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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 8642-1995 

溶融アルミニウムめっき 

Hot dip aluminized coatings on ferrous products 

1. 適用範囲 この規格は,鉄鋼製品(1)に耐候性,耐食性及び耐熱性を向上させる目的で施した溶融アル

ミニウムめっき(2)(以下,めっきという。)の有効面(3)について規定する。 

注(1) 薄鋼板,線類,ステンレス鋼及び耐熱鋼を除く。 

(2) JIS H 2102の3種又はこれと同等以上の純度をもつアルミニウム地金を用い,他の元素を加え

ない浴によるめっきをいう。 

(3) 用途上重要な表面をいう。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS H 2102 アルミニウム地金 

JIS H 8672 溶融アルミニウムめっき試験方法 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) 不めっき めっき層が局部的になく,素材面が露出している状態。 

(2) やけ アルミニウム層がなく,素材とアルミニウムからできた合金層が露出している状態。 

(3) ピンホール 針の先ほどのめっき層のない状態。 

3. 種類及び記号 めっきの種類及び記号は,めっき厚さ及び付着量によって表1のとおりとする。 

表1 種類及び記号とめっき厚さ及び付着量 

種類 

記号 

めっき厚さ(4) 

μm 

付着量 

g/m2 

備考 

溶融アルミニウムめっき 

1種 

HDA1 

60以上 

110以上 

耐候性を目的とするもの 

溶融アルミニウムめっき 

2種(5) 

HDA2 

70以上 

120以上 

耐食性を目的とするもの 

溶融アルミニウムめっき 

3種 

HDA3 

合金層厚さは50以上 

− 

耐熱性を目的とするもの 

HDA3−D(6) 

合金層厚さは70以上 

− 

注(4) めっき厚さは,アルミニウム層厚さと合金層厚さとの合計とする。 

(5) 溶融アルミニウムめっき2種におけるアルミニウム層厚さは,原則として10μm以上とする。

ただし,厚肉又は特殊形状の製品については受渡当事者間の協定によって,アルミニウム層厚
さを決めることができる。 

(6) 特に指定のある場合には,加熱拡散処理を行うことができる。加熱拡散処理を表す記号は,D

とする。 

H 8642-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 品質 

4.1 

めっきの外観 めっきの外観は,目視によって検査を行い,実用的に滑らかで,不めっきその他使

用上有害な欠陥があってはならない。ただし,溶融アルミニウムめっき3種については,やけが認められ

てもよい。 

4.2 

めっき厚さ めっき厚さは,5.2によって試験を行い,表1に適合しなければならない。 

4.3 

めっき付着量 めっき付着量は,5.3によって試験を行い,表1に適合しなければならない。 

4.4 

めっきのピンホール めっきのピンホールは,5.4によって試験を行い,溶融アルミニウムめっき1

種及び2種の場合には,ピンホールのないものでなければならない。 

4.5 

めっきの密着性 めっきの密着性は,5.5によって試験を行い,打こん(痕)間に連続しためっき層

のはく離又は浮き上がりがあってはならない。 

5. 試験 

5.1 

試験片の採取方法 試験片の採取方法は,次による。 

(1) 同一材質の素材を同一前処理条件及び同一めっき条件でめっきしたものからロットを形成し,そのロ

ットを代表する試料を抜き取り,試験片とする。ただし,抜取方法は受渡当事者間の協定による。 

(2) 多種類の部材から組み立てられた製品などで試験片を採取することができない場合は,それに使われ

たものと同一材料から試料を採取し,製品と同時にめっきしたものを試験片とする。 

5.2 

めっき厚さ試験 めっき厚さ試験は,JIS H 8672に規定する顕微鏡測定法又は膜厚計測定法による。

ただし,アルミニウム層厚さ及び合金層厚さを個々に測定する場合は,顕微鏡測定法による。 

5.3 

付着量試験 付着量試験は,JIS H 8672に規定する質量法(直接法)又は水酸化ナトリウム法(間

接法)による。 

5.4 

ピンホール試験 ピンホール試験は,JIS H 8672に規定するピンホール試験方法(水道水法)によ

る。 

5.5 

密着性試験 密着性試験は,JIS H 8672に規定するハンマ試験方法による。 

6. 検査 めっきの検査は,5.によって試験を行い,4.の規定に適合したものを合格とする。 

備考1. 検査項目及び試験方法の選択に関しては,受渡当事者間の協定による。 

2. 試料の数,検査順序及び検査対象箇所並びに試験片の代替使用は,受渡当事者間の協定によ

る。 

7. 表示 めっき製品には,荷札又は送り状などに,次の事項を表示する。 

(1) 種類又は記号 

(2) 加工年月又はその略号 

(3) 加工業者名又はその略号 

関連規格 JIS H 9126 溶融アルミニウムめっき作業標準 

H 8642-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

溶融アルミニウムめっき 改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

佐 藤 英一郎 

千葉工業大学 

秋 山 清 澄 

興国鋼線索株式会社(線材製品協会) 

生 田 惇 滋 

アルマー工業株式会社 

金 子 國 雄 

社団法人表面技術協会 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

神 戸 徳 蔵 

工業技術院物質工学工業技術研究所 

小 嶋   豊 

株式会社明豊エンジニアリング 

小 林   堯 

伸光金属工業株式会社 

高 木 譲 一 

工業技術院標準部 

谷 口 勝 樹 

黒崎炉工業株式会社(社団法人日本工業炉協会) 

千 葉 和 茂 

武蔵工業大学 

都 留 秀 之 

社団法人石油学会 

土 居   亨 

三菱重工業株式会社(社団法人日本環境衛生工業会) 

前 田 洋 男 

新興アルマー工業株式会社 

水 野 幸四郎 

社団法人日本鉄鋼協会 

山 盛 政 綱 

東海アルマ工業株式会社 

(関係者) 

角 田 悦 啓 

工業技術院標準部 

(事務局) 

及 川 耕 一 

社団法人表面技術協会