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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

K 0092 : 1998 

排ガス中のメルカプタン分析方法 

Methods for determination of mercaptan in flue gas 

1. 適用範囲 この規格は,排ガス中のメルカプタン(チオール)を分析する方法について規定する。 

備考1. この規格において,排ガスとは,化学反応などにおいて,煙道,煙突,ダクトなどに排出さ

れるガスをいう。 

2. この規格の引用規格を付表1に示す。 

2. 共通事項 化学分析方法,排ガスの試料採取方法,吸光光度分析,及びガスクロマトグラフ分析に共

通する事項については,それぞれJIS K 0050,JIS K 0095,JIS K 0115及びJIS K 0114による。 

3. 分析方法の種類及び概要 分析方法の種類及び概要は表1のとおりとする。 

表1 分析方法の種類及び概要 

分析方法の種類 

分析方法の概要 

適用条件 

要旨 

試料採取 

定量範囲 

vol ppm 

ジメチルフェニレンジ

アミン吸光光度法 

試料ガス中のメルカプタンを吸収液に吸収さ

せたのち,N, N−ジメチル−p−フェニレンジ

アミンと塩化鉄 (III) の混合溶液を加えて発

色させ,吸光度 (505nm) を測定する。 

吸収瓶法 

吸収液;酢酸水銀 (II) 

溶液 

液量:20ml×2 

採取量 

10lのとき 

0.5〜10 

100lのとき 

0.05〜0.5 

5.1.1による。 

ガスクロマトグラフ法 

試料ガスを採取し,ガスクロマトグラフに導

入して得られたクロマトグラムからメルカプ

タンを定量する。 

真空捕集瓶法又は捕集

バッグ法 

0.05以上 

(炎光光度検 

 出器) 

4. 試料ガス採取方法 試料ガス採取方法は,次による。 

分析に用いる試料ガスの採取位置は,代表的なガスが採取できる点の位置を選び,同一採取位置におい

て,近接した時間内で2回以上採取し,それぞれ分析に用いる。 

試料ガスの採取方法は,吸収瓶法,真空捕集瓶法又は捕集バッグ法による。 

4.1 

吸収瓶法 この方法は,吸光光度法に適用する。 

4.1.1 

試薬及び試薬溶液の調製 

(1) 試薬 

(a) 水 JIS K 0557に規定する種別A2のもの。 

(b) 酢酸 JIS K 8355に規定するもの。 

(c) 酢酸水銀(II) JIS K 8369に規定するもの。 

(2) 試薬溶液(吸収液)の調製方法 酢酸水銀 (II) 50gを水400mlに溶かし,酢酸25mlを加え,更に,水

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K 0092 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

を加えて1lとする。 

4.1.2 

器具及び装置 

(1) 吸収瓶 JIS K 0095の図3(吸収瓶の例)(a)又は(d)の容量50mlのもの。 

(2) 試料ガスの採取装置 試料ガスの採取装置は,JIS K 0095の図2(a)[吸収瓶法(試料ガス採取量をガ

スメーターで計測する場合)]による。 

4.1.3 

試料ガスの採取及び分析用試料溶液の調製 

(1) 試料ガスの採取 

(a) 吸収瓶2個を用意し,それぞれに吸収液20mlを入れる。 

(b) 試料ガスの吸引流量は1〜2l/min程度とする。採取ガス量の測定と同時にガスメーターにおけるガ

スの温度及び圧力をはかっておく。 

備考 試料ガス採取量は,排ガス中のメルカプタン濃度に応じて,表2に示すように採取する。 

表2 試料ガス採取量 

メルカプタン濃度 vol ppm 

試料ガス採取量 l 

0.05〜0.5 

100 

0.5を超え10未満 

10 

(2) 分析用試料溶液の調製 

(a) 試料ガスの吸引終了後,全吸収瓶中の溶液(1)を全量フラスコ50mlに移し,吸収瓶を吸収液で洗浄

し,全吸収液を合わせて吸収液を標線まで加え,これを分析用試料とする。 

注(1) 硫化水素が共存すると白濁する。 

4.2 

真空捕集瓶法及び捕集バッグ法 この方法はガスクロマトグラフ法に適用する。 

4.2.1 

器具及び装置 

(1) 真空捕集瓶 JIS K 0095の図4(b-2)(真空捕集瓶)に示す内容積1lのガラス製瓶(2)。 

注(2) 内部をあらかじめりん酸約2g/lを含むアセトンで洗浄し,乾燥させておく。 

(2) 捕集バッグ JIS K 0095の図4(c)[捕集バッグ(合成樹脂フィルム製)]に示すふっ素樹脂製(3)で内容

積約5lのもの。図1に示す試料採取容器に装着して使用する。 

注(3) フィルムの厚さ50μm程度のものを使用する。 

(3) 試料ガスの採取装置 試料ガス採取装置は,JIS K 0095の図2(c)[真空フラスコ法(真空捕集瓶法)]

及び(e)[捕集バッグ法(間接法)]による。 

4.2.2 

試料ガスの採取 JIS K 0095の5.4〔真空捕集瓶法[シリコーンゴム栓付真空捕集瓶(図2c)の場

合]〕及び5.6〔捕集バッグ法[間接法(図2e)の場合]〕による。 

(1) 真空捕集瓶の場合 試料ガス採取に先立ち,除湿管を通して捕集瓶をあらかじめ真空に脱気しておき,

導管(4)を通して試料ガスを吸引採取(5)する。 

注(4) 採取管,導管などの材質は,硬質ガラス,ふっ素樹脂などを用いる。 

(5) メルカプタンは,捕集瓶内に吸着したり,空気酸化を受けやすいので,試料採取後は速やかに

分析すること。 

(2) 捕集バッグの場合 捕集バッグを図1に示す気密容器に入れ,コック (F) につなぐ。次に導管 (A) と

吸引ポンプ (E) をつないで,捕集バッグ内を脱気した後コック (F) を閉じる。吸引ポンプを図1のよ

うにつなぎかえて導管を測定箇所に入れる。コック (F, G) を開いて,吸引ポンプを作動させ,気密容

器内を減圧にして捕集バッグに試料ガスを採取し,コック (F) を閉じる。吸引ポンプを止めて,捕集

バッグを容器から取り出し,シリコーンゴムで栓をしておく。 

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図1 試料採取容器(一例) 

5. 定量方法 

5.1 

ジメチルフェニレンジアミン法 

5.1.1 

適用条件 この方法は,試料ガス中に二酸化硫黄及び二酸化窒素が各200volppm以上,硫化水素が

1volppm以上共存すると影響を受けるので,その影響を無視又は除去できるときに適用する。 

5.1.2 

試薬及び試薬溶液の調製 

(1) 試薬 

(a) 塩化鉄 (III) 六水和物(試薬) JIS K 8142に規定するもの。 

(b) 塩酸 JIS K 8180に規定するもの。 

(c) 酢酸鉛 (II) 三水和物 JIS K 8374に規定するもの。 

(d) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。 

(e) メチルメルカプタン(メタンチオール) 

(f) N, N−ジメチル−p−フェニレンジアミン 

(2) 試薬溶液の調製 

(a) 鉛メチルメルカプチド 酢酸鉛を用いて調製した酢酸鉛溶液 (100g/l) にメチルメルカプタン(メタ

ンチオール)を通し,鉛メチルメルカプチドの黄色の結晶をつくる。これをろ過し,水で洗浄して

約16時間,45℃で減圧乾燥したもの。この結晶は窒素ガスで置換したデシケーターに入れ,暗所に

保存する。 

(b) 塩化鉄 (III) 溶液 塩化鉄 (III) 六水和物67.6gに水500mlを加えて溶かし,硝酸72mlを加え,更

に,水を加えて1lにしたもの。 

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(c) ジメチルフェニレンジアミン溶液 N, N−ジメチル−p−フェニレンジアミン塩酸塩5gを塩酸1lに

溶かしたもの。この溶液は,褐色瓶に保存する。 

(d) 発色溶液 塩化鉄 (III) 溶液1容とジメチルフェニレンジアミン溶液3容を混合したもの。この溶

液は,使用の都度調製する。 

(e) メチルメルカプタン検量線用溶液 鉛メチルメルカプチド150.7mgを吸収液に溶かして100mlとし,

これをメチルメルカプタン検量線用原液とする。この原液5mlを取り,吸収液で薄め500mlにした

もの。この溶液は使用の都度調製する。この溶液1mlは,0.002 24ml CH3SH (0℃,101.32kPa) に相

当する。 

5.1.3 

操作 操作は,次の手順で行う。 

(1) 分析用試料溶液20mlを全量フラスコ25mlにとり,これに発色溶液2mlを加え,更に,吸収液を標線

まで加える。 

(2) よく振り混ぜて30分間放置する。 

(3) この溶液の吸光度を波長505nm付近で,発色溶液2mlに吸収液を加えて正確に25mlとした液を対照

として測定する(6)。 

注(6) 使用済み吸収発色溶液には水銀化合物が含まれているので,廃液の処理には特に注意すること。 

(4) あらかじめ作成した検量線からメルカプタン濃度 (volppm) を求める。 

5.1.4 

検量線の作成 メチルメルカプタン検量線用溶液0〜20mlを全量フラスコ25mlに段階的(例えば,

0, 5, 10, 15, 20ml)にとり,発色溶液2mlを加え,更に,吸収液を標線まで加える。以下,5.1.3の操作を行

い,メチルメルカプタン濃度 (ml/ml) と吸光度との関係線を作成する。 

5.1.5 

計算 試料ガス中のメルカプタン濃度を次の式によって算出する。 

000

1

20

50

25

×

×

×

=

s

V

A

C

ここに, C: 試料ガス中のメルカプタン濃度 (volppm)  
 

A: 検量線から求められたメルカプタン濃度 (ml/ml)  

Vs: JIS K 0095の5.1.7(試料ガス採取量)で求めた試料ガス採取量 (l) 

5.2 

ガスクロマトグラフ法 

5.2.1 

試薬及び試薬溶液の調製 

(1) 試薬 

(a) 水 JIS K 0557に規定する種別A2のもの。 

(b) 塩化ナトリウム JIS K 8150に規定するもの。 

(c) 硝酸 JIS K 8541に規定するもの。 

(d) 硝酸銀 JIS K 8550に規定するもの。 

(e) デキストリン水和物 JIS K 8646に規定するもの。 

(f) 硫酸アンモニウム鉄 (III) ・12水 JIS K 8982に規定するもの。 

(g) チオシアン酸アンモニウム JIS K 9000に規定するもの。 

(2) 試薬溶液の調製方法 

(a) 0.1mol/l硝酸銀溶液 硝酸銀16.99gを水に溶かして全量フラスコ1 000mlに入れ,水を標線まで加

え,塩化ナトリウムを用いて標定したもの。 

[標定] 500〜650℃で乾燥した塩化ナトリウム1.461gを正しくはかり,水に溶かして全量フラス

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コ250mlに入れ水を標線まで加える。その25mlをフラスコにとり,水を加えて液量を約50mlとし,

これにデキストリンを用いて調製したデキストリン溶液 (20g/l) 5mlとフルオレセインナトリウム溶

液 (2g/l) 1, 2滴を加え静かにかき混ぜながら,0.1mol/l硝酸銀溶液で滴定する。黄緑の蛍光が消失し

てわずかに赤みを呈するときを終点とする。これに要した0.1mol/l硝酸銀溶液の量から,次の式に

よってファクターを算出する。 

x

f

25

1=

ここに, f1: 0.1mol/l硝酸銀溶液のファクター 
 

x: 滴定に要した0.1mol/l硝酸銀溶液の量 (ml)  

(b) 0.025mol/l硝酸銀溶液 0.1mol/l硝酸銀溶液250mlを全量フラスコ1 000mlに入れ,水を標線まで加

えたもの。 

(c) 鉄みょうばん指示薬 硫酸アンモニウム鉄 (III) ・12水40gを水60mlに溶かした後,硝酸を用いて

調製した硝酸 (6mol/l) 20mlを加え,更に,水を加えて全量を100mlとし,使用直前にこの溶液を煮

沸して窒素酸化物を除去し,水で4倍に希釈したもの。 

(d) 0.1mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液 チオシアン酸アンモニウム約8gを水1lに溶かし硝酸銀溶

液を用いて標定したもの。 

[標定] 0.1mol/l硝酸銀溶液25mlをコニカルビーカー300mlにとり,水約25ml,鉄みょうばん指

示薬2ml,硝酸約2ml及びニトロベンゼン10mlを加え,よく振り混ぜながらチオシアン酸アンモニ

ウム溶液で滴定する。褐色を呈したときを終点とする。これに要した0.1mol/lチオシアン酸アンモ

ニウム溶液の量から次の式によってファクターを算出する。 

x

f

f

1

2

25×

=

ここに, f2: 0.1mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液のファクター 
 

f1: 0.1mol/l硝酸銀溶液のファクター 

x: 滴定に要した0.1mol/l硝酸銀溶液の量 (ml)  

(e) 0.025mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液 0.1mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液250mlを全量フ

ラスコ1 000mlに入れ,水を標線まで加えたもの。 

(f) メチルメルカプタン検量線用溶液 内容積250mlの注射器にメチルメルカプタンガス(純度99%以

上)50ml及びn−ヘプタン(7)50mlを採取し,ふっ素樹脂製の栓をして振り混ぜて検量線用原液とす

る。これをn−ヘプタンで希釈して1μl中にそれぞれ0.1ng, 0.5ng, 2ng程度のメチルメルカプタンを

含む溶液を正確に調製したもの。 

注(7) メルカプタンと反応する成分を含まないこと。 

なお,5.2.3(1)の分析条件でメルカプタン又は妨害成分が含まれていないことを確かめる。 

[標定] 溶液5mlを容量250mlの共栓付三角フラスコにとり,エタノール15ml及び0.025mol/l

硝酸銀溶液15mlを加えて密栓し,5分間激しく振り混ぜる(濁りが生じる場合には,更に,エタノ

ール数mlを加え,濁りを消失させる。)。次に,この溶液に鉄みょうばん指示薬3〜5mlを加え,

0.025mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液で淡桃色となるまで滴定する。滴定後の液を振り混ぜた後,

硝酸銀溶液 (0.025mol/l) で淡桃色が消えるまで滴定する。 

次に,チアシオン酸アンモニウム溶液 (0.025mol/l) で淡桃色となるまで滴定する。これらの標定

の結果から,次の式によってメチルメルカプタン検量線用溶液の濃度を算出する。 

x=0.24× (15−α×f2+b×f1−c×f2) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ここに, x: メチルメルカプタン検量線用溶液の濃度 (ng/μl) 
 

f1: 0.1mol/l硝酸銀溶液のファクター 

f2: 0.1Nチオシアン酸アンモニウム溶液のファクター 

a: 滴定に要した0.025mol/lチオシアン酸アンモニウム溶液の量 

(ml)  

b: 滴定に要した0.025mol/l硝酸銀溶液の量 (ml)  

c: 硝酸銀で滴定した後の滴定に要した0.025mol/lチオシアン酸ア

ンモニウム溶液の量 (ml)  

(g) エチルメルカプタン検量線用溶液(8) n−ヘプタン約9mlを全量フラスコ10mlに入れて正しくはか

る。この全量フラスコにエチルメルカプタン(純度99%以上)約0.2mlをマイクロシリンジで加え

再び正しくはかり,エチルメルカプタン量を求めた後,n−ヘプタンを標線まで加える。この溶液を

n−ヘプタンで薄め1μl中にそれぞれ,0.1ng, 0.5ng, 2ng程度のエチルメルカプタンを含む溶液を正

確に調製したもの。 

注(8) プロピルメルカプタン(プロパンチオール)などが含まれているときは,エチルメルカプタン

の場合に準じて検量線用溶液を調製する。 

5.2.2 

装置及び器具 次のとおりとする。 

(1) ガスクロマトグラフ ガスクロマトグラフは,次のとおりとする。 

(a) 検出器 炎光光度検出器(9) 

注(9) 水素炎イオン化法による検出もでき,両者の指示が見られる2ペン方式のものを用いてもよい。 

(b) キャリヤーガス 純度99.99%以上の窒素又は純度99.8%以上のヘリウム 

(c) 燃料ガス JIS K 0512に規定する水素の1級又は2級のもの。 

(d) 助燃ガス 空気(10)又は酸素 

注(10) 硫黄分を含まないもの。 

(e) カラム用管 内面をよく洗浄した内径3〜4mm長さ3〜5mの硬質ガラス管(11)又はふっ素樹脂管(12)。 

注(11) 硬質ガラス管は,使用前によく酸洗いをすること。 

(12) ふっ素樹脂管を用いるときは,特にガス漏れのないように注意すること。 

(f) カラム充てん剤 中性のけいそう土担体(13)又はふっ素樹脂担体(14)に適当な固定相液体を含浸させ

たもの(15)。例えば,1, 2, 3−トリス(2−シアノエトキシ)−プロパンをけいそう土担体に25%含浸

させたもの(16),又はポリフェニルエーテル5%とオルトりん酸0.05%をけいそう土担体に含浸にさ

せたもの(17)。 

注(13) アルカリ性又は化学活性が強いものは使用してはならない。純度の高いものを酸処理して用い

ること。 

(14) 化学活性が最も小さく試料の損失が少ないが,分離能は劣る。 

(15) メチルメルカプタンは,充てん剤に吸着しやすいので,検量線用溶液を数回導入し,応答の再

現性が良好なカラムを使用すること。 

(16) メチルメルカプタンと二硫化炭素の分離が不完全である。 

(17) メチルメルカプタンと二酸化硫黄の分離が不完全である。 

5.2.3 

操作 操作は,次の手順で行う。 

(1) 分析条件 ガスクロマトグラフの分析条件は,次のとおりとする。 

(a) カラム槽温度 70〜80℃ 

(b) キャリヤーガス流量 30〜50ml/min 

K 0092 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(c) 燃料ガス流量 40〜150ml/min 

(d) 助燃ガス流量 40〜150ml/min(空気の場合) 

10〜40ml/min(酸素の場合) 

(2) 定量 捕集瓶又は捕集バッグのシリコーンゴム栓から,試料ガスの一定量 (1〜5ml) を気体用シリン

ジにとり,ガスクロマトグラフに導入し,クロマトグラムを記録する。このクロマトグラムからメル

カプタンのピーク高さ(18)を測定し,あらかじめ作成した検量線からメルカプタン量 (ng) を求める。 

注(18) ピーク面積が計算できる積分計を使用した場合には,ピーク面積を用いて定量する。 

5.2.4 

検量線の作成(19) 5.2.1(2)で調製したメルカプタンの検量線用溶液をマイクロシリンジで正確に

0.5〜1.0μlとり,5.2.3(1)の分析条件で,ガスクロマトグラフに導入し,クロマトグラムを記録する。この

クロマトグラムからメルカプタンのピーク高さを求める。両対数方眼紙にメルカプタン量 (ng) とピーク

高さとの関係線を作成する。 

注(19) 浸透拡散管を使用する校正用ガス調製装置によって調製した校正ガスを用いてもよい。 

5.2.5 

計算 試料ガス中のメルカプタン濃度を次の式によって算出し,有効数字2けたに丸める。 

s

s

V

M

W

C

×

×

=

4.

22

ここに, 

C: 試料ガス中のメルカプタン濃度 (vol ppm)  

Ws: 検量線から求めたメルカプタン質量 (ng)  

M: メルカプタンの分子量(メルカプタン48,エチルメルカプタ

ン62) 

Vs: JIS K 0095の5.4.6(1)(乾きガス量を求める場合)で求めた試

料ガス導入量 (ml)  

 (0℃,101.32kPa)  

6. 分析結果の記録 

6.1 

記録項目 分析結果として記録する項目は,次のとおりとする。 

(1) 分析値 

(2) 分析方法の種類 

(3) 試料ガスの採取日時 

(4) その他必要と認められる事項 

6.2 

排ガス分析値の求め方 

(1) 定量は,試料採取ごとに同一分析試料溶液について2回行い,それらの平均値を求め,有効数字2け

たに丸める。 

付表1 引用規格 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 0095 排ガス試料採取方法 

JIS K 0114 ガスクロマトグラフ分析通則 

JIS K 0115 吸光光度分析通則 

JIS K 0512 水素 

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水 

JIS K 8142 塩化鉄 (III) 六水和物(試薬) 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

K 0092 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8355 酢酸(試薬) 

JIS K 8369 酢酸水銀 (II) (試薬) 

JIS K 8374 酢酸鉛 (II) 三水和物(試薬) 

JIS K 8541 硝酸(試薬) 

JIS K 8550 硝酸銀(試薬) 

JIS K 8646 デキストリン水和物(試薬) 

JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄 (III) ・12水(試薬) 

JIS K 9000 チオシアン酸アンモニウム(試薬) 

K 0092 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

環境・リサイクル部会 大気企画専門委員会 構成表 

氏 名 

所 属 

(委員会長) 

飯 田 芳 男 

成蹊大学名誉教授 

飯 島   孝 

環境庁大気保全局 

岩 崎 好 陽 

東京都環境科学研究所 

大 木 正 巳 

財団法人化学品検査協会 

金 子 幹 宏 

神奈川県横須賀・三浦地区行政センター 

興 嶺 清 志 

財団法人日本環境衛生センター 

世 良   昇 

社団法人日本環境測定分析協会 

田 中 敏 之 

工業技術院資源環境技術総合研究所 

土 屋 悦 輝 

東京都立衛生研究所 

西 出 徹 雄 

工業技術院標準部 

藤 冨 正 晴 

通商産業省環境立地局 

保 母 敏 行 

東京都立大学 

(事務局) 

岡 本 康 男 

工業技術院標準部消費生活規格課 

橋 田 安 弘 

工業技術院標準部消費生活規格課 

改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

荒 木   峻 

東京都立大学名誉教授 

倉   剛 進 

工業技術院標準部 

柳 下 正 治 

環境庁大気保全局 

小野川 和 延 

環境庁大気保全局 

浦 嶋 将 年 

通商産業省環境立地局 

田 坂 勝 芳 

通商産業省通商産業検査所 

田 中 敏 之 

資源環境技術総合研究所 

飯 田 芳 男 

成蹊大学 

堀   雅 宏 

横浜国立大学工学部 

岩 崎 好 陽 

東京都環境科学研究所 

金 子 幹 宏 

神奈川県環境科学センター 

野々村   誠 

東京都立工業技術センター 

星 野   充 

千葉県環境研究所 

大 木 正 巳 

財団法人化学品検査協会東京事業所 

八 木 孝 夫 

株式会社島津製作所 

秋 山 重 之 

社団法人日本分析機器工業会(株式会社堀場製作所) 

木 村   康 

社団法人日本鉄鋼連盟 

勝 部 博 光 

電気事業連合会 

今 田 誠 二 

石油連盟(株式会社日鉱共石製油部) 

石 岡   修※ 

財団法人機械電子検査検定協会 

鈴 木 弘 七 

新日本気象海洋株式会社 

西 海   里 

株式会社環境管理センター 

世 良   昇 

社団法人日本環境測定分析協会 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

(事務局) 

計 良 敏 雄 

社団法人日本環境測定分析協会 

※ 期間途中,浅田正三に変更