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H 5303:2006  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本マグネシウム

協会(JMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS H 5303:2000は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 16220:2005,Magnesium and 

magnesium alloys−Magnesium alloy ingots and castingsを基礎として用いた。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願

に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特

許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責

任はもたない。 

JIS H 5303には,次に示す附属書がある。 

附属書1(参考)マグネシウム合金ダイカストの機械的性質 

附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

H 5303:2006  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 種類及び記号 ·················································································································· 1 

4. 材料 ······························································································································ 2 

5. 品質 ······························································································································ 2 

6. 形状,寸法及び質量 ········································································································· 3 

7. 分析試験 ························································································································ 3 

8. 検査 ······························································································································ 3 

9. 表示 ······························································································································ 3 

10. 報告 ···························································································································· 3 

附属書1(参考)マグネシウム合金ダイカストの機械的性質 ························································· 4 

附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ··································································· 5 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 5303:2006 

マグネシウム合金ダイカスト 

Magnesium alloy die castings 

序文 この規格は,2005年に第2版として発行されたISO 16220:2005,Magnesium and magnesium alloys−

Magnesium alloy ingots and castingsを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,附属書2(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,マグネシウム合金ダイカスト(以下,ダイカストという。)について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 16220:2005,Magnesium and magnesium alloys−Magnesium alloy ingots and castings (MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0403 鋳造品−寸法公差方式及び削り代方式 

JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則 

JIS H 1332 マグネシウム及びマグネシウム合金中のアルミニウム定量方法 

JIS H 1333 マグネシウム及びマグネシウム合金中の亜鉛定量方法 

JIS H 1334 マグネシウム及びマグネシウム合金中のマンガン定量方法 

JIS H 1335 マグネシウム及びマグネシウム合金中のけい素定量方法 

JIS H 1336 マグネシウム及びマグネシウム合金中の銅定量方法 

JIS H 1337 マグネシウム及びマグネシウム合金中のニッケル定量方法 

JIS H 1338 マグネシウム及びマグネシウム合金中の鉄定量方法 

JIS H 2222 ダイカスト用マグネシウム合金地金 

3. 種類及び記号 ダイカストの種類及び記号は,表1による。 

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H 5303:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 1 種類及び記号 

種類 

記号 

参考 

ISO相当合金 ASTM 

相当合金 

合金の特色 

使用部品例 

マグネシウム合金 
ダイカスト1種B 

MDC1B MgAl9Zn1(B) AZ91B 

耐食性は1種Dよりやや劣る。 
機械的性質がよい。 

チェーンソー,ビデオ機器,音
響機器,スポーツ用品,自動車,
OA機器,コンピュータなどの
部品,その他はん(汎)用部品 

マグネシウム合金 
ダイカスト1種D 

MDC1D MgAl9Zn1(A) AZ91D 

耐食性に優れる。 
その他の特性は,1種Bと同
等。 

マグネシウム合金 
ダイカスト2種B 

MDC2B MgAl6Mn  

AM60B 

伸び及びじん性に優れる。 
鋳造性がやや劣る。 

自動車部品,スポーツ用品 

マグネシウム合金 
ダイカスト3種B 

MDC3B MgAl4Si  

AS41B 

高温強度がよい。 
鋳造性がやや劣る。 

自動車エンジン部品 

マグネシウム合金 
ダイカスト4種 

MDC4 

MgAl5Mn 

AM50A 

伸び及びじん性に優れる。 
鋳造性がやや劣る。 

自動車部品,スポーツ用品 

マグネシウム合金 
ダイカスト5種 

MDC5 

MgAl2Mn 

AM20A 

伸び及びじん性に優れる。 

自動車部品 

マグネシウム合金 
ダイカスト6種 

MDC6 

MgAl2Si 

AS21A 

高温強度がよい。 
鋳造性がやや劣る。 

自動車エンジン部品 

4. 材料 ダイカスト用マグネシウム合金地金は,JIS H 2222の規定による。 

5. 品質 ダイカストの品質は,次による。 

a) ダイカストは表面が平滑で,使用上有害な割れ,鋳巣などの欠陥があってはならない。 

b) ダイカストは,埋め金又は溶接によって補修してはならない。ただし,欠陥部分が小さくて注文者が

使用上差し支えないと認めたときは,補修することができる。 

なお,受渡当事者間の協定によって,漏れ止めの処理を行うことができる。 

c) 化学成分は,表2による。ただし,受渡当事者間の協定によって,Fe含有率とMn含有率との比が, 

MDC1Dは0.032,MDC2Bは0.021,MDC3Bは0.022,MDC4は0.015,MDC5は0.012及びMDC6は

0.022を超えなければ,Feの含有率は規定値を超えてもよい。 

表 2 化学成分 

種類 

記号 

化学成分 %(質量分率) 

Mg 

Al 

Zn 

Mn 

Si 

Cu 

Ni 

Fe 

その他 

個々 

1種B MDC1B 

残部 

8.3〜9.7 0.35〜1.0 0.13〜0.50 0.50以下 0.35 以下 0.03 以下 0.03   以下 0.05以下 

1種D MDC1D 

残部 

8.3〜9.7 0.35〜1.0 0.15〜0.50 0.10以下 0.030以下 0.002以下 0.005  以下 0.01以下 

2種B MDC2B 

残部 

5.5〜6.5 0.30以下 0.24〜0.6 

0.10以下 0.010以下 0.002以下 0.005  以下 0.01以下 

3種B MDC3B 

残部 

3.5〜5.0 0.20以下 0.35〜0.7 

0.50〜1.5 0.02 以下 0.002以下 0.003 5以下 0.01以下 

4種 

MDC4 

残部 

4.4〜5.3 0.30以下 0.26〜0.6 

0.10以下 0.010以下 0.002以下 0.004  以下 0.01以下 

5種 

MDC5 

残部 

1.6〜2.5 0.20以下 0.33〜0.70 0.08以下 0.008以下 0.001以下 0.004  以下 0.01以下 

6種 

MDC6 

残部 

1.8〜2.5 0.20以下 0.18〜0.70 0.7〜1.2 

0.008以下 0.001以下 0.004  以下 0.01以下 

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H 5303:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 形状,寸法及び質量 ダイカストの形状,寸法及び質量は,図面又は模型による。寸法許容差は注文

者の指定による。ただし,寸法許容差の指示のない部分は,JIS B 0403を適用することができる。 

7. 分析試験 化学成分の分析試験は,次による。 

JIS H 1332,JIS H 1333,JIS H 1334,JIS H 1335,JIS H 1336,JIS H 1337,JIS H 1338 

なお,その他の不純物の分析試験において,該当する日本工業規格がない場合は,受渡当事者間の協定

による。 

8. 検査 ダイカストの検査は,次による。 

a) 一般事項は,JIS H 0321による。 

b) 化学分析試料を採取する方法は,受渡当事者間の協定による。 

c) ダイカストは,外観,形状,寸法及び質量を検査するとともに,7.によって試験を行い,5.及び6.の規

定に適合したものを合格とする。 

9. 表示 ダイカストは,ダイカスト表面,送り状又は1包装ごとに貼付ラベルなど適切な方法で,次の

事項を表示する。 

a) 規格番号及び種類又はその記号 

例1. JIS H 5303 MDC1B 

b) 製造番号又は製造年月若しくはその略号 

c) 製造業者名又はその略号 

10. 報告 製造業者は,注文者からの要求がある場合は,分析試験の結果を提出しなければならない。 

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H 5303:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(参考)マグネシウム合金ダイカストの機械的性質 

この附属書は,マグネシウム合金ダイカストの質別Fについての機械的性質(引張強さ・耐力・伸び・

ブリネル硬さ)に関する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

附属書1表 1 マグネシウム合金ダイカストの機械的性質 

記号 

記号及び 

質別記号(1) 

引張試験(2) 

ブリネル硬さ HBW 

引張強さ N/mm2 

耐力 N/mm2 

伸び % 

MDC1D 

MDC1D-F 

200〜260 

140〜170 

1〜9 

65〜85 

MDC2B 

MDC2B-F 

190〜250 

120〜150 

4〜18 

55〜70 

MDC3B 

MDC3B-F 

200〜250 

120〜150 

3〜12 

55〜80 

MDC4 

MDC4-F 

180〜230 

110〜130 

5〜20 

50〜65 

MDC5 

MDC5-F 

150〜220 

80〜100 

8〜25 

40〜55 

MDC6 

MDC6-F 

170〜230 

110〜130 

4〜14 

50〜70 

注(1) 質別記号は,JIS H 0001による。 

(2) 引張試験に用いる試験片の形状及び寸法は,最小肉厚2 mm,断面積20 mm2のダイカスト

により製造した試験片で,表面は鋳造のままのものである。 

備考 1 N/mm2=1 MPa 

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H 5303:2006  

附属書2(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS H 5303:2006 マグネシウム合金ダイカスト 

ISO 16220:2005 マグネシウム及びマグネシウム合金−マグネシウム合金地金と鋳物 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 
国際 
規格 
番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項目ご
との評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線及び点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1. 

適用範囲 
マグネシウム合金ダイカス
トについて規定。 

ISO 
16220 

適用範囲 
マグネシウム合金地金
及び鋳造品の化学組成
及び機械的性質を規定。 

MOD/削除 ISO規格は,鋳物に関するすべ

ての種類のマグネシウム合金
について,化学組成及び機械的
性質を規定している。 
JISは,ISO規格のうちマグネ
シウム合金ダイカストだけを
適用範囲としている。 

JISは,使用者の利便性を考慮し,JIS H 
2221(鋳物用地金),JIS H 2222(ダイ
カスト用地金),JIS H 5203(鋳物)及
びJIS H 5303(ダイカスト)の4規格に
分けて規定している。 

2. 

引用規格 
JIS B 0403,JIS H 0321, 
JIS H 1332,JIS H 1333, 
JIS H 1334,JIS H 1335, 
JIS H 1336,JIS H 1337, 
JIS H 1338,JIS H 2222 

引用規格 
ISO 31-0,ISO 6506-1, 
ISO 6892, 
EN 1559-5, 
EN 1753 

MOD/追加 化学成分の分析に必要な試験

方法を規定するために,引用規
格を追加。 

3. 

種類及び記号 
 材料を6種7種類に分類。 
 (ISO規格品7種類に対応) 

分類 
3.1 材料 
 材料を14種類に分類 
3.2 質別記号 
3.3 鋳造方法の表示記号 

MOD/削除 

追加 

JISは,ISO規格のマグネシウ
ム合金ダイカスト以外の規定
項目を削除。JISは,鋳造方法
による区分をしていない。 
ISO規格の記号を参考として
記載している。 

JISの分類は,ISO規格のマグネシウム
合金ダイカストと一致している。 

4. 

材料 
JIS H 2222の規定による。 

MOD/追加 材料の項を追加。 

JISとして材料を追加することは,適合
性評価をするためにも必要。 

5

H

 5

3

0

3

2

0

0

6

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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H 5303:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ) JISの規定 

(Ⅱ) 
国際 
規格 
番号 

(Ⅲ) 国際規格の規定 

(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容 
 表示箇所:本体 
 表示方法:側線及び点線の下線 

(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

項目 
番号 

内容 

項目 
番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5. 

品質 
a) 表面が平滑,割れ,鋳巣不可 

4.4 品質 
受渡当事者間の協定による。 

MOD/追加 JISは,具体的に規定。 

JISとして必要な規定内容を追加。 
ISO規格の改正提案について検討
を行う。 

b) 補修 

c) 化学成分 
 7の種類ごとに規定。 

4.1 化学成分 
 14の種類ごとに規定。 

MOD/削除 JISは,ISO規格のダイカ

スト以外を削除。 

ISO規格のうち,ダイカストの規
定値とは,ほぼ一致している。 

4.2 機械的性質(参考値) 

MOD/変更 ISO規格は,機械的性質

を参考値として規定。 
JISは,附属書(参考)と
して記載。 

JISとISO規格との間に,大きな差
はない。 

6. 

形状,寸法及び質量 

− 

− 

MOD/追加 

− 

JISとして必要な規定項目を追加。 

7. 

分析試験 
化学成分の分析試験方法を規定。 
 

試験方法 
引張試験は,ISO 6892による。 
硬さ試験は,ISO 6506による。 

MOD/追加 ISO規格は,分析方法を

規定せず,製造業者によ
るとしている。 

JISとして必要な試験方法を規定。 
 

8. 

検査 
分析試料採取方法及び検査につい
て規定。 

4.3 試験頻度 
 EN 1559-5による。 

MOD/変更  

JISとISO規格との間に,大きな差
はない。 

供試材の採取 
EN 1559-5による。 

機械的性質測定用試験片 
表面は鋳造のままとする。 

再検査: 
EN 1559-5による。 

9. 

ダイカストの表示について規定。 

3.4 注文用名称 

MOD/追加 ISO規格は,製造個数,

合金種,質別記号,製造
法を規定。 

JISとして必要な項目を追加。 
ISO規格の改正提案について検討
を行う。 

10. 

報告 

MOD/追加  

 
 

JISとして必要な項目を追加。 
ISO規格の改正提案について検討
を行う。 

6

H

 5

3

0

3

2

0

0

6

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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H 5303:2006  

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  ― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  ― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  ― MOD…………… 国際規格を修正している。 

7

H

 5

3

0

3

2

0

0

6

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。