H 7300:2020
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義··················································································································· 3
4 実用超電導線の特性·········································································································· 3
5 特性の分類······················································································································ 3
6 規格に定める特性············································································································· 3
6.1 一般事項 ······················································································································ 3
6.2 実用超電導線の基本特性 ································································································· 3
6.3 実用超電導線のエンジニアリングに関する特性 ··································································· 4
附属書A(参考)実用超電導線の特性 ······················································································ 5
附属書JA(参考)実用超電導線の構造 ····················································································· 8
附属書JB(参考)実用超電導線の分類 ···················································································· 10
附属書JC(参考)実用超電導線の仕様及び利用に関する技術情報 ················································ 14
附属書JD(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 16
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まえがき
この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本電線工業会(JCMA)及
び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出が
あり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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超電導−実用超電導線の試験方法の総則
Superconductivity-
General test methods for practical superconducting wires
序文
この規格は,2015年に第1版として発行されたIEC 61788-21を基とし,技術的内容を変更して作成し
た日本産業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。技術的差
異の一覧表にその説明を付けて,附属書JDに示す。また,附属書JA〜附属書JCは,対応国際規格には
ない事項である。
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適用範囲
この規格は,実用超電導線の機械的特性,電気的特性及び超電導特性を検証するための試験方法につい
て規定する。実用超電導線とは,超電導機器を製造するために通常の商業取引の下で十分に連続した長さ
で調達できる超電導線をいう。ケーブルのような複数の線材からなる導体は,この規格に含まれない。こ
の規格では,実用超電導線の範囲を超えて拡張することは意図しないが,附属書JA〜附属書JCにはこの
適用範囲外の事項が含まれている。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 61788-21:2015,Superconductivity−Part 21: Superconducting wires−Test methods for practical
superconducting wires−General characteristics and guidance(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”こと
を示す。
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引用規格
次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 7005 超電導関連用語
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 60050-815,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)
−Part 815: Superconductivity
JIS H 7301 超電導−第1部:臨界電流の試験方法−ニオブ・チタン合金複合超電導線
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-1,Superconductivity−Part 1: Critical current
measurement−DC critical current of Nb-Ti composite superconductors
JIS H 7302 超電導−第2部:臨界電流の試験方法−ニオブ3すず複合超電導線
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-2,Superconductivity−Part 2: Critical current
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measurement−DC critical current of Nb3Sn composite superconductors
JIS H 7303 超電導−機械的性質の試験方法−銅安定化ニオブ・チタン複合超電導線の室温引張試験
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-6,Superconductivity−Part 6: Mechanical properties
measurement−Room temperature tensile test of Cu/Nb-Ti composite superconductors
JIS H 7304 超電導−超電導体のマトリックス比試験方法−銅安定化ニオブ・チタン複合超電導線の
銅比
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-5,superconductivity−Part 5: Matrix to
superconductor volume ratio measurement−Copper to superconductor volume ratio of Cu/Nb-Ti
composite superconducting wires
JIS H 7305 超電導−臨界電流の試験方法−銀シースビスマス2212及びビスマス2223酸化物超電導
線の直流臨界電流
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-3,Superconductivity−Part 3: Critical current
measurement−DC critical current of Ag- and/or Ag alloy-sheathed Bi-2212 and Bi-2223 oxide
superconductors
JIS H 7306 超電導−残留抵抗比試験方法−ニオブ・チタン及びニオブ3すず複合超電導線の残留抵
抗比
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-4,Superconductivity−Part 4: Residual resistance
ratio measurement−Residual resistance ratio of Nb-Ti and Nb3Sn composite superconductors
JIS H 7308 超電導−超電導体に対するマトリックス体積比試験方法−ニオブ3すず複合超電導線の
非銅部に対する銅部体積比
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-12,Superconductivity−Part 12: Matrix to
superconductor volume ratio measurement−Copper to non-copper volume ratio of Nb3Sn composite
superconducting wires
JIS H 7309 超電導−臨界温度試験方法−複合超電導導体の抵抗法による臨界温度
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-10,Superconductivity−Part 10: Critical temperature
measurement−Critical temperature of composite superconductors by a resistance method
JIS H 7310 超電導−交流損失試験方法−ピックアップコイル法による液体ヘリウム温度・交流横磁
界中の円断面超電導線の全交流損失測定
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-8,Superconductivity−Part 8: AC loss measurements
−Total AC loss measurement of round superconducting wires exposed to a transverse alternating
magnetic field at liquid helium temperature by a pickup coil method
JIS H 7311 超電導−交流損失試験方法−磁力計法による複合超電導線のヒステリシス損失測定
注記 対応国際規格における引用規格:IEC 61788-13,Superconductivity−Part 13: AC loss
measurements−Magnetometer methods for hysteresis loss in superconducting multifilamentary
composites
IEC 61788-18,Superconductivity−Part 18: Mechanical properties measurement−Room temperature tensile
test of Ag- and/or Ag alloy-sheathed Bi-2223 and Bi-2212 composite superconductors
IEC 61788-19,Superconductivity−Part 19: Mechanical properties measurement−Room temperature tensile
test of reacted Nb3Sn composite superconductors
IEC 61788-24,Superconductivity−Part 24: Critical current measurement−Retained critical current after double
bending at room temperature of Ag-sheathed Bi-2223 superconducting wires
IEC 61788-25,Superconductivity−Part 25: Mechanical properties measurement−Room temperature tensile
test on REBCO wires
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS H 7005による。
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実用超電導線の特性
電線の最も重要な目的は,電流を流すことである。実用超電導線の使用目的は通常の電線と同じである
が,実用超電導線は,同じサイズの通常の電線に比べて100倍〜1 000倍の大きな電流を流すことが可能で
ある。箇条6の超電導線試験規格群に規定される標準試験方法では,超電導線の臨界電流と呼ばれる電流
容量決定方法について規定する。実用超電導線が特定の使用環境下にある場合には,磁界中の特性と同様
に機械的特性及び熱的特性に関してこの規格に記載される実用超電導線が特定の使用環境下にある場合に
は,磁界中の特性と同様に機械的特性及び熱的特性に関して,追加の規格を必要とする。詳細を,附属書
A及び附属書JA〜附属書JCに示す。
5
特性の分類
仕様書に必要な特性を,次のように分類する。
a) 運転温度までの初期冷却,標準的な連続動作,及び故障状態における実用超電導線の基本特性。
b) 超電導機器の製造,設置,及び運転における実用超電導線のエンジニアリングに関する特性。
上記の二つの分類に属する特性については,箇条6に示すJIS H 7301〜JIS H 7306,JIS H 7308〜JIS H
7311,IEC 61788-18,IEC 61788-19,IEC 61788-24及びIEC 61788-25(以下,超電導線試験規格群という。)
が,主な試験方法として確立されている。
6
規格に定める特性
6.1
一般事項
幾つかの特性は,超電導線試験規格群の一部として定められている。疑義が生じる場合には,当該の問
題を解決するためには,それらの特性の試験方法を用いる。超電導線試験規格群の一部として新しい試験
方法が定められる場合は,その試験方法を箇条6に含むようにする。
6.2
実用超電導線の基本特性
疑義が生じる場合には,超電導線試験規格群の基本特性に関する最新の規定を用いて問題の解決に当た
る。それらを,次のグループに分類する。
a) 臨界温度(Tc):
− 臨界温度試験方法−複合超電導導体の抵抗法による臨界温度(JIS H 7309)。
b) 臨界電流(Ic):
− 臨界電流の試験方法−ニオブ・チタン合金複合超電導線(JIS H 7301)。
− 臨界電流の試験方法−ニオブ3すず複合超電導線(JIS H 7302)。
− 臨界電流の試験方法−銀シースビスマス2212及びビスマス2223酸化物超電導線の直流臨界電流
(JIS H 7305)。
− Critical current measurement−Retained critical current after double bending at room temperature of Ag-
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sheathed Bi-2223 superconducting wires(臨界電流の試験方法−銀シースビスマス2223酸化物超電導
線の室温における両曲げ後に維持される臨界電流)(IEC 61788-24)。
6.3
実用超電導線のエンジニアリングに関する特性
疑義が生じる場合には,超電導線試験規格群のエンジニアリングに関する最新の規定を用いて当該の問
題を解決する。それらを,次のグループに分類する。
a) マトリックス比:
− 超電導体のマトリックス比試験方法−銅安定化ニオブ・チタン複合超電導線の銅比(JIS H 7304)。
− 超電導体に対するマトリックス体積比試験方法−ニオブ3すず複合超電導線の非銅部に対する銅部
体積比(JIS H 7308)。
b) 残留抵抗比(RRR):
− 残留抵抗比試験方法−ニオブ・チタン及びニオブ3すず複合超電導線の残留抵抗比(JIS H 7306)。
c) 機械的特性:
− 機械的性質の試験方法−銅安定化ニオブ・チタン複合超電導線の室温引張試験(JIS H 7303)。
− Mechanical properties measurement−Room temperature tensile test of Ag-and/or Ag alloy-sheathed Bi-2223
and Bi-2212 composite superconductors(機械的性質の試験方法−銀シースビスマス2212及びビスマ
ス2223酸化物超電導線の室温引張試験)(IEC 61788-18)。
− Mechanical properties measurement−Room temperature tensile test of reacted Nb3Sn composite
superconductors(機械的性質の試験方法−熱処理済みニオブ3すず複合超電導線の室温引張試験)
(IEC 61788-19)。
− Mechanical properties measurement−Room temperature tensile test on REBCO wires(機械的性質の試験
方法−REBCO超電導線の室温引張試験)(IEC 61788-25)。
d) 交流損失:
− 交流損失試験方法−ピックアップコイル法による液体ヘリウム温度・交流横磁界中の円断面超電導
線の全交流損失測定(JIS H 7310)。
− 交流損失試験方法−磁力計法による複合超電導線のヒステリシス損失測定(JIS H 7311)。
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附属書A
(参考)
実用超電導線の特性
A.1 一般事項
実用超電導線の調達には,一般的に,複数の特性に関する仕様が必要である。受渡当事者は,用途にと
ってどの特性が重要であるのか合意し,その特性に関する性能の仕様を決定することが望ましい。箇条6
に記載された規格は,仕様を満たすための認証又は保証のために,実際の性能を測定することを意図して
いる。この附属書では,商取引において考慮され得る種々の特性を簡単に説明する。
A.2 臨界温度(Tc)
超電導体が冷却されると,臨界温度(Tc)において常電導状態から超電導状態へと転移する。直流の電
気抵抗は超電導状態においてほぼゼロであるため,大きな超電導電流を小さなジュール損失の下で流すこ
とが可能である。温度が臨界温度(Tc)に近づくにつれて安定性が急激に低下するため,実際の応用機器
における超電導線の利用では,温度に十分な余裕をもって,臨界温度(Tc)よりも低い温度で行われるこ
とが望ましい。
標準的な運転では,実用超電導線を臨界温度(Tc)未満に冷却するため,冷却材に熱を伝達させるため
の金属が超電導線に組み込まれる。超電導線試験規格群には,この金属の純度及び導電性の評価方法を規
定している。また,実用超電導線が超電導状態にあるときの,温度及び磁界の評価方法についても規定し
ている。
また,実用超電導線の超電導状態から常電導状態への転移を利用する限流器など,ある種の用途もある。
そのような用途のためには,超電導線は臨界温度(Tc)よりも高温となるため,実用超電導線の電気的安
定性及び熱的安定性は,その特定用途に必要な条件に関して個々に考慮する。主な要求事項は,温度上昇
を制限し,指定時間内に熱的回復を達成し,過剰電流を制御することである。
A.3 臨界磁界(Hc)及び不可逆磁界(Hi)
実用超電導線に下部臨界磁界(Hc1)よりも高い外部磁界を印加すると,量子化磁束が超電導体を貫く,
いわゆる混合状態が現れる。この混合状態では,電圧発生のない状態で,実用超電導線に大きな超電導電
流を安定的に流すことが可能になる。超電導線は,混合状態において損失なく大きな超電導電流を流すこ
とができるため,高磁界で運転する超電導マグネットの設計が可能になる。しかし,外部磁界が不可逆磁
界(Hi)を超えると,超電導電流を流すときに電圧が発生する。外部磁界が上部臨界磁界(Hc2)よりも大
きくなると,混合状態は破壊される。
実用超電導線は,代表的に電磁石の巻線に用いられる。この条件下では,超電導線は高磁界中に置かれ
ることによって,通常の電線には見られない特性が誘発される。実用超電導線の磁化のような通常とは異
なる挙動を評価する基準が必要になる。加えて,超電導状態を保つための磁界の制限が必要となる。
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A.4 臨界電流(Ic)及びn値
理論的には,臨界電流(Ic)は,抵抗なしで流れるとみなせる最大の直流電流として定義される(JIS H
7005参照)。実際には,臨界電流(Ic)は,超電導線の特性評価に用いる装置の測定感度に基づいて決定さ
れる。したがって,実際的な定義は,比抵抗又は電界の有限値に基づく基準(JIS H 7301,JIS H 7302,JIS
H 7305及びIEC 61788-24参照)によって決定される。最近開発された高性能の実用超電導線は,同じ寸
法の一般的な銅線よりも102倍〜103倍以上の高い電流を流すことが可能である。臨界電流(Ic)は,温度
及び磁界に大きく依存し,機械的ひずみにも依存する。電流Iが臨界電流(Ic)に近づくと,その前後で電
圧は(I/Ic)nに比例して急激に発生する。その指数は,n値と呼ばれ,磁束フロー状態への遷移の鋭さを示す。
A.5 安定性
超電導状態が壊れると,大電流を流していた超電導線の一部分が常電導化し,発生したジュール熱によ
って不安定性を生じる。実用化されている超電導線は,このような不安定性が広がらないように設計され
ている。例えば,ニオブ3すず複合超電導線の場合,ニオブ3すずフィラメントを含むコアが電導率の高
い銅で取り囲まれている。
実用超電導線は,内部の超電導材を取り囲む銅,銀,アルミニウムなどの高伝導率の安定化材を介して,
外部の冷媒に熱を伝えるように設計されている。安定化材の伝熱特性は,残留抵抗比(RRR)の測定によ
って評価されることが多い。低温での超電導転移は,安定化材の電流経路を短絡させるため,この測定は
通常の電線よりも複雑になる。
超電導状態から常電導状態に転移して臨界温度(Tc)をはるかに超える温度になる限流器などの機器用
の超電導線では,安定化の要求は異なるものとなる。実用超電導線の熱的安定性及び電気的安定性に関し
ては,一定の時間内に温度が復帰し,過剰電流を許容レベル内に制限するように設計される。このような
用途では,臨界温度(Tc)よりも高い温度における安定化材の熱容量及び電気抵抗は,重要なパラメータ
である。
A.6 交流損失
交流磁界又は交流電流が超電導線に加わると,ヒステリシス損失,フィラメント間の結合損失,及び構
成する金属の渦電流損失のために,発熱が起こる。幾つかの重要な応用機器においては大きな発熱が予想
され,用いられる超電導線は,発熱による常電導転移を防ぐように特別に設計される。例えば,ニオブ・
チタン複合超電導線の場合,ニオブ・チタンフィラメントはよ(撚)り合わされ,銅マトリクスの一部に
銅・ニッケル合金が用いられている。
実用超電導線は,通常の電線とは異なる方法で磁界の変化に応答する。挙動によっては,機器の冷却条
件に影響を及ぼすような熱を発生させる。実用超電導線特有の損失の影響評価のための規格が定められて
いる。
A.7 超電導特性のひずみ依存性
複雑な複合構造によって,構成材料の特性及び構造は,超電導部における内部応力及びひずみに影響を
及ぼし,これは超電導特性に著しく影響を及ぼす。実際には,超電導線を適用する場合,製造中又は動作
中に受けるひずみが不可逆ひずみを超えないようにする。
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不可逆ひずみを超える大きな外部ひずみが加えられた場合,超電導部の破損によって臨界電流の大きな
永久的劣化を引き起こす。
A.8 機械的特性
実用超電導線は,複数の材料の複合体である。それらの機械的特性は,一般的に,最も弱い部分が最初
に破断するという破壊の混合則に従う。超電導線は,高磁界においても高密度で電流を流せるという特有
な特性があるため,実用超電導線を限界まで用いると非常に大きな機械力が生じることになる。
A.9 特性の均一性
ほとんどのケーブル及びマグネットの用途では,超電導線はキロメートル級の長さで用いられる。した
がって,全体の性能は特性が最も低い部分で制限されるため,線材の全長にわたって臨界電流及びn値の
特性の均一性を保証することが必要である。そのため,試験方法は局所的な性能を検出し,全長にわたる
特性のばらつきを評価する必要がある。
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附属書JA
(参考)
実用超電導線の構造
JA.1 一般事項
実用超電導線は,要求される工学的特性に見合うように材料を選定し,構造設計される。実用超電導線
は,一般的に複雑な内部構造(複合構造)をもっており,その構造には超電導材に加えて,マトリックス
及び安定化材又は補強材の付加的な機能をもつ構成要素が含まれている。超電導線の複合構造は,超電導
機器の製造及び運転条件に耐えるように,電気的及び機械的に一体化して設計される。
実用超電導線の材料の種類及び機能部材の役割を,それぞれ次のJA.2及びJA.3に示す。低温超電導線
は,標準的な銅線の外観に似通っている。高温超電導線は,様々な形状をもち,製造方法によってテープ,
丸線などの形状がある。幾つかの高温超電導線は,安定化材又は補強材で覆われている。低温超電導線及
び高温超電導線の構造を,機能部材の典型的な選択を含めて,附属書JBに示す。
JA.2 実用超電導線の概要
5種類の超電導体が実用超電導線の材料として認識されており,附属書JBにその詳細を示す。実用超電
導線は,それぞれ固有の臨界温度(Tc)よりも十分に低い温度で,かつ,不可逆磁界(Hi)よりも低い磁界
下で用いられる。
実用超電導線は,同じ直径をもつ通常の銅線に比べて100倍〜1 000倍以上の大きな電流を流す能力を
もつ。このような条件下では,電流及びそれに伴う磁界として蓄積されるエネルギーは,通常の熱力学的
エネルギーを超えることがあり,突発的で制御不能なエネルギー放出につながる可能性がある。単位体積
当たりの電磁エネルギーは,超電導部の実体的な寸法に比例するので,超電導部を小さい体積に細分化す
ることで解決が可能である。したがって,実用低温超電導線の構造は,平行な超電導フィラメントを形成
することによって超電導部を細分化し,多心超電導線とするのが通例である。
実用超電導線の幾つかの用途では,通電電流が時間変化すること,又は時間変化する外部磁界下で通電
されることがある。このときの損失は,これらの時間変化の下での超電導の振る舞いに起因する。線材を
その軸の周りにねじり,フィラメントをらせんパターン状にすることによって,この損失を最小限に抑え
ることが可能になる。
JA.3 機能部材の概要
JA.3.1 マトリックス
複合線材を構成する超電導部は,多くの場合,フィラメント状又は薄膜状である。フィラメントの場合,
その直径はサブマイクロメートル〜数100マイクロメートルの範囲をとり,薄膜の場合は1マイクロメー
トル〜10マイクロメートルの厚さとなっている。超電導フィラメントは,マトリックスに組み込まれ,マ
トリックスに直接接触している。超電導部に対するマトリクッスの役割は,機械的に超電導部を支える,
超電導体の形成を容易にする,電気的接続の導電性を提供する,冷却環境への熱伝導を促進する,超電導
特性の劣化を抑制するなどといったことを含む多種多様なものである。二ほう化マグネシウム超電導線
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(JB.3参照)の場合,複数の超電導フィラメントが,シース,外シース及び/又はバリア材で囲われてい
る。REBCOグループ(JB.5参照)の場合,超電導部は薄膜状で,マトリックスは,基板,中間層,キャッ
プ層及び保護層(安定化層)で構成される。個々の実用超電導線に関する詳細は,JB.1〜JB.5に記載する。
JA.3.2 安定化材
安定化材は,局所的な超電導状態の消失によって生じたジュール熱を吸収し,超電導状態が失われた周
囲で超電導電流の経路を再構成する。一般に,電気抵抗率は温度によって変化するが,材料の熱容量は温
度低下に伴って小さくなるため,4.2 Kのような極低温では安定化材の必要性が大きい。
実用超電導線は,その臨界温度(Tc)以下に冷却されると超電導状態に転移する。安定化材は良好な熱
伝導体であり,発生した熱を冷媒又は他の冷却部材に伝達する役割を果たす。良好な電気伝導体は同時に
良好な熱伝導体でもあるので,複合超電導線を構成する高純度の銅,銀又はアルミニウムは安定化材とし
て機能する。多くの応用では,超電導線の外側は冷媒に取り囲まれているので,安定化材は通常,超電導
線の外側に配置される。
全ての実用超電導線は,安定化材を介して電流が流れるように設計されている。したがって,常電導状
態において電流が流れる部分を安定化材と呼んでも差し支えない。
上記のように,安定化材の機能は,実用超電導線の設計に不可欠である。通常,次の指標が指定される。
− 銅の体積分率及び超電導体の体積分率。例えば,安定化材が銅である場合に,複合超電導線中の安定
化材の体積分率を定量的に決めるために用いられる。
− 銅対非銅体積比及び銅対超電導体体積比。例えば,安定化材が銅である場合に,複合超電導線中の安
定化材以外の体積に対する安定化材の体積の比として定められる。
ニオブ・チタン超電導線の場合には,結合損失を低減するとともに,熱的安定性及び/又はフラックス・
ジャンプに対する安定性の改善のために,銅・ニッケルなどの銅合金及び/又はアルミニウムが安定化材
として用いられる。
二ほう化マグネシウム超電導線の安定化材は,外シースの内側及び/又は外側の材料の中に配置される
ことがある。また,外シースの表面に電着又ははんだ付けによって形成されることもある。
JA.3.3 補強材
強度を高めるために,様々な金属部材が用いられる。高強度の薄膜層を低温超電導線の内部に分布させ
ることがある。また,高温超電導線の強度を増加させるため,薄い金属シートを線材の表面にはんだ付け
又は電着させることもある。
JA.3.4 絶縁材
実用超電導線の表面は,外周が導電材である線材同士の接触によって引き起こされる短絡を防ぐため,
また,応用製品の電圧要求に応じて絶縁破壊又はアークを避けるために,しばしば絶縁樹脂で被覆したり,
絶縁テープを巻き付けたりする。
実用超電導線は,絶縁材を付けて供給されることがある。通常の電線に用いられる絶縁材は,実用超電
導線に用いてもよい。さらに,熱処理及び実用超電導線の最終用途を考慮し,他の絶縁材料を選定する場
合もある。
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附属書JB
(参考)
実用超電導線の分類
JB.1 ニオブ・チタングループ
ニオブ・チタン実用超電導線は,一般的に表JB.1に示すように,ニオブ・チタンベースの超電導フィラ
メント及び銅マトリックスを含む。最も実用的なニオブ・チタン合金は,単純なニオブ・チタン二元系で,
質量比46 %〜48 %の組成をもつ。しかし,特殊な用途においては,Nb-Ti-Hf,Nb-Ti-Ta-Zrなどの三元系合
金及び多元系合金が開発されている。マトリックスの役割は,良導電性接続を実現すること,及び冷却媒
体に熱を伝達又は伝導したりすることである。例えば,銅は,多芯線構造のニオブ・チタンフィラメント
に直接接触している。結合損失を低減するとともに,熱的安定性及び/又はフラックス・ジャンプに対す
る安定性の改善のために,銅・ニオブなどの銅合金及び/又はアルミニウムが,安定化材として用いられ
る。
ニオブ・チタン超電導線の製造プロセスでは,通常の電線製造にも用いられる,鍛造,延伸,圧延,押
出,引抜などの設備及び工具類を用いる。熱処理は,成形加工を容易にするために用いてもよい。しかし,
超電導材のある幾つかの特性は,一般的に熱処理によって影響を受ける。
原材料の仕様は,実用超電導線の製造の開始時点に用いるニオブ・チタン合金の形状に関係する。また,
これらの仕様は,製造方法,化学組成,物理的特性及び機械的特性,製品の寸法及び質量,仕上がり及び
外観,公差及びばらつき,並びに実用超電導線の製造事業者と原材料供給者との間で直接取り決められる
条件にも関係する。
表JB.1−ニオブ・チタングループ超電導線の構成要素
構成要素
部材
超電導部(フィラメント)
ニオブ・チタン合金
マトリックス
銅又は銅合金
安定化材
アルミニウム,銅又は銅合金
絶縁材
コーティング用樹脂
ラッピングテープ
編組ファイバー
JB.2 ニオブ3すずグループ
この種類の超電導材は,A15型金属間化合物に属し,ニオブ3すず,ニオブ3アルミニウムなどが含ま
れる。ブロンズ法,内部拡散法又は外部拡散法,ジェリーロール法,パウダー・イン・チューブ法など,
幾つかの種類の製造プロセスが開発されている。
表JB.2に示すニオブ3すず実用超電導線の場合,超電導体に直接接するマトリックスは,銅すず合金及
びニオブである。超電導線の安定動作のために,電気伝導性の高い銅が安定化材として用いられる。熱処
理中にマトリックスから安定化材の汚染を防止するために,安定化材とマトリックスとの間にはニオブ又
はタンタルの薄い層を拡散バリアとして挿入する。製造プロセス中の高温の最終熱処理によって超電導線
は機械的に軟らかくなる。機械的強度を高めるために,銅合金などの補強材を超電導線に付加することが
ある。ニオブ3すず化合物は機械的にもろいため,熱処理前に超電導線を最終的な形状に仕上げてからニ
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オブ3すず化合物を形成する熱処理を行う,いわゆる“ワインド・アンド・リアクト法”が採用されるこ
とが多い。
ニオブ,銅及び銅すず合金(ブロンズ)の原材料には,幾つかの標準的な仕様がある。これらの仕様は,
受渡当事者間で取り交わされた多くの取引条件に対処した結果である。ニオブ3すず実用超電導線は,そ
の製造方法によって,内部すず法,ブロンズ法及びパウダー・イン・チューブ法の3種類に分類される。
ほとんどの使用条件の下では,これらの製造方法の相違は,実際の使用及び特性に影響を及ぼさない。
どの製造方法においても,ニオブ原料とすず原料との拡散反応によって金属間化合物を形成する熱処理
が必要である。熱処理後は機械的にもろくなるため,ニオブ3すず超電導線は熱処理前の状態で受け取ら
れる。ニオブ3すず超電導線の製造事業者は,熱処理環境の許容条件とともに推奨する熱処理の時間及び
温度のスケジュールを提供することが望まれる。
表JB.2−ニオブ3すずグループ超電導線の構成要素
構成要素
部材
超電導部(フィラメント)
ニオブ3すず金属間化合物又は
ニオブ3アルミニウム金属間化合物
マトリックス
銅,銅合金又はニオブ
拡散バリア
ニオブ又はタンタル
安定化材
銅
補強材
銅合金又はタンタル
絶縁材
コーティング用樹脂
ラッピングテープ
編組ファイバー
JB.3 二ほう化マグネシウム超電導体
二ほう化マグネシウム実用超電導線は,初期材料としてマグネシウム及びほう素の前駆体を用いるイン
サイチュー法又は二ほう化マグネシウム反応化合物を用いるエクスシチュー法によって製作する。表JB.3
に示すように,二ほう化マグネシウム超電導コアと直接接触し,フィラメントを形成する材料は,マグネ
シウム,ほう素及び二ほう化マグネシウムと反応しないか又は反応が十分制御できるものでなければなら
ない。通常,拡散バリアにはマグネシウム,ほう素,二ほう化マグネシウムと反応しない材料を用いる。
二ほう化マグネシウム実用超電導線に用いる材料を,表JB.3に示す。
二ほう化マグネシウム実用超電導線は,熱処理済み又は未熱処理状態を指定して出荷する。
表JB.3−二ほう化マグネシウム超電導線の構成要素
構成要素
部材
超電導部(フィラメント)
二ほう化マグネシウム又は添加物付加二ほう化マグネシウ
ム
マトリックス
(シース及び外シースも含む。)
鉄,ニッケル,ニッケル合金,ニオブ,ステンレス鋼又はチ
タン
拡散バリア
ニオブ又はチタン
安定化材
銅又は銅合金
絶縁材
コーティング用樹脂
ラッピングテープ
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JB.4 BSCCOグループ
表JB.4に示すように,化学式[(Bi,Pb)2Sr2Can-1CunO2n+4](nは2又は3)の2種類のビスマス系酸化物
超電導物質が,実用超電導線に用いられる。いずれの場合も,超電導フィラメントは銀マトリックスに埋
め込まれる。
a) Bi-2223 Bi-2223超電導線では,機械的強度を増加させるために,銀合金外シースが超電導フィラメ
ントと接触する銀マトリックス部分を取り囲んでいる。Bi-2223超電導線は,ほとんどが平らなテープ
形状に成形される。臨界電流のひずみ依存性及び機械的特性を改善するために,銅合金,ステンレス
鋼などの薄い金属シートを超電導テープの両側にはんだ付けした超電導線が市販されている。
b) Bi-2212 Bi-2212超電導線の微細構造制御の特徴から,その外形は丸いが,超電導フィラメントは銀
マトリックスに埋め込まれている。基本的に,超電導線は非常に軟らかいので,ラザフォードケーブ
ルなどの最終製品を製造するためにワインド・アンド・リアクト法が採用される。
Bi-2212は,丸線として,又は高アスペクト比をもつ線材として指定する。注文書には線材形態を明確に
指定することを推奨する。
表JB.4−BSCCOグループ超電導線の構成要素
構成要素
部材
超電導部(フィラメント)
Bi-2212 (Bi2Sr2Ca1Cu2O8) 又はBi-2223 (Bi2Sr2Ca2Cu3O10)
マトリックス
(シース及び外シースも含む)
銀又は銀合金
補強材
銅合金,ステンレス鋼など
絶縁材
コーティング用樹脂
ラッピングテープ
JB.5 REBCOグループ
化学式(RE1Ba2Cu3O7)をもつ希土類系銅酸化物超電導物質が,実用超電導線に用いられる。ここで,希
土類元素REは,Y,Nd,Sm,Eu,Gd又はHoである。このタイプの実用超電導線は,通常,REBCOコ
ーテッド線と呼ばれる。
表JB.5に示すように,典型的な構造は,基板,中間層,キャップ層,超電導層及び保護層からなる。基
板としては,Ni-Mo-Cr合金,Ni-W合金又はステンレス鋼,銅及びニッケルを複合した金属基板が用いら
れる。中間層としては,Al2O3,Y2O3,CeO2,イットリア安定化ジルコニア(YSZ),MgOなどが用いられ
る。キャップ層としては,CeO2又はLaMnO3が用いられる。保護層としては,銀が用いられる。
キャップ層は,超電導層が良好にエピタキシャル成長を促進するテンプレートとして作用する。基板及
び中間層は,キャップ層とともに超電導層の適切な成長に極めて重要である。また,キャップ層及び保護
層は,超電導層と直接接触することによって他の構成材との熱的接触及び/又は電気的接触に有効である。
基板,中間層,キャップ層,及び保護層は,全てが超電導層と直接接触しているわけではないが,ここで
は便宜上,マトリックスに分類されている。
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表JB.5−REBCOグループ超電導線の構成要素
構成要素
部材
超電導層
RE-123(RE1Ba2Cu3O7:RE=Y,Nd,Sm,Eu,Gd,Ho)
マトリックス 基板
Ni-Mo-Cr合金,Ni-W合金,ステンレス鋼,銅又はニッケル
中間層
Al2O3,CeO2,Gd2Zr2O7,MgO,Y2O3,又はイットリア安定
化ジルコニア(YSZ)
キャップ層
CeO2又はLaMnO3
保護層
銀
安定化材
銅,銅合金又はその他の安定化材料
補強材
鉄合金,ニッケル合金又はステンレス鋼
(通常,基板が補強材として機能する。)
絶縁材
コーティング用樹脂
ラッピングテープ
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附属書JC
(参考)
実用超電導線の仕様及び利用に関する技術情報
JC.1 一般事項
契約又は発注を行う場合,個々の用途に依存する仕様を明確にするために,JC.2から追加参考用語を選
択する。それらの技術内容を,附属書JA及び附属書JBに示す。
JC.2 製品パラメータ
実用超電導線の仕様としては,次の製品パラメータがある。
− 構成要素には,マトリックス,バリア材,補強材,絶縁材,及びその他の追加参考用語が含まれる。
− 内部構造には,フィラメント直径,フィラメント数,ねじれ,ツイストピッチ,マトリックス比,銅
対非銅部(体積比),銅比及び銀比の事項が含まれる。
− 絶縁については,厚さ及び耐電圧の項を加える。
− 長さ及び/又は質量は,単一の長さ,線材の本数,全長,各線材の質量及び/又は全質量を確定する。
− 実装(荷姿)の形式は,ドラム又はリール,通常の巻付け,パンケーキコイル巻付け及び/又は包装
について指定する。
− 出荷ラベルは,要請があった場合には,次の情報を含むことを推奨する。
・ 発注番号
・ 総質量,容器質量及び正味質量
・ 個数
・ 直径及び長さ
・ 安定化材
JC.3 外観
完成した製品の検査で,外観に有害な欠陥,ねじれ,うねり,汚れ,及び他の不完全さがないかどうか
の調査を行う。
JC.4 品質保証
品質保証は,次のとおりである。ただし,品質保証に必要な試験方法は,超電導線試験規格群に示す。
− 超電導線に関する特性には,n値,それらの曲げ及び/又は引張応力若しくはひずみ許容度,臨界温
度,臨界磁界及び不可逆磁界,交流損失などの追加参考用語を含む。
− エンジニアリングに関する特性には,耐電圧,残留抵抗比(RRR),弾性係数,引張強度などの追加参
考用語を含む。
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JC.5 試験方法
製品パラメータ及び品質に求められる要求事項への適合性を判断するための試験は,超電導線試験規格
群の指示に従って行ってもよい。
JC.6 技術報告書
JC.2及びJC.4に記載されている追加参考事項を含めた仕様書に従っていることを明らかにするために
は,技術報告書が必要である。技術報告書には,技術シートを追加することが可能である。
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附属書JD
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS H 7300:2020
IEC 61788-21:2015,(MOD)
a) JISの箇
条番号
b) 対応国際
規格の対
応する箇
条番号
c) 箇条ご
との評
価
d) JISと対応国際規格との技術的差異の
内容及び理由
e) JISと対応国際規格
との技術的差異に対
する今後の対策
5
5
追加
超電導線試験規格群として,対応国際規格
の制定後に新たに制定された超電導に関す
る試験方法の規格番号を先行して追加
対応国際規格の改正版に
追加されると想定できる
ため,IECへの提案は不
要。
6
6
追加
対応国際規格の制定後に新たに制定された
超電導に関する試験方法を先行して追加。
対応国際規格の改正版に
追加されると想定できる
ため,IECへの提案は不
要。
6.3,d)
6.2,c)
変更
規格に定める特性の中の交流損失を6.2の
c)から6.3のd)へ移動。
IECへ提案していく。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味を,次に示す。
− 追加:対応国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更:対応国際規格の規定内容又は構成を変更している。
注記2 JISと対応国際規格との対応の程度の全体評価の記号の意味を,次に示す。
− MOD:対応国際規格を修正している。