K 0071-4 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。
JIS K 0071 : 1998は,一般名称を“化学製品の色試験方法”として,次の各部によって構成する。
第1部:ハーゼン単位色数(白金−コバルトスケール)
第2部:ガードナー色数
第3部:セーボルト色数
第4部:ASTM色数
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
K 0071-4 : 1998
化学製品の色試験方法−
第4部:ASTM色数
Testing methods for colour of chemical products−
Part 4 : ASTM colour
1. 適用範囲 この規格は,常温で液体の化学製品(石油製品は除く。)の色を試験する方法について規定
する。
備考1. 化学製品とは,化学反応によって生成する物質全般を指すが,個別の製品又は製品群の規格
において,この規格と異なる測定方法が規定されている場合には,その規格に規定されてい
る方法による。
2. 化学製品には,揮発性,爆発性,放射性などが強いために,この規格を用いるとき試験の安
全を確保できないものもある。この規格に規定する方法は一般的な方法であり,あらかじめ
安全性を十分に確保できるものに適用する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS C 7501 一般照明用電球
JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色
3. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a) ASTM色数 標準色ガラスと試料の透過色の明るさを比較し,ほぼ一致した標準色ガラスで読み取る
色数。
0.5〜8の範囲を0.5間隔で16段階の色数によって表す。
4. 原理 この試験方法は,常温で液体の化学製品の試料を規定容器にいれた色と16種類の標準色ガラス
を比較して,試料の色に対応するASTM色数を求める方法である。
5. 装置及び器具 装置及び器具は,次による。
ASTM比色計 次に示す比色計及び試験容器からなる。比色計構成の一例を図1に示す。
2
K 0071-4 : 1998
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図1 ASTM比色計の構成の一例
5.1
比色計は,次のa)〜d)からなる。
a) 人工昼光色光源 人工昼光色光源は,光源電球,昼光フィルタ,オパールガラスからなり,外部の光
によって測定に影響のないもの。
標準色ガラス及び試料の照射部は同じ明るさの散乱昼色光で,その照度は900±100 lxとする。
備考 人工昼光色光源は,比色計本体と分離されていてもよい。
1) 光源電球 色温度約2 750 Kの白熱電球(1)とする。
注(1) JIS C 7501に規定するLW100 V,60 Wのものが相当する。
2) 昼光フィルター 厚さが均一で次の分光透過率,色度座標 (x, y, z) 及び視感透過率 (YA) をもつも
の。
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2.1) 波長410nmで60%以上の透過率。
2.2) 波長700nmで10%以下の透過率。
2.3) 波長540nmと590nmの透過率を直線で結んだとき,波長570nmの透過率は,直線上に3 %以上出
ない。
2.4) 波長700nmにおける透過率は,660nmの透過率より3 %以上大きくないこと。
2.5) 色度座標 (x, y, z) 及び視感透過率 (YA) は,JIS Z 8722の標準の光Aを用いた分光透過率から計算
したとき,次の値をもつもの。
x
0.314〜0.330
y
0.337〜0.341
z
0.329〜0.349
YA
10.7〜16.0 (%)
3) オパールガラス 気泡又は不純物を含まない均一の密度と厚さで,特に選択吸収が少なく,光を散
乱させるものでなければならない。
b) 標準色ガラス 標準色ガラスの直径は14 mm以上で,表1に示す16種類とする。
表1 ASTM色試験器用標準色ガラス
ASTM色数
色度座標(UCS系) (±0.006) 視感透過率(CIE・C光源)
Yc (%)
r
g
b
0.5
0.462
0.473
0.065
86 ±6
1
0.489
0.475
0.036
77 ±6
1.5
0.521
0.464
0.015
67 ±6
2
0.552
0.442
0.006
55 ±6
2.5
0.582
0.416
0.002
44 ±4
3
0.611
0.388
0.001
31 ±4
3.5
0.640
0.359
0.001
22 ±4
4
0.671
0.328
0.001
15.2±2.2
4.5
0.703
0.296
0.001
10.9±1.6
5
0.736
0.264
0
8.1±1.2
5.5
0.770
0.230
0
5.8±1.0
6
0.805
0.195
0
4.0±0.8
6.5
0.841
0.159
0
2.6±0.6
7
0.877
0.123
0
1.6±0.4
7.5
0.915
0.085
0
0.81±0.16
8
0.956
0.044
0
0.25±0.06
c) 試験容器カバー 試験容器を比色計に挿入する部分は,内部はつや消し黒色とし,外部からの光を完
全に遮断できること。
d) 光学装置 人工昼光色光源によって照射され,試料及び標準色ガラスを通過した光を同時に同一視野
で照明領域を観察できるもので,次に示す性能をもつもの。
1) 接眼部からのぞいたとき,試料及び標準色ガラスのそれぞれの照明領域は垂直に分離帯があり,そ
の両側にそれぞれ照明領域がくるようにする。分離帯の幅は測定者の目から見て2〜3.6°とし,試
料及び標準色ガラスの照明領域は測定者の目から見て2.2°以上とする。
2) 試料及び標準色ガラスの照明領域の合計は,測定者の目から見て10°以下(2)とする。
注(2) 測定者の目から距離Dのところに分離されている距離dを望む角度(視線角度)は57.3d/Dに
よって与えられる。倍率Mの接眼レンズを使用している場合は57.3Md/Diによって与えられる。
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ただしDiは,測定者の目と像の平面間の距離とする。
参考 同一視野内に試料の照明領域及び二つの標準色ガラスの照明領域がある3視野試験器は,色の
比較をするときに便利である。
5.2
試験容器 図2に示す形状,寸法のほうけい酸ガラス製のもの。
図2 試験容器
6. 試験器の準備 試験器の準備は,次による。
a) 2本の試験管にそれぞれ蒸留水を50 mm以上になるように入れ,試験器の標準色ガラス側及び試料容
器側におさめる。
b) 人工昼光色光源を点灯し,標準色ガラス切換えダイアルでブランク(標準色ガラスが光路にない状態)
を測定したとき,標準色ガラス側と試験容器側の明るさが同じであることを確認する。
備考 3視野試験器の場合は,三つの視野が同じ明るさであることを確認する。
7. 試料の準備 試料の準備は,次による。
a) 試料を試験容器に深さ50 mm以上入れて測定試料とする。
b) 試料のASTM色数が8を超える場合は,溶剤で薄め,これを測定試料とする。試料と溶剤の混合割合
は,体積比で15 : 85とする。
備考 溶剤は,二クロム酸カリウム4.8 mgを純水で溶かし1 Lとした色より明るく,試料が完全に溶
解するものであること。
8. 操作 操作は,次による。
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a) 試料及び蒸留水を別々の試験容器にそれぞれ深さ50 mm以上入れて,試験器の試験容器カバー内にお
さめ,ふたをして外部からの光を遮断する(純水を入れた試験容器は,標準色ガラス側とする。)。
b) 電源スイッチを入れて人工昼光色光源部を点灯し,標準色ガラスと試料の色を比較し,試料の色と一
致する標準ガラスの符号を読み取る。正確に一致しない場合は,濃い方の標準色ガラスの符号を読み
取る。
9. 結果の記録 ASTM色試験の結果の記録は,次による。
a) 試料の色が標準色ガラスと一致した場合は,その数をASTM色数とする。
b) 試料の色が二つの標準色ガラスの間にある場合は,濃い方の標準色ガラスの符号にLを付け,次に示
す記録例のように表す。試料の色数が6.5と7.0の間にある場合は,ASTM色数L7.0とする。ただし,
試料の色数が8より濃い場合に限りD8.0とする。
記録例 ASTM色数 L7.0
c) 試料を溶剤で薄めて測定した場合は,ASTM色数の次にDilを記し,溶剤名及び希釈割合を付記する。
記録例 ASTM色数 7.5Dil(灯油1号で15 : 85に希釈)
化学製品の色及び硫酸着色試験方法 原案作成委員会・分科会 構成表
氏名
所属
委員会
分科会
(委員長)
荒 木 峻
東京都立大学名誉教授
◎
増 田 優
通商産業省基礎産業局
○
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
○
小 倉 悟
工業技術院標準部
○
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
○
堀 本 能 之
工業技術院物質工学工業技術研究所
○
政 岡 進
製品評価技術センター
○
嶋 貫 孝
社団法人日本分析化学会
○
神 代 啓
社団法人日本化学工業協会
○
並 木 昭
財団法人化学品検査協会
○
平 井 敏 夫
財団法人日本色彩研究所
○
◎
竹 内 幸 夫
和光純薬工業株式会社大阪工場
○
○
大 森 道 昭
株式会社離合社浦和工場
○
○
檀 上 秀 夫
日本化薬株式会社化学品研究所
○
○
岡 田 憲 治
社団法人日本芳香族工業会
○
○
近 藤 暁 弘
株式会社村上色彩研究所
○
○
伊 藤 尚 美
社団法人日本分析化学工業会
○
○
(事務局)
三 須 武
社団法人日本化学工業協会
○
○
内 田 幹 雄
社団法人日本化学工業協会
○
○
備考 ◎委員長,分科会主査を示す。
○委員会,分科会委員を示す。