2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
H 5601-1990
硬鉛鋳物
Hard Lead Castings
1. 適用範囲 この規格は,主に化学工業に用いる硬鉛鋳物(以下,鋳物という。)について規定する。
備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,国際単位系 (SI) によるものであ
って,参考として併記したものである。
なお,この規格の中で従来単位及び数値と,その後に{ }を付けてSIによる単位及びそれ
に基づく換算値が示してある部分は,平成3年1月1日以降{ }を付けて示してある単位及
び数値に切り換える。
引用規格:
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS Z 2201 金属材料引張試験片
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2243 ブリネル硬さ試験方法
2. 種類 鋳物は,化学成分によって表1の2種類に分ける。
表1 種類
種類
記号
8種
HPbC8
10種
HPbC10
3. 品質 品質は,次による。
(1) 鋳物は,品質均一で,有害なきず又は鋳巣などがあってはならない。
(2) 化学成分及び機械的性質(引張強さ・伸び・硬さ)は,表2による。
表2 化学成分及び機械的性質(平成2年12月31日まで適用)
種類
化学成分 %
引張試験
硬さ試験
HB
(10/100)
Pb
Sb
Cu
Sn
Bi及びその
他の不純物
引張強さ
kgf/mm2
{N/mm2}
伸び
%
8種
残部
7.5〜8.5
0.20以下
0.50以下
0.10以下
5.0 {49} 以上
20以上
14.0以上
10種
残部
9.5〜10.5
0.20以下
0.50以下
0.10以下
5.1 {50} 以上
19以上
14.5以上
4. 試験 試験は,次によって行う。
(1) 化学分析試験は,別に定める硬鉛分析方法による。ただし,Sb, Cu, Sn及びBiについて分析を行い,
その他の不純物については注文者から特に指定のあった場合に行う。
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H 5601-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 引張試験は,JIS Z 2241(金属材料引張試験方法)による。
ただし,荷重を加える速度は10mm/minを標準とし,引張試験片はJIS Z 2201(金属材料引張試験
片)の4号試験片による。
(3) 硬さ試験は,JIS Z 2243(ブリネル硬さ試験方法)による。
(4) 引張試験及び硬さ試験に用いる試験片は,鋳造後24時間以上常温に放置しなければならない。
5. 検査 検査は,次によって行う。
(1) 引張試験片の作製に必要な試料の採取は,次による。
(a) 試験片は特に指定のない限り,1溶解ごとに1個を取る。
ただし,重要な鋳物については,注文者の指示によって各個又は数個ごとに1個を取る。
(b) 試料の寸法は径20mm,長さ180mm以上とし,その鋳型及び採取位置は図による。
図 鋳型及び試験片
備考 硬さ試験片の作製と試験方法
4号試験片の端部を下記寸法に切断し,測定面を目の細かい研磨紙で平滑
に仕上げたものを次によってブリネル硬さ試験機で測定する。
試験片 直径↔約20mm, 厚さ15mmの円柱
荷重 100kgf {981N} (平成2年12月31日まで適用)
鋼球の直径 10mm
負荷時間 30s
(c) 試料は,現品鋳造の際作製する。
(2) 鋳物は,外観・寸法を検査するとともに4.によって試験を行い,3.の規定に合格しなければならない。
(3) そのほか一般的事項は,JIS H 0321(非鉄金属材料の検査通則)による。
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H 5601-1990
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書
規格本体の3.(2)に規定の従来単位による引張強さの規格値及び5.(1)(b)の備考に規定の従来単位による
荷重の規格値は,平成3年1月1日以降,ここに記載するSI単位による規格値を適用する。
3. 品質
(2) 化学成分及び機械的性質(引張強さ・伸び・硬さ)は,附属書表による。
附属書表 化学成分及び機械的性質(平成3年1月1日から適用)
種類
化学成分 %
引張試験
硬さ試験
HB
(10/100)
Pb
Sb
Cu
Sn
Bi及びその
他の不純物
引張強さ
N/mm2
伸び
%
8種
残部
7.5〜8.5
0.20以下
0.50以下
0.10以下
49以上
20以上
14.0以上
10種
残部
9.5〜10.5
0.20以下
0.50以下
0.10以下
50以上
19以上
14.5以上
5. 検査
(1) 引張試験片の作製に必要な試料の採取は,次による。
(b) 試料の寸法は径20mm,長さ180mm以上とし,その鋳型及び採取位置は図による。
図 鋳型及び試験片
備考 硬さ試験片の作製と試験方法
4号試験片の端部を下記寸法に切断し,測定面を目の細かい研磨紙で平滑
に仕上げたものを次によってブリネル硬さ試験機で測定する。
試験片 直径↔約20mm,厚さ15mmの円柱
荷重 981N (平成3年1月1日から適用)
鋼球の直径 10mm
負荷時間 30s