H 5120:2016
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 種類及び記号 ··················································································································· 1
4 品質······························································································································· 5
4.1 鋳物の品質 ··················································································································· 5
4.2 化学成分 ······················································································································ 5
4.3 機械的性質及び電気的性質 ······························································································ 9
5 形状・寸法及び質量並びにそれらの許容差 ··········································································· 10
6 製造方法························································································································ 10
7 試験······························································································································ 10
7.1 分析試験 ····················································································································· 10
7.2 引張試験 ····················································································································· 10
7.3 硬さ試験 ····················································································································· 13
7.4 導電率試験 ·················································································································· 13
8 検査······························································································································ 13
9 表示······························································································································ 14
10 報告 ···························································································································· 14
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
鋳造協会(JFSinc)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ
る。
これによって,JIS H 5120:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。
− 発明の名称:無鉛青銅合金
− 設定登録日:2003年8月8日
− 特許番号 :第3459623号
− 特許権者 :京和ブロンズ株式会社
京都府久世郡久御山町佐山新開地314
− 発明の名称:銅合金とその合金を用いた鋳塊又は接液部品
− 設定登録日:2005年6月24日
− 特許番号 :第3690746号
− 特許権者 :株式会社キッツ
千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目10番1
− 発明の名称:青銅合金
− 設定登録日:2006年3月3日
− 特許番号 :第3776441号
− 特許権者 :株式会社キッツ
千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目10番1
− 発明の名称:青銅合金とその合金を用いた鋳塊・接液部品
− 設定登録日:2006年7月21日
− 特許番号 :第3830946号
− 特許権者 :株式会社キッツ
千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目10番1
− 発明の名称:飲料水用銅合金製バルブ
− 設定登録日:2006年9月8日
− 特許番号 :第3850861号
− 特許権者 :株式会社キッツ
千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目10番1
− 発明の名称:耐圧性に優れた鋳物用無鉛銅合金
− 設定登録日:2007年5月18日
− 特許番号 :第3957308号
− 特許権者 :滋賀バルブ協同組合
H 5120:2016
(3)
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滋賀県彦根市岡町52番地
:滋賀県
滋賀県大津市京町4丁目1番1号
− 発明の名称:銅合金系水道用部材
− 設定登録日:2007年4月20日
− 特許番号 :第3946244号
− 特許権者 :株式会社栗本鐵工所
大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号
− 発明の名称:無鉛快削性銅合金
− 設定登録日:2005年10月28日
− 特許番号 :第3734372号
− 特許権者 :三菱伸銅株式会社
東京都品川区北品川4丁目7番35号
− 発明の名称:快削性銅合金
− 設定登録日:2007年2月16日
− 特許番号 :第3917304号
− 特許権者 :三菱伸銅株式会社
東京都品川区北品川4丁目7番35号
− 発明の名称:鉛を超低量含む快削銅合金
− 設定登録日:2012年3月16日
− 特許番号 :第4951623号
− 特許権者 :三菱伸銅株式会社
東京都品川区北品川4丁目7番35号
− 発明の名称:機械的特性に優れた鋳物用無鉛銅合金
− 設定登録日:2013年8月9日
− 特許番号 :第5335558号
− 特許権者 :滋賀バルブ協同組合
滋賀県彦根市岡町52番地
:株式会社ビワライト
滋賀県彦根市岡町52番地
:滋賀県
滋賀県大津市京町4丁目1番1号
− 発明の名称:水道部材用銅合金
− 設定登録日:2013年11月8日
− 特許番号 :第5406405号
− 特許権者 :株式会社栗本鐵工所
大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号
− 発明の名称:鋳造性に優れた無鉛快削性黄銅
− 設定登録日:2014年1月17日
− 特許番号 :第5454144号
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(4)
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− 特許権者 :TOTO株式会社
福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1号
− 発明の名称:水道部材用黄銅合金
− 設定登録日:2014年4月18日
− 特許番号 :第5522582号
− 特許権者 :株式会社栗本鐵工所
大阪府大阪市西区北堀江1丁目12番19号
− 発明の名称:飲料水用のバルブ
− 設定登録日:2010年2月12日
− 特許番号 :第4455507号
− 特許権者 :株式会社キッツ
千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目10番1
上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施
の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対
しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。
この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ
る。
この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標
準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。
なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。
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日本工業規格 JIS
H 5120:2016
銅及び銅合金鋳物
Copper and copper alloy castings
1
適用範囲
この規格は,砂型鋳造,金型鋳造,遠心鋳造,精密鋳造など(連続鋳造を除く。)によって製造された銅
及び銅合金鋳物(以下,鋳物という。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0403 鋳造品−寸法公差方式及び削り代方式
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 0505 非鉄金属材料の体積抵抗率及び導電率測定方法
JIS H 1012 銅及び銅合金の分析方法通則
JIS H 1051 銅及び銅合金中の銅定量方法
JIS H 1052 銅及び銅合金中のすず定量方法
JIS H 1053 銅及び銅合金中の鉛定量方法
JIS H 1054 銅及び銅合金中の鉄定量方法
JIS H 1055 銅及び銅合金中のマンガン定量方法
JIS H 1056 銅及び銅合金中のニッケル定量方法
JIS H 1057 銅及び銅合金中のアルミニウム定量方法
JIS H 1058 銅及び銅合金中のりん定量方法
JIS H 1061 銅及び銅合金中のけい素定量方法
JIS H 1062 銅及び銅合金中の亜鉛定量方法
JIS H 1065 銅及び銅合金中のセレン定量方法
JIS H 1068 銅及び銅合金中のビスマス定量方法
JIS H 1070 銅及び銅合金中の硫黄定量方法
JIS H 1072 銅及び銅合金中のアンチモン定量方法
JIS H 1292 銅合金の蛍光X線分析方法
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2243 ブリネル硬さ試験−試験方法
3
種類及び記号
鋳物の種類及び記号は,合金系及び鋳造法並びに表2の化学成分によって区分し,表1のとおりとする。
2
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表1−種類及び記号
種類
記号
合金系
鋳造法の
区分
参考
合金の特色
用途例a)
銅鋳物1種 CAC101
Cu系
砂型鋳造
金型鋳造
金型遠心
鋳造
砂型遠心
鋳造
精密鋳造
鋳造性がよい。導電性及び熱伝導
性がよい。CAC102及びCAC103
より引張強さが高い。
羽口,大羽口,冷却板,熱風弁,
電極ホルダー,一般機械部品な
ど。
銅鋳物2種 CAC102
Cu系
CAC101より導電性及び熱伝導性
がよい。
羽口,電気用ターミナル,分岐
スリーブ,コンタクト,導体,
一般電気部品など。
銅鋳物3種 CAC103
Cu系
銅鋳物の中では導電性及び熱伝導
性が最もよい。
転炉用ランスノズル,電気用タ
ーミナル,分岐スリーブ,通電
サポート,導体,一般電気部品
など。
黄銅鋳物1
種
CAC201
Cu−Zn系
ろう付けしやすい。
フランジ類,電気部品,装飾用
品など。
黄銅鋳物2
種
CAC202
Cu−Zn−
Pb系
黄銅鋳物の中で比較的鋳造が容易
である。
電気部品,計器部品,一般機械
部品など。
黄銅鋳物3
種
CAC203
Cu−Zn−
Pb系
CAC202よりも引張強さが高い。
給排水金具,電気部品,建築用
金具,一般機械部品,日用品・
雑貨品など。
耐脱亜鉛黄
銅鋳物11
種
CAC211
Cu−Zn−
Sn−Pb系
耐脱亜鉛性に優れ,CAC406と同
等の引張強さ及び伸びをもつ。被
削性はCAC203及びCAC406より
劣る。
給水用具・給水管用各種部品な
ど。
耐脱亜鉛黄
銅鋳物21
種
CAC221
Cu−Zn−
Bi系
鉛浸出量はほとんどない。
CAC202より引張強さが高い。
CAC203より耐脱亜鉛性が高い。
被削性はCAC203より劣る。
CAC406より高い引張強さ及び伸
びをもつ。
給水用具・給水管用各種部品な
ど。
耐脱亜鉛黄
銅鋳物31
種
CAC231
Cu−Zn−
Sn−Bi系
鉛浸出量はほとんどない。耐脱亜
鉛性に優れ,CAC406と同等の引
張強さ及び伸びをもつ。被削性は
CAC203及びCAC406より劣る。
給水用具・給水管用各種部品な
ど。
耐脱亜鉛黄
銅鋳物32
種
CAC232
Cu−Zn−
Sn−Bi系
鉛浸出量はほとんどない。耐脱亜
鉛性に優れ,CAC406と同等の引
張強さ及び伸びをもつ。被削性は
CAC203及びCAC406より劣る。
給水用具・給水管用各種部品な
ど。
高力黄銅鋳
物1種
CAC301
Cu−Zn−
Mn−Fe−
Al系
黄銅鋳物より引張強さ及び硬さに
優れ,耐食性及びじん性もよい。
舶用プロペラ,プロペラボンネ
ット,軸受,弁座,弁棒,軸受
保持器,レバー,アーム,ギヤ,
舶用ぎ装品など。
高力黄銅鋳
物2種
CAC302
Cu−Zn−
Mn−Fe−
Al系
CAC301より引張強さが高い。耐
摩耗性もよい。
舶用プロペラ,軸受,軸受保持
器,スリッパー,エンドプレー
ト,弁座,弁棒,特殊シリンダ,
一般機械部品など。
高力黄銅鋳
物3種
CAC303
Cu−Zn−
Al−Mn−
Fe系
CAC302より引張強さ,硬さ及び
耐摩耗性がよい。
低速高荷重のしゅう(摺)動部
品,大形バルブ,ステム,ブシ
ュ,ウォームギヤ,スリッパー,
カム,水圧シリンダ部品など。
3
H 5120:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−種類及び記号(続き)
種類
記号
合金系
鋳造法の
区分
参考
合金の特色
用途例a)
高力黄銅鋳
物4種
CAC304
Cu−Zn−
Al−Mn−
Fe系
砂型鋳造
金型鋳造
砂型遠心
鋳造
金型遠心
鋳造
精密鋳造
高力黄銅鋳物の中で引張強さ及び
硬さが最も優れ,高荷重でも耐摩
耗性がよい。
低速高荷重のしゅう(摺)動部
品,橋りょう(梁)用支承板,
軸受,ナット,ウォームギヤ,
耐摩耗板など。
青銅鋳物1
種
CAC401
Cu−Sn−
Zn−Pb系
湯流れ及び被削性がよい。
軸受,銘板,一般機械部品など。
青銅鋳物2
種
CAC402
Cu−Sn−
Zn系
CAC406に比べて,耐圧性,耐摩
耗性及び耐食性がよく,かつ,引
張強さ及び伸びもよい。鉛浸出量
は少ない。
軸受,ポンプ部品,バルブ,歯
車,舶用丸窓,電動機器部品な
ど。
青銅鋳物3
種
CAC403
Cu−Sn−
Zn系
CAC406に比べて,耐圧性,耐摩
耗性,引張強さ及び伸びがよく,
かつ,耐食性がCAC402よりもよ
い。鉛浸出量は少ない。
軸受,ポンプ部品,バルブ,歯
車,舶用丸窓,電動機器部品,
一般機械部品など。
青銅鋳物6
種
CAC406
Cu−Sn−
Zn−Pb系
耐圧性,耐摩耗性,被削性及び鋳
造性がよい。
バルブ,ポンプ部品,給水用
具・給水管用各種部品,水道用
資機材,軸受,一般機械部品,
景観鋳物,美術鋳物など。
青銅鋳物7
種
CAC407
Cu−Sn−
Zn−Pb系
耐圧性及び耐摩耗性がよい。引張
強さ及び伸びがCAC406よりよ
い。
バルブ,ポンプ部品,給水用
具・給水管用各種部品,水道用
資機材,軸受,一般機械部品な
ど。
青銅鋳物8
種
CAC408
Cu−Sn−
Zn−Pb系
CAC406の低鉛組成の青銅で
CAC406と同等の引張強さ,伸び,
耐摩耗性,耐食性及び耐圧性をも
つが,被削性は劣る。
バルブ,ポンプ部品,給水用
具・給水管用各種部品,水道用
資機材,軸受,一般機械部品な
ど。
青銅鋳物
11種
CAC411
Cu−Sn−
Zn−Ni−
S系
硫化物を分散させた青銅で,鉛浸
出量はほとんどない。CAC406よ
り赤みを帯びている。CAC406に
比べて,引張強さ及び伸びは同等
であるが,厚肉鋳物の耐圧性はよ
い。被削性はCAC406より劣る。
給水用具・給水管用各種部品,
一般機械部品など。
りん青銅鋳
物2種A
CAC502A Cu−Sn−
P系
砂型鋳造
砂型遠心
鋳造
精密鋳造
耐食性及び耐摩耗性がよい。鉛浸
出量は非常に少ない。
歯車,ウォームギヤ,軸受,羽
根車,一般機械部品など。
りん青銅鋳
物2種B
CAC502B Cu−Sn−
P系
金型鋳造
金型遠心
鋳造
りん青銅鋳
物3種A
CAC503A Cu−Sn−
P系
砂型鋳造
砂型遠心
鋳造
精密鋳造
硬さが高く,耐摩耗性がよい。鉛
浸出量は非常に少ない。
しゅう(摺)動部品,油圧シリ
ンダ,スリーブ,歯車,製紙用
各種ロールなど。
りん青銅鋳
物3種B
CAC503B Cu−Sn−
P系
金型鋳造
金型遠心
鋳造
4
H 5120:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−種類及び記号(続き)
種類
記号
合金系
鋳造法の
区分
参考
合金の特色
用途例a)
鉛青銅鋳物
2種
CAC602
Cu−Sn−
Pb系
砂型鋳造
金型鋳造
砂型遠心
鋳造
金型遠心
鋳造
精密鋳造
耐圧性及び耐摩耗性がよい。
中高速・高荷重用軸受,シリン
ダ,バルブなど。
鉛青銅鋳物
3種
CAC603
Cu−Sn−
Pb系
面圧の高い軸受に適し,なじみ性
がよい。
中高速・高荷重用軸受,大形エ
ンジン用軸受など。
鉛青銅鋳物
4種
CAC604
Cu−Sn−
Pb系
CAC603よりなじみ性がよい。
中高速・中荷重用軸受,車両用
軸受,ホワイトメタルの裏金な
ど。
鉛青銅鋳物
5種
CAC605
Cu−Sn−
Pb系
鉛青銅鋳物の中でなじみ性及び耐
焼付性が特によい。
中高速・低荷重用軸受,エンジ
ン用軸受など。
アルミニウ
ム青銅鋳物
1種
CAC701
Cu−Al−
Fe−Ni−
Mn系
引張強さ及びじん性に優れ,曲げ
にも強い。耐食性,耐熱性,耐摩
耗性及び低温特性がよい。
耐酸ポンプ,軸受,歯車,バル
ブシート,プランジャ,製紙用
ロールなど。
アルミニウ
ム青銅鋳物
2種
CAC702
Cu−Al−
Fe−Ni−
Mn系
引張強さが大きく,耐食性及び耐
摩耗性がよい。
舶用小形プロペラ,軸受,歯車,
バルブシート,羽根車,ボルト,
ナット,安全工具,ステンレス
鋼用軸受,架線金具など。
アルミニウ
ム青銅鋳物
3種
CAC703
Cu−Al−
Fe−Ni−
Mn系
大形鋳物に適し,引張強さが特に
大きく,耐食性及び耐摩耗性がよ
い。
舶用プロペラ,羽根車,バルブ,
歯車,ポンプ部品,化学工業用
機器部品,ステンレス鋼用軸
受,食品加工用機械部品など。
アルミニウ
ム青銅鋳物
4種
CAC704
Cu−Al−
Mn−Fe−
Ni系
単純形状の大形鋳物に適し,引張
強さが特に大きく,耐食性及び耐
摩耗性がよい。
舶用プロペラ,軸受,歯車,化
学用機器部品など。
シルジン青
銅鋳物1種
CAC801
Cu−Si−
Zn系
湯流れがよい。引張強さが大きく,
耐食性に優れる。
舶用ぎ装品,軸受,歯車など。
シルジン青
銅鋳物2種
CAC802
Cu−Si−
Zn系
CAC801より引張強さが大きい。
耐食性に優れる。
舶用ぎ装品,軸受,歯車,ボー
ト用プロペラなど。
シルジン青
銅鋳物3種
CAC803
Cu−Si−
Zn系
湯流れがよい。焼なましぜい性が
少ない。引張強さが大きく,耐食
性に優れる。
舶用ぎ装品,軸受,歯車など。
シルジン青
銅鋳物4種
CAC804
Cu−Si−
Zn系
鉛浸出量はほとんどない。湯流れ
がよい。耐脱亜鉛性に優れる。
CAC406より引張強さが大きい。
被削性はCAC406より劣る。
給水用具・給水管用各種部品,
ポンプ部品,バルブ,継手,軸
受,歯車など。
ビスマス青
銅鋳物1種
CAC901
Cu−Sn−
Zn−Bi系
鉛浸出量はほとんどない。引張強
さ及び伸びはCAC902よりよい。
厚肉鋳物の耐圧性はよい。被削性
はCAC902より劣る。
給水用具・給水管用各種部品,
水道用資機材,バルブ,継手な
ど。
ビスマス青
銅鋳物2種
CAC902
Cu−Sn−
Zn−Bi系
鉛浸出量はほとんどない。鋳造
性・被削性はCAC406より劣る。
給水用具・給水管用各種部品,
水道用資機材,バルブ,継手な
ど。
ビスマス青
銅鋳物3種
B
CAC903B Cu−Sn−
Zn−Bi系
金型鋳造
金型遠心
鋳造
鉛浸出量はほとんどない。
CAC406と同等の被削性をもつ。
給水用具・給水管用各種部品,
水道用資機材など。
5
H 5120:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−種類及び記号(続き)
種類
記号
合金系
鋳造法の
区分
参考
合金の特色
用途例a)
ビスマス青
銅鋳物4種
CAC904
Cu−Sn−
Zn−Bi−
Ni系
砂型鋳造
金型鋳造
砂型遠心
鋳造
金型遠心
鋳造
精密鋳造
鉛浸出量はほとんどない。耐圧性
はCAC902よりよく,厚肉鋳物に
適する。
給水用具・給水管用各種部品,
水道用資機材,バルブ,継手な
ど。
ビスマス青
銅鋳物5種
CAC905
Cu−Sn−
Zn−Bi系
鉛浸出量はほとんどない。鋳造
性・被削性はCAC406より劣る。
給水用具・給水管用各種部品,
バルブ,継手など。
ビスマス青
銅鋳物6種
CAC906
Cu−Sn−
Zn−Bi系
鉛浸出量はほとんどない。鋳造
性・被削性はCAC406より劣る。
給水用具・給水管用各種部品,
バルブ,継手など。
ビスマスセ
レン青銅鋳
物1種
CAC911
Cu−Sn−
Zn−Bi−
Se系
鉛浸出量はほとんどない。被削性
はCAC902よりよい。厚肉鋳物の
耐圧性はよい。
給水用具・給水管用各種部品,
水道用資機材,バルブ,継手な
ど。
ビスマスセ
レン青銅鋳
物2種
CAC912
Cu−Sn−
Zn−Bi−
Se−P−
Ni系
鉛浸出量はほとんどない。CAC911
と同等の特性をもつ。100 ℃以上
の高温の特性がよりよい。
給水用具・給水管用各種部品,
水道用資機材,蒸気用器具部品
など。
注a) 給水用具・給水管用各種部品とは,給水管,止水栓及び給水栓における配管部品,バルブ,コックなどを指す。
水道用資機材とは,上水道・工業用水道のための取水,浄水及び配水の施設における配管部品,バルブ,ポン
プなどを指す。
4
品質
4.1
鋳物の品質
鋳物の品質は,鋳肌が良好で,使用上有害なきず,鋳巣などの欠陥があってはならない。
4.2
化学成分
鋳物は,7.1によって試験を行い,その化学成分は,表2による。
6
H 5120:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
白 紙
7
H 5120:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−化学成分
単位 %
記号
主要成分e)
残余成分a), e)
Cu
Sn
Pb
Zn
Bi
Se
Fe
Ni
P
Al
Mn
Si
S
Sb
Sn
Pb
Zn
Fe
Sb
Ni
P
Al
Se
Mn
Si
Bi
S
CAC101
99.5以上
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.4
−
−
−
−
−
0.07
−
−
−
−
−
−
CAC102
99.7以上
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.2
−
−
−
−
−
0.07
−
−
−
−
−
−
CAC103
99.9以上
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.04
−
−
−
−
−
−
CAC201
83.0〜88.0
−
−
11.0〜17.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.1
0.5 b)
−
0.2
−
0.2
−
0.2
−
−
−
−
−
CAC202
65.0〜70.0
−
0.5〜 3.0
24.0〜34.0 d)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.0
−
−
0.8
−
1.0
−
0.5
−
−
−
−
−
CAC203
58.0〜64.0
−
0.5〜 3.0
30.0〜41.0 d)
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.0
−
−
0.8
−
1.0
−
0.5
−
−
−
−
−
CAC211
65.5〜68.5
1.1〜1.5
0.1〜 2.0
28.0〜31.0 d)
−
−
−
−
0.05〜
0.1
0.01〜
0.1
−
−
−
0.06〜
0.15
−
−
−
0.2
−
0.2
−
−
−
−
0.05
−
−
CAC221
66.0〜69.0
−
−
26.0〜31.0 d)
0.2〜
1.2
−
−
0.2〜
1.0
0.005〜
0.1
0.8〜
1.4
−
−
−
−
0.5
0.25 b)
−
0.5
−
−
−
−
−
−
0.3
−
−
CAC231
66.3〜68.5
1.1〜1.5
−
28.0〜31.0 d)
0.5〜
0.8
−
−
−
0.05〜
0.1
0.01〜
0.1
−
−
−
0.06〜
0.15
−
0.25 b)
−
0.2
−
0.2
−
−
−
−
0.05
−
−
CAC232
66.0〜72.0
0.6〜1.1
−
26.0〜30.0 d)
0.5〜
0.8
−
−
−
−
0.35〜
0.6
−
0.4〜
0.8
−
0.02〜
0.20
−
0.25 b)
−
0.2
−
0.2
0.03
−
−
0.2
−
−
−
CAC301
55.0〜60.0
−
−
33.0〜42.0 d)
−
−
0.5〜
1.5
−
−
0.5〜
1.5
0.1〜
1.5
−
−
−
1.0
0.4
−
−
−
1.0
−
−
−
−
0.1
−
−
CAC302
55.0〜60.0
−
−
30.0〜42.0 d)
−
−
0.5〜
2.0
−
−
0.5〜
2.0
0.1〜
3.5
−
−
−
1.0
0.4
−
−
−
1.0
−
−
−
−
0.1
−
−
CAC303
60.0〜65.0
−
−
22.0〜28.0 d)
−
−
2.0〜
4.0
−
−
3.0〜
5.0
2.5〜
5.0
−
−
−
0.5
0.2
−
−
−
0.5
−
−
−
−
0.1
−
−
CAC304
60.0〜65.0
−
−
22.0〜28.0 d)
−
−
2.0〜
4.0
−
−
5.0〜
7.5
2.5〜
5.0
−
−
−
0.2
0.2
−
−
−
0.5
−
−
−
−
0.1
−
−
CAC401
79.0〜83.0
2.0〜 4.0
3.0〜 7.0
8.0〜12.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.35
0.2
1.0
0.05 c) 0.01
−
−
0.01
−
−
CAC402
86.0〜90.0
7.0〜 9.0
−
3.0〜 5.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.0 b)
−
0.2
0.2
1.0
0.05 c) 0.01
−
−
0.01
−
−
CAC403
86.5〜89.5
9.0〜11.0
−
1.0〜 3.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.0 b)
−
0.2
0.2
1.0
0.05 c) 0.01
−
−
0.01
−
−
CAC406
83.0〜87.0
4.0〜 6.0
4.0〜 6.0
4.0〜 6.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.3
0.2
1.0
0.05 c) 0.01
−
−
0.01
−
−
CAC407
86.0〜90.0
5.0〜 7.0
1.0〜 3.0
3.0〜 5.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.2
0.2
1.0
0.05 c) 0.01
−
−
0.01
−
−
CAC408
84.0〜88.0
4.0〜 6.0
2.0〜 4.0
5.0〜 7.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.3
0.2
1.0
0.05 c) 0.01
−
−
0.01
−
−
CAC411
90.0〜96.0
3.0〜 5.0
−
1.0〜 3.0
−
−
−
0.1〜
1.0
−
−
−
−
0.2〜
0.6
−
−
0.25
b)
−
0.5
0.2
−
0.10
c)
0.01
−
−
0.01
−
−
CAC502A
87.0〜91.0
9.0〜12.0
−
−
−
−
−
−
0.05〜
0.20
−
−
−
−
−
−
0.3
0.3
0.2
0.05
1.0
−
0.01
−
−
0.01
−
−
CAC502B
87.0〜91.0
9.0〜12.0
−
−
−
−
−
−
0.15〜
0.50
−
−
−
−
−
−
0.3
0.3
0.2
0.05
1.0
−
0.01
−
−
0.01
−
−
CAC503A
84.0〜88.0
12.0〜15.0
−
−
−
−
−
−
0.05〜
0.20
−
−
−
−
−
−
0.3
0.3
0.2
0.05
1.0
−
0.01
−
−
0.01
−
−
CAC503B
84.0〜88.0
12.0〜15.0
−
−
−
−
−
−
0.15〜
0.50
−
−
−
−
−
−
0.3
0.3
0.2
0.05
1.0
−
0.01
−
−
0.01
−
−
CAC602
82.0〜86.0
9.0〜11.0
4.0〜 6.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.0
0.3
0.3
1.0
0.1 c)
0.01
−
−
0.01
−
−
CAC603
77.0〜81.0
9.0〜11.0
9.0〜11.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.0
0.3
0.5
1.0
0.1 c)
0.01
−
−
0.01
−
−
CAC604
74.0〜78.0
7.0〜 9.0
14.0〜16.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.0
0.3
0.5
1.0
0.1 c)
0.01
−
−
0.01
−
−
CAC605
70.0〜76.0
6.0〜 8.0
16.0〜22.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
1.0
0.3
0.5
1.0
0.1 c)
0.01
−
−
0.01
−
−
CAC701
85.0〜90.0
−
−
−
−
−
1.0〜
3.0
0.1〜
1.0
−
8.0〜
10.0
0.1〜
1.0
−
−
−
0.1
0.1
0.5
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
8
H 5120:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−化学成分(続き)
単位 %
記号
主要成分e)
残余成分a), e)
Cu
Sn
Pb
Zn
Bi
Se
Fe
Ni
P
Al
Mn
Si
S
Sb
Sn
Pb
Zn
Fe
Sb
Ni
P
Al
Se
Mn
Si
Bi
S
CAC702
80.0〜88.0
−
−
−
−
−
2.5〜
5.0
1.0〜
3.0
−
8.0〜
10.5
0.1〜
1.5
−
−
−
0.1
0.1
0.5
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
CAC703
78.0〜85.0
−
−
−
−
−
3.0〜
6.0
3.0〜
6.0
−
8.5〜
10.5
0.1〜
1.5
−
−
−
0.1
0.1
0.5
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
CAC704
71.0〜84.0
−
−
−
−
−
2.0〜
5.0
1.0〜
4.0
−
6.0〜
9.0
7.0〜
15.0
−
−
−
0.1
0.1
0.5
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
CAC801
84.0〜88.0
−
−
9.0〜11.0
−
−
−
−
−
−
−
3.5〜
4.5
−
−
−
0.1
−
−
−
−
−
0.5
−
−
−
−
−
CAC802
78.5〜82.5
−
−
14.0〜16.0
−
−
−
−
−
−
−
4.0〜
5.0
−
−
−
0.3
−
−
−
−
−
0.3
−
−
−
−
−
CAC803
80.0〜84.0
−
−
13.0〜15.0
−
−
−
−
−
−
−
3.2〜
4.2
−
−
−
0.2
−
0.3
−
−
−
0.3
−
0.2
−
−
−
CAC804
74.0〜78.0
−
−
18.0〜22.5
−
−
−
−
0.05〜
0.2
−
−
2.7〜
3.4
−
−
0.6
0.25 b)
−
0.2
0.10
0.2
−
−
0.10
0.1
−
0.20
−
CAC901
86.0〜90.6
4.0〜6.0
−
4.0〜8.0
0.4超〜
1.0
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.25 b)
−
0.3
0.3
1.0
0.05 c) 0.01
0.10
未満b)
−
0.01
−
0.08
CAC902
84.5〜90.0
4.0〜6.0
−
4.0〜8.0
1.0超〜
2.5
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.25 b)
−
0.3
0.3
1.0
0.05 c) 0.01
0.10
未満b)
−
0.01
−
0.08
CAC903B
83.5〜88.5
4.0〜6.0
−
4.0〜8.0
2.5超〜
3.5
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.25 b)
−
0.3
0.3
1.0
0.5
0.01
0. 10
未満b)
−
0.01
−
0.08
CAC904
82.5〜87.5
3.0〜5.0
−
6.0〜9.0
1.0〜
2.0
−
−
1.5〜
2.5
−
−
−
−
−
−
−
0.25 b)
−
0.3
0.3
−
0.05 c) 0.01
0.10
未満b)
−
0.01
−
0.08
CAC905
80.1〜85.1
1.5〜3.0
−
12.0〜17.0
0.4〜
0.9
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.25 b)
−
0.3
0.05
未満
0.5
0.05 c) 0.01
0.10
未満b)
−
0.01
−
−
CAC906
77.5〜83.0
2.0〜3.0
−
14.0〜17.0 0.9超〜
1.5
−
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.25 b)
−
0.3
0.05
未満
0.2
0.05 c) 0.01
0.10
未満b)
−
0.01
−
−
CAC911
83.0〜90.6
3.5〜6.0
−
4.0〜9.0
0.8〜
2.5
0.1〜
0.5
−
−
−
−
−
−
−
−
−
0.25 b)
−
0.3
0.2
1.0
0.1
未満c)
0.01
−
−
0.01
−
0.08
CAC912
83.3〜90.4
2.5〜5.5
−
5.0〜9.0
0.8〜
1.5
0.1〜
0.5
−
0.2〜
1.0
0.1〜
0.25
−
−
−
−
−
−
0.25 b)
−
0.3
0.2
−
−
0.01
−
−
0.01
−
0.08
注a) 許容限度(許容最大値)を示す。分析対象元素[注b)参照]以外の成分の分析は,注文者の要求がある場合,又は製造業者の選定によって行う。
b) 分析対象元素。
c) 金型鋳造及び金型を用いた遠心鋳造の場合は,0.5 %以下とする。
d) Znの含有率(%)は,分析した元素の合計を100 %から差し引いた値とする。ただし,その中にはZn以外の分析しない元素が含まれる。
e) “−”と記載された欄は,化学成分を規定しないため,分析しなくてよい。
9
H 5120:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.3
機械的性質及び電気的性質
鋳物は,7.2〜7.4によって試験を行い,その機械的性質(引張強さ,伸び及びブリネル硬さ)及び電気
的性質(導電率)は,表3による。
表3−機械的性質及び電気的性質
記号
導電率
試験
引張試験
硬さ試験
参考a)
引張試験
硬さ試験
導電率
%IACS
引張強さ
N/mm2
伸び
%
ブリネル硬さ
HBW
0.2 %耐力
N/mm2
ブリネル硬さ
HBW
CAC101
50以上
175以上
35以上
35以上 (10/500)
−
−
CAC102
60以上
155以上
35以上
33以上 (10/500)
−
−
CAC103
80以上
135以上
40以上
30以上 (10/500)
−
−
CAC201
−
145以上
25以上
−
−
−
CAC202
−
195以上
20以上
−
−
−
CAC203
−
245以上
20以上
−
−
−
CAC211
−
195以上
15以上
−
−
−
CAC221
−
215以上
20以上
−
−
−
CAC231
−
195以上
15以上
−
−
−
CAC232
−
195以上
15以上
−
−
−
CAC301
−
430以上
20以上
−
140以上
90以上 (10/1 000)
CAC302
−
490以上
18以上
−
175以上
100以上 (10/1 000)
CAC303
−
635以上
15以上
165以上 (10/3 000)
305以上
−
CAC304
−
755以上
12以上
200以上 (10/3 000)
410以上
−
CAC401
−
165以上
15以上
−
−
−
CAC402
−
245以上
20以上
−
−
−
CAC403
−
245以上
15以上
−
−
−
CAC406
−
195以上
15以上
−
90以上
60以上 (10/1 000)
CAC407
−
215以上
18以上
−
−
−
CAC408
−
195以上
15以上
−
−
−
CAC411
−
195以上
15以上
−
100以上
−
CAC502A
−
195以上
5以上
60以上 (10/1 000)
120以上
−
CAC502B
−
295以上
5以上
80以上 (10/1 000)
145以上
−
CAC503A
−
195以上
1以上
80以上 (10/1 000)
135以上
−
CAC503B
−
265以上
3以上
90以上 (10/1 000)
145以上
−
CAC602
−
195以上
10以上
65以上 (10/500)
100以上
−
CAC603
−
175以上
7以上
60以上 (10/500)
80以上
−
CAC604
−
165以上
5以上
55以上 (10/500)
80以上
−
CAC605
−
145以上
5以上
45以上 (10/500)
60以上
−
CAC701
−
440以上
25以上
80以上 (10/1 000)
−
−
CAC702
−
490以上
20以上
120以上 (10/1 000)
−
−
CAC703
−
590以上
15以上
150以上 (10/3 000)
245以上
−
CAC704
−
590以上
15以上
160以上 (10/3 000)
270以上
−
CAC801
−
345以上
25以上
−
−
−
CAC802
−
440以上
12以上
−
−
−
CAC803
−
390以上
20以上
−
−
−
CAC804
−
300以上
15以上
−
150以上
−
CAC901
−
215以上
18以上
−
90以上
−
CAC902
−
195以上
15以上
−
90以上
60以上 (10/1 000)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3−機械的性質及び電気的性質(続き)
記号
導電率
試験
引張試験
硬さ試験
参考a)
引張試験
硬さ試験
導電率
%IACS
引張強さ
N/mm2
伸び
%
ブリネル硬さ
HBW
0.2 %耐力
N/mm2
ブリネル硬さ
HBW
CAC903B
−
215以上
15以上
−
−
−
CAC904
−
195以上
15以上
−
90以上
60以上 (10/1 000)
CAC905
−
195以上
15以上
−
−
−
CAC906
−
195以上
15以上
−
−
−
CAC911
−
195以上
15以上
−
90以上
60以上 (10/1 000)
CAC912
−
195以上
15以上
−
100以上
−
注記 1 N/mm2=1 MPa
1 %IACS=5.800 1×105 Ω−1 m−1
注a) 使用者の参考として記載。受渡当事者間の協定によって適用してもよい。
5
形状・寸法及び質量並びにそれらの許容差
鋳物の形状・寸法及び質量並びにそれらの許容差は,次による。
a) 受渡当事者間で,事前に仕様書又は図面を取り交わし,形状・寸法及び質量を取り決める。
b) それぞれの許容差は,受渡当事者間の協定による。ただし,寸法許容差は,特に指定のない場合,JIS
B 0403による。
6
製造方法
鋳物の製造方法は,次による。
a) 鋳物は,誘導炉,燃焼炉又はその他の適切な炉によって溶解し,適正な鋳型に鋳造する。
b) 鋳物には,埋め金,溶接,ろう付けなどの補修を施してはならない。ただし,きず又は鋳巣で使用上
影響が軽微なものは,注文者の承認を得て,適切な補修又は漏れ止めを施してもよい。
c) 鋳物は,必要がある場合,応力除去焼なまし,その他適切な熱処理又は切削加工を行ってもよい。
なお,CAC703などで海水などの腐食環境で使用する部品については,受渡当事者間の協定によっ
て焼なまし熱処理を施してもよい。
7
試験
7.1
分析試験
分析試料の採取方法及び一般事項は,JIS H 0321及び/又はJIS H 1012による。
化学成分の化学分析試験は,次のいずれかによる。
JIS H 1051,JIS H 1052,JIS H 1053,JIS H 1054,JIS H 1055,JIS H 1056,JIS H 1057,JIS H 1058,
JIS H 1061,JIS H 1062,JIS H 1065,JIS H 1068,JIS H 1070,JIS H 1072又はJIS H 1292
なお,発光分光分析方法については,受渡当事者間の協定による。
7.2
引張試験
7.2.1
供試材及び試験片の採取方法
供試材及び試験片の採取方法は,次による。
a) 供試材は,鋳物を鋳造するときに同時に鋳造する。
b) 供試材は,特に指定がない限り,1溶解ごとに1個以上とることが望ましいが,製造業者による工程
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
内品質保証手順に従った頻度で実施してもよい。
なお,頻度は受渡当事者間の協定によってもよい。
c) 供試材の形状及び寸法並びに試験片の採取位置は,鋳物の種類によって図1〜図4による。鋳物の各
種類に適用する供試材の図番号及びその供試材の名称は,表4による。
全ての鋳物の種類において,受渡当事者間の協定によって,表4に規定する供試材の名称とは異なる名
称の供試材を用いてもよい。
7.2.2
試験片
試験片は,JIS Z 2241の4号試験片による。
7.2.3
試験方法
試験方法は,JIS Z 2241による。
表4−鋳物の各種類の引張試験片用供試材の図番号及び名称
種類
供試材の図番号
供試材の名称
銅鋳物 全種
図1
A号供試材
黄銅鋳物 全種
図2
B号供試材
耐脱亜鉛黄銅鋳物11種,31種及び32種
図1
A号供試材
耐脱亜鉛黄銅鋳物21種
図2
B号供試材
高力黄銅鋳物 全種
図2
B号供試材
青銅鋳物 全種
図1
A号供試材
りん青銅鋳物2種A及び3種A
図1
A号供試材
りん青銅鋳物2種B及び3種B
図3
E号供試材
鉛青銅鋳物 全種
図1
A号供試材
アルミニウム青銅鋳物 全種
図4
F号供試材
シルジン青銅鋳物 全種
図1
A号供試材
ビスマス青銅鋳物1種,2種,4種,5種及び6種
図1
A号供試材
ビスマス青銅鋳物3種B
図3
E号供試材
ビスマスセレン青銅鋳物 全種
図1
A号供試材
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1−A号供試材の形状,寸法及び試験片の採取位置
図2−B号供試材の形状,寸法及び試験片の採取位置
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図3−E号供試材鋳造用金型の形状,寸法及び試験片の採取位置
図4−F号供試材の形状,寸法及び試験片の採取位置
7.3
硬さ試験
硬さ試験は,JIS Z 2243による。供試材及び試験片の採取方法は,受渡当事者間の協定による。
7.4
導電率試験
導電率試験及び供試材の採取方法は,JIS H 0505による。
なお,渦流試験方法による場合は,供試材の採取方法を含めて受渡当事者間の協定による。
8
検査
検査は,次による。
a) 一般事項は,JIS H 0321による。
b) 鋳物の品質は,4.1に適合しなければならない。
c) 化学成分は,4.2に適合しなければならない。
d) 機械的性質及び電気的性質は,4.3に適合しなければならない。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
e) 形状・寸法及び質量は,箇条5に適合しなければならない。
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表示
鋳物本体又はこん(梱)包には,ラベルの貼付など適切な方法によって次の事項を表示する。ただし,
受渡当事者間の協定によって,表示事項の一部を省略することができる。
a) 規格番号,及び種類又はその記号
b) 製造番号(溶解番号又はロット番号)
c) 製造年月日又はその略号
d) 製造業者名又はその略号
10 報告
製造業者は,受注時に注文者の要求がある場合,受渡当事者間で合意した内容を記載した試験成績書を
提出しなければならない。