K 0211:2013
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 用語の分類 ······················································································································ 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
3.1 表記方法 ······················································································································ 1
3.2 一般共通 ······················································································································ 2
3.3 サンプリング関連 ·········································································································· 7
3.4 分析方法 ······················································································································ 8
3.5 現象・特性 ·················································································································· 15
3.6 試薬 ··························································································································· 21
3.7 標準物質 ····················································································································· 23
3.8 器具類 ························································································································ 24
3.9 操作 ··························································································································· 29
3.10 測定の信頼性 ·············································································································· 33
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本
分析化学会(JSAC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で
ある。
これによって,JIS K 0211:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
K 0211:2013
分析化学用語(基礎部門)
Technical terms for analytical chemistry (General part)
序文
この規格は,1961年に制定され,その後6回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2005年に
行われたが,その後の関連規格の改正内容との整合化及び分析方法の分類方法に対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,分析化学に用いる用語のうち基礎的な用語及びその定義について規定する。
2
用語の分類
用語の分類及び番号は,次による。
a) 一般共通(1001〜1105)
b) サンプリング関連(2001〜2030)
c) 分析方法(3301〜3422)
d) 現象・特性
1) 反応(4101〜4112)
2) 現象(4201〜4247)
3) 特性(4301〜4360)
e) 試薬
1) 指示薬(5101〜5114)
2) 一般試薬(5201〜5233)
f)
標準物質(6001〜6024)
g) 器具類(7001〜7124)
h) 操作(8001〜8088)
i)
測定の信頼性(9001〜9083)
3
用語及び定義
3.1
表記方法
用語一覧表の表記方法は,次による。
a) 二つ以上の用語又は定義を並べた場合には,その欄の順位に従って優先的に用いる。
b) 用語の中で角括弧内の文字は,省いてもよい。
c) 用語は,特に断らない限りそれぞれ上記分類の範囲内で用いるものであるが,誤解するおそれのある
2
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用語については,用語の後の丸括弧内に使用分野を示す。
d) 誤読のおそれのある場合には,用語の後ろの括弧内に読みを示す。
e) 定義の欄に記載したJISは,他の規格を参照したものである。
f)
参考として対応英語又はその略語を示す。対応英語の欄で,セミコロン(;)を挟んで二つ以上併記し
てあるものは,それぞれ同義語である。
3.2
一般共通
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
イオン対
強酸又は強塩基化合物のイオンと,反対の電荷をもつイオンと
が反応してできる中性の分子。
ion pair
1002
移動度
電界のもとで荷電粒子が移動するとき,その移動速度を電界の
強さで除した値。
注記 易動度とはいわない(JIS K 0213参照)。
mobility
1003
受け容積
全量フラスコ,メスシリンダーなどの体積計に表示された体積
となるように目盛られた標線まで満たされた液の体積。
content volume
1004
SN比
a) 分析目的に由来する信号(応答値)Sと,それ以外の要因
に基づく信号(通常はノイズ)Nとの強度比。B(background)
を用いた場合はSB比という。
b) 測定の検出能力を表す尺度。繰返し測定においては次の式
で与えられるηによって表す。
2
E
2
S
σ
σ
η=
ここに,σS:試料間標準偏差
σE:測定誤差の標準偏差
signal-to-noise ratio;
SN ratio
1005
SB比
分析目的に由来する信号(応答値)Sと,バックグラウンドの
信号Bとの強度比。
signal-to-background
ratio;
SB ratio
1006
応答
入力信号に対する分析計の出力信号の対応。
response
1007
温水
40 ℃〜60 ℃の水(JIS K 0050参照)。
warm water
1008
回収率
試料中に存在する物質の量,又は加えられた物質の量(A)に
対する,試料から検出したその物質の量(B)との比(B/A)。
分率で表すこともある。
recovery
1009
化学種
(かがくしゅ)
物質を構成している元素又は化合物の集合体。
chemical species
1010
化学物質等安全
データシート,
MSDS
特定の化学物質又はそれを含有する物質の安全な使用のため
供給者から使用者に提供される1種類の化学物質などについ
ての安全,健康及び環境に関する情報。
safety data sheet for
chemical products;
(material) safety data
sheet;
MSDS
1011
加成性
多成分からなる物質の性状を表す数値が,各成分の数値の和と
して表せる性質。
additivity
1012
活量
ある成分の化学ポテンシャルに関連して与えられる一種の熱
力学的濃度(JIS K 0213参照)。
activity
1013
空試験
(からしけん)
一般に試料を用いないで,試料を用いたときと同様の操作をす
る試験。
blank test
1014
空試験値
空試験によって求めた値。
blank value
1015
感度
a) ある量の測定において,検出下限で表した分析方法又は機
器の性能。
b) 検量線(番号1024)の傾きで表した分析方法の性能。
sensitivity;
sensitiveness
1016
含有率
ある物質にある特定の成分が含まれている割合。
concentration
3
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1017
含量
ある物質にある特定の成分が含まれている量。
content
1018
グラム式量
化学式量をグラム単位を用いて表した量。
gram formular mass
1019
基質
酵素の作用によって化学的変化を受ける物質。
substrate
1020
検査
個々の物品又はロット(番号2030)に,良・不良又は合格・
不合格の判定を下す目的のため,それらの組成,性能,その他
必要事項について,ある規格又は判定基準と比較して調べる操
作。
inspection
1021
検出
特定の性質又は物質を見付け出す操作,機能又は能力。
detection
1022
検出下限,
検出限界
検出できる最小量(値)。
limit of detection (LOD);
detection limit;
limit of identification
1023
検定
(機器の)
国,地方公共団体又は国の管理指導の下にある指定検定機関
が,法律によって指定された機器の測定値について,公的な基
準誤差内にあることを試験し,確認する操作。
verification
1024
検量線
物質の特定の性質,量,濃度などとそれらの測定値との関係を
表した線。校正曲線ともいう。
calibration curve;
working curve
1025
抗原
抗原抗体反応又は免疫応答を誘発し得る物質の総称。
antigen
1026
高周波プラズマ
ラジオ波領域の高周波電力を誘導結合させて発生する誘導結
合プラズマ(ICP)及びマイクロ波領域の高周波電力によって
誘導されて発生するマイクロ波誘導プラズマ(MIP)の総称。
high frequency plasma
1027
校正
(計測器の)
標準物質の表示する数値とそれを測定した計測によって示さ
れる数値との関係を,特定の条件下において確立する一連の操
作。
注記 国際計量計測用語−基本及び一般概念並びに関連用語
(VIM)による。
calibration
1028
酵素
選択的な触媒作用をもつたんぱく質を主成分とする生体高分
子物質。
enzyme
1029
抗体
免疫反応において,抗原の刺激によって生体内に作られ,その
抗原と特異的に結合するたんぱく質の総称。
注記 単一の抗原決定基と反応する均一な抗体をモノクロー
ナル抗体といい,複数の抗原決定基と反応する抗体をポ
リクローナル抗体という。
antibody
1030
恒量
(こうりょう)
同一条件の下で,物質を加熱・放冷・ひょう量などの操作を繰
り返したとき,前後の質量の計量差が規定の値以下となった状
態。
constant weight
1031
固定化酵素
担体結合,架橋,包括などの方法によって,一定の空間に閉じ
込められた酵素。
immobilized enzyme
1032
コンジェナー
分子構造の類似したある化合物グループの総称。
注記 同族体より範囲が広く,例えば,PCBの塩素数同族体を
併せたものは,PCBコンジェナーという。
congener
1033
サロゲート
試料の前処理(番号1091)操作,分析操作の段階における収
率の補正,回収率の確認などのために添加される,分析種(番
号1084)と化学構造が同じ物質,又は類似した物質。サロゲ
ート物質ともいう。例えば,ポリクロロジベンゾフランの分析
における13C-ポリクロロジベンゾフランなどがある。
surrogate
1034
式量,
化学式量
化学式の中に含まれる各原子の原子量の総和。
化学式中の各元素について,各原子の原子量にそれぞれの元素
の原子数を乗じたものの和。
formula weight;
chemical formula weight
1035
試験
試料の性質,組成などを測定するために行う操作。
test
4
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1036
試験値
試験を行った結果得られる値。
test value;
test result
1037
視差
目盛の読取りに当たって,視線の方向によって生じる差。
parallax
1038
室温
(20±15)℃(JIS K 0050参照)。
room temperature
1039
質量校正
質量分析(mass spectrometry)において,その質量電荷比(m/z)
目盛を標準となる物質によって校正する操作。
注記 質量校正用標準物質の例は,JIS K 0311を参照。
mass calibration
1040
質量濃度
質量を混合物の体積で除したもの(JIS K 0050参照)。
mass concentration
1041
質量分率
質量単位を用いて表したある成分の全体に対する比率。質量分
率 0.123,質量分率12.3 % などと表す。
mass fraction
1042
質量モル濃度
溶媒1 kg中に含まれる溶質要素粒子(番号1101)の物質量。
溶質の要素粒子を明記する。
molality
1043
収率
理論上の収量に対する実際の収量の割合。
yield
1044
収量
化学操作の結果得られた分析種(番号1084)の量。
yield
1045
純度
特定成分が物質中に占める割合。
含有率が高い場合に用いられることが多い。
purity
1046
常圧
86 kPa〜106 kPa。
normal pressure
1047
常温
(20±5)℃(JIS K 0050参照)。
ordinary temperature
1048
常湿
相対湿度(65±20)%(JIS K 0050参照)。
ordinary humidity
1049
スペクトル
光を単色成分に分解して波長の大きさに並べたもの,又は一つ
の放射源から発生する電磁波の放射をプリズム,回折格子など
の分散体によって分散したもの(JIS K 0212参照)。
spectrum
1050
制限酵素
2本鎖DNAの特定の塩基配列を認識して,DNA鎖を切断する
機能をもつ酵素。
restriction enzyme
1051
相対感度
単位濃度当たりの被検物質と基準物質との検出感度の比。
relative sensitivity
1052
測定
機器を用いてある性質又は量を,主として数値によって表す操
作。
measurement
1053
測定値
測定によって得られた値。
measured value
1054
測定範囲
(分析計の)
分析計によって得られた値の誤差が指定された限界内に収ま
る測定量の範囲。
measuring range;
working range
1055
測定量
測定の対象となる属性。例えば,L,kgなどによって表される
量。
注記 測定量は,場合によって測定した量(measured quantity)
又は測定する量(quantity to be measured)のこともある
(JIS Z 8103による。)。
measurand
1056
体積分率
体積単位によって表したある成分の全体に対する比率。体積分
率0.123,体積分率12.3 %などと表す。
volume fraction
1057
出し容積
ビュレット,全量ピペットなどの体積計の表示された標線目盛
まで満たされた液が,排出されたときの体積。
delivery volume
1058
直線範囲
入力信号と出力信号との間に,直線関係が得られる範囲。
linear range
1059
定性
物質に含まれる成分の種類を明らかにするために行う操作。
qualification;
qualitative
1060
定性分析
物質に含まれる成分の種類を明らかにするために行う化学分
析。
qualitative analysis
1061
定量
物質の成分の量的関係を明らかにする操作。
determination;
quantitation
5
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1062
定量下限
ある分析方法によって分析種(番号1084)の定量が可能な最
小量又は最小濃度。
minimum limit of
determination;
minimum limit of
quantitation;
quntitation limit;
limit of quantitation;
LOQ
1063
定量上限
ある分析方法によって分析種の定量が可能な最大量又は最大
濃度。
maximum limit of
determination;
maximum limit of
quantitation
1064
定量範囲
ある分析方法における分析種の定量が可能な最大量又は最大
濃度(定量上限)から定量下限(定量限界)までの分析種の量,
又は濃度の範囲。
dynamic range
1065
定量分析
物質の成分の量的関係を明らかにするために行う化学分析。
quantitative analysis
1066
適用範囲
(分析方法の)
分析方法の規定事項が当てはまる範囲。
scope
1067
同位体,
アイソトープ
原子番号が同一の元素で互いに質量数の異なる一連の原子
(JIS K 0215参照)。
isotope
1068
同定
未知物質と既知物質との物性値を比較することによって,それ
が既知物質と同一であるということを確認する操作。
identification
1069
毒性等[当]価係
数
ある毒性成分のグループにおいて,同じ方法によって評価され
たある成分の毒性の強さと,基準とされる成分のそれとの比。
toxicity equivalency
factor;
TEF
1070
毒性等[当]量
含量と毒性等[当]価係数との積。
toxicity equivalency
quantity;
TEQ
1071
熱水
60 ℃を超える水(JIS K 0050参照)。
hot water
1072
濃度
溶液,固溶体,混合気体,分散系などにおける分析種の含有率
を表す数値。各種の表し方がある。
concentration
1073
比表面積
粒子群又は粉体の単位質量当たりの表面積。単位はm2/kgで表
す。粒子が小さくなるとこの値が大きくなる。粒子の表面には,
微細な凸凹があるので,顕微鏡観察では求めにくく,実験的に
窒素蒸気の吸着データから求める。
specific surface area
1074
標準温度
(体積計の)
体積計の容積を示すときに標準とする温度。
注記 計量法では20 ℃。
normal temperature;
standard temperature
1075
標準湿度
相対湿度65 %(JIS K 0050参照)。
normal humidity
1076
標準状態
(気体の)
大気圧101.325 kPa,気温0 ℃の下に保持された状態。NTP
(Normal Temperature and Pressure)と略記される。
normal state
1077
不純物
ある物質の中に含まれている主物質に比べて微量又はかなり
低い濃度で存在している物質。
impurity
1078
物質量
物質を構成する要素として明示された要素粒子(番号1101)の
数に比例する物理量の一つ。記号はmol。その比例定数は全て
の物質について等しく,アボガドロ定数と呼ばれる。
注記 SI基本単位の一つである。
amount of substance
1079
物質量濃度,
モル濃度
溶液1 L中に含まれる溶質の物質量。要素粒子(番号1101)を
明記する。
molarity
1080
物質量分率,
モル分率
ある成分の物質量を全成分の物質量の総和によって除した値。
多成分系における各成分の濃度の表示方法の一つ。全成分の物
質量分率の和は1となる。
mole fraction
6
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1081
物性値
物質がもっている性質を,ある尺度で表した値。
密度,屈折率,融点,凝固点,沸点などの物理化学的な性質を
示す値。
physical characteristic(s)
1082
分解
分離,定性,定量などの操作を行う前に,試料の化学的操作を
施して,試料を処理しやすい形の構成成分の混合物に変える処
理。
注記 試料中の有機物の分解の場合には,構成成分である有機
物が揮散,消滅するので,分解又は破壊(destruction)
が用いられる。
decomposition
1083
分析
物質又は現象を成分,要素に分解し,定量,確認する操作。
analysis
1084
分析種,
分析対象成分
分析試料又は試料溶液中の被検成分。
analyte
1085
分析値
化学分析の結果として得られた値。
analytical value
1086
放射線
X線,γ線のような電磁波及びα線,β線,中性子線などの粒
子線の総称。
radiation
1087
放射能
原子核が放射性壊変をする性質又は現象。
radioactivity
1088
補償法
ある物理量を測定するとき,その量を示す性質の値を,それと
ほぼ等しい既知量を引いた差を測定する方法。
compensating method
1089
補正
より真に近い値を得るため,分析の測定値又は計算値にある値
を加減乗除する処理。
correction
1090
マイクロチップ
化学
微細加工された基板上の微小空間において化学反応,細胞培
養,測定などを行う化学。
microchip chemistry
1091
前処理
分析又は測定する前に,試料をあらかじめ分析目的に適した状
態になるように行う試料の処理。
pretreatment
1092
マトリックス
試料中の分析種(番号1084)以外の主要共存成分。
matrix
1093
無機[化学]分析 無機物質を対象として取り扱う化学分析。
inorganic [chemical]
analysis
1094
モル
物質量の単位。記号はmol。0.012 kgの炭素12の中に含まれる
炭素原子と同数の要素粒子(番号1101)を含む系の物質量を1
モルとする。モルの単位を用いるときには,要素粒子を明示す
る。
mole
1095
有機[化学]分析 有機物を対象として取り扱う化学分析。
organic [chemical]
analysis
1096
融成物
融解したときにできる物質。
melt
1097
誘導結合プラズ
マ,
ICP
工業用周波数の高周波を用いて,コイルによる電磁誘導によっ
て発生する磁場で,気体を電離させて得られる高温のプラズマ
(未解離の分子,中性原子,イオン,電子などの集合体)。
inductively coupled
plasma;
radio-frequency
inductively coupled
plasma
1098
溶液
2種類以上の物質から成る均一の液相。
solution
1099
溶解
液体中に他の物質が溶け込んで均一な相になる現象。
dissolution
1100
溶質
溶液における溶媒以外の化学種(番号1009)。
solute
1101
要素粒子
原子,分子,それらのイオン,ラジカル,電子,光子などの粒
子,又はこれらの特定のグループ。
elementary entities
1102
溶媒
溶液において物質を溶解させるために用いる液体。
solvent
1103
冷所
1 ℃〜15 ℃の場所(JIS K 0050参照)。
cool place
1104
冷却水
冷却用に用いる水。
cooling water
1105
冷水
15 ℃以下の水(JIS K 0050参照)。
cool water
7
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3.3
サンプリング関連
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2001
異物
通常は,試料中に含まれていない物質,又は試料とは全く異な
る試料中に含まれている混合物。
foreign matter
2002
インクリメント
コンサインメント(番号2006)又はロット(番号2030)から,
試料採取器によって一度に一動作によって採取される試料の
量。
increment
2003
大口試料
コンサインメント又はロットから採取した多数のインクリメ
ントを集めた試料,又は小口試料の全部を集めた試料。
gross sample
2004
系統サンプリン
グ
ロット又はコンサインメント(番号2006)から,量的,時間
的又は空間的に一定間隔でインクリメントを採取する操作。
systematic sampling
2005
小口試料
数個のインクリメントを集めた試料。
−
2006
コンサインメン
ト
一時に受け渡される特定の物品の集まり。
注記 これは1個又は数個のロットから成り立っていることも
あり,また,ロットの一部分のこともある。
consignment
2007
コンポジット試
料
母集団が幾つかのロットから成り立っているとき,それぞれの
ロットから得られた試験室試料を,ロットの量に比例するよう
に混合して得られた測定用試料。
composite sample
2008
試験室試料
試料調整後,試験室へ送付された試料。
laboratory sample
2009
縮分
一つの試料を,化学的及び物理的特性が同じである幾つかの試
料に分ける操作。
sample division
2010
試料
母集団からその特性を調べる目的をもった,試験,検査,化学
分析に供される物質。
sample
2011
試料採取,
サンプリング
母集団から分析・試験を目的とした試料を取る操作。
sampling
2012
試料採取単位,
サンプリング単
位
試料として採取する際のあらかじめ決められた量。
注記 粉塊混合物などの場合には,インクリメント(番号2002)
又は単位試料ともいう。
sampling unit;
sample unit
2013
試料調製
a) 大口試料から試験室試料を得るために必要な一切の操作。
例えば,粉砕,混合,縮分などの操作を含む。
b) 試料における化学的な前処理(番号1091)操作。
c) 試料から測定対象部分を選択する操作。
sample preparation
2014
試料溶液
a) 試料を溶液にしたもの。
b) 分析用に採取した溶液。
sample solution
2015
層別サンプリン
グ,
層別ランダムサ
ンプリング
ロット又はコンサインメント(番号2006)を幾つかの副ロッ
ト(層)に分けて,各副ロットからランダムにインクリメント
を採取する操作。
stratified sampling
2016
測定試料
測定用試料又は試験室試料からとり分けた,一回の測定のため
に用いられる試料。分析試料ともいう。
test portion
2017
測定用試料
測定を行うために,試験室試料について何らかの予備処理を行
った試料。分析用試料ともいう。
test sample
2018
二段サンプリン
グ
ロットを幾つかの部分(一次サンプリング単位)に分け,まず,
第一段としてその中の幾つかの部分をランダムに選び,次に,
第二段として選んだ部分の中から各々幾つかのインクリメン
ト(二次サンプリング単位)をランダムに採取する操作。
注記 二段以上に何段にもわたってサンプリングすることを
多段サンプリングという。
two-stage sampling
2019
副ロット
必要に応じてロットを適当な量に分けた小集団。
sublot;
subbatch
8
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2020
ふるい分け
1個以上のふるいを用いて,粒子状試料を二つ以上の粒子群に
分離する操作。
sieving
2021
分画
試料をある性質に基づいて二つ以上の部分に分離したときの
個々の部分。画分ともいう。
fraction
2022
分析試料
分析用試料又は試験室試料からとり分けた,一回の分析のため
に用いられる試料。測定試料ともいう。
analytical portion
2023
分析用試料
分析を行うために,試験室試料について何らかの予備処理を行
った試料。測定用試料ともいう。
analytical sample
2024
偏析
試料内において部分的にその性質又は組成が異なっているこ
と,又はその状態。
segregation
2025
保存処理
(試料の)
分析のための試料を採取したとき,試料が輸送,保存などの間
に分析に適さない状態になるのを防ぐために行う処理操作。
−
2026
母集団
調査の対象となる特性をもつ全てのものの集団。
population
2027
予備処理
(試料の)
試験室試料から測定用試料を得るために測定前に行う操作。例
えば,粉塊混合物の場合,試験室試料の一部を更に微粉砕,乾
燥,雰囲気に平衡させるなどの操作をいう。
pretreatment
2028
ランダムサンプ
リング
ロットを構成する単位体から,いずれも同じ確率によって試料
中に入るように,例えば,乱数表を用いてインクリメント(番
号2002)を採取する操作。
random sampling
2029
粒径
数値によって表した粒子の大きさ。
grain size;
particle size
2030
ロット
母集団の中において性質が等しいとみなされる部分。
lot;
batch
3.4
分析方法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3301
アクチバブルト
レーサ法
物質の挙動を調べるため,物質にはあまり存在しないで,物質
とほぼ類似する挙動をし,かつ,放射化しやすい非放射性の元
素又は化合物をトレーサーとして物質に添加し,その後,回収,
放射化分析を行い,元素分析する方法。
activable tracer method
3302
イオンクロマト
グラフィー,
IC
電解質溶液中のイオン種成分の分離分析法。溶離液を移動相と
して,イオン交換体などを固定相とした分離カラム内で試料溶
液中のイオン種成分を展開溶離させ,電気伝導度検出器,電気
化学検出器,分光光度検出器又は蛍光検出器で測定する分析方
法。
ion chromatography;
IC
3303
インライン分析
化学プラントなどの測定対象設備又は流路の試料中にプロセ
ス分析計を直接設置し,分析・記録・伝送などを行う連続分析。
in-line analysis
3304
液体クロマトグ
ラフィー,
LC
移動相として液体を用いるクロマトグラフィー。
liquid chromatography;
LC
3305
X線マイクロア
ナリシス,
XMA
試料面に照射した電子ビームによって発生する特性X線分光
によって,微小領域の組成を分析する方法。
X-ray micro analysis;
XMA
3306
温度滴定法
温度の変化を追跡して終点(番号4327)を検知する滴定方法。 thermometric titration
3307
オンライン分析
化学プラントなどの測定対象設備や流路から分析試料の一部
を採取して分析装置に送り込み,分析・記録・伝送などを行う
連続分析。
on-line analysis
9
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3308
カールフィッシ
ャー滴定法
カールフィッシャー試薬(よう素,二酸化硫黄及び塩基をメタ
ノールなどに溶かしたもの。)を用いて水分を定量する滴定方
法。
Karl Fischer titration
method
3309
開管試験法
両端の開いたほうけい酸ガラス管に試料(固体)を入れて加熱
し,試料が酸化によって変化するときの状態を観察して成分を
知る試験方法。
−
3310
回収試験
回収の度合いをはかる試験方法。
recovery test
3311
化学発光法
化学反応で放出されたエネルギーによって励起された化学種
(番号1009)が,低いエネルギー準位に遷移するとき放出す
る二次光を利用する分析方法。
chemiluminescence
method
3312
化学分析
物質の化学種(番号1009)を明らかにするための,又はそれ
を定量するための操作及び技術。
注記 化学種を認知するもので,化学的方法,物理的方法など
を問わない。
chemical analysis
3313
核磁気共鳴分光
分析法,
NMR
核磁気共鳴現象を利用して分子の化学組成及び隣接する原子
間の距離の解析などを行う分析方法。
nuclear magnetic
resonance
spectroscopy;
NMR
3314
乾式分析法
乾式反応を利用する化学分析。溶液試薬を一切用いないか,用
いるにしても補助的又は二次的な目的にしか用いない。
dry analysis
3315
間接滴定法
分析種(番号1084)を直接的に“滴定”しないで,間接的に
“滴定”する方法。
indirect titration
3316
官能基分析
官能基を対象として行う分析。
functional group analysis
3317
官能評価分析
官能特性を人の感覚器官によって調べる行為の総称。
sensory analysis
3318
ガスクロマトグ
ラフィー,
GC
移動相として気体を用いるクロマトグラフィー。
gas chromatography;
GC
3319
ガス重量分析法
試料を直接加熱するか又は試料に試薬を反応させ,試料中の分
析種を気体として分離し,分離した気体を吸収剤に吸収させ
て,その質量の増加をはかり,定量する方法。
−
3320
ガス分析
気体物質を対象として取り扱う化学分析。
gas analysis
3321
機器分析
機器を用いる化学分析。
instrumental analysis
3322
機器放射化分析
法
放射化分析法のうち,放射化した試料に化学操作を加えないで
直接γ線スペクトロメトリーを適用して分析する方法。
instrumental activation
analysis
3323
器差試験
機器の構造に関わる技術上の基準に適合するかどうかを求め
る試験。
instrumental error test
3324
基準分析法,
一次標準測定法
対象とする特性値が測定の基本単位によって直接的に測定さ
れるか,物理的又は化学的理論によって標準物質を用いないで
間接的に関連付けられる分析方法。国際度量衡委員会の質量諮
問委員会では,一次標準測定法という。
なお,基準分析法には,同位体希釈分析法(番号3384),電量
分析法,重量法,滴定法及び凝固点降下法がある。
definitive method;
primary method
3325
キャラクタリゼ
ーション
試料に含まれる化学種(番号1009)の濃度,分布状態を知る
ための分析を行って,試料の特性を明らかにする作業。
characterization
3326
吸光光度分析法
波長約200 nm〜2 500 nmの特定の波長における光の吸収を測
定して定性・定量を行う方法。
molecular absorption
spectrometrry
3327
局所分析
試料の微視的部分の組成を求め,試料内の成分濃度の分布又は
存在状態を知るために行う化学分析。
local analysis
3328
キレート滴定法
キレート生成反応を利用する滴定方法。
chelatometric titration
10
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3329
逆滴定法
試料溶液に過剰量の標準液(番号6018)を一定量加え,反応
せずに残った標準液の量を他の種類の標準液を用いて滴定し,
分析種(番号1084)の量を求める滴定方法。
back titration
3330
凝固点降下法
純粋な物質に試料を加えたときの凝固点が試料の物質量濃度
に比例して降下する現象を利用して,試料の分子量などを測定
する方法。
注記 基準分析法(一次標準測定法)の一つで,物質の純度測
定法としても重要である。
cryoscopic method;
depression of freezing
point method
3331
クロマトグラフ
ィー
複数の分析種が移動相及び固定相の2相間でそれぞれ分布す
る度合いに違いがある場合,一方の相(移動相)を移動させて
これらの成分を分離する方法。
注記 固定相に相当する相を移動相に向流に移動させる方式
もある。
chromatography
3332
蛍光X線分析法
蛍光X線を測定し,物質の定性・定量を行う方法。エネルギー
分散方式,波長分散方式などがある。
X- ray fluorescent
analysis;
XRF
3333
蛍光分光分析法
蛍光スペクトル又は励起スペクトルを測定し,物質の定性・定
量を行う方法。
fluorescence
spectrometry
3334
ケモメトリック
ス
数学的手法又は統計的手法を適用して,最適実験計画の立案・
選択を行い,化学的データから得られる化学情報量を最大化す
ることを目的とした化学の一分野。
chemometrics
3335
ケルダール法
窒素定量方法の一つ。試料に濃硫酸,硫酸カリウム及び分解促
進剤を加えて加熱分解し,試料中の窒素を硫酸アンモニウムに
変換し,これに強アルカリを加え蒸留し,遊離したアンモニア
を捕集した後,定量する分析方法。
Kjeldahl method
3336
ゲルベル法
乳類の脂質定量方法の一つ。ゲルベル乳脂計を用いて,試料乳
に濃硫酸を添加してたんぱく質を溶解した後,加熱し,乳脂計
の目盛管に移し,遠心分離器を用いて脂肪を分離させ,これを
目視によって計測して,脂質を定量する分析方法。
Gerber method
3337
原子吸光[分光]
分析法
試料中に含まれる分析対象元素を,フレーム(炎),電気加熱,
又は化学反応によって原子化し,その原子蒸気層の吸光度(番
号4313)を測定することによって分析対象元素の濃度を求め
る方法。
atomic absorption
spectrometry
3338
原子スペクトル
分析法
原子スペクトルを測定して元素の定性・定量を行う方法。
analytical atomic
spectrometry
3339
元素分析
試料物質が含有成分元素の検出又は定量を目的とした分析。
elemental analysis
3340
高速液体クロマ
トグラフィー,
HPLC
液体の移動相をポンプなどによって加圧してカラムを通過さ
せ,試料成分を固定相と移動相との相互作用(吸着,分配,イ
オン交換,サイズ排除など)の差を利用して高性能に分離して
検出する方法。
high performance liquid
chromatography;
HPLC
3341
酵素免疫測定法,
ELISA
特定の物質に反応する抗体の特性と標識した酵素とを組み合
わせることによって,分析種の濃度を測定する方法。
enzyme-linked
immunosorbent assay;
ELISA
3342
公定分析法
国又は公共的組織などによって定められた化学分析・試験方
法。
official method of
analysis
3343
光度滴定法
試料溶液の吸光度(番号4313)の変化を追跡して終点を検知
する滴定方法。通常,指示薬を加え,その吸光度変化を測定す
る。
photometric titration
11
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3344
コロイド滴定法
水溶液中で正又は負の電荷をもつコロイドに反対電荷をもつ
コロイドを加え,このとき生じる電荷の中和反応の化学量論的
な関係を利用する滴定方法。
colloidal titration
3345
錯滴定法
錯体の生成・分解反応を利用する滴定方法。
compleximetry;
complexometric titration
3346
差数法
試料中の分析種(番号1084)以外の成分の含有率を求め,100
から差し引いた値をもって分析種の含有率を表す方法。差引き
法ともいう。
by-difference method
3347
酸塩基滴定法
酸塩基反応を利用する滴定方法。
acid-base titration
3348
酸化還元滴定法
酸化還元反応を利用する滴定方法。
oxidation-reduction
titration;
redox titration
3349
参照分析法
基準分析法に基づいて値付けされた特性値をもつ標準物質を
使う分析法,又は基準分析法よりも精確さは劣るがより容易に
値付けのできる分析方法。
reference method of
analysis
3350
試金
(しきん)
灰吹法によって鉱物又は合金中の貴金属を定量する方法。
fire assay
3351
湿式分析法
溶液中の反応によって行う化学分析方法。
wet analysis
3352
質量分析,
MS
イオンを一定速度に加速して,電場及び磁場,又は4個の電極
から構成した四重極場に導き,飛跡を曲げることによって質量
スペクトルを求め,存在イオン種の定性及び定量を行う分析方
法。
mass spectrometric
analysis;
mass spectrometry;
MS
3353
主成分分析
a) 主成分だけについて行う化学分析。
b) 統計的手法において,ある現象を成立させている要因間に
相関関係があるとき,相関の高い指標群を総合して主成分
を定める分析。
major constituent
analysis;
principal component
analysis
3354
自動分析法
試料の特性の測定を自動的に行う方法。
注記 測定のための前処理(番号1091)及び濃度計算を自動的
に行うこともある。通常,試験室試料の採取・調製は含
まない。項目は多項目又は可変のことが多い。
automated analysis
3355
重量分析
定量しようとする成分を一定の組成の純物質として分離し,そ
の質量又は残分の質量から分析種(番号1084)の量を求める
定量分析。
gravimetric analysis
3356
状態分析
試料の含有元素組成以外の化学情報(例えば,化合物の形態,
分布,結晶系など)を,得るための分析。
analysis of state
3357
蒸留試験
蒸留を行って,物質の純度又は組成を調べる試験。
distillation test
3358
常量分析
0.1 g〜数gぐらいの試料を用いて行う化学分析。
macro analysis
3359
スペシエーショ
ン,
化学種別分析
分析種(番号1084)が異なる複数の化学形態をとって試料中
に存在している場合,それぞれの種別に定量する分析。
speciation
3360
生[物]化学分析 生物化学に関連した化学分析。
biochemical analysis
3361
赤外分光分析法
赤外吸収スペクトルを測定して定性・定量を行う分析方法。
infrared spectrometry
3362
セミミクロ分析
10 mg〜100 mgぐらいの試料を用いて行う化学分析。
semimicro analysis
3363
全分析
試料の全成分を定量する化学分析。有機元素分析及び与えられ
た表に記載された成分に限定して行う臨床化学分析などは,全
分析とはいわない。
total analysis
3364
濁度滴定法
終点(番号4327)の検知に濁りを利用する滴定方法。
turbidimetric titration
12
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3365
置換滴定法
置換反応を利用する滴定方法。キレート滴定においては,金属
イオンMに対してキレート化合物M' Yを加え,置換反応によ
って生じるM'をYの標準液(番号6018)を用いて滴定する。
displacement titration
3366
中和滴定法
酸とアルカリとの中和反応による滴定方法。
注記 酸を用いた滴定は酸滴定(acidimetry),アルカリを用い
た滴定はアルカリ滴定(alkalimetry)という。
neutralization titration
3367
超微量成分分析
ピコグラム(pg)レベル以下の絶対量の成分を対象とする化学
分析。試料量の大きさは問わない。
ultratrace analysis
3368
超微量分析
約1 mg以下の試料を用いて行う化学分析。
ultramicro analysis
3369
沈殿重量分析法
試料溶液中の分析種(番号1084)を沈殿として分離し,その
沈殿の質量をはかって定量する方法。
precipitation gravimetric
analysis
3370
沈殿滴定法
沈殿の生成又は消滅を利用する滴定方法。
precipitation titration
3371
滴定法
試料溶液に含まれている分析種に対し,これと反応する試薬
(滴定剤という。)として,濃度既知の標準液(番号6018)を
用いるか又は滴定剤を電気化学的に発生させて,化学量論的な
反応終点(番号4327)までに要した標準液の量又は電気量か
ら分析種を定量する方法。
titrimetry
3372
点滴分析
主として滴板上において1滴ぐらいの試料溶液によって行う
化学分析。
spot analysis
3373
デュマ法
(窒素分析の)
有機化合物中の窒素定量方法の一つ。試料を酸化物などと混合
して燃焼させ,発生した窒素酸化物を還元銅によって還元し,
得られた窒素ガスを定量する方法。
Dumas' method
3374
電位差滴定法
当量点近傍での電位差変化,又は当量点での電位差値から終点
(番号4327)を決定する滴定方法。
potentiometric titration
3375
電解重量分析法
試料溶液中の分析種を電解によって電極上に析出分離し,その
質量をはかって定量する方法。
electrogravimetric
analysis;
electrogravimetry;
electrolytic gravimetry
3376
電気化学分析
物質の電気化学的性質を直接的又は間接的に利用して行う分
析方法。
electrochemical analysis
3377
電気伝導率測定
法,
コンダクトメト
リー
少なくとも一対の電極を含むセルを用い,約100 kHz以下の交
流電圧を印加し,溶液の電気伝導率を測定する分析方法。
electrical conductivity
mesurering method;
conductometry
3378
電子スピン共鳴
分光法,
ESR
電子スピン共鳴現象を利用して得られたスペクトルから物質
の電子の構造解析などを行う分析方法。
electron spinresonance
spectroscopy,
ESR
3379
電子線マイクロ
アナリシス,
EPMA
試料面に照射した電子ビームによって発生する特性X線分光
によって,微小領域の組成を分析する方法。
注記 1990年頃まではX線マイクロアナリシス(XMA)とも
称していた。
electron probe
microanalysis;
EPMA
3380
電磁気分析
X線,電子線,イオンビーム,電場,磁場などの電磁気的性質
を分析種(番号1084)に作用させて,分子,原子などに関す
る情報を得る分析。
electromagnetic method
of analysis
3381
電流滴定法
加電圧又は電極電位を規制し,当量点近傍での急激な電流変化
又は当量点における電流値から終点を決定する滴定方法。
amperometric titration
3382
電量滴定法
定電流電解によって試薬を発生させて反応を行わせ,終点まで
に要した電気量から定量する分析方法。
coulometric titration
13
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3383
当量点
(滴定の)
滴定において,試料溶液に含まれている分析種(番号1084)
に対し,これと反応する試薬(滴定剤という。)を分析種の全
量と定量的に反応するのに必要な量だけ加えた点。
equivalence point
3384
同位体希釈分析
法
試料中の分析種を定量する場合に,同位体比の異なる当該分析
種の一定量を加えて(分析種を化学分離した後),その同位体
比を測定する方法。
isotope dilution method
3385
同位体[比]分析 試料中の元素を構成する同位体(番号1067)の存在量の比率
を知るために行う分析。
isotopic analysis
3386
流れ分析
流れの中で試料と試薬とを反応させた成分を連続的に検出,定
量する分析方法。
flow analysis
3387
熱重量分析
試料物質の質量を,調節された速度で加熱又は冷却させる環境
の中で,時間又は温度の関数として測定する方法。
thermogravimetry
3388
熱分析
物質の温度を調節されたプログラムに従って変化させながら,
その物質(及び/又はその反応生成物)のある物理的性質を温
度の関数として測定する一群の技法。
thermal analysis
3389
灰吹法
(はいふきほ
う)
(試金の)
金,銀などを鉛を用いて合金とし,それを灰吹皿に載せて炉に
入れ,強熱し,金,銀などに分離した後,それぞれの質量をは
かる方法。
cupellation
3390
発光分光分析法
電気的,熱的など各種の方法によって試料を励起し,基底状態
に戻る際に放射される原子スペクトルを分光器又は分光光度
計で観測する定性・定量分析の総称。スパーク放電,グロー放
電,レーザーなどを励起源とする。
atomic emission
spectrometry
3391
半定量分析
量的概念を加味して行う定性分析。
semi quantitative analysis
3392
バッチ分析
試料をビーカーなどの容器に採取して,非連続的に操作を行う
分析。
batch analysis
3393
パターン分析
ある範囲の空間的又は時間的な量の広がり,分布などから情報
を得る手法。
pattern analysis
3394
光音響分光法,
PAS
断続的な照射光を吸収した試料が熱膨張を起こし,その内部に
発生させる照射光と同期した疎密波を音響として検出するこ
とによってスペクトルを得る分光法。
photoacoustic
spectrometry;
PAS
3395
光分析
光の放射,吸収,散乱などを利用する化学分析法の総称。
photometric analysis;
photometry
3396
比色分析
試料物質又は試料物質に適切な試薬を加えて発色させたもの
について透過光又は反射光を測定し,色調,色の濃さなどを標
準色板,標準色溶液などと比較することによって行う定性又は
定量分析。
colorimetric analysis
3397
非水溶媒滴定法
溶媒に水以外のものを用いる滴定方法。
注記 誤解のない場合は,非水滴定としてもよい。
nonaqueous titration
3398
比濁分析,
比濁法
微小粒子を含む試料溶液について,透過光強度から吸光度(番
号4313)を測定する方法,又は入射光と直交する方向への散
乱光強度を測定することによって,試料溶液中の微小粒子の濃
度を求める方法。
turbidimetry
3399
微小分析,
マイクロプロー
ブ分析
バルク試料の微小な領域[例えば,マイクロメートル(μm)
径の面積]又は微小な体積部分について化学的又は物理的な情
報を得る分析。
microprobe analysis
3400
微生物学的定量
法
微生物の増殖度又は阻害度を利用して行う成分の定量方法。
microbiological
determination;
microbioassay
14
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3401
微生物検査
試料中に含まれる細菌,真菌,ウイルスなどの種類,存在量な
どを明らかにする検査。
microbiological
examination
3402
微量成分分析,
こん跡[量]分析
ナノグラム(ng)からマイクログラム(μg)レベルの絶対量の
成分を対象とする化学分析。試料量の大きさは問わない。
trace analysis
3403
微量分析
1 mg〜10 mgぐらいの試料を用いて行う化学分析。
microanalysis
3404
沸点上昇法
純粋な溶媒に不揮発性の試料を加えたときの溶液の沸点上昇
の割合が,試料の物質量濃度に比例する現象を利用して,試料
の分子量などを測定する方法。
ebullioscopy;
ebullioscopic method
3405
フローインジェ
クション分析,
FIA
細管内の試薬又は試料の流れの中にそれぞれ試料又は試薬溶
液を導入し,反応操作などを行った後,下流に設けた検出部に
よって分析種(番号1084)を検出して定量する分析方法。
flow injection analysis;
FIA
3406
分離分析
複数の成分を含む試料について,各成分に分離した後,それぞ
れの成分に関して確認反応又は定量を行う分析の総称。
separation analysis
3407
プロセス分析
化学プラントなどの工程管理又は制御のために行う分析。
process analysis
3408
閉管試験法
一端を閉じたほうけい酸ガラス管に試料を入れて加熱し,空気
の流通が不十分な状態で起こる変化を観察して成分を知る試
験方法。
−
3409
放射化学分析
物質中に含まれる放射性核種を放射能測定によって定性又は
定量する分析方法。
注記 広い意味で放射化分析法も含まれる。
radiochemical analysis
3410
放射化学放射化
分析法
放射化分析法のうち,放射化した試料に放射化学的分離操作を
行い,測定対象核種を選択的に分離・濃縮した後,その放射能
を測定して行う分析方法。
radiochemical activation
analysis
3411
放射化分析法
a) 試料に中性子,荷電粒子(陽子,重陽子,3He2+,4He2+,
重イオン),光子などを照射して試料に含まれている原子
(安定な核種)と原子核反応を起こさせ,生成した放射性
核種の放射能を測定して元素分析する方法。
b) 放射化学放射化分析法と機器放射化分析法とを統合した
用語。
activation analysis
3412
放射分析
元素分析を行うため,放射性核種を指示薬として用い,その放
射能測定から物質中の元素を定量する方法。
radiometric analysis
3413
ボルタンメトリ
ー
微小電極を用いた電解によって得たボルタモグラムを解析し
て行う分析方法。
voltammetry
3414
ポーラログラフ
ィー
水銀などの滴下電極を作用電極として用いる電解において,作
用電極の電位と電流との関係を測定する分析方法。ボルタンメ
トリーの一種。
polarography
3415
マイクロプロー
ブ分析
バルク試料の微小な領域[例えば,マイクロメートル(μm)
径の面積]又は微小な体積部分について化学的又は物理的な情
報を得る分析。微小分析に同じ。
microprobe analysis
3416
誘導結合プラズ
マ質量分析法,
ICP/MS
試料に含まれる分析種(番号1084)を誘導結合プラズマによ
ってイオン化し,生成したイオンを質量分析計に導入し,対象
元素の質量/電荷数(m/z)におけるイオンの個数を測定する
ことによって元素又は同位体(番号1067)を分析する方法。
inductively coupled
plasma (ICP) mass
spectrometry;
ICP/MS
15
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3417
誘導結合プラズ
マ発光分光分
析法,
ICP/AES,
ICP/OES
工業用周波数の高周波を用いて,コイルによる電磁誘導によっ
て発生する磁場でガスを電離させて得られる高温のプラズマ
を光源とした発光分光分析法。
inductively coupled
plasma (ICP) atomic
emission spectrometry;
ICP/AES;
inductively coupled
plasma (ICP) optical
emission spectrometry;
ICP/OES
3418
よう素滴定法
よう素の酸化作用又はよう化物イオンの還元作用を利用する
滴定方法。
iodimetry;
iodometry
3419
容量分析
滴定操作によって,分析種(番号1084)と定量的に反応する
標準液(番号6018)の体積を求め,その値から分析種を定量
する化学分析。
volumetric analysis
3420
ラマン分光法
a) ラマン散乱を分光することによって,目的物質の遷移(主
に分子振動準位間の遷移)を観測する手法。
b) ラマン散乱の分光で得られる情報と同等の情報(選択律は
異なる場合がある。)を得ることが可能なハイパーラマン
分光法,コヒーレント反ストークスラマン分光法,逆ラマ
ン分光法,誘導ラマン分光法などの非線形分光法。
Raman spectroscopy
3421
レーゼ・ゴットリ
ーブ法
乳類及び乳製品の脂質定量方法の一つ。脂肪球の保護膜をアン
モニアによって破壊・分散させ,遊離した脂肪をエタノール溶
液とした後,ジエチルエーテルと石油エーテルとの混液を用い
て抽出し,溶媒を蒸発除去して乾燥後,質量をはかって脂質の
量を求める方法。
Röese-Gottlieb method
3422
連続分析法
分析装置に試料を自動的に導入するか,又は検出端を試料の流
れの中に挿入することによって,試料の濃度などを自動,かつ,
連続的に測定する方法。
注記 測定が完全に連続でなくても,一定時間ごとに自動採
取・測定が行われるものは,間欠連続として連続分析に
含まれる。通常,測定は一定の項目に限定していること
が多い。
continuous analysis
3.5
現象・特性
3.5.1
反応
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4101
塩効果
(えんこうか)
液相反応系に塩類を加えたとき,化学平衡及び/又は反応速度
に変化が生じる効果。
salt effect
4102
炎色反応
試料を炎の中に入れたとき,含有する化学種(番号1009)に
よって炎が特有の色を発する反応。
flame reaction
4103
確認反応
ある化学種又は官能基が存在することを確認するために用い
られる化学反応。
confirmatory reaction
4104
緩衝作用
外部から加えられた作用に対して,溶液自身がその影響を小さ
く抑えようとする働き。
buffering action
4105
共通イオン効果
ある溶液に含まれるイオン種のうち,特定のイオン(共通イオ
ン)をこの溶液に加えると,反応が一定の方向へ進む効果。
common ion effect
4106
光化学反応
物質が紫外線などの影響を受けて起こす化学反応。
photochemical reaction
4107
接触反応,
触媒反応
触媒の作用によって進行する化学反応。
catalytic reaction
16
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4108
電気化学反応
電気化学系において,電気化学ポテンシャルが自発的又は他動
的要因によって変化する反応。
electrochemical reaction
4109
発色反応
試料物質又は分析種(番号1084)に特有な色を生じる反応。
color(ing) reaction
4110
分属反応
無機イオンの系統的定性分析において,特定の試薬に対する性
質によって属ごとに分離させる反応。
group reaction
4111
融球反応
金属などの化合物をほう砂,りん塩などとともに熱するとき,
ほう酸塩,りん酸塩などを生成して,その金属特有の色をもっ
たガラス状の融球になる反応。ほう砂球反応,りん塩球反応な
どがある。
bead reaction
4112
よう素でんぷん
反応
よう素とでんぷんとの相互の確認発色反応。よう素滴定の終点
確認に利用され,アミロースでは青,アミロペクチンでは赤味
を帯びた青黒に発色する。
iodo-starch reaction
3.5.2
現象
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4201
イオン交換
イオン交換体の交換基と結合しているイオンが,他の相中にあ
る他種のイオンと交換すること。
ion exchange
4202
イオン排除
電解質のイオンが,同符号の電荷をもつイオン交換体によって
固定相から排除される現象。これによって,非電解質と電解質
とを分離することができる。
ion exclusion
4203
汚染,
コンタミネーシ
ョン
対象物に何らかの物質が付着・混入・発生することによって,
対象物が本来もっている機能・性質に好ましくない影響が与え
られる状態(JIS Z 8122参照)。
contamination
4204
化学発光
化学反応で生じるエネルギーによって励起された化学種(番号
1084)による発光現象。
chemiluminescence
4205
過電圧
(電気化学の)
酸化還元系の単一電極において,酸化又は還元が生じるために
必要な電流を流したときの電極電位と平衡電位(酸化還元電
位)とのずれ。
overvoltage;
overpotential
4206
過飽和
溶液が溶解度以上に溶質を溶かしている状態。
supersaturation
4207
可溶化
ある溶媒に不溶性又は難溶性である物質に対して,界面活性剤
を添加し,又はその溶媒に親和力のある基をその物質に導入し
て,溶けやすくする現象又は操作。
solubilization
4208
揮散
揮発性成分を大気中に気化放出させる操作又は大気中に気化
する現象。
vaporization;
evaporation
4209
逆浸透
高圧下(浸透圧以上の圧力)において,塩類水溶液が高分子膜
(半透膜)を通過するとき,低圧側に脱塩水が流れ,高圧側に
濃縮された塩類水溶液が残る現象。
reverse osmosis
4210
吸着
気体,液体又はその中に溶解している物質(イオンを含む)が
界面に集まる現象。
adsorption
4211
凝結
分散したコロイド粒子(ゾル,乳濁質,親水コロイドなど)が
ある条件(例えば,塩などの添加)において,寄り集まる現象。
特に粒子の集合が不可逆的の場合に用いる。
coagulation
4212
凝固
気体又は液体が固体に変化する現象。融解の逆の現象。
solidification
4213
凝集
分散している粒子同士が,衝突によって大きな集合体になる現
象。特に,粒子の集合が可逆的の場合に用いる。
flocculation;
aggregation;
cohesion
4214
凝縮
蒸気などが,露点以下になったときに液体粒子になる現象。
condensation
4215
共沈
ある物質が他の物質の沈殿の生成に伴って,ともに沈殿する現
象。
coprecipitation
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4216
キレート効果
多座配位子が金属イオンに配位するとき,キレート環の生成の
ため対応する単座配位子の配位した錯体よりも安定度が増大
する現象。
chelate effect
4217
蛍光
物質の分子が光によって励起一重項状態に励起され,それが基
底状態に遷移する際に発生する光。
注記 励起三重項状態を経由して発光する光(りん光)も含む。
fluorescence
4218
結晶
空間的に周期的な原子配列をもつ固体物質。
crystal
4219
結晶性粉末
粉末のうち,粉末X線回折測定法又は光学顕微鏡によって結晶
の存在が認められる限定した粉末。
crystalline powder
4220
懸濁
流体中に固体の微粒子が分散する現象。
suspension
4221
残留物,
残さ
溶解,加熱,蒸発などの操作によって,他の大部分の成分が除
かれた後に残ったもの。
residue
4222
晶出
溶液又は溶融物から結晶がでてくる現象。
crystallization
4223
水平化効果
(溶媒の)
プロトンを与える(受け入れる)傾向が溶媒より強い酸(塩基)
であっても,それを溶かしたとき,その溶媒のリオニウムイオ
ン(リエイトイオン)の酸性(塩基性)の程度にまで引き下げ
られる現象。
leveling effect (of
solvent)
4224
水和
溶媒が水であるときの溶媒和。
hydration
4225
スラリー
液体中に固体粒子が高濃度に分散している懸濁液。
slurry
4226
析出
温度,その他の条件を変えることによって,液相から固相が,
又は固相から別の固相が生成する現象。
deposition
4227
選択性
機器を用いた分析において,目的成分の分析値に対する共存干
渉成分による影響の小さい度合い。
selectivity
4228
脱着
吸着している物質が脱離する現象。
desorption
4229
炭化
有機物質が分解して,炭素に富んだ物質になる現象。
carbonization
4230
超臨界流体
臨界温度及び臨界圧力以上の状態下にある物質。
supercritical fluid
4231
沈殿
液相から溶質若しくは懸濁物が種々の原因によって固相とな
って沈降する現象,又は沈降した物質。
precipitation;
precipitate
4232
電気泳動
溶液中に電極を入れてこれに直流電圧を加えるとき,イオン,
荷電粒子などがいずれか一方の電極へ移動する現象。
electrophoresis
4233
電気透析
直流電圧を印加して透析速度を増大する方法。イオン交換膜を
用いた電気透析は,電解質溶液中のイオンの分離に用いられ
る。
electrodialysis
4234
特異性
ある物質が特定の物質に対して,他と異なる特徴のある反応を
する性質。普通は特定な一つ又は少数の物質とだけ相互作用を
する性質をいう。
specificity
4235
乳濁液,
エマルション
一般に透明である液体に,この液体とは溶け合わない液状物質
がコロイド状となって分散して不透明となった液体。
emulsion
4236
灰
有機物を燃焼した結果,残った無機物質。
ash
4237
発色
化学反応,吸着,吸収などの結果,反応物質又は生成物質に特
有な色が現れる現象。
color development;
coloring
4238
非晶質
単結晶の格子構造のような規則的配列をもたないため,X線回
折図形を与えない原子,分子の集合。
non-crystalline structure;
amorphous structure
4239
沸騰
一定圧力のもとで液体がある一定温度に達し,液体内部から気
化が起こる現象。沸騰の起こる温度を沸点という。
ebullition
18
K 0211:2013
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4240
放射平衡
放射性壊変系列をつくる親核種と娘核種の各半減期が前者の
方が後者よりも長く,壊変後娘核種の半減期の約10倍経過し
たとき,娘核種の半減期は見かけ上親核種の半減期と等しくな
り,娘核種の放射能は,親核種の放射能と一定な割合で減衰す
ること。過渡平衡と永続平衡がある。
radioactive equilibrium
4241
飽和溶液
ある温度において溶解平衡に達したときの溶液。
saturated solution
4242
母液
溶液中から結晶又は沈殿が生成するとき,その結晶又は沈殿が
生じた後の溶液。
mother liquor
4243
ミセル
界面活性剤水溶液中において,ある濃度以上で生成する界面活
性剤の分子又はイオンの集合体。
micell;
micelle
4244
メモリー[効果] 前の実験の影響が後の実験に影響する現象。
memory (effect)
4245
溶媒和
溶液中においてイオン又は溶質分子に溶媒分子が結合する現
象。
solvation
4246
留分
分別蒸留において温度,圧力など,一定条件下における留出物。 fraction
4247
励起
エネルギーを得て高いエネルギー状態へ遷移する現象。
excitation
3.5.3
特性
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4301
アルカリ消費量
(水質分析の)
中和又は所定のpH値にするために必要なアルカリの量(JIS K
0102参照)。
alkali consumption
4302
アルカリ度
(水質分析の)
フェノールフタレイン,メチルオレンジなど所定の指示薬を用
いて強酸標準液によって滴定したとき,消費した酸の量で表し
た水質の一つの指標。酸消費量に同じ。
alkalinity
4303
イオン強度
溶液中のイオンiのモル数をCi,電荷数をZiとするとき,
(Zi2Ci)/2で与えられる量,又は質量モル濃度を用いて同様に定
義される量。
ionic strength
4304
イオン交換容量
単位量のイオン交換体がイオン交換できる対イオンの量。
ion exchange capacity
4305
エステル価
試料1 g中に含有するエステルをけん化するのに要する水酸化
カリウムの質量(mg)。主として油脂の一般試験に用いる。
ester value
4306
塩基度
酸が幾つプロトンを供与し得るかを示す尺度。
basicity
4307
解離度
化学平衡が成り立っているときの解離した分子数のもとの分
子数に対する割合。
degree of dissociation
4308
化学的酸素要求
量,
化学的酸素消費
量,
COD
水中の有機物を化学的に酸化し,そのとき消費する酸化剤に相
当する酸素の量をmg/Lで示す,水の有機物による汚濁度の指
標。
注記 測定には過マンガン酸カリウム,二クロム酸カリウムな
どを酸化剤として用いる。
chemical oxygen
demand;
COD
4309
過酸化物価
油脂の酸化に伴って生成する過酸化物などの指標。よう化カリ
ウムを添加して遊離するよう素量の質量によって示す。
peroxide value
4310
乾燥減量
物質を乾燥したときの質量の減少量。
drying loss;
loss on drying;
LOD
4311
乾燥質量
物質を乾燥したときの質量。
注記 この場合,乾燥温度,デシケーターに用いた乾燥剤名な
どを付記しておく。
−
4312
揮発分
試料中に含まれる揮発性成分又はその量。
volatile matter;
volatile component
4313
吸光度
試料側を透過する光の強度と,透過前の光の強度との比を常用
対数によって表した数値。
absorbance
19
K 0211:2013
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4314
凝固点
気体又は液体が凝固する温度。
freezing point;
solidifying point
4315
強熱減量
物質を強熱したときの質量の減少質量。
注記 この場合,強熱した温度を付記しておく。
ignition loss;
loss on ignition
4316
強熱残分
強熱したときの残留物の質量。
注記 この場合,強熱した温度を付記しておく。
ignition residue;
residue on ignition
4317
ケミカルスコア
基準たんぱく質の必須アミノ酸含量に対する,分析対象たんぱ
く質の必須アミノ酸の各割合の内,最も小さい値。
chemical score
4318
けん化価
試料1 gを完全にけん化するために要する水酸化カリウムの質
量(mg)。主として油脂の一般試験に用いる。
saponification value
4319
硬度
(水質試験の)
水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの質量を,こ
れに対応する炭酸カルシウムの質量に換算したもの。全硬度,
カルシウム硬度及びマグネシウム硬度に区分する(JIS K 0101
参照)。
hardness
4320
酸価
試料1 g中に含有する遊離脂肪酸を中和するのに要する水酸化
カリウムの質量(mg)。主として油脂の一般試験に用いる。
acid value;
acid number
4321
酸消費量
(水質分析の)
所定のpH値にするために必要な酸の質量(JIS K 0102参照)。 acid consumption
4322
酸素消費量
ある条件において水中の還元性物質が酸化されるとき消費す
る酸素の質量,又は酸化剤の酸素換算量。
oxygen demand
4323
酸度
塩基が幾つのプロトンを受け取ることができるかを示す尺度。 acidity
4324
残分
残留物の質量。
residue
4325
残留塩素
(水質分析の)
水中に溶存する遊離塩素及び酸化性の結合態塩素(JIS K 0101
参照)。
residual chlorine
4326
色度
色度座標(x,y)及び刺激値Yによって又は主波長(若しくは補
色主波長)と純度とによって表される色刺激の測色的性質。
chromaticity
4327
終点
(滴定の)
滴定すべき反応が終わったことを指示薬又は反応検出器で認
められる点。
end point
4328
水酸基価
試料1 gをアセチル化するとき,水酸基と結合した酢酸を中和
するのに要する水酸化カリウムの質量(mg)。主として油脂の
一般試験に用いる。
hydroxyl value
4329
水分活性
ある温度において食品を密閉した容器中に置いたときの環境
空間の相対湿度を100で除した値。Awで表す。無水物では0,
純水では1とすると,通常の食品では0<Aw<1となる。
water activity
4330
蒸発残留物
試料中の揮発性成分を蒸発させたときに残った物質。
residue on evaporation
4331
生物化学的酸素
要求量,
生物化学的酸素
消費量,
BOD
水中の好気性微生物によって消費される溶存酸素量。
注記 有機物による水質汚濁の尺度の一つ。河川の環境基準が
定められている。
biochemical oxygen
demand;
BOD
4332
全酸素要求量,
TOD
試料水を高温加熱して,試料中の全ての被酸化性物質が消費す
る酸素の量。
total oxygen demand;
TOD
4333
全有機体炭素,
TOC
水中に存在し,水質汚濁の原因になる有機体の炭素。試料水を
高温の燃焼炉で燃焼し,生成した二酸化炭素を非分散形赤外線
ガス分析計で測定する。全炭素から無機体炭素(炭酸塩)を差
し引いて求める。
total organic carbon;
TOC
4334
濁度
(水質分析の)
水の濁りの程度を示す指標。カオリン又はホルマジンの懸濁液
と水の濁りとを比較して,度の単位を用いて示す。
turbidity
4335
多孔度
物質の細孔を含めての全体積に対する細孔体積の割合。
porosity
20
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4336
窒素−たんぱく
質換算係数
食品中の窒素含量からたんぱく質含量を推定するために,窒素
含量に乗じる係数。
nitrogen-protein
conversion factor
4337
滴定曲線
横軸に滴定剤の量を,縦軸に被滴定剤の濃度又はそれに対応す
る量をとり,図示した曲線。
titration curve
4338
滴定酸度
食品中の遊離有機酸量の指標。試料100 g又は100 mLを中和
滴定するのに要する0.1 mol/L水酸化ナトリウムの体積(mL)
で表す。
titratable acidity
4339
電気伝導度
コンダクタンス
(溶液の)
溶液の電気抵抗(Ω)の逆数。単位はS(ジーメンス)。
conductance (of
solution)
4340
電気伝導率
導電率
(溶液の)
溶液がもつ電気抵抗率(Ω・m)の逆数。単位はS/m。
conductivity (of solution);
electric conductivity (of
solution)
4341
等電点
両性電解質又はコロイド粒子の電荷がゼロとなるpH値。
isoelectric point
4342
粘度,
粘性率
流動している液体の応力とひずみ速度との比。
viscosity;
viscosity coefficient
4343
灰分
試料を灰化したときの灰の質量。
ash content
4344
半減期
(放射性物質
の)
ある特定の放射性物質の原子数が放射性壊変によって,元の数
の1/2になるまでの時間。
half life
4345
pH
(ぴーえっち,ぴ
ーえぃち)
水素イオン活量の逆数の常用対数。
注記 これは概念上の定義で実測できない値である。実用の操
作的定義についてはJIS Z 8802を参照。
pH
4346
不けん化物
油脂をけん化した後,ジエチルエーテルを用いて抽出されたも
のから混入脂肪酸量を差し引いた物質の量の油脂に対する分
率。油脂の一般試験に用い,%で表す。
unsaponifiable matter
4347
分配係数
(液−液の)
2種類の液体が共存し,これらに溶質が溶解し平衡に達してい
るときの両液体中の溶質の濃度比。
distribution coefficient
4348
分離係数
ある二成分の補正保持時間がtr'1<tr'2のとき,tr'2/tr'1で表される
値。保持係数の比と等しい。
separation factor
4349
分離度
二つのピークの保持時間の差を,二つのピークの幅の平均値で
除した値。
resolution
4350
平衡電位,
酸化還元電位
単一の酸化還元系の電極反応が平衡にあるときの電位。
equilibrium potential;
redox potential
4351
モル電気伝導率,
モル導電率
電気伝導率を物質量濃度で除した値。
molar conductivity
4352
有効塩素
水,薬品などに含有されている塩素のうち,酸化,漂白,殺菌
などに有効に利用される塩素。
available chlorine
4353
融点
結晶性物質を加熱するとき溶融が狭い温度範囲で行われ,固相
と液相とが平衡状態にあるときの温度。
melting point;
fusing point
4354
溶解度
飽和溶液中の溶質の濃度。
solubility
4355
溶解度積
ある溶液中で難溶性塩(固体)がその塩の構成イオンと平衡に
あるとき,構成イオンの濃度又は活量の積。
注記 AmBnの塩では,[An+]m[Bm-]nで与えられる。ここで[ ]
内は物質量濃度を表す。
solubility product
4356
よう素価
試料100 gに対し結合するよう素の質量(g)。油脂の不飽和度
をはかるのに用いる。
iodine value
21
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4357
よう素消費量
試料に対してある条件のもとで,よう素溶液を加え,反応後に
残ったよう素量から消費量を求めたもの。一般にmg/Lを用い
て表す。
iodine demand
4358
溶存酸素
(水質分析の)
水中に溶解している分子状の酸素。
dissolved oxygen;
DO
4359
溶離液
(クロマトグ
ラフィーの)
カラムに保持された試料成分を展開及び溶出させるために用
いる液体。
eluent;
eluant
4360
留出物
蒸留によって得られた物質。
distillate
3.6
試薬
3.6.1
指示薬
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5101
塩基性色,
アルカリ性色
(指示薬の)
酸塩基指示薬において変色域よりアルカリ性側の色。
alkali color
5102
外部指示薬
滴定において,試料溶液の少量を取り出して,外部で反応させ
終点(番号4327)を判定するための指示薬。
external indicator
5103
界面活性指示薬
界面活性作用を利用して終点(番号4327)を判定するための
指示薬。
surface active indicator
5104
吸着指示薬
沈殿滴定において沈殿(沈殿物)に吸着させて終点を判定する
のに用いる指示薬。
adsorption indicator
5105
金属指示薬
金属イオンの錯滴定(キレート滴定)において,終点を判定す
るのに用いる指示薬。
metallochromic indicator;
chelatometric indicator
5106
酸塩基指示薬
酸塩基滴定において,終点を判定するのに用いる指示薬。
acid-base indicator
5107
酸化還元指示薬
酸化還元滴定において,終点を判定するのに用いる指示薬。
oxidation-reduction
indicator;
redox indicator
5108
酸性色
(指示薬の)
酸塩基指示薬において変色域が酸性側の色。
acidic color
5109
指示薬
試料の化学的状態をできるだけ明確に示す性質をもつ物質。
indicator
5110
沈殿指示薬
沈殿滴定において終点を判定するのに用いる指示薬。
precipitation indicator
5111
内部指示薬
滴定において被滴定液中に加える指示薬。
internal indicator
5112
pH指示薬
pHの概略値を示す発色薬。
pH indicator
5113
変色点
(指示薬の)
指示薬の色調が変化する点。
point of color change
5114
変色範囲,
変色域
(指示薬の)
指示薬が変色し始めてからそれ以上に変色しなくなるまでの
範囲。
transition interval
3.6.2
一般試薬
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5201
安定剤
a) 試薬・医薬品などの変質を防ぐために加える薬剤。
b) 濁物質の懸濁状態を保たせるために加える薬剤。
stabilizer
5202
イオン交換樹脂
イオン交換能力をもつ合成樹脂。
ion exchange resin
5203
イオン交換水
イオン交換装置を用いて精製した水。
deionized water
5204
寒剤
2種類以上の物質を混合して低温度を得る冷却剤。
freezing mixture coolant
5205
緩衝液
緩衝作用のある溶液。
buffer solution
22
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5206
乾燥剤
雰囲気中の水分を吸着除去する物質。
desiccating agent;
desiccant;
drying agent
5207
希釈剤
物質の濃度を薄めるために加える物質。
diluent
5208
原液
a) 使用時よりも高濃度に調製し,保存の目的を兼ねた試薬溶
液。
b) 分取して分析するための試料溶液。
stock solution
5209
高純度試薬
不純物を可能な限り取り除いた試薬。
highly purified reagent;
high-purity reagents
5210
試験紙
特定成分の濃度又は性質を簡単に試験するために,適切な試薬
を染み込ませて乾燥した紙片。
test paper
5211
試薬
化学的方法による物質の検出・確認,定量,分離・精製,物質
の合成実験,物質の物性測定,測定の基準などに用いられる化
学物質。それぞれの使用目的に応じた品質が保証され,少量使
用に適した供給形態の化学薬品。
reagents;
reagent chemicals
5212
重液
密度の概略の決定又は密度の差を利用した分離に使われる密
度の大きな液体又は溶液。
heavy liquid;
heavy solution
5213
蒸留水
蒸留装置を用いて精製した水。
distilled water
5214
浸液
a) 顕微鏡測定の際,目的物質と対物レンズとの間に満たす液
体。
b) 目的物質の屈折率を測定するときにその物質を浸して,そ
の界面の現れ方を測定するために用いる液体。
immersion liquid
5215
生化学試薬
生化学の分野における分析,測定などに用いるアミノ酸,補酵
素,酵素,核酸,酵素基質,生化学用緩衝剤,糖質,たんぱく
質などの試薬。
biochemical reagents
5216
洗浄剤
汚れを除いて清浄にする作用をもっている物質。
cleaner;
detergent
5217
脱水剤
a) 試料から水分を奪う能力のある試薬。
b) 物質又は試料から水素原子と酸素原子とを2:1の割合で
奪う能力のある試薬。
dehydrating agent
5218
超純水
a) TOC値が非常に少なく,抵抗率が18 MΩ・cm以上(電気伝
導率 0.056 μS/cm以下)に精製された水。
b) 逆浸透膜,イオン交換樹脂(連続イオン交換体を含む),
活性炭,紫外線及び限外ろ過膜などを組み合わせて精製し
た水で,抵抗率が18 MΩ・cm以上(電気伝導率 0.056
μS/cm以下)の水。
highly purified water;
ultra pure water
5219
沈殿剤
沈殿反応を起こさせるのに用いる試薬。
precipitant
5220
適合性試験
(試薬の)
規定されている限度に適合していることを判定する試験方法。
結果を数値で表せない場合に用いる。
limit test of quality
5221
滴定液
容量分析で,滴定に用いるために一定濃度に調製した溶液。
titrant
5222
トレーサー
反応,代謝プロセス,拡散プロセスなど動態を追跡するために
添加する元素又は化合物。
tracer
5323
pH試験紙
pHの測定に用いる試験紙。
pH test paper
5224
非水溶媒
水以外の溶媒。
nonaqueous solvent
5225
分析キット,
試薬キット
検査を簡素化するための試薬,標準液(番号6018)などを組
み合わせて用いるもの。
analytical kit;
reagents kit
5226
分属試薬
無機イオンの系統的定性分析において特定の属ごとに沈殿さ
せる試薬。
group reagent
5227
ほう砂球
ほう砂を強熱して作った融球。
borax bead
23
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5328
融剤
融解に用いる試薬。
flux;
fusing agent
5329
溶状
試料を溶媒に溶かしたときの状態。
solubility condition
5230
溶性でんぷん
よう素滴定法の指示薬などに用いるもので,化学処理によって
水溶性を与えたでんぷん(JIS K 8659参照)。
soluble starch
5231
浴液
伝熱媒体として用いる液。
bath liquid
5232
リトマス紙
リトマスの発色反応を利用して,酸性又はアルカリ性の判定に
用いる試験紙(JIS K 9071参照)。
litmus paper
5233
りん塩球
りん塩を強熱して作った融球。
phosphate bead
3.7
標準物質
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6001
光学フィルター
分光光度計の波長を校正するために透過率(吸光度)及び波長
の値付けされたガラス製フィルター。
optical filter
6002
校正用ガス
分析機器の校正に用いる標準ガス(番号6019)。ゼロガス,ス
パンガス,中間点ガスなどの総称。
calibration gas
6003
合成空気
空気の組成に近似した比に,窒素と酸素とを混合した気体。
synthetic air
6004
作業標準物質,
実用標準物質
トレーサビリティ上のより上位の標準物質(番号6020)との
比較によって標準値が付与され,分析・計測の現場で実用標準
として用いる物質。
working reference
material
6005
試験用粉体及び
試験用粒子
集じん装置などの性能試験,光散乱式自動粒子計数器などの校
正に用いる粉体及び粒子(JIS Z 8901参照)。
test powder and test
particle
6006
JCSS
計量法に基づく計量標準供給制度の通称で国家計量標準にト
レーサブルな計量標準を供給する制度。供給分野として質量,
長さ,時間,温度,光,体積,電気,圧力,濃度[標準物質(番
号6020)]がある。
Japan Calibration
Service System
6007
スパンガス
分析機器などの所定の測定段階(レンジ)における最大目盛付
近の目盛値を校正するために用いる標準ガス(番号6019)。
span calibration gas
6008
ゼロガス
分析機器の最小目盛値を校正するのに用いる標準ガス(番号
6019)。
zero calibration gas
6009
組成標準物質
マトリックス(番号1092)中のある組成値が,定められた精
度(不確かさ)によって確定した物質。マトリックス(番号
1092)として土壌,河川水,海底質,プラスチック,鉄鋼,食
品などがある。
matrix reference material
6010
濁度標準液
(水質分析の)
カオリン又はホルマジンの懸濁液を用いた濁度測定用の標準
液(JIS K 0801参照)。
turbidity standard
solution
6011
中間点ガス
分析機器などの所定の測定段階(レンジ)における最小目盛と
最大目盛との間の目盛値を校正するために用いる標準ガス(番
号6019)。
midway point
calibration gas
6012
等価液
(連続式ガス
分析計の)
濃度目盛の校正に,校正用ガスを用いたときと同等の値を示す
ように調製した標準液(番号6018)。
equivalent solution
6013
特定標準物質
経済産業大臣が指定した器具,機械又は装置を用いて製造する
標準物質(計量法参照)。計量法に基づく計量標準供給制度
(JCSS)における一次標準物質。
specified standard
material
6014
認証標準液
分析機器の目盛定め,目盛校正用,化学分析などの標準用とし
て用いる液体状の認証標準物質。
certified reference
solution
24
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6015
認証標準ガス
分析機器の目盛定め,目盛校正用,化学分析などにおいて,標
準用及び校正用ガス調製装置の原料ガスとして用いる気体状
の認証標準物質。
certified reference gas
6016
認証標準物質,
CRM
有効な手順を用いて一つ以上の指定された特性の値及び付随
する不確かさ並びにトレーサビリティを与える,権威ある機関
から発行された文書が添えられた標準物質(VIM参照)。
注記 認証標準物質の指定された量の値には,付随する測定不
確かさを伴った計量計測トレーサビリティが必要とな
る。
certified reference
material;
CRM
6017
パーミエーショ
ンチューブ
低濃度の標準ガス(番号6019)を得るために高純度の液化ガ
スを充塡したふっ素樹脂製などの浸透管。
permeation tube
6018
標準液
特性値が必要,かつ,十分な程度で確定されている分析の際の
標準となる溶液。
standard solution
6019
標準ガス
特性値が必要,かつ,十分な程度で確定されている分析の際の
標準となる気体。
standard gas
6020
標準物質,
RM
指定された性質に関して十分に均質,かつ,安定であり,測定
又は名義的性質の検査において,意図する用途に適しているこ
とが立証されている物質(VIM参照)。
注記 標準物質とは,総称的な用語である。
reference material;
RM
6021
ファクター
(溶液の)
溶液の濃度を正確に表すための係数。
factor
6022
物性標準物質
熱力学的,分光学的又はその他の物性値が,定められた精確さ
で確定された物質。
reference material
6023
粘度計校正用標
準液
粘度計を校正するために用いる標準液。
注記 13種類の標準液がある(JIS Z 8809参照)。
standard liquids for
calibrating viscometer
6024
容量分析用標準
物質
容量分析に用いる標準物質。
注記 亜鉛,アミド硫酸,塩化ナトリウムなど10品目の試薬
がある(JIS K 8005参照)。
reference materials for
volumetric analysis
3.8
器具類
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7001
アスピレーター
狭い口の水流噴出によって減圧状態を作り出す器具。水流ポン
プともいう。
aspirator
7002
イオン交換膜
正又は負の固定電荷をもった多数のイオン交換基を備えた多
孔性の合成膜。
ion exchange membrane
7003
イオン電極
溶液中の特定イオンの活量に応答し電位を発生する電極(JIS
K 0215及びJIS K 0122参照)。
ion selective electrode
7004
浮きばかり,
浮ひょう形濃度計
浮きの浮力を利用して液体の密度をはかる器具。
hydrometer
7005
上口デシケータ
ー
空気の出入口が上部の蓋の中央に取り付けてあるデシケータ
ー。
−
7006
上皿はかり,
上皿天びん
ひょう量が100 g〜500 g程度でひょう量の1/1 000以下の質量
差が読み取れる等比式の定ひょう量直示式のはかり(天びん)
又は上皿式の電磁式電子はかり(天びん)。
−
7007
液体膜,
液膜
a) 形成物質が液体である膜。
b) 組成の異なる2種の相が混合しないように,それらの間に
設けた全く溶け合わない膜状の有機溶媒。
liquid membrane
7008
エバポレーター
減圧などの方法を用いて固体及び液体を気化させる装置。
evaporator
7009
温度計
熱力学温度を測定する機器・器具(JIS Z 8705参照)。
thermometer
25
K 0211:2013
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
7010
遠心管
遠心分離を行うときに試料を入れる管。遠沈管ともいう。
centrifuging tube
7011
遠心器
遠心分離するための機器。遠心分離器ともいう。
centrifuge
7012
化学はかり,
化学天びん
ひょう量が100 g〜200 gで,0.1 mgの差を読み取れる等比式又
は定感量直示式の化学用はかり(天びん)。
chemical balance
7013
ガス洗浄瓶
気体を洗うために用いる瓶(JIS R 3503参照)。
gas washing bottle
7014
ガスビュレット
ビュレット形の体積計と遮断液を入れた水準器とから構成さ
れた気体の体積を測定するために用いる器具。
gas buret
7015
カセロール
柄の付いた深い蒸発皿。
casserole
7016
ガラス繊維ろ紙
ガラス繊維によって作られた膜状ろ過材。
−
7017
ガラス電極
一定の電位を示す半電池を内蔵し,その電位がpHなどに応答
するガラス薄膜をもつ電極(JIS Z 8805参照)。
glass electrode
7018
ガラスろ過器
ガラスろ過板をろ過材とするろ過器(JIS R 3503参照)。
sintered glass filter
7019
ガラスろ過板
ガラスの粒子を半融させて作った多孔質のろ過板(JIS R 3503
参照)。
sintered glass disc
7020
カラム
試料成分を分離するための固体及び/又は液体を,充塡した,
又は内面に保持した管。
column
7021
乾式ガスメータ
ー
可動膜によって仕切られた計量室にガスを送入し,膜の移動に
よって指針を駆動する気体の計量計。
dry type gas meter
7022
還流冷却器
液体を加熱して生じた蒸気を冷却し,凝縮させて液体とし,再
び元の場所に戻す操作を連続して行うために用いる冷却器。
reflux condenser
7023
感量
はかりにおいて,指針を1目盛移動させるのに必要なおおよそ
の質量差。
reciprocal sensibility
7024
気体分離膜
混合気体中の特定気体を選択的に透過させる膜。
gas separate membrane
7025
キップガス発生
器
化学反応によって気体を発生させながら,必要量の気体を取り
出すことのできるガス発生器の一種。キップの装置ともいう
(JIS R 3503参照)。
Kippʼs gas generator
7026
吸引瓶
減圧ろ過など内部を減圧した場合に耐えられるように作られ
た瓶。
suction bottle
7027
吸収セル
光の吸収を測定するために試料,対照液などを入れる容器(JIS
K 0215参照)。
absorption cell
7028
球面すり合わせ
半球状のおす形とめす形とから構成されている接続用のすり
合わせ。
ball-and-socket joint;
spherically ground joint
7029
共通すり合わせ
互換性のある一定の規格をもった接続用すり合わせ。
interchangeable ground
joint
7030
空気浴
空気を伝熱媒体とする浴。
air bath
7031
クリーンベンチ
規定された清浄度レベルに管理されたろ過空気が作業対象物
に対して直接に流れるように作られた作業台。
clean bench
7032
グローブボック
ス
無菌状態での操作,危険物を扱う操作,目的の雰囲気での操作
などに用いる操作用の手袋を取り付けた箱。
glove box
7033
計量管
測定用試料として,内部空間を利用して気体又は液体の一定体
積をはかりとるための管。
sampling loop
7034
ケルダールフラ
スコ
有機物中の窒素分析などに用いる試料分解用の首の長いフラ
スコ。
Kjeldahl flask
7035
限外ろ過膜
膜細孔径より大きな分子を透過できないようにするろ過膜。
ultrafiltration membrane
7036
検出器
ある現象の存在を検出する器具又は物質。必ずしも検出する対
象に対応した信号を与えるものではない。
detector
7037
検知管,
(検知管式ガス
測定器)
管内に発色試薬などを含む吸着剤又は担体を充塡し,これに気
体を通過させ,その気体の微量成分の検出又は簡易な定量を行
うための器具(JIS K 0215又はJIS K 0804参照)。
detecting tube
(gas detector tube
measurement system)
26
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7038
高圧ガス容器
高圧ガス保安法に準拠したガスを充塡するための金属製耐圧
容器。高圧ガスボンベと称することがある。
gas cylinder
7039
恒温槽
伝熱媒体を一定温度に保持できる槽。
thermostat
7040
酵素センサー
分析種の識別に酵素を用いたセンサー。
enzyme sensor
7041
固相抽出カラム
固相抽出(番号8026)に用いる充塡剤を詰めたカラム。カー
トリッジカラムなどがある。
solid phase extraction
column
7042
コニカルビーカ
ー
円すい台形をしたビーカー。
conical beaker
7043
サイクロン
接線方向に流入した粒子を含む気流が円筒内壁にそって旋回
しながら下降する間に,微粒子が遠心力によって気流から分離
する装置。
cyclone
7044
採水器
河川水,排水などのサンプルを採取する器具。
water sampler
7045
砂浴
砂を伝熱媒体とする浴。
sand bath
7046
三角架
耐熱性の磁製管,石英ガラス管などの中に針金を通して作った
三角形をした保持具。加熱のときに用いる。
triangle
7047
試験管
少量の物質を入れ,その性質,反応などを試験するのに用いる
一端を封じた管。
test tube
7048
湿式ガスメータ
ー
固定した容器に水上置換方式で気体を送入し,その浮力によっ
て指針を駆動する気体の計量計。
wet type gas meter
7049
自動ビュレット
自動的に作動して滴定を行うビュレット。
automatic buret
7050
ジュワー瓶
器壁を二重にし,その間を減圧にして熱の遮断を有効にした容
器。
Dewar bottle
7051
蒸発皿
溶液を加熱又は溶液に通気して溶媒を蒸発させるために用い
る深皿。
evaporating dish
7052
水浴
水を伝熱媒体とする浴。
water bath
7053
スクラバー
気流中に存在する微粒子を水又は他の液体の粒子若しくは膜
によって捕集する装置。
scrubber
7054
スパチュラ
薬品などを扱うためのへら。
spatula
7055
スライドガラス
顕微鏡による観察の際に,試料を載せるための透明な長方形の
ガラス板。
slide glass
7056
すり合わせ
ガラス,金属などの器具の接続部両面に空隙をなくして接続す
るための操作,又は製品。
grinding;
ground joint
7057
精密化学はかり,
精密化学天びん
ひょう量が100 g〜200 gで,0.01 mgの質量差を読み取ること
ができる等比式(1級分銅を使用。),定ひょう量形直示式又は
電磁式電子はかり(天びん)。
semimicro balance
7058
精密はかり,
精密天びん
ひょう量が100 g〜200 gで,0.1 mgの質量差を読み取ることが
できる等比式(1級分銅を使用),定ひょう量形直示式又は電
磁式電子はかり(天びん)。
precision balance
7059
ゼロ[点]調整
ゼロ点を機械的,電気的又は磁気的に所定の目盛に合わせるこ
と。
zero point adjustment
7060
ゼロ点
分析種(番号1084)がない状態で,又は基準となる物質を用
いた状態で分析機器を作動したときの指示の静止位置。
zero point
7061
ゼロ点移動
ゼロ点が何らかの原因によって移動する現象。
zero point shifting
7062
洗瓶
沈殿などを洗浄するときに用いる洗浄液を入れるための瓶。
washing bottle
7063
全量ピペット
液体を正確に採取するのに用いる1本の標線を付けたピペッ
ト。
volumetric pipet
7064
全量フラスコ
液体の体積をある定められた一定量に正確に調節するための
フラスコ。
one-mark volumetric
flask;
measuring flask
27
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7065
ソックスレー抽
出器
固体状の物質から,溶媒を使ってある成分を溶解,抽出するた
めに用いる器具。溶媒は加熱還流され,抽出を繰り返すように
工夫されている(JIS R 3503参照)。
Soxhlet extractor
7066
特定計量器
計量法に定められた計量するための器具,機械又は装置。温度
計,体積計,騒音計,濃度計など18種類が定められている。
specified measuring
instrument
7067
窒素計
(有機分析計
の)
気体として体積を測定することによって窒素を定量する機器。 azotometer
7068
着色瓶
光によって内容物が変質するのを防ぐことを主な目的とした
着色したガラス製などの瓶。
colored bottle
7069
超音波洗浄
肉眼では見えないような微細な汚れを超音波の利用によって
除去する洗浄。
ultrasonic cleaning
7070
直示化学はかり,
直示化学天びん
つまみ回転によって内蔵分銅の掛けかえを半自動的に行い,使
用された内蔵分銅の値を示す数字と,それより低い桁の値とを
光学的投影目盛に表すことによって,測定質量が直接表示され
る化学はかり(天びん)。
direct-reading balance
7071
滴板
ガラス又は磁器の厚板上に丸いへこみを付けたもので,少量の
試料と試薬とを反応させ,観察するのに用いる。
spot plate
7072
滴瓶
液の滴下に用いる瓶。
dropping bottle
7073
デシケーター
物質を乾燥する容器。減圧できるものもある。
desiccator
7074
電位差計
電場又は導体内の2点間の電位差を測定する機器。
potentiometer
7075
はかり,
天びん
物体の質量を測定する機器の総称。
balance
7076
電子はかり,
電子天びん
被測定物の質量による重力を,抵抗ひずみ計(ロードセル)の
出力で表すか,又は電磁力で平衡をとって表すはかり(天び
ん)。前者をロードセル式,後者を電磁式という。
electronic force balance
7077
共栓瓶
すり合わせによって栓と一組になった瓶(JIS R 3503参照)。
bottle with ground-in
stopper
7078
トラップ管
分析種を吸着及び保持する充塡剤を詰めた管。
trap tube
7079
ドリフト
本来一定であるはずの信号が,機器の特性の変化,環境の影響
などによって,ゆっくりと変動する現象。
drift
7080
乳鉢
物質を破砕,微粉砕又は混合するために乳棒とともに用いる器
具。
mortar
7081
燃焼管
物質を燃やし,その生成物を分析する場合に用いるガラス製,
石英ガラス製,磁製などの管。
combustion tube
7082
バイオリアクタ
ー
生物の機能,生体物質などの反応性を利用した反応装置。
bioreactor
7083
灰吹皿
灰吹法(番号3389)に用いる骨灰によって作られた皿。
cupel
7084
培養器
微生物,細胞などを一定環境下において培養する機器。
incubator
7085
培養瓶
微生物,細胞などを培養するために用いる瓶。
culture bottle
7086
白金皿
主として試料の強熱及び溶解に用いる白金製の深皿(JIS H
6202参照)。
platinum dish
7087
pH計
主にガラス電極を用いてpHの測定を行う機器(JIS Z 8802参
照)。
pH meter
7088
比色管
色の濃さを比較して定量する器具。
colorimetric tube
7089
比重瓶
主として,液体の密度を測定するためのガラス器具。
注記 固体の密度の場合でも,それを細粒として液中に入れて
測定することができる。
specific gravity bottle
28
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7090
ピペッター
液を安全に出し入れするために,ピペットの吸い口に取り付け
て用いるゴム玉。
pipeter
7091
標線
全量フラスコ,全量ピペットなどにおいて,表示された体積を
示すために記した線。
mark;
capacity mark
7092
ひょう量
(はかりの)
はかりを用いて正しく測定できる最大許容質量。
weighing capacity
7093
ひょう量瓶
少量の物質の質量をはかるのに用いるガラス製共栓容器。
weighing bottle
7094
微量化学はかり,
微量化学天びん
ひょう量が10 g〜20 gで0.001 mgの差が読み取れる等比式又
は定感量直示式の化学用はかり(天びん)(JIS K 0050参照)。
microbalance
7095
風袋
(ふうたい)
試料などをはかりとるときの容器の質量。
tare
7096
プレカラム
(クロマトグ
ラフィーの)
試料の誘導体化などのために,分離用のカラムの前に配置した
カラム。
pre-column
7097
分液漏斗
互いに相分離した液相を密度の差を利用して分離するための
器具。
separating funnel
7098
分銅
(化学はかり
の)
それ自体の保有する質量が示されている,質量の標準とするお
もり。
weights
7099
分留管
分別蒸留において,成分の分離を効果的に行うために用いる
管。
fractionating column
7100
ヘッドスペース
密閉した容器中に試料(多くは液体)を保存したときに生じる
容器内の上部空間。
head space
7101
ボート
試料を反応容器,反応管,燃焼管などに入れて加熱,燃焼その
他の処理をする際に,管壁などに触れないように試料を入れて
支えるために用いる容器。
boat
7102
ホモジナイザー
相互溶解しない試料を破砕,分散させて均一にする器具。
homogenizer
7103
ポリスマン
ガラス製棒の先にゴム管又はゴム製へらをはめ込んだ器具。
policeman
7104
マイクロシリン
ジ
クロマトグラフィーなどにおいて,カラムその他に微少の一定
量の試料を導入するために用いるシリンジ。
microsyringe
7105
膜電極
選択性膜とその内側に設置された各種電極とで構成される電
極系。
membrane electrode
7106
マグネチックス
ターラー
磁気を利用したかき混ぜ機。
magnetic stirrer
7107
マジョニア管
牛乳などの液体中の脂質を溶媒によって効率よく抽出するた
めの器具。レーゼ・ゴットリーブ法又は酸分解法による脂質定
量法に用いる。
Mojonnier tube
7108
マッフル炉
マッフル(覆い)を備えた電気炉又はガス炉。
muffle furnace
7109
マントルヒータ
ー
電熱線をガラス繊維製の布などで覆い,器具の形状に応じて密
着する加熱器具。
heating mantle
7110
ミクロトーム
顕微鏡観察用の切片をつくる機器。
microtome
7111
メスシリンダー
体積を目盛った液体用の円筒状計量器。
graduated measuring
cylinder
7112
メスピペット
ピペットの一種で,ある体積以内の量がはかりとれるように目
盛が付いたもの。
Mohr pipet
7113
メニスカス
管の中に入れた液体の表面がつくる湾曲した面。浮きばかりの
場合には,液体の表面が浮きばかりと接する部分に生じる湾曲
した面。
meniscus
29
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7114
目盛
ある線に沿って,量の大きさを示すために記された線又は点の
集まり。必要に応じて,そのうちの幾つかに数字及び記号を添
えたものがある。
scale
7115
毛細管,
キャピラリー
毛細管現象を起こすような細い管の総称。
capillary
7116
油浴
(ゆよく)
油を伝熱媒体とする浴。
oil bath
7117
容積
(容器の)
容器が受け入れることのできる体積。
capacity;
volume to contain
7118
よう素フラスコ
よう素滴定において,よう素の揮散による損失を防ぐため密栓
のできるすり合わせ付きフラスコ。
iodine flask
7119
溶存酸素計
水又は水溶液中の溶存酸素の濃度を測定する機器(JIS K 0803
参照)。
dissolved oxygen meter
7120
浴
特定の温度範囲に保つために使う伝熱媒体又は伝熱媒体を入
れる器具。
bath
7121
るつぼ
物質を入れて強熱するのに用いる耐熱性の容器。
crucible
7122
漏斗
液体の注入又はろ過に用いる器具。
funnel
7123
ろ過材
ろ過に用いられる材料。
filtering materials
7124
ろ紙
紙繊維で作った膜状ろ過材(JIS P 3801参照)。
filter paper
3.9
操作
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8001
アルカリ分解
試料及び分析種に応じた水酸化物,炭酸塩などのアルカリ溶液
を用いて分解する操作。
alkali digestion;
decomposition by alkali
8002
アルカリ融解
試料及び分析種に応じた水酸化物,炭酸塩又は過酸化アルカリ
塩と試料とを混合し,強熱して融解する操作。
alkali fusion
8003
イオン対抽出
水相中の目的イオンを目的イオンと反対の電荷をもつ疎水性
のイオンとを会合させ,有機相へ抽出する操作。
ion-pair extraction
8004
液液抽出
溶液にこれと混ざり合わない溶媒を加え,分離を目的とする成
分をキレート錯体,付加錯体,イオン対(番号1001)などに
して溶媒相に分離する操作。
liquid-liquid extraction
8005
遠心分離
遠心力を用いて密度の異なる液−液混合物又は固−液分散系
を分離する操作。
centrifugal separation;
centrifugation
8006
塩析
溶液に塩類を加えて,溶解していた物質の溶解度を下げて析出
させる操作。
salting out
8007
温浸
a) 温かい液で物質を浸出する操作。
b) 生成直後の微細な沈殿を適切な溶液中において温めなが
ら放置して,沈殿の熟成を行う操作。
digestion
8008
加圧分解
加圧下で試料を分解する操作。
decomposition under
pressure
8009
加圧ろ過
対象とする液体に圧力を加えてろ過する操作。
filtration under pressure
8010
乾燥
気体,液体又は固体の試料中の水分を,使用目的に適合するま
で除去する操作。
drying
8011
還流
液体を加熱して生じた気体を冷却し,凝縮させて液体とし,こ
の気化と液化とを連続的に行う操作。
reflux
8012
希釈
分析種を含む溶液又はガスを目的に応じて適切な濃度に薄め
る操作。
dilution
8013
気泡分離
泡の気液界面における吸着現象を利用する分離方法。
flotation
30
K 0211:2013
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
8014
逆抽出
一つの溶媒相から他の溶媒に抽出した溶質成分を,条件を変え
て再び元と同じ種類の溶媒相に抽出する操作。
back extraction
8015
共沈分離
共沈によって微量の元素の分離濃縮を行う操作。
separation by
coprecipitation
8016
強度比法
一定濃度の内標準物質を含み,分析種(番号 1084)について
段階的な濃度の複数の標準系列を調製した後,内標準物質に対
する分析対象成分の測定強度比とそのときの濃度との関係線
を作成し,未知試料を同様に処理して得られた測定強度比から
分析種を定量する方法。
−
8017
共沸蒸留
共沸混合物を作る溶媒を加えて試料を精製又は分離するため
に行う蒸留操作。
azeotropic distillation
8018
クリーンアップ
目的成分を分析可能となる程度まで分析試料中の妨害成分を
低減化する操作。
clean-up
8019
検量線法
既知の濃度の標準物質を用いて分析種(番号1084)の濃度と
測定強度との関係線を作成し,未知試料を同様に処理して得ら
れた測定強度から試料中の分析種を定量する方法。
calibration curve method;
working curve method
8020
減圧乾燥
大気圧以下の低い圧力下において物質を乾燥する操作。
drying under reduced
pressure
8021
減圧蒸留
大気圧以下の低い圧力下において行う蒸留操作。真空蒸留とも
いう。
distillation under
reduced pressure
8022
減圧ろ過
ろ液を受ける容器の内部を減圧し,ろ過する操作。
filtration under reduced
pressure
8023
光電測光法
光電子増倍管又は半導体検出器などを用いて,スペクトルの線
強度の測定を行う方法。
photoelectric photometry
8024
向流抽出
試料溶液と溶媒とを反対方向に流しながら移動接触させて,目
的成分を抽出する操作。向流分配ともいう。
countercurrent extraction
8025
向流分配法
2種類の互いに混ざり合わない溶媒に対する分配係数(番号
4347)の差を利用し,不連続的に抽出分離操作を繰り返して混
合成分を分離する方法。
discontinuous
countercurrent
distribution method
8026
固相抽出
充塡剤などを入れた固相カラムに試料を通過させ,試料成分の
単離,精製,濃縮,抽出などを行う操作。
solid phase extraction;
SPE
8027
写真測光法
(発光分光分
析法の)
分光器で分散されたスペクトルを写真感光材料に露光させ,ス
ペクトル写真を得る方法。
photographic
spectrometry (of
atomic emission
spectrometry)
8028
再結晶
適切な溶媒に溶かし,又はその他の方法を用いて結晶させるこ
とを繰り返して,物質を精製し,又は結晶形をそろえる操作。
recrystallization
8029
再沈殿
沈殿を一度溶解させた後,再び沈殿させる操作。
reprecipitation
8030
酸素フラスコ燃
焼
酸素を満たしたフラスコ中において,有機物試料を燃焼分解す
る操作。
oxygen combustion
flask method
8031
酸分解
試料及び分析種に応じた酸を用いて分解する操作。
acid digestion;
decomposition by acid
8032
終点補正
(滴定の)
終点(番号4327)と当量点(番号3383)との差の補正。
end point correction
8033
酸性塩融解
試料及び分析種に応じた二硫酸塩又は硫酸水素塩と試料とを
混合し,強熱して融解する操作。
acid salt fusion
8034
重液分離
混合固体粒子を,それらの中間の密度をもつ重液を用いて密度
差を利用して分離する操作。
heavy liquid separation
31
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8035
熟成
物質を適切な条件下に長時間放置して,目的に合うようにその
性質を徐々に変化させる操作。
aging;
ripening
8036
蒸発乾固
溶液又は液体を含む物質から液体,気体などを蒸発させて,不
揮発分を残す操作。
evaporation to dryness
8037
蒸留
液体を熱し,出てくる蒸気を冷却して再び液体としてとり分け
る操作。
distillation
8038
除たん白
試料からたんぱく質を除去する操作。
deproteinization
8039
浸出
試料に溶媒を加えて可溶成分を溶液として取り出す操作。
leaching;
lixiviation
8040
水蒸気蒸留
試料溶液に水蒸気を吹き込んで,物質を留出させる操作。
steam distillation
8041
水素化物発生法
試料溶液中の分析種(例えば,ひ素,セレン,アンチモンなど
の化合物)をフレーム,プラズマ又は吸収セルに導入し,分析
するために,還元して水素化合物とする方法。
hydride generation
method
8042
スクリーニング
ある特性の性質をもった物質又は生物個体を集団の中から選
別する操作。
screening
8043
洗液
洗ったときに出てくる液。
washings
8044
染色
(ゲル電気泳
動の)
電気泳動後のゲルの分画たんぱく質検出,又は定量のために,
色素,酵素,蛍光抗体,金属などを利用して着色する操作。
staining
8045
相分離
均一溶液又は固溶体の溶解度を温度変化などによって低下さ
せて,複数の液相又は固相に分離する操作。
phase separation
8046
抽出
媒体に対する溶解度又は吸着性の差を用いて試料中の目的成
分を取り出す操作。
extraction
8047
調整
分析装置などを所定の基準に合わせて適切な状態に整える操
作。
adjustment
8048
調節
分析装置の各種パラメーターのバランスを合わせる操作。
キャリアガスなどの流量又は圧力の設定,カラム・分光器・ホ
ットプレートなどの温度,特定な測定波長,溶液のpH,プラ
ズマトーチ,原子吸光のバーナー高さなどを適切な状態にする
操作。
control
8049
沈殿分離
試料中の目的成分を沈殿させて分離する操作。
separation by
precipitation
8050
超臨界流体抽出
超臨界流体を用いて抽出する操作。
supercritical fluid
extraction
8051
呈色
分析種(番号1084)に応じて特定の試薬を加えて発色又は変
色させる操作。
coloration
8052
デカンテーショ
ン
容器中に上澄み液及び沈殿が共存するときに,容器を傾けて上
澄み液を流出させ,沈殿を分離する操作。
decantation
8053
滴加
1滴又は1滴ずつ加える操作。
dropping;
dripping
8054
滴定
試料溶液に含まれる分析種に対し,これと反応する試薬(滴定
剤という。)として,濃度既知の標準液(番号6018)を用いる
か又は滴定剤を電気化学的に発生させて,化学量論的な反応終
点までに要した標準液の量,又は電気量から分析種を定量する
操作。
titration
8055
デマスキング
マスキングの作用を除く操作。
demasking
32
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8056
透析
a) 半透膜を使って低分子物質を膜の外に出すことによって,
コロイド,高分子溶液などを精製する操作。
b) 半透膜を用いて浸透圧以上の圧力を加えて溶媒と溶質と
を分離し,溶質の濃度を高める操作。逆浸透ともいう。
dialysis;
reverse osmosis
8057
内標準法
特性が正確に知られている化学種(番号1084)を試料に加え
てこれを標準として分析種(番号1009)を定量する方法。
注記 内標準法において,試料に加える物性が正確に知られた
化学物質を内標準物質という。
internal standard method
8058
燃焼分解
試料及び分析種に応じて,磁器製,石英ガラス製,白金製,ア
ルミナ製などの容器に試料を入れ,加熱分解する操作。
decomposition by
combustion
8059
濃縮
溶媒又は共存物質を減らして,分析種の濃度を高くする操作。 concentration
8060
パージトラップ
法
液体又は固体試料中の揮発成分を,不活性ガス中に移動させ,
トラップ管に導いて捕集,濃縮する方法。
purge and trap method
8061
半減期補正
(放射能標準
物質認証値の)
製作してから用いるまで時間が経過した放射能標準物質中の
放射性核種の認証された放射能又は放射能濃度を補正する操
作。
half-life correction
8062
PCR法
DNAポリメラーゼを用いてDNA鎖の特定の部位を繰り返し複
製する増幅法。
polymerase chain
reaction method
8063
標準添加法
分取した試料溶液のそれぞれに異なる量の標準液を加えて測
定を行い,加えた標準液の量と測定結果の指示値との関係線を
作成し,濃度軸の切片から試料溶液の濃度を求める方法。
standard addition method
8064
標定
溶液中の分析種の濃度を確定する操作。
standardization
8065
風乾
大気中に放置して固体試料を乾燥する操作。
air drying
8066
浮選
泡まつに分析種を選択的に付着させて,分離する方法。
flotation
8067
振り混ぜ
2種以上の物質をなるべく均一にするために,容器ごと振って
混ぜる操作。
shaking
8068
分取
a) 試料の一部分を一定の割合で正確に分ける操作。
b) クロマトグラフィーにおいて分画(番号2021)を採取する
手法を示す接頭語。
aliquot;
fractional
8069
分別蒸留,
分留
物質の沸点の差を利用して蒸留の温度をある範囲内に区切っ
て蒸留し,留出物を分ける操作。
fractional distillation
8070
分離
目的とする物質とそれ以外の物質とを分ける操作。
separation
8071
ヘッドスペース
法
固体試料又は液体試料を密栓ガラス製容器に入れ,一定温度で
一定時間加熱・保温して平衡状態とした後,気相部分(ヘッド
スペースという。)の一部を採取し,分析する方法。
head space method
8072
放冷
溶液などの温度が室温に下がるまで実験台などに静置してお
く操作。
cool down
8073
ホモジナイズ
相互溶解しない試料を破砕,分散させて均一にする操作。
homogenize
8074
マイクロ波加熱
分解
耐圧容器に試料と分解試薬とを入れ,マイクロ波を照射して加
熱する分解方法。
microwave digestion
8075
マスキング
錯形成反応,酸化還元反応などを用いて妨害成分の影響をなく
する操作。
masking
8076
無機質化
有機化合物又は有機化合物を含む試料を無機化合物に分解す
る操作。鉱化又は灰化ともいう。
mineralization
8077
滅菌
微生物,特に細菌,カビ類を殺菌し,消滅して無菌状態を作る
操作。
sterilization
8078
融解
不溶性物質と融剤とを共に強熱して,可溶性物質に変える操
作。例えば,融剤として炭酸塩を用いる場合は,炭酸塩融解と
いう。
fusion
33
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8079
誘導体化
分析種を分離,検出などに適した物質に変換する操作。
derivatization
8080
溶媒抽出
溶媒を用いて,試料中の目的成分を抽出する操作。
solvent extraction
8081
溶融
単一物質又は混合物の固体を加熱してと(融)かす操作。
melting
8082
溶離
固定相に保持された物質を脱離させる操作。
elution
8083
ラベル化,
標識化
a) 成分構成元素をその元素の同位体(番号1067)によって置
き換える操作。
b) 特定成分と反応させて当該成分をモル吸光係数の異なる
他の物質に変換する操作。
labeling
8084
冷却
温度の高い溶液,蒸気などに対し,水,氷水,冷えた空気など
の熱媒体で強制的に温度を下げる操作。
cool by refrigerant;
refrigeration
8085
冷浸
室温において浸出する操作。
maceration
8086
レーザーアブレ
ーション
レーザー光を試料表面に照射して構成物質を蒸発させる操作。 laser ablation
8087
ろ液
ろ過されて出てくる液。
filtrate
8088
ろ過
固体と流動体とを分離するために,多孔性物質を用いて流動体
だけを通過させる操作。
filtration
3.10 測定の信頼性
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9001
一次参照測定手
順,
一次参照手順
同じ種類の量の測定標準に関係することなく測定結果を得る
ために用いる参照測定手順。
primary reference
measurement
procedure;
primary reference
procedure
9002
一次標準
最高の計量性能をもち,同一の量の他の標準への参照なしに,
その値が特定の範囲内において受容される,又は広く認められ
た標準。
primary standard
9003
疑わしい値
同一条件下において得た一組の測定値の中で,外れ値かどうか
を判定する前段の値。
suspected value
9004
SI基本単位
国際単位系(SI)の基礎を構成し基本となる七つの単位。
SI base units
9005
重み付き平均
[値]
観測値に付随する負の値とならない重みと観測値の積を総和
したものを,重みの総和で割った値。ただし,重みの総和は正
であるものとする(JIS Z 8101-1参照)。
arithmetic weighte mean
9006
回帰分析
相互に関係のある二つの特性値について,一つの特性値から別
の特性値を予測する数式を求める手法。その典型的な方法に最
小二乗法がある。
regression analysis
9007
拡張不確かさ
合成標準不確かさに包含係数を乗じて高い信頼水準をもつよ
うにした不確かさ。Uで表す。
expanded uncertainty
9008
かたより
平均値(測定値の母平均)から真の値を引いた値。
bias
9009
頑健性,
ロバストネス
分析条件が変化したときに測定結果が影響されない性能。
robustness
9010
棄却
疑わしい値について,統計的な検定の結果,外れ値と判定して
そのデータをす(棄)てる行為。
rejection
9011
危険率,
有意水準
検定において,仮説を棄却したときに犯す過誤の確率。
significance level
9012
器差
a) 測定器の示す値から真の値を引いた値。
b) 標準器の公称値から真の値を引いた値。
instrumental error
34
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9013
許容差
a) 基準にとった値と,それに対して許容される限界の値との
差。
b) ばらつきが許容される限界の値。
limit deviation;
tolerance
9014
偶然誤差
再現不能で,補正できない誤差。
random error
9015
く(矩)形分布,
一様分布
連続分布であれば,その確率が有限区間[a, b]で一定の値,区間
外で0となる分布(JIS Z 8101-1参照)。
rectangular distribution;
uniform distribution
9016
繰返し性,
併行精度
次の全ての条件どおりに行われた,同一の測定量の連続する測
定における結果間の一致の程度。
− 同一の測定手順
− 同一の測定者
− 同一の条件下で用いられた同一の測定装置
− 同一の場所
− 短時間内での繰返し。
repeatability
9017
系統誤差
再現可能で何らかの手段によって補正できるような誤差。
systematic error
9018
計量計測トレー
サビリティ,
計測トレーサビ
リティ,
計量トレーサビ
リティ
個々の校正[計測器の(番号1027)]が測定不確かさに寄与す
る,文書化された切れ目のない校正の連鎖を通して,測定結果
を計量参照に関連付けることができる測定結果の性質。
metrological traceability
9019
計量参照
測定単位,測定手順,標準物質又はこれらのいずれかの組合せ。 reference
9020
欠測値
予定された一連の測定において,何らかの要因によって得られ
なかった値。
missing value
9021
公差
a) 計量器などの検定の際に許される誤差。
b) 規定された最大値と最小値との差。
tolerance
9022
公称値,
呼び値
測定器又は測定システムを適切に用いるための手引となる,測
定器又は測定システムを特徴付ける量の丸め値又は近似値。
nominal value
9023
合成標準不確か
さ
標準不確かさを不確かさの伝ぱ則に従って合成したもの。ucで
表す。
combined standard
uncertainty
9024
国際単位系,
SI
メートル条約における国際的定義に基づく単位系。
注記 国際単位系は,SI基本単位(七つの基本単位及び組立単
位)とSI接頭語とで構成されている。
International System of
Units;
SI
9025
誤差
測定値から真の値を引いた差。
error
9026
個人誤差
測定者の個人差によって生じる誤差。
personal error
9027
再現性
次の諸条件を変えて測定を行ったときの,同一の測定量の測定
結果間の一致の程度。
− 測定の原理又は方法
− 測定者
− 測定装置
− 場所
− 使用条件
− 時間
reproducibility
9028
最小二乗法
回帰分析の一つのやり方で,測定値の組に関数を当てはめる際
に,残差二乗和が最小になるように関数を決定する方法。
least squares method
9029
参考値
認証書において,認証値以外に与えられている特性値。
indicative value
9030
参照測定手順
同じ種類の量に対する他の測定手順によって測定された量の
値の測定の真度を評価する場合,校正(番号1027)する場合,
又は標準物質を値付けする場合に,それらの意図した使用に合
致した測定結果を提供するものとして容認された測定手順。
reference measurement
procedure
9031
参照値
比較のために容認された基準として役立つ値。
reference value
35
K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
9032
システム適合性
試験
ある分析システム(試薬,装置,器具類)がその分析対象の存
在状態又は性状に応じ,目的に適合している度合いを確かめる
総合的な試験。
test of an analytical
system on the
adaptability for object
9033
室間再現性
異なる室間において測定する場合の精度。例えば,分析方法の
標準化のために共同研究で評価する場合がある。
reproducibility between
different laboratories
9034
室内再現性
同一室内において試験日,実施者,器具,機器などを変えて測
定する場合の精度。
reproducibility within
same laboratory
9035
終点誤差
当量点と実際の滴定終点との差。
end-point error
9036
自由度
変数の中で独立に選択できる変数の数。全変数の中で,変数と
変数との間に成り立つ関数式(制約条件)の個数を引いた数は
自由に決めることが可能な数になるので,自由度という。統計
解析では,統計量に応じて自由度が定義される。例えば,ラン
ダムサンプリング(x1,x2…xn)の分散を求めるとき,サンプ
ルの平均値は制約されていると考え,自由度はサンプル数−1
(n−1)となる。
degree of freedom
9037
真度
試験値と採択された参照値との一致の程度。
trueness
9038
真の値
ある特定の量の定義と合致する値。
注記1 特別な場合を除いて観念的な値で,実際には求められ
ないので,真の値とみなし得る値を用いることがあ
る。
注記2 標準器の真の値とは,標準器が現実にもつ値をいう。
true value
9039
信頼区間
ある水準での信頼性を示す区間。
confidence interval
9040
信頼限界
信頼できる限界で許容できる不確かさの限界。
confidence limits
9041
信頼水準
信頼区間(又は不確かさの範囲)と関連する確率の値。
level of confidence
9042
信頼性
(測定値の)
機器,方法又はそれらの要素が,規定の条件の範囲内において
規定の機能及び性能を保持する性質又は度合い。
reliability
9043
精確さ
真度(trueness)と精度(precision)とを含めた総合的な良さ。 accuracy
9044
正規分布
確率密度関数が
()
−
−
=
2
2
1
exp
π
2
1
σ
μ
σ
x
x
f
−∞<x<∞
で得られる連続変数の分布。ガウス分布(Gaussian distribution)
ともいう。
ここではμはxの平均,σは標準偏差。
注記 測定結果を統計的に扱う場合,その分布は正規分布に従
うと仮定することが多い。これはよく管理された状態で
得られる測定では,独立した数多くの要因が測定結果に
影響を及ぼすと思われ,中心極限定理によって,得られ
る測定結果の分布が正規分布に近づくと考えられるた
めである。
normal distribution
9045
精度
測定値におけるばらつきの程度。例えば,標準偏差によって表
す。
注記 JIS Z 8103では,ばらつきの小さい程度を精密さ
(precision)といい,正確さ(trueness)と精密さとを含
めた総合的な良さを精度(accuracy)としているが,こ
の規格では上記のとおり規定した。
precision
9046
相対標準偏差
測定値の標準偏差(分散の平方根の絶対値)を平均値によって
除した値。
relative standard
deviation;
RSD
36
K 0211:2013
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
9047
測定対象量
測定を意図した量。
measurand
9048
測定単位
二つの量の比を数として表現するために,取決めによって定義
し,採用する,他のいかなる同じ種類の量とも比較できる実数
スカラー量。
measurement unit
9049
測定手順
ある測定モデルに基づいた,測定結果を得るための計算を含む
一つ以上の測定原理及び所定の測定法に従った測定の詳細な
記述。
measurement procedure
9050
測定不確かさ
用いる情報に基づいて,測定対象量に帰属する量の値のばらつ
きを特徴付ける負ではないパラメーター。
measurement uncertainty
9051
妥当性
測定したい対象を必要な程度に正確に測定しているかどうか
の度合い。
validity
9052
中央値
測定値を大きさの順に並べたとき,ちょうどその中央に当たる
一つの値(測定値の数が奇数個の場合),又は中央の二つの値
の算術平均(測定値の数が偶数個の場合)。x~で表す。
median
9053
直線性
(検量線の)
入力信号と出力信号との間の直線関係からのずれの小さい程
度。
linearity
9054
トレーサビリティ 不確かさが全て表記された切れ目のない比較の連鎖を通じて,
通常は,国家標準又は国際標準である決められた標準に関連付
けられ得る測定結果又は標準の値の性質。
metrological traceability;
traceability
9055
二次標準
同一の量の一次標準との比較によって値が付与された標準。
secondary standard
9056
認証書
一つ以上の特性値及びその不確かさが記載され,それらの妥当
性及びトレーサビリティを確保するために必要な手順が行わ
れていることを確証している認証標準物質に付いている文書。
certificate
9057
認証値
標準物質の特性又は組成などの特性値を認証機関が必要な不
確かさで確定し,文書によって証明している値。
certified value
9058
外れ値
同一条件下で得た一組の測定値の中で,同一母集団に属するも
のではないと判定された値。
注記 判定する前の値は,疑わしい値(suspected value)という。
outlier
9059
ばらつき
大きさがそろっていない測定値の状態。
注記 例えば,ばらつきの大きさを表すには,標準偏差を用い
る。
dispersion
9060
バリデーション,
妥当性確認
妥当性を総合的に検討・評価する行為。
注記 分析方法に関しては分析方法の妥当性を検討するため
に,真度,精度などのパラメーターの評価が必要となる。
validation
(method validation)
9061
範囲
(測定値の)
測定値の最大値と最小値との差。Rで表す。
range of observations
9062
標準器
ある単位で表された量の大きさを具体的に表す装置,器具。測
定の基準として用いる。
etalon
9063
標準不確かさ
標準偏差で表される,測定の結果の不確かさ。
standard uncertainty
9064
標準偏差,
実験標準偏差
分散の平方根の絶対値。実験で求めた場合は実験標準偏差とも
いう。
standard deviation;
experimental standard
deviation
9065
品質管理
製品,サービスなどの品質に関する目標を満たしていることを
検証し,維持,改善を実施する行為。
quality control
9066
品質保証
要求される品質の要件を満たす製品,サービスなどを供給する
仕組みにおいて,その質を維持し保証する行為。
quality assurance
9067
不確かさ
測定の結果に付随した,合理的に測定量に結びつけられる値の
ばらつきを特徴付けるパラメーター。
uncertainty
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
9068
不確かさの伝ぱ
則
測定量を与える入力量に関する関係式と各入力量に関する標
準不確かさなどから測定量の合成標準不確かさを求める法則。
law of propagation of
uncertainty
9069
不確かさバジェ
ット
測定不確かさ,その測定不確かさの成分,並びに,それらの計
算及び合成に関する表明。
uncertainty budget
9070
分散
個々の測定値(x1,x2…xn)について,平均値xからの偏差の二
乗和を自由度で除したもの。
(
)
∑
=
−
−
=
n
i
i
x
x
n
V
1
2
1
1
として求める。
注記 母集団分布の分散のかたよりのない推定値であるため,
不偏分散ともいう。
variance
9071
分散分析
測定値全体の変動を,幾つかの要因に対応する変動成分とその
残りの変動成分とに分けて行う検定又は推定。
analysis of variance
9072
分析誤差
化学分析操作に伴って生じる誤差。分析機器,手順,分析方法
に起因するかたより(系統誤差),及び環境因子の変動に起因
するばらつき(偶然誤差)を含む。
analytical error;
analysis error
9073
平均値
相加平均された値。
average;
mean value
9074
偏差
測定値からその期待値(通常は平均値)を引いた差。
deviation
9075
変動
個々の測定値(x1,x2…xn)について,平均値xからの偏差の二
乗和。
(
)
∑
=
−
=
n
i
i
x
x
S
1
2として求める。
variation
9076
変動係数
標準偏差を平均値で除した値。通常,百分率で表す。変動係数
はばらつきを相対的に表すもので,通常,変量のとる値が決し
て負にならない場合に用いる。相対標準偏差を用いることが望
ましい。
coefficient of variation;
CV
9077
包含係数
拡張不確かさを得るために合成標準不確かさに乗ずる係数。通
常は2〜3の値。
coverage factor
9078
まちがい
(測定の)
測定者が気付かずに犯した誤り,又はその結果,求められた測
定値。
mistake
9079
マトリックス効
果
分析によって得られる信号などが,共存するマトリックス(番
号1092)の影響を受けて変化する効果。
matrix effect
9080
メソッドバリデ
ーション
分析方法の妥当性を検討するために,真度,精度などのパラメ
ーターについて行う評価。
method validation
9081
有効自由度
ある目的の量が複数の量の関数として与えられる場合に,それ
らの複数の量の各自由度から見積もった目的の量の実効的な
自由度。
effective degree of
freedom
9082
有効数字
測定結果などを表す数字のうちで,位取りを示すだけのゼロを
除いた意味のある数字。
significant figures
9083
量
数値と計量参照との組合せとして表すことができる大きさを
もつ,現象,物体又は物質の性質。
quantity
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K 0211:2013
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献 JIS H 6202 化学分析用白金皿
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0101 工業用水試験方法
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 0122 イオン電極測定方法通則
JIS K 0212 分析化学用語(光学部門)
JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)
JIS K 0311 排ガス中のダイオキシン類の測定方法
JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水
JIS K 0801 濁度自動計測器
JIS K 0803 溶存酸素自動計測器
JIS K 0804 検知管式ガス測定器(測長形)
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬)
JIS K 9071 リトマス紙(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS Z 8101-1 統計−用語と記号−第1部:確率及び一般統計用語
JIS Z 8103 計測用語
JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語
JIS Z 8705 ガラス製温度計による温度測定方法
JIS Z 8802 pH測定方法
JIS Z 8805 pH測定用ガラス電極
JIS Z 8809 粘度計校正用標準液
JIS Z 8901 試験用粉体及び試験用粒子
VIM,International Vocabulary of Basic and General Terms in Metrology:計量における基本・一般
国際用語集