K 0190:2010
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 装置······························································································································· 2
5 同定の手順 ······················································································································ 2
5.1 一般 ···························································································································· 2
5.2 分析条件の設定 ············································································································· 3
5.3 X線スペクトルの解析法·································································································· 3
5.4 検出限界 ······················································································································ 5
6 試験報告書 ······················································································································ 5
附属書A(参考)EPMAによるステンレス鋼の定性分析に関する試験報告書の例 ····························· 7
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 9
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標
準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業
大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格 JIS
K 0190:2010
マイクロビーム分析−電子プローブマイクロ分析−
波長分散X線分光法による点分析における
定性分析のための指針
Microbeam analysis-Electron probe microanalysis-
Guidelines for qualitative point analysis by wavelength
dispersive X-ray spectrometry
序文
この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 17470を基に,参考事項の一部を本文に追加するな
ど,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,電子プローブマイクロアナライザ又は走査電子顕微鏡に装着した,波長分散X線分光器(以
下,装置という。)を用いて取得したX線スペクトルを解析することによって,試料の数μm3程度の体積
中にある元素の同定及び特定元素の存在の有無を判定するための指針を示す。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 17470:2004,Microbeam analysis−Electron probe microanalysis−Guidelines for qualitative point
analysis by wavelength dispersive X-ray spectrometry(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。
ISO 14594:2003,Microbeam analysis−Electron probe microanalysis−Guidelines for the determination of
experimental parameters for wavelength dispersive spectroscopy
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2
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3.1
高次回折(higher order reflections)
n=2,3,4…に対応する回折角に現れるピーク。
注記 波長分散X線分光法においては,X線はBraggの法則である,nλ=2dsinθ によって分光する。
ここに,λ:X線の波長,d:分光素子の格子面間隔,θ:回折角及びnは整数。
3.2
点分析(point analysis)
細く絞った電子線を,試料表面に静止して照射することによって行う分析。
注記 照射電子線が試料表面の狭い範囲を高速走査する方法を含む。この際,照射範囲を広げていく
と,周辺部で回折条件を満たさなくなってX線強度が低下し始めるので,照射範囲をこの大き
さ以下に設定することが望ましい。
3.3
X線波長表(X-ray line table)
電子プローブマイクロ分析(以下,EPMAという。)による定性分析のためのX線波長表。
注記 EPMAによる定性分析のためのX線波長表は,分光素子ごとに観測される元素のK線,L線及
びM線の波長を一覧表にしたものである。この表にはK線,L線及びM線の相対強度,各ピ
ークの半値幅(full width at half maximum以下,略してFWHMという。),分光素子の格子面間
隔及びサテライトピークの波長を含めてもよい。
4
装置
装置が適切に調整されていることを確認しなければならない。特に重要な確認事項は,次による。
a) 照射電子線が安定し,レンズ及び絞りの光学軸に沿って正しく通過している。
b) 照射電子線の電流及び加速電圧が試料に適したものである。
c) 試料表面を定性分析用として適切に前処理する。
d) ワーキングディスタンスを正しく設定する。
e) X線分光器の分光素子及び計数器を,適切な強度とスペクトル形状とが得られるように調整し,校正
する。
注記1 ピークの波長,相対ピーク高さ,波長分解能,FWHMなどのパラメータが装置間又は試料間
でわずかでも変動する場合がある。これについては,適切なX線波長表及び適切な機関の標
準物質からのデータとの比較を定期的に行うことで修正できる。
注記2 試料表面が平たん(坦)でない,研磨されていない,ビームに対して垂直でないなどの場合
には,X線取出し角が設定値と異なる値をもつことになる。また,この種の試料を正しく分
析するためには装置の性能を把握しておくことが重要になる。
5
同定の手順
5.1
一般
試料表面の分析点に電子線を照射し,指定した波長範囲にわたって装置を走査することによってX線ス
ペクトルを得る。このX線スペクトル中の各ピークを同定することによって定性分析を行う。同定したピ
ークが,他の元素に由来するピークと重なり合っていないことを確認しておかなければならない。試料中
の他の元素,通常,高い濃度の元素からの高次回折の可能性について特に注意が必要である。
3
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5.2
分析条件の設定
5.2.1
照射電子線
照射電子線の加速電圧を,分析元素のX線臨界励起電圧以上に設定しなければならない。また,試料の
損傷及び汚染並びにX線検出器の数え落としを低減するように設定することが望ましい。
注記 内殻イオン化断面積は,オーバーボルテージレシオが2.7に等しいときに最大値を示す。照射
電子のエネルギー損失を考慮に入れると,2.7よりも少し大きなオーバーボルテージレシオのと
ころで励起効率が最大となる。しかし,ナトリウム(Na)以下の軽元素のX線及び他の元素か
らの低いエネルギーのX線(低エネルギーのL線及びM線)の場合には,表面層での吸収が
最適のオーバーボルテージレシオに著しく影響を与え,その値は2.7よりもかなり高くなる。
照射電子線の加速電圧を増加させると,発生する特性X線の強度は大きくなる。しかし,X線の発生深
さも深くなるので,X線が試料外に出るまでの吸収も増え,検出されるX線の強度は必ずしも比例的に大
きくはならない。X線の吸収が特に大きいナトリウム以下の軽元素を分析する場合には,X線の発生深さ
を浅くして吸収効果が小さくなるように15 kV以下の加速電圧に設定することが望ましい。薄膜試料及び
粉体試料の場合には,照射電子線の加速電圧はISO 14594:2003を参照して決定する。
照射電子線の電流量を,試料損傷,試料汚染及びX線検出器の数え落としを低減するように設定するこ
とが望ましい。
5.2.2
装置
5.2.2.1
分光素子の選択
分光素子を,目的とする元素が検出できるような,ピーク対バックグラウンド比及び波長分解能をもち,
かつ,試料中の他の元素のピークによる妨害を最小にできるように選択する。ただし,これらのパラメー
タのすべてを同時に適正化できるとは限らないので,分析者は要求する分析の仕様に最も適合する分光素
子を選択しなければならない。
5.2.2.2
走査速度
走査速度は,検出する元素が期待されるX線強度で検出できるように設定しなければならない。
デジタルに走査する装置の走査速度は,走査範囲,ステップ数及び1ステップ当たりのサンプリング時
間で決まる。検出ピークの形状及び高さを十分に分解するには,ステップ数は多く,ステップの長さは短
く設定することが望ましい。実際上,測定ピークは少なくとも5個のデータ点を含んでいることが望まし
い。また, 分析元素からのピーク強度がバックグラウンドと同じくらいに弱いときには,遅い走査速度を
用いることが望ましい。
5.2.2.3
波高分析器
ある元素のピークに他の構成元素からの高次回折のピークが重なるときには,この元素の存在について
不確かさが生じる。このような場合に,波高分析器の弁別機能は高次回折線の重畳を抑制するのに有効と
なる。対象としている元素からのピーク強度の不必要な低下を避けるために,弁別窓幅とベースラインレ
ベルとを適切に設定しなければならない。分析者は,適切な標準物質を分析し,波高弁別のある場合とな
い場合とのピーク高さ及び形状を比較することによって,信号の透過度が適切であることを確認しておか
なければならない。
5.3
X線スペクトルの解析法
5.3.1
ピークの認識
ピークはその幅及び高さを検証することによって認識する。スペクトルにおいてそのピークのFWHM
はX線波長表中の同じピークのFWHMか,又は標準試料で測定された同じピークのFWHMにほぼ等しく
4
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なくてはならない。より幅の狭いピークはスパイクノイズの場合があり,通常は無視することができる。
ピーク高さは,信号強度とバックグラウンド強度との差によって決定する。バックグラウンド強度はISO
14594:2003の6.3.3によって決定する。
注記 ピーク強度がバックグラウンド強度にほぼ等しい場合には,ピークであると認識する確率を,
次に示す。
B
B
P
2N
N
N
>
−
のとき,信頼水準は97.7 %
B
B
P
3N
N
N
>
−
のとき,信頼水準は99.9 %
ここに,
P
N: ピーク強度(X線カウント数)
B
N: ピークの近傍における平均バックグラウンド強度(X線
カウント数)
B
N: ピーク近傍におけるバックグラウンド強度の標準偏差
この式の考え方は,X線カウント数はポアソン分布をとるので,バックグラウンドのX線カ
ウント数の標準偏差は
B
Nとなる。したがって,疑わしいピークの高さが
B
B
2N
N+
又は
B
B
3N
N+
より大きければ,それぞれ97.7 %又は99.9 %の確率でそのピークがバックグラウン
ドから由来したものではないといえる。
5.3.2
検出ピークの同定
得られたX線スペクトルを解析する際には,信頼でき,かつ,出典をたどれるX線波長表(参考文献[1]
参照)又は標準試料から得られたスペクトルを用いなければならない。
波長又はエネルギーの単位は,ナノメートル(nm)又はキロエレクトロンボルト(keV)を用いる。オ
ングストローム(Å)の使用は避けることが望ましい。
最初は,最も強度の高いピークの同定から始める。それらは試料中の主構成元素の1次ピークである。
スペクトル中の小さなピークが,これら主構成元素の別の特性X線と一致しているかどうか,X線波長表
を使って確認するとよい。できれば,他の分光素子から得られたすべてのピークの位置,相対強度及び
FWHMがX線波長表の値と一致していることを確認する。測定ピークがX線波長表の値と一致しない場
合には,他の元素に由来するピークであることの証拠を探すことが望ましい(参考文献[2]参照)。
次に,2番目の大きな未同定のピークから,スペクトル中に存在するすべてのピークにこの同定手順を
繰り返す。複数のピークによる確認は次第に困難になり,低濃度及び微量成分になると一つのピークしか
存在しない場合もある。同定できなかったピークは,すべて試験報告書に記載することが望ましい。
注記1 試料内での吸収効果,蛍光励起効果及び化学結合効果によって,ピークの高さ及び強度比が
変化することがあり,また,低エネルギー領域において, ピークの位置がX線波長表の値か
ら変位することがある。
注記2 測定ピークの波長が外殻電子の遷移に起因する場合には,X線波長表の値と正確に一致しな
い場合がある。この波長及びスペクトル形状の不一致は,その元素の化学結合状態に関する
情報を与えている場合がある。
注記3 試料の前処理工程で,試料に“汚染”元素が付加される可能性がある。例えば,研磨材及び
研削材が柔らかい物質又は多孔質物質の表面に取り込まれる場合がある。また,試料表面に
導電性の薄い膜を真空蒸着することが必要な場合もある。
5
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5.4
検出限界
ある元素が,ある試料の定性分析において検出されなかったとしても,その元素がその試料中に存在し
ていないと結論することはできない。その元素の濃度がEPMAにおける検出限界以下であることを意味し
ているにすぎない。検出限界は,次の式によって計算する。
c
t
I
I
I
DL
'
−
=
)
(
)
2(
B
P
B
α
ここに,
DL: 検出限界(質量分率)
α: 信頼水準に依存した定数
c: 標準物質の濃度(質量分率)
IP: 標準物質におけるピーク強度(cps)
IB: 標準物質におけるバックグラウンド強度(cps)
I 'B: 試料におけるバックグラウンド強度(cps)
t: ピーク及びバックグラウンド測定の時間(s)
微量元素の濃度が検出限界に近付いてくると,試料物質におけるピーク強度をI 'Pとすると,I 'Pとバッ
クグラウンド強度I 'Bは互いにほぼ等しくなる。真のX線強度(I 'P−I 'B)の標準偏差は,(
)
'
'
I
I
B
P+
となる
ので,それは近似的に
'IB
2
とすることが可能である。また,微量元素の分析においてはX線強度と濃度
との間には直線関係が成り立つ。DLに関する近似式は,これらの条件下で導かれる。
注記1 実用上,次の近似式を用いてもよい。
c
t
I
I
I
DL
−
=
)
(
)
2(
B
P
B
α
注記2 この式は原子番号効果を含んではいない。
注記3 微量元素の濃度が検出限界以上であっても,ある確率で検出限界よりも低濃度と測定するこ
とがあるので,この式はその微量元素が存在しないと判定する場合がある。
注記4 微量元素の有無について間違った決定をする確率は,1−βである。βは信頼水準であり,α
が2又は3のとき,それぞれ0.954又は0.997である。
6
試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する(附属書Aを参照)。
a) 機関の名称及び住所
b) 依頼者の名称及び住所
c) 試験の実施日
d) 試験報告書の責任者の氏名,役職名及び署名
e) 試験結果
f)
使用装置の形式
g) 使用装置のX線取出し角
h) 照射電子線の加速電圧
i)
照射電流
j)
電子線の照射面積
試験報告書にはa)〜j)に加えて必要に応じ,次の事項を含んでいることが望ましい。
k) 波高分析器の使用の有無,設定したしきい値及びウィンドウ幅
6
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l)
X線分光器の走査速度
m) 検出元素名,検出した元素の同定に用いたX線の種類及び使用分光素子の名称
n) 検出元素のX線のピーク位置,ピーク強度及び分光素子(同じ元素に対して二つ以上のX線を検出し
た場合,より強度の強いX線について報告する。)
o) 検出元素のX線ピーク位置におけるバックグラウンド強度
p) X線スペクトル図(X軸及びY軸にその名称を表記したもの。)
q) 計数管の種類(ガスフロー形又は封入形)
r) 機関が校正した最新のスペクトル
s)
同定できなかったピーク
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附属書A
(参考)
EPMAによるステンレス鋼の定性分析に関する試験報告書の例
この附属書は,試験報告書の例を記載するものであって,規定の一部ではない。
A.1 試験報告書の例を,次に示す。
必要項目
項目
例
a) 機関の名称及び住所
b) 依頼者の名称及び住所
c) 試験の実施日
d) 試験報告書の責任者の氏名,役職名及び署名
e) 試験結果
同定元素:Fe, Mn, Cr, Ni, Mo, Ti, Si
f) 使用装置の形式
g) 使用装置のX線取出し角
52.5度
h) 照射電子線の加速電圧
15.0 kV
i)
照射電流
0.25 μA
j) 電子線の照射面積
100 μm2
追加項目
項目
例
k) 波高分析器の使用の有無,設定したしきい値
及びウィンドウ幅
波高分析器の使用なし。
積分モード,しきい値:0.5 V
l)
X線分光器の走査速度
m) 検出元素名,検出した元素の同定に用いたX
線の種類及び使用分光素子の名称
Fe: Kα (LiF),Kβ (LiF),Lα (TAP),Lβ (TAP),Mn: Kα (LiF),
Cr: Kα (LiF),Kβ (LiF),Ni:Kα (LiF),Kβ (LiF),Lα (TAP),
Mo:Lα (PET),Lβ (PET),Ti:Kα (PET),Si:Kα (PET)
n) 検出元素のX線のピーク位置,ピーク強度及
び分光素子(同じ元素に対して二つ以上のX
線を検出した場合,より強度の強いX線につ
いて報告)
o) 検出元素のX線ピーク位置におけるバックグ
ラウンド強度
元素
ピーク位置
nm
ピーク強度
counts
バックグラウンド
強度
counts
Fe (FeKα)
0.193 402
4 829
41
Mn (MnKα)
0.210 206
131
26
Cr (CrKα)
0.228 931
1 775
31.3
Ni (NiKα)
0.165 562
621
35.6
Mo (MoLα)
0.540 602
95
11
Ti (TiKα)
0.274 321
87
66
Si (SiKα)
0.712 904
76
4
未同定ピーク
p) X線スペクトル図(X軸及びY軸にその名称
を表記したもの。)
図A.1 参照
q) 計数管の種類(ガスフロー形又は封入形)
r) 機関が校正した最新のスペクトル
s) 同定できなかったピーク
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X:X線の波長(nm)
Y:X線強度(cps)
図A.1−X線スペクトル図
参考文献
[1] WHITE, E. W. and JOHNSON, Jr., G. G., X-ray emission and absorption wavelengths and two-theta
tables, second edition, ASTM Data Series DS 37A, 1970
[2] GOLDSTEIN J.I.et al., Scanning Electron Microscopy and X-ray Microanalysis, second edition, Plenum
Press, New York, 1992, ISBN 0-306-44175-6, p. 357
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS K 0190:2010 マイクロビーム分析−電子プローブマイクロ分析−波長分散X線分
光法による点分析における定性分析のための指針
ISO 17470:2004 Microbeam analysis−Electron probe microanalysis−Guidelines
for qualitative point analysis by wavelength dispersive X-ray spectrometry
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及
び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語及び
定義
−
3.3
ローランド円の定義
削除
ISO規格からこの箇条番号
を削除した。
ISO規格ではローランド円は,本
文中に記載されていたが,審議の
過程でそれを含む文章が削除され
た後もそのまま残ってしまった。
技術的差異はない。
−
−
4
EPMA
WDS
削除
ISO規格からこの箇条を削
除した。
JISでは本文中に最初にこの略語
が現れたときに,その日本語を示
し,以下この略語を用いることに
したため,この箇条は不要となっ
た。
4 装置
照射電子光学系の調整につ
いての規定
5
JISにほぼ同じ
変更
JISでは指示又は要求の規
定を表す表現形式に変更し
た。
ISO規格ではこの規格をガイドラ
インとしたため,規定の仕方が緩
い表現となっている(shouldによ
る規定)。
5.2.1 照射電
子線
加速電圧を分析元素のX線
臨界励起電圧以上に設定す
ることについての規定
6.2.1
JISにほぼ同じ
変更
同上
同上
6.2.1
X線発生量と加速電圧
の関係を示す式
削除
ISO規格からNOTE 2を削
除した。
ISO規格では,加速電圧を上げて
いくにつれてX線発生量が大きく
なることを説明する目的でこの式
を導入したが,この関係は直感的
にも理解できることで,必ずしも
必要ではない。技術的差異はない。
2
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0
1
9
0
:
2
0
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0
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規
格番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の
箇条ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号及
び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5.2.1 照射電
子線(続き)
6.2.1
JISにほぼ同じ
変更
JISでは指示又は要求の規
定を表す表現形式に変更し
た。
ISO規格ではこの規格をガイドラ
インとしたため,規定の仕方が緩
い表現になっている(shouldによ
る規定)。
5.2.2 装置
分光素子の選択,走査速度
及び波高分析器について規
定
6.2.2
5.3 X線スペ
クトルの解
析法
ピークの認識,検出ピーク
の同定について規定
6.3
6 試験報告
書
報告書に記載する項目につ
いての規定
7
JISにほぼ同じ
変更
同上
同上
7 t)及び
Annex t)
Any eventual.warning
削除
ISO規格からこの箇条番号
を削除した。
ISOではこの項目の追加のコメン
トをacceptして入れたが,JIS作成
時で入れなければならない項目で
はないとの意見が強く,削除した。
技術的差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 17470: 2004,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
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