H 7008:2002
(1)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人大阪科学技術センター付属ニューマ
テリアルセンター(OSTEC)/財団法人日本規格協会(JSA)から工業標準原案を具して日本工業規格を制定
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
H 7008:2002
(2)
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 分類 ······························································································································ 2
4. 定義 ······························································································································ 2
a) 基礎··························································································································· 2
b) 特性 ·························································································································· 5
c) 製造法 ························································································································ 6
d) 処理 ·························································································································· 7
e) 材料 ··························································································································· 8
f) 評価 ··························································································································· 9
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日本工業規格 JIS
H 7008:2002
金属超微粒子用語
Glossary of terms used in ultrafine metal particles
1. 適用範囲 この規格は,超微粒子関連技術のうち,主に金属系超微粒子の分野において用いる主な用
語について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0137 複写機用語
JIS B 3000 FA―用語
JIS B 8624 氷蓄熱システム用語
JIS C 5600 電子通信用語(基礎編)
JIS C 5603 プリント回路用語
JIS C 0203 鉄鋼用語(製品及び品質)
JIS H 0211 ドライプロセス表面処理用語
JIS H 7005 超電導関連用語
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)
JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)
JIS K 3211 界面活性剤用語
JIS K 3611 生体工学用語(生体システム部門)
JIS K 3802 膜用語
JIS K 5500 塗料用語
JIS K 6800 接着剤・接着用語
JIS K 6900 プラスチック―用語
JIS R 1600 ファインセラミックス関連用語
JIS S 2091 家庭用燃焼機器用語
JIS T 1011 医用電気機器用語(共通編)
JIS Z 2300 非破壊試験用語
JIS Z 2500 粉末や(冶)金用語
JIS Z 3001 溶接用語
JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語
JIS Z 8126-1 真空技術―用語―第1部:一般用語
2
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JIS Z 9211 エネルギー管理用語(その1)
JIS Z 9212 エネルギー管理用語(その2)
3. 分類 用語は,次の6部門に分類する。
a) 基礎
b) 特性
c) 製造法
d) 処理
e) 材料
f)
評価
4. 定義 用語及び定義は,次による。
なお,参考のために対応英語を示す。
a) 基礎
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
プラズマ
負の荷電粒子(電子・負イオン)と正イオンとの
濃度がほとんど等しく空間的に中性であるよう
なイオン化されたガス状物質(JIS C 5600参照)。
plasma
1002
直流アークプラズマ
直流電流で発生させたアークによってガスがプ
ラズマになったもの。
direct current arc plasma
1003
直流プラズマジエット
直流アークプラズマをノズルから噴出させて作
る高温・高速のガス気流。
direct current arc plasma
jet
1004
高周波熱プラズマ
コイルに高周波電流を流し,電磁誘導によって
発生する電場で,コイル内のガスを電離させて
得られる超高温のプラズマ。
high frequency induction
thermal plasma
1005
ハイブリッドプラズマ
高周波熱プラズマの安定化,広域化などを図る
ため,高周波熱プラズマに直流アークプラズマ
又は他の高周波熱プラズマなどを重畳させた熱
プラズマ。
hybrid plasma
1006
吸着
気体又は蒸気分子が,固体又は液体の表面にと
どまっている現象(JIS H 0211参照)。
adsorption
1007
化学吸着
化学結合を伴う吸着(JIS Z 8126-1参照)。
chemical adsorption,
chemisorption
1008
物理吸着
化学結合を伴わない吸着(JIS Z 8126-1参照)。
physical adsorption,
physisorption
1009
吸着熱
吸着によって発生する熱。
heat of adsorption
1010
ぬれ
固体面に液体が広がる現象。
参考 ぬれがよい場合には両者の間の接触角
が小さく,固体面に液体が広がる
(JIS K 6800参照)。
wetting
1011
湿潤熱
粉体などの固体表面が液体でぬれるときに発生
する熱(エンタルピー変化)。浸せき熱ともいう。
heat of immersion
1012
付着
異種の二物質が接触したときに互いにくっつく
現象。
adhesion
1013
蒸発
液体が気体へ変化する現象(JIS B 8624参照)。
evaporation,
vaporization
3
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1014
蒸気圧
その温度で,固体又は液体と平衡にある蒸気の
圧力。
vapor pressure
1015
活量
理想混合物でない溶体中のある成分の平衡分圧
と,その成分の飽和分圧との比
(JIS Z 9211参照)。
activity
1016
飽和蒸気圧
その温度で凝縮相及び熱力学的に平衡に達して
いる蒸気が示す圧力(JIS H 0211参照)。
saturation vapor pressure
1017
過飽和
飽和の限度以上に非平衡の状態で物質が存在す
る状態。
supersaturation
1018
凝縮
蒸気,ガスなどの温度が,それぞれの露点温度
以下に降下したときに液体粒子になる現象
(JIS Z 8122参照)。
condensation
1019
核生成
原子,イオン又は分子が集合して安定的に成長
し得る大きさの凝縮相を形成した状態。
nucleation
1020
均一核生成
凝縮相の核生成確率が系内の,すべての場所で
同一であるような場合に生じる核生成現象。
参考 系内が化学的・熱的に均一である場合
に起こり得る。
homogeneous nucleation
1021
不均一核生成
系内の異物質(イオン,微粒子,器壁など)を核
として凝縮相の核生成が生じる現象。
参考 均一核生成に比べ不均一核生成は熱力
学的に有利であり,容易に生じる。
heterogeneous nucleation
1022
粉体
極めて多数の固体粒子の集合体で,各粒子間に
適度の相互作用が働いている状態。粉末と同義
語。
powder
1023
超微粒子
粒径がおよそ0.1 μm以下の粒子
(JIS R 1600参照)。
ultrafine particle
1024
クラスタ
原子又は分子が,数十個から1 000個程度で構
成される微粒子(JIS H 0211参照)。
cluster
1025
超微粉
超微粒子の集合体。
ultrafine powder
1026
単分散粒子
粒径分布幅が極度に狭い粒径のそろった粒子。 mono-size particle,
monodispersed particle
1027
一次粒子
単一の結晶核の成長によって,生成した粒子。 primary particle
1028
二次粒子
一次粒子の合体成長,凝集,固結などによって
生成した粒子。
secondary particle
1029
凝集粒子
複数の粒子が凝集し,見掛け上1個の粒子とし
て振る舞うもの。
agglomerated particle
1030
粒子形状
粒子の外観的な形(JIS Z 2500参照)。
particle shape
1031
晶癖
結晶面の発達の差異によって表れる結晶の外
形。
habit,
crystal habit
1032
複合超微粒子
各粒子が複数の相からなる超微粒子。
composite ultrafine
particle
1033
磁性超微粒子
強磁性の超微粒子。
magnetic ultrafine particle
1034
粒径
粒子の直径又は大きさ。粒子は各種の形状をも
っているので,粒径は測定法ごとに一定の申合
せによって示す(JIS Z 8122参照)。
particle size
4
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1035
結晶子径
多結晶体中において,完全な単結晶として存在
する微小結晶の大きさ。
参考 X線回折における回折線の広がりから
求めることができる。
crystallite size
1036
形状指数
粒子の幾何学的特徴を直接数値で表したもの。
参考 一般に,粒子の二次元投影像の円面積
相当径と円周相当径との比(円形度),長
径と短径との比(長短度)などの代表径
の比が用いられる。
shape factor
1037
アスペクト比
一般に,ある幾何学的形状について代表的な二
つの方向の寸法比(JIS H 7005参照)。
aspect ratio
1038
平均粒径
粒径が異なる多数の粒子で構成される粒子群を
代表する粒径(JIS Z 2500参照)。
mean particle diameter
1039
粒径分布
粉体を構成する粒子の大きさの分布。分布状態
は頻度分布又は積算分布によって表す
(JIS Z 8122参照)。
particle size distribution
1040
比表面積
粉末の単位質量当たりの表面積
(JIS R 1600参照)。
specific surface area
1041
細孔分布
多孔質を構成する連続泡,すなわち,毛管群の
径の分布。
pore size distribution
1042
分散
一つの相の中に他の物質が微粒子状に散在する
現象(JIS K 3211参照)。
dispersion
1043
分散性
微細な固体粒子が媒質中に分散する性質。
dispersibility
1044
単分散
粒子が凝集することなく媒質中に分散している
状態。
monodispersion state
1045
凝集
粒子が粒子間相互作用力によって集合した状
態。
参考 粒子間の相互作用力の強さによって凝
結(coagulation),凝集(aggregation,
agglomeration),フロック(flocculation)
などに区別する場合がある。
flocculation,
aggregation,
coagulation
1046
凝集性
粉体を構成する粒子同士が相互に寄り集まろう
とする性質。
agglomerating property
1047
凝集体
分散している粒子同士が互いに付着しあって,
形成した粒子集合体。
agglomerate,
floc,
aggregate
1048
結晶構造
原子,イオン又は分子が空間的に規則正しく配
列して周期構造を作っている場合の単位格子の
構造。
crystal structure
1049
単結晶
すべての部分が同一の結晶学的方位をもつ固体
(JIS H 0211参照)。
single crystal
1050
多結晶
結晶学的方位が異なる多くの単結晶が集合した
固体(JIS H 0211参照)。
polycrystal
1051
アモルファス
原子の配列に長距離の規則性をもたず,決まっ
た結晶形及び構造をもたない非結晶状態。非晶
質ともいう(JIS H 0211参照)。
amorphous
1052
格子定数
結晶の単位格子の大きさと形を規定する値。
参考 三つの単位ベクトルとそれぞれのなす
角,合計6個の定数がある。
lattice constant
5
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
1053
表面エネルギー
界面エネルギーの特殊な場合で,一方の相が気
体である場合(気体−液体及び気体−固体)の
界面エネルギー。
surface energy
1054
表面拡散
表面原子又は表面に吸着した原子若しくは分子
が,エネルギー的により安定な場所に表面に沿
って移動する現象(JIS H 0211参照)。
surface diffusion
1055
体積拡散
原子が結晶格子上又は格子間位置を占めながら
移動する現象。格子内拡散ともいう。
volume diffusion,
lattice diffusion
1056
粒界拡散
原子及び分子が結晶粒界に沿って移動する現
象。
grain boundary diffusion
b) 特性
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2001
磁気特性
磁性材料が磁化された場合に,その材料が示す
磁気的な諸性質。
参考 一般的には鉄損,磁束密度,透磁率,
保磁力,残留磁束密度などが挙げられ
る(JIS G 0203参照)。
magnetic properties
2002
保磁力
ある材料の磁気ヒステリス曲線において,磁束
密度が0を示す磁界の強さ(JIS Z 2300参照)。
coercive force
2003
磁化曲線
磁性体の磁界の強さHと磁束密度Bとの関係を
表す曲線。B-H曲線ともいう
(JIS Z 9212参照)。
magnetization curve,
B-H curve
2004
磁区
強磁性体の内部で,原子の磁気モーメントが平
行にそろって,自発磁化が一定の方向をとって
いる小領域。
参考 磁区の大きさ及び方向は磁化過程で変
化し,完全に方向がそろったとき,磁
気飽和に達する。反対に,全くばらば
らになっているとき,磁化は0である。
magnetic domain
2005
磁気異方性
常磁性体の磁化率,強磁性体の磁化又は反強磁
性体の部分格子の磁化が結晶格子の対称性を反
映して,結晶軸に関して方向依存性をもつ状態。
magnetic anisotropy
2006
超常磁性
磁性体は細かくなるにつれて多磁区構造から単
磁区構造に変わるが,更に小さくなって磁化の
方向が熱振動のために一定でなくなる状態。
super paramagnetism
2007
表面電荷
固体が帯電しているとき,表面に存在する電荷。
単位面積当たりの電気量として扱う。
surface charge
2008
電気二重層
組成の異なる二つの相の接触界面において,界
面の一方の側には余分の正の電荷が,他の側に
は余分の負の電荷が連続的に分布するが,全体
として電気的中性の条件を満足するような境界
層(JIS K 0213参照)。
electric double layer
2009
電気泳動
溶液中の荷電粒子が電位こう(勾)配によって移
動する現象(JIS K 0213参照)。
electrophoresis
2010
ゼータ電位
固体と液体とが相対運動をするとき,固体表面
上の液体分子の固着層と液体内部との電位差。
界面動電位ともいう(JIS K 3211参照)。
zeta potential
2011
等電点
水溶液中の両性電解質の電荷の代数和が0にな
る状態の溶液のpH値(JIS K 3211参照)。
isoelectric point
6
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
2012
サイズ効果
粒子が小さいことによる,大きい結晶がもつ物
質の物理化学的特性とは異なる物性を示す現
象。
size effect
2013
表面活性
材料の表面が内部に比べて物理的又は化学的に
特異な性質を示すその度合い。
参考 材料が超微粒子になると,表面活性の
増大が期待できる。
surface activity
2014
融点降下
超微粒子のような微小粒子の融点が,巨視的な
大きさの物質が示す融点より降下する現象。
lowering of melting point
2015
低温焼結性
焼結体の原料である粉末の低温における焼結の
しやすさ。
参考 超微粒子は,その融点降下などによっ
て低温焼結性が顕著となる。
low temperature
sinterability
2016
触媒活性
熱力学的に見て化学反応の進行が可能である反
応系に,少量の添加で反応を促進させる,又は
選択的に反応を進行させる物質である触媒の,
その作用量の度合い。
catalytic activity
2017
比熱
単位質量の物質の温度を単位温度だけ上昇させ
るのに必要な熱量(JIS H 7005参照)。
specific heat
2018
光学的性質
光との相互作用によって材料が示す特異的な分
極,屈折,吸収,着色,発光,導電性などの性
質。
optical properties
2019
光散乱
光が極めて小さい凹凸のある反射面に入射する
場合又は極めて小さい粒子を含む媒質の中を通
過する場合に,光の進行方向が空間的に多くの
方向に変わる現象。
light scattering
2020
光吸収
物質を通過する光が,そのエネルギーの一部又
は全部を物質に付与する現象。
absorption
2021
線形光学効果
光と物質との相互作用によって,物質中に誘起
される分極が光の電界に比例する現象。
liner optical effect
2022
非線形光学効果
強力な光と物質との相互作用によって,物質中
に光の電界の2乗又は3乗に比例する非線形の
分極が誘起され,高調波が発生する現象。
nonliner optical effect
c) 製造法
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3001
ブレークダウン法
バルク状物質の粉砕による微細化法。
break down process
3002
ビルドアップ法
イオン,原子,分子などから核生成と成長の過
程を経て超微粒子を生成する方法。
build up process
3003
気相法
超微粒子の生成を気相中で行う方法。
gas phase process
3004
蒸発凝縮法(PVD法)
原料を加熱・溶解して蒸発させ,その蒸気を急
冷凝縮させて超微粒子を生成する方法。
evaporation and
condensation process
3005
ガス中蒸発法
原料をガス雰囲気中で加熱・溶解して蒸発させ,
その蒸気を急冷凝縮させて超微粒子を生成する
方法。
evaporation process in gas
atmosphere
3006
活性水素・金属反応法
原料を水素プラズマによって溶解して蒸発さ
せ,その蒸気を凝縮させて超微粒子を生成する
方法。
hydrogen plasma-metal
reaction process
7
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
3007
ハイブリッドプラズマ
法
ハイブリッドプラズマの熱空間中に原料を供給
して加熱・蒸発させ,その蒸気を凝縮させて超
微粒子を生成する方法。
hybrid plasma process
3008
スパッタリング法
原料をターゲットとし,スパッタリングで放出
された原子同士の衝突・合体で超微粒子を生成
する方法。
sputtering process
3009
気相反応法(CVD法) 成分蒸気の凝縮及び気体成分の化学反応によっ
て超微粒子を生成する方法。
gas phase reaction process
3010
プラズマCVD法
プラズマを利用して生成した金属蒸気又は金属
化合物蒸気と反応ガス間との化学反応によって
超微粒子を生成する方法。
plasma chemical vapor
deposition process
3012
液相法
超微粒子の生成を液相中で行う方法。
liquid phase process
3013
沈殿法
金属化合物の溶液から沈殿剤などとの化学反応
を利用して難溶性化合物の沈殿を析出させ,超
微粒子を生成する方法。
precipitation process
3014
共沈法
2種以上の金属イオンを含む沈殿物を同時に析
出させ,超微粒子を生成する方法。
coprecipitation process
3015
加水分解法
原料に水を加えて分解し,水酸化物又は含水酸
化物を析出させ,超微粒子を生成する方法。
hydrolysis process
3016
ゾルーゲル法
固体微粒子を分散したコロイド溶液(sol)を脱
溶媒してゲル(gel)化し,超微粒子を生成する
方法。
sol-gel process
3017
アルコキシド法
金属アルコキシドを加水分解して酸化物又は水
酸化物の沈殿物を析出させ,超微粒子を生成す
る方法。
alkoxide process
3018
噴霧乾燥法
金属化合物溶液などの微粒液滴を乾燥室内に噴
霧し,急速加熱して乾燥又は熱分解することに
よって超微粒子を生成する方法。
spray drying process
3019
水熱合成法
高温・高圧の水溶液中における又は水蒸気の存
在下における化学反応によって結晶質の超微粒
子を生成する方法。
hydrothermal synthesis
process
d) 処理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4001
表面処理
超微粒子表面を超微粒子が置かれている雰囲気
又は,相接する物質との適した状態にするため
の化学的又は物理的処理(JIS K 6800参照)。
surface treatment
4002
表面改質
表面処理によって超微粒子表面を使用目的に適
合した性質に調える処理。
surface modification
4003
安定化処理
超微粒子の大気中における自然発火を防止する
ため,あらかじめ超微粒子表面に薄い保護酸化
被膜などを形成する処理。
stabilizing treatment
4004
徐酸化処理
酸素供給(発熱)を制御しながら超微粒子を酸化
させ,超微粒子表面に薄い保護酸化被膜層を形
成させる処理。
参考 安定化処理の一種。
gradual oxidation
treatment
4005
マイクロカプセル
微粒子の見掛けの形態及び性質を改変するため
に用いられる直径が,約1〜数100 μmの微小容
器。
参考 微粒子の表面改質・調整法の一種。
microcapsule
8
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
4006
超微粒子膜
基板の表面に超微粒子をたい(堆)積して得られ
る数100 nm〜100 μm程度の厚膜。
ultrafine particle film
4007
分散処理
超微粒子を液体媒質中に均一に懸濁させ,その
状態を持続させるための処理。
dispersion treatment
4008
分散媒
微粒子の分散系を形成するための媒質
(JIS K 3211参照)。
dispersion medium
4009
混合
組成及び粒径の異なる2種以上の粉末又は粉末
と他の物質とを混ぜ合わせ,均質な混合物を作
る操作(JIS Z 2500参照)。
mixing
4010
造粒
微粉体を所望の大きさ・形状・組成をもつ粒状
物又は粉体成形物に塊化させる処理。
granulation
4011
圧粉体
粉末を成形したままのもので,成形時の流動
性・保形性のために添加したバインダなどを含
んだままのもの(JIS Z 2500参照)。
green compact
4012
かさ減り度
加圧,タッピングなどによって粉体の見掛けの
体積が減少する度合い。
参考 一般に,かさ減り度の大きい粉体は流
動性が悪い。
degree of volume
reduction
4013
焼結
加熱によって,粉末の粒子又は圧粉体の粒子を
結合させるための処理(JIS Z 2500参照)。
sintering
4014
焼結性
焼結のしやすさをいう。
sinterability
4015
焼結開始温度
粉末の粒子間で結合が開始する最低の温度。
initial sintering
temperature
4016
還元処理
主として粒子表面の酸化被膜を還元除去するた
めの処理。
reduction treatment
4017
脱ガス
粉体中に含まれている気体成分又は加熱によっ
て,バインダなどから生じたガスを放出させる
処理。
degassing
4018
焼結収縮
焼結によって生じる圧粉体の大きさの減少。焼
結縮みともいう(JIS Z 2500参照)。
sintering shrinkage
4019
焼結体
粉末又は圧粉体を焼結したもの
(JIS Z 2500参照)。
sintering compact
4020
空げき(隙)率
固体又は液体が気体と混在するとき,全体積に
対する気体部分の体積の割合。
参考 焼結体の場合は,相対密度比又は密度
比を理論密度から差し引いたものが空
げき率を表す(JIS Z 9211参照)。
void ratio
4021
スケルトン
溶浸材が満たされる多孔質の焼結体又は未焼結
体(JIS Z 2500参照)。
skeleton
e) 材料
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5001
導電材料
電気を通じるために用いられる材料。
electro-conductive
material
5002
導電ペースト
導電性材料を分散させた,印刷可能なペースト
(JIS C 5603参照)。
electro-conductive paste
5003
磁性材料
磁場において磁化する性質をもつ材料。
magnetic material
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5004
磁気記録媒体
非磁性担体上に強磁性体微粒子を層状に塗布又
は蒸着したもの。
参考 テープ,カード,ディスクなどの形状
がある。
magnetic recording
medium
5005
磁性流体
溶液中に強磁性体微粒子をコロイド状に安定分
散させた溶液。
参考 磁界や遠心力を作用させても沈降せ
ず,見掛け上溶液自体が磁性をもつよ
うな挙動を示す。
magnetic fluid
5006
トナー
静電式の現像に用いる微細な着色粒子
(JIS B 0137参照)。
toner
5007
多孔質体
連続した固相でその中に多数の空孔を含む材
料。
参考 一般には,解放型の連続孔である場合
をいい,不連続空孔を多く含む発泡体
と区別する。
porous material
5008
フィルタ
粒子を分離するために用いる多孔性の物体又は
装置(JIS K 3802参照)。
filter
5009
熱交換器
熱を流体(水,空気など)に伝えるための構造
体(JIS S 2091参照)。
heat exchanger
5010
触媒
それ自体は何ら化学変化はしないが,化学反応
系に少量存在することによって化学反応の速度
を変える機能をもつ物質(JIS K 6900参照)。
catalyst
5011
光学材料
可視光線,赤外線,紫外線,X線などを透過,
屈折,回折,反射又は吸収し,特異な機能を発
現させる材料。
optical material
5012
顔料
水及び溶剤に溶けない無彩又は有彩の粉末で,
無機化合物又は有機化合物。
参考 着色,補強,増量などの目的で塗料,
印刷インキ,プラスチックなどに用い
る。屈折率の大きなものほど隠ぺい
(蔽)力が大きい(JIS K 5500参照)。
pigment
5013
焼結助剤
粉末の焼結を促進する又は遅延するための添加
剤(JIS R 1600参照)。
sintering aids
5014
燃焼助剤
燃料の燃焼を促進する又は遅延するための添加
剤。
combustion improver
5015
センサ
対象物の物理量を検出し,信号に変換する素子
又は装置(JIS B 3000参照)。
sensor
5016
超硬合金
高融点金属の炭化物などを主成分とする耐摩耗
性に優れた高硬度の粉末や(冶)金材料
(JIS Z 2500参照)。
hard metal,
cemented carbide
5017
医用材料
医療目的に用いられる人工又は生体由来の無機
材料及び有機材料(JIS K 3611参照)。
biomedical material
f)
評価
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6001
物理分析
物質に特有な物理的又は物理化学的な量を観測
して物質の構造,化学種,存在量などを決定す
る方法。
physical analysis
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
6002
透過電子顕微鏡
試料に電子線を照射し,透過した電子をレンズ
によって拡大結像させる顕微鏡。
transmission electron
microscope; TEM
6003
明視野像
電子顕微鏡において,試料を透過した電子線を
用いて結像した像。
bright field image
6004
暗視野像
電子顕微鏡において,試料によって散乱された
電子線を用いて得られる像。
dark field image
6005
電子線回折
結晶格子による電子線の回折現象を利用して結
晶構造及び化合物の構造の決定を行う方法。
electron diffraction
6006
制限視野電子線回折法
透過電子顕微鏡において,試料後方に弾性散乱
した回折電子によって形成された回折電子像を
用いて結晶構造及び化合物の構造を決定する方
法。
selected area electron
diffraction; SAED
6007
走査型電子顕微鏡
電子線を走査し,試料から放出される反射電子
及び二次電子の強度を陰極管上に拡大表示する
顕微鏡(JIS K 3611参照)。
scanning electron
microscope; SEM
6008
X線マイクロアナライ
ザ
細く絞った電子線を固体試料に照射し,試料か
ら発生する特性X線の波長及び強度を検出して
微小領域の元素分析を行う方法。電子プローブ
微小分析法ともいう(JIS H 0211参照)。
X-ray micro analyzer;
XMA(electron probe
microanalysis, EPMA)
6009
エネルギー分散型X線
分光法
試料に電子線を照射し,放出されるX線をエネ
ルギースペクトルとして検出し,元素分析を行
う方法(JIS Z 8122参照)。
energy dispersive X-ray
spectroscopy; EDX
6010
粉末X線回折
粉末試料に特定波長のX線を照射したときに生
じる結晶格子による回折パターンから,結晶構
造及び化合物の構造の決定を行う方法。
powder X-ray diffraction;
XRD
6011
構造解析
X線,中性子線,電子線などの回折現象を利用
し,試料の原子配列状態(結晶構造,非晶質状態
など)を決定する解析法(JIS H 0211参照)。
structure analysis,
structural analysis
6012
状態分析
試料を構成する成分の化学状態(原子価,励起
状態,吸着状態,結合状態など)や物理状態(存
在部位,成分分布,形状,サイズ,相,結晶性,
欠陥状態など)の情報を得るための分析
(JIS K 0211参照)。
analysis of state
6013
化学分析
物質の成分を調べる分析。
参考 定量分析と定性分析とがあり,前者で
は成分の量を調べる(JIS Z 9211参照)。
chemical analysis
6014
熱分析
試料の温度を所定のプログラムに従って変化さ
せながら,試料及び/又は生成物特定の物理的又
は化学的性質を温度の関数として測定する一連
の方法の総称(JIS K 0215参照)。
thermal analysis
6015
熱重量分析
試料の温度を所定のプログラムに従って変化さ
せながら,試料の質量変化を温度の関数として
測定する方法(JIS K 6900参照)。
thermogravimetry; TG
6016
示差熱分析
試料及び基準物質の温度を所定のプログラムに
従って変化させながら,その試料と基準物質と
の温度差を温度の関数として測定する方法
(JIS K 0215参照)。
differential thermal
analysis ; DTA
6017
吸着ガス分析
粉体及び多孔質体の表面に吸着している蒸気・
ガスの種類,吸着状態などを調べるための分析。
analysis of adsorbed gas
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
6018
酸素含有量
粉体粒子の酸素含有量。
参考 特に,金属系超微粒子の場合には,安
定化処理によって形成された表面酸化
被膜の厚さと関連付けられる。
oxygen content
6019
粒径測定
粉体粒子の粒径を測定する操作。
particle size measurement
6020
基準粉体
機器の校正,検定などに用いられる形状及び粒
径のそろった粉体。
reference powder
6021
遠心沈降法
遠心力場における粒子の沈降速度の差を用いて
粒径分布を測定する方法。
centrifuge,
centrifugal sedimentation
method
6022
レーザ回折/散乱法
粒子によるレーザ光の回折又は散乱パターンか
ら粒子径を測定する方法。
laser diffraction and
scattering method
6023
光子相関法
粒子のブラウン運動による入射光の散乱強度の
変動から粒子径を求める方法。
photon correlation
spectroscopy
6024
沈降分析法
重力及び遠心力の存在下で媒質中を落下又は上
昇する粒子の速度(沈降速度又は上昇速度)か
ら,粒子の大きさを測定する方法。
sedimentation analysis
6025
比表面積測定
粉体の比表面積を測定する操作。
参考 測定法には気体吸着法,湿潤熱法,気
体透過法などがある。
measurement of specific
surface area
6026
BET法
吸着ガスの圧力と吸着量との関係からBET式
を用いて単分子吸着量を測定し,比表面積を求
める方法。
BET absorption method
6027
細孔分布測定
多孔質体の細孔分布を測定する操作。
参考 測定法には,水銀圧入法,気体吸着法
などがある。
measurement of pore size
distribution
6028
水銀圧入法
水銀に圧力を加えて多孔質材料の細孔に浸入さ
せ,加えた圧力とそれによって満たされる細孔
径の関係から細孔分布を求める方法。
mercury porosimetry
6029
見掛け密度
粉体層及び多孔質体の質量をその占める体積で
除した値(JIS Z 2500参照)。
apparent density
6030
流動性
粉体の流れやすさ。
flowability
6031
安全
危険及び危害に対する防御(JIS T 1011参照)。
safety
6032
発火点
金属系超微粒子が空気中で自己発熱燃焼を開始
する温度。着火温度(ignition temperature)ともい
う。
ignition point
6033
爆発範囲
可燃性物質が空気又は酸化剤と混合された際
に,その混合物が発火に必要な可燃性物質の組
成範囲。
range of explosion
6034
許容濃度
作業者が有害物に連日ばく(曝)露される場合
に,当該有害物の空気中濃度がこの値以下であ
れば,ほとんどすべての人に悪影響が見られな
い濃度。じょ(恕)限度(maximum allowable
concentration)ともいう(JIS Z 3001参照)。
threshold limit value;
TLV ,
allowable concentration
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H 7008:2002
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業標準調査会標準部会 非鉄金属技術専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長) 神 尾 彰 彦
東京工業大学(名誉教授)
(委員)
藍 田 勲
株式会社神戸製鋼所
有 川 彰 一
財団法人日本船舶標準協会
一 瀬 明
住友金属鉱山株式会社
今 福 豊
日本伸銅協会
(三菱マテリアル株式会社非鉄材料カンパ
ニー銅加工製品部)
碓 井 栄 喜
社団法人軽金属学会
(株式会社神戸製鋼所)
齋 藤 鐵 哉
独立行政法人物質・材料研究機構
酒 井 勝 之
社団法人日本アルミニウム協会
(三菱アルミニウム株式会社)
中 村 守
独立行政法人産業技術総合研究所
西 村 尚
東京都立工業高等専門学校
岩 坂 光 富
日本鉱業協会
村 上 陽 一
社団法人日本電機工業会
柳 沢 健 史
古河電気工業株式会社裸線事業部
山 田 桑太郎
社団法人日本鉄道車輌工業会