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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 7151-1991 

アモルファス金属の 
結晶化温度測定方法 

Method of determining the crystallization 

temperatures of amorphous metals 

1. 適用範囲 この規格は,アモルファス金属の示差走差熱量測定(以下,DSCという。)又は示差熱分

析(以下,DTAという。)による結晶化温度(1)測定方法について規定する。 

注(1) 結晶化温度とは,構成金属原子の配列に長周期の規則性が現れる温度をいう。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS H 7004 アモルファス金属用語 

JIS K 7121 プラスチックの転移温度測定方法 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS H 7004による。 

3. 測定装置及び使用物質 

3.1 

測定装置 測定装置は,DSC又はDTA装置によって構成する。 

(1) 二つの容器ホルダーをもち,容器ホルダーの熱容量は同等で,かつ同一な条件で熱交換できる構造で

あること。 

(2) 10℃/minの加熱速度で,温度を上昇させることができ,精度は±0.5℃/minであること。 

(3) DSC又はDTA曲線が自動記録できること。 

(4) 容器は,試料によっておかされることのない熱伝導率の高い材料で作製されていること。 

備考1. 測定装置は,JIS K 7121の5.(装置及び器具),並びに7.(温度の校正)の規定を準用して,

調整しておく。 

2. 測定装置は,標準試料を用い実際の試験の場合と同じ雰囲気,加熱速度で温度の校正をして

おく。 

3. 測定装置は,常にDSC又はDTA曲線のベースラインが,できるだけ温度軸に平行な直線に

なるよう調整されていなければならない。 

3.2 

基準物質 基準物質は,測定温度範囲で安定な物質を用いる。 

備考 一般にαアルミナ粉,純アルミニウム又は白金を用いる。 

3.3 

標準物質 標準物質は,測定装置の温度の校正に用いる安定な物質を用いる。 

備考 国際熱分析連合 (ICTA) −米国国立標準技術研究所の標準物質GM-754,757,758に準拠した

もの。 

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H 7151-1991 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 試料 試料は,次による。 

(1) 試料の量 1回の測定に供する試料の量は,測定精度上,必要十分な量とし,同一ロットから2回以

上採取する。 

備考 一般に5〜70mgとする。 

(2) 試料の作製 試料は,素材から適当な工具を用いて切り出す。この場合,5.のように,試料をDSC又

はDTA装置の容器に詰めるとき,試料ができるだけ容器の底面全体に接触するような形状にする。 

また,試料の表面は平滑かつ清浄でなければならない。 

5. 測定 測定は,次によって行う。 

(1) 試料及び基準物質を,それぞれ容器に詰め,容器のふたを閉じる。この場合,試料及び基準物質が容

器内底面と十分接触するようにする。 

備考 基準物質の質量は,測定する試料の質量とほぼ同量とし,DSC又はDTA曲線のベースライン

が温度軸に平行にならないように調整する。 

(2) 試料及び基準物質を詰めた容器,室温付近に設定したDSC又はDTA装置のそれぞれの容器ホルダー

の中央に入れる。この場合,容器の底面全体が,容器ホルダー内の底面に接触するようにする。 

備考 容器底面と容器ホルダー内の底面との密着がよくないと,測定結果に誤差を生じるので,十分

に注意しなければならない。 

(3) 加熱速度は10℃/minとする。 

6. 結晶化温度の算出 結晶化温度の算出は,次による。 

(1) 結晶化温度は,図1のようにDSC又はDTA曲線の発熱ピークが複数ある場合には,結晶化に伴う十

分な熱量の放出が認められるピークのうちで,最も低い温度の発熱ピークの低温側におけるベースラ

インの高温側への延長線と,発熱ピークの低温側の曲線にこう(勾)配が最大になる点で引いた接線

との交点として記録紙上から求める。 

図1 加熱に伴うDSC曲線からの結晶化温度 (Tx) の求め方 

7. 報告 報告には,次の事項のうち要求される事項を記入する。 

H 7151-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 供試材の種類,履歴及び製造業者名 

(2) 1回の測定に供した試料の質量,形状 

(3) 試料の作製方法,熱処理条件 

(4) 使用したDSC又はDTA装置の形式,製造業者名 

(5) 使用した基準物質及び標準物質 

(6) 測定回数 

(7) 結晶化温度 (Tx) 

(8) DSC又はDTA曲線 

(9) 測定年月日 

(10) その他,受渡当事者間で協定した事項 

アモルファス金属規格委員会 構成表 

氏名 

所属 

(主査) 

○ 新 宮 秀 夫 

京都大学工学部 

(幹事) 

○ 若 宮 正 行 

松下電器産業株式会社映像音響研究センター 

大 中 逸 雄 

大阪大学工学部 

榊     陽 

千葉大学工学部 

中 田 高 義 

岡山大学工学部 

池 田   要 

工業技術院標準部 

中 島 貞 夫 

工業技術院大阪工業技術試験所 

阿 蘇 興 一 

ソニー株式会社中央研究所 

○ 洗   暢 茂 

シャープ株式会社電化システム事業本部 

石 堂 偉 生 

関西変成器株式会社 

伊 丹   哲 

住友重機械工業株式会社新居浜研究所 

猪 俣 浩一郎 

株式会社東芝総合研究所 

馬 屋 原 暉 

日本板硝子株式会社中央研究所 

大 村 俊 次 

三菱電機株式会社材料研究所 

○ 鹿 野 良 孝 

株式会社島津製作所産業機械事業部産業機械工場 

佐 藤   駿 

新日本製鐵株式会社第一技術研究所 

○ 十代田 哲 夫 

株式会社神戸製鋼所技術開発本部 

富 田 俊 郎 

住友金属工業株式会社研究開発本部 

萩 原 道 明 

ユニチカ株式会社中央研究所 

○ 花 井 義 泰 

愛知製鋼株式会社研究開発部 

花 岡 克 巳 

株式会社ダイヘン電力機器事業部 

○ 日 高 謙 介 

福田金属箔粉工業株式会社研究所金属粉研究部 

藤 村   亮 

日本非晶質金属株式会社営業部 

○ 森 下   強 

マツダ株式会社技術研究所 

三 井 朋 晋 

内橋エステック株式会社技術部 

森 戸 延 行 

川崎製鐵株式会社技術研究本部 

○ 安 田 伊佐雄 

三洋電機株式会社中央研究所 

山 内 清 隆 

日立金属株式会社磁性材料研究所 

山 名 幹 也 

山陽特殊製鋼株式会社技術研究所 

山 本 孝 明 

東英工業株式会社 

吉 田 友 芳 

関西電力株式会社総合技術研究所 

(事務局) 

牧 浦 宏 文 

財団法人大阪科学技術センター付属ニューマテリアルセンター 

なお,○印は結晶化温度規格作成ワーキンググループ委員を兼ねる。