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H 8688:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 2 

4 概要······························································································································· 2 

5 試験液···························································································································· 2 

6 試験装置························································································································· 2 

7 試験片···························································································································· 2 

7.1 試験片の採取方法 ·········································································································· 2 

7.2 試験片の寸法 ················································································································ 3 

7.3 試験片の前処理 ············································································································· 3 

8 手順······························································································································· 3 

9 試験結果の表し方············································································································· 3 

10 試験報告書 ···················································································································· 3 

附属書A(参考)試験片の推奨乾燥方法 ··················································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

H 8688:2013  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人軽金

属製品協会(JAPA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を

改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。 

これによって,JIS H 8688:1998は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 8688:2013 

アルミニウム及びアルミニウム合金の 

陽極酸化皮膜の単位面積当たりの 

質量測定方法 

Anodizing of aluminium and its alloys- 

Determination of mass per unit area (surface density)  

of anodic oxidation coatings 

序文 

この規格は,2011年に第3版として発行されたISO 2106を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金の製品(以下,製品という。)に施した陽極酸化皮膜(以

下,皮膜という。)の単位面積当たりの質量(表面密度)の測定方法について規定する。 

この方法は,6 %以上の銅を含む合金以外の鋳造及び展伸製品の陽極酸化皮膜に適用する。 

注記1 皮膜厚さが正確に分かっている場合には,皮膜の単位面積当たりの質量(表面密度)から,

計算によって見掛け密度を算出できる。すなわち,皮膜処理条件及びその密度が分かってい

る場合には,単位面積当たりの皮膜質量(表面密度)の測定によって,皮膜の平均質量及び

おおよその皮膜厚さを算出できる。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 2106:2011,Anodizing of aluminium and its alloys−Determination of mass per unit area (surface 

density) of anodic oxidation coatings−Gravimetric method(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 0201 アルミニウム表面処理用語 

JIS K 9005 りん酸(試薬) 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

H 8688:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS H 0201による。 

3.1 

有効面(significant surface) 

製品の表面に施した皮膜が用途に適合する品質を満たすことが不可欠な面。試験片の端部は,有効面に

は含めない。 

概要 

この試験は,規定濃度のりん酸クロム酸(VI)溶液を用い,素地のアルミニウムを実質的に溶解するこ

となく,表面積が既知で質量測定済みの試験片の皮膜を溶解させた後,再び試験片の質量を測定し,質量

減量を算出する。質量減量は,処理された皮膜の単位面積当たりに換算して,平方デシメートル当たりの

皮膜のミリグラムで表す。また,密度が既知の皮膜の場合には,おおよその平均皮膜厚さ(μm)に換算し

て表すこともできる。 

注記 この試験は,破壊試験である。 

試験液 

試験液は,分析試薬,及び脱イオン水又は蒸留水を用いて,次によって準備する。 

a) JIS K 9005に規定するりん酸(試薬)[85 %以上(質量分率)]:35 mL 

b) 酸化クロム(VI)(試薬):20 g 

c) 導電率2 µS/cm以下の脱イオン水又は蒸留水に酸化クロム(VI)を溶解させた後,りん酸を加える。

脱イオン水又は蒸留水を加えて,液量を1 000 mLに調製する。 

注記 試験液は,繰り返して使用できるが,試験液の溶解力は,使用によって減少する。1 000 mL

の試験液に約12 gの皮膜が溶解すると試験値に影響するので,新たに作り直すことが望まし

い。 

警告 この試験溶液に含まれる六価クロムは,毒性があり,正しく取り扱わなければならない。 

六価クロムを含む水溶液は,環境及び水域に著しい影響を与える。 

試験装置 

試験装置は,次による。 

a) 化学天びん,電子天びんなどのはかり  読取り精度:0.1 mg 

b) 1 Lビーカー 

c) 加熱装置 

試験片 

7.1 

試験片の採取方法 

試験片は,製品の表面に施した皮膜が用途上の品質を満たすことが不可欠な有効面から採取する。 

なお,製品から試験片を採取することができない場合は,製品と同一の材料及び同一の処理条件で作製

した試験片を用いる。製品と同一の材料とは,材料の種類・質別及び処理前の表面状態が,製品と同じで

あること,また,同一の処理条件とは,前処理及び皮膜の処理が,製品と同一の浴組成及び同一の処理条

件で,製品と同一の性能を得るように処理することをいう。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2 

試験片の寸法 

試験片の寸法は,約100 mm×約50 mmとする。この寸法が採用できない場合は,試験片の面積を0.08 dm2

〜1.0 dm2とする。 

なお,質量は100 g以下に設定する。 

7.3 

試験片の前処理 

試験片の表面が油分,グリースなどで汚れている場合は,適切な溶剤を用いてあらかじめ清浄にしてお

かなければならない(附属書A参照)。 

皮膜処理された試験片の片方の面だけを測定する場合は,他の面の皮膜を耐酸性の保護被覆を施してお

く。また,皮膜を生成している非有効面がある試験片の場合には,その部分の皮膜を機械的又は化学的な

方法で除去しておくか,又は耐酸性の保護被覆を施しておく。 

手順 

手順は,次による。 

a) 試験片の皮膜処理された面積を計算する。 

b) 試験片の質量を0.1 mgの桁まで測定する。 

c) 95 ℃〜100 ℃に加熱した試験液に,試験片を約10分間浸せきする。 

d) 試験片を取り出し,脱イオン水又は蒸留水中で洗い,乾燥後(附属書A参照),再度,質量を測定し,

減量を求める。 

e) 試験片の質量減少がある恒量になるまで,c)及びd)の操作を繰り返す。 

注記 新液を用いた場合には,皮膜は,通常,10分以内で完全に溶解する。 

試験結果の表し方 

単位面積当たりの皮膜質量(表面密度)は,次の式(1)によって算出し,JIS Z 8401の規則Aによって小

数点以下1桁に丸める。ただし,溶解した皮膜の表面積には,試験片の端面及び他の皮膜未生成部は含め

ない。 

A

m

m

2

1

A

ρ

 ············································································· (1) 

ここに, 

ρA: 単位面積当たりの皮膜質量(mg/dm2) 

m1: 試験液に浸せき前の試験片質量(mg) 

m2: 試験液に浸せき後の試験片質量(mg) 

A: 溶解した皮膜の表面積(dm2) 

注記 皮膜の密度は,合金の種類,陽極酸化の種類及び封孔処理によって影響を受ける。 

10 試験報告書 

試験報告書には,次の事項を含めなければならない。 

a) この規格の番号:JIS H 8688 

b) 試験年月日 

c) 試験片の材質,皮膜の種類及び皮膜厚さ 

d) 測定中に認められた特記事項 

e) 試験手順と異なる事項 

f) 

試験結果[単位面積当たりの皮膜質量(ρA:mg/dm2)] 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

試験片の推奨乾燥方法 

A.1 試験片をエタノールなどの適切な溶剤に室温で浸せきし,ゆっくりかくはん(攪拌)しながら30秒

間脱脂する。 

A.2 試験片を取り出して,空気中で5分間放置し(予備乾燥),60 ℃の乾燥炉に有効面を上向きにして

入れ,15分間保持する。 

警告 有機溶剤を使用する場合は,溶剤の蒸気に対して十分な換気をしながら,脱脂及び予備乾燥を

行う。 

A.3 シリカゲルを入れたデシケータ中に試験片を30分間入れておき,冷却する。 

A.4 試験液に浸せき後,水洗して,A.2及びA.3の手順を繰り返す。 

参考文献 JIS H 8680-3 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜厚さ試験方法−第3部:ス

プリットビーム顕微鏡測定方法 

注記 対応国際規格:ISO 2128:2010,Anodizing of aluminium and its alloys−Determination of 

thickness of anodic oxidation coatings−Non-destructive measurement by split-beam 

microscope(MOD) 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS H 8688:2013 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の単位面積当
たりの質量測定方法 

ISO 2106:2011 Anodizing of aluminium and its alloys−Determination of mass per 
unit area (surface density) of anodic oxidation coatings−Gravimetric method 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号及
び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

標題 

変更 

英文の標題から“Gravimetric 
method”を削除。 

ISO規格の見直しの際,変更を提
案する。 

1 適用範囲 

一致 

− 

2 引用規格 

3用語及び
定義 

− 

追加 

JIS H 0201の用語及び“有効
面”を追加した。 
実質的な差異はない。 

− 

4 概要 

追加 

JISでは,ISO規格に補足事項
を追加した。実質的な差異はな
い。 

− 

5 試験液 


 
5.2 

追加 
 
変更 

JISでは,りん酸濃度85 %以上
(質量分率)を追加した。 
ISO規格の5.2の規定をこの規
格の箇条5に移動した。技術的
な差異はない。 

− 

6 試験装置 

追加 

JISでは,使用する装置を具体
的に記載した。 

− 

7 試験片 

7.1 試験片の採取
方法 

5.1 

追加 

JISでは,採取条件を詳細に規
定した。 

ISO規格の見直しの際,変更を提
案する。 

7.2 試験片の寸法 

5.1 

追加 

JISでは,試験片の寸法を追加
した。 

ISO規格の見直しの際,変更を提
案する。 

2

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号及
び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

7 試験片 
(続き) 

7.3 試験片の前処
理 

5.1 

追加 

JISでは,ISO規格に補足事項
を追加した。 
実質的な差異はない。 

− 

8 手順 

 
 

5.2 

変更 

ISO規格の注記の記載内容を,
箇条5“試験液”に移動した。
実質的な差異はない。 

− 

9試験結果
の表し方 

追加 

JISでは,JIS Z 8401を追加し
た。 
実質的な差異はない。 

− 

10試験報告
書 

一致 

− 

− 

附属書A
(参考) 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 2106:2011,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 一致……………… 技術的差異がない。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

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