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K 0212:2016  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 分類······························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 1 

3.1 一般 ···························································································································· 1 

3.2 波長 ··························································································································· 12 

3.3 光源,分光器,検出器及びセル ······················································································· 13 

3.4 原子スペクトル分析法 ··································································································· 16 

3.5 吸光光度分析法・蛍光分光分析法 ···················································································· 21 

3.6 バイオ関連光分析法 ······································································································ 23 

3.7 非線形分光分析法 ········································································································· 24 

3.8 顕微分光分析法・近接場分光分析法・イメージング ···························································· 25 

3.9 赤外吸収分光法・ラマン散乱分光法 ················································································· 29 

3.10 X線分析法 ················································································································· 31 

参考文献 ···························································································································· 37 

K 0212:2016  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本

分析化学会(JSAC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS K 0212:2007は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 0212:2016 

分析化学用語(光学部門) 

Technical terms for analytical chemistry (optical part) 

適用範囲 

この規格は,分析化学における光学部門で用いる主な用語及びその定義について規定する。この規格に

取り上げる用語は,X線からテラヘルツ光までの波長領域のものとする。 

分類 

用語の分類は,次による。 

a) 一般 

b) 波長 

c) 光源,分光器,検出器及びセル 

d) 原子スペクトル分析法 

e) 吸光光度分析法・蛍光分光分析法 

f) 

バイオ関連光分析法 

g) 非線形分光分析法 

h) 顕微分光分析法・近接場分光分析法・イメージング 

i) 

赤外吸収分光法・ラマン散乱分光法 

j) 

X線分析法 

用語及び定義 

用語及び定義は,次による。 

a) 二つ以上の用語を並べた場合には,その順位に従って優先使用する。 

b) 誤解のおそれのある用語には,用語の後の丸括弧内に使用分野を示す。 

c) 用語のアルファベットの略語のうち,汎用のものには参考としてその“よみ”を入れる。 

d) 対応英語(参考)でコンマ“,”を挟んで二つ以上併記してあるものは,それぞれ同義語又は略語であ

る。 

3.1 

一般 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1001 

アクチノメー

ター 

あくちのめーたー 

光反応を利用して,放射線,紫外線などの光量
を測定する機器。 

actinometer 

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K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1002 

位相コントラ

スト 

いそうこんとらす

と 

光が屈折率の違う物体を通過するときの直接光
と回折光との位相のずれを利用して得られるコ
ントラスト。 
注記 物体近縁での屈折率の違いによって近縁

が強調された画像が得られる。吸収コン
トラストに対比して用いる。 

phase contrast 

1003 

色ガラスフィ

ルター 

いろがらすふぃる

たー 

着色したガラスによって,必要とする波長の光
を取り出す光学フィルター。 

optical colored filter 

1004 

SN比 

えすえぬひ 

分析目的に由来する信号(応答値)Sと,主と
して偶然誤差に基づく信号の偏差(ノイズ)N
との強度比。 

signal-to-noise ratio,  
SN ratio 

1005 

SB比 

えすびーひ 

分析目的に由来する信号(応答値)Sと,バッ
クグラウンドに由来する信号Bとの強度比。 

signal-to-background 

ratio,  

SB ratio 

1006 

エッジフィル

ター 

えっじふぃるたー 

試料からの蛍光又はラマン散乱光を透過し,試
料からの光の中に含まれる励起光成分を遮断す
るための立ち上がりが急しゅん(峻)な透過特
性をもつフィルター。 

edge filter 

1007 

エリプソメト

リー 

えりぷそめとりー 

試料に偏光を照射し,試料からの反射によって
生じるだ円偏光から,位相差及び振幅比を測定
する方法。 
注記 主に薄膜試料の膜厚,屈折率などを測定

するために利用する。 

ellipsometry 

1008 

円二色性, 
円偏光二色性,
CD 

えんにしょくせい,
えんへんこうにし

ょくせい 

物質が同一波長の左円偏光と右円偏光とに対し
て異なる吸光度を示す現象。 
注記 不斉分子の立体構造又は立体配座を決定

するために利用する。 

circular dichroism,  
CD 

1009 

回折 

かいせつ 

a) 光が直進しないで,物体の影の部分に回り

こむ現象。 

b) 強度が断面内で一様でない光束において,

光線が直進しないで広がって進む現象。 

注記 回折格子などの分散素子を用い,主に分

光目的に用いられる。 

diffraction 

1010 

回折角 

かいせつかく 

回折光線が回折格子の面の法線となす角(鋭
角)。 

diffraction angle 

1011 

回折効率 

かいせつこうりつ 

回折格子に入射した光のうち,回折光として取
り出す割合。 

diffraction efficiency 

1012 

化学発光 

かがくはっこう 

化学反応によって生成した励起化学種が,より
低いエネルギー準位に遷移するとき放出する
光。 

chemiluminescence 

1013 

化学発光法 

かがくはっこうほ

う 

化学反応によって生成した励起化学種からの発
光を,化学分析に利用する方法。 

chemiluminescence 

method 

1014 

拡散反射法 

かくさんはんしゃ

ほう 

拡散された反射光から反射率を求める方法。 

diffused reflection 

method 

1015 

可視スペクト

ル 

かしすぺくとる 

可視光の波長領域のスペクトル。 

visible spectrum 

1016 

過渡回折格子

法 

かとかいせつこう

しほう 

試料中で同一波長の二つの励起レーザー光を微
小角度で交差させて干渉しま(縞)を生成し,
試料の光吸収による屈折率の変化を回折光強度
の変化として検出する方法。 

transient grating 

method 

background image

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1017 

干渉 

かんしょう 

a) 原子スペクトル分析などにおいて,共存物

の影響などによって分析値に誤差を生じる
現象。 

注記 分光干渉,物理干渉,化学干渉,

イオン化干渉などがある。 

b) 二つ以上の光が空間的に重なり合ったと

き,それらの相対的な位相差によって互い
に強め合う,又は弱め合う現象。 

interference 

1018 

干渉計 

かんしょうけい 

光の干渉を利用して光路差などを測定する機
器。 
注記 マイケルソン干渉計,マッハ・ツェンダ

ー干渉計,フィゾー干渉計などがある。 

interferometer 

1019 

干渉図形, 
インターフェ

ログラム 

かんしょうずけい,
いんたーふぇろぐ

らむ 

干渉計などからの信号を,光路差を横軸に,光
の強度を縦軸にとって示す図形。 

interferogram 

1020 

干渉性(光の) かんしょうせい 

互いに干渉することができる光の性質。 

coherence (of light) 

1021 

干渉フィルタ

ー 

かんしょうふぃる

たー 

薄膜又はその多重層膜の光の干渉作用を利用
し,必要とする波長の光を取り出す光学フィル
ター。 

interference filter 

1022 

干渉分光法 

かんしょうぶんこ

うほう 

干渉計によって得られた信号にフーリエ変換な
どを行ってスペクトルを得る方法。 

interferometry 

1023 

輝線 

きせん 

励起された原子,イオンなどが基底状態に遷移
するときに放射するエネルギーの明るいスペク
トル線。 
注記 原子,イオンなどの種類によって固有の

単色光として現れる。 

emission line,  
bright line 

1024 

吸光光度分析

法 

きゅうこうこうど

ぶんせきほう 

特定の波長における光の吸収を測定して定性・
定量を行う方法。 

absorption 

spectrometry 

1025 

吸光度 

きゅうこうど 

試料を透過した光の強度(I)と,透過前の光の
強度(I0)との比を常用対数で表した数値。 
注記 吸光度(Abs)は次による。 

吸光度(Abs)=−log10(I/I0) 

absorbance 

1026 

吸収(光の) きゅうしゅう 

光が試料物質を通過するとき,反射又は散乱に
よらずその物質とのエネルギー授受によって,
その強度が減少する現象。 

absorption (of light) 

1027 

吸収極大 

きゅうしゅうきょ

くだい 

吸収バンドの波長領域内で極大の吸収を示す箇
所。 

absorption maximum 

1028 

吸収コントラ

スト 

きゅうしゅうこん

とらすと 

光が透過率の違う物体を通過するときの透過光
強度の差を利用して得られるコントラスト。 
注記 位相コントラストに対比して用いる。 

absorption contrast 

1029 

吸収スペクト

ル 

きゅうしゅうすぺ

くとる 

光が試料によって吸収されて得られるスペクト
ル。 

absorption spectrum 

1030 

吸収バンド 

きゅうしゅうばん

ど 

吸収スペクトルのうち,ある広がりをもつ吸収
を示す波長帯。 

absorption band 

1031 

共鳴線 

きょうめいせん 

原子・イオン・分子に固有の基底状態と励起状
態との間の遷移に由来する光吸収又は放射によ
って観測される線スペクトル。 
注記 原子スペクトル分析では,原子の基底状

態と励起状態との間の電子遷移に由来す
る共鳴線を測定する。 

resonance line 

background image

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1032 

キラリティー,
掌性, 
対掌性 

きらりてぃー, 
しょうせい, 
たいしょうせい 

ある分子構造が,その鏡像と重ね合わせること
ができない性質。 

chirality 

1033 

近接線 

きんせつせん 

分析線に近接する線スペクトル。 

neighboring line 

1034 

逆線分散 

ぎゃくせんぶんさ

ん 

分光器の分散度の表し方の一つであり,分光器
の焦点面上でdλの波長差の光が,距離dx 離れ
て検出されるとき,dλ/dxで示すもの。 

reciprocal linear 

dispersion 

1035 

屈折 

くっせつ 

光がその単色光成分の周波数を変えずに光学的
に不均質な媒質中を進むとき,又は異種の媒質
間の境界に入射するとき,位相速度の変化に応
じて伝搬方向が変わる現象。 

refraction 

1036 

屈折計 

くっせつけい 

物質の屈折率を測定する機器。 

refractometer 

1037 

屈折率 

くっせつりつ 

真空中の光の位相速度と媒質中の光の位相速度
との比。 
注記 量記号はnで表す。 

refractive index 

1038 

傾斜比法(吸

光光度分析
法の) 

けいしゃひほう 

成分M及び成分Aによって化合物MmAnを生成
するとき,過剰のMの存在下で,Aの濃度を変
化させて得られる吸光度とAの濃度との関係線
の傾き,及び過剰のAの存在下で,Mの濃度を
変化させて得られる吸光度とMの濃度との関
係線の傾斜の比から組成比(m:n)を求める方
法。 

slope ratio method (for 

absorption 
spectrometry) 

1039 

光学異性 

こうがくいせい 

一般の物理的性質及び化学的性質は同じである
が,旋光性が逆向きを示す特性。 

optical isomerism 

1040 

光学活性 

こうがくかっせい 

キラリティーをもつ分子が,入射光の偏光面を
回転させる性質。 

optical activity 

1041 

光学純度 

こうがくじゅんど 

一対の光学対掌体からなる混合物中における,
一方の光学異性体の過剰な割合を純度として表
した数値。 
注記 通常,一方の光学異性体の過剰量を全量

で除した百分率の鏡像体過剰率で表す。 

optical purity 

1042 

光学対掌体, 
キラル化合物 

こうがくたいしょ

うたい, 

きらるかごうぶつ 

鏡像関係の化学構造をもつ一対のそれぞれの立
体異性体。 
注記 一対の立体異性体のそれぞれは光学活性

である。 

enantiomer,  
chiral compound 

1043 

光学的零位法 こうがくてきれい

いほう 

複光束方式の分光分析機器において,試料側の
光量と対照側の光量とが等しくなるように,対
照側に設置した光減衰器を調整し,その変位か
ら透過率を求める方法。 

optical null method 

1044 

光学フィルタ

ー 

こうがくふぃるた

ー 

特定波長域の光を取り出すために用いる光学素
子。 

optical filter 

1045 

光学分割 

こうがくぶんかつ 

ラセミ体をそれぞれの光学対掌体に分離する操
作。 

optical resolution 

1046 

光源 

こうげん 

光分析において,測定に用いる光の放射体。 

light source  

background image

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1047 

高周波 

こうしゅうは 

a) 周波数の高い電磁波。 

注記 場合によって範囲は異なるが,交

流では数百 Hz以上をいう。 

b) 工業用途に使用が許可されたラジオ波領域

の電磁波。 

注記 分光分析用のプラズマ生成には,

13.56 MHz,27.12 MHz及び40.68 
MHzが主に使用される。 

a) high frequency 
b) radio frequency,  

RF 

1048 

光電子放出 

こうでんしほうし

ゅつ 

物質に光を当てたとき,光励起された物質内電
子が表面から外に放出される現象。 

photoemission 

1049 

光電測光法 

こうでんそっこう

ほう 

光電子増倍管,半導体検出器などを用いて,ス
ペクトル線強度の測定を行う方法。 

photoelectric detection 

method 

1050 

光電池 

こうでんち 

金属,半導体などの内部光電効果を利用する測
定素子。 

photovoltaic cell 

1051 

光電流 

こうでんりゅう 

電極などに光照射するとき, 
a) 光によって誘起される電流。 
b) 光照射下での全電流と非照射下での暗電流

との差。 

photoelectric current 

1052 

光度滴定 

こうどてきてい 

試料溶液の吸光度の変化を追跡して終点を検知
する滴定。 
注記 通常,指示薬を加え,その吸光度の変化

を測定する。 

photometric titration 

1053 

光熱偏向分光

法, 

PDS 

こうねつへんこう

ぶんこうほう 

励起光を吸収した試料から発生した熱によって
試料近傍の媒質に生じる屈折率の変化を,そこ
を通過するプローブ光が偏向することを利用し
て検出する測定法。 

photothermal deflection 

spectroscopy,  

PDS 

1054 

コットン効果 こっとんこうか 

旋光分散スペクトルにおいて,光学活性吸収帯
付近に正及び負の極大値をもつ曲線が現れる現
象。 
注記 旋光異常分散ともいう。 

cotton effect 

1055 

コヒーレンス

度 

こひーれんすど 

光波の干渉性の度合いを表す量。 

degree of coherence,  
coherence factor 

1056 

コヒーレント

光 

こひーれんとこう 

位相のそろった波形が空間的又は時間的に長く
保たれ干渉性をもつ光波。 

coherent light 

1057 

散乱, 
拡散(光分析

の) 

さんらん, 
かくさん 

光が極めて小さい凹凸のある反射面に入射する
場合,又は極めて小さい粒子を含む媒質の中を
通過する場合に,光の進行方向が空間的に多く
の方向に変わる現象。 

scattering,  
diffusion (in 

photometric analysis) 

1058 

紫外スペクト

ル 

しがいすぺくとる 

紫外線の波長領域で測定される吸収又は発光ス
ペクトル。 

ultraviolet spectrum 

1059 

色度 

しきど 

色度座標によって定められる色刺激の性質。 

chromaticity 

1060 

色度座標 

しきどざひょう 

3個で一組をなす三刺激値それぞれの,それら
の和に対する比。 
注記 3個の色度座標の和は1になるので,それ

らのうちの2個で色度が定められる。 

chromaticity 

coordinates 

1061 

視斜角 

ししゃかく 

試料表面と入射光のなす角。 

glancing angle 

1062 

自然光 

しぜんこう 

偏光特性をもたない光。 

natural light 

1063 

深色効果 

しんしょくこうか 

吸収スペクトルにおいて,分子の化学構造の変
化によって長波長側に吸収極大が移動する現
象。 

bathochromic effect 

background image

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1064 

時間分解分光

法 

じかんぶんかいぶ

んこうほう 

短時間の光のスペクトルをとる方法,及びそれ
を時系列的に観察する方法。 

time resolved 

spectroscopy 

1065 

自己吸収 

じこきゅうしゅう 

1本の輝線において,その輝線を放射している
物質と同一で,低エネルギー状態にある物質が
放射エネルギーを吸収する現象。 

self absorption 

1066 

助色団 

じょしょくだん 

発色団と同一分子に存在し,可視吸収を起こさ
せる上において,発色団の作用を助ける原子団。 

auxochrome 

1067 

スペクトル 

すぺくとる 

光を単色光成分に分解して波長若しくは光量子
のエネルギーの大きさの順に並べたもの,又は
一つの放射源から発生する電磁波の放射をプリ
ズム,回折格子などの分散体によって分散した
もの。 

spectrum 

1068 

スペクトル純

度(光束の) 

すぺくとるじゅん

ど 

一つの光束の中に含まれている光の波長幅。 
注記 光束のスペクトルの半値全幅,又はスペ

クトル中の95 %のエネルギーが集中して
いる幅などで定義される。 

spectral purity (of light 

beam) 

1069 

スペクトル線

幅 

すぺくとるせんは

ば 

スペクトル線の光強度の波長分布又はエネルギ
ー分布の幅。 

spectral line width 

1070 

スペクトル幅 すぺくとるはば 

光学系の出口スリットを出た光束のスペクトル
線幅を波長,エネルギーなどで表した値。 

spectral band width 

1071 

スペクトル分

布曲線 

すぺくとるぶんぷ

きょくせん 

光源からの放射の強さを,波長,エネルギーな
どの関数として表す図。 

spectral distribution 

curve 

1072 

旋光計 

せんこうけい 

旋光性物質の旋光度を測る機器。 

polarimeter 

1073 

旋光度 

せんこうど 

光学活性物質が偏光面を回転させる度合い。 
注記 右旋の場合は+の,左旋の場合は−の角

度を表す。 

angle of optical 

rotation 

1074 

旋光分散, 
ORD 

せんこうぶんさん 

光学異性体における旋光度が波長によって変化
する現象。 
注記 特にコットン効果を解析対象とする。 

optical rotatory 

dispersion,  

ORD 

1075 

旋光分散計 

せんこうぶんさん

けい 

試料の旋光分散を測定する機器。 

spectropolarimeter 

1076 

浅色効果 

せんしょくこうか 

吸収スペクトルにおいて,分子の化学構造の変
化などによって短波長側に吸収極大が移動する
現象。 

hypsochromic effect 

1077 

ゼラチンフィ

ルター 

ぜらちんふぃるた

ー 

着色したゼラチン膜をガラス板などで挟み込む
ことで,必要とする波長の光を取り出す光学フ
ィルター。 

gelatin filter 

1078 

ゼロ合わせ

(透過パー
セントの) 

ぜろあわせ 

透過パーセントをゼロに合わせる操作。 

zero adjustment (of 

percent transmission) 

1079 

全反射, 
内部全反射 

ぜんはんしゃ, 
ないぶぜんはんし

ゃ 

屈折率の大きい媒質から小さい媒質に光が入射
するとき,特定の角(臨界角)以上の入射角で,
入射光のエネルギーが全て反射される現象。 

total reflection,  
total internal reflection 

1080 

全反射減衰法,
ATR 

ぜんはんしゃげん

すいほう 

屈折率の高いプリズムなどを介して,試料界面
に分析波長の光を全反射条件で入射させ,反射
光を測定することで,試料界面に存在する物質
の吸収スペクトルを得る方法。 

attenuated total 

reflection method,  

ATR 

background image

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1081 

相関光音響分

光法, 

c-PAS 

そうかんひかりお

んきょうぶんこ
うほう, 

しーぱす 

励起光の周波数を変調させ,得られた信号を解
析して深さ方向の情報を得る光音響分光法。 

correlational 

photoacoustic 
spectrometry,  

c-PAS 

1082 

大気圧光イオ

ン化法, 

APPI(液体ク

ロマトグラ
フィー質量
分析法の) 

たいきあつひかり

いおんかほう 

液体クロマトグラフィー質量分析法において,
光のエネルギーを用いてカラムからの溶出物を
イオン化する大気圧イオン化法。 

atmospheric pressure 

photo ionization,  

APPI (for liquid 

chromatography/ 
mass spectrometry) 

1083 

退色 

たいしょく 

化学反応,吸着,吸収などの結果,物質の示し
た色がうすくなる現象。 

color fading 

1084 

対比法 

たいひほう 

測定精度を高めるため,濃度既知の外標準物質
についての信号強度と目的物質についての信号
強度との比を用いて検量線を作成し,分析する
方法。 

ratio method 

1085 

濁度計 

だくどけい 

液体中に懸濁する粒子の程度を表す濁度を,光
学的に測定する機器。 

turbidity meter 

1086 

濁度滴定 

だくどてきてい 

終点の検知に濁りを利用する滴定。 

turbidimetric titration 

1087 

超音速ジェッ

ト分光法, 

SSJS 

ちょうおんそくじ

ぇっとぶんこう
ほう 

微小ノズルから真空系内へ試料ガスを噴出拡散
させることによって得られる試料ビームを用い
る分光法。 
注記 分子を瞬時に極低温に冷却して,分解能

のよいスペクトルを得る目的に用いる。 

supersonic jet 

spectroscopy,  

SSJS 

1088 

テラヘルツ分

光法, 

THz分光法 

てらへるつぶんこ

うほう 

テラヘルツ波の波長領域の光を用いた分光法。 terahertz spectroscopy,  

THz spectroscopy 

1089 

デンシトメー

ター 

でんしとめーたー 

薄層クロマトグラフィー又は電気泳動法で展開
したバンドを走査しながら光学的に濃度を測定
する機器。 
注記 光の反射又は吸収のいずれでも測定でき

る。 

densitometer 

1090 

電磁波 

でんじは 

電界及び磁界が互いに直交して周期的に時間変
化しながら空間を伝っていく波。 

electromagnetic wave 

1091 

透過 

とうか 

光がその単色光成分の波長を変えずに媒質を通
過する現象。 

transmission 

1092 

透過パーセン

ト 

とうかぱーせんと 

透過率を百分率で表した値。 

percent transmission 

1093 

透過率 

とうかりつ 

光が物質を透過する割合を,透過後の光強度と
透過前の光強度との比で表したもの。 

transmittance 

1094 

等吸収点 

とうきゅうしゅう

てん 

2種類の化学種が共存する場合,両者が等しい
モル吸光係数を示す波長。 

isosbestic point 

1095 

内標準線 

ないひょうじゅん

せん 

発光分光分析において,内標準法に用いる特定
の線スペクトル。 

internal standard line 

1096 

内標準物質 

ないひょうじゅん

ぶっしつ 

内標準法において,標準として用いる物質。 

internal standard 

substance 

1097 

内標準法 

ないひょうじゅん

ほう 

特性の正確に知られている物質を試料に加える
か又は試料中の濃度既知の物質を標準として目
的の物質を定量する方法。 

internal standard 

method 

background image

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1098 

二波長測光方

式 

にはちょうそっこ

うほうしき 

測定試料に波長の異なる二つの単色光束を透
過,反射又は吸収させ,それらの光強度を測定
する方式。 

double wavelength 

spectrometry 

1099 

ニュートラル

デンシティ
フィルター,

NDフィルタ

ー 

にゅーとらるでん

してぃふぃるた
ー 

特定の波長領域内でほぼ一定の透過率を示すフ
ィルター。 

neutral density filter 

1100 

熱レンズ分光

法 

ねつれんずぶんこ

うほう 

光熱偏向分光法の一種であり,熱レンズ効果を
利用する分光法。 

thermal lens 

spectrometry 

1101 

濃色効果 

のうしょくこうか 

吸収スペクトルにおいて,分子構造の変化など
によって,吸収バンドのモル吸光係数が増大す
る現象。 

hyperchromic effect 

1102 

波数 

はすう 

単位長さ中にある波の数。 
注記 赤外吸収分光法及びラマン散乱分光法で

は波数の単位としてcm−1をよく用いる。 

wavenumber 

1103 

波長 

はちょう 

光波の隣り合う同位相の2点間を伝搬方向には
かった距離。 

wavelength 

1104 

波長感度補正 はちょうかんどほ

せい 

標準光源を用いて測定される,光スペクトルの
各波長の光出力補正係数を用いて行う波長感度
補正。 

spectrum sensitivity 

correction 

1105 

波長校正 

はちょうこうせい 

分光光度計の波長目盛を,既知波長の放射を与
える光源又は吸収を与える物質を用いて適切な
状態に補正する操作。 

wavelength calibration 

1106 

波長シフト 

はちょうしふと 

吸収又は発光スペクトルの極大波長が移動する
現象。 
注記 レッドシフトとブルーシフトとがある。 

wavelength shift 

1107 

波長走査 

はちょうそうさ 

スペクトル測定のため波長を連続的に変化させ
る操作。 

wavelength scanning 

1108 

波長分散 

はちょうぶんさん 

種々の波長成分を含む光が,プリズム,回折格
子などによって,波長ごとに空間的に分解され
る現象。 

dispersion 

1109 

発光スペクト

ル 

はっこうすぺくと

る 

原子,分子などが励起状態から,エネルギーの
より低い状態へ遷移することによって放出され
る光のスペクトル。 

emission spectrum 

1110 

発光分光分析

法, 

AES, 
OES 

はっこうぶんこう

ぶんせきほう 

光,熱,電気などのエネルギーを試料に与え,
試料を励起したときに放出される光のスペクト
ルを分光光度計で観測する定性・定量分析法。 

atomic emission 

spectrometry,  

AES,  
optical emission 

spectrometry,  

OES 

1111 

発色 

はっしょく 

化学反応,吸着,吸収などの結果,反応物質又
は生成物質に特有な色が現れる現象。 

color development,  
coloring 

1112 

発色試薬 

はっしょくしやく 

発色を行わせるために用いる試薬。 

coloring reagent 

1113 

発色団 

はっしょくだん 

分子内にあって,吸収バンドの主要因となって
いる原子又は原子団。 

chromophore 

1114 

発色反応 

はっしょくはんの

う 

試料物質又は分析種に特有な色を生じさせる反
応。 

color (ing) reaction 

1115 

反射率 

はんしゃりつ 

光が物質,媒体の表面・界面などで反射される
ときの入射光強度に対する反射光強度の比。 

reflectance,  
reflectivity 

background image

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1116 

半値幅, 
半値全幅, 
FWHM 

はんちはば, 
はんちぜんはば 

山形の分布曲線において,ピーク高さの1/2に
対応する分布の幅。 

full width at half 

maximum,  

FWHM 

1117 

バックグラウ

ンド相当濃
度, 

バックグラウ

ンド等価濃
度, 

BEC 

ばっくぐらうんど

そうとうのうど,

ばっくぐらうんど

とうかのうど 

バックグラウンド強度に等しい信号強度を与え
る分析種の濃度。 

background equivalent 

concentration,  

BEC 

1118 

バンドスペク

トル 

ばんどすぺくとる 

ある波長領域内において,帯状に現れるスペク
トル。 

band spectrum 

1119 

バンドパスフ

ィルター 

ばんどぱすふぃる

たー 

特定の波長範囲の光だけを透過させることがで
きるフィルター。 

band pass filter 

1120 

光音響分光法,
PAS 

ひかりおんきょう

ぶんこうほう, 

ぱす 

断続的な照射光を吸収した試料が発生する熱
を,周期的な圧力変化(音響)として検出する
ことによってスペクトルを得る分光法。 

photoacoustic 

spectrometry,  

PAS 

1121 

光分析 

ひかりぶんせき 

光の放射,吸収,散乱などを利用する分析。 

photometric analysis 

1122 

光分析装置 

ひかりぶんせきそ

うち 

光の放射,吸収,散乱などを利用して分析する
装置。 

optical and 

spectrophotometric 
analyzer 

1123 

非干渉性(光

の) 

ひかんしょうせい 

空間的又は時間的に離れた2点からの光波の間
に固定した位相関係がなく,干渉性をもたない
特性。 

incoherence (of light) 

1124 

比色分析 

ひしょくぶんせき 

試料中の物質の濃度を色調変化から決定する化
学分析。 

colorimetric analysis 

1125 

比濁分析, 
比濁法 

ひだくぶんせき, 
ひだくほう 

微小粒子を含む試料溶液について,透過光強度
から吸光度を測定すること,又は入射光と直交
する方向への散乱光強度を測定することによっ
て,試料溶液中の微小粒子の濃度を求める方法。 

turbidimetry 

1126 

非分散 

ひぶんさん 

測定に用いる特定の波長帯の光を,分散素子を
用いることなく,光学フィルター,選択性検出
器などによって取り出して,分散素子を用いる
場合と同様な効果を得ること。 

non-dispersion 

1127 

100合わせ

(透過パー
セントの) 

ひゃくあわせ 

機器の感度を調整して,試料ブランク又は参照
試料の測定時の分光透過パーセント目盛の指示
計の指示を100目盛に合わせる操作。 

100 adjustment (for 

percent 
transmittance) 

1128 

標準添加法 

ひょうじゅんてん

かほう 

分取した試料溶液のそれぞれに異なる量の標準
溶液を加えて測定を行い,加えた標準溶液の量
と測定結果の指示値との関係線を作成し,濃度
軸の切片から試料溶液の濃度を求める方法。 

standard addition 

method 

1129 

比ろう法, 
ネフェロ分析 

ひろうほう, 
ねふぇろぶんせき 

比濁分析において,特に入射光と直交する方向
への散乱光強度を測定することによって,試料
溶液中の微小粒子の濃度を求める方法。 

nephelometry 

1130 

微分分光法 

びぶんぶんこうほ

う 

スペクトルの微分曲線を求め,そのバックグラ
ウンドの除去又は微小変化の観測を行う方法。 

derivative spectrometry 

1131 

フォトニック

結晶 

ふぉとにっくけっ

しょう 

屈折率が周期的に変化するナノ構造体で,光の
伝わり方が制御された材料。 

photonic crystal 

background image

10 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1132 

ブーゲの法則,
ランバートの

法則 

ぶーげのほうそく,
らんばーとのほう

そく 

単色光が厚さをもった濃度一定の試料を透過す
るときに,透過光強度Iが試料の厚さxに対し
て指数関数的に減少する法則。 
注記 透過光強度Iは次による。 

I=I0×10−kx 

ここに,I0:入射光強度 

   k:比例定数 

Bouguerʼs law,  
Lambertʼs law 

1133 

部分偏光 

ぶぶんへんこう 

電場の振動方向が不均一な光。 

partially polarized light 

1134 

ブルーシフト ぶるーしふと 

吸収極大波長の短波長側への移動。 

blue shift 

1135 

分解能 

ぶんかいのう 

a) スペクトル上で近接する二つの輝線を分解

する能力。 

注記 通常,逆線分散によってその性能

を表す。 

b) 空間的に近接した二つの物体を個別に分解

する能力。 

注記 通常,分解可能な二点間の最短距

離で表す。 

a) resolution,  
b) resolution,  

resolving power 

1136 

分光器 

ぶんこうき 

a) 一つの光源からの光を分散させて一つの焦

点面上に波長順にスリット像を結像させる
機器。 

b) a)の結像面に光検出器を装備した機器。 
c) a)の機器でスペクトルを目視観察可能な機

器。 

a) spectrometer,  
b) spectrometer,  
c) spectroscope 

1137 

分光光度計 

ぶんこうこうどけ

い 

分光器によって波長分散されたスペクトルを測
定する機器。 

spectrometer,  
spectrophotometer 

1138 

分光分析 

ぶんこうぶんせき 

物質が放射,散乱又は吸収する光のスペクトル
を利用して行う定性・定量分析。 

spectrometry 

1139 

分散 

ぶんさん 

a) 種々の波長成分を含む光が,プリズム又は

回折格子によって波長に応じて空間的に分
かれる現象。 

b) 光が物質の中を伝搬する場合,光学的性質

(屈折率など)が波長によって異なる現象。 

dispersion 

1140 

分散素子 

ぶんさんそし 

種々の波長成分の光を含む光を波長ごとに分け
るための光学素子。 

dispersive device 

1141 

分析線 

ぶんせきせん 

分光分析において,元素の定量に利用される特
定波長の線スペクトル。 

analytical line 

1142 

プラズモン 

ぷらずもん 

金属中の自由電子の集団的振動の量子。 

plasmon 

1143 

プラズモン励

起 

ぷらずもんれいき 

外部電場などによって引き起こされる金属表面
又はバルク中におけるプラズモン生成。 

plasmon excitation 

1144 

プリズム 

ぷりずむ 

光を分散,屈折又は全反射させるために用いる
素子。 

prism 

1145 

偏光 

へんこう 

電場及び磁場ベクトルの振動方向が規則的な
光。 
注記 直線偏光,円偏光,だ円偏光などがある。 

polarized light 

1146 

変色点(指示

薬の) 

へんしょくてん 

指示薬の色調が変化する点。 

point of color change 

(of indicator) 

1147 

放射 

ほうしゃ 

a) 電磁波(又は光子)によるエネルギーの放

出又はそれが伝搬する現象。 

b) 放出又は伝搬する電磁波(又は光子)。 

radiation 

background image

11 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1148 

マイケルソン

干渉計 

まいけるそんかん

しょうけい 

入射光をビームスプリッタで分け,それぞれを
固定鏡及び可動鏡によって反射させた後,再び
合成するもので,可動鏡を動かすことによって
光路差を変化させ干渉図形(インターフェログ
ラム)を得る光学系をもつ装置。 

Michelson 

interferometer 

1149 

ミクロフォト

メーター 

みくろふぉとめー

たー 

微小部分の透過率又は反射率を測定する機器。 microphotometer 

1150 

迷光 

めいこう 

分光器などで設計された光路を通らずに検出器
に検出される光。 

stray light 

1151 

モル吸光係数 もるきゅうこうけ

いすう 

物質の吸光度Aを,濃度1 mol L−1,光路長1 cm
当たりに換算した値で,物質の種類,波長,温
度などによって決まる定数ε(単位はcm−1  
mol−1 L)。 
注記 目的物質の濃度をc(mol L−1),光路長を

l(cm)として,ε=A/(cl)で表す。 

molar absorptivity 

1152 

モル比法 

もるひほう 

成分M及び成分Aによって化合物MAnが生成
するとき,Mの濃度を一定にしてAの濃度を変
えた数種類の溶液について吸光度を測定し,そ
の湾曲点から組成比nを求める方法。 

mole ratio method 

1153 

融球反応 

ゆうきゅうはんの

う 

金属などの化合物をほう砂,りん塩などととも
に熱するとき,ほう酸塩,りん酸塩などを生成
して,その金属特有の色をもったガラス状の融
球になる反応。 
注記 ほう砂球反応,りん塩球反応などがある。

溶球反応ともいう。 

bead reaction 

1154 

溶媒効果(ス 

ペクトル分
析における)

ようばいこうか 

溶液中の溶質の吸収又は発光などのスペクトル
に観測されるバンドが,溶媒の種類によって波
長シフト,形状又は強度の変化,出現・消滅な
どを起こす現象。 

solvent effect (for 

spectroscopic 
analysis) 

1155 

ランバート-

ベールの法
則, 

ランバート-

ベアーの法
則 

らんばーと-べー

るのほうそく, 

らんばーと-べあ

ーのほうそく 

媒質に光束を透過させたとき,入射光束の強度
と透過光束の強度との関係を示す法則。 
注記 強度I0の単色の入射光束が,媒質を通過

したとき,光の強度がIに減少する。こ
のときI0とIとの間に成り立つ,次の関
係式で表される法則をいう。 

I=I0×10−εcl 

ε:モル吸光係数(cm−1 mol−1 L) 

c:濃度(mol L−1) 
l:光路長(cm) 

Lambert-Beerʼs law 

1156 

臨界角 

りんかいかく 

光が屈折率が大きい媒体から小さい媒体に入射
するとき,全反射が起きる最も小さな入射角。 
注記 臨界角θcは次による。 

θc=arcsin (n2/n1) 
n1:入射元の媒体の屈折率 
n2:進行先の媒体の屈折率 

critical angle 

1157 

りん光 

りんこう 

電子励起状態の分子又は原子が多重度の異な
る,より低いエネルギーの準位に遷移する際に
放出する光。 

phosphorescence 

1158 

ルミネセンス るみねせんす 

物質が光,熱,化学反応などのエネルギーによ
って励起されて起こる発光現象。 

luminescence 

background image

12 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

1159 

レーザーアブ

レーション 

れーざーあぶれー

しょん 

レーザー光を試料表面に照射して構成物質を蒸
発させる操作。 

laser ablation 

1160 

レーザー回折

(粒度分布
測定の) 

れーざーかいせつ 

レーザー光が粒子群によって回折・散乱される
現象。 
注記 粒子径分布測定に用いる。 

laser diffraction (for 

particle size analysis) 

1161 

レーザー散乱

法 

れーざーさんらん

ほう 

レーザー光を試料に照射したとき発生する散乱
光を利用した分析法。 

laser scattering method 

1162 

励起エネルギ

ー 

れいきえねるぎー 

原子・分子・イオンなどを励起状態に遷移させ
るために必要なエネルギー。 

excitation energy 

1163 

励起スペクト

ル 

れいきすぺくとる 

特定波長の蛍光又はりん光強度を,励起光波長
の関数として図示するもの。 

excitation spectrum 

1164 

レイリー散乱 れいりーさんらん 

光を物質に照射したときに生じる散乱現象のう
ち,振動数変化を伴わない干渉性散乱。 
注記 光の波長よりも十分小さいサイズの粒子

による光の散乱。 

Rayleigh scattering 

1165 

レッドシフト れっどしふと 

吸収極大波長の長波長側への移動。 

red shift 

1166 

連続スペクト

ル 

れんぞくすぺくと

る 

エネルギーの放射が,ある波長領域にわたって
連続している場合のスペクトル。 

continuous spectrum 

1167 

連続変化法 

れんぞくへんかほ

う 

成分M及び成分Aによって化合物MAnを生成
するとき,M及びAの総濃度を一定に保ち,そ
れぞれの混合比を変えた数種類の溶液について
吸光度を測定し,その極大を示す点から組成比
nを求める方法。 

continuous variation 

method 

3.2 

波長 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

2001 

X線 

えっくすせん 

エネルギーが約10 eVから約100 keVまでの電
磁波。 
注記 内殻電子の遷移によって放出される特性

X線(固有X線),運動している電子がエ
ネルギーを失うときに放出する連続X線
及びシンクロトロン放射がある。 

X-ray 

2002 

遠赤外線 

えんせきがいせん 

波長が約25 μmより長い赤外線。 

far infrared radiation,  
far infrared light 

2003 

可視光 

かしこう 

目に入って,視感覚を起こすことができる光。 
注記 光源という概念で用いる場合は,可視光

線という。一般に可視光の波長範囲の短
波長限界は360 nm〜400 nm,長波長限界
は760 nm〜830 nmにある。 

visible light 

2004 

近赤外線 

きんせきがいせん 

波長が約2 500 nmより短い赤外線。 

near infrared radiation,  
near infrared light 

2005 

紫外光, 
紫外線 

しがいこう, 
しがいせん 

波長が,約10 nmより長く,約400 nmより短い
光。 
注記 1 nm〜10 nmの光を極端紫外光というこ

ともある。 

ultraviolet light,  
ultraviolet radiation 

2006 

真空紫外線 

しんくうしがいせ

ん 

波長が約190 nmよりも短い紫外線。 

vacuum ultraviolet 

radiation,  

vacuum ultraviolet light 

background image

13 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

2007 

赤外光, 
赤外線 

せきがいこう, 
せきがいせん 

波長が約800 nmより長く,約1 mmより短い光。 
注記 近赤外線及び遠赤外線を除いた赤外線

を,狭義の赤外線又は中赤外線ともいう。 

infrared light,  
infrared radiation 

2008 

テラヘルツ光,
テラヘルツ波 

てらへるつこう, 
てらへるつは 

波長が約30 μmから3 mm(周波数が0.1 THz〜

10 THz)の領域の光。 
注記 短波長側は遠赤外線と重なる。 

terahertz radiation,  
terahertz wave 

2009 

マイクロ波 

まいくろは 

a) おおむねGHz以上の振動数をもつ電磁波。 
b) 工業用途に使用が許可されたGHz領域の電

磁波。 

注記 分光分析用のプラズマ生成には,2.45 

GHzのマイクロ波が主に使用される。 

microwave 

3.3 

光源,分光器,検出器及びセル 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

3001 

アーク光源 

あーくこうげん 

分光学的測定のために,電極間にアーク放電を
行わせる光源。 

arc source 

3002 

EMCCD, 
EM-CCD 

いーえむしーしー

でぃー, 

いーえむ-しーし

ーでぃー 

CCDの読み出し信号を,電子増倍レジスタを用
いて大きな倍率で電流を増幅し,微弱光の画像
化を実現するイメージセンサー。 

EMCCD,  
EM-CCD 

3003 

イメージセン

サー 

いめーじせんさー 

光学画像を検出してディスプレイに表示した
り,コンピュータに記録したりする信号を発生
する装置。 

image sensor 

3004 

InGaAsフォ

トダイオー
ドアレイ検
出器 

いんじうむがりう

むひそふぉとだ
いおーどあれい
けんしゅつき 

一次元又は二次元に多数並べた小さなInGaAs
フォトダイオード検出器を用いて,それぞれの
位置に入射した赤外光の強さを測定できるよう
にした検出器。 
注記 主に分光器と組み合わせることで,赤外

領域におけるスペクトル測定に利用され
る。 

InGaAs photodiode 

array detector 

3005 

エシェル格子,
エシェル回折

格子 

えしぇるこうし, 
えしぇるかいせつ

こうし 

きょ(鋸)歯状の直線溝を刻み,溝の急傾斜面
側に光を入射させ,高次の回折線が得られるよ
うにした回折格子。 

echelette grating 

3006 

炎光光度検出

器, 

FPD(ガスク

ロマトグラ
フィーの) 

えんこうこうどけ

んしゅつき 

カラムからの溶出成分を還元性の連続水素炎又
は断続的水素炎中で分解して発光させ,硫黄,
りん及びすずを含む有機化合物を高感度で選択
的に検出するガスクロマトグラフ用検出器。 

flame photometric 

detector,  

FPD (for gas 

chromatography) 

3007 

円二色性検出

器 

えんにしょくせい

けんしゅつき 

円二色性を利用して,光学活性成分を検出する
機器。 

circular dichroism 

detector 

3008 

回折格子 

かいせつこうし 

平面又は曲面に格子状の溝を刻み,光の回折現
象を利用する分散素子。 

diffraction grating 

3009 

化学発光検出

器 

かがくはっこうけ

んしゅつき 

化学発光又は生物発光を利用する検出器。 

chemiluminescence 

detector 

3010 

加分散型トリ

プルモノク
ロメーター 

かぶんさんがたと

りぷるものくろ
めーたー 

加分散型分光器の後段に,波長分散機能をもつ
分光器を配置し,高分解能となる三段構成の分
光器。 

additive triple 

monochromator 

3011 

加分散型分光

器 

かぶんさんがたぶ

んこうき 

初段及び二段目とも波長分散機能をもつ高分解
能の分光器。 

additive 

monochromator 

background image

14 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

3012 

ガス吸収セル,
ガスセル, 
気体吸収セル 

がすきゅうしゅう

せる, 

がすせる, 
きたいきゅうしゅ

うせる 

光吸収を測定するために,気体試料を入れる容
器。 

gas absorption cell,  
gas cell 

3013 

キセノンラン

プ 

きせのんらんぷ 

高圧で封入したキセノン中でのアーク放電を用
いた放電管。 
注記 紫外領域から近赤外領域までの強い連続

スペクトルを与える。 

xenon lamp 

3014 

吸光光度検出

器 

きゅうこうこうど

けんしゅつき 

吸光度変化を検出する機器。 

absorption detector 

3015 

吸収セル 

きゅうしゅうせる 

光の吸収を測定するために試料,対照物質など
を入れる容器。 

absorption cell 

3016 

原子発光検出

器(ガスク
ロマトグラ
フィーの) 

げんしはっこうけ

んしゅつき 

ガスクロマトグラフィーにおいて,カラムから
の溶出物をプラズマ化し,原子固有の発光スペ
クトル線を検出する機器。 

atomic emission 

detector (for gas 
chromatography) 

3017 

光電管 

こうでんかん 

光の照射によって電子を放出する陰極及び電子
を受けとる陽極をガラス管内に封入したもの
で,管内に中間電極を備えていない光検出素子。 

phototube 

3018 

光電子増倍管,
PMT 

こうでんしぞうば

いかん 

光電効果を利用して光エネルギーを電気エネル
ギーに変換する光電管と,これによって得られ
た微弱な光電子(微弱電流)を増幅する二次電
子増倍管を組み合わせた光検出器。 

photomultiplier tube,  
PMT 

3019 

光電面 

こうでんめん 

光検出器において,光電効果を生じる面。 

photoelectric surface 

3020 

光度計 

こうどけい 

光の強度を測定する機器。 

photometer 

3021 

コリメーター こりめーたー 

平行光束を作るための光学素子又は機器。 

collimator 

3022 

差分散型トリ

プルモノク
ロメーター 

さぶんさんがたと

りぷるものくろ
めーたー 

差分散型分光器の後段に,波長分散機能をもつ
分光器を配置する,三段構成の分光器。 

subtractive triple 

monochromator 

3023 

差分散型分光

器 

さぶんさんがたぶ

んこうき 

初段の分光器で波長分散されたスペクトルの波
長λ1からλ2の光をスリットで選択し,その光を
二段目の分光器で波長λ1からλ2が混ざった光束

として取り出す分光器。 

subtractive 

monochromator 

3024 

シーケンシャ

ル型分光器 

しーけんしゃるが

たぶんこうき 

分散素子を制御することによって,一連のスペ
クトル線の強度を順次測定する分光器。 
注記 1本のスペクトル線だけを測定すること

もある。 

sequential scanning 

spectrometer 

3025 

CMOSイメ

ージセンサ
ー, 

CMOS 

しーもすいめーじ

せんさー 

受光素子にたまる電荷から画像信号を得るイメ
ージセンサー。 
注記 露光・信号増幅・読み出しをピクセルご

とに行う方式であり,動作電力が比較的
小さい。 

CMOS image sensor,  
CMOS 

3026 

紫外・可視吸

光検出器 

しがい・かしきゅ

うこうけんしゅ
つき 

紫外・可視領域での光の吸収を利用して分析種
を検出する機器。 

ultraviolet-visible 

absorption detector 

3027 

示差屈折率検

出器, 

RID 

しさくっせつりつ

けんしゅつき 

溶離液と分析種との屈折率の差を用いて測定す
る液体クロマトグラフ用検出器。 

refractive index 

detector,  

RID 

background image

15 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

3028 

シングルモノ

クロメータ
ー 

しんぐるものくろ

めーたー 

一つの回折格子又はプリズムなど,単一の分散
素子を用いるモノクロメーター。 

single monochromator 

3029 

重水素放電管,
重水素ランプ 

じゅうすいそほう

でんかん, 

じゅうすいそらん

ぷ 

真空中にごく低圧で封入した重水素中でのアー
ク放電を利用する放電管。 
注記 紫外部の連続スペクトル光源として用い

る。 

deuterium lamp 

3030 

蒸発光散乱検

出器(液体 
クロマトグ
ラフィーの)

じょうはつひかり

さんらんけんし
ゅつき 

液体クロマトグラフィーにおいて,溶離液(移
動相)を蒸発させたあとに残る分析種からの散
乱光を検出する機器。 

evaporative light 

scattering detector 
(for liquid 
chromatography) 

3031 

水素放電管 

すいそほうでんか

ん 

真空管中にごく低圧で封入した水素の中でのア
ーク放電を利用する放電管。 
注記 紫外部の線スペクトル光源として用い

る。 

hydrogen lamp 

3032 

スリット 

すりっと 

光学系において,光束を規制するための狭い隙
間。 

slit 

3033 

スリット幅 

すりっとはば 

平行に開いているスリットの間隔。 
注記 ミリメートル(mm)又はマイクロメート

ル(μm)単位で表す。 

slit width 

3034 

石英ガラス 

せきえいがらす 

二酸化けい素製のガラス。 
注記 紫外,可視及び近赤外の領域にわたって

透過率が高い。 

quartz glass 

3035 

赤外分光検出

器(クロマ
トグラフィ
ーの) 

せきがいぶんこう

けんしゅつき 

赤外波長領域の光吸収を利用して分析種を検
出・同定する機器。 

infrared 

spectro-detector (for 
chromatography) 

3036 

積分球 

せきぶんきゅう 

散乱性の高い試料に光を照射した際の透過,反
射,吸収,及び試料からの発光を測定する目的
で,試料からの光を定めた立体角内全体にわた
って集光するための機器。 

integrating sphere 

3037 

旋光度検出器 せんこうどけんし

ゅつき 

旋光度を利用して光学活性成分を検出する機
器。 

optical rotation 

detector 

3038 

タングステン

ランプ 

たんぐすてんらん

ぷ 

タングステンフィラメントによるふく(輻)射
を利用する光源用ランプ。 
注記 320 nm以上の長波長域の連続スペクトル

光源として用いる。 

tungsten lamp 

3039 

単光束方式 

たんこうそくほう

しき 

光度計及び分光光度計において,光源から検出
部までの間で,光路が分岐しない光学系の方式。 

single beam 

3040 

ダブルモノク

ロメーター 

だぶるものくろめ

ーたー 

二つのシングルモノクロメーターを光学的に直
列に配置したモノクロメーター。 
注記 加分散型と差分散型とがある。 

double monochromator 

3041 

低圧水銀ラン

プ 

ていあつすいぎん

らんぷ 

真空管中に0.1 Paから1.0 Pa程度封入した水銀
のアーク放電を利用する放電管。 
注記 干渉フィルターと組み合わせ,光電光度

計の線スペクトル光源,又は水銀測定用
線スペクトル光源として用いる。 

low pressure mercury 

lamp 

3042 

電荷結合素子,
CCD 

でんかけつごうそ

し 

金属酸化膜半導体技術を活用し,表面蓄積又は
情報伝達を行う自走査の半導体撮像素子。 

charge-coupled device,  
CCD 

background image

16 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

3043 

同時測定型分

光器 

どうじそくていが

たぶんこうき 

複数のスペクトル線の強度を同時測定する分光
器。 

simultaneous 

spectrometer 

3044 

発光ダイオー

ド, 

LED 

はっこうだいおー

ど 

二つの半導体の接触面(pn接合)付近において,
順方向にバイアス電圧を印加したとき,p領域
には電子が,n領域には正孔が注入され,これ
らの再結合によって発生する光を利用した発光
素子。 

light emitting diode,  
LED 

3045 

ハロゲンラン

プ 

はろげんらんぷ 

タングステンランプに微量のハロゲン元素を封
入した光源用ランプ。 

halogen lamp 

3046 

光イオン化検

出器, 

PID(ガスク

ロマトグラ
フィーの) 

ひかりいおんかけ

んしゅつき 

紫外線を照射して分析種をイオン化し,そのイ
オン電流変化を測定するガスクロマトグラフ用
検出器。 

photo ionization 

detector,  

PID (for gas 

chromatography) 

3047 

光伝導セル 

ひかりでんどうせ

る 

光の照射によって抵抗が変化する現象を利用し
た光検出素子。 

photoconductive cell 

3048 

光半導体検出

器, 

フォトダイオ

ード検出器 

ひかりはんどうた

いけんしゅつき,

ふぉとだいおーど

けんしゅつき 

化合物結晶又は混晶からなる半導体の光検出素
子。 

photodiode detector 

3049 

フォトダイオ

ードアレイ
検出器, 

PAD, 
PDA 

ふぉとだいおーど

あれいけんしゅ
つき 

一次元又は二次元に多数並べた小さなフォトダ
イオード検出器を用いて,それぞれの位置に入
射した光の強さを測定できるようにした検出
器。 
注記 主に分光器と組み合わせることで,スペ

クトル測定に利用される。 

photodiode array 

detector,  

PAD,  
PDA 

3050 

複光束方式 

ふくこうそくほう

しき 

光度計及び分光光度計において,光源からの光
束を二つに分け,一方を試料に,他方を対照物
質に照射する光学系の方式。 
注記 両者の信号強度(通常は吸収強度)の差

(又は比など)を試料の信号強度とする。 

double beam 

3051 

フラットフィ

ールド凹面
回折格子 

ふらっとふぃーる

どおうめんかい
せつこうし 

分光された光がフォトダイオードアレイ又は
CCDアレイ素子面に,できるだけ平たん(坦)
に照射されるように設計された凹面の回折格
子。 

flat field concave 

grating 

3052 

ポリクロメー

ター 

ぽりくろめーたー 

入射光を分散素子によって波長ごとに分け,波
長ごとの光強度を同時に取り出す機器。 

polychromator 

3053 

モノクロメー

ター 

ものくろめーたー 

分散素子によって特定の波長の単色光を取り出
す機器。 

monochromator 

3054 

レーザーダイ

オード, 

LD 

れーざーだいおー

ど 

レーザー発振に用いる半導体。 

laser diode,  
LD 

3.4 

原子スペクトル分析法 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

4001 

アーク線 

あーくせん 

アーク又はフレームによって励起された原子・
イオンなどから放射される線スペクトル。 

arc line 

background image

17 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

4002 

アーク放電 

あーくほうでん 

主として陰極からの熱電子放出によって電子が
供給され,陰極電位降下が気体の電離電圧程度
に近く,陰極面における電流密度が高いことを
特徴とする放電。 

arc discharge 

4003 

アーク放電発

光分光分析
法 

あーくほうでんは

っこうぶんこう
ぶんせきほう 

電極間のアーク放電によって,試料中の原子・
イオンなどを励起する発光分析法。 

arc discharge atomic 

emission 
spectrometry,  

arc discharge optical 

emission 
spectrometry 

4004 

イオン線 

いおんせん 

あるイオンに固有の基底状態と励起状態との間
の遷移に由来する光吸収又は放射によって観測
される線スペクトル。 

ionic line 

4005 

炎光光度計 

えんこうこうどけ

い 

励起源に炎を用いて,分析種の発光スペクトル
強度を測定する機器。 

flame photometer 

4006 

炎光光度分析

法, 

フレーム分析

法 

えんこうこうどぶ

んせきほう, 

ふれーむぶんせき

ほう 

励起源に炎を用いて,分析種の発光スペクトル
強度を測定し,分析する方法。 

flame photometry 

4007 

炎色反応 

えんしょくはんの

う 

試料を炎に入れたとき,含有する成分によって
炎が特有の色を発する反応。 

flame reaction 

4008 

還元炎 

かんげんえん 

過剰の可燃性の気体が存在し,未反応の炭素に
よって還元性雰囲気となっている化学炎。 

reducing flame 

4009 

還元気化法 

かんげんきかほう 

試料溶液中の分析種を還元して気体状にする方
法。 

vapor generation by 

reduction 

4010 

キャリヤーガ

ス(原子ス
ペクトル分
析法の) 

きゃりやーがす 

分析種を含む粒子,試料溶液又は分析種の蒸気
を原子化部・プラズマなどに搬送するためのガ
ス。 

carrier gas (for atomic 

spectrometry) 

4011 

グロー放電 

ぐろーほうでん 

13.3 Pa〜133.3 Pa(0.1 Torr〜1.0 Torr)程度の圧
力の放電ガスの中で,陰極と陽極との間に1 kV
程度の電圧を印加して生成させる放電。 

glow discharge 

4012 

グロー放電発

光分光分析
法 

ぐろーほうでんは

っこうぶんこう
ぶんせきほう 

グロー放電プラズマによって,分析種を励起す
る発光分析法。 

glow discharge atomic 

emission 
spectrometry,  

glow discharge optical 

emission 
spectrometry 

4013 

原子吸光光度

計 

げんしきゅうこう

こうどけい 

分析種を原子化し,その原子蒸気層による光の
吸収を測定する機器。 

atomic absorption 

spectrometer 

4014 

原子吸光分光

光度計 

げんしきゅうこう

ぶんこうこうど
けい 

波長選択部にモノクロメーターを用いた原子吸
光光度計。 

atomic absorption 

spectrophotometer 

4015 

原子吸光分析

法, 

原子吸光分光

分析法 

げんしきゅうこう

ぶんせきほう, 

げんしきゅうこう

ぶんこうぶんせ
きほう 

試料中に含まれる分析対象元素を,フレーム
(flame),電気加熱,又は化学反応によって原
子化し,その原子蒸気層の吸光度を測定するこ
とによって,分析対象元素の濃度を求める方法。 
注記 フレーム原子吸光分析,電気加熱方式原

子吸光分析及び冷蒸気方式原子吸光分析
がある。 

atomic absorption 

spectrometry 

background image

18 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

4016 

原子蛍光分光

法 

げんしけいこうぶ

んこうほう 

励起された原子・イオンが低いエネルギー準位
に遷移するとき,放出される二次光(原子蛍光)
を検出する分光法。 

atomic fluorescence 

spectrometry 

4017 

原子スペクト

ル 

げんしすぺくとる 

原子・イオンが放射又は吸収する光のスペクト
ル。 

atomic spectrum 

4018 

原子スペクト

ル分析法 

げんしすぺくとる

ぶんせきほう 

原子・イオン種に特有な吸収又は発光の測定に
よって,元素の定性・定量を行う方法。 

analytical atomic 

spectrometry 

4019 

黒鉛炉原子吸

光分析法 

こくえんろげんし

きゅうこうぶん
せきほう 

試料の原子化に,電気加熱の黒鉛炉を用いる原
子吸光分析法。 

graphite furnace 

atomic absorption 
spectrometry  

4020 

酸化炎 

さんかえん 

過剰の酸化性気体が存在し,酸化性雰囲気とな
っている化学炎。 

oxidative flame 

4021 

試料電極(発

光分光分析
法の) 

しりょうでんきょ

く 

分析試料そのもので調製した放電電極。 
注記 グラファイト,銀,タングステン製対電

極などと組み合わせて用いることが多
い。 

sample electrode (of 

atomic emission 
spectrometry, of 
optical emission 
spectrometry) 

4022 

自己反転 

じこはんてん 

輝線の自己吸収が強くなって,その中心部の光
の強さがゼロ又はそれに近い状態。 

self reversal 

4023 

自己反転方式

(バックグ
ラウンド補
正の) 

じこはんてんほう

しき 

中空陰極ランプに通常電流と高電流とを交互に
流し,高電流による放電によって生じる自己反
転したスペクトル線を,バックグラウンド補正
に用いる光学系の一方式。 

self reversal spectrum 

(for background 
correction) 

4024 

水素化物発生

法 

すいそかぶつはっ

せいほう 

試料溶液中の特定の分析種(例えば,ひ素,セ
レン,アンチモンなどの化合物)を分析するた
めに,分析種を還元して水素化合物とする方法。 

hydride generation 

method 

4025 

スパーク線 

すぱーくせん 

スパーク放電によって励起された原子・イオン
などが放射する線スペクトル。 

spark line 

4026 

スパーク放電

(発光分光
分析の) 

すぱーくほうでん 

点火回路によって10 kV程度の高電圧を対電極
と試料電極との間に印加して絶縁破壊を生じさ
せることによって,主放電回路のコンデンサー
に蓄えられた電荷を電極間に瞬時に流して起こ
す放電。 

spark discharge 

4027 

スパーク放電

発光分光分
析法 

すぱーくほうでん

はっこうぶんこ
うぶんせきほう 

スパーク放電プラズマによって,試料中の原
子・イオンなどを励起する発光分析法。 

spark source atomic 

emission 
spectrometry,  

spark source optical 

emission 
spectrometry 

4028 

中空陰極ラン

プ, 

ホローカソー

ドランプ 

ちゅうくういんき

ょくらんぷ, 

ほろーかそーどら

んぷ 

陽極及び分析種を含む中空円筒状の陰極を,低
圧のネオンなどとともに封入した放電管。 
注記 主として原子吸光分析法の光源として用

いる。 

hollow cathode lamp 

4029 

中性線 

ちゅうせいせん 

ある中性原子に固有の基底状態と励起状態との
間の遷移に由来する,光吸収又は放射によって
観測される線スペクトル。 

neutral line 

background image

19 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

4030 

直流プラズマ

発光分光分
析法 

ちょくりゅうぷら

ずまはっこうぶ
んこうぶんせき
ほう 

直流放電プラズマによって,試料中の原子など
を励起する発光分析法。 

direct current plasma 

atomic emission 
spectrometry,  

direct current plasma 

optical emission 
spectrometry 

4031 

対電極(発光

分光分析法
の) 

ついでんきょく 

発光分光分析において,放電を形成する一対の
電極のうち,試料電極又は補助電極ではない側
の電極。 

counter electrode (of 

atomic emission 
spectrometry, of 
optical emission 
spectrometry) 

4032 

電気加熱原子

吸光分析法 

でんきかねつげん

しきゅうこうぶ
んせきほう 

黒鉛,耐熱金属などを発熱体とする炉を通電加
熱して,分析種を原子化する原子吸光分析法。 

electrothermal type 

atomic absorption 
spectrometry 

4033 

電気加熱方式

(原子吸光
分析の) 

でんきかねつほう

しき 

黒鉛,耐熱金属などを発熱体とする炉を通電加
熱して,試料を原子化する方式。 

electrothermal 

atomization/ 
vaporization (of 
atomic absorption 
spectrometry) 

4034 

ネブライザー ねぶらいざー 

試料溶液を霧状にする機器。 
注記 原子吸光分析法,ICP発光分析法などに

用いられる。 

nebulizer 

4035 

発光分光分析

装置(原子
スペクトル
測定用の) 

はっこうぶんこう

ぶんせきそうち 

光,熱,電気などのエネルギーを試料に与え,
試料を励起して放射される発光スペクトルを測
定する装置。 

atomic emission 

spectrometer,  

optical emission 

spectrometer (for 
atomic spectrometry) 

4036 

バックグラウ

ンド吸収
(原子吸光
分析法の) 

ばっくぐらうんど

きゅうしゅう 

光路中の分析種以外の成分による,光吸収及び
光散乱に起因した分析する光線の減少。 

background absorption 

(of atomic absorption 
spectrometry) 

4037 

バックグラウ

ンド発光
(発光分光
分析法の) 

ばっくぐらうんど

はっこう 

試料中に高濃度で含まれる分析種以外の成分に
よる発光。 

background emission 

(of atomic emission 
spectrometry, of 
optical emission 
spectrometry) 

4038 

バックグラウ

ンド補正
(原子吸光
分析法の) 

ばっくぐらうんど

ほせい 

分析の対象とする原子蒸気層だけによる吸光度
を得るために,バックグラウンド吸収を補正す
る方式。 
注記 この方式として連続スペクトル光源法,

偏光ゼーマン法,非共鳴近接線法,自己
反転法などがある。 

background correction 

(of atomic 
absorption 
spectrometry) 

4039 

バックグラウ

ンド補正
(発光分光
分析法の) 

ばっくぐらうんど

ほせい 

分析種の発光への干渉を除去するために,バッ
クグラウンド発光を補正する方式。 

background correction 

(of atomic emission 
spectrometry, of 
optical emission 
spectrometry) 

background image

20 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

4040 

パルス分布解

析法(発光
分光分析法
の) 

ぱるすぶんぷかい

せきほう 

スパーク放電において,パルスごとのスペクト
ル強度を測定し,その分布を解析して,状態分
析を行う発光分光分析法。 

pulse distribution 

analysis (of atomic 
emission 
spectrometry, of 
optical emission 
spectrometry) 

4041 

非共鳴近接線

方式(バッ
クグラウン
ド補正の) 

ひきょうめいきん

せつせんほうし
き 

中空陰極ランプから発生する,分析対象元素の
共鳴線に近接するスペクトル線を,バックグラ
ウンド補正に用いる光学系の一方式。 

nonresonance spectrum 

system (for 
background 
correction) 

4042 

標準化試料

(発光分光
分析法の) 

ひょうじゅんかし

りょう 

一定時間又は一定数の試料ごとに,検量線の校
正などを行うために使用する試料。 

sample for 

standardization (of 
atomic emission 
spectrometry, of 
optical emission 
spectrometry) 

4043 

フレーム原子

吸光分析法 

ふれーむげんしき

ゅうこうぶんせ
きほう 

試料の原子化に,化学炎を用いる原子吸光分析
法。 

flame atomic 

absorption 
spectrometry 

4044 

偏光ゼーマン

原子吸光分
析計 

へんこうぜーまん

げんしきゅうこ
うぶんせきけい 

偏光ゼーマン方式を用いた原子吸光分析計。 

polarized Zeeman 

atomic absorption 
spectrometer 

4045 

偏光ゼーマン

方式(バッ
クグラウン
ド補正の) 

へんこうぜーまん

ほうしき 

ゼーマン効果と偏光とを組み合わせたバックグ
ラウンド補正方式。 

polarized Zeeman 

splitted spectrum 
system (for 
background 
correction) 

4046 

補助電極(発

光分光分析
の) 

ほじょでんきょく 

試料電極の一種で,試料だけで電極を形成でき
ない場合に,試料を放電場内に保持するための
電極。 
注記 試料の性状によって適した形状のものを

用いる。 

auxiliary electrode (of 

atomic emission 
spectrometry, of 
optical emission 
spectrometry) 

4047 

マイクロ波誘

導プラズマ,

MIP 

まいくろはゆうど

うぷらずま 

工業用周波数のマイクロ波を用いて,空洞共振
などの方法で電気エネルギーを伝搬し,ガスを
電離させて得られる高温のプラズマ。 

microwave induced 

plasma,  

MIP 

4048 

マイクロ波誘

導プラズマ
発光分光分
析法 

まいくろはゆうど

うぷらずまはっ
こうぶんこうぶ
んせきほう 

マイクロ波誘導プラズマによって,分析種を励
起する発光分析法。 

microwave induced 

plasma atomic 
emission 
spectrometry,  

microwave induced 

plasma optical 
emission 
spectrometry 

4049 

無電極放電ラ

ンプ 

むでんきょくほう

でんらんぷ 

金属ハロゲン化物などを希ガスとともに封入
し,高周波電場によって点灯する放電管。 

electrodeless discharge 

lamp 

4050 

誘導結合プラ

ズマ, 

高周波誘導結

合プラズマ 

ゆうどうけつごう

ぷらずま, 

こうしゅうはゆう

どうけつごうぷ
らずま 

ラジオ波領域における高周波の電磁誘導によっ
て発生する変動磁場で,プラズマ内に渦電流ガ
スを発生させて得られる高温のプラズマ。 

inductively coupled 

plasma,  

radio-frequency 

inductively coupled 
plasma 

background image

21 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

4051 

誘導結合プラ

ズマ発光分
光分析法, 

ICP-AES, 
ICP-OES 

ゆうどうけつごう

ぷらずまはっこ
うぶんこうぶん
せきほう 

(高周波)誘導結合プラズマによって,分析種
を励起する発光分析法。 
注記 高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法

(radio-frequency inductively coupled 
plasma atomic emission spectrometry)とも
いう。 

inductively coupled 

plasma atomic 
emission 
spectrometry,  

inductively coupled 

plasma optical 
emission 
spectrometry 

4052 

予備放電時間

(発光分光
分析の) 

よびほうでんじか

ん 

放電初期のスペクトル強度が安定するまで行う
放電時間。 

predischarge time,  
preburn time (of 

atomic emission 
spectrometry, of 
optical emission 
spectrophotometer) 

4053 

レーザー誘起

プラズマ発
光分析法, 

レーザー誘起

プラズマ分
光法, 

レーザー誘起

ブレークダ
ウン分光法,

LIPS, 
LIBS 

れーざーゆうきぷ

らずまはっこう
ぶんせきほう, 

れーざーゆうきぷ

らずまぶんこう
ほう, 

れーざーゆうきぶ

れーくだうんぶ
んこうほう 

レーザー光の試料への照射によって発生するプ
ラズマを用いて,分析種を励起する発光分光分
析法。 

laser induced plasma 

atomic emission 
spectrometry,  

laser induced plasma 

optical emission 
spectrometry,  

laser induced plasma 

spectroscopy,  

laser induced 

breakdown 
spectroscopy,  

LIPS,  
LIBS 

4054 

冷蒸気方式原

子吸光分析
法 

れいじょうきほう

しきげんしきゅ
うこうぶんせき
ほう 

試料溶液を還元気化又は加熱気化して,水銀を
原子化する原子吸光分析法。 

cold vapor type atomic 

absorption 
spectrometry 

4055 

連続スペクト

ル光源方式
(バックグ
ラウンド補
正の) 

れんぞくすぺくと

るこうげんほう
しき 

連続スペクトルを用いる原子吸光分析のバック
グラウンド補正法の一方式。 
注記 重水素ランプ,タングステンランプなど

が用いられる。 

continuous spectrum 

source system (for 
background 
correction) 

3.5 

吸光光度分析法・蛍光分光分析法 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

5001 

円二色性分光

光度計 

えんにしょくせい

ぶんこうこうど
けい 

紫外線から赤外線領域における,試料の円二色
性スペクトルを測定する機器。 
注記 主に紫外線から可視光線領域の円二色性

を測定する機器を円二色性分光光度計
(CD),赤外線領域の円二色性を測定す
る機器を振動円二色性分光光度計(VCD)
と区別することもある。 

circular dichroism 

spectrometer 

background image

22 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

5002 

オパールガラ

ス法 

おぱーるがらすほ

う 

散乱性の高い試料のスペクトルを精度よく得る
ために,試料と検出器との間に高散乱性のオパ
ールガラス製の板を置いて測定する方法。 
注記 オパールガラスとは光を拡散透過する乳

白色のガラス。 

opal glass method 

5003 

近赤外分光光

度計 

きんせきがいぶん

こうこうどけい 

近赤外領域の波長を測定対象とする分光光度
計。 

near-infrared 

spectrometer 

5004 

近赤外分光分

析法 

きんせきがいぶん

こうぶんせきほ
う 

近赤外領域のスペクトルを測定し,物質の定
性・定量を行う方法。 

near-infrared 

spectrometry 

5005 

蛍光 

けいこう 

分子が光によって励起一重項状態に励起され,
それが基底状態に遷移する際に放出される光。 

fluorescence 

5006 

蛍光共鳴エネ

ルギー移動,

FRET 

けいこうきょうめ

いえねるぎーい
どう, 

ふれっと 

2種類の蛍光物質が近接している場合,光励起
された物質(ドナー)から他方の物質(アクセ
プター)に励起エネルギーが移動する現象。 
注記 アクセプターからの蛍光がバイオ分析,

イメージングなどで多用される。 

fluorescence resonance 

energy transfer,  

FRET 

5007 

蛍光光度計 

けいこうこうどけ

い 

励起光及び蛍光の波長選択に,光学フィルター
を用いて,蛍光強度を測定する機器。 

fluorometer 

5008 

蛍光色素 

けいこうしきそ 

光を吸収して蛍光を発する色素。 

fluorescent dye 

5009 

蛍光寿命 

けいこうじゅみょ

う 

光励起直後の蛍光強度に対して,蛍光強度が1/e
になる時間。ここでeは自然対数の底であるネ
イピア数(2.718)。 

fluorescence life time 

5010 

蛍光スペクト

ル 

けいこうすぺくと

る 

励起光側波長を固定し,観測される蛍光強度を
波長に対してプロットしたスペクトル。 

fluorescence spectrum 

5011 

蛍光相関分光

法, 

FCS 

けいこうそうかん

ぶんこうほう 

蛍光分子又は蛍光標識した分子から放射される
蛍光強度の経時変化を測定し,時間相関関数に
よって解析することで,測定領域に存在する蛍
光分子又は蛍光標識した分子の数,拡散係数な
どを測定する方法。 

fluorescence 

correlation 
spectroscopy,  

FCS 

5012 

蛍光標識法 

けいこうひょうし

きほう 

分析種に蛍光性の物質を結合させて,その蛍光
強度から分析種の計測を行う方法。 

fluorescence labeling 

method 

5013 

蛍光分光光度

計 

けいこうぶんこう

こうどけい 

励起光側又は蛍光側波長選択部のいずれかにモ
ノクロメーターを,他方に光学フィルターを用
いて,蛍光強度を測定する機器。 

fluorescence 

spectrometer,  

fluorescence 

spectrophotometer 

5014 

蛍光分光分析

法 

けいこうぶんこう

ぶんせきほう 

蛍光スペクトル又は励起スペクトルを測定し,
物質の定性・定量を行う方法。 

fluorescence 

spectrometry 

5015 

蛍光量子収率 けいこうりょうし

しゅうりつ 

分子が吸収する光子数と蛍光として放出する光
子数について,吸収光子数を分母とした比。 

fluorescence quantum 

yield 

5016 

紫外・可視・

近赤外分光
光度計 

しがい・かし・き

んせきがいぶん
こうこうどけい 

紫外・可視・近赤外領域で,分光器によって分
散した光を測定する機器。 

ultraviolet-visible-near 

infrared spectrometer 

5017 

紫外・可視分

光光度計 

しがい・かしぶん

こうこうどけい 

紫外・可視領域で,分光器によって分散した光
を測定する機器。 

ultraviolet-visible 

spectrometer 

5018 

示差測定法

(吸光光度
分析法の) 

しさそくていほう 

非常に小さいか又は大きい吸光度を精密に測定
するため,試料溶液の吸光度より僅かに大きい
か又は小さい吸光度を示す既知濃度の溶液を,
100合わせ用の対照液として用いる測定方法。 

differential 

measurement (for 
absorption 
spectrometry) 

background image

23 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

5019 

消光 

しょうこう 

物質からの発光が,化学的作用又は物理的作用
によって減少する現象。 

quenching 

5020 

試料セル(吸

光光度分析
法の) 

しりょうせる 

試料を入れる吸収セル。 

sample cell (for 

absorption 
spectrometry) 

5021 

時間分解蛍光

測定法 

じかんぶんかいけ

いこうそくてい
ほう 

特定の波長における蛍光寿命,又は蛍光スペク
トルの経時変化を測定する方法。 

time-resolved 

fluorescence 
spectroscopy 

5022 

全反射蛍光, 
TIRF 

ぜんはんしゃけい

こう, 

たーふ 

全反射で生じるエバネッセント光によって光励
起された分析種などからの蛍光。 

total internal reflection 

fluorescence,  

TIRF 

5023 

対照液(吸光

光度分析法
の) 

たいしょうえき 

試料液の色調又は吸収の度合いを比較するため
に用いる,標準的な色調又は吸収を示す溶液。 

reference solution (of 

absorption 
spectrometry) 

5024 

対照セル(吸

光光度分析
法の) 

たいしょうせる 

光学特性が等価な2個以上の吸収セルを用いて
吸光度を測定するとき,対照物質を入れる吸収
セル。 

reference cell (of 

absorption 
spectrometry) 

5025 

分光蛍光光度

計 

ぶんこうけいこう

こうどけい 

励起光側及び蛍光側波長選択部の両者にモノク
ロメーターを用いて,蛍光強度を測定する機器。 

spectrofluorometer 

5026 

偏光解消法

(蛍光分光
分析法の) 

へんこうかいしょ

うほう 

直線偏光で試料媒体中の分子を光励起し,放出
される蛍光の偏光の度合いを計測することで,
光励起された分子の運動性若しくは大きさ,又
は試料媒体の粘度などに関する情報を得る方
法。 

depolarization method 

(for fluorescence 
spectrometry) 

5027 

量子ドット

(蛍光分析
の) 

りょうしどっと 

量子効果によって蛍光を発する微粒子。 
注記 生体関連物質の蛍光イメージングにおけ

る標識物質などとして利用される。 

quantum dot (for 

fluorescence 
analysis) 

5028 

レーザー誘起

蛍光, 

LIF 

れーざーゆうきけ

いこう 

レーザー光を励起光として得られる蛍光。 

laser induced 

fluorescence,  

LIF 

5029 

励起蛍光マト

リックス, 

EEM 

れいきけいこうま

とりっくす 

励起波長を一定波長間隔で走査し,各励起波長
で蛍光波長を走査することによって得られる,
蛍光強度との三次元図。 

excitation-emission 

matrix,  

EEM 

5030 

励起波長(蛍

光の) 

れいきはちょう 

蛍光物質を光励起するために用いる光の波長。 excitation wavelength 

(of fluorescence) 

3.6 

バイオ関連光分析法 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

6001 

一滴分析 

いってきぶんせき 

試料溶液の一滴だけで吸光,蛍光,化学発光な
どを測定する方法。 

single droplet 

measurement 

6002 

インターカレ

ーター(核
酸塩基の) 

いんたーかれーた

ー 

DNA又はRNAの二重鎖に入り込み蛍光を発す
る分子。 

intercalator (for 

nucleotides) 

6003 

蛍光イムノア

ッセイ 

けいこういむのあ

っせい 

蛍光性の標識物質を用いるイムノアッセイ(免
疫検定法)。 

fluorescence 

immunoassay 

6004 

蛍光インサイ

チュハイブ
リダイゼー
ション, 

FISH 

けいこういんさい

ちゅはいぶりだ
いぜーしょん, 

ふぃっしゅ 

蛍光標識されたDNAプローブを,細胞又は染
色体の形態を保ったままの試料とハイブリダイ
ズ(hybridize)させ,標的遺伝子若しくはその
転写物の存在位置,又は分布状況を蛍光顕微鏡
下で観測する手法。 

fluorescence in situ 

hybridization,  

FISH 

background image

24 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

6005 

蛍光抗体法 

けいこうこうたい

ほう 

蛍光物質によって標識した抗体を用いる分析方
法又は染色方法。 

fluorescent antibody 

method 

6006 

蛍光たんぱく

質 

けいこうたんぱく

しつ 

蛍光を発するたんぱく質。 

fluorescent protein 

6007 

時間分解蛍光

イムノアッ
セイ 

じかんぶんかいけ

いこういむのあ
っせい 

試料溶液中の特定物質を定量するために抗原抗
体反応を利用し,検出試薬として長寿命の蛍光
標識を用いて,寿命の短いバックグラウンド蛍
光を時間分解法で除去する分析法。 

time-resolved 

fluoroimmunoassay 

6008 

生物発光 

せいぶつはっこう 

生物化学反応に伴って起こる発光。 

bioluminescence 

6009 

生物発光たん

ぱく質 

せいぶつはっこう

たんぱくしつ 

生物発光を発するたんぱく質。 

bioluminescent protein 

6010 

生物発光法 

せいぶつはっこう

ほう 

試料に生物発光性の酵素,微生物などを作用さ
せ,放出した光量の測定から分析種の濃度又は
量を求める方法。 

bioluminescence 

method 

6011 

セルソーティ

ング 

せるそーてぃんぐ 

フローサイトメトリーを利用して,蛍光標識等
を施した細胞を個々に分離・収集する方法。 

cell sorting 

6012 

DNAシーケ

ンサー 

でぃーえぬえーし

ーけんさー 

DNAの塩基配列を決定するための分析装置。 
注記 検出のために蛍光が利用される場合が多

い。 

DNA sequencer 

6013 

発光イムノア

ッセイ 

はっこういむのあ

っせい 

標識物質として化学発光性又は生物発光性のも
のを用いるイムノアッセイ(免疫検定法)。 

luminescence 

immunoassay 

6014 

発色合成基質

法(比色法
の) 

はっしょくごうせ

いきしつほう 

酵素反応によって合成基質から生じる着色生成
物を,吸光度変化などから測定し,分析種を定
量する分析法。 

chromogenic method 

(for colorimetry) 

6015 

フローサイト

メトリー 

ふろーさいとめと

りー 

細管中を流れている細胞からの光散乱・蛍光な
どを測定し,細胞の定性・定量を行う方法。 

flow cytometry 

6016 

マイクロプレ

ートリーダ
ー 

まいくろぷれーと

りーだー 

マイクロプレートに入っている複数の試料につ
いて,それらの吸光,蛍光,化学発光などを測
定する機器。 

microplate reader 

6017 

リアルタイム

PCR 

りあるたいむぴー

しーあーる 

ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNA増幅
の経時変化を,蛍光色素を標識として定性・定
量する方法。 

real-time polymerase 

chain reaction,  

real-time PCR 

6018 

レポーター遺

伝子 

れぽーたーいでん

し 

遺伝子発現をモニターするのに利用される遺伝
子。 
注記 その遺伝子産物はレポーターとよばれ,

蛍光たんぱく質,生物発光たんぱく質,β
ガラクトシダーゼなど,光シグナルに関
係したたんぱく質が利用されることが多
い。 

reporter gene 

3.7 

非線形分光分析法 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

7001 

コヒーレント

アンチスト
ークスラマ
ン分光法, 

CARS 

こひーれんとあん

ちすとーくすら
まんぶんこうほ
う, 

かーす 

振動数がν1とν2とのレーザー光(ν1>ν2)を物
質に入射したとき,ν1−ν2と物質のラマン許容
遷移の振動数とが一致したとき発生するν3=
2ν1−ν2のレーザー状放出光を用いて,ラマンス

ペクトルと同等のスペクトルを得る分光法。 
注記 レーザー状放出光ν3の方向は位相整合条

件k3=2k1−k2を満たし,かつν3はν1,ν2

よりも高いため,蛍光による妨害に強い。 

coherent anti-stokes 

Raman spectrometry, 

CARS 

background image

25 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

7002 

差周波発生, 
DFG 

さしゅうははっせ

い 

二つ以上の異なった周波数の光波が混合された
ときに,差の周波数の光波が発生する現象。 

difference frequency 

generation,  

DFG 

7003 

差周波レーザ

ー分光法 

さしゅうはれーざ

ーぶんこうほう 

非線形光学結晶での差周波発生を利用して,周
波数が変調されたレーザー光を光源とする分光
法。 

difference-frequency 

laser spectroscopy  

7004 

多光子イオン

化 

たこうしいおんか 

多光子遷移の一つであって,2個以上の光子を
同時に吸収することによるイオン化。 

ionization with multiple 

photon absorption 

7005 

多光子吸収 

たこうしきゅうし

ゅう 

複数個の光子をほぼ同時に吸収して,分子が励
起状態になる現象。 

multi-photon 

absorption 

7006 

ハイパーラマ

ン散乱分光
法 

はいぱーらまんさ

んらんぶんこう
ほう 

非線形ラマン散乱の1種であるハイパーラマン
散乱光を測定する分光法。 

hyper-Raman scattering 

spectroscopy 

7007 

光高調波 

ひかりこうちょう

は 

入射レーザー光の整数倍の周波数をもつ光。 
注記 例えば,第二高調波,第三高調波など。 

optical harmonics  

7008 

光高調波発生 ひかりこうちょう

ははっせい 

強い光を物質に照射した際に,非線形光学効果
によって,その周波数が整数倍に変換された光
が出射する現象。 
注記 周波数が2倍になる場合を第二高調波発

生,3倍になる場合を第三高調波発生とい
う。 

optical harmonic 

generation 

7009 

光パラメトリ

ック増幅器,

OPA 

ひかりぱらめとり

っくぞうふくき 

非線形光学結晶中で異なる波長の光を用いて,
光波を増幅する装置。 

optical parametric 

amplifier,  

OPA 

7010 

光パラメトリ

ック発振, 

OPO 

ひかりぱらめとり

っくはっしん 

非線形光学結晶を内部に配置した共振器にレー
ザー光を入射した際に,差周波発生に基づき周
波数が変調されたコヒーレント光が発生する現
象。 

optical parametric 

oscillation,  

OPO 

7011 

非線形光学結

晶 

ひせんけいこうが

くけっしょう 

大きな非線形光学定数をもつ光学結晶。 
注記 光高調波発生,光混合,光パラメトリッ

ク発振などに用いる。 

nonlinear optical 

crystal 

7012 

非線形分光法 ひせんけいぶんこ

うほう 

レーザー光のような強い光を物質に照射し,物
質からの非線形光学応答を測定する分光法。 

non-linear 

spectroscopy 

7013 

非線形ラマン

分光法 

ひせんけいらまん

ぶんこうほう 

光と物質との高次の相互作用を利用して,ラマ
ン散乱光の選択的な増強又は,自発ラマン過程
では不活性な振動モードの測定を実現する分光
法。 

nonlinear Raman 

spectroscopy 

7014 

和周波発生, 
SFG 

わしゅうははっせ

い 

二つ以上の異なった周波数の光波が混合された
ときに,和の周波数の光波が発生する現象。 

sum-frequency 

generation,  

SFG 

7015 

和周波発生分

光法 

わしゅうははっせ

いぶんこうほう 

周波数の異なる二つのレーザー光を試料物質表
面に入射したときに,表面で発生する和周波を
計測する分光法。 

sum-frequency 

generation 
spectroscopy 

3.8 

顕微分光分析法・近接場分光分析法・イメージング 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

8001 

暗視野顕微鏡 あんしやけんびき

ょう 

対物レンズの開口数(NA)より大きなNAの照
明光を試料に照射して,試料からの散乱光だけ
を観察する顕微鏡。 

dark-field microscope 

background image

26 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

8002 

位相差顕微鏡 いそうさけんびき

ょう 

物体によって生じる微小な位相差を明暗の差に
変えて見るために,コンデンサーの絞りと位相
板とを共役な位置に配置する顕微鏡。 

phase contrast 

microscope 

8003 

ATR対物レ

ンズ 

えーてぃーあーる

たいぶつれんず 

全反射条件で光を試料に照射するための対物レ
ンズ,又は鏡の組合せ。 

attenuated total 

reflection objective 

8004 

エバネッセン

ト光, 

エバネッセン

ト波 

えばねっせんとこ

う, 

えばねっせんとは 

a) 光が全反射するとき,光の伝搬しない低屈

折率媒質側において,界面法線方向にその
エネルギーが境界面からの距離に対して指
数関数的に減衰する光波。 

b) 波長より小さな開口から開口程度の距離だ

けしみ出して局在する光波。 

evanescent light,  
evanescent wave 

8005 

カセグレン鏡 かせぐれんきょう 

対物鏡の一つで微弱な光を集光するために,凹
面鏡で作られた主鏡と双曲面からなる副鏡との
二つの鏡で焦点を結ぶ方式の集光鏡。 

Cassegrainian reflector 

8006 

干渉顕微鏡 

かんしょうけんび

きょう 

干渉を利用して,物体表面の微細な凹凸,内部
の位相差などを観察する顕微鏡。 

interference 

microscope 

8007 

輝度重心 

きどじゅうしん 

輝点の強度分布である点像分布関数から,計算
によって決定する発光物質の精密な位置。 
注記 注目する発光物質が,他の発光物質から

回折限界より十分離れていれば,位置精
度は数ナノメートルまで向上させること
ができ,超解像顕微鏡の原理に用いられ
る。 

center of brightness 

8008 

共焦点顕微鏡 きょうしょうてん

けんびきょう 

光源側のピンホール,試料,検出側のピンホー
ルを共役位置に配置することで,高いコントラ
スト及び空間分解能で観察が可能な顕微鏡。 

confocal microscope 

8009 

局在表面プラ

ズモン共鳴,

LSPR 

きょくざいひょう

めんぷらずもん
きょうめい 

ナノメートルサイズの構造体で誘起される自由
電子の集団振動と入射光のエネルギーとが共鳴
した状態。 

localized surface 

plasmon resonance,  

LSPR 

8010 

近接場光 

きんせつばこう 

先端をせん(尖)鋭加工した光ファイバー開口
部,ナノ粒子などのような,光の波長より小さ
な屈折率の空間分布をもつナノ構造体周辺に局
在する光。 

near-field light 

8011 

近接場分光分

析法 

きんせつばぶんこ

うぶんせきほう 

近接場光又はエバネッセント光を用いて,表面
近傍又は微小領域の物質の定性・定量を行う方
法。 

near-field spectrometry 

8012 

蛍光顕微鏡 

けいこうけんびき

ょう 

励起光を照射し,試料から生じる蛍光によって
試料を観察する顕微鏡。 

fluorescence 

microscope 

8013 

蛍光退色回復

法, 

FRAP 

けいこうたいしょ

くかいふくほう 

蛍光色素で標識した試料の一部を集光レーザー
照射によって退色させ,退色部位における蛍光
強度の回復過程を観察する手法。 

fluorescence recovery 

after photobleaching, 

FRAP 

8014 

顕微蛍光法 

けんびけいこうほ

う 

顕微鏡視野で行う蛍光観察・分析方法。 

microscopic 

fluorometry 

8015 

原子間力顕微

鏡−赤外分
光法, 

AFM-IR 

げんしかんりょく

けんびきょう−
せきがいぶんこ
うほう 

試料にパルス赤外光を照射し,吸収に伴う熱膨
張を原子間力顕微鏡のカンチレバーによって検
出し,試料の局所的な赤外吸収スペクトルを得
る方法。 

atomic force 

microscope−
infrared 
spectrometry,  

AFM-IR 

background image

27 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

8016 

構造化照明顕

微鏡, 

SIM 

こうぞうかしょう

めいけんびきょ
う, 

しむ 

レーザーの集光スポットよりも小さな繰り返し
幅をもつレーザー干渉しま(縞)を励起光とし
て蛍光像を得ることで,高解像度なイメージン
グを達成する顕微鏡。 

structured illumination 

microscope,  

SIM 

8017 

全反射蛍光顕

微鏡 

ぜんはんしゃけい

こうけんびきょ
う 

照明に全反射を利用して,スライドガラス面近
傍の試料だけを選択的に観察する蛍光顕微鏡。 

total internal reflection 

fluorescence 
microscopy 

8018 

走査近接場光

学顕微鏡, 

NSOM, 
SNOM 

そうさきんせつば

こうがくけんび
きょう, 

えぬそむ, 
すのむ 

近接場光又はエバネッセント光を用いて,光の
回折限界より小さな空間分解能で物質を観察す
る光学顕微鏡の総称。 

near-field scanning 

optical microscope,  

scanning near-field 

optical microscope,  

NSOM,  
SNOM 

8019 

多光子励起顕

微鏡 

たこうしれいきけ

んびきょう 

光子密度の高いレーザー光を試料に照射した際
に,2個以上の光子を同時に吸収した物質から
発生する蛍光を観察する顕微鏡。 

multiphoton excitation 

microscope 

8020 

単一分子イメ

ージング, 

一分子イメー

ジング 

たんいつぶんしい

めーじんぐ, 

いちぶんしいめー

じんぐ 

単一分子から発生する蛍光を用いて行うイメー
ジング。 
注記 超解像顕微鏡の原理としても用いられ

る。 

single molecule 

imaging 

8021 

単一分子蛍光,
一分子蛍光 

たんいつぶんしけ

いこう, 

いちぶんしけいこ

う 

光を照射している中に存在する単一の蛍光分子
から発する蛍光。 

single molecule 

fluorescence 

8022 

チップ増強ラ

マン散乱, 

TERS 

ちっぷぞうきょう

らまんさんらん,

たーす 

先鋭な金属チップの先端に局在した近接場光に
よって,チップ先端近傍の分析種のラマン散乱
が著しく増強される現象。 

tip-enhanced Raman 

scattering,  

TERS 

8023 

チップ増強ラ

マン散乱分
光法 

ちっぷぞうきょう

らまんさんらん
ぶんこうほう 

先鋭な金属チップを探針として,局所領域の構
造とラマンスペクトルとを同時測定する方法。 

tip-enhanced Raman 

scattering 
spectroscopy 

8024 

超解像顕微鏡 ちょうかいぞうけ

んびきょう 

回折限界よりも小さな光学解像度でイメージン
グを行う顕微鏡の総称。 

super-resolution 

microscope 

8025 

点像分布関数 てんぞうぶんぷか

んすう 

1点から発光する物質を顕微鏡で観察したとき
の輝度の空間分布。 
注記 原理的にはガウス分布に従うことを利用

して,輝度重心を求めることができる。 

point spread function 

8026 

内視鏡 

ないしきょう 

ファイバースコープ,カプセル型デバイスなど
を用いて,ヒトの内部を可視化する(顕微)装
置。 

endoscope 

8027 

反射対物鏡 

はんしゃたいぶつ

きょう 

主鏡と副鏡との組み合わせによって,倍率及び
入射角を変え微小物に集光する光学系。 

grazing angle objective 

8028 

光音響顕微鏡 ひかりおんきょう

けんびきょう 

照射位置を試料面上で二次元的に走査すること
によって,光音響信号の平面像を得る顕微鏡。 

photoacoustic 

microscope 

8029 

光音響トモグ

ラフィー, 

PAT 

ひかりおんきょう

ともぐらふぃー 

光の照射位置を試料内部で三次元的に走査する
ことによって,光音響信号の断層像を得る画像
化法。 

photoacoustic 

tomography,  

PAT 

background image

28 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

8030 

光活性化局在

顕微鏡, 

PALM, 
確率論的光学

再構成顕微
鏡, 

STORM 

ひかりかっせいか

きょくざいけん
びきょう, 

ぱるむ, 
かくりつろんてき

こうがくさいこ
うせいけんびき
ょう, 

すとーむ 

孤立した発光点の輝度中心精度が数ナノメート
ルであること,及び光による発光物質の発光可
/不可の状態切替を利用した超解像顕微鏡。 

photoactivated 

localization 
microscope,  

PALM,  
stochastic optical 

reconstruction 
microscope,  

STORM 

8031 

光コヒーレン

ストモグラ
フィー, 

OCT 

ひかりこひーれん

すともぐらふぃ
ー 

生体組織などにレーザー光を照射し,その表面
及び内部から戻ってくる光をレーザー干渉計に
よって検出することで,生体内部組織の構造を
非破壊に画像化する顕微装置。 

optical coherence 

tomography,  

OCT 

8032 

非線形光学顕

微鏡 

ひせんけいこうが

くけんびきょう 

エネルギー密度の大きなレーザー光を光源とし
て用いて,試料からの非線形光学応答を観察す
る顕微鏡。 
注記 第二高調波を利用したものを第二高調波

発生顕微鏡,和周波を利用したものを和
周波発生顕微鏡という。 

nonlinear optical 

microscope 

8033 

表面プラズモ

ン共鳴, 

SPR 

ひょうめんぷらず

もんきょうめい 

光波が金属表面の自由電子とカップリングし
て,集団的な自由電子の振動を誘起している状
態。 

surface plasmon 

resonance,  

SPR 

8034 

表面プラズモ

ン共鳴顕微
鏡 

ひょうめんぷらず

もんきょうめい
けんびきょう 

主に金薄膜表面における表面プラズモン共鳴を
利用して,表面近傍の物質の定性・定量,及び
局所構造の観察を行う顕微鏡。 

surface plasmon 

resonance 
microscope 

8035 

表面プラズモ

ン共鳴増強
蛍光分光法 

ひょうめんぷらず

もんきょうめい
ぞうきょうけい
こうぶんこうほ
う 

表面プラズモン共鳴を利用して,金属表面近傍
に存在する蛍光物質からの蛍光を測定する方
法。 

surface plasmon 

field-enhanced 
fluorescence 
spectroscopy 

8036 

表面プラズモ

ン共鳴分光
法 

ひょうめんぷらず

もんきょうめい
ぶんこうほう 

主に金薄膜表面における表面プラズモン共鳴を
利用して,表面近傍の物質の定性・定量を行う
方法。 

surface plasmon 

resonance 
spectroscopy 

8037 

微分干渉顕微

鏡 

びぶんかんしょう

けんびきょう 

特殊なプリズムを用いて照明光を二つの光線に
分け,これらの光線の干渉を利用して,物体表
面の微細な傾斜をもつ部分及び物体内部の位相
差の変化を,明るさ又は色の差に変えて観察す
る顕微鏡。 

differential 

interference contrast 
microscope 

8038 

ファイバース

コープ 

ふぁいばーすこー

ぷ 

柔軟性のある光ファイバーを束ね,その一端に
レンズを,他端にアイピース・イメージング素
子などを付けた顕微鏡。 

fiber scope 

8039 

ブリュースタ

ー角顕微鏡,

BAM 

ぶりゅーすたーか

くけんびきょう 

表面・界面に対してブリュースター角で偏光し
た光を照射し,反射光強度の変化をイメージン
グすることで,表面・界面近傍に存在する物質
の局所構造を観察する顕微鏡。 

Brewster angle 

microscope,  

BAM 

8040 

プラズモニッ

ク結晶 

ぷらずもにっくけ

っしょう 

微細加工技術などによって作製した,周期的な
金属ナノ構造体。 
注記 表面プラズモンの閉じ込め,励起子との

結合などに利用される。 

plasmonic crystal 

background image

29 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

8041 

偏光顕微鏡 

へんこうけんびき

ょう 

偏光を利用して物質を調べるために,偏光子,
検光子などをもつ顕微鏡。 

polarized-light 

microscope 

8042 

飽和励起, 
SAX 

ほうわれいき, 
さっくす 

蛍光分子を励起する光強度を十分強くしていく
と,光強度上昇に比べて蛍光強度上昇が飽和す
る現象。 

saturated excitation,  
SAX 

8043 

飽和励起顕微

鏡, 

SAX顕微鏡 

ほうわれいきけん

びきょう, 

さっくすけんびき

ょう 

高強度光を集光して,光の強い中心部分だけで
飽和励起が起こる現象を利用した超解像顕微
鏡。 

saturated excitation 

microscope 

8044 

誘導放出制御

顕微鏡, 

STED顕微鏡 

ゆうどうほうしゅ

つせいぎょけん
びきょう, 

すてっどけんびき

ょう 

観察用の励起レーザー光及び誘導放出用の短パ
ルスレーザー光を試料に対してほぼ同時に照射
して,自然放出光だけを観察することで,高い
空間分解能での観察が可能な顕微鏡。 

stimulated emission 

depletion microscope 

8045 

ライトシート

顕微鏡, 

光シート顕微

鏡 

らいとしーとけん

びきょう, 

ひかりしーとけん

びきょう 

シリンドリカルレンズなどを用いて照明光をシ
ート状にして,観察用対物レンズの軸外から試
料の焦点面だけに照射することによって,光学
切片画像を得る顕微鏡。 

light sheet fluorescent 

microscope,  

light sheet fluorescence 

microscope 

8046 

レーザー走査

型顕微鏡, 

LSM 

れーざーそうさが

たけんびきょう 

共焦点光学系を利用してレーザー光をスポット
集光して,集光位置を走査することで,高い空
間分解能で定性・定量を行う顕微鏡。 

laser scanning 

microscope,  

LSM 

8047 

レイリーの解

像限界 

れいりーのかいぞ

うげんかい 

光学系において,二つの点像が2点として識別
可能な最短距離。 
注記 0.61 λ/NAで表される。 

λ:光の波長 

NA:レンズの開口数 

Rayleigh resolution 

limit 

3.9 

赤外吸収分光法・ラマン散乱分光法 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

9001 

外部反射法 

がいぶはんしゃほ

う 

非金属表面に平行偏光を入射し,その反射光を
測定することによって,非金属表面に存在する
分析種のスペクトルを測定する方法。 

external reflection 

spectroscopy 

9002 

共鳴ラマン散

乱 

きょうめいらまん

さんらん 

励起光のエネルギー近傍で物質の電子遷移状態
を誘起できる場合に,ラマン散乱光強度が著し
く増大される現象。 

resonant Raman 

scattering 

9003 

顕微赤外分光

法 

けんびせきがいぶ

んこうほう 

微小領域の赤外分光測定を行う方法。 

infrared 

microspectrometry 

9004 

顕微ラマン分

光法, 

顕微レーザー

ラマン分光
法 

けんびらまんぶん

こうほう, 

けんびれーざーら

まんぶんこうほ
う 

ラマン散乱分光において,励起光学系と散乱光
検出系とに顕微光学系を組み込み,微小部分の
スペクトル観測を行う方法。 

Raman microscopy,  
laser Raman 

microscopy 

9005 

コーンズの優

位性 

こーんずのゆうい

せい 

干渉分光法ではレーザー波長を基準にして干渉
図形(インターフェログラム)の計測をするた
め,スペクトルの波数精度が高いという利点。 

Conneʼs advantage 

9006 

錠剤法 

じょうざいほう 

測定波長範囲における光の吸収が少ない微粉状
の媒体中に,微粉化した試料を均一に混合し,
錠剤に成形する試料調製方法。 
注記 媒体としてKBrが広く用いられる。 

disk method,  
tablet method,  
pellet method 

background image

30 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

9007 

HgCdTe検出

器, 

MCT検出器 

すいぎんかどみう

むてるるけんし
ゅつき, 

えむしーてぃーけ

んしゅつき 

赤外波長領域の光に感度をもつ光伝導体
HgCdTeを用いる検出器。 
注記 FT-IRなどに利用される。 

HgCdTe detector,  
MCT detector 

9008 

赤外吸収スペ

クトル 

せきがいきゅうし

ゅうすぺくとる 

赤外波長領域で測定した吸収スペクトル。 

infrared absorption 

spectrum 

9009 

赤外分光光度

計 

せきがいぶんこう

こうどけい 

赤外波長領域における試料の吸収,反射特性を
測定する機器。 

infrared spectrometer 

9010 

赤外分光分析

法 

せきがいぶんこう

ぶんせきほう 

赤外吸収スペクトルを測定して定性・定量を行
う分析方法。 

infrared spectrometry 

9011 

ノッチフィル

ター 

のっちふぃるたー 

ラマン散乱分光測定において,散乱光から励起
光の波長成分を除去し,ラマン散乱光だけを測
定するために用いる,特定の波長範囲の光を急
しゅん(峻)に遮断できるフィルター。 

notch filter 

9012 

反射吸収法, 
高感度反射法,
RAS 

はんしゃきゅうし

ゅうほう, 

こうかんどはんし

ゃほう, 

らす 

金属表面に大きな入射角で平行偏光を入射し,
その反射光を測定することによって,金属表面
に存在する分析種のスペクトルを高感度で測定
する方法。 
注記 非金属表面での反射吸収法は外部反射法

として区別する。 

reflection absorption 

spectroscopy,  

RAS 

9013 

比較ガス(赤

外ガス分析
計の) 

ひかくがす 

赤外線吸収によって試料の濃度を測定する機器
において,対照として用いる赤外線を吸収しな
いガス。 

reference gas (of 

infrared gas 
analyzer) 

9014 

表面増強ラマ

ン散乱, 

SERS 

ひょうめんぞうき

ょうらまんさん
らん, 

さーす(さーず) 

金属表面に吸着した分子に対して観測される著
しく増強されたラマン散乱。 

surface enhanced 

Raman scattering,  

SERS 

9015 

フーリエ変換

赤外分光光
度計, 

FT-IR 

ふーりえへんかん

せきがいぶんこ
うこうどけい 

試料を透過又は反射した後に測定した干渉図形
(インターフェログラム)をフーリエ変換する
ことによって,赤外波長領域のスペクトルを得
る分光装置。 

Fourier transform 

infrared 
spectrometer,  

FT-IR 

9016 

フーリエ変換

赤外分析法,

FT-IR分析法 

ふーりえへんかん

せきがいぶんせ
きほう, 

えふてぃーあいあ

ーるぶんせきほ
う 

フーリエ変換赤外分光光度計を用いて,得られ
た赤外波長領域のスペクトルから,試料の分子
構造などを分析する方法。 

Fourier transform 

infrared 
spectrometry,  

FT-IR spectrometry 

9017 

フェルゲット

の利得 

ふぇるげっとのり

とく 

測定に時間をかけたときのSN比向上の程度が,
波長掃引による観測手法に比べて,干渉分光法
など全波長領域の信号を同時に観測する手法で
有利になること。 

Fellgetteʼs advantage 

9018 

ペースト法 

ぺーすとほう 

細かくすりつぶした固体試料を,流動パラフィ
ンなどに分散させる,分光測定のための試料調
製方法。 

paste method 

9019 

ラマン散乱 

らまんさんらん 

物質に光を照射したときに,照射光と振動数の
異なった散乱光とが生じる現象。 

Raman scattering 

background image

31 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

9020 

ラマン散乱分

光法, 

ラマン分光法 

らまんさんらんぶ

んこうほう, 

らまんぶんこうほ

う 

ラマン散乱光を分光測定する方法。 

Raman scattering 

spectroscopy,  

Raman spectroscopy 

3.10 X線分析法 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

10001 

アンジュレー

ター 

あんじゅれーたー 

周期的な磁場により電子を小さく蛇行運動させ
ることによって,光源サイズ及び角度発散の小
さい準単色光を得るための,シンクロトロンの
挿入光源。 

undulator 

10002 

一次フィルタ

ー(X線分
析法の) 

いちじふぃるたー 

励起X線のスペクトル分布を変えるために,励
起X線源と試料との間に入れるX線フィルタ
ー。 

primary beam filter 

(for X-ray analysis) 

10003 

イメージング

プレート, 

IP 

いめーじんぐぷれ

ーと 

輝尽性蛍光体の微結晶をフィルムに塗布した蓄
積型2次元分布計測媒体。 
注記 X線,電子線,紫外線などの検出に用い

られる。 

imaging plate,  
IP 

10004 

ウィグラー 

うぃぐらー 

周期的な磁場を用いて電子を大きく蛇行運動さ
せることによって,高エネルギーかつ高強度の
白色光を得るための,シンクロトロンの挿入光
源。 

wiggler 

10005 

エスケープピ

ーク 

えすけーぷぴーく 

入射X線のエネルギーよりも半導体検出器に固
有なエネルギー分だけ低く現れるピーク。 

escape peak 

10006 

X線回折法, 
X線回折, 
XRD 

えっくすせんかい

せつほう, 

えっくすせんかい

せつ 

X線が結晶格子で回折を示す現象を利用して,
物質の結晶構造を決定する方法。 

X-ray diffractometry,  
XRD 

10007 

X線管球 

えっくすせんかん

きゅう 

X線を発生させるための真空管。 
注記 熱電子二極管の一種で,封入式及び開放

式がある。 

X-ray tube 

10008 

X線吸収端近

傍構造, 

XANES 

えっくすせんきゅ

うしゅうたんき
んぼうこうぞう,

ぜーんず 

X線吸収スペクトルで,吸収端近傍の低エネル
ギー側約10 eVから高エネルギー側約30 eVに
わたる領域にみられる微細構造。 

X-ray absorption near 

edge structure,  

XANES 

10009 

X線吸収分光

法, 

XAS 

えっくすせんきゅ

うしゅうぶんこ
うほう 

物質にX線を照射したときの内殻電子の励起に
伴うX線吸収の変化を捉える分光法。 

X-ray absorption 

spectroscopy,  

XAS 

10010 

X線光電子分

光法, 

XPS 

えっくすせんこう

でんしぶんこう
ほう 

試料に単色X線を照射したときに放出される光
電子の運動エネルギー分布を測定することによ
って,試料中の内殻電子のエネルギー状態を観
測する分光法。 
注記 光電子ピークの化学シフトから元素の化

学結合状態に関する情報が得られる。 

X-ray photoemission 

spectroscopy,  

XPS 

10011 

X線CT 

えっくすせんしー

てぃー 

試料に多方向からX線を照射し,検出した透過
X線強度分布のデータを用いて計算することに
よって,試料内部のX線の透しやすさの分布を
三次元的に再構成する方法。 

X-ray computed 

tomography 

background image

32 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

10012 

X線自由電子

レーザー, 

XFEL 

えっくすせんじゆ

うでんしれーざ
ー 

アンジュレーターを利用した,ピーク輝度が高
くかつパルス幅が短いコヒーレントなX線光
源。 

X-ray free electron 

laser,  

XFEL 

10013 

X線発光分光

法, 

XES 

えっくすせんはっ

こうぶんこうほ
う 

電子線又はX線の照射によって,生成した物質
構成原子の内殻空孔の放射緩和過程で放出され
るX線のエネルギー分布を測定する方法。 

X-ray emission 

spectroscopy,  

XES 

10014 

X線反射率法 えっくすせんはん

しゃりつほう 

X線を試料表面に極浅い角度で入射させ,反射
X線の強度プロファイルを測定し,試料の膜
厚・密度を決定する方法。 

X-ray reflectometry 

10015 

X線フィルタ

ー 

えっくすせんふぃ

るたー 

材料の吸収端を利用して,必要とするエネルギ
ー領域のX線を取り出すための薄膜フィルタ
ー。 
注記 Kβフィルター,バランスドフィルターな

どがある。 

X-ray filter 

10016 

X線マイクロ

アナリシス,

XMA 

えっくすせんまい

くろあなりしす 

試料面に照射した電子ビームによって発生する
特性X線(固有X線)の分光測定から,微小領
域の組成を分析する方法。 

X-ray micro analysis,  
XMA 

10017 

エネルギー分

散方式(X 
線分析法の)

えねるぎーぶんさ

んほうしき 

X線のエネルギーを直接電気信号に変換して選
別し,分光する方式。 

energy dispersive 

method (for X-ray 
analysis) 

10018 

L系列X線 

えるけいれつえっ

くすせん 

原子に固有なX線のうち,原子に属する電子が
L殻にある空位の軌道へ遷移することによって
発生する一群のX線。 

L-series X-ray 

10019 

温度因子, 
デバイ-ワラ

ー因子 

おんどいんし, 
でばい-わらーい

んし 

結晶格子によるX線散乱の因子のうち,原子の
熱振動により生ずる格子不整によって,X線の
積分回折強度を減少させる因子。 

temperature factor,  
Debye-Waller factor 

10020 

数え落とし 

かぞえおとし 

高計数率のX線又はγ線の強度を測定する場合,
入射X線又はγ線の強度と測定された計数率と
の間の比例関係がなくなり,入射X線又はγ線

の強度よりも低く計数される現象。 

counting loss 

10021 

ガイガー-ミ

ュラー計数
管, 

GM計数管 

がいがー-みゅらー

けいすうかん, 

じーえむけいすう

かん 

気体を入れた筒の電極間に高電圧を印加し,通
過した放射線をパルス電流として検知する構造
をもつ放射線検出器。 

Geiger-Müller counter,  
GM counter 

10022 

吸収効果(X 

線分析法の)

きゅうしゅうこう

か 

試料内でX線が吸収されて回折X線又は蛍光X
線強度が減少する現象。 

absorption effect (in 

X-ray analysis) 

10023 

吸収端(X線

分析法の) 

きゅうしゅうたん 

物質にX線を照射したときの内殻電子の励起に
伴い,X線の吸収が大きく上昇し,X線吸収ス
ペクトルの形状が急しゅん(峻)に変化するX
線のエネルギー。 

absorption edge (in 

X-ray analysis) 

10024 

クラツキーU

スリット 

くらっきーゆーす

りっと 

小角散乱強度測定の光学系において,低角度側
の測定を可能にするためのスリット。 

Kratky U-slit 

10025 

K系列X線 

けいけいれつえっ

くすせん 

原子に固有なX線のうち,原子に属する電子が
K殻にある空位の軌道へ遷移することによって
発生する一群のX線。 

K-series X-ray 

10026 

蛍光X線 

けいこうえっくす

せん 

X線,γ 線などを物質に照射することによって

放出される二次X線のうち,物質構成原子固有
の内部エネルギーを反映するX線。 

fluorescent X-rays 

background image

33 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

10027 

蛍光X線分析

法, 

XRF 

けいこうえっくす

せんぶんせきほ
う 

試料にX線を照射したときに発生する蛍光X線
を測定し,物質の定性・定量を行う方法。 

X-ray fluorescence 

analysis,  

XRF 

10028 

蛍光収量法, 
FY(X線分析

法の) 

けいこうしゅうり

ょうほう 

X線の照射によって放射される蛍光X線の強度
から,物質による入射X線の吸収量を測定する
方法。 

fluorescence yield 

method,  

FY (in X-ray analysis) 

10029 

広域X線吸収

微細構造, 

EXAFS 

こういきえっくす

せんきゅうしゅ
うびさいこうぞ
う, 

えぐざふす 

X線吸収スペクトルで吸収端より高エネルギー
側約30 eVから1 keVにわたる領域に観測され
る,減衰する波状の振動構造。 

extended X-ray 

absorption fine 
structure,  

EXAFS 

10030 

光電子分光法 こうでんしぶんこ

うほう 

真空紫外光又は軟X線を試料に照射することに
よって得られる光電子を検出する分光法。 

photoelectron 

spectroscopy 

10031 

コンプトン散

乱 

こんぷとんさんら

ん 

X線及びγ線のような電磁波が物質中の電子に

衝突し,電磁波のエネルギーの一部を電子に与
えて,その波長が変化する散乱現象。 

Compton scattering 

10032 

ゴニオメータ

ー 

ごにおめーたー 

物質によるX線の回折,散乱角度を測定する機
器。 

goniometer 

10033 

最低励起電圧 さいていれいきで

んあつ 

各原子における特定の特性X線(固有X線)を
励起するために必要な,最低限度の励起電圧。 

lowest excitation 

voltage 

10034 

サムピーク

(X線分析
法の) 

さむぴーく 

二つ以上のX線が半導体検出器に入射した場合
に,分離できずにX線エネルギーの和に相当す
る位置に検出されるピーク。 

sum peaks (in X-ray 

analysis) 

10035 

質量吸収係数 しつりょうきゅう

しゅうけいすう 

X線の吸収する度合いを表す係数(吸収係数)
を,物質の密度で除した量。 

mass absorption 

coefficient 

10036 

集中法(X線

回折法の) 

しゅうちゅうほう 

X線源,試料の回折面及び検出器を集中円上で
走査することによって結晶構造情報を得る方
法。 

θ-2θ method,  
parafocusing method 

(in X-ray 
diffractmetry) 

10037 

小角X線散乱

法, 

小角X線散乱,
SAXS 

しょうかくえっく

すせんさんらん
ほう, 

しょうかくえっく 

すせんさんらん,

さっくす 

X線を物質に照射して散乱する X線のうち,散
乱角が小さい(通常は10度以下)ものを測定す
ることによって,物質の構造情報を得る方法。 
注記 数ナノメートルレベルの規則構造の分析

に用いる。 

small angle X-ray 

scattering,  

SAXS 

10038 

シリコン−リ

チウム半導
体検出器 

しりこん−りちう

むはんどうたい
けんしゅつき 

けい素中にリチウムをドープして作った絶縁層
を挟んでP-I-N接合した素子を用い,入射X線
又はγ線のエネルギーに比例した電流パルスを

出力する検出器。 

Si (Li) semiconductor 

detector 

10039 

シンクロトロ

ン放射, 

放射光, 
SR 

しんくろとろんほ

うしゃ, 

ほうしゃこう 

電子・陽電子加速器の一種であるシンクロトロ
ンからの連続光の放射。 
注記 テラヘルツ領域からX線領域に及ぶ広範

囲の連続光が得られる。 

synchrotron radiation,  
SR 

10040 

シンチレーシ

ョン検出器 

しんちれーしょん

けんしゅつき 

NaI (Tl) などのシンチレーターによってX線及
びγ線を可視・紫外領域の蛍光パルスに変換し,

これを光電子増倍管を用いて計測する検出器。 

scintillation detector 

10041 

線吸収係数 

せんきゅうしゅう

けいすう 

X線の吸収する度合いを表す係数(吸収係数)
を物質中のX線が通過する長さで除した量。 

linear absorption 

coefficient 

background image

34 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

10042 

全反射X線回

折法, 

TXRD 

ぜんはんしゃえっ

くすせんかいせ
つほう 

試料面にX線を全反射が起こる角度で照射する
ことによって,表面からの回折X線だけを検出
して,試料表面の結晶構造を解析する方法。 

total reflection X-ray 

diffractometry, 

TXRD 

10043 

全反射キャピ 

ラリー(X 
線分析法の)

ぜんはんしゃきゃ

ぴらりー 

キャピラリーの内壁面でX線を全反射させ,出
射端まで伝ぱ(播)する集光素子。 

total reflection 

capillary (for X-ray 
analysis) 

10044 

全反射蛍光X

線分析法 

ぜんはんしゃけい

こうえっくすせ
んぶんせきほう 

半導体,ガラス基板など平たん(坦)な表面上
にX線を全反射条件で照射し,発生する蛍光X
線を分析する方法。 
注記 基板からの散乱X線の影響を下げ,基板

表面の微量物質の評価に適する。 

total reflection X-ray 

fluorescence 
spectroscopy 

10045 

ソーラースリ

ット 

そーらーすりっと 

薄い金属板を等間隔に積み重ねて,入射X線及
び回折線の垂直方向の発散を制限するためのス
リット。 

soller slit 

10046 

挿入光源 

そうにゅうこうげ

ん 

シンクロトロンの光の輝度を更に高くしたり,
エネルギーを高くするために,偏向磁石の間の
直線部分に設置する光源。 
注記 アンジュレーターとウィグラーとの2種

類がある。 

insertion light source 

10047 

定計数法 

ていけいすうほう 

一定の計数値を設定して,計数がその設定値に
達するまでの時間を計測するX線強度の測定方
法。 

fixed count method 

10048 

定時法 

ていじほう 

一定時間を設定して,その時間内における計数
値を計測するX線強度の測定方法。 

fixed time method 

10049 

電子結合エネ

ルギー 

でんしけつごうえ

ねるぎー 

光電子の運動エネルギーから算出される,当該
電子の測定試料内における束縛の強さを表すエ
ネルギー。 
注記 光電子分光スペクトルのエネルギー軸に

用いる量。電子ボルト単位(eV)で表す。 

electron binding 

energy 

10050 

電子収量法, 
EY 

でんししゅうりょ

うほう 

X線の照射によって物質から放出される電子の
総量を計測し,X線の吸収測定を行う方法。 

electron yield method,  
EY 

10051 

電子線マイク

ロアナリシ
ス, 

EPMA 

でんしせんまいく

ろあなりしす 

試料面に照射した電子ビームによって発生する
特性X線(固有X線)を分光することによって,
微小領域の組成を分析する方法。 
注記 1990年頃まではX線マイクロアナリシス

(XMA)とも称していた。 

electron probe 

microanalysis,  

EPMA 

10052 

特性X線, 
固有X線 

とくせいえっくす

せん, 

こゆうえっくすせ

ん 

X線スペクトルのうち,原子の内殻エネルギー
に固有なX線。 

characteristic X-rays 

10053 

二次フィルタ

ー(X線分
析法の) 

にじふぃるたー 

X線分析において分析目的の元素以外に起因す
るX線を効果的に減衰させるために,試料と検
出器との間に入れるフィルター。 

secondary beam filter 

(for X-ray analysis) 

10054 

波長分散方式

(X線分析
法の) 

はちょうぶんさん

ほうしき 

X線を分光結晶,回折格子などの分光素子を用
いて分光する方式。 

wavelength dispersive 

method (for X-ray 
analysis) 

10055 

半導体検出

器, 

SSD(X線分

析の) 

はんどうたいけん

しゅつき 

半導体を利用してX線を電気的なパルス信号に
変換し,X線エネルギーと計数率(強度)とを
測定するための検出器。 

solid state detector,  
SSD (for X-ray 

analysis) 

background image

35 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

10056 

表面EXAFS 

ひょうめんえぐざ

ふす 

全反射法など表面に敏感な手法で測定された広
域X線吸収微細構造スペクトル。 

surface EXAFS 

10057 

比例計数管 

ひれいけいすうか

ん 

X線又はγ線による気体のイオン化作用を利用
した比例領域で作動するX線又はγ線の検出器。 

注記 光量子1個当たりのパルス電流が入射X

線のエネルギーに比例する。 

proportional counter 

10058 

微小角入射X

線回折法, 

GIXD 

びしょうかくにゅ

うしゃえっくす
せんかいせつほ
う 

X線を物質表面に全反射臨界角に近い角度で入
射し,その回折パターンから物質の表面近傍の
結晶構造などを得る方法。 

grazing incidence X-ray 

diffractometry,  

GIXD 

10059 

ファンダメン

タルパラメ
ーター法, 

FP法 

ふぁんだめんたる

ぱらめーたーほ
う, 

えふぴーほう 

X線の吸収・励起などのX線強度に影響を与え
る物理定数(ファンダメンタルパラメーター)
を用いて,蛍光X線スペクトルから物質の組成,
膜厚などを計算で求める方法。 

fundamental parameter 

method,  

FP method 

10060 

粉末X線回折

法, 

粉末X線回折 

ふんまつえっくす

せんかいせつほ
う, 

ふんまつえっくす

せんかいせつ 

粉末試料に対して行うX線回折法。 
注記 主に試料の同定に用いられる。 

powder X-ray 

diffractometry 

10061 

ブラッグの式 ぶらっぐのしき 

結晶によるX線の回折が起こるための条件を与
える式。 
注記 式は次による。 

2d sin θ=nλ 

ここに,d:格子面間隔 

   θ:ブラッグ角 
   λ:X線の波長 
   n:整数 

Braggʼs equation 

10062 

ブラッグ反射 ぶらっぐはんしゃ 

結晶の格子面に入射し,反射したX線がブラッ
グの式の条件を満たすとき,回折波(反射線)
として強め合う現象。 

Braggʼs reflection 

10063 

分光結晶 

ぶんこうけっしょ

う 

結晶によるX線の回折現象を利用して,X線の
波長分散を行うための素子。 

analyzing crystal 

10064 

平行ビーム法

(X線回折
法の) 

へいこうびーむほ

う 

極細スリット,平行ソーラースリット,放物面
ミラー,コリメーターなどで得られる平行なX
線源を用い,試料の回折面に対しそのX線入射
方向を保持して回折X線強度を測定する方法。 

parallel beam method 

(in X-ray 
diffractmetry) 

10065 

平面分光素子

(X線分析
法の) 

へいめんぶんこう

そし 

結晶のブラッグ反射を利用してX線を分光する
ために使用する,形状が平面の回折素子。 

plane dispersive 

element (for X-ray 
analysis) 

10066 

偏向電磁石 

(放射光の)

へんこうでんじし

ゃく 

高速で入射する電子ビームを,磁場をかけて曲
げることによって放射光を発生させ,かつ円形
加速器内に電子ビームを閉じ込めるはたらきを
もつ磁石。 

deflection 

electromagnet (for 
synchrotron 
radiation) 

10067 

マルチチャン

ネル波高分
析器, 

MCA 

まるちちゃんねる

はこうぶんせき
き 

多重波高分析器で,数千段階程度のエネルギー
帯にX線を分類し,エネルギー分布を表示する
機器。 

multi-channel pulse 

height analyzer,  

MCA 

10068 

モズレーの法

則 

もずれーのほうそ

く 

原子の特性X線(固有X線)の波長と原子番号
との関係を表す法則。 

Moseleyʼs law 

background image

36 

K 0212:2016  

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番号 

用語 

よみ 

定義 

対応英語(参考) 

10069 

ヨハンソン型

分光器 

よはんそんがたぶ

んこうき 

分光結晶を半径2Rで湾曲させた後,半径Rの
ローランド円に沿って結晶表面を削ることによ
って,収差のない集光ができるX線分光器。 

Johansson 

spectrometer 

10070 

リートベルト

法 

りーとべるとほう 

広い回折角範囲の粉末回折パターンを直接解析
し,格子定数,構造パラメーターなどを精密化
する方法。 

Rietveld method 

10071 

粒子線励起X

線分析法, 

PIXE 

りゅうしせんれい

きえっくすせん
ぶんせきほう, 

ぴくしー 

陽子,α粒子などの荷電粒子を加速して試料に
照射し,発生する特性X線(固有X線)を測定
して,元素分析する方法。 

particle induced X-ray 

emission,  

PIXE 

10072 

励起X線 

れいきえっくすせ

ん 

蛍光X線又は光電子を発生させるために試料に
照射するX線。 

excitation X-ray 

10073 

湾曲分光素子

(X線分析
法の) 

わんきょくぶんこ

うそし 

結晶のブラッグ反射を利用して,X線を分光す
ると同時に集束するための,湾曲した回折素子。 

concave dispersive 

element (for X-ray 
analysis) 

37 

K 0212:2016  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 

JIS B 7079 光学及びフォトニクス−スペクトル帯域 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0116 発光分光分析通則 

JIS K 0117 赤外分光分析方法通則 

JIS K 0119 蛍光X線分析通則 

JIS K 0120 蛍光光度分析通則 

JIS K 0121 原子吸光分析通則 

JIS K 0150 表面化学分析−亜鉛及び/又はアルミニウム基金属めっきのグロー放電発光分光分析方法 

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門) 

JIS K 0214 分析化学用語(クロマトグラフィー部門) 

JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門) 

JIS K 3600 バイオテクノロジー用語 

JIS Z 8117 遠赤外線用語 

JIS Z 8120 光学用語 

ISO 16962,Surface chemical analysis−Analysis of zinc- and/or aluminium-based metallic coatings by 

glow-discharge optical-emission spectrometry