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H 8641:2007  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本溶融

亜鉛鍍金協会(JGA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによってJIS H 8641:1999は改正され,また,JIS H 9124:1999は廃止・統合され,この規格に置き

換えられる。 

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日本

工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 1461:1999,Hot dip galvanized coatings 

on fabricated iron and steel articles−Specifications and test methodsを基礎として用いた。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

JIS H 8641には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定)溶融亜鉛めっき用素材 

附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

H 8641:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 種類及び記号 ·················································································································· 3 

5. 一般事項 ························································································································ 3 

6. めっきの品質 ·················································································································· 3 

6.1 外観 ···························································································································· 3 

6.2 付着量及び硫酸銅試験回数······························································································· 3 

6.3 密着性 ························································································································· 4 

6.4 仕上げ ························································································································· 4 

7. 試験 ······························································································································ 4 

7.1 試料の採取方法 ············································································································· 4 

7.2 試験片の数 ··················································································································· 5 

7.3 付着量試験 ··················································································································· 5 

7.4 硫酸銅試験 ··················································································································· 5 

7.5 密着性試験 ··················································································································· 5 

8. 検査 ······························································································································ 5 

9. 表示 ······························································································································ 5 

附属書1(規定)溶融亜鉛めっき用素材 ···················································································· 6 

附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ··································································· 8 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 8641:2007 

溶融亜鉛めっき 

Hot dip galvanized coatings 

序文 この規格は,1999年に第2版として発行されたISO 1461,Hot dip galvanized coatings on fabricated iron 

and steel articles−Specifications and test methodsを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格で

ある。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,附属書2(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,鋼材及び鋼材加工品[以下,素材(1)と総称する。]に防食の目的で施される

溶融亜鉛めっきの有効面(2)について規定する。ただし,連続的に溶融亜鉛めっきされた溶融亜鉛めっき鋼

板類,亜鉛めっき鉄線類及び亜鉛めっき鋼線類は除く。 

注(1) 素材の詳細は,附属書1に示す。 

(2) 有効面とは,用途のうえで重要な面をいう。また,用途のうえで重要でない面とは,例えば,

めっき後,切削などの機械加工によって,めっき皮膜が除去される部分などであるが,具体的

には受渡当事者間の協定によって決められるものである。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 1461:1999,Hot dip galvanized coatings on fabricated iron and steel articles−Specifications and 

test methods (MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 0401 溶融亜鉛めっき試験方法 

備考 ISO 1460:1992,Metallic coatings−Hot dip galvanized coatings on ferrous materials−Gravimetric 

determination of the mass per unit areaからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS H 2107 亜鉛地金 

備考 ISO 752:2004,Zinc ingotsからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。 

JIS Z 0103 防せい防食用語 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 0103によるほか,次による。 

3.1 

一般  

a) 素材 溶融亜鉛めっきを施す前の鋼材及び鋼材加工品。 

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H 8641:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 製品 めっきを施した素材。 

c) めっき皮膜 素材上に形成された亜鉛及び亜鉛と鉄との合金からなるめっき層。めっき表面から素材

表面までをいう。 

d) 付着量 単位面積当たりのめっき皮膜の質量。1平方メートル当たりの質量をグラム表示したもので

あり,g/m2で表示する。 

3.2 

めっき表面に見られる諸現象  

a) 不めっき 局部的にめっき皮膜がなく,素材面の露出しているもの。 

参考 不めっきが小さい場合は,周辺亜鉛の犠牲的保護作用によって耐食上あまり影響はない。保護

作用の効果が及ぶ不めっき部の大きさは,実験的にはφ5.5 mm又は5 mm幅までである。 

b) やけ 金属亜鉛の光沢がなく,表面がつや消し又は灰色を呈したもの。甚だしい場合には暗灰色とな

る。 

参考 この現象は合金層がめっき表面に露出したものであり,大気中での耐食性には影響ない。やけ

は,密着性さえ十分であれば実用上の欠陥とはならないので,外観基準を設定する場合は,こ

の点を考慮することが必要である。 

なお,金属亜鉛の光沢は酸化の進行とともに失われ,やけの表面と類似した色調となってく

る。素材の鋼製造工程(脱酸法)によってけい素含有量に違いがあり,その影響でやけの発生

頻度に差が生じる。 

c) たれ 端部又は部分的に,亜鉛が多量に付着しているもの。 

参考 一般的にやけの発生しやすい素材は,めっき温度を低くしてめっき作業をするため亜鉛の流動

性が低下し,たれを発生させてしまうことが多い。たれの部分をやすりなどで研磨し,平滑面

を得ようとするときは,素材表面を露出させないようにする。実用上障害とならない限りその

ままにしておいたほうがよい。 

d) シーム 素材にきずがあると,めっきしたときに,めっき表面に特徴ある線状の凹凸になるめっき。 

参考 シームは,通常めっき皮膜が形成されているのでそのまま使用しても問題はない。しかし,そ

の面を平滑にしようとすると素材表面を露出することがある。 

e) かすびき 表面に亜鉛酸化物又はフラックス残さが著しく付着しているもの。 

参考 一般に耐食性に影響がある。したがって,付着した場合はやすりなどで除去しておくほうがよ

い。 

f) 

ざらつき 微粒状の突起があり,懸濁浮遊物質(ドロス)が付着した部分。 

参考 耐食性には影響はない。 

g) きず めっき作業中,めっき用具とめっき表面とが接触したこん(痕)。 

参考 めっき表面のきずは,発生位置,大きさ及び深さによってその有害性を判断する必要がある。 

h) 変色 保管中の薬品などの付着及びめっき浴からの引上げ時に,めっき表面が変色したもの。 

参考 めっき引上げ時に生じる変色は,光の干渉・反射に起因したもので,耐食性に影響はない。 

i) 

白さび 保管中に雨水の付着,結露などによって生じた塩基性炭酸亜鉛などの腐食生成物。 

参考 白さびによるめっき皮膜の消耗はわずかで,耐食性にはほとんど影響はない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 種類及び記号 めっきの種類及び記号は,表1による。 

表 1 種類及び記号 

種類 

記号 

適用例(参考) 

1種A 

HDZ A 

厚さ5 mm以下の鋼材・鋼製品,鋼管類,直径12 mm以上の
ボルト・ナット及び厚さ2.3 mmを超える座金類。 

1種B 

HDZ B 

厚さ5 mmを超える鋼材・鋼製品,鋼管類及び鋳鍛造品類。 

2種35 

HDZ 35 

厚さ1 mm以上2 mm以下の鋼材・鋼製品,直径12 mm以上
のボルト・ナット及び厚さ2.3 mmを超える座金類。 

2種40 

HDZ 40 

厚さ2 mmを超え3 mm以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。 

2種45 

HDZ 45 

厚さ3 mmを超え5 mm以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。 

2種50 

HDZ 50 

厚さ5 mmを超える鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。 

2種55 

HDZ 55 

過酷な腐食環境下で使用される鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。 

備考1. HDZ 55のめっきを要求するものは,素材の厚さ6 mm以上であることが望ましい。素

材の厚さが6 mm未満のものに適用する場合は,事前に受渡当事者間の協定による。 

2. 表中,適用例の欄で示す厚さ及び直径は,呼称寸法による。 
3. 過酷な腐食環境は,海塩粒子濃度の高い海岸,凍結防止剤の散布される地域などをい

う。 

5. 一般事項 亜鉛浴の品質は,次による。 

a) 地金 亜鉛浴に使用する亜鉛は,JIS H 2107に規定する蒸留亜鉛地金1種又はこれと同等以上の品質

の亜鉛地金とする。 

b) 亜鉛浴組成 亜鉛浴の純度は,作業中97.5 %以上とし,品質及び作業性の向上に有効な金属を添加し

てもよい。 

6. めっきの品質 めっきの品質は,次による。 

6.1 

外観 めっきの外観は,受渡当事者間の協定による用途に対して使用上支障のある不めっきなどが

あってはならない。また,めっき表面に現れる耐食性にはほとんど影響のない,濃淡のくすみ(やけなど)

及び湿気によるしみ(白さびなど)によって合否を判定してはならない。 

備考 めっきの主目的は,耐食性にあり,美観的要求事項を満足させることではない。また,装飾の

目的で施されるものでもない。めっきは表面素材を滑らかにすると考えがちであるが,素材表

面より良くならないのが普通である。 

6.2 

付着量及び硫酸銅試験回数 めっきの付着量は,7.3の試験を行ったとき,表2に適合しなければな

らない。硫酸銅試験回数は,表2の試験回数とし,7.4の試験を行ったとき,JIS H 0401の6.8に規定する

判定基準を満足しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 2 付着量及び硫酸銅試験回数 

種類 

記号 

硫酸銅 

試験回数 

付着量 

g/m2 

平均めっき膜厚 

μm(参考) 

1種A 

HDZ A 

4回 

− 

28〜42 

1種B 

HDZ B 

5回 

− 

35〜49 

2種35 

HDZ 35 

− 

350以上 

49以上 

2種40 

HDZ 40 

− 

400以上 

56以上 

2種45 

HDZ 45 

− 

450以上 

63以上 

2種50 

HDZ 50 

− 

500以上 

69以上 

2種55 

HDZ 55 

− 

550以上 

76以上 

備考1. めっき膜厚とは,めっき表面から素材表面までの距離を

いう。 

2. 1種A及び1種Bの平均めっき膜厚欄の数値は,硫酸銅

試験回数から推定した最小めっき皮膜厚さの範囲を示
す。 

3. 平均めっき膜厚は,めっき皮膜の密度を7.2 g/cm3とし

て,付着量を除した値を示す。 

6.3 

密着性 めっき皮膜は,素材表面とよく密着し,通常の取扱いでは,はく離又はき裂を生じないも

のでなければならない。7.5の試験で,ハンマ試験を行った場合,打こん間に連続した浮き上がり又ははく

離があってはならない。 

6.4 

仕上げ 通常,めっきは,危険な鋭利なたれを除き,グラインダ,やすりなどを使用する仕上げは

行わない。ただし,不めっき及び接合する部分のたれなど指定された用途に対して使用上支障がある場合

には,受渡当事者間の協定によって,仕上げ方法を決定する。また,めっき後,塗装が行われるもの,景

観材料などとして使われるものについても,事前に受渡当事者間で仕上げについての仕様を決定する。 

なお,めっき不良品の処置は,次による。 

a) 不めっき部の補修 補修を行うことができる不めっき部は,通常,製品全表面積の0.5 %までとし,

各々の不めっき部分の面積は,5 cm2以下とする。 

b) 不めっき部の処置 不めっき部の面積が製品全表面積の0.5 %を超える場合,又は各々の不めっき部

分の面積が5 cm2を超える不めっき部の処置については,受渡当事者間の協定によって補修するか又

は再めっきするかを決める。 

備考 作業による不良品には,前処理による不良,亜鉛付着量不足による不良,外観不良などがある。

これらの不良品を再めっきする場合には,前処理工程を省略し,再浸せきしても良好な亜鉛め

っきが得られる場合が多い。 

c) 補修方法 不めっき部の補修方法は,高濃度亜鉛末塗料を用いるか,又は亜鉛溶射などを行う。 

d) 不めっき以外の不良品の処置 不めっき以外の不良品の処置は,受渡当事者間の協定による。 

7. 試験  

7.1 

試料の採取方法 試料(素材又は製品)の採取方法は,次による。 

なお,詳細な試験片の採取方法は,JIS H 0401による。 

a) 製品から試料を採取できる場合 同一材質の素材を同一の条件でめっきした製品でロットを形成し,

そのロットから製品を代表する試料を抜き取る。抜き取った試料から試験片を採取する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 製品から試料を採取できない場合 製品に使われたものと同一素材から試料を採取し,素材と同時に

めっきしたものを試験片とする。注文者は,めっき業者に素材と同一材質の試料及び素材の情報を提供

するものとする。 

7.2 

試験片の数 試験片の数は,受渡当事者間の協定による。 

7.3 

付着量試験 通常,JIS H 0401の付着量試験方法の直接法又は間接法による。ただし,めっき1種

A及び1種Bには適用しない。 

なお,受渡当事者間の協定によって,JIS H 0401の磁力式厚さ試験を行ってもよい。 

7.4 

硫酸銅試験 めっき1種A及び1種Bの場合は,JIS H 0401の硫酸銅試験方法によって,試験を行

う。 

7.5 

密着性試験 めっき2種35〜2種55の場合で試験片が採取できる場合は,JIS H 0401の密着性試験

方法により,ハンマ試験を行う。 

なお,ハンマ試験を行えない場合は,JIS H 0401の密着性試験方法に規定する目視による方法によって,

通常の取扱いによるめっき皮膜のき裂又ははく離の有無を調べる。 

8. 検査 めっきは,外観を検査するとともに,7. によって試験し,6. の規定に適合したものを合格とす

る。 

9. 表示 製品には,荷札,送り状(納品書を含む。)などに,次の事項を表示する。 

a) 規格番号及び種類又はその記号 

b) 加工年月 

c) 加工業者名又はその略号 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定)溶融亜鉛めっき用素材 

1. 適用範囲 この附属書は,防食の目的で素材に溶融亜鉛めっき(以下,めっきという。)を施すため,

素材に必要な指針について規定する。 

2. 素材  

2.1 

素材の分類 素材は,その形状,材質などによって,次の5種類に分類する。 

a) 管類:水配管用鋼管,電線管,配管用鋼管,構造用鋼管,鋼管足場など。 

b) 圧延鋼材類:鋼板,形鋼,平鋼,棒鋼など。 

c) 加工品類:鉄塔部材,橋りょう(梁)部材,鉄骨部材,造船金物,架線金物,タンクなど。 

d) ボルト・ナット類:各種ボルト,ナット,座金など。 

e) 鋳鍛造品類:鋳鉄品,鋳鋼品,鍛造品,管継手など。 

2.2 

素材の条件 素材は,良好なめっき皮膜を形成することができる表面状態,材厚,材質,構造のも

のでなければならない。 

2.3 

素材の管理 素材は,めっき品質の異常なばらつきを防ぐために,あらかじめその材質を明らかに

する。 

なお,特に素材の化学成分中のけい素(Si),りん(P)は,めっき品質に対する影響が大きいので,そ

の量を確認することが望ましい。 

2.4 

めっきに適さない素材 素材が附属書1表1に該当する表面状態又は構造である場合は,一般にめ

っきに適さない。これをそのままめっきすると,不めっき,その他使用上支障がある欠陥を生じるため,

事前(設計,製作前)に専門知識をもつ者(例えば,めっき技能士など)と協議することが望ましい。 

附属書1表 1 めっきに適さない素材 

分類 

現象 

表面状態 

2枚板,深いロールきずなどの材料きず,なし肌状,孔食状などの,甚だしい腐食があるもの。 

素材表面にさび,汚れ,付着物(油,塗料)などがあり,前処理工程の脱脂,酸化物の除去処理
を行っても除去できないもの。 

極端な赤さび,異常酸化層などによって地肌が平滑でないもの。 
レーザー切断,高周波曲げなどによって,平滑であるが異常酸化層の激しいもの。 

鋳物の砂かみ,巣,溶接部のピットなどのあるもの。 

構造 

作業中破損又は変形のおそれのある構造のもの。 

ブラスト処理をするときに,死角をもつ構造のもの。 

空気を密閉した中空体の構造のもの。 

亜鉛が容易に流入,流出できない構造のもの。 

亜鉛浴中に浸せきしても空気の一部が逃げない構造のもの。 

2.5 

予防処置を必要とする素材 附属書1表2に示す単一素材又は組合せ素材は,通常,素材の注文者

が必要な処置をとらなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1表 2 予防処置 

単一素材又は組合せ素材の状態 

処置 

a) 重ね合せ面,突合せ面のある場合 

密接する面を完全に連続溶接か,又は除去する。 

b) 管類又は丸棒の周りに鋼板を巻いたものがある

場合 

管類又は丸棒と鋼板の油類を加工前に完全に除去する。 

c) 材厚に大きな差のある組合せ部材で溶接部があ

る場合 

極端な板厚の差は避ける。 

d) アーク溶接部がある場合 

スラグをブラスト処理,たがねなどの方法で完全に除去
する。 

e) 鋳物と熱間圧延鋼材との組合せがある場合 

鋳鉄,鋳鋼及び可鍛鋳鉄と熱間圧延鋼材とを組み合わせ
たものは,ブラスト処理などによって酸化物を除去する。 

f)  管又は部分的な袋状の箇所を含む場合 

管の両端又は一端を必ずあける。 
袋状の構造の箇所はコーナ部をあける。 

g) 古い素材と新しい素材との組合せがある場合 

極端にさびた古い素材と新しい素材との組合せを避け
る。 

h) 厚い酸化物のある素材の一部に新たに機械加工

を施す場合 

機械加工をする前にブラスト処理などを行う。 

i) 

ナット及びめねじ付き部品を含む場合 

ナット及びめねじは,大きめにタップを立てておくか又
はめっき後ねじ部をさらう(ボルトおねじ類を別にめっ
きしてはめ合せる場合)。 

j)  異種金属との組合せがある場合 

異種金属の組合せを,できるだけ避ける。 

k) 可動部分がある場合 

素材に可動部分がある場合は,十分なすき間をつくる。 

l) 

品質に大きな支障を与える残留応力がある場合 適切な熱処理によって残留応力を取り除く。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS H 8641:2007 溶融亜鉛めっき 

ISO 1461:1999 鉄鋼製品の溶融亜鉛めっき皮膜−仕様と検査方法 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ)  

国際規
格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体及び附属書 
 表示方法:点線の下線及び実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1. 適用範囲  鋼材及び鋼材加工品に防

食の目的で施す溶融亜鉛
めっきの有効面について
規定。 

ISO 
1461 

鉄鋼(製)品に施した溶融亜
鉛めっきの一般的性質及び試
験に用いる方法について規
定。 

MOD/追加 ISO規格が適用外としてい

る素材の一部を,JISは適
用範囲に含めた。 

我が国の鋼管類でこの規格を引用
しているものがあるため。 

2. 引用規格  JIS H 0401,JIS H 2107 

ISO 1460,ISO 752 

MOD/変更 JISからの引用事項は,対

応ISO規格の該当事項と同
等である。 

− 

JIS Z 0103 

− 

MOD/追加 

− 

JISの体系では一つの規格(JIS H 
0401)で複数の試験法を規定。ISO
の体系では,個々の試験法を個別
の規格で規定,などによる。 

− 

ISO 2064,ISO 2178, 
ISO 2859-1/2,ISO 10474, 
EN 1179,EN 22063 

MOD/削除 

− 

3. 定義 

JIS Z 0103によるほか,
めっきで用いる,合計13
用語の定義を規定。 

ISO 2064によるほか,15用語
の定義を規定。 

MOD/変更 
MOD/削除 

ISO規格の用語の定義を一
部採用し,必要な用語を追
加。 

JISとして必要な用語を定義。 

4. 種類及び
記号 

めっきの種類及び記号を
規定。 

− 

− 

MOD/追加 

− 

我が国で使用されている種類の規
定が必要。 

5. 一般事項  a) 地金 

亜鉛の品質を規定。 

− 

ISO 752 

MOD/変更 不可避不純物の含有量が異

なる。 

不可避不純物の少ない亜鉛地金を
使用した溶融亜鉛めっき技術の開
発検討。 

b) 亜鉛浴組成 
亜鉛浴の純度は,作業中,
97.5 %以上。 

4.1 

亜鉛浴 
亜鉛浴中の不純物は,1.5 %を
超えてはならない。 

MOD/変更 亜鉛浴の純度が異なる。 

98.5 %は亜鉛地金の純度であり,
鉄釜で溶解すると鉄の溶出があり,
亜鉛の純度が変化する。ISO規格
の改正時に提案する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ)  

国際規
格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体及び附属書 
 表示方法:点線の下線及び実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6. めっきの
品質 

6.1 外観 

6.1 

外観 

IDT 

− 

− 

6.2 付着量及び硫酸銅試
験めっきの種類ごとの,
硫酸銅試験回数及び付着
量を規定。 

6.2.3 素材の厚さ,径などに応じた,

標準的なめっき膜厚を規定し
ているが,個々の製品によっ
て変更してもよいとしている。 

MOD/変更 ISO規格では,付着量を膜

厚に換算して規定。 

付着量でなく,膜厚による管理方
法を今後検討する。規定値は,我
が国の市場の要求に応じたものと
した。 

6.3 密着性 

6.4 

素材とめっきの密着性を試験
する適切なISO規格は,現在
ない。 

MOD/追加 

− 

品質を評価する上で重要であり,
ISO規格改正時に追加を提案す
る。 

6.4 仕上げ 

6.2.1 一般 

JISとほぼ同じ。 

MOD/追加 JISは,仕上げに当たって

の注意事項を追加。 

実質的に同じである。 

めっき不良品の処置 
a) 不めっき部の補修 

6.3 

 
JISとほぼ同じ。 

 
MOD/変更 

 
補修してよい限度を10 cm2
から5 cm2に変更。 

 
日本国内の暴露試験データに基づ
いた。ISO規格改正時に提案する。 

b) 不めっき部の処置 

c) 補修方法 

JISと同じ。 

IDT 

− 

− 

d) 不めっき以外の不良

品の処置 

JISとほぼ同じ。 

IDT 

− 

− 

7. 試験 

7.1 試験片の採取方法 

試験片の採取方法 
ロット内の製品の数に応じ,
付着量試験に供する製品の数
を規定。 

MOD/変更 JISは,試験の種類を追加

しているので,JIS H 0401
を引用し,試験法ごとの採
取方法を規定。 

試験方法の追加などによる。 

7.2 試験片の数 
受渡当事者間の協定によ
る。 

6.2.3 製品の形状及び寸法に応じ

た,試験箇所の数,位置,形
状などの決め方を規定。 

MOD/変更 JISは,受渡当時者間の協

定によるとした。 

日本国内においては,製品規格に
決められているので,特に明記し
ていない。また,一部の製品につ
いて規定すると使用者の混乱を招
く可能性がある。 

 
 
 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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H 8641:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ)  

国際規
格番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体及び附属書 
 表示方法:点線の下線及び実線の側線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7. 試験 
(続き) 

7.3 付着量試験 
直接法,間接法及び磁力
式厚さの三つの試験法。 

6.2 

間接法及び磁力式厚さ試験
法。 

MOD/追加 直接法による付着量試験法

を追加。 

付着量を試験する方法として必要
であり,ISO規格改正時に追加を
提案する。 

7.4 硫酸銅試験 
JIS H 0401による。 

− 

− 

MOD/追加 

− 

最小付着量を確認する方法として
必要であり,ISO規格改正時に追
加を提案する。 

7.5 密着性試験 
JIS H 0401による。 

− 

− 

MOD/追加 

− 

密着性を評価するために必要であ
り,ISO規格改正時に追加を提案
する。 

8. 検査 

外観及び6. の試験による
検査及び合格基準につい
て規定。 

6.5 

付着量試験の合格基準及び,
不合格の場合の,追加試験の
方法及びその合格基準を規
定。 

MOD/変更 JISでは,表現を変更した。 ISO規格にある検査が不合格にな

った場合の,追加試験による救済
規定は根拠が不明確である。統計
学的根拠のない救済措置を採用す
ると使用者の同意が得られない。 

9. 表示 

表示事項及び方法を規
定。 

− 

− 

MOD/追加 

− 

JISとして必要な規定項目の追
加。 

附属書1 
(規定) 

めっきを施すため,素材
に必要な指針について規
定。 

− 

− 

MOD/追加 

− 

めっきについて必要な措置を規
定。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 
 
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― IDT……………… 技術的差異がない。 
  ― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  ― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  ― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― MOD…………… 国際規格を修正している。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。