
オンをm/zに応じて分離する方式の質量分析計。
quadruple mass
spectrometer
4022
質量数
原子核を構成する陽子と中性子との数の和。
mass number
4023
質量スペクトル,
マススぺクトル
各イオンの強度を縦軸に,m/zの順序を横軸に並べた図。 mass spectrum
4024
質量分析計
質量スペクトルを測定する機器。通常,イオンを電流と
して検出・記録する。
mass spectrometer
4025
磁場形質量分析計
磁場を用いてイオンをm/zに応じて分離する方式の質量
分析計。
magnetic sector type
mass spectrometer
4026
磁場走査
質量スペクトルを測定するために,磁場の強さを変えて
行う走査。
magnetic field scanning
14
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4027
試薬ガス
化学イオン化法において,試料分子をイオン化するため
に用いる気体。
reagent gas
4028
準安定イオン,
メタステーブルイオン
イオン化室で生成し励起されているイオンのうち,イオ
ン化室を出た後,分解しやすいイオン。
metastable ion
4029
衝突活性化,
CA
飛行中のイオンが気体(アルゴンなど)との相互作用(衝
突)によって,並進運動エネルギーの一部が内部エネル
ギーに変換され,活性化される現象。
collisional activation,
CA
4030
スパークイオン化
スパーク放電によって試料をイオン化する方法。
spark ionization
4031
セパレーター(ガスク
ロマトグラフ質量分
析計の)
ガスクロマトグラフと質量分析計とをつなぐ部分に接続
して,キャリヤーガスの大部分を除去し,試料を濃縮す
るための分離器。
separator (of gas
chromatograph/mass
spectrometer)
4032
全イオン電流クロマト
グラム,
TICC
取得したマススペクトルから求められる全イオン電流値
を保持時間に対してプロットしたクロマトグラム。
total ion current
chromatogram,
TICC
4033
前駆イオン,
プリカーサーイオン
あるイオンから別のイオン又は中性化学種が生成すると
きの元のイオン。
precursor ion
4034
選択イオンモニタリン
グ,
SIM
特定のm/zのイオンを連続的に検出する方法。
selected ion monitoring,
SIM
4035
相対感度係数
スパークイオン源質量分析において,ある元素のスペク
トル線の一つを基準としたときの各元素のスペクトル線
の相対強度。
relative sensitivity
coefficient
4036
大気圧イオン化,
API
大気圧下で行われるイオン化の総称。
atmospheric pressure
ionization,
API
4037
単収束形質量分析計
単一磁場を用い,イオンビームの方向収束だけを行う方
式の質量分析計。通常,扇形の一様な磁場を用いる。
single-focusing mass
spectrometer
4038
タンデム質量分析,
MS/MS
m/zによって選択されたイオンに対するプロダクト若し
くはプリカーサーのマススペクトル,又は特定のm/zの
増減が生じたプリカーサーイオンのマススペクトルを取
得する方法。二つ以上の質量分析部を備えた装置を用い
る空間的タンデム質量分析,及びイオントラップタイプ
の装置を用いる時間的タンデム質量分析がある。
tandem mass
spectrometry,
MS/MS
4039
タンデム質量分析計
MS/MSが可能な質量分析計。
tandem mass
spectrometer
4040
断熱イオン化
分子に対して,電子の付加又は除去によって分子と同じ
構造をもつイオンが生成する現象。
adiabatic ionization
4041
抽出イオンクロマトグ
ラム
特定のm/z値における相対強度を読み出し,時間の関数
として表したクロマトグラム。
extracted ion
chromatogram,
EIC
4042
転位イオン
イオン化又はイオンが開裂するときにイオン内の原子又
は原子団が転位して生じるイオン。
rearrangement ion
4043
電界脱離,
フィールドデソープシ
ョン,
FD
エミッターに塗った試料から,高電場によって気相イオ
ンを生成させる現象。
field desorption,
FD
4044
電子イオン化,
EI
電子によって原子及び分子をイオン化する方法。
electron ionization,
EI
4045
電場走査
質量スペクトルを測定するために,電場の強さを変えて
行う走査。
electric field scanning
15
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4046
同位体
原子番号が同一の元素で互いに質量数の異なる一連の原
子。
isotope
4047
同位体イオン
同位体によって生じる一連のイオン。
isotopic ion
4048
統一原子質量単位,
ダルトン
静止した基底状態の12Cの質量の1/12を1とした単位で,
記号uで表す。ダルトンは,記号Daで表す。
unified atomic mass unit,
Dalton
4049
二重収束形質量分析計 磁場と電場とを組み合わせて用い,イオンビームの方向
収束及び速度収束を行う方式の質量分析計。
double-focusing mass
spectrometer
4050
反応イオン
化学イオン化法において,試料のイオン化を促進するイ
オン種。
reactant ion
4051
ビームモニター,
BM
イオンビームが電極又は機構に入る前に,その一部分を
受けてイオン量を測定するための電極又は機構。
beam monitor,
BM
4052
飛行時間形質量分析計,
TOF-MS
イオンをパルス状に入射させ,飛行速度の違いによって
イオンをm/zに応じて分離する方式の質量分析計。
time-of-flight mass
spectrometer,
TOF-MS
4053
ファラデーカップコレ
クター
イオンビームを測定するためのカップ状の電極。
Faraday cup collector
4054
フィールドイオン化,
電界イオン化,
FI
試料の先端をとが(尖)らし得られる高い電場勾配によ
って試料分子をイオン化する方法。
field ionization,
FI
4055
付加イオン
中性分子にイオン種が付加したイオン。
adduct ion
4056
フラグメンテーション イオンが一つ又は幾つかの開裂によってより小さい質量
の化学種を生成する反応。
fragmentation
4057
フラグメントイオン
イオンの開裂によって生成したイオン。
fragment ion
4058
プロダクトイオン
プリカーサーイオンの開裂によって生じたイオン。
product ion
4059
質量分解能
質量分析計が近接したスペクトルを分離できる能力。
mass resolving power
4060
分子イオン(質量分析
の)
電荷をもつ分子の総称。
molecular ion (of mass
spectrometry)
4061
ぺニングイオン化
励起状態にある中性の原子又は分子によって試料をイオ
ン化する方法。
penning ionization
4062
方向収束
一点から加速して射出され,そのm/z及びエネルギーが
等しく,方向が僅かに異なるイオンビームが再び一点に
収束する現象。通常,この目的に扇形の一様な磁場が用
いられる。
direction focusing
4063
マイクロ波誘導プラズ
マ質量分析計
高周波電力によって誘導されて発生するマイクロ波誘導
プラズマを利用して分析種をイオン化し,生成したイオ
ンを分析する質量分析計。
microwave induced
plasma mass
spectrometer
4064
マスフラグメントグラ
フィー
特定のm/zのイオンだけを選択イオン検出によって実時
間で検出記録する手法の総称。
mass fragmentography,
MF
4065
マトリックス(質量分
析の)
イオン化を行う目的で試料を保持するための媒体。
matrix (of mass
spectrometry)
4066
MALDI
(まるでぃー)
試料をマトリックスに保持し,レーザーによって試料の
イオン化及びマトリックスからの脱離が起こるイオン化
の現象。
matrix-assisted laser
desorption/ionization,
MALDI
4067
誘導結合プラズマ質量
分析計
高周波電力を誘導結合させて発生させるプラズマで分析
種をイオン化し,生成したイオンを分析する質量分析計。
inductively coupled
plasma mass
spectrometer
4068
リぺラー電極
質量分析計においてイオン化室で生成したイオンを,イ
オンの質量分離が行われる部分(アナライザー)へ押し
出すための電極。
repeller electrode
16
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4069
リンク走査
各走査パラメーターを互いにある一定の関係に保ちなが
ら2台以上の分析部を同時に走査する方法。
linked scan
4070
レーザー脱離,
LD
固体試料にレーザー光を照射し,気相の試料イオンを得
る方法。固体試料を気化させる目的でも用いられる。
laser desorption,
LD
4071
レンズ電極
イオン化室で生成したイオンを質量分析計に導入する電
極。
lens electrode
b) X線分析機器
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4101
アッテネーター
X線の計数値を低減するための吸収板。非常に強い回折
線,散乱線の測定に用いる。
attenuator
4102
アングルマーク
ゴニオメーターからの角度の信号の記録。
angle mark,
event mark
4103
アンブレラ効果
線焦点を用いた入射X線の垂直発散のため,リングの位
置がずれてデバイ環が重なる現象。
umbrella effect
4104
一次ターゲット
分析線を効果的に励起できる蛍光X線(固有X線)を発
生させるために用いるターゲット。
primary target
4105
一次フィルター
励起X線のスペクトル分布を変えるために,励起X線源
と試料との間に入れるフィルター。
primary beam filter
4106
位置敏感形比例計数管
(X線の)
芯線の両端に生じるパルスの時間差によって,X線の入
射位置情報を得ることができる比例計数管。
position sensitive
proportional counter
(of X-ray)
4107
イメージングプレート,
IP
輝尽性蛍光体(BaFBr:Eu2+)の微結晶をフィルムに塗
布した記録媒体。
imaging plate,
IP
4108
エスケープピーク
入射X線のエネルギーよりも検出器に固有なエネルギー
分だけ低く現れるピーク。
escape peaks
4109
X線回折装置
試料にX線を照射して,生じた回折X線の回折角と強度
を測定し,分析を行う装置。
X-ray diffractometer
4110
X線回折法,
XRD
結晶にX線を照射すると,ブラッグの反射条件又はラウ
エの回折条件に従って,その結晶に特有の回折パターン
が得られることを用いて,結晶の構造解析を行う方法。
X-ray diffraction,
XRD
4111
X線管球
X線を発生させるための真空管。熱電子二極管の一種で,
封入式及び開放式がある。
X-ray tube
4112
X線吸収端近傍構造,
XANES
(ざーねす)
X線吸収スペクトルで,吸収端より長波長(低エネルギ
ー部分)側約10 eVから短波長(高エネルギー部分)側
30 eVにわたる領域にみられる微細構造。
X-ray absorption
near-edge structure,
XANES
4113
X線発生装置
X線管球,高電圧発生部などからなるX線を発生させる
ための装置。
X-ray generator
4114
X線フィルター
吸収端を利用して必要とするエネルギー領域のX線を取
り出すための薄膜。Kβフィルター,バランスドフィルタ
ーなどがある。
X-ray filter
4115
エネルギー分散形X線
分析法,
EDS
X線エネルギーを直接電気パルスに変換して選別し,分
光する方式。
energy dispersive X-ray
spectroscopy,
EDS
4116
ガイガーミュラー計数
管,
GM計数管
気体を入れた筒の電極間に高電圧を印加し,通過した放
射線をパルス電流として検知する構造をもつ放射線検出
器。
Geiger-Müller counter,
GM counter
17
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4117
回転振動試料台
試料を直交する二軸の周りに回転及び振動させることに
よって,配向に起因する回折X線強度への影響を平均化
する機器。
specimen rotation
oscillation attachment
4118
ガスデンシティースタ
ビライザー
ガス計数管を用いてX線強度を安定に測定するときに,
気圧及び温度の変化に対してガス密度を一定に保つため
の機器。
gas density stabilizer
4119
数え落とし
高計数率でX線強度を測定する場合,入射X線強度と測
定された計数率との間の比例関係がなくなり,入射X線
強度よりも低く計数される現象。
counting loss
4120
干渉性散乱,
弾性散乱
X線が物質に入射したときに散乱されるX線で,入射X
線と同じ波長をもつ散乱。
coherent scattering,
elastic scattering
4121
ギニエカメラ
焦点円上にフィルムを置き,回折X線を検出する集中法
X線カメラの一種。
Güinier camera
4122
吸収効果(X線分析の) 試料内でX線が吸収されて回折X線強度が減少する現
象。
absorption effect (of
X-ray analysis)
4123
極点図
試料中のある方向に垂直な面に関して特定結晶面の極の
位置及び密度分布をステレオ投影した図。
pole figure
4124
クエンチガス
ガス計数管を用いるX線の計測において,後続放電を抑
制するために混入する気体。
quenching gas
4125
クラツキーUスリット 小角散乱強度測定の光学系において,低角度側の測定を
可能にするためのスリット。
Kratky U-slit
4126
蛍光X線分析法,
XRF
試料にX線を照射して,発生する蛍光X線を測定し,物
質の定性・定量を行う方法。
X-ray fluorescence
spectrometry,
XRF
4127
結晶子
多結晶体中の単結晶微粒子。通常,0.1 μm以下で回折X
線の幅を広げる効果が現れる。
crystallite
4128
広域X線吸収微細構造,
EXAFS
(えぐざふす)
X線吸収スペクトルで吸収端より短波長(高エネルギー)
側約30 eVから1 keVにわたる領域にみられる減衰する
波状の振動構造。
extended X-ray
absorption fine
structure,
EXAFS
4129
格子定数
結晶の単位格子の大きさ及び形[りょう(稜)の長さ及
びその間の角度]を規定する定数。
lattice constants
4130
ゴニオメーター
回折若しくは散乱X線の回折又は散乱角度を測定する機
器。
goniometer
4131
コリメーター
平面分光素子を用いている場合に,必要な平行光束を作
るための機器。
collimator
4132
コンプトン散乱
X線及びγ線のような電磁波が電子に衝突し,電磁波の
エネルギーの一部を電子に与えて波長が変化する散乱現
象。
Compton scattering
4133
サムピーク
単一光子エネルギーの整数倍のエネルギー位置に現れる
ピーク。
sum peaks
4134
散乱スリット
試料以外からの散乱X線の計数管への入射を防止するた
めのスリット。
scattering slit
4135
残留応力
多結晶体が外力によって弾性的に変形されて応力を生
じ,外力が除去された後も多結晶体内部に残存する応力。
residual stress
4136
CCD検出器(X線の) 電荷結合素子(CCD)を使った検出器で,X線を蛍光体
によって光に変換し,X線強度と位置とを記録する検出
器。
charge coupled device
detector (of X-ray)
4137
視射角
(ししゃかく)
試料表面と入射ビームとがなす角。
glancing angle
18
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4138
質量吸収係数
X線の吸収する度合いを表す係数(吸収係数)を物質の
密度で除した量。
mass absorption
coefficient
4139
集合組織
多結晶体における結晶子の集合状態。
texture
4140
受光スリット
検出器に入るX線を制限しているスリット。
receiving slit
4141
小角散乱装置(X線分
析の)
単色X線の散乱のうち,散乱角の小さいもので散乱X線
の強度測定を行う装置。
small angle scattering
goniometer (of X-ray
analysis)
4142
シリコン−リチウム半
導体検出器
けい素中にリチウムをドープして作った絶縁層を挟んで
P-I-N接合した素子を用い,入射X線のエネルギーに比
例した電流パルスを出力する検出器。
Si (Li) semiconductor
detector
4143
人工多層膜(X線の) 分光素子として用いるために,2種以上の材料の薄膜を
累積した素子。
synthetic multi-layer
film (of X-ray)
4144
シンチレーション検出
器
放射線を受けたシンチレーターからの蛍光を光電子増倍
管を用いて計測する検出器。
scintillation detector
4145
信頼度因子,
R因子
結晶構造解析で得られた構造モデルが実測値にどれだけ
近いかという信頼度の目安にする量。
reliability factor
4146
ステレオ投影
結晶の方位を表示するために結晶を球の中心に置き,結
晶面法線と球面との交点(これを極という。)を,平面に
投影する方法。
stereographic projection
4147
繊維試料台
繊維試料,フィルムなどの配向性を測定するための試料
台。
fiber specimen stage
4148
選択配向
結晶子の向きが特定の方向に偏り,特定の回折X線だけ
が強く観測される現象。
preferred orientation
4149
全反射キャピラリー
キャピラリーの内壁面でX線を全反射させ,出射端まで
伝ぱ(播)する集光素子。
total reflection capillary
4150
全反射X線回折法,
TXRD
全反射が起こるような低角度で試料面にX線を照射する
ことによって,表面からの回折X線だけを検出して,試
料の表面の結晶構造を解析する方法。
total reflection X-ray
diffractometry,
TXRD
4151
全反射蛍光X線分析法 半導体表面,ガラス基板表面などに対してX線を全反射
条件で照射して,試料表面から発生する蛍光X線を分析
する方法。
total reflection X-ray,
fluorescence
spectroscopy
4152
全反射現象(X線分析
の)
平滑な表面にX線が入射したとき,視射角が一定の値以
下になると入射したX線がほとんど全て反射する現象。
total reflection (of X-ray
analysis)
4153
全反射方式
全反射現象を利用して表面を分析する方式。
total reflection method
4154
全反射ミラー(X線分
析の)
全反射を利用し,一定波長以上のX線を反射させる鏡。 total reflection mirror
(of X-ray analysis)
4155
ソーラースリット
薄い金属板を等間隔に積み重ねて,入射X線及び回折線
の垂直方向の発散を制限するためのスリット。
soller slit
4156
定計数法
一定の計数値を設定して,計数がその設定値に達するま
で,時間をかけてX線強度を測定する方法。
fixed count method
4157
定時法
一定時間を設定して,その時間内に測定される計数値で
X線強度を測定する方法。
fixed time method
4158
ディスクリミネーター 定められたしきい(閾)値を超える波高をもつ入力パル
スが検出された場合に,出力信号を発生するように作ら
れた機能,ユニット。
discriminator
4159
デバイ-シェラーカメ
ラ
円筒状に置かれたフィルムの中心軸上に試料を置き,試
料からの回折X線をフィルムに撮影するカメラ。
Debye-Scherrer camera
4160
点収束カメラ
リフレクターによってX線を一点に集光するようにした
カメラ。小角領域の散乱測定に用いる。
point focusing camera
19
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4161
電離箱
放射線の電離作用によって生成した電子及びイオンの量
から,その強度を測定する機器。
ion chamber
4162
動径分布
任意の原子を中心としたときの他の原子までの距離の分
布。
radial distribution
4163
統計変動(放射線計測
の)
放射線計測における計数値の変動。通常,標準偏差で表
す。
statistical error of
counting (of radiation
measure)
4164
特性X線
元素に固有の波長をもつX線。
characteristic X-rays
4165
二次ターゲット方式
X線管からの一次X線を二次ターゲットに照射して,そ
こから発生する蛍光X線を励起に利用して分析試料に照
射する方法。
secondary target method
4166
二次フィルター
分析目的の元素以外に起因するX線を効果的に減衰させ
るために,試料と検出器との間に入れるフィルター。
secondary beam filter
4167
入射角固定法,
Ψ0一定法
X線応力測定において,入射角を固定し検出器だけを走
査させて回折強度曲線を測定する方法。
fixed incident-angle
method,
fixed Ψ (psi) 0 method
4168
倍角回転機構
ゴニオメーターにおいて試料軸と受光スリット軸(計数
管軸)とが1:2の比で回転する機構。
2θ-θ rotation mechanism
4169
波高分布曲線
一定のエネルギーをもつ単色X線によって得られるパル
スの波高値の分布を表す曲線。
pulse height distribution
curve
4170
波長分散形X線分析法,
WDX
試料から発生するX線を波長分光器を用いて分光し分析
する方式。
wavelength dispersive
X-ray spectroscopy,
WDX
4171
発散スリット
X線回折装置において,X線の発散角を制限するための
スリット。
divergence slit
4172
半導体検出器,
SSD(X線分析の)
半導体を利用してX線を電気的なパルス信号に変換し,
X線エネルギーを測定する検出器。
solid state detector,
SSD (of X-ray analysis)
4173
非干渉性散乱
X線が物質に入射したときに散乱されるX線で,入射X
線より長い波長をもつ散乱。
incoherent scattering
4174
標準化試料(X線分析
の)
装置の所定の運転条件下において,X線強度及びその誤
差が許容範囲内にあることを確かめるための試料。
specimen for
standardization of
instrument (of X-ray
analysis)
4175
標準物質(X線分析の) 格子定数,分析種濃度などの特性値が精密に測定されて
おり,化学的に安定で,かつ,高純度な物質で,X線の
測定及び分析の標準として用いられる物質。
reference material (of
X-ray analysis)
4176
表面広域X線吸収微細
構造,
SEXAFS
(せきざふす)
全反射法など表面に敏感な手法で測定された広域X線吸
収微細構造スペクトル。
surface EXAFS,
SEXAFS
4177
比例計数管
X線による気体のイオン化作用を利用した比例領域で作
動するX線検出器。光量子1個当たりのパルス電流が入
射X線のエネルギーに比例する。
proportional counter
4178
ファンダメンタルパラ
メーター法,
FP法
X線の吸収・励起などのX線強度に影響を与える物理定
数(ファンダメンタルパラメーター)を用いて,組成,
膜厚など計算で求める方法。
fundamental parameter
method,
FP method
20
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4179
ブラッグの式
X線回折が起こるための条件を与える式。
2dsinθ=nλ
ここに, d: 格子面間隔
θ: ブラッグ角
λ: X線の波長
n: 整数
Bragg equation
4180
プリセッションカメラ 単結晶試料の逆格子像をゆがみなく撮影するカメラ。
Buerger-precession
camera
4181
分解能(X線検出器の),
エネルギー分解能
検出したX線に対するエネルギー識別能力。理想的な単
色X線が検出器に入射したときのピークの半値幅
(FWHM,単位の次元はエネルギー)又は半値幅とピー
クエネルギーとの比(%)。
resolution (of X-ray
detector),
energy resolution
4182
分光結晶
結晶によるX線の回折現象を利用して,X線の波長選択
を行うための素子。
analyzing crystal
4183
ポーラネット
球面上の緯線と経線とを赤道面にステレオ投影したチャ
ート。
polar net
4184
放射光,
シンクロトロン放射,
SR
電子シンクロトロンから放射される電磁波。
synchrotron radiation,
SR
4185
マキシマムエントロピ
ー法,
MEM(X線分析の)
結晶構造解析の測定値及びその誤差から最良の電子密度
を導く方法。
maximum entropy
method,
MEM (of X-ray analysis)
4186
マルチチャンネル波高
分析器,
MCA
多重波高分析器で数千段階位のエネルギー帯にX線を分
類し,エネルギー分布を表示する機器。
multi-channel pulse
height analyzer,
MCA
4187
ミラー指数,
面指数
結晶の格子面を表す指数。
Miller indices
4188
無反射試料板
試料板からの散乱が回折X線に重ならないように単結晶
を切り出して製作した試料ホルダー。
reflection free sample
holder
4189
面内回転試料台
試料を測定面に垂直な軸の周りに回転させることによっ
て,回折X線強度への粒径の影響を平均化する試料台。
specimen rotation stage
4190
面法線一定法,
Ψ一定法
入射X線と検出器とを,特定方位の結晶格子面法線を中
心として,同時に,等速度で,互いに反対側に走査して
回折角を測定する方法。
fixed plane-normal
method,
fixed Ψ (psi) method
4191
モノクロメーター(X
線の)
X線の単色化を行うための分光器。
monochromator (of
X-ray)
4192
ヨハンソン形分光器
分光結晶を半径2Rで湾曲させた後,半径Rのローラン
ド円に沿って結晶表面を削ることによって収差なく集光
する分光器。
Johansson spectrometer
4193
4軸形ゴニオメーター
X線による結晶構造解析を行うために,カウンターと単
結晶試料の方位とを,四つの軸を用いて配置を自由に設
定できるようにしたゴニオメーター。
four-circle goniometer
4194
ラウエカメラ
X線回折像を測定するためのラウエ法に用いるカメラ。 Laue camera
4195
リートベルト法
広い回折角範囲の粉末回折パターンを直接解析し,格子
定数,構造パラメーターなどを精密化する方法。
Rietveld method
4196
励起X線
蛍光X線を発生させるために試料に照射するX線。
excitation X-rays
4197
レイリー散乱
光の散乱の一種。光の波長に比べて十分小さい微粒子に
よって起こり,光の波長が変化しないもの。
Rayleigh scattering
4198
ワイセンベルクカメラ X線回折像を測定するための回転結晶法に用いるカメラ。Weissenberg camera
21
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) 電子顕微鏡
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4201
アノード(電子顕微鏡
の)
エミッターからの放出電子を加速又はエミッターから電
子を引き出すため,エミッターに対向して設置される電
極。
anode (of electron
microscope)
4202
イオンミリング法
金属試料を薄膜化するために,加速したイオンによって
試料表面を削る方法。
ion milling method
4203
エネルギー分散形X線
分析計
試料から発生するX線を,X線エネルギーに比例した電
気信号を発生する検出器を用いてエネルギー選別して分
光する機器。
energy dispersive X-ray
spectroscopy
4204
エミッション電流
エミッターから放出される電子線による電流。
emission current
4205
エミッター(電子顕微
鏡の)
電子を放出する物質。
emitter (of electron
microscope)
4206
オスミウム染色法
透過電子顕微鏡の像のコントラストを増すために,試料
中の透過率の差が明瞭になるように染色する方法。
osmium staining
4207
カソードルミネッセン
ス
電子線の試料への照射によって試料から放出される紫
外,可視及び赤外領域の波長をもつ電磁波。
cathodoluminescence
4208
加速電圧
試料に照射される電子の運動エネルギーの電圧換算値。 accelerating voltage
4209
吸収電子
散乱電子のうち,試料中でエネルギーを損失し吸収され
る電子。
absorbed electron
4210
結像レンズ(電子顕微
鏡の)
透過電子顕微鏡で試料から透過した電子線を蛍光面など
に結像させるレンズ。
focusing lens (of
electron microscope)
4211
散乱電子
電子線の試料への照射によって,前方又は後方に散乱さ
れる電子。
scattered electron
4212
集束レンズ(電子顕微
鏡の)
エミッターから放出された電子を集束し電子線とするレ
ンズ。
condenser lens (of
electron microscope)
4213
走査時間
試料上を電子線で走査する一周期の時間。
scanning time
4214
走査電子顕微鏡,
SEM
細く集束した電子線を試料上で二次元的に走査して試料
から得られる二次電子などを用いて拡大像を形成する顕
微鏡。
scanning electron
microscope,
SEM
4215
走査透過電子顕微鏡,
STEM
薄膜試料を透過した電子を検出して,走査像を得る顕微
鏡。
scanning transmission
electron microscope,
STEM
4216
対物レンズ(電子顕微
鏡の)
集束された電子線を更に細く試料面に集束させるレン
ズ。
objective lens (of
electron microscope)
4217
対物レンズ絞り
対物レンズを通過する電子線の開き角を制御する絞り。 objective aperture
4218
チャージアップ(電子
顕微鏡の)
試料が電子線によって帯電する現象。
charging effect (of
electron microscope)
4219
電解研磨法
金属試料を陽極とし,電解液中で電気分解することによ
って試料表面を研磨する方法。
electrolytic polishing
method
4220
電界放出
物質に電界を印加することによって,表面から電子が放
出する現象。
field emission
4221
電子顕微鏡
電子線を用いて試料の拡大像を得る顕微鏡。
electron microscope
4222
電子銃
電子線を発生させた後,加速によって一定のエネルギー
を電子に付加する機器。
electron gun
4223
電子線
電子銃から放出された電子をレンズで直径数μmから10
nm以下に集束させ,試料に照射する電子線。
electron probe
4224
透過電子
散乱電子のうち,試料を透過して放出する電子。
transmitted electron
22
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4225
透過電子顕微鏡,
TEM
数十kVから数百kVの電子線がもつ波の性質を利用して
物質の透過像を拡大する顕微鏡。
transmission electron
microscope,
TEM
4226
凍結乾燥法
試料を凍結した後,減圧下で水分を昇華させることによ
って脱水及び乾燥させる方法。
freeze-drying method
4227
二次電子
電子線の試料への照射によって,試料から放出する電子
のうち運動エネルギーの低い電子。
secondary electron
4228
二次電子検出器
電子線を試料に照射したときに発生する運動エネルギー
が数十eV以下の電子を検出する機器。
secondary electron
detector
4229
二次電子放出率
電子線を試料に照射したとき放出される二次電子の割合
を,試料に照射した電子1個当たりの二次電子の数で表
した数値。
secondary electron yield
4230
反射電子
散乱電子のうち,後方に散乱されて試料から放出される
運動エネルギーの高い電子。電子線の電子と同程度の運
動エネルギーをもつ。
backscattered electron
4231
反射電子検出器
電子線が物質に照射されたときにエネルギーの減衰を受
けずに放射される電子を検出する機器。
backscattered electron
detector
4232
表面コーティング(電
子顕微鏡の)
試料のチャージアップを防ぐため表面を導電性物質で被
覆する処理。
coating (of electron
microscope)
4233
プローブ電流
電子線の電流。
probe current
4234
分析電子顕微鏡,
AEM
透過電子顕微鏡に元素分析機能を追加した複合機器。照
射電子線によって試料内で励起された特性X線をエネル
ギー分散形X線分光器(EDS)で元素分析を,電子エネ
ルギー損失分光器によって試料を通過した電子線のエネ
ルギー分析から元素分析及び結合状態分析を行う機器。
analytical electron
microscope,
AEM
4235
レプリカ法(電子顕微
鏡の)
電子顕微鏡で観察しにくい試料の表面に,薄いコロジオ
ン,ファルンバール又は酸化被膜を作って剝がし,その
膜を観察する方法。
replica method (of
electron microscope)
4236
レンズ(電子顕微鏡の) 電磁場の性質を利用して電子線を集束させる部品。像の
拡大又は縮小をするためにはレンズを組み合わせて利用
する。
lens (of electron
microscope)
4237
ワーキングディスタン
ス(電子顕微鏡の)
対物レンズの磁極端面と試料表面との距離。作動距離と
もいう。
working distance (of
electron microscope)
d) 核磁気共鳴装置
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4301
FID,
自由誘導減衰(核磁気
共鳴装置の)
パルスとして印加した電磁波によって励起された核磁気
モーメントが緩和する過程で放出するラジオ波の信号。
free induction decay (of
nuclear magnetic
resonance apparatus),
FID
4302
化学シフト(核磁気共
鳴の)
隣接する原子の影響で原子の電子系がもつ磁気モーメン
トが変化し,その影響によって核磁気モーメントの共鳴
周波数がずれる現象。
chemical shift (of NMR)
4303
核磁気共鳴,
NMR
核磁気モーメントをもつ原子核のエネルギー準位が,外
部磁場によって分裂して生じたエネルギー準位間の共鳴
現象。
nuclear magnetic
resonance,
NMR
4304
核磁気共鳴装置
核磁気共鳴を利用して,分子の化学構造及び隣接する原
子間の距離を解析する機器。
nuclear magnetic
resonance apparatus
4305
核磁気モーメント
原子核の回転から生じる磁気モーメント。
nuclear magnetic
moment
23
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4306
核磁気誘導,
核誘導
物質に静磁場と同時に静磁場の垂直方向に交流磁場を印
加すると,ファラデーの法則によって交流起電力が誘起
される現象。
nuclear magnetic
induction
4307
核スピン
原子核がもつ量子化された角運動量及び磁気モーメン
ト。
nuclear spin
4308
緩和(核磁気共鳴の) 原子核が電磁波を吸収して励起された状態から熱平衡状
態に戻る過程。
relaxation (of NMR)
4309
緩和時間
緩和に要する時間,又は緩和に要する時間を表す時定数。
一般にスピン−格子緩和時間(T1)又はスピン−スピン
緩和時間(T2)は,時定数を取り扱う。
relaxation time
4310
強磁性共鳴
強磁性体の電子スピン共鳴。
ferromagnetic resonance
4311
共鳴周波数
核磁気共鳴を起こす周波数。
resonant frequency
4312
クエンチ
超伝導磁石が何らかの理由で超伝導状態を維持できなく
なったとき,メインコイルを流れる大電流が熱に変換さ
れ,周囲の液体ヘリウムを一気に蒸発させる現象。蒸発
したヘリウムが外部に放出されるため,窒息の危険を伴
うため注意が必要である。
quench
4313
サイドバンド
核磁気共鳴信号に対して低周波数側及び高周波数側の双
方に出現する疑似信号。
side band
4314
シム(核磁気共鳴装置
の)
観測領域の磁場の不均一性を補正して均一にするための
コイル群。
sim (of nuclear magnetic
resonance apparatus)
4315
常磁性共鳴
常磁性体の電子スピン共鳴。
paramagnetic resonance
4316
スピン−格子緩和,
縦緩和
スピンの位相のそろった状態が格子振動によって緩和さ
れる現象。
spin-lattice relaxation
4317
スピン−スピン緩和,
横緩和
スピンの位相のそろった状態がスピン−スピン相互作用
によって緩和される現象。
spin-spin relaxation
4318
スピン−スピン結合
シグナルの分裂を引き起こす核スピン間の相互作用。
spin-spin coupling
4319
多次元核磁気共鳴法
フーリエ変換核磁気共鳴において,複数のパルスによっ
て磁気モーメントを励起して構造解析を行う方法。
multidimensional
nuclear magnetic
resonance
4320
超伝導マグネット(核
磁気共鳴装置の)
分子量が大きい試料でも核磁気共鳴によって解析ができ
るように,超伝導現象を利用して強力な静磁場を試料に
与える機器。
superconducting magnet
(of nuclear magnetic
resonance apparatus)
4321
電子スピン共鳴,
ESR
磁気モーメントをもつ電子のエネルギー準位が,静磁場
中で分裂して生じたエネルギー準位間の共鳴現象。
electron spin resonance,
ESR
4322
電子スピン共鳴装置
電子スピン共鳴現象を利用して物質中の電子の環境など
の情報をもつスペクトルを測定する機器。
electron spin resonance
apparatus
4323
フーリエ変換核磁気共
鳴装置
多数の周波数成分を含むパルスによって核磁気共鳴を起
こし,その後に続く緩和の過程を測定しフーリエ変換し
て核磁気共鳴信号を得る機器。
Fourier transform nuclear
magnetic resonance
spectrometer
4324
不対電子
原子を構成する電子の配置で同一軌道上に反対スピンを
もつ電子が存在しない電子。
nonpaired electron
24
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.5
表面分析機器
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5001
イオン散乱分光法,
ISS
数百eV程度の運動エネルギーをもつ低速イオンビーム
を試料に入射し,散乱イオンのエネルギースペクトルか
ら表面に存在する元素種と濃度とを分析し,また,散乱
イオン強度の入射角依存性によって表面上の原子配列を
決定する方法。
ion scattering
spectroscopy,
ISS
5002
イオンマイクロプロー
ブ質量分析計
SIMSの一次イオンビームを集束させ,局所の元素分析
を行う機器。
ion microprobe mass
spectrometer
5003
X線光電子分光法,
XPS
試料にX線を照射したときに放出される光電子の運動エ
ネルギー分布を測定し,試料表面の元素の種類又は化学
結合状態について解析する方法。
X-ray photoelectron
spectroscopy,
XPS
5004
X線モノクロメーター
(X線光電子分光法
の)
高分解能の光電子スペクトルを得るため特性X線を単色
化する機器。
X-ray monochromator
(of XPS)
5005
エッチング(表面分析
の)
イオンなどの衝突によって固体の表面が削られる(侵食
される)現象。
etching (of surface
analysis)
5006
エッチングイオン銃
試料の表面の原子層を表面から垂直方向に削る数百eV
〜数keVのイオンを発生する機器。
etching ion gun
5007
エバネッセント効果
(紫外可視光の)
全反射条件下で,物質界面において光が低屈折媒体中に
漏れ出す現象。
evanescent effect (of
ultraviolet/visible)
5008
オージェ効果
励起状態にある原子が基底状態に遷移するとき,準位間
のエネルギー差に等しいエネルギーの光子を放出する代
わりに,原子内の他の電子にそのエネルギーを与えて非
放射的に基底状態に戻り,そのときに1個の電子を放出
する現象。
Auger effect
5009
オージェ電子
オージェ効果によって放出される核内電子。
Auger electron
5010
オージェ電子スペクト
ル
オージェ効果によって放出された電子の運動エネルギー
分布のスペクトル。
Auger electron spectrum
5011
オージェ電子分光装置 電子又は光子を試料に照射したとき,オージェ効果によ
って極表面(数nm)から放出されるオージェ電子のス
ペクトルを測定し,試料表面に存在する元素を分析する
機器。
Auger electron
spectrometer
5012
オージェ電子分光法,
AES
2 keV程度の電子線を試料に入射させ,オージェ効果に
よって得られるオージェ電子のエネルギー分布から,試
料表面の元素を解析する電子分光法。
Auger electron
spectroscopy,
AES
5013
化学シフト(光電子分
光の)
原子の化学状態の変化に起因するピークエネルギーの変
化。
chemical shift (of
electron spectroscopy)
5014
化学力顕微鏡
化学力顕微法を用いて測定する走査プローブ顕微鏡。
chemical-force
microscope
5015
化学力顕微法,
CFM
特定分子と相互作用力が得られるように機能化されたせ
ん(尖)鋭な探針先端の偏差を検出する手法。
chemical-force
microscopy,
CFM
5016
間欠接触モード,
タッピングモード(走
査プローブ顕微鏡
の)
z変位方向の正弦波変調を探針に印加し,正弦波振動の
一部分で探針先端と試料が接触するようにする走査モー
ド。
intermittent contact mode,
tapping mode (of
scanning probe
microscope)
5017
カンチレバー(走査プ
ローブ顕微鏡の)
探針先端から最も離れた位置にチップを接合し,力を検
知して探針先端を保持する薄板。
cantilever (of scanning
probe microscope)
25
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5018
グロー放電スペクトル
法
グロー放電を利用して試料の成分元素を励起し,放射さ
れた光を分光して得られるスペクトルから成分分析を行
う分析法。
glow discharge
spectrometry
5019
結合エネルギー
原子を構成する電子を原子から引き離すときに必要なエ
ネルギー。
binding energy
5020
ケルビンプローブフォ
ース顕微鏡
ケルビンプローブフォース顕微法によって測定する走査
プローブ顕微鏡。
Kelvin-probe force
microscope
5021
ケルビンプローブフォ
ース顕微法,
KPFM,
KFM
導電性探針先端を使用して,探針先端と試料表面間との
相対電位の空間的又は時間的変化をダイナミックモード
AFMで測定する方法。
Kelvin-probe force
microscopy,
KPFM,
KFM
5022
原子間力顕微鏡,
AFM
原子間力顕微法を用いて表面性状を画像化する装置。
atomic force microscope,
AFM
5023
原子間力顕微法
表面力を検知するカンチレバー上のせん(尖)鋭な探針
先端のたわみをモニターしながら,試料表面を機械的に
走査することによって表面性状を画像化する方法。
atomic force microscopy
5024
高速電子線回折法,
HEED
高エネルギー(加速エネルギーが10 keV以上)の電子線
を入射し,得られる回折像を解析する方法。
high energy electron
diffraction method,
HEED
5025
光電効果
物質が光のエネルギーを吸収して光電子(伝導電子を含
む。)が放出される現象。
photoelectric effect
5026
光電子
物質に真空紫外光,X線などの光を照射したきに光電効
果によって放出される電子。
photoelectron
5027
磁気力顕微鏡
磁気力顕微法を用いて測定する走査プローブ顕微鏡。
magnetic-force
microscope
5028
磁気力顕微法,
MFM
探針先端と試料表面間との原子間力及び磁気的相互作用
をモニターする探針アセンブリを使用したAFMモード
による測定方法。
magnetic-force
microscopy,
MFM
5029
真空紫外光電子スペク
トル
真空紫外光を試料に照射したときに,光電効果によって
放出された光電子の運動エネルギー分布のスペクトル。
気体のスペクトルでは分子の振動スペクトル,固体のス
ペクトルでは固体の最外殻電子のスペクトル(バンドス
ペクトル)を含む。
ultraviolet photoelectron
spectrum
5030
真空紫外光電子分光法,
UPS
ヘリウム共鳴線(58.4 nm,21.2 eV)などの真空紫外線を
照射したときに放出される光電子の運動エネルギー分
布,角度分布などを測定し,試料の電子構造,原子配列
などを解析する方法。
ultraviolet photoelectron
spectroscopy,
UPS
5031
スパッタリング
固体の表面層の原子が荷電粒子との衝突によって除去さ
れる現象。
sputtering
5032
静電円筒鏡面形分析器 二つの同軸電極間に円筒形静電場を形成し,一定のエネ
ルギーの電子を収束する機器。
cylindrical mirror
analyzer
5033
静電気力顕微鏡,
電気力顕微鏡,
EFM
静電気力顕微法(電気力顕微法)を用いて表面間の静電
気力の分布を得る走査プローブ顕微鏡。
electrostatic-force
microscope,
electric-force microscope,
EFM
5034
静電気力顕微法,
電気力顕微法
導電性探針を使用して形状像及び探針先端−試料表面間
の静電気力の分布を得る方法。
electrostatic-force
microscopy,
electric-force microscopy
5035
静電半球形分析器
半球面形状の電極間に静電場を形成し,一定のエネルギ
ーの電子を二次元的に収束する機器。
electrostatic
hemispherical analyzer
26
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5036
接触モード(走査プロ
ーブ顕微鏡の)
常に探針−試料間に反発力がかかっている状態で,探針
と試料との相対的な高さを調整しながら,試料表面上に
探針先端を走査するモード。
contact mode (of
scanning probe
microscope)
5037
走査オージェ電子顕微
鏡,
SAM
細く絞った電子線を用いて試料表面を走査し,得られた
オージェ電子による元素像(オージェ像)によって表面
の元素,それらの分布状態を解析する顕微鏡。
scanning Auger electron
microscope,
SAM
5038
走査近接場光顕微鏡
可視光領域でのエバネッセント効果を利用した光源をプ
ローブとして用い,それを走査しながら試料の光学的性
質の変化を検出し,表面の構造を解析する顕微鏡。
scanning near field
optical microscope
5039
走査電気化学顕微鏡
微小な金属探針の先で起きる局所的な電気化学反応によ
る電流値を金属探針を走査しながら測定する顕微鏡。
scanning electrochemical
microscope
5040
走査トンネル顕微鏡,
STM
走査トンネル顕微法のモードを利用した走査プローブ顕
微鏡。
scanning tunneling
microscope,
STM
5041
走査トンネル顕微法
電圧印加された導電性探針の先端を機械的に走査するこ
とによって,トンネル電流と探針先端との表面距離のデ
ータを用いて導電性表面をイメージングする方法。
scanning tunnelling
microscopy
5042
走査プローブ顕微鏡,
SPM
走査型プローブ顕微法によって,試料表面の状態,各種
の物性などを測定する顕微鏡。
scanning probe
microscope,
SPM
5043
走査プローブ顕微法
試料表面上を接触モード,非接触モード,タッピングモ
ード等で探針を機械的に走査しながら,検出器の応答を
同時測定し,表面の各種状態をイメージングする方法。
scanning probe
microscopy
5044
ダイナミックモード
AFM,
ダイナミックフォース
顕微鏡,
DFM
探針先端と試料との相対位置を画像上の各ポイントで正
弦波状に変化させるモードを利用した走査プローブ顕微
鏡。
dynamic-mode AFM,
dynamic-force
microscope,
DFM
5045
脱出深さ
あるエネルギーをもつ電子がエネルギーを損失しないで
固体中を通過できる距離。
escape depth
5046
探針,
プローブ(走査プロー
ブ顕微鏡の)
試料表面の微小領域を走査し,表面の形状及び相互作用
を検出するカンチレバーの先端部及びその近傍。
probe (of scanning probe
microscope)
5047
低速電子線回折法,
LEED
低エネルギー(加速エネルギーが1 keV以下)の電子線
を試料に入射させて,電子線の回折像から試料の表面の
原子構造を解析する方法。
low energy electron
diffraction method,
LEED
5048
デプスプロファイル,
深さプロファイル
横軸に試料の表面から内部への距離,縦軸に原子,分子
などの濃度をとったグラフ。
depth profile
5049
電界イオン顕微鏡,
FIM(表面分析の)
試料表面から放出される電子又はイオンを用いて表面状
態の拡大像を得る機器。
field ion microscope,
FIM (for surface analysis)
5050
電子線マイクロアナラ
イザー,
EPMA
細く絞った電子線を試料表面に照射し,発生する特性X
線を分光して元素の組成及び分布を解析する機器。
electron probe
microanalyzer,
EPMA
5051
トンネル電流
トンネル効果(ポテンシャル障壁を乗り越えるだけのエ
ネルギーをもたない電子が,その障壁を通り抜けること
ができる量子力学的な現象)によってポテンシャル障壁
を貫いて流れる電流。
tunneling current
5052
二次イオン質量分析法,
SIMS
高エネルギー(数keV〜20 keV)のイオンを試料に照射
し,スパッタリングによって放出される二次イオンを質
量分析計によって分析する方法。
secondary ion-mass
spectrometry,
SIMS
27
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5053
反射高速電子線回折法,
RHEED
10 keV以上の電子線を試料表面に浅い角度で入射させ,
試料表面の結晶格子で回折した反射図形を検出すること
で結晶表面の構造を分析する方法。
reflection high energy
electron diffraction
method,
RHEED
5054
非接触モード(走査プ
ローブ顕微鏡の)
探針と試料の間に常に引力が働いている状態で走査する
モード。
non-contact mode
5055
プラズモン
金属中の電子が電子間の静電的反発によって起こす量子
化されたプラズマ振動の現象。
plasmon
5056
プラズモンピーク
(XPSの)
X線光電子分光スペクトル中の内殻電子ピークの低エネ
ルギー側に現れるピーク。物質中で放出された光電子が
真空中に放出されるまでに固体中のプラズモンによって
運動エネルギーを奪われたために生じる。
plasmon peak (of XPS)
5057
平均自由行程
あるエネルギーをもつ電子が固体中を通過できる距離の
平均値。
mean free path
3.6
分離分析機器
a) クロマトグラフ
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6001
Rf値(薄層クロマトグ
ラフィー又はペーパ
ークロマトグラフィ
ーの)
分析種の移動距離を溶媒の移動最先端までの距離で除し
た値。分析種の同定の指標として用いる。
Rf value (of thin layer
chromatography or
paper chromatography)
6002
アイソクラティック溶
離法(液体クロマト
グラフィーの)
単一組成の溶離液によって分析種を展開,溶出させる操
作。
isocratic elution (of liquid
chromatography)
6003
圧力勾配補正因子(ガ
スクロマトグラフィ
ーの)
j=(3/2)[(Pi/Po)2−1]/[(Pi/Po)3−1]で定義される値。充塡剤
が均一に詰められた一定の径をもつカラムについてのみ
適用できる。Pi及びPoはそれぞれカラム入口及び出口に
おけるキャリヤーガスの圧力を表す。
pressure gradient
correction factor (of
gas chromatography)
6004
圧力プログラム法(ガ
スクロマトグラフィ
ーの)
設定したプログラムに従って,移動相の圧力を変化させ
ながら分析種を展開させる方法。
pressure programming
method (of gas
chromatography)
6005
アフィニティークロマ
トグラフィー
生物学的親和性(酵素と基質,抗原と抗体など)を利用
した液体クロマトグラフィー。
affinity chromatography
6006
イオンクロマトグラフ イオンクロマトグラフィーを行う装置。
ion chromatograph
6007
イオンクロマトグラフ
ィー,
IC
溶離液を移動相にしてカラムに試料を導入し,固定相と
の相互作用(イオン交換など)の差を利用して,イオン
を測定する高速液体クロマトグラフィー。
ion chromatography,
IC
6008
イオン交換クロマトグ
ラフィー
固定相にイオン交換能をもつ物質を用いてイオン解離性
分析種の分離を行う液体クロマトグラフィー。
ion-exchange
chromatography
6009
移動相
クロマトグラフィーが行われる場の要素の一つで,固定
相に接して流れる気体,液体,超臨界流体などの流体。
mobile phase,
moving phase
6010
液液クロマトグラフィ
ー
固定相として液体を用いる液体クロマトグラフィー。
liquid-liquid
chromatography
6011
液固クロマトグラフィ
ー
固定相として固体を用いる液体クロマトグラフィー。
liquid-solid
chromatography
6012
液体クロマトグラフィ
ー,
LC
移動相として液体を用いるクロマトグラフィー。
liquid chromatography,
LC
28
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6013
液体クロマトグラフ
液体クロマトグラフィーを行う装置。
liquid chromatograph
6014
液体クロマトグラフィ
ー質量分析,
LC/MS
質量分析計を検出器とする液体クロマトグラフィー。
liquid chromatography/
mass spectrometry,
LC/MS
6015
液体クロマトグラフ質
量分析計,
LC-MS
液体クロマトグラフと質量分析計とを結合した装置。
liquid chromatograph/
mass spectrometer,
LC-MS
6016
炎光光度検出器,
FPD(ガスクロマトグ
ラフィーの)
還元性の水素炎中の硫黄又はりんによる発光を測定する
ガスクロマトグラフ用検出器。
flame photometric
detector,
FPD (of gas
chromatography)
6017
往復運動形プランジャ
ーポンプ(液体クロ
マトグラフの)
往復運動するプランジャーによって移動相(液体)を吸
引,吐出させるポンプ。
reciprocating pump
6018
温度プログラム法
設定したプログラムに従ってカラム槽の温度を変化させ
るクロマトグラフィー。
temperature
programming method
6019
化学結合形充塡剤
担体表面に固定相となる物質を化学結合させた充塡剤。 chemically bonded
packings
6020
下降展開(ペーパーク
ロマトグラフィーの)
移動相を下方に向けて移動させることで分離する手法。 descending development
(of paper
chromatography)
6021
ガスクロマトグラフ
ガスクロマトグラフィーを行う装置。
gas chromatograph
6022
ガスクロマトグラフィ
ー,
GC
移動相として気体を用いるクロマトグラフィー。
gas chromatography,
GC
6023
ガスクロマトグラフィ
ー質量分析,
GC/MS
質量分析計を検出器とするガスクロマトグラフィー。
gas chromatography/
mass spectrometry,
GC/MS
6024
ガスクロマトグラフ質
量分析計,
GC-MS
ガスクロマトグラフと質量分析計とを結合した装置。
gas chromatograph/mass
spectrometer,
GC-MS
6025
ガードカラム
性能劣化を防ぐために分離カラムの前に設置する小形の
カラム。
guard column
6026
カラム
クロマトグラフィーを行うために固定相を形成する物質
を保持させた管の総称。
column
6027
カラムクロマトグラフ
(液体クロマトグラ
フィーの)
固定相としてカラムを使用した液体クロマトグラフ。
column chromatograph
(for liquid
chromatography)
6028
カラム槽
カラムを収容する槽。
column compartment
6029
気液クロマトグラフィ
ー
固定相として液体を用いるガスクロマトグラフィー。
gas-liquid
chromatography
6030
気固クロマトグラフィ
ー
固定相として固体を用いるガスクロマトグラフィー。
gas-solid
chromatography
6031
逆相クロマトグラフィ
ー
固定相よりも極性の高い移動相を用いる液体クロマトグ
ラフィー。
reversed phase
chromatography
6032
キャピラリーカラム
(ガスクロマトグラ
フィーの)
内径約l mm以下の中空カラム又は充塡カラムの総称。
capillary column (of gas
chromatography)
29
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6033
キャリヤーガス(ガス
クロマトグラフィー
の)
ガスクロマトグラフィー用の移動相。
carrier gas (of gas
chromatography)
6034
吸着クロマトグラフィ
ー
分析種の気固又は液固吸着平衡の差によって分離が行わ
れるクロマトグラフィー。
adsorption
chromatography
6035
空間補正保持時間(ガ
スクロマトグラフィ
ーの)
ある分析種の保持時間からホールドアップタイムを引い
た値。
adjusted retention time
(of gas
chromatography)
6036
空間補正保持容量(ガ
スクロマトグラフィ
ーの)
ある分析種の保持容量からホールドアップボリュームを
引いた値。
adjusted retention
volume (of gas
chromatography)
6037
クロマトグラフ
クロマトグラフィーを行う装置。
chromatograph
6038
クロマトグラフィー
試料を固定相に接して流れる移動相に導入して,固定相
及び移動相に対する分析種の特性の差によって分離を行
う方法。
chromatography
6039
クロマトグラム
クロマトグラフィーにおいて,分析種の溶出状態を時間
に対してプロットした図。
chromatogram
6040
蛍光検出器(液体クロ
マトグラフィーの)
溶出液に励起光を照射し,分析種の蛍光強度を測定する
液体クロマトグラフ用検出器。
fluorescence detector (of
liquid
chromatography)
6041
恒温分析法
カラム槽温度を一定にして行うクロマトグラフィー。
isothermal
chromatography
6042
高速液体クロマトグラ
フ
高速液体クロマトグラフィーを行う装置。
high performance liquid
chromatograph
6043
高速液体クロマトグラ
フィー,
HPLC
液体を移動相にしてカラムに試料を導入し,分析種を固
定相との相互作用(吸着,分配,イオン交換,サイズ排
除など)の差を利用して高性能に分離して検出する方法。
high performance liquid
chromatography,
HPLC
6044
グラジエント溶離法,
勾配溶離法(液体クロ
マトグラフィーの)
溶離液(移動相)の組成を変化させながら分析種を展開
及び溶出させる操作。
gradient elution (of liquid
chromatography)
6045
コールドオンカラム注
入法(ガスクロマト
グラフィーの)
試料溶媒の沸点以下に保った注入口を通してカラムに直
接試料を導入するキャピラリーカラム用試料注入方法。
cold on-column
injection method (of
gas chromatography)
6046
固定相
クロマトグラフィーが行われる場の要素の一つで移動相
と平衡状態にあり,分析種と相互作用する場。
stationary phase
6047
固定相液体(ガスクロ
マトグラフィーの)
固定相として用いる液体。
stationary liquid (of gas
chromatography)
6048
固定相液体担持量(ガ
スクロマトグラフィ
ーの)
質量百分率Sc(%)で表す固定相液体の担持量。次の式
で定義する。
Sc=Ms/(Ms+Msu)×100
ここに, Sc: 固定相液体担持量
Ms: 固定相液体の質量
Msu: 担体の質量
liquid phase loaded (of
gas chromatography)
6049
サイズ排除クロマトグ
ラフィー,
SEC
分析種の分子の大きさによって分離を行うクロマトグラ
フィー。溶離液に有機溶媒を用いる場合はゲル浸透クロ
マトグラフィー,また,水溶液を用いる場合はゲルろ過
クロマトグラフィーと呼ぶことがある。
size exclusion
chromatography,
SEC
6050
サプレッサー法
電気伝導度検出器を用いる場合,測定するイオン種成分
の検出を損なうことなくバックグラウンドとなる電気伝
導度を低減する方法。
suppressor method
30
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
6051
紫外可視吸収検出器
(液体クロマトグラ
フィーの)
紫外又は可視部の吸収を利用して測定する液体クロマト
グラフ用検出器。
ultraviolet/visible
absorption detector
(of liquid
chromatography)
6052
示差屈折率検出器(液
体クロマトグラフィ
ーの)
溶離液と分析種との屈折率の差を用いて測定する液体ク
ロマトグラフ用検出器。
differential refractometer
detector (of liquid
chromatography)
6053
充塡カラム
充塡剤を充塡したカラム。
packed column
6054
順相クロマトグラフィ
ー
固定相よりも極性の低い移動相を用いる液体クロマトグ
ラフィー。
normal phase
chromatography
6055
昇温分析法
設定したプログラムに従ってカラム槽の温度を上昇させ
ながら行うクロマトグラフィー。
programmed
temperature analysis
6056
上昇展開(薄層クロマ
トグラフィー又はペ
ーパークロマトグラ
フィーの)
移動相を上方に向けて移動させることで分離する手法。 ascending development
(of thin layer
chromatography or
paper chromatography)
6057
蒸留ガスクロマトグラ
フ
石油製品の炭化水素組成を昇温ガスクロマトグラフで分
析し,温度留分組成を推定,定量するための装置。
distillation gas
chromatograph
6058
助燃ガス(ガスクロマ
トグラフィーの)
フレーム(炎)形成のための燃料ガスの燃焼に必要な空
気及び酸素の総称。
supporting gas (of gas
chromatography)
6059
シリンジポンプ
シリンダー中に満たした移動相(液体)をピストンによ
って吐出させるポンプ。
syringe pump
6060
親水性相互作用クロマ
トグラフィー,
HILIC(液体クロマト
グラフィーの)
親水性相互作用によって分離が行われるクロマトグラフ
ィー。
hydrophilic interaction
chromatography,
HILIC (of liquid
chromatography)
6061
シンメトリ係数
クロマトグラム上のピークの対称性の度合いを示す係
数。
symmetry factor
6062
水素炎イオン化検出器,
FID(ガスクロマトグ
ラフィーの)
水素の燃焼熱によって有機化合物の骨格炭素をイオン化
し,そのイオン電流の変化を測定するガスクロマトグラ
フ用検出器。
flame ionization detector,
FID (of gas
chromatography)
6063
スプリット注入法(ガ
スクロマトグラフィ
ーの)
試料導入部に設けられた分岐によって注入気化された試
料の一部を,カラムに導入するキャピラリーカラム用の
試料注入法。
split injection method (of
gas chromatography)
6064
スプリットレス注入法
(ガスクロマトグラ
フィーの)
注入気化された試料のほぼ全量がカラムに移送された段
階で,スプリット出口を開き,気化室に残存する溶媒な
どを系外に排出し分析するキャピラリーカラム用の試料
注入法。
splitless injection
method (of gas
chromatography)
6065
セプタム方式(試料注
入の)
弾性ゴム体を通して,試料をシリンジによって注入する
方式。
septum injection type
(of sample injection)
6066
全多孔性充塡剤
粒子の内部まで開孔している多孔性粒子から成る充塡
剤。
totally porous packings
6067
全補正保持容量(ガス
クロマトグラフィー
の)
カラムにおける圧力降下を補正した空間補正保持容量
で,空間補正保持容量Vrに圧力勾配補正因子jを乗じた
Vn=jVrで定義される。
adjusted retention
volume (of gas
chromatography)
6068
相対感度
基準とする分析種の単位量当たりのピーク面積に対す
る,分析種の単位量当たりのピーク面積の比。
relative sensitivity
31
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
6069
相比(ガスクロマトグ
ラフィーの)
カラム中の固定相体積に対する移動相体積の割合。中空
カラムの場合は次の式で定義される。
β=r/2df
ここに, r: カラムの半径
df: 固定相液体の膜厚
phase ratio (of gas
chromatography)
6070
担体(クロマトグラフ
ィーの)
分配形の充塡剤において,固定相を保持するために用い
られる基材。
solid support (of
chromatography)
6071
ダンパー
ポンプによって発生する脈流を低減させる器具。
damper
6072
中空カラム(ガスクロ
マトグラフィーの)
固定相となる物質を内壁に保持した中空状のカラム。
open tubular column (of
gas chromatography)
6073
超臨界流体クロマトグ
ラフィー,
SFC
気体及び液体が共存できる限界の温度及び圧力(臨界点)
を超えた状態の流体を移動相としたクロマトグラフィ
ー。
supercritical fluid
chromatography,
SFC
6074
直接注入法(ガスクロ
マトグラフィーの)
キャピラリーカラムにおいて,試料を加熱した気化室に
注入して,瞬間気化させた後,カラムへ全量導入する試
料注入方法。
direct injection method
(of gas
chromatography)
6075
テーリング
ピーク後部が裾を引いている様子。
tailing
6076
電気化学検出器(液体
クロマトグラフィー
の)
作用電極に一定電位を印加し,溶出液中の分析種の電気
化学反応によって生じた電流又は電気量を測定する検出
器。
electrochemical detector
(of liquid
chromatography)
6077
電気伝導度検出器(液
体クロマトグラフィ
ーの)
分析種の電気伝導度を測定する検出器。
electric conductometric
detector (of liquid
chromatography)
6078
電子捕獲検出器,
ECD(ガスクロマトグ
ラフィーの)
放射性同位元素からのβ線又は放電によって生成した自
由電子が,ハロゲン,酸素などを含む化合物と再結合す
る現象を利用して測定する検出器。
electron capture detector,
ECD (of gas
chromatography)
6079
二次元展開
薄層クロマトグラフィー又はペーパークロマトグラフィ
ーにおいて,初め移動させた方向と直角の方向に再び移
動させることで分離する手法。
two dimensional
development
6080
熱イオン化検出器(ガ
スクロマトグラフィ
ーの),
TID,
NPD,
FTD
水素炎の中にアルカリ塩又はアルカリ土類塩を共存させ
て含窒素及び含りん有機化合物のイオン化を促進させる
ことによって,分析種の検出感度を高めて測定する検出
器。
thermionic ionization
detector,
TID,
nitrogen phosphorous
detector,
NPD,
flame thermionic
detector,
FTD (of gas
chromatography)
6081
熱伝導度検出器,
TCD(ガスクロマトグ
ラフィーの)
キャリヤーガスと分析種との熱伝導度の差を利用して測
定する検出器。
thermal conductivity
detector,
TCD (of gas
chromatography)
6082
熱分解ガスクロマトグ
ラフィー
試料を熱分解し,その生成成分をガスクロマトグラフィ
ーによって分離,検出,解析する方法。
pyrolysis gas
chromatography
6083
燃料ガス(ガスクロマ
トグラフィーの)
フレーム(炎)形成のために用いる水素などの可燃性の
気体。
fuel gas (of gas
chromatography)
6084
パージ・トラップ法
液体試料中の揮発性分析種を不活性ガス相中に移動さ
せ,トラップ管に捕集,濃縮した後に,これを加熱して
揮発性分析種を追い出し,分析装置に導入する方法。
purge and trap method
32
K 0215:2016
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
6085
排除クロマトグラフィ
ー
分析種の分子の大きさ及びイオン相互作用などによって
分離を行う液体クロマトグラフィーの総称。
exclusion
chromatography
6086
パイログラム(ガスク
ロマトグラフィーの)
熱分解ガスクロマトグラフィーで得られるクロマトグラ
ム。
pyrogram (of gas
chromatography)
6087
薄層クロマトグラフィ
ー,
TLC
ガラスなど平滑な板の上に吸着剤を薄く均一に塗布した
ものを固定相とした液体クロマトグラフィー。
thin layer
chromatography,
TLC
6088
半値幅
ピーク高さの1/2の点におけるピークの幅。
peak width at half height
6089
半値幅法
ピーク面積を半値幅及びピーク高さの積で表す面積計算
方法。
peak width at half height
method
6090
ピーク(クロマトグラ
フィーの)
クロマトグラムにおいて,カラムから分析種が溶出して
いるときの溶出曲線の形状。
peak (of
chromatography)
6091
ピーク高さ
ピークの頂点からピークの両裾を結ぶ直線に下ろした交
点までの高さ。
peak height
6092
ピーク幅
ピークの両側の変曲点における接線及びピークの両裾と
を結ぶ直線の二つの交点の幅。
peak width
6093
ピーク面積
ピークの両裾を結ぶ直線及びピークが囲む面積。
peak area
6094
光イオン化検出器,
PID(ガスクロマトグ
ラフィーの)
紫外線を照射して分析種をイオン化し,そのイオン電流
変化を測定するガスクロマトグラフ用検出器。
photoionization detector,
PID (of gas
chromatography)
6095
光散乱検出器
カラムからの溶出物によって散乱する光の強度を連続的
に検出する検出器。
light-scattering detector
6096
比保持容量(ガスクロ
マトグラフィーの)
標準状態における固定相液体の単位質量当たりの全補正
保持容量。次の式によって求められる。
Vg=Vn/Ws×273.15/T
ここに, Vg: 比保持容量
Vn: 全補正保持容量
Ws: 固定相液体の質量(g)
T: カラムの絶対温度(K)
specific retention
volume (of gas
chromatography)
6097
表面多孔性充塡剤
粒子の表面だけが開孔している多孔性の充塡剤。
pellicular packings
6098
付加ガス(ガスクロマ
トグラフィーの)
カラムの下流で流路に合流させ,流量を増大させるため
に用いる気体。
make up gas (of gas
chromatography)
6099
フラクション,
画分
分画操作によって,分け取られた部分。
fraction
6100
フラクションコレクタ
ー
溶出液の受器を交換することによって,カラムで分離さ
れた成分を分取するための装置。
fraction collector
6101
ブリーディング(ガス
クロマトグラフィー
の)
固定相液体が加熱によって蒸発し,カラムから徐々に流
出する現象。
bleeding (of gas
chromatography)
6102
プレカット流路
分析の妨害となる成分を除去するための試料導入流路。 pre-cut flow
6103
プレカラム,
前置カラム
分離カラムの前に設置する小形のカラム。
pre-column
6104
プレカラム誘導体化
カラムへ注入する前に,分析種を誘導体化試薬などと反
応させる方法。
pre-column
derivatization
6105
分画
カラムで分離され,溶出してきた成分を分け取る操作。 fractionation
6106
分光光度検出器(液体
クロマトグラフィー
の)
内蔵した分光器によって波長を選択して,その光の吸収
を利用した液体クロマトグラフ用検出器。
spectrophotometric
detector (of liquid
chromatography)
6107
分取クロマトグラフィ
ー
目的成分を含む画分を集めることを目的としたクロマト
グラフィー。
preparative
chromatography
33
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6108
分配クロマトグラフィ
ー
分析種の気液又は液液分配平衡の差によって分離が行わ
れるクロマトグラフィー。
partition
chromatography
6109
分配係数
固定相中の溶質の濃度を,移動相中の溶質の濃度で除し
た値。
partition coefficient
6110
分離モード(液体クロ
マトグラフィーの)
主に分離を支配する作用様式に基づいて分類した様式。 separation mode (of
liquid chromatography)
6111
分離係数
ある二成分の補正保持時間がtr'1<tr'2のとき,tr'2/tr'1で表
される値。保持係数の比と等しい。
separation factor
6112
分離度
クロマトグラム上で近接している二つのピークがどの程
度分離しているかを示す尺度。分離度Rは次の式によっ
て定義する。
2
1
R1
R2
)
(2
W
W
t
t
R
+
−
=
ここに,
tR1,tR2: ピーク1及びピーク2の保
持時間(tR2≧tR1)
W1,W2: ピーク1及びピーク2のピ
ーク幅
又は
2
5.0
1
5.0
R1
R2
)
(
18
.1
h
hW
W
t
t
R
+
−
=
ここに,
tR1,tR2: ピーク1及びピーク2の保
持時間(tR2≧tR1)
W0.5h1,W0.5h2: ピーク1及びピーク2のピ
ーク幅
resolution
6113
ベースライン(クロマ
トグラフィーの)
クロマトグラム上で分析種ピークがなく,移動相だけが
検出器を通過している部分。
base line (of
chromatography)
6114
ペーパークロマトグラ
フィー
ろ紙を固定相又は固定相支持体とした液体クロマトグラ
フィー。
paper chromatography
6115
ヘッドスペース法(ガ
スクロマトグラフィ
ーの)
固体・液体試料を一定容器に入れて密栓し,一定温度で
一定時間加熱し,気相部分の一定量を採取して分析装置
に導入する方法。
head space method (of
gas chromatography)
6116
ホールドアップボリュ
ーム(ガスクロマト
グラフィーの)
ある条件でカラムに保持されない分析種がカラムを通り
抜けるのに要する容量。
hold up volume (of gas
chromatography)
6117
ホールドアップタイム
(ガスクロマトグラ
フィーの)
ある条件でカラムに保持されない分析種がカラムを通り
抜けるのに要する時間。
hold up time (of gas
chromatography)
6118
保持係数,
容量比
固定相中の分析種の質量を,移動相中の分析種の質量で
除した値(k')。クロマトグラムでは,次の式で示される。
k'=(tR−t0)/t0
ここに, k': 保持係数
tR: 分析種の保持時間
t0: 保持されないで移動相と同じ速度
でカラムを通過する成分の保持時
間
retention factor,
capacity factor
6119
保持時間
ある条件で特定の物質がカラムに保持されている時間。 retention time
34
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6120
保持指標(ガスクロマ
トグラフィーの)
次の式で定義する数。
I=100[Z+(logtr'x−logtr'z)/(logtr'z+1−logtr'z)]
ここに, tr'x: 分析種の空間補正保持時間
tr'z: tr'xより空間補正保持時間が小さ
く,かつ,最もtr'xに近い直鎖アル
カンの空間補正保持時間
Z: 空間補正保持時間tr'zの直鎖アルカ
ンの炭素数
tr'z+1: Z+1の炭素数の直鎖アルカンの空
間補正保持時間
なお,昇温分析の場合は,式のlogtrはtrとなる。
retention index (of gas
chromatography)
6121
保持値
保持容量,保持時間,空間補正保持容量,全補正保持容
量,比保持容量,保持比,空間補正保持時間,容量比,
Rf値などの総称。
retention data
6122
保持比(ガスクロマト
グラフィーの)
ある物質の保持値を表示するため,同一条件下で,次の
式で得られる値。
r12=Vr1/Vr2=Vn1/Vn2=Vg1/Vg2=tr'1/tr'2
ここに,
r12: 保持比
Vr1,Vr2: 空間補正保持容量
Vn1,Vn2: 全補正保持容量
Vg1,Vg2: 比保持容量
tr'1,tr'2: 空間補正保持時間
relative retention (of gas
chromatography)
6123
保持容量
ある条件で特定の物質をカラムから溶出させるのに必要
な移動相の体積。
retention volume
6124
ポストカラム誘導体化 分析種と誘導体化試薬をカラムから溶出した後に反応さ
せる方法。
post-column labeling
6125
面積百分率法
クロマトグラムから得られた各分析種のピーク面積の比
を百分率で表す方法。
area percentage method
6126
溶出液(液体クロマト
グラフィーの)
カラムから流出する液体。
effluent (of liquid
chromatography)
6127
溶離液
カラムに保持されている分析種を展開,溶出させる移動
相として用いる液体。
eluent
6128
リーディング
ピーク前半部が後半部に比べて緩やかに立ち上がってい
る様子。
fronting
6129
リサイクル方式(液体
クロマトグラフィー
の)
溶出液をカラム入口へ戻し,繰り返し分離する方式。
recycle method (of liquid
chromatography)
6130
流量プログラム法
移動相の流速を変化させながら試料を展開し,分離する
方法。
flow rate programming
method
6131
理論段数
カラムの分離効率(N)。次の式によって定義する。
N=(tr /σ)2
ここに, tr: 分析種の保持時間
σ: ピーク形状がガウス分布とした標
準偏差
また,式を変形して次の式によって求める場合もある。
N=16(tr/W)2=5.54(tr /W1/2)2=2π(tr・h/A)2
ここに, W: ピーク幅
W1/2: 半値幅
h: ピーク高さ
A: ピーク面積
theoretical plate number
35
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6132
理論段高さ,
HETP
カラム長を理論段数で除した値。
height equivalent to a
theoretical plate,
HETP
6133
ループバルブ方式(試
料注入の)
流路切換えバルブに装着した計量管を用いて,試料を移
動相の中に導入する方式。
valve injection type (of
sample injection)
b) 電気泳動分析機器
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6201
アガロースゲル電気泳
動
寒天中の多糖類で形成された巨大網状構造のゲルを支持
体とした電気泳動。
agarose gel
electrophoresis
6202
イオン性ミセル,
荷電ミセル
イオン性界面活性剤分子が水中で作る電荷を帯びた集合
体。
ionic micelle,
charged micelle
6203
界面動電現象
液体と固体又は液体と液体との相対的な運動と各々の界
面付近における電荷との相互作用によって生じる種々の
現象。電気泳動,流動電位などがある。
electrokinetic
phenomenon
6204
キャピラリー電気泳動,
CE
キャピラリーを泳動場とした電気泳動。泳動場として無
担体で行う場合及びポリアクリルアミドゲルなどの支持
体を用いる場合がある。
capillary electrophoresis,
CE
6205
キャピラリー電気クロ
マトグラフィー,
CEC
中空又は粒子を充塡したキャピラリーカラムを用い,両
端に電位をかけ電気浸透流を送液に用いる液体クロマト
グラフィー。
capillary electro-
chromatography,
CEC
6206
キャピラリー等電点電
気泳動
泳動槽としてキャピラリーを用いた等電点電気泳動。
capillary isoelectric
focusing
6207
ゲルシフト法(電気泳
動の)
DNA断片にたんぱく質が結合すると泳動が遅れる性質
を利用し,DNA結合たん白の結合部位を決定する電気泳
動方法。
gel shift assay (of
electrophoresis)
6208
ゲル電気泳動
ゲルを支持体として用いる電気泳動の総称。
gel electrophoresis
6209
細胞電気泳動
負の電荷をもつ動物細胞などを対象とする電気泳動。
cell electrophoresis
6210
支持体(電気泳動の) 電気泳動を展開させる場。アガロース,ポリアクリルア
ミド,中空の石英ガラス,ガラスキャピラリーなど。
support (of
electrophoresis)
6211
自由ゾーン電気泳動,
自由界面電気泳動
支持体を用いない泳動槽で行う電気泳動。
carrier-free
electrophoresis,
moving boundary
electrophoresis
6212
ゾーン電気泳動
対流の発生を防いだ泳動槽を用いて,試料中の成分を層
状に分離する電気泳動。
zone electrophoresis
6213
電気泳動
溶液中に電極を入れて,これに直流電圧を加えるとき,
イオン,荷電粒子などがいずれか一方の電極へ移動する
現象。
electrophoresis
6214
電気浸透流
直流電場とキャピラリー内壁又は粒子表面に存在する電
気二重層との電気的作用によって,緩衝液が移動する現
象。界面動電現象の一種。
electroosmotic flow
6215
等速電気泳動,
ITP
分析対象のイオンより移動度の大きいイオン種を含む溶
液と移動度の小さいイオン種を含む溶液との間に試料液
を導入して,キャピラリー,チューブなどを使用して行
うゾーン電気泳動。
isotachophoresis,
ITP
6216
動電クロマトグラフィ
ー,
EKC
疑似固定相を含む緩衝液を満たしたキャピラリー中にお
いて,疑似固定相と試料成分との相互作用に基づいて分
離する電気泳動。
electrokinetic
chromatography,
EKC
36
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6217
等電点
両性電解質が溶液中で酸及び塩基として解離するとき,
陽イオンがもつ電気量と陰イオンがもつ電気量との絶対
値が等しくなり,電気移動度がゼロとなるpH値。
isoelectric point
6218
等電点電気泳動,
IEF
pH勾配が形成された泳動槽中で,試料がそれぞれの等電
点の位置に収れん又は分離される電気泳動。
isoelectric focusing,
IEF
6219
二次元電気泳動
原理の異なる2種類の電気泳動を逐次組み合わせて行う
電気泳動。
two-dimensional
electrophoresis
6220
濃度勾配電気泳動
泳動槽中に添加剤又はゲルの濃度勾配を作り,試料中の
分析種を分子量に応じて分離する電気泳動。
gradient electrophoresis
6221
薄層電気泳動
ガラスなどの平板に分離用のゲルを薄い層に形成させ
て,これを支持体として用いる電気泳動。
thin layer
electrophoresis
6222
マイクロチップ(電気
泳動の)
微細加工によってウェル,流路などを作成した基板。
microchip (of
electrophoresis)
6223
マイクロチップ電気泳
動
マイクロチップを泳動場とした電気泳動。
microchip
electrophoresis
6224
ミセル動電クロマトグ
ラフィー,
MEKC
イオン性ミセル溶液を満たしたキャピラリー中に試料を
導入し,両端に電位をかけて試料とミセルとの相互作用
に基づいて分離を行うキャピラリー電気泳動の一種。
micellar electrokinetic
chromatography,
MEKC
6225
免疫電気泳動
抗原抗体反応によって試料中の分析対象の抗原又は抗体
を検出し,定量する電気泳動。
immunoelectrophoresis
3.7
流れ分析機器
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7001
加熱分解器
試料中の特定成分を加熱操作によって分解する器具。
digestor
7002
気液分離器
気体セグメントと液体セグメントとの分離又は液体から
溶存気体を分離する器具。
gas separator
7003
サンドイッチインジェ
クション法
流路系の同一場所に設けた複数の導入器から試料及び試
薬を同時に導入する方法。
sandwich injection
method
7004
シーケンシャルインジ
ェクション分析,
SIA
シーケンシャルインジェクション分析法を利用した定量
分析。
sequential injection
analysis,
SIA
7005
シーケンシャルインジ
ェクション分析法
非連続的な流れの中に試料及び試薬を逐次導入し,反応
などを行った後,下流に設けた検出部で分析成分を検出
して定量する分析方法。
sequential injection
method
7006
蒸留器
試料中の特定成分を蒸留操作によって分離・精製する器
具。
distillater
7007
ストップトフロー法
キャリヤーの流れを一時的に停止させる方法。検出器の
フローセル内で停止させて反応の時間変化を観測する方
法及び混合器の中で停止させて分散を抑えて反応時間を
長くとる方法の二つがある。
stopped flow method
7008
セグメンター
溶媒抽出を行う場合,水相の流れと有機相の流れとを合
流させる器具。
segmentor
7009
セグメント
細管中の流体に試薬,試料,有機溶媒などを導入したと
きにできる分節,又は帯。
segment
7010
相分離器
水相と有機相とに分離させる器具。
phase separator
7011
滞留時間
試料を導入してから,応答曲線の最大値が得られるまで
の時間。
residence time
7012
ダブルインジェクショ
ン法
試料の濃度又は量を変えて流れの中に2か所に分けて導
入する方法。
double injection method
37
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7013
抽出器
試料中の特定成分を抽出する器具。
extractor
7014
流れ分析
流れの中で試料と試薬とを反応させた成分を連続的に検
出,定量する分析方法。
flow analysis
7015
フローインジェクショ
ン滴定法
試料を滴定用試薬の流れに導入し,混合器で十分に拡散,
反応させた後に得られる応答曲線の幅から濃度を求める
フローインジェクション分析の一方法。
flow injection titration
method
7016
フローインジェクショ
ン分析,
FIA
フローインジェクション法を用いて反応した成分を検
出,定量する分析方法。
flow injection analysis,
FIA
7017
フローインジェクショ
ン法
試薬(又は試料)の流れの中に試料(又は試薬)を導入
し,反応させる方法。
flow injection method
7018
分散
キャリヤーの流れによる試料又は試薬のセグメントの希
釈,混合。
dispersion
7019
マージングゾーン法
二つのキャリヤーの流れにそれぞれ試料及び/又は試薬
を導入し合流する方法。
merging zone method
7020
流路系
流れ分析装置において,細管で結合された装置内を流れ
る流体の流れ系。
flow system,
manifold
7021
連続流れ分析法,
CFA
管内に一定流量で流れる試薬などに気体を導入して分節
し,そこに試料などを順次導入して生じた反応生成物を
連続的に検出,定量する方法。
continuous flow analysis,
CFA
3.8
熱分析機器
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8001
応力緩和
応力が時間とともに減少する現象。
stress relaxation
8002
応力緩和曲線
縦軸に応力,横軸に時間をとり,応力緩和試験の結果を
プロットして得られる曲線。
stress relaxation curve
8003
応力ひずみ曲線
縦軸に応力,横軸にひずみをとり,応力ひずみ試験の結
果をプロットして得られる曲線。
stress-strain curve
8004
温度定点
温度目盛の基準となる温度。
fixed point of temperature
8005
温度変調示差走査熱量
測定装置,
温度変調DSC
通常の定速昇温のDSC(示差走査熱量)測定に,温度変
調を重ね合わせる方法。
temperature modulated
differential scanning
calorimeter,
temperature modulated
DSC
8006
ガラス転移温度
液体状態からガラス状態(非晶質固体)に変化する温度
又はガラス状態(非晶質固体)から液体状態に変化する
温度。
glass transition
temperature
8007
基準物質(熱分析の) 熱分析において,試料の熱的変化との比較に用いられる
物質。
reference materials (of
thermal analysis)
8008
キュリー温度
磁気的性質が強磁性から常磁性に変化する転移温度。
Curie temperature
8009
クリープ
一定の応力のもとで,物体の塑性変形が時間とともに増
加する現象。
creep
8010
クリープ曲線
縦軸にひずみ,横軸に時間をとり,クリープ試験の結果
をプロットして得られる曲線。
creep curve
8011
示差走査熱量計
示差走査熱量法によって,試料と基準物質とのエネルギ
ー差を温度の関数として測定する装置。
differential scanning
calorimeter
8012
示差走査熱量法,
DSC
試料及び基準物質の温度を規定のプログラムに従って変
化させながら,その試料と基準物質とのエネルギーの入
力の差を温度の関数として測定する方法。
differential scanning
calorimetry,
DSC
38
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8013
示差熱分析,
DTA
試料及び基準物質の温度を規定のプログラムに従って変
化させながら,その試料と基準物質との間の温度差を温
度又は時間の関数として測定する方法。
differential thermal
analysis,
DTA
8014
示差熱分析装置
示差熱分析に用いられる装置。
differential thermal
analyzer
8015
昇温脱離スペクトル分
析
真空中又は特定雰囲気中で,試料を加熱し,発生する気
体を質量分析計に導入しマススペクトルを測定する方
法。
thermal desorption
spectroscopy
8016
針入測定(熱機械分析
の)
TMA装置において,先端が針状のプローブを用いて,圧
縮荷重を加えたときの試料の軟化に伴う貫入変位を測定
する手法。
penetration-mode
measurement (of
thermomechanical
analysis)
8017
線膨張係数,
膨張係数
試料の一軸方向の長さが熱による線膨張によって変化し
たとき,その単位温度変化当たりの長さの変化比。物体
の長さをl,温度をTとすれば,(1/l)(dl/dT)となる。
coefficient of (linear)
thermal expansion
8018
速度制御熱重量測定,
CRTG
質量変化速度(質量変化の時間微分)が,一定のプログ
ラムに従って変化するように温度制御を行う熱重量測定
法。
controlled-rate
thermogravimetry,
CRTG
8019
速度制御熱分析,
CRTA
試料の特性値の変化速度が,一定のプログラムに従って
変化するように温度制御を行う熱分析法。
controlled-rate thermal
analysis,
CRTA
8020
速度制御熱機械測定
試料の焼結に伴う収縮の速度(収縮量の時間微分)が,
一定のプログラムに従って変化するように温度制御を行
う熱機械測定法。
controlled-rate
thermomechanical
analysis
8021
中点温度
物理量の変化が全体の変化量の50 %に達する温度。
mid-point temperature
8022
転移熱量
転移に伴い吸収又は放出される熱量。同一装置を用いて
測定した標準物質の熱量[代表的にはインジウム(In)
の融解熱]を基準にして,転移ピーク面積の比較法によ
って求める熱量。
−
8023
動的熱機械測定,
DMA,
動的粘弾性測定
試料の温度を規定のプログラムに従って変化させなが
ら,振動荷重の下での試料の貯蔵弾性率と損失弾性率と
を,時間,温度,振動周波数に対して測定する方法。
dynamic mechanical
analysis,
DMA
8024
動的熱機械測定装置,
動的粘弾性測定装置
動的熱機械測定に用いられる装置。
dynamic mechanical
analyzer
8025
入力補償示差走査熱量
測定,
入力補償DSC
試料及び基準物質で構成される試料部の温度を,一定の
プログラムに従って変化させながら,その試料及び基準
物質の温度が等しくなるように,両者に加えた単位時間
当たりの熱エネルギーの入力差を温度の関数として測定
する方法。
power-compensation
differential scanning
calorimetry,
power-compensation
DSC
8026
熱機械分析,
TMA
試料の温度を規定のプログラムに従って変化させなが
ら,圧縮,引張り,曲げ,ねじりなどの非振動的荷重を
加えて,その物質の変形を温度の関数として測定する方
法。
thermomechanical
analysis,
TMA
8027
熱機械分析装置
熱機械分析に用いられる装置。
thermomechanical
analyzer
8028
熱刺激電流測定装置
試料に高温で電圧をかけて分極させた後,温度を下げて
凍結させ,試料を昇温し,脱分極電流を測定する装置。
thermally stimulated
current analyzer,
TSC analyzer
39
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8029
熱重量測定,
TG
試料の温度を規定のプログラムに従って変化させなが
ら,質量を温度の関数として測定する方法。
thermogravimetric
analysis,
thermogravimetry,
TG
8030
熱重量測定装置,
熱天びん
熱重量測定のための装置。示差熱分析と同時測定する装
置(TG-DTA)が多い。
thermogravimetric
analyzer,
thermogravimeter
8031
熱電温度計
熱起電力を利用する温度計の一種。通常,熱電対,冷接
点容器又は補償回路,微小電圧計などで構成する。
thermoelectric
thermometer
8032
熱分析
試料の温度を規定のプログラムに従って変化させなが
ら,試料及び/又は生成物のある物理的性質を温度の関
数として測定する一連の方法の総称。
thermal analysis
8033
熱膨張測定装置
試料の温度を規定のプログラムに従って変化させなが
ら,試料の寸法を温度の関数として測定する装置。
thermodilatometer
8034
熱流束示差走査熱量測
定装置,
熱流束DSC
試料及び基準物質で構成される試料部の温度を,一定の
プログラムに従って変化させながら,その試料及び基準
物質の温度差を,温度の関数として測定する装置。
heat-flux differential
scanning calorimeter,
heat-flux DSC
8035
熱量計
反応熱,潜熱,相転移エネルギー,比熱などを測定する
装置。測定中に圧力変化のない定圧熱量計と,一定容積
のもとで測定が行われる定容熱量計とがある。
calorimeter
8036
発生気体分析,
EGA(熱分析の)
試料の温度を規定のプログラムに従って変化させなが
ら,その試料から放出される揮発性生成物の種類及び量
を温度の関数として求める分析。
evolved gas analysis,
EGA (for thermal
analysis)
8037
ピーク(熱分析の)
DTA曲線又はDSC曲線において,曲線がベースライン
から離れてから再度ベースラインに戻るまでの部分。
peak (of thermal analysis)
8038
引張測定(熱機械分析
の)
先端がチャックを支持できる構造のプローブを用いて,
上下を小形のチャックで固定されたフィルム又は繊維状
の試料に引張方向の荷重を加えて,そのときの変位を測
定する手法。
tensile-mode
measurement (of
thermomechanical
analysis)
8039
微分示差走査熱量計
示差走査熱量測定において,描かれる曲線の時間又は温
度で一次微分した曲線を用いる熱量計。
derivative differential
scanning calorimeter
8040
標準物質(熱分析の) 熱分析において,温度,熱量などの各物理量の校正に用
いられる物質。
calibration standard (of
thermal analysis)
8041
ベースライン(熱分析
の)
試料に変化を生じない温度又は時間領域のTG曲線,
DTA曲線,DSC曲線及びTMA曲線。
なお,DSCによる比熱容量測定においては,昇温前後の
定常状態の曲線。
baseline (of thermal
analysis)
8042
補外開始温度
加熱(冷却)測定においては低温(高温)側のベースラ
インを高温(低温)側へ延長した直線と,ピークの低温
(高温)側の曲線に勾配が最大となる点で引いた接線と
の交点の温度。
extrapolated onset
temperature
8043
補外終了温度
加熱(冷却)測定においては高温(低温)側のベースラ
インを低温(高温)側へ延長した直線と,ピークの高温
(低温)側の曲線に勾配が最大となる点で引いた接線と
の交点の温度。
extrapolated end
temperature
8044
ボンブ熱量計
耐圧,耐食性の密閉容器中で試料を高圧酸素の存在下で
燃焼させ,温度上昇から試料の発熱量を測定する機器。
断熱式と非断熱式とがある。
bomb calorimeter
40
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8045
曲げ測定(熱機械分析
の)
TMA装置において,二つの支点の上に置かれた試料の中
央に圧縮荷重を加えて生じる曲げに伴う変位量の測定。
bending-mode
measurement (of
thermomechanical
analysis)
8046
融解
不溶性物質と融剤とを共に強熱して,可溶性物質に変え
る操作。
fusion
8047
融点測定装置
一定の圧力のもとで固相状態の物質が液相と平衡を保つ
ときの温度を測定する機器。
melting-point apparatus
3.9
自動(連続)分析機器(環境分析,プロセス用・現場用分析)
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9001
圧電天びん式ダスト計,
ピエゾバランス式ダス
ト計
圧電結晶振動子表面上にダストを捕集させ,振動子の振
動数低下を測定することによってダストの質量濃度を測
定する装置。
piezoelectric balance
type dust monitor
9002
アルカリ度計(水質分
析の)
水中のアルカリの量又は中和に要する酸の量を測定する
装置。
alkalinity analyzer (for
water quality analysis)
9003
アンモニア(ガス)自
動計測器(ガス中の)
ガス中のアンモニア濃度を連続的に測定する装置。
continuous analyzer for
ammonia (gas) (in gas)
9004
一時間値(大気計測の) 大気汚染物質の計測値の表記方法の一種で1時間の平均
の値。
hourly value,
one hour value (of
atmosphere
monitoring)
9005
一酸化炭素自動計測器 大気中又は排ガス中の一酸化炭素濃度を連続的に測定す
る装置。
continuous analyzer for
carbon monoxide
9006
インライン分析
化学プロセスなどにおいて,測定対象中に検出器を挿入
して分析,記録・伝送を行う連続分析方法。
in-line analysis
9007
衛星センサー
人工衛星に搭載し,オゾンなど環境破壊の原因となる物
質を地球規模で観測する検出素子。広義では測定装置も
含む。
satellite sensor
9008
SS計
水中に浮遊する汚濁物質濃度を光の透過,散乱によって
測定する装置。
suspended solids meter,
SS meter
9009
塩化水素自動計測器
(排ガス中の)
排ガス中の塩化水素ガス濃度を連続的に測定する装置。 continuous analyzer for
hydrogen chloride (in
flue gas)
9010
応答時間(プロセス分
析機器の)
計測器の入力をステップ上に変化させたとき,出力信号
が最終値のある範囲内に到達するまでの時間。
response time (of
process analyzer)
9011
オキシダント自動計測
器
大気中のオキシダント濃度を連続的に測定する装置。
continuous analyzer for
oxidant
9012
オゾン自動計測器
大気中のオゾン濃度を連続的に測定する装置。
continuous analyzer for
ozone
9013
汚濁指標(水質の)
水の汚濁状態を示す尺度。
pollution index (of water
quality)
9014
汚濁負荷量
水質汚濁物質の1日当たりの質量。
pollutant load
9015
汚泥界面計
水中で沈殿し,泥状になった固形物の界面レベルを測定
する装置。
sludge level meter
9016
汚泥濃度計
汚水処理,汚泥処理などの工程における汚泥の濃度を測
定する装置。
sludge densitometer
41
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9017
オンライン分析
化学プロセスなどにおいて,測定対象から分析試料の採
取,分析部への導入,分析,記録・伝送を行う連続分析
方法。
on-line analysis
9018
化学的酸素消費量
(COD)自動計測器
水中の有機物を化学的に酸化し,そのとき消費する酸化
剤に相当する酸素消費量を自動的に測定する装置。
automatic chemical
oxygen demand meter
9019
活性汚泥計,
MLSS計
エアレーションタンク内の活性汚泥浮遊物質の濃度を光
の透過又は散乱によって測定する装置。
mixed liquor suspended
solid meter,
MLSS meter
9020
間欠測定
一定時間又は試料の一定量採取間隔における周期的な測
定。
intermittent
measurement
9021
乾式ガス分析計
大気汚染自動測定器のうち,紫外線蛍光法,化学発光法,
紫外線吸光法などのように計測及び前処理工程で溶液を
使わない方式の装置。
dry method measuring
system
9022
気相滴定,
GPT
オゾンに既知濃度の一酸化窒素標準ガスを添加し,二酸
化窒素に変換したときの一酸化窒素標準ガスの減少分か
らオゾン濃度を求める方法。
gas phase titration,
GPT
9023
均一系単分散粒子(浮
遊粒子状物質の)
粒子を構成する物質が均一であり,装置の相対感度の校
正に支障のない程度に狭い粒径分布をもつ校正用粒子。
homogeneous dispersive
particle (of floating
dust)
9024
計数効率(粒子計数器
の)
試験用空気中の微粒子の基準的な粒子濃度と粒子計数器
が表示する粒子濃度との比率。
concentration factor (of
particle counter)
9025
校正用ガス
計測器の目盛の校正に用いる標準ガス。ゼロガス,スパ
ンガス,中間点ガスなどがある。
calibration gas
9026
校正用粒子(浮遊粒子
状物質の)
計測器の相対感度の校正に用いられる粒子。
calibration particle (of
floating dust)
9027
コンバーター(窒素酸
化物分析計の)
試料ガス中の二酸化窒素を一酸化窒素に変換する反応
器。
converter (of continuous
analyzer of nitrogen
oxides)
9028
コンポジットサンプラ
ー,
混合試料用自動採水器
あらかじめ設定された比率で試料水を採取し,必要な時
間保存できる機能をもつ採水器。
composite sampler
9029
最小目盛値
装置がもつ目盛の最小値。
minimum scale value
9030
最大目盛値
装置がもつ目盛の最大値。
maximum scale value
9031
酸性雨自動測定装置
雨水の自動採水に加えて,雨量,pH,電気伝導率などを
自動的に測定する装置。
automated acid rain
monitor
9032
酸素自動計測器
排ガス中,大気中などの酸素濃度を連続的に測定する装
置。
continuous analyzer for
oxygen
9033
酸素補正
排ガス中の特定成分の排出量を正しく算出するために,
それらの測定値と酸素濃度とから特定成分量を補正する
方法。
correction by oxygen
concentration
9034
残留塩素計
上水道の浄水過程,下水道の処理過程において,水中に
溶存する残留塩素を測定する装置。
residual chlorine meter
9035
シアン計(水質分析の) 水中のシアン化物イオン濃度を自動的に測定する装置。
全シアン計及び遊離シアン計がある。
cyanide meter (for water
quality analysis)
9036
湿式ガス分析計
大気汚染自動測定器のうち,測定対象ガスを溶液に吸収
させ,その性質の変化によって測定対象ガス濃度をはか
る装置。
wet method measuring
system
9037
質量濃度(浮遊粒子状
物質の)
大気中の浮遊粒子状物質を単位体積当たりの質量で表し
た濃度。
mass concentration (of
floating dust)
42
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9038
自動監視装置(環境測
定の)
環境大気,煙道排ガス,環境水域,排水などの水質に関
し,試料採取,測定及び結果表示を自動的に行う装置。
狭義には,当該項目の連続分析計をいい,広義には単数
又は複数の連続分析計,信号伝送部及び中央制御・表示部
からなるシステム。
automatic monitoring
system (for
environmental
monitoring)
9039
自動粒子計数器
連続的に空気又は水を吸引し,その中の遊離微粒子の粒
径及び個数を測定し,粒子濃度をはかる装置。
automated particulate
counter
9040
シリカ計
水中に含まれるシリカを自動的に測定する装置。
silica meter
9041
試料ガス(大気汚染分
析計用の)
試料大気又は排ガスをダストフィルター,除湿器などで
前処理した後に,計測器に導入される気体。
sample gas (of air
pollution analysis)
9042
浸せき形(検出器の) 検出器全体を試料液に浸して測定する検出器の形式。
immersion type (of
detector)
9043
ストレーナー
油,水,水蒸気などの流体中に含まれている固体異物を
金網などを用いて除去するフィルター。
strainer
9044
スパンガス
計測器の最大目盛を超えない範囲で,最大目盛付近の目
盛を校正するために用いる校正用ガス。
span gas
9045
スモークメーター
ディーゼル排気煙の濃度を測定する装置。
smoke meter
9046
静的校正(ガス分析の) 校正用ガスの代わりに等価液を用いて校正を行う方法。 static calibration (of gas
analysis)
9047
生物化学的酸素消費
(BOD)自動計測器
試料水中の有機性汚濁物質が好気性微生物によって分解
されるときに消費される溶存酸素量を測定する装置。
automatic biochemical
oxygen demand meter
9048
積分球(式)濁度計
試料を満した測定容器に投光し,水中の微粒子によって
起こる散乱光と透過光との強度比から濁度をはかる濁度
計。
turbidimeter with
integrating sphere,
turbidity meter with
integrating sphere
9049
積分値(連続分析の) ある時間範囲の連続分析計の測定指示値の積算値。
integrated value (of
continuous analysis)
9050
ゼロガス
計測器のゼロ点を校正するために用いる校正用ガス。
zero gas
9051
全酸素要求量計,
TOD計
有機物質の構成元素である炭素,水素,窒素,硫黄など
の燃焼によって消費する酸素量から有機物質の量を測定
する装置。
total oxygen demand
meter,
TOD meter
9052
全炭化水素計
試料ガスを一定流量で水素炎イオン検出器に導入し,試
料中の全炭化水素濃度を測定する装置。
total hydrocarbon
analyzer
9053
全窒素自動計測器(水
質分析の)
水中の全窒素(アンモニウムイオン,硝酸イオン,亜硝
酸イオン及び有機体窒素を含めたもの)を自動的に測定
する装置。
automatic total nitrogen
analyzer (for water
quality analysis)
9054
全有機ハロゲン計,
TOX計
酸性下で吸着させた試料を高温で燃焼し,生成したハロ
ゲン化水素を定量する装置。
total organic halogen
meter,
TOX meter
9055
全りん自動計測器(水
質分析の)
水中の全りん(ペルオキソ二硫酸カリウム,硝酸−過塩
素酸分解又は硝酸−硫酸分解処理後のりん酸イオン)を
自動的に測定する装置。
automatic total
phosphorus analyzer
(for water quality
analysis)
9056
相対感度(浮遊粒子状
物質の)
校正用粒子の一定質量濃度に対する計測器の指示値の割
合。
relative sensitivity (of
floating dust)
9057
相対濃度(浮遊粒子状
物質の)
質量濃度と一定の相対的関係にある量を測定することに
よって得られる濃度。
relative concentration
(of floating dust)
9058
測定範囲,
レンジ
装置がもつ目盛の範囲。通常最小目盛値と最大目盛値と
を用いて表す。
measuring range
43
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9059
耐圧防爆容器
内部爆発が容器外の爆発性雰囲気に伝ぱ(播)すること
を防ぐ構造にした容器。
flameproof enclosure
9060
濁度自動計測器
液体の濁度を連続的に測定する装置。
continuous turbidimeter,
continuous turbidity
meter
9061
脱泡槽
試料水中の気泡が分析計中に混入することを防ぐため,
試料水を一時的にためる上部開放形の気泡除槽。
defoaming tank
9062
炭化水素自動計測器
大気中の炭化水素濃度を連続的に計測する装置。
continuous analyzer for
hydrocarbon
9063
窒素酸化物自動計測器 大気中又は排ガス中の窒素酸化物濃度を連続的に測定す
る装置。
continuous analyzer for
oxides of nitrogen
9064
中間点ガス
計測器の測定範囲の最小と最大との間の目盛を校正する
のに用いる校正用ガス。
midway point
calibration gas
9065
直接捕集法(気体の) 試料ガスを溶解,反応,吸着などさせないで,直接捕集
袋,捕集瓶などに捕集する方法。
direct sampling in vessel
(of gas)
9066
透過・散乱光式濁度計 透過光と散乱光との強さの比から濁度を測定する方式の
濁度計。
turbidimeter using light
transmission-
scattering,
turbidity meter using
light transmission-
scattering
9067
等価液
校正用ガスの代わりに,それを用いたときと同等の指示
値を得るように調製した標準液。
equivalent solution for
calibration
9068
透過光式濁度計
試料中の粒子による光の吸収,散乱で透過光量が減衰す
ることによって濁度を測定する機器。
turbidimeter using light
transmission,
turbidity meter using
light transmission
9069
動的校正(ガス分析の) 校正用ガスを用いて実際と同じプロセスで行う校正方
法。
dynamic calibration (of
gas analysis)
9070
ドブソン単位
地表から大気上端まで分布するオゾンの全量を表現する
単位。単位はDU。
Dobson unit
9071
ドブソン分光光度計
二重分光器によって太陽紫外強度を測定し,地上から大
気上端までのオゾン全量を測定する装置。
Dobson
spectrophotometer
9072
内圧防爆容器
容器内の保護気体を周囲の爆発性雰囲気の圧力より高い
圧力に保つことによって,爆発性雰囲気の内部への侵入
を防止する防爆容器。
pressurized enclosure
9073
二酸化硫黄自動計測器 大気中又は排ガス中の二酸化硫黄濃度を連続的に測定す
る装置。
continuous analyzer for
sulfur dioxide
9074
偽計数(粒子計数器の) 測定した空気中に測定可能範囲の大きさの粒子が存在し
ないにもかかわらず,計数器の表示に現れる計数値。
false count (of particle
counter)
9075
熱伝導度式ガス分析計 一定の電流を流した白金線に試料ガスを接触させた際,
供給熱量と放射熱量とで平衡した熱線の温度が個々のガ
スの熱伝導率に依存することを利用したガス分析計。
thermal conductivity gas
analyzer
9076
パーミエーションチュ
ーブ法
液化ガスを封入した管を一定温度に保つことによって,
管壁から拡散するガス量を一定にし,一定流量の希釈ガ
スと混合することで所定の低濃度ガスを調製する方法。
permeation tube method
9077
ハイボリュームエアサ
ンプラー
空気中に浮遊している粒子状物質の捕集に用いる吸引空
気量が1〜1.5 m3/minの試料採取器。
high volume air sampler
9078
ハングアップ(連続分
析計の)
測定対象の濃度をある濃度から濃度ゼロのものに切り換
えたとき,指示がゼロに復帰するまでに要する時間。
hung-up (of continuous
analysis)
44
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9079
pH自動計測器
水又は水溶液のpH値を連続的に測定する装置。
recording pH meter
9080
PM2.5
大気中に浮遊する粒子状物質のうち,粒径2.5 µm以下の
もの。ただし,PM2.5の質量濃度を求める場合は粒径2.5
µmで50 %分留された粒子状物質(JIS Z 8851)。
PM2.5,
particulate matter 2.5
9081
光散乱式ダスト計
微粒子による散乱光量を測定することによってダストの
相対濃度を測定する装置。
light scattering type dust
monitor
9082
微小粒子状物質
(PM2.5)自動計測
器
大気中のPM2.5を連続的に測定する装置。標準測定法は,
フィルター捕集−質量法(JIS Z 8851)。測定原理は,β
線吸収法,フィルター振動法,光散乱法などがある。
automatic monitors for
PM 2.5
9083
ヒドラジン計
ボイラ水などのヒドラジン濃度を測定する装置。
hydrazine meter
9084
非分散赤外ガス分析計 広帯域赤外線をガス体に放射し,特定の帯域幅を吸収す
ることによって特定波長の赤外線の吸収量を測定するガ
ス分析計。
non-dispersive infrared
gas analyzer
9085
非メタン炭化水素計
試料ガス中のメタン以外の炭化水素の総(全)濃度又は
それとメタン濃度を測定する自動ガスクロマトグラフ。
non-methane
hydrocarbon analyzer
9086
表面散乱式濁度計
試料水を槽からあふれさせ,その表面に光を照射して,
濁りによる散乱光量を検出する濁度計。
turbidimeter using light
scattering at sample
surface,
turbidity meter using
light scattering at
sample surface
9087
微量電量滴定式酸化法
(硫黄分析計の)
試料を酸素で燃焼させて発生した二酸化硫黄を電解液に
吸収させ,電量滴定することによって硫黄濃度を定量す
る方法。
trace quantities analysis
by oxidative
coulometric titration
(of sulfur analyzer)
9088
ふっ素化合物自動計測
器(大気中の)
大気中のガス状無機ふっ素化合物を連続的に測定する装
置。
continuous analyzer for
fluorine compounds
(in air)
9089
浮遊粒子状物質自動計
測器
大気中の浮遊粒子状物質濃度を連続的に測定する装置。 automatic monitors for
suspended particulate
matter
9090
プロセス分析計
主として生産工程に用いられる定置形で,連続又は間欠
形の分析装置。
process analyzer
9091
分粒器
浮遊粒子状物質の測定のために,ある大きさの粒径を超
える粒子を除去する装置。
particle size separator
9092
防湿
雰囲気の侵入によって装置内部が結露しない,又は結露
しても機能に支障を来さないように防止する手法。
moisture proof
9093
放射線式励起法(硫黄
分析計の)
試料にX線を照射して,発生した硫黄の蛍光X線をエネ
ルギー分散方式で分析する方法。
energy dispersive X-ray
fluorescence method
(of sulfur analyzer)
9094
防水
機器の内部に浸水の形跡がないか,又は正常な動作を阻
害するような浸水がないように防止する手法。
water proof,
water resistant protection
9095
防滴
装置外部に水滴,飛まつ(沫)がかかっても,その機能
に支障がないように防止する手法。
drip proof
9096
防爆
機器が点火源となってその周囲における爆発性雰囲気に
点火することを防止する手法。
explosion-protection
9097
本質安全回路
機器の正常動作条件下及び定められた故障状態で発生す
る電気火花及び熱の影響によって定められた爆発性雰囲
気への点火が生じない回路。
intrinsically safe circuit
9098
有機汚濁指標
有機物質による汚濁の程度を示す尺度。
organic pollution index
45
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9099
有機体炭素(TOC)自
動計測器
水中の全有機体炭素の濃度を連続的に測定するための装
置。
continuous total organic
carbon analyzer
9100
紫外線吸光度自動計測
器
水の汚濁の程度を紫外線の吸光度から連続的に測定する
ための装置。
ultraviolet photometer
for monitoring of
water pollution
9101
油分計(水質分析の) 水に含まれる油分を測定する装置。
oil content meter (for
water quality
analysis)
9102
溶液電気伝導率法(ガ
ス分析計の)
吸収液中に測定ガスを通過させ,吸収液中の電気伝導率
変化によってガス濃度を測定する方法。
gas dissolution
conductometric
method (of gas
analyzer)
9103
溶存酸素自動計測器
環境水,工場排水などの溶存酸素の濃度を連続的に測定
する装置。
continuous dissolved
oxygen analyzer
9104
溶存水素計
原子力発電及び火力発電に用いる循環水中などの溶存水
素濃度を測定する装置。
dissolved hydrogen
meter
9105
流通形(検出器の),
流液形(検出器の)
試料を連続して流しながら測定する検出器の形式。
flow-through type (of
detector)
9106
レーザーレーダー,
LIDAR
レーザー光線の平行直進性を利用し,レーザー光のパル
スが大気中を往復する時間を計測し,大気中の浮遊汚染
物質を測定する装置。
laser radar,
LIDAR (laser imaging
detection and ranging)
9107
レンジアビリティー
装置の仕様に示された精度内で,校正可能な最大スパン
と最小スパンとの比。
range ability,
turn dawn ratio
9108
連続分析
分析対象の特性値を時間的に切れ目なく連続的に測定す
るか,又は一定時間若しくは一定量間隔で測定する方法。
continuous analysis
9109
ローボリュームエアサ
ンプラー
空気中に浮遊している粒子状物質の捕集に用いる吸引空
気量が0.01〜0.03 m3/minの試料採取器。
low volume air sampler
3.10 バイオテクノロジー分析機器
番号
用語
定義
対応英語(参考)
10001
アミノ酸残基
たんぱく質及びペプチドの構成単位で,ペプチド結合す
るときにアミノ基の-Hとカルボキシル基の-OHとを失
ったアミノ酸部分の総称。
amino acid residue
10002
アミノ酸配列分析装
置,
ペプチドシーケンサー
たんぱく質又はペプチドの一次構造を自動的に分析する
装置。
amino acid sequence
analyzer
10003
インゲル消化(たんぱ
く質の)
ゲル電気泳動によって分離したたんぱく質をゲルごと切
り出し,抽出せずそのままたんぱく質分解酵素を作用さ
せ断片化する方法。
in gel digestion (of
protein)
10004
ウェスタンブロッティ
ング
ゲル電気泳動で分離したたんぱく質を膜に転写し,その
たんぱく質を抗体によって検出する方法。
western blotting
10005
ATZアミノ酸,
2-アニリノ-5-チアゾリ
ノンアミノ酸
エドマン法の切断反応によって切り出されたN末端アミ
ノ酸の誘導体。
ATZ-amino acid,
2-anilino-5-thiazolinone
amino acid
10006
液相法(アミノ酸配列
分析装置の)
試料であるたんぱく質又はペプチドに対して,液相中で
カップリング反応及び切断反応を行い,生成したATZ-
アミノ酸を液−液抽出によって回収するエドマン反応で
用いられる方法。
liquid phase method (of
amino acid sequence
analyzer)
10007
エクソトキシン
細菌によって生産され,菌体外に放出される毒性物質の
総称。
exotoxin
46
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
10008
エドマン法
たんぱく質又はペプチドのN末端アミノ酸を逐次的に切
断し,同定してアミノ酸の配列を決定する方法。
Edman method
10009
N末端分析
たんぱく質又はペプチドのアミノ基側の末端アミノ酸を
同定する分析。
N-terminal analysis
10010
LAL試薬,
ライセート試薬
エンドトキシンなどの検出及び定量に用いるために,カ
ブトガニの血球抽出成分から調製した試薬。
limulus amebocyte
lysate reagent,
lysate reagent
10011
塩基対
水素結合によって対合した互いに相補的な一組の塩基。 base pair,
bp
10012
エンドトキシン
細菌の菌体成分中にある毒性物質の総称。
endotoxin
10013
気相法(アミノ酸配列
分析装置の)
試料の流出を防ぐため,たんぱく質又はペプチドに対し
て,カップリング反応用の塩基性試薬及び切断反応用の
酸性試薬をガス状で供給するエドマン反応で用いられる
方法。
gas phase method (of
amino acid sequence
analyzer)
10014
キャピラリーDNAシ
ーケンサー
サンガー法で調製した試料をキャピラリー電気泳動で分
離してDNAの配列を決定するDNAシーケンサー。次世
代シーケンサーに対し第1世代シーケンサーと呼ばれ
る。
capillary DNA
sequencer
10015
蛍光抗体法
蛍光物質によって標識した抗体を用いる分析方法又は染
色方法。
fluorescent antibody
method
10016
酵素イムノアッセイ,
EIA
酵素標識したハプテン,抗原又は抗体を用い,酵素反応
によって生じる成分を検出する分析法。
enzyme immunoassay,
EIA
10017
固相酵素イムノアッセ
イ,
ELISA
(いらいざ)
抗原又は抗体を固相担体に固定することによって未結合
成分の除去を容易にした酵素イムノアッセイ。
enzyme-linked
immunosorbent assay,
ELISA
10018
固相法(アミノ酸配列
分析装置の,
DNA合成装置又はペ
プチド合成装置の)
a) 試料の流出を防ぐため,たんぱく質又はペプチドを
固相担体に共有結合させるエドマン反応で用いられ
る方法。
b) DNA,ペプチドなどの数種類の構成単位が一次元に
つながった分子を合成する際,原料,副反応物と生
成物とを簡単に分離するため,あらかじめ固体の担
体に一つ目の構成単位を共有結合し,逐次的に指定
した構成単位を結合させる方法。
solid phase method (of
amino acid sequence
analyzer, of DNA
synthesizer or peptide
synthesizer)
10019
固定化酵素
結合法,架橋法,包括法などによって固定用担体上に偏
在化させ不溶化した酵素。
immobilized enzyme
10020
コンビナトリアルケミ
ストリー
基本骨格と様々な修飾基とを自動合成手法によって結合
させることによる,多様な化合物群の同時合成法。
combinatorial chemistry
10021
サザンブロッティング ゲル電気泳動によって分離したDNA断片を膜に転写し,
プローブDNA又はプローブRNAによって検出する方
法。
southern blotting
10022
サンガー法(DNAシー
ケンサーの),
ジデオキシ法
DNA複製反応系にジデオキシヌクレオチドを加えるこ
とによって特定の塩基で,一部の複製DNAの伸長が停
止することを利用したDNA配列分析法。サンガージデ
オキシ法ともいう。
sanger method (of DNA
sequencer),
dideoxy chain
termination method
10023
C末端分析
たんぱく質又はペプチドのカルボキシル基側の末端アミ
ノ酸を同定する分析。
C-terminal analysis
47
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
10024
時間分解蛍光イムノア
ッセイ
試料溶液中の特定物質を定量するために抗原抗体反応を
利用し,検出試薬として長寿命の蛍光標識を用いて寿命
の短いバックグラウンド蛍光を時間分解法で除去する分
析法。
time-resolved fluoro
immunoassay
10025
次世代DNAシーケン
サー,
NGS
逐次的にDNA合成を行い,反応ごとに蛍光,発光,イ
オン,電流などを検出して配列を決定するDNAシーケ
ンサー。サンガー法を用いる第1世代のシーケンサーに
対して次世代シーケンサーと呼ぶ。1本のDNAの解読長
は数十〜数百塩基だが,一度に数百万〜数千万本のDNA
を読むため数十G塩基の配列を読むことができる。
next generation
sequencer,
NGS
10026
ショットガン法
ショットガンライブラリーで得られたDNA断片の配列
を解析し,元の巨大なDNAの配列を再構成するDNA配
列分析法。
shotgun method
10027
ショットガンライブラ
リー
巨大なDNAをランダムに切断して得られたDNA断片を
集めて作成したライブラリー。
shotgun library
10028
スニップ,
一塩基多形,
SNP
核酸の一つの塩基が他の塩基に置き換わっている遺伝的
な多形。
single nucleotide
polymorphism,
SNP
10029
制限酵素断片長多形,
RFLP
塩基配列の個体差によって制限酵素で切断されたDNA
断片の長さが異なる多形。
restriction fragment
length polymorphism,
RFLP
10030
セルソーター
フローサイトメトリーに基づいて細胞を選択分離する機
器。
cellsorter
10031
染色体分析
数,形などの特徴を正常な染色体と比べて,検出する分
析法。
chromosome analysis
10032
ターミネーターラベル
法,
ダイターミネーター法
(DNAシーケンサ
ーの)
サンガー反応においてDNAの伸長を停止させるターミ
ネーターに蛍光標識をつけ,DNA配列分析装置で検出す
る方法。DNA配列決定方法の一つ。
terminator-labelled
method,
dye-terminator method
(of DNA sequencer)
10033
多形(遺伝子)
同一種内の正常な個体間に存在する形質及び形態につい
ての多様性。
Polymorphism (of gene)
10034
担体結合法(固定化酵
素の)
酵素などの生体触媒を水不溶性の担体に物理的又は化学
的に固定する方法。
carrier binding method
(for immobilized
enzyme)
10035
直接塩基配列分析,
ダイレクトシーケンシ
ング(PCR産物の)
PCRで作成されたDNA断片をクローニングせず,その
まま配列分析する方法。
direct sequencing (of
PCR products)
10036
DNA合成装置
目的とする塩基配列をもつDNAを自動的に合成する装
置。
DNA synthesizer
10037
DNAシーケンサー
DNAの塩基配列を自動的に解析する装置。
DNA sequencer
10038
DNAチップ,
DNAアレイ
特定の遺伝子に関して発現,変異などを同時に解析する
ため,多数のDNAプローブを固定したプレート。
DNA chip,
DNA array
10039
DNAプローブ
目的のDNA,遺伝子などを検出するために用いられる,
それらと相補的な配列をもつDNA分子。
DNA probe
10040
滴下式極微量分光光度
計
0.5〜3 μl程度の微量な試料を測定部に直接滴下して
DNA,たんぱく質などの定量を行う分光光度計。
drop type micro-volume
spectrophotometer
10041
デジタルPCR
数万の区画に分かれた測定部をもち,各区画で1分子の
テンプレートDNAをもとにPCR反応を行ってDNAの
分子数を測定する装置。
digital PCR
48
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
10042
テンプレートDNA,
鋳型DNA
DNAの転写及び複製のときに元の形となるDNA。
template DNA
10043
トキシノメーター
比濁時間分析法によってエンドトキシンなどを定量する
機器。
toxinometer
10044
トランスクリプトーム 細胞中に存在する全てのmRNAの集合。
transcriptome
10045
ノーザンブロッティン
グ
ゲル電気泳動によって分離したRNAを膜に転写し,プ
ローブDNA又はプローブRNAで検出する方法。
northern blotting
10046
バイオアッセイ,
生物学的定量法
物質の量,構成成分又はその力価を生物の反応から定量
する方法。
bioassay
10047
バイオインフォマティ
ックス
DNA又はたんぱく質の配列,高次構造など膨大な生命情
報から医薬品開発,生命現象の解明などに有用な情報を
役立てるコンピュータ技術。
bioinformatics
10048
バイオセンサー
分析種の識別に生物由来の選択的認識作用又は反応を利
用した検出素子。
biosensor
10049
バイオリアクター
生物の機能,生体物質などの反応性を利用した反応装置。 bioreactor
10050
発色合成基質法
試薬との反応によって合成基質から生じる着色生成物を
測定し,分析種を定量する分析法。
chromogenic method
10051
比濁時間分析法
試薬との反応に伴う濁度の変化を測定し,分析種を定量
する分析法。
kinetic turbidimetric
method
10052
表面プラズモン共鳴分
析装置,
SPR
生体分子を検出部表面の金属薄膜に固定し,それと相互
作用する溶液中の生体分子との結合及び解離の状態を表
面プラズモン共鳴を利用して検出する分子間相互作用分
析装置。
surface plasmon
resonance analyzer,
SPR
10053
フェニルイソチオシア
ネート,
PITC
たんぱく質の逐次的アミノ末端分析法であるエドマン法
に用いられる試薬。
phenylisothiocyanate,
PITC
10054
プラスミド抽出装置
大腸菌など宿主細胞の培養液からプラスミドを自動的に
抽出する装置。
plasmid extractor
10055
フローサイトメトリー 蛍光標識又は未標識の細胞などを大きさ,光散乱様式,
蛍光などの因子について定量的に解析し,その情報に基
づいて特定の細胞などを迅速に選択分離する方法。
flow cytometry
10056
ブロッティング
ゲル電気泳動で分離したたんぱく質,DNAなどの分離パ
ターンを保ったまま膜に転写する方法。
blotting
10057
包括法(固定化酵素の) 生体触媒などを高分子ゲル,膜などの中に封じ込める方
法。
entrapment (for
immobilized enzyme)
10058
ポリメラーゼ連鎖反応,
PCR
DNAポリメラーゼを用いてDNA鎖の特定の部位を繰り
返し複製し増幅する反応。
polymerase chain
reaction,
PCR
10059
マイクロサテライト
DNA
反復回数の違いが多様な多形を示すため遺伝解析マーカ
ーとして用いられる,2〜5個程度の短い塩基配列を単位
とする反復配列DNA。
microsatellite DNA
10060
マイクロプレート,
マイクロタイタープレ
ート
多数のウェル(くぼみ)をもつ平板状の容器。各ウェル
を試験管又はシャーレとして利用する。ウェルの数は,6,
24,96,384,1 536などがあり,生化学,臨床検査など
の分野で用いられる。
microplate,
microtiter plate
10061
マイクロプレートリー
ダー
マイクロプレートに入れた多数のサンプルの吸光,蛍光,
発光などを測定する装置。
microplate reader
10062
膜上消化(たんぱく質
の)
ゲル電気泳動で分離しブロッティングしたたんぱく質を
膜ごと切り取り,膜に固定した状態でたんぱく質分解酵
素を作用させ断片化する方法。
on membrane digestion
(of protein)
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K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
10063
末端分析(たんぱく質
の)
ペプチド又はたんぱく質のN末端若しくはC末端のアミ
ノ酸を定性又は定量する分析。
terminal analysis (of
protein)
10064
メッセンジャーRNA,
伝令RNA,
mRNA
DNAから転写され,リボソーム上でたんぱく質に翻訳さ
れる一本鎖のRNA。
messenger RNA,
mRNA
10065
モノクローナル抗体,
単クローン抗体
単一の細胞に由来する遺伝的に均一な抗体産生細胞から
得られた抗体。
monoclonal antibody
10066
ラジオイムノアッセ
イ,
RIA
放射性同位体元素によって標識した抗原又は抗体を用い
て,試料中の分析種を検出又は定量する方法。
radioimmunoassay,
RIA
10067
リアルタイムPCR
PCRを行いながら反応によるDNAの量を測定する方法。 real-time polymerase
chain reaction
10068
レーザーネフェロメー
ター
比濁法の原理に基づいて,レーザー光を試料に照射して
不溶性の抗原抗体複合物によって生じた散乱光を測定
し,血しょう,たんぱく質,薬物などを定量する分析計。
laser nephelometer
参考文献
JIS B 0155:1997 工業プロセス計測制御用語及び定義
JIS B 7951:2004 大気中の一酸化炭素自動計測器
JIS B 7952:2004 大気中の二酸化硫黄自動計測器
JIS B 7953:2004 大気中の窒素酸化物自動計測器
JIS B 7954:2001 大気中の浮遊粒子状物質自動計測器
JIS B 7956:2006 大気中の炭化水素自動計測器
JIS B 7957:2006 大気中のオゾン及びオキシダントの自動計測器
JIS B 7958:1995 大気中のふっ素化合物自動計測器
JIS B 7981:2002 排ガス中の二酸化硫黄自動計測システム及び自動計測器
JIS B 7982:2002 排ガス中の窒素酸化物自動計測システム及び自動計測器
JIS B 7983:2006 排ガス中の酸素自動計測器
JIS B 7984:2006 排ガス中の塩化水素自動計測器
JIS B 8530:1979 公害防止装置用語
JIS B 9921:2010 光散乱式気中粒子計数器−校正方法及び検証方法
JIS C 0920:2003 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
JIS D 0108:1985 自動車排出物質の公害防止関連用語
JIS D 8004:1986 自動車用ディーゼルエンジン排気煙濃度測定用反射式スモークメータ
JIS D 8005:2009 自動車−圧縮着火式内燃機関−排出ガスの不透過率測定及び光吸収計数測定
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K 0215:2016
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用の機器
JIS H 7101:2002 形状記憶合金の変態点測定方法
JIS K 0050:2011 化学分析方法通則
JIS K 0055:2002 ガス分析装置校正方法通則
JIS K 0098:1998 排ガス中の一酸化炭素分析方法
JIS K 0099:2004 排ガス中のアンモニア分析方法
JIS K 0101:1998 工業用水試験方法
JIS K 0102:2013 工場排水試験方法
JIS K 0114:2012 ガスクロマトグラフィー通則
JIS K 0115:2004 吸光光度分析通則
JIS K 0116:2014 発光分光分析通則
JIS K 0117:2000 赤外分光分析方法通則
JIS K 0119:2008 蛍光X線分析通則
JIS K 0120:2005 蛍光光度分析通則
JIS K 0121:2006 原子吸光分析通則
JIS K 0122:1997 イオン電極測定方法通則
JIS K 0123:2006 ガスクロマトグラフィー質量分析通則
JIS K 0124:2011 高速液体クロマトグラフィー通則
JIS K 0125:1995 用水・排水中の揮発性有機化合物試験方法
JIS K 0126:2009 流れ分析通則
JIS K 0127:2013 イオンクロマトグラフィー通則
JIS K 0129:2005 熱分析通則
JIS K 0130:2008 電気伝導率測定方法通則
JIS K 0131:1996 X線回折分析通則
JIS K 0132:1997 走査電子顕微鏡試験方法通則
JIS K 0133:2007 高周波プラズマ質量分析通則
JIS K 0134:2002 近赤外分光分析通則
JIS K 0135:2003 分取液体クロマトグラフィー通則
JIS K 0136:2015 高速液体クロマトグラフィー質量分析通則
JIS K 0137:2010 ラマン分光分析通則
JIS K 0151:1983 赤外線ガス分析計
JIS K 0211:2013 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0212:2007 分析化学用語(光学部門)
JIS K 0213:2014 分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 0214:2013 分析化学用語(クロマトグラフィー部門)
JIS K 0216:2014 分析化学用語(環境部門)
JIS K 0304:1996 大気中の二酸化炭素測定方法
JIS K 0311:2008 排ガス中のダイオキシン類の測定方法
JIS K 0701:2004 グルコース計測器
JIS K 0801:1986 濁度自動計測器
51
K 0215:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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JIS K 0803:1995 溶存酸素自動計測器
JIS K 0804:2014 検知管式ガス測定器(測長形)
JIS K 0805:1988 有機体炭素(TOC)自動計測器
JIS K 0806:1997 化学的酸素消費量(COD)自動計測器
JIS K 0807:1997 水質監視用紫外線吸光度自動計測器
JIS K 0808:2008 水質監視用全窒素自動計測器
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JIS K 2541-1〜-5,-7:2003 原油及び石油製品−硫黄分試験方法
JIS K 2541-6:2013 原油及び石油製品−硫黄分試験方法
JIS K 3600:2000 バイオテクノロジー用語
JIS K 3602:2006 微生物電極による生物化学的酸素消費量(BODs)計測器
JIS K 7120:1987 プラスチックの熱重量測定方法
JIS K 7121:2012 プラスチックの転移温度測定方法
JIS K 7122:2012 プラスチックの転移熱測定方法
JIS K 7123:2012 プラスチックの比熱容量測定方法
JIS K 7196:2012 熱可塑性プラスチックフィルム及びシートの熱機械分析による軟化温度試験
方法
JIS K 7197:2012 プラスチックの熱機械分析による線膨脹率試験方法
JIS Z 8103:2000 計測用語
JIS Z 8802:2011 pH測定方法
JIS Z 8805:2011 pH測定用ガラス電極
JIS Z 8808:2013 排ガス中のダスト濃度の測定方法
JIS Z 8813:1994 浮遊粉じん濃度測定方法通則
JIS Z 8814:2012 ロウボリウム エアサンプラ
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Relationships
ASTM E682:1992 (Reapproved 2011), Standard Practice for Liquid Chromatography Terms and
Relationships
ASTM E1151:1992 (Reapproved 2011), Standard Practice for Ion Chromatography Terms and
Relationships
分析化学用語集 日本分析化学会編(丸善)
岩波 理化学辞典 第5版
マススペクトロメトリー関係用語集 第3版 (日本質量分析学会)
日経バイオ最新用語辞典 第5版(日経BP社)
生化学辞典 第4版(東京化学同人)
分子細胞生物学辞典 第2版(東京化学同人)
岩波 生物学辞典 第5版
応用物理用語大事典 応用物理学会編 (オーム社)