2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
H 4170-1991
高純度アルミニウムはく
High purity aluminium foils
1. 適用範囲 この規格は,圧延した高純度アルミニウムはく(以下,はくという。)について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS H 0001 アルミニウム及びアルミニウム合金の質別記号
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 1305 アルミニウム及びアルミニウム合金の光電測光法による発光分光分析方法
JIS H 1306 アルミニウム及びアルミニウム合金の原子吸光分析方法
JIS H 1351 アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則
JIS H 1352 アルミニウム及びアルミニウム合金中のけい素定量方法
JIS H 1353 アルミニウム及びアルミニウム合金中の鉄定量方法
JIS H 1354 アルミニウム及びアルミニウム合金中の銅定量方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 種類及び記号 はくの種類及び記号は,表1のとおりとする。
表1 種類及び記号
種類
記号
参考
合金番号
質別(1)
用途例
1N99
O
A1N99H-O
電解コンデンサ用
リード線用
H18
A1N99H-H18
1N90
O
A1N90H-O
H18
A1N90H-H18
注(1) 質別は,JIS H 0001による。
備考 はくは,巻取品とする。
3. 品質
3.1
外観 はくは,仕上良好・均一で,使用上有害な油しみ,汚れなどの欠陥があってはならない。
3.2
化学成分 はくの化学成分は,表2による。
表2 化学成分
合金番号
化学成分 %
Si
Fe
Cu
Al
1N99
0.006以下
0.004以下
0.008以下
99.99以上
1N90
0.050以下
0.030以下
0.050以下
99.90以上
2
H 4170-1991
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4. 寸法及びその許容差
4.1
標準寸法
4.1.1
はくの標準寸法 はくの標準寸法は,表3による。
表3 はくの標準寸法
単位 mm
厚さ
0.04
0.05
0.06
0.07
0.08
0.09
0.1
0.15
0.2
幅
125 250 500
1 020
備考 標準寸法以外の寸法は,受渡当事者間の協定による。
4.1.2
巻しん内径の標準寸法 巻しん内径の標準寸法は,表4による。
表4 巻しん内径の標準寸法
単位 mm
巻しん内径
40, 75
備考 巻しん内径の許容差は,受渡当
事者間の協定による。
4.2
許容差
4.2.1
厚さの許容差 はくの厚さの許容差は,表5による。
表5 厚さの許容差
厚さ
mm
許容差
%
0.2以下
±8
備考 厚さの許容差を (+) 又は
(−) だけで指定する場合は,上
記数値の2倍とする。
4.2.2
幅の許容差 はくの幅の許容差は,表6による。
表6 幅の許容差
単位 mm
幅
許容差
1 000未満
±0.5
1 000以上
±1
備考 幅の許容差を (+) 又は (−)
だけで指定する場合は,上記数
値の2倍とする。
5. 試験
5.1
分析試験 化学成分の分析試験は,JIS H 1305, JIS H 1306, JIS H 1351, JIS H 1352, JIS H 1353及び
JIS H 1354のいずれかによる。
なお,分析値のまとめ方は,次のとおりとする。
(1) Si,Fe及びCuについては小数点以下4位まで求め,表2に規定した位にJIS Z 8401によって丸める。
(2) Alについては,Si, Fe及びCuの百分率を各々5.1(1)によって求めた後,その総計を100から引いた残
部とし,小数点以下3位は切り捨てる。
3
H 4170-1991
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5.2
厚さの測定試験 はくの厚さの測定試験は,原則として質量法を用いる。この場合は,打抜きなど
適当な方法によって面積50cm2以上の試験片を採り,化学はかりでひょう量して単位面積当たりの質量を
求め,密度で除した値をはくの厚さとする。
なお,はくの密度は,2.70g/cm3とする。
6. 検査 検査は,次のとおり行う。
(1) はくは,外観寸法を検査するとともに5.によって試験を行い,3.及び4.2の規定に適合したものを合格
とする。
(2) そのほか一般事項は,JIS H 0321による。
7. 包装 はくは,防湿に注意し,取扱い,保管及び運送の間に損傷のないように包装しなければならな
い。
8. 表示 はくは,一包装ごとに適当な方法によって,次の事項を表示しなければならない。
(1) 合金番号及び質別,又はそれらの記号
(2) 寸法
(3) 製造番号
(4) 製造業者名又はその略号
JIS H 4170 改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
金 子 純 一
日本大学生産工学部機械工学科
光 川 寛
通商産業省基礎産業局非鉄金属課
池 田 要
工業技術院標準部材料規格課
高 田 範 雄
社団法人日本電子機械工業会技術部
瀬 戸 達 司
松下電子部品株式会社コンデンサー事業部
永 田 伊佐也
日本蓄電器工業株式会社
内 秀 則
KDK株式会社技術部
芦 田 暢 之
日本たばこ産業株式会社製造本部製造部
下山田 正 博
大日本印刷株式会社包装事業部王子工場
荒 木 勝 正
昭和アルミニウム株式会社箔事業部
木 村 亨
東洋アルミニウム株式会社技術部
田 中 孝 一
日本製箔株式会社技術部
伊 東 祐 圀
三菱アルミニウム株式会社箔製品本部
吉 田 左千雄
住軽アルミ箔株式会社生産技術部
若 村 慎 作
東海金属株式会社管理部
岡 崎 和 美
サン・アルミニウム工業株式会社開発部
(関係者)
近 藤 弘
工業技術院標準部材料規格課
斉 藤 和 則
工業技術院標準部材料規格課
(事務局)
井 波 隆 夫
社団法人軽金属協会