H 7106 : 2002
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人大阪科学
技術センター付属ニューマテリアルセンター (OSTEC) /財団法人日本規格協会 (JSA) から工業標準原
案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣
が改正した日本工業規格である。これによってJIS H 7106 : 1993は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,報告事項の改正を行った。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
H 7106 : 2002
形状記憶合金コイルばねの
定ひずみ熱サイクル試験方法
Method of fixed strain thermal cycling test for
coil springs of shape memory alloys
1. 適用範囲 この規格は,形状記憶合金の圧縮コイルばね及び引張コイルばね(以下,コイルばねとい
う。)を一定ひずみに固定して行う熱サイクル試験方法について規定する。
備考 ここでいうひずみは,せん断ひずみとする。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 2704 圧縮及び引張コイルばね−設計・性能試験方法
JIS H 7001 形状記憶合金用語
JIS H 7104 形状記憶合金コイルばねの定温荷重試験方法
JIS H 7105 形状記憶合金コイルばねの定ひずみ試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS H 7001及びJIS H 7105による。
4. 試験の原理 一定ひずみに固定したコイルばねを,低温と高温の媒体中に交互に繰り返し保持した後,
コイルばねの発生力及び変態点を調べて,それらの初期値と比較して耐久性の評価を行う。
5. 試験装置 試験装置は,次による。
a) 一定ひずみに固定した試験片を,低温と高温に維持された媒体中に交互に繰り返し保持できる試験装
置を用いる。試験装置の構成例として図1に移動浸せき(漬)形,図2に回転形を示す。
b) 試験片周囲における熱媒体の指定された温度からの場所的及び時間的変動はいずれも±2℃とする。た
だし,図2の回転形のように試験片を気体媒体で強制的に加熱する場合には,媒体が試験片に当たっ
ている場所近傍の温度とする。
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H 7106 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 移動浸せき形装置の構成例
図2 回転形装置の構成例
6. 試験片 試験片は,形状記憶処理を施したコイルばねとし,形状は,JIS B 2704による。
7. 試験方法 試験方法は,次による。
a) 試験片長さを受渡当事者間の協定で指定されたLsetに固定する。試験片長さをLsetに固定した後,コイ
ルばねが座屈していないこと及び傾いていないことを確認する。
γset又はδsetを指定してもよいが,γsetで指定された場合は,JIS H 7104によってδsetを算出し,次のい
ずれかの式によってLsetを算出する。
圧縮コイルばねの場合
Lset=L0−δset·············································································· (1)
ここに,
Lset: 固定長さ (mm)
L0: 自由長さ (mm)
δset: 固定たわみ (mm)
引張コイルばねの場合
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H 7106 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Lset=L0+δset·············································································· (2)
ここに,
Lset: 固定長さ (mm)
L0: 自由長さ (mm)
δset: 固定たわみ (mm)
b) 低温及び高温媒体の指定温度は,目的に応じて受渡当事者間の協定による。
c) 試験片は,低温及び高温の指定温度に達するまで媒体中に保持されていなければならない。また,試
験片が媒体の温度に達するまでの時間は,あらかじめ確認しておくことが望ましい。
d) 熱サイクルの回数は,受渡当事者間の協定による。
8. 測定 発生力の変化及び変態点の測定は,JIS H 7105による。また,発生力だけを測定する場合は,
JIS H 7104によってもよい。
9. 報告 試験結果報告書には,次の事項を記載する。
a) 試験材料の種類
b) 試験片の寸法及び個数
c) 試験装置(移動浸せき形,回転形,その他)
d) 試験条件
1) 試験片のひずみ量(γset,δset又はLset)
2) 低温及び高温媒体の温度
3) 熱サイクル回数
e) 試験結果
1) 初期及び熱サイクル後の発生力
2) 初期及び熱サイクル後の変態点(必要な場合)
f)
測定年月日
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H 7106 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
財団法人大阪科学技術センター付属ニューマテリアルセンター
JIS原案作成委員会 形状記憶合金試験方法委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 清 水 謙 一
金沢工業大学工学部
○ 佐分利 敏 雄
大阪大学工学部
○ 大 塚 和 弘
筑波大学物質工学系
○ 西 川 雅 広
大阪大学工学部
○ 宮 城 政 和
財団法人大阪高等技術研究所
石 原 只 雄
科学技術庁金属材料技術研究所
○ 二 瓶 正 俊
社団法人日本鉄鋼協会
○ 鈴 木 雄 一
古河電気工業株式会社
○ 大 方 一 三
加藤発条株式会社
○ 轟 恒 彦
松下電器産業株式会社
○ 鈴 木 喜久夫
住友特殊金属株式会社
○ 守 護 嘉 朗
大同特殊鋼株式会社
○ 伊 沢 佳 伸
株式会社東郷製作所
○ 楓 博
愛知製鋼株式会社
○ 西 尾 光 弘
株式会社ニシト発条
洗 暢 茂
シャープ株式会社
水 原 誠
住友電気工業株式会社
稲 葉 恒 夫
福田金属箔粉工業株式会社
永 禮 達 郎
内橋エステック株式会社
吉 川 和 博
株式会社フジキン
山 内 清
株式会社トーキン
赤 井 英 夫
太陽鉄工株式会社
増 瀬 英 雄
株式会社島津製作所
矢 作 千 秋
株式会社島津製作所
藤 井 勉
株式会社東京衡機製造所
宍 戸 恒 夫
株式会社ダイフク
加 山 英 夫
財団法人日本規格協会
○ 服 部 幹 雄
工業技術院標準部材料規格課
(作成協力者)
堀 川 宏
古河電気工業株式会社
加 藤 勉
加藤発条株式会社
(事務局)
守 安 禎四郎
財団法人大阪科学技術センター付属ニューマテリアルセンター
脇 坂 啓 司
財団法人大阪科学技術センター付属ニューマテリアルセンター
備考 ○印はワーキンググループ委員を兼ねる。
JIS改正委員会 構成表(平成12年3月)
氏名
所属
(主査)
清 水 謙 一
金沢工業大学高度材料科学研究開発センター
(幹事)
小 林 淳 二
形状記憶合金協会
(委員)
大 塚 和 弘
筑波大学物質工学系
佐分利 敏 雄
関西大学工学部材料物性工学科
坂 本 英 和
帝京大学理工学部材料科学工学科
立 石 哲 也
工業技術院産業技術融合領域研究所
浅 井 真 人
古河電気工業株式会社研究開発本部 横浜研究所
大 方 一 三
株式会社パイオラックスメディカルデバイス
岡 村 賢 治
株式会社シグマ開発本部
関 野 信 雄
関東特殊製鋼株式会社精密機材部
高 橋 裕 也
大同特殊鋼株式会社星崎工場
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H 7106 : 2002
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
轟 恒 彦
松下電器産業株式会社エアコン社
鳴 海 省 吾
相互発條株式会社新製品開発部
山 内 清
株式会社トーキン電子材料事業本部
橋 本 進
財団法人日本規格協会
(事務局)
石 田 哲 也
財団法人大阪科学技術センター付属ニューマテリアルセンター
日 向 正 範
財団法人大阪科学技術センター付属ニューマテリアルセンター
石 原 薫
財団法人大阪科学技術センター付属ニューマテリアルセンター
日本工業標準調査会 標準部会 非鉄金属技術専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
神 尾 彰 彦
東京工業大学名誉教授
(委員)
藍 田 勲
株式会社神戸製鋼所
有 川 彰 一
財団法人日本船舶標準協会
一 瀬 明
住友金属鉱山株式会社
今 福 豊
日本伸銅協会(三菱マテリアル株式会社)
碓 井 栄 喜
社団法人軽金属学会(株式会社神戸製鋼所)
齋 藤 鐵 哉
独立行政法人物質・材料研究機構
酒 井 勝 之
社団法人日本アルミニウム協会(三菱アルミニウム株式会社)
中 村 守
独立行政法人産業技術総合研究所
西 村 尚
東京都立大学工学部機械工学科
平 山 晴 彦
日本鉱業協会
村 上 陽 一
社団法人日本電機工業会
柳 沢 健 史
古河電気工業株式会社
山 田 桑太郎
社団法人日本鉄道車輌工業会