1
H
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:
1
9
9
9
解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表
JIS H 8502 : 1999 めっきの耐食性試験方法
ISO 4540 : 1980 (金属被覆−素地に対して陰極となる被覆−腐食試験を行った電気めっき試験片の等
級判定)
ISO 4541 : 1978 (金属及びその他非有機材料による被覆−コロードコート腐食試験)
ISO 8407 : 1991 (金属及び合金−腐食試験片からの腐食生成物除去法)
ISO 8565 : 1982 (金属及び合金−大気腐食試験−フィールド試験の一般通則)
ISO 9227 : 1990 (大気腐食試験−塩水噴霧試験)
ISO 10062 : 1991 (極低濃度の腐食性ガスにおける人工雰囲気中での席食試験)
IEC 60068-2-42 : 1982 (環境試験方法−接点及び接続部の二酸化硫黄試験法)
IEC 60068-2-43 : 1976 (環境試験方法−接点及び接続部の硫化水素試験)
ISO/DIS 14993 : 1997 (金属及び合金−噴霧,乾燥,湿潤条件によるサイクル試験方法)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際
規格
番号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整
合が困難な理由及び今
後の対策
1. 適用範囲
○ めっき及びそれを施したもの
の耐食性試験方法
6. 屋外暴露試験方法
ISO 8565 ○ 大気腐食試験のための一般
要求
= 対応する国際規格(ISO,IEC)は各
試験方法が独立の規格として規
定されているため,めっき以外の
陽極酸化皮膜,塗装なども適用範
囲とするものもある。JISはこれ
らを包含し,全体として技術的に
同等である
7. 連続噴霧試験方法
ISO 9227 ○ 塩水噴霧試験
=
8.1 中性塩水噴霧サイクル
試験方法
ISO/DIS
14993
○ 噴霧,乾燥湿潤条件によるサ
イクル試験方法
=
9. コロードコート試験方
法
ISO 4541 ○ コロードコート腐食試験
=
10. ガス腐食試験方法
ISO 10062 ○ 極低濃度ガス腐食試験方法
=
10.1 二酸化硫黄試験方法
IEC 60068
-2-42
○ 二酸化硫黄試験方法
=
10.2 硫化水素試験方法
IEC 60068
-2-43
○ 硫化水素試験方法
=
11. めっき〜耐食性判定方
法
ISO 4540 ○ 試験片の等級判定方法
=
付表1 化学的〜除去方法
ISO 8407 ○ 腐食生成物の除去方法
=
2
H
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2
:
1
9
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9
解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際
規格
番号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整
合が困難な理由及び今
後の対策
2. 引用規格
○ JIS H 0400,JIS K 8355
JIS K 8116,JIS K 8560
JIS K 8142,JIS K 8746
JIS K 8145,JIS Z 8401
JIS K 8150,
−
−
3. 定義
○ JIS H 0211及びJIS H 0400の
ほか,次の用語を規定
屋外暴露試験,直接暴露試験,
遮へい暴露試験,連続噴霧試
験,中性塩水噴霧試験,酢酸酸
性塩水噴霧試験,キャス試験,
サイクル試験,中性塩水噴霧試
験,人工酸性雨サイクル試験,
コロードコート試験,ガス腐食
試験,二酸化硫黄試験,硫化水
素試験,塩素ガス試験,混合ガ
ス試験
−
−
4. 試験方法の種類
○ (1) 屋外暴露試験方法
(2) 連続噴霧試験方法
(3) サイクル試験方法
(4) コロードコート試験方法
(5) ガス腐食試験方法
−
−
5. 試験片
○ 試験片の取扱い採取,大きさ試
験前の処理,注意事項
ISO 9227 ○ 試験片の数及び種類,形状寸
法
=
ISO 8565 ○ 試験片の調製,取扱い,試験
片の表示,試験片の数
=
ISO 4541 ○ 試験片の形状及び数は,試験
される製品による。
=
ISO 10062 ○ 試験前供試品の取扱い
=
3
H
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0
2
:
1
9
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解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際
規格
番号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整
合が困難な理由及び今
後の対策
6. 屋外暴露試験方法
直接暴露試験方法
○ 要旨
暴露敷地の条件
暴露場所
暴露台
試験片取付け
暴露期間
気象因子の測定
判定方法
報告事項
ISO 8565 ○ 大気腐食試験場所
試験場所の分類
試験場所の性格づけ
操作条件
試験手順
試験報告書
= 暴露期間
JISは耐食性に乏しいめっきも対
象としているため,1年未満の1
か月,3か月,6か月も規定して
いる。ISOでは暴露期間は推奨事
項であるため軽微な差と判断。
遮へい暴露試験方法 ○ 要旨
暴露敷地の条件
暴露場所
暴露台
暴露期間
気象因子の測定
判定方法
報告事項
ISO 8565 ○ 大気腐食試験場所
試験場所の分類
試験場所の性格づけ
操作条件
試験手順
試験報告書
= 暴露期間
JISは耐食性に乏しいめっきも対
象としているため,1年未満の1
か月,3か月,6か月も規定して
いる。ISOでは暴露期間は推奨事
項であるため軽微な差と判断。
7. 連続噴霧試験方法
中性塩水噴霧
試験方法
○ 要旨
試験液の調製順序
装置
試験片の保持
操作
試験条件
試験時間
試験後の試験片の処理
判定方法
報告
ISO 9227 ○ 適用範囲
試験液
装置
試験槽の腐食性の評価
試験片の配置
運転条件
試験期間
試験後の試験片の処理
結果の評価
試験報告
= ISOとJISとの試験時間が異なる
が,ともに推奨事項である。
ISO 2,6,24,48,96,168,
240,480,720,1 000時間
JIS
8,16,24,48,96,240,
480,720時間
4
H
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2
:
1
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解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際
規格
番号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整
合が困難な理由及び今
後の対策
酢酸酸性塩水
噴霧試験方法
○ 要旨
試験液の調製順序
装置
試験片の保持
操作
試験条件
試験時間
試験後の試験片の処理
判定方法
報告
ISO 9227 ○ 適用範囲
試験液(AASS試験)
装置
試験槽の腐食性の評価
試験片の配置
運転条件
試験期間
試験後の試験片の処理
結果の評価
試験報告
=
キャス試験方法
○ 要旨
試験液の調製順序
装置
試験片の保持
操作
試験条件
試験時間
試験後の試験片の処理
判定方法
報告
ISO 9227 ○ 適用範囲
試験液(CASS試験)
装置
試験槽の腐食性の評価
試験片の配置
運転条件
試験期間
試験後の試験片の処理
結果の評価
試験報告
=
8. サイクル試験方法
中性塩水噴霧
サイクル試験方法
○ 要旨
試験液の調製順序
装置
試験片の保持
操作
試験条件
試験時間
試験後の試験片の処理
判定方法
報告
ISO/DIS
14993
○ 適用範囲
試験液
装置
試験槽の腐食性の評価
試験片の配置
運転条件
試験期間
試験後の試験片の処理
結果の評価
試験報告
= 表現上の違いだけ
JISは試験方法として,必要事項
をすべて規定。
※日本案を基に審議が進
められ,現在,DISの
段階。
5
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2
:
1
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9
解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際
規格
番号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整
合が困難な理由及び今
後の対策
人工酸性雨
サイクル試験方法
○ 要旨
試験液の調製順序
装置
試験片の保持
操作
試験条件
試験時間
試験後の試験片の処理
判定方法
報告
−
−
※ISOで審議が進められ
ている。
9. コロードコート
試験方法
○ 要旨
使用薬品及びその調製方法
コロードコート泥の調製法
装置
操作
コロードコート泥の塗布
湿気槽への暴露
暴露後の処理
判定方法
報告
ISO 4541 ○ 目的及び適用範囲
コロードコート泥
装置
コロードコート泥の試験片
試験中の試験片の位置
恒湿槽の条件
試験サイクル
試験期間
試験後の処理
結果の評価
試験報告
=
10. ガス腐食試験方法
二酸化硫黄
試験方法
○ 要旨
試験用ガス
装置
試験片の保持
操作
試験条件
試験時間
試験後の試験片の処理
暴露後の処理
判定方法
ISO 10062 ○ 適用範囲
試験装置
試験方法
試験槽内への供試品の配
置
試験手順
試験状態のモニタリング
試験後の保管
製品規格に規定する事項
結果の表現
≠ 濃度
ISO
0.5ppm
JIS
0.5,10,25ppm
湿度
ISO
75±3%
JIS
80±5%
時間
ISO
24,48,96,240,480,720,
2160
JIS
4,8,16,24,48,96,240
※データを基に,試験条
件の変更/追加を提案し
ている。
現在,審議中(ほぼ採用
の方向)。
※めっきの耐食性促進試
験として,ISOの試験条
件は不適切。
6
H
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2
:
1
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9
9
解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際
規格
番号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整
合が困難な理由及び今
後の対策
報告
試験報告
IEC 60068
-2-42
適用範囲
試験槽
試験槽内雰囲気の組成条件
初期測定
試験
最終試験
製品規格に規定する事項
= 濃度
IEC
25ppm
JIS
0.5,10,25ppm
硫化水素試験方法 ○ 要旨
試験用ガス
装置
試験片の保持
操作
試験条件
試験時間
試験後の試験片の処理
暴露後の処理
判定方法
報告
ISO 10062 ○ 適用範囲
試験装置
試験方法
試験槽内への供試品の配
置
試験手順
試験状態のモニタリング
試験後の保管
製品規格に規定する事項
結果の表現
試験報告
≠ 濃度
ISO
0.1±0.02ppm
JIS
0.1±0.02ppm
3±1ppm
10±2ppm
湿度
ISO
75±3%
JIS
80±5%
温度
ISO
25±2℃
JIS
40±1℃
※データを基に,試験条
件の変更/追加を提案し
ている。
現在,審議中(ほぼ採用
の方向)。
※めっきの耐食性促進試
験として,ISOの試験条
件不適切。
IEC 60068
-2-43
○ 目的
試験槽
試験槽内雰囲気の組成条件
初期測定
試験
最終試験
製品規格に規定する事項
≠ 濃度
IEC 10〜15ppm
JIS
0.1±0.02ppm
13±1ppm
10±2ppm
温度
IEC 25±2℃
JIS
40±1℃
塩素ガス試験方法 ○ 要旨
試験用ガス
装置
試験片の保持
−
−
◆ISOには塩素ガス試
験がない。しかし,塩
素環境の腐食試験が必
要とのことから,ISO
7
H
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:
1
9
9
9
解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際
規格
番号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整
合が困難な理由及び今
後の対策
操作 (試験条件,試験時間,試
験後の試験片の処理)
暴露後の処理
判定方法
報告
に提案。現在,審議中。
混合ガス試験方法
○ 要旨
試験用ガス
装置・
試験片の保持
操作 (試験条件,試験時間,
試験後の試験片の処
理)
暴露後の処理
判定方法
報告
ISO 10062 ○ 適用範囲
試験装置
試験方法
試験槽内への供試品の配置
試験手順
試験状態のモニタリング
試験後の保管
製品規格に規定する事項
結果の表現
≠ JIS D 1法≒ISO
濃度
SO2 0.5±0.1ppm
H2S 0.1±0.02ppm
温度 40±1℃
湿度 80±5%
JIS D 3法≒IEC
濃度
SO2 0.5±0.1ppm
※JIS D2法をISOに提案
しており,現在,審議
中。
※めっきの耐食性促進試
験として,ISOの試験
条件は不適切であり,
再現性からも,より適
切なJIS案を提案中。
11. めっきの耐食性の判
定方法
○ 要旨
評価の対象となる腐食欠陥
試験片の確認
評価の対象面
レイティングナンバ標準図表
による方法
レイティングナンバの等級付
けを実測によって行う方法
目視と質量減少による方法
ISO 4540 ○ 適用範囲
原理
欠陥の形式
検査準備と検査方法
プロテクションレイティン
グの与え方
数値によって等級付けす
る方法
欠陥面積の判定を助ける
比較標準図表
アピアランスナンバの与え
方
低いレイティングの試験片
試験報告
屋外暴露試験
促進腐食試験
= JISのレイティングナンバはISO
のプロテクションナンバと対応。
JISの腐食欠陥が,ISOのアピア
ランスナンパに対応する。このた
め,JISとISOとは技術的に同等
である。
8
H
8
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0
2
:
1
9
9
9
解
説
解説付表1 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際
規格
番号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整
合が困難な理由及び今
後の対策
附属書A
12. 付表1
化学的腐食生成物
除去方法
○ 素地金属とめっきの種類別に,
腐食生成物除去液,時間,温度
を規定。
ISO 8407 ○ 適用範囲
手順(全体,化学的手順,電
解方法の手順.機械的手順),
試験報告
= 表現上の違いだけ
(JIS必要事項はすべて規定)
13. 附属書1
海塩粒子量の測定
方法
○ 適用範囲,補集器具,ガーゼの
調整,暴露方法,試験溶液の調
製,定量操作,計算
ISO 9227 ○
= 表現上の違いだけ
(JIS必要事項はすべて規定)
14. 附属書2
二酸化鉛法による硫黄
酸化物量の測定方法
○ 適用範囲,二酸化鉛円筒の作
製,二酸化鉛円筒の暴露,測定
方法,計算
ISO 9227
= 表現上の違いだけ
(JIS必要事項はすべて規定)
15. 附属書3
アルカリろ紙によ
る硫黄酸化物量及び
窒素酸化物量の測定
方法
○ 適用範囲,アルカリろ紙の作
製,暴露方法,採取方法,硫黄
酸化物の測定法A(硫酸イオン
分析,容量法,計算)硫黄酸化
物の測定法B(三酸化硫黄分析,
吸光光度法,計算),窒素酸化
物の測定方法(二酸化窒素分
析,吸光光度法,計算)
−
−
16. 附属書4
局部的腐食率及び
全体的腐食率による
めっきの耐食性評価
方法
○ 適用範囲,測定の原理,局部的
腐食率,全体的腐食率
ISO 4541 ○ 結果の評価
= 表現上の違いだけ
(JIS必要事項はすべて規定)
備考1. 対比項目(I)及び(III)の小欄で,“○”は該当する項目を規定している場合を示す。
2. 対比項目(IV)の小欄の記号の意味は,次による
“=”:JISと国際規格との技術的内容は同等である。ただし,軽微な技術上の差異がある。
“≠:JISは,国際規格と技術的内容が同等でない。ただし,“ADP”に該当する場合を除く。
“−”:該当項目がない場合。