H 3270:2018
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 名称,種類及び種類の記号 ································································································· 1
5 品質······························································································································· 2
5.1 外観 ···························································································································· 2
5.2 化学成分 ······················································································································ 2
5.3 機械的性質 ··················································································································· 3
6 寸法及びその許容差並びに形状の許容値 ··············································································· 7
6.1 寸法 ···························································································································· 7
6.2 寸法の許容差 ················································································································ 7
6.3 棒の曲がりの許容値 ······································································································· 8
6.4 角半径の許容値 ············································································································· 8
7 試験······························································································································· 9
7.1 分析試験 ······················································································································ 9
7.2 引張試験 ······················································································································ 9
7.3 硬さ試験 ······················································································································ 9
7.4 時効硬化処理 ················································································································ 9
8 検査······························································································································ 10
9 表示······························································································································ 10
10 報告 ···························································································································· 10
附属書A(参考)棒及び線の代表寸法 ····················································································· 11
H 3270:2018
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
伸銅協会(JCBA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改
正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ
る。
これによって,JIS H 3270:2012は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS H 3270:2012によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
H 3270:2018
ベリリウム銅,りん青銅及び洋白の棒及び線
Copper beryllium alloy, phosphor bronze and
nickel silver rods, bars and wires
1
適用範囲
この規格は,展伸加工したベリリウム銅,りん青銅及び洋白の断面が丸形・正六角形・長方形の棒(以
下,棒という。)及び断面が丸形・正六角形・正方形・長方形の線(以下,線という。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 0500 伸銅品用語
JIS H 1051 銅及び銅合金中の銅定量方法
JIS H 1052 銅及び銅合金中のすず定量方法
JIS H 1053 銅及び銅合金中の鉛定量方法
JIS H 1054 銅及び銅合金中の鉄定量方法
JIS H 1055 銅及び銅合金中のマンガン定量方法
JIS H 1056 銅及び銅合金中のニッケル定量方法
JIS H 1058 銅及び銅合金中のりん定量方法
JIS H 1060 銅及び銅合金中のコバルト定量方法
JIS H 1062 銅及び銅合金中の亜鉛定量方法
JIS H 1063 銅合金中のベリリウム定量方法
JIS H 1292 銅合金の蛍光X線分析方法
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験−試験方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS H 0500による。
4
名称,種類及び種類の記号
棒及び線の名称,種類,等級及び種類の記号は,表1による。表1の種類の記号の後に質別を示す記号
を付けて製品記号とする(表3〜表6参照)。
2
H 3270:2018
表1−棒及び線の名称,種類及び種類の記号
名称
種類
等級
種類の
記号
特色及び用途例
(参考)
合金番号
形状
ベリリウ
ム銅
C 1720
棒
普通級 C 1720 B
耐食性がよく,時効硬化処理前は展延性に富み,時効硬化
処理後は耐疲労性及び導電性が増加する。時効硬化処理は,
成形加工後に行う。
棒は,航空機エンジン部品,プロペラ,ボルト,カム,歯
車,軸受,スポット溶接用電極などに用いる。
線は,コイルばね,渦巻ばね,ブラシなどに用いる。
線
−
C 1720 W
りん青銅
C 5071
線
−
C 5071 W
耐疲労性・耐食性・耐摩耗性がよい。
棒は,歯車,カム,継手,軸,軸受,小ねじ,ボルト,ナ
ット,しゅう動部品,コネクタ,トロリ線用ハンガなどに
用いる。
線は,コイルばね,渦巻ばね,スナップボタン,電機バイ
ンド用線,金網,ヘッダー材,ワッシャなどに用いる。
C 5111
棒
普通級 C 5111 B
線
−
C 5111 W
C 5102
棒
普通級 C 5102 B
線
−
C 5102 W
C 5191
棒
普通級 C 5191 B
線
−
C 5191 W
C 5212
棒
普通級 C 5212 B
線
−
C 5212 W
快削りん
青銅
C 5341
棒
普通級 C 5341 B
被削性がよい。
小ねじ,軸受,ブシュ,ボルト,ナット,ボールペン部品
などに用いる。
特殊級 C 5341 BS a)
C 5441
棒
普通級 C 5441 B
特殊級 C 5441 BS a)
洋白
C 7451
線
−
C 7451 W
光沢が美しく,耐疲労性・耐食性がよい。
棒は,小ねじ,ボルト,ナット,電気機器部品,楽器,医
療機器,時計部品などに用いる。
線は,特殊ばね材料に適する。直線ばね・コイルばねとし
て断電器,計測器,医療機器,装飾品,眼鏡部品,ヘッダ
ー材などに用いる。
C 7521
棒
普通級 C 7521 B
線
−
C 7521 W
C 7541
棒
普通級 C 7541 B
線
−
C 7541 W
C 7701
棒
普通級 C 7701 B
線
−
C 7701 W
快削洋白
C 7941
棒
普通級 C 7941 B
被削性がよい。
小ねじ,軸受,ボールペン部品,眼鏡部品などに用いる。
特殊級 C 7941 BS a)
注a) BSのSは,特殊級(Special grade)を表す。
5
品質
5.1
外観
棒及び線の外観は,仕上げが良好かつ均一で,使用上有害な欠陥があってはならない。
使用上有害な欠陥の基準は,製造業者の判断による。ただし,特に要求がある場合は,欠陥の基準は受
渡当事者間の協定による。
5.2
化学成分
棒及び線は,7.1によって試験を行い,その化学成分は表2による。
3
H 3270:2018
表2−棒及び線の化学成分
単位 %
合金
番号
Cu
Pb
Fe
Sn
Zn
Be
Mn
Ni
Ni+
Co
Ni+Co
+Fe
P
C 1720
a)
−
a)
−
−
1.80
〜2.00 a)
−
a)
0.20
以上
0.6
以下
−
C 5071
b)
0.02
以下
0.10
以下
1.7〜
2.3 b)
0.20
以下
−
−
0.10〜
0.40 b)
−
−
0.15
以下b)
C 5111
c)
0.02
以下
0.10
以下
3.5〜
4.5 c)
0.20
以下
−
−
−
−
−
0.03〜
0.35 c)
C 5102
c)
0.02
以下
0.10
以下
4.5〜
5.5 c)
0.20
以下
−
−
−
−
−
0.03〜
0.35 c)
C 5191
c)
0.02
以下
0.10
以下
5.5〜
7.0 c)
0.20
以下
−
−
−
−
−
0.03〜
0.35 c)
C 5212
c)
0.02
以下
0.10
以下
7.0〜
9.0 c)
0.20
以下
−
−
−
−
−
0.03〜
0.35 c)
C 5341
d)
0.8〜
1.5 d)
−
3.5〜
5.8 d)
−
−
−
−
−
−
0.03〜
0.35 d)
C 5441
e)
3.5〜
4.0 e)
−
3.0〜
4.5 e)
1.5〜
4.5 e)
−
−
−
−
−
0.01〜
0.50 e)
C 7451
63.0〜
67.0
0.03
以下
0.25
以下
−
残部f)
−
0.50
以下
8.5〜
11.0
−
−
−
C 7521
62.0〜
66.0
0.03
以下
0.25
以下
−
残部f)
−
0.50
以下
16.5〜
19.5
−
−
−
C 7541
60.0〜
64.0
0.03
以下
0.25
以下
−
残部f)
−
0.50
以下
12.5〜
15.5
−
−
−
C 7701
54.0〜
58.0
0.03
以下
0.25
以下
−
残部f)
−
0.50
以下
16.5〜
19.5
−
−
−
C 7941
60.0〜
64.0
0.8〜
1.8
0.25
以下
−
残部f)
−
0.50
以下
16.5〜
19.5
−
−
−
注a) Cu,Ni,Co及びFeを分析し,Cu+Be+Ni+Co+Fe=99.5以上とする。
b) Cuを分析し,Cu+Sn+Ni+P=99.5以上とする。
c) Cuを分析し,Cu+Sn+P=99.5以上とする。
d) Cuを分析し,Cu+Sn+Pb+P=99.5以上とする。
e) Cuを分析し,Cu+Sn+Pb+Zn+P=99.5以上とする。
f) 表中で成分値を規定する元素以外を残部とする。
なお,残部にはZn以外の分析しない元素が含まれる。
5.3
機械的性質
棒及び線は,7.2及び7.3によって試験を行い,その引張強さ,伸び及び硬さは,表3〜表5による。た
だし,引張試験又は硬さ試験は,いずれかを行えばよい。いずれを適用するかは,受渡当事者間の協定に
よる。
なお,注文者が,表5の合金番号C 1720の線を7.4の時効硬化処理をした場合は,7.2によって試験を
行い,その引張強さは,表6による。
4
H 3270:2018
表3−棒の機械的性質
合金
番号
質別
製品記号
径又は最小対辺距離
の区分
mm
引張試験
硬さ試験a)
引張強さ
N/mm2
伸び
%
ビッカース
硬さ
HV
ロックウェル
硬さ
HRBS又はHRBW b)
C 1720
O
C 1720 B-O
3.0以上
6.0以下
410〜590
−
90〜190
−
6.0を超え 35以下
410〜590
−
90〜190
45〜85
H
C 1720 B-H
3.0以上
6.0以下
645〜900
−
180〜300
−
6.0を超え 35以下
590〜900
−
175〜330
88〜103
C 5111
H
C 5111 B-H
3.0以上
6.0以下
490以上
−
140以上
−
6.0を超え 13以下
450以上
10以上
125以上
−
13を超え
25以下
410以上
13以上
115以上
−
25を超え
50以下
380以上
15以上
105以上
−
50を超え
100以下
−
−
−
60〜80
C 5102
H
C 5102 B-H
3.0以上
6.0以下
540以上
−
150以上
−
6.0を超え 13以下
500以上
10以上
135以上
−
13を超え
25以下
460以上
13以上
125以上
−
25を超え
50以下
430以上
15以上
115以上
−
50を超え
100以下
−
−
−
65〜85
C 5191
1/2H
C 5191 B-1/2H 3.0以上
6.0以下
510以上
−
150以上
−
6.0を超え 13以下
460以上
13以上
135以上
−
13を超え
25以下
430以上
15以上
125以上
−
25を超え
50以下
410以上
18以上
120以上
−
50を超え
100以下
−
−
−
70〜85
H
C 5191 B-H
3.0以上
6.0以下
635以上
−
180以上
−
6.0を超え 13以下
590以上
10以上
165以上
−
13を超え
25以下
540以上
13以上
150以上
−
25を超え
50以下
490以上
15以上
140以上
−
50を超え
100以下
−
−
−
75〜90
C 5212
1/2H
C 5212 B-1/2H 3.0以上
6.0以下
540以上
−
155以上
−
6.0を超え 13以下
490以上
13以上
140以上
−
13を超え
25以下
440以上
15以上
130以上
−
25を超え
50以下
420以上
18以上
125以上
−
50を超え
100以下
−
−
−
72〜87
H
C 5212 B-H
3.0以上
6.0以下
735以上
−
195以上
−
6.0を超え 13以下
685以上
10以上
180以上
−
13を超え
25以下
635以上
13以上
170以上
−
25を超え
50以下
560以上
15以上
150以上
−
50を超え
100以下
−
−
−
80〜95
C 5341,
C 5441
H
C 5341 B-H
C 5341 BS-H
C 5441 B-H
C 5441 BS-H
0.5以上
3.0以下
470以上
−
125以上
−
3.0を超え 6.0以下
440以上
−
125以上
−
6.0を超え 13以下
410以上
10以上
115以上
−
13を超え
25以下
375以上
12以上
110以上
−
25を超え
50以下
345以上
15以上
100以上
−
50を超え
100以下
320以上
15以上
−
60〜90
5
H 3270:2018
表3−棒の機械的性質(続き)
合金
番号
質別
製品記号
径又は最小対辺距離
の区分
mm
引張試験
硬さ試験a)
引張強さ
N/mm2
伸び
%
ビッカース
硬さ
HV
ロックウェル
硬さ
HRBS又はHRBW b)
C 7521
1/2H
C 7521 B-1/2H 3.0以上
6.0以下
490〜635
−
145以上
−
6.0を超え 13以下
440〜590
−
130以上
−
H
C 7521 B-H
3.0以上
6.0以下
550〜685
−
145以上
−
6.0を超え 13以下
480〜620
−
125以上
−
13を超え
25以下
440〜580
−
115以上
−
25を超え
50以下
410〜550
−
110以上
−
C 7541
1/2H
C 7541 B-1/2H 3.0以上
6.0以下
440〜590
−
135以上
−
6.0を超え 13以下
390〜540
−
120以上
−
H
C 7541 B-H
3.0以上
6.0以下
570〜705
−
150以上
−
6.0を超え 13以下
520〜645
−
135以上
−
13を超え
25以下
450〜590
−
115以上
−
25を超え
50以下
390〜540
−
100以上
−
C 7701
1/2H
C 7701 B-1/2H 3.0以上
6.0以下
520〜665
−
150以上
−
6.0を超え 13以下
470〜620
−
130以上
−
H
C 7701 B-H
3.0以上
6.0以下
620〜775
−
160以上
−
6.0を超え 13以下
550〜685
−
140以上
−
13を超え
25以下
510〜645
−
140以上
−
25を超え
50以下
480〜620
−
130以上
−
C 7941
H
C 7941 B-H
C 7941 BS-H
3.0以上
6.0以下
550〜685
−
150以上
−
6.0を超え 13以下
480〜620
−
130以上
−
13を超え
20以下
460〜600
−
120以上
−
20を超え
25以下
440〜580
−
120以上
−
25を超え
50以下
410〜550
−
110以上
−
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 硬さ試験は,ビッカース硬さ又はロックウェル硬さのいずれかを用いる。
b) 測定は,HRBS又はHRBWのいずれかとする。いずれとするかは,注文者の指定がない限り,製造業者の選
択による。
表4−合金番号C 1720の棒の時効硬化処理後の機械的性質a)
合金
番号
質別
製品記号
径又は最小対辺距離
の区分
mm
引張試験
硬さ試験a) b)
引張強さ
N/mm2
ビッカース
硬さ
HV
ロックウェル
硬さ
HRC
C 1720
O
C 1720 B-O
3.0以上
6.0以下
1 100〜1 380
320〜420
−
6.0を超え 35以下
1 100〜1 380
320〜420
36〜42
H
C 1720 B-H
3.0以上
6.0以下
1 270〜1 650
340〜440
−
6.0を超え 35以下
1 210〜1 620
330〜430
37〜45
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) 表3の合金番号C 1720の試験片に7.4の時効硬化処理を行い,機械的性質を求める。
b) 硬さ試験は,ビッカース硬さ又はロックウェル硬さのいずれかを用いる。
6
H 3270:2018
表5−線の機械的性質
合金番号
質別
製品記号
引張試験
径又は最小対辺距離の区分
mm
引張強さ
N/mm2
伸び
%
C 1720
O
C 1720 W-O
0.40以上
1.0以下
390〜540
−
1/4H
C 1720 W-1/4H
0.40以上
5.0以下
620〜805
−
3/4H
C 1720 W-3/4H
0.40以上
5.0以下
835〜1 070
−
C 5071
O
C 5071 W-O
0.40以上
5.0以下
275以上
20以上
1/8H
C 5071 W-1/8H
0.40以上
5.0以下
345〜440
10以上
1/4H
C 5071 W-1/4H
0.40以上
5.0以下
390〜510
5以上
1/2H
C 5071 W-1/2H
0.40以上
5.0以下
490〜610
−
3/4H
C 5071 W-3/4H
0.40以上
5.0以下
590〜705
−
H
C 5071 W-H
0.40以上
5.0以下
685〜805
−
EH
C 5071 W-EH
0.40以上
5.0以下
785以上
−
C 5111
O
C 5111 W-O
0.40以上
5.0以下
295〜410
−
H
C 5111 W-H
0.40以上
5.0以下
490以上
−
C 5102
O
C 5102 W-O
0.40以上
5.0以下
305〜420
−
H
C 5102 W-H
0.40以上
5.0以下
635以上
−
C 5191
O
C 5191 W-O
0.40以上
5.0以下
315〜460
−
1/8H
C 5191 W-1/8H
0.40以上
5.0以下
435〜585
−
1/4H
C 5191 W-1/4H
0.40以上
5.0以下
535〜685
−
1/2H
C 5191 W-1/2H
0.40以上
5.0以下
635〜785
−
3/4H
C 5191 W-3/4H
0.40以上
5.0以下
735〜885
−
H
C 5191 W-H
0.40以上
5.0以下
835以上
−
C 5212
O
C 5212 W-O
0.40以上
5.0以下
345〜490
−
1/2H
C 5212 W-1/2H
0.40以上
5.0以下
685〜835
−
H
C 5212 W-H
0.40以上
5.0以下
930以上
−
C 7451
O
C 7451 W-O
0.40以上
5.0以下
345〜490
−
1/4H
C 7451 W-1/4H
0.40以上
5.0以下
400〜550
−
1/2H
C 7451 W-1/2H
0.40以上
5.0以下
490〜635
−
H
C 7451 W-H
0.40以上
5.0以下
635以上
−
C 7521
O
C 7521 W-O
0.40以上
5.0以下
375〜520
−
1/4H
C 7521 W-1/4H
0.40以上
5.0以下
450〜600
−
1/2H
C 7521 W-1/2H
0.40以上
5.0以下
520〜685
−
H
C 7521 W-H
0.40以上
5.0以下
665以上
−
C 7541
O
C 7541 W-O
0.40以上
5.0以下
365〜510
−
1/2H
C 7541 W-1/2H
0.40以上
5.0以下
510〜665
−
H
C 7541 W-H
0.40以上
5.0以下
635以上
−
C 7701
O
C 7701 W-O
0.40以上
5.0以下
440〜635
−
1/4H
C 7701 W-1/4H
0.40以上
5.0以下
500〜650
−
1/2H
C 7701 W-1/2H
0.40以上
5.0以下
635〜785
−
H
C 7701 W-H
0.40以上
5.0以下
765以上
−
注記 1 N/mm2=1 MPa
7
H 3270:2018
表6−C 1720の線の時効硬化処理後の機械的性質a)
合金番号
質別
製品記号
引張試験
径又は最小対辺距離の区分
mm
引張強さ
N/mm2
C 1720
O
C 1720 W-O
0.40以上 1.0以下
1 100〜1 380
1/4H
C 1720 W-1/4H
0.40以上 5.0以下
1 210〜1 450
3/4H
C 1720 W-3/4H
0.40以上 5.0以下
1 300〜1 590
注記 1 N/mm2=1 MPa
注a) この性質は,製造業者が性能を確認するために試験片について時効硬化処理
をした場合にも適用する。
6
寸法及びその許容差並びに形状の許容値
6.1
寸法
棒及び線の代表寸法を,参考として表A.1,表A.2及び表A.3に示す。
6.2
寸法の許容差
棒及び線の寸法の許容差は,次による。
a) 径及び対辺距離の許容差 棒及び線の径又は対辺距離の許容差は,表7及び表8による。
表7−棒の径又は対辺距離の許容差a)
単位 mm
径又は対辺距離の区分
合金番号
C 1720 C 5111,C 5102,C 5191,
C 5212,C 5341,C 5441
C 7521,C 7541,C 7701,
C 7941
C 5341,
C 5441,
C 7941
形状
普通級
丸形
普通級丸形
正六角形
普通級丸形
正六角形
特殊級丸形
0.5以上
3.0以下 ±0.03
±0.03
±0.05
±0.03
±0.05
0
−0.03
3.0を超え 3.5以下 ±0.04
±0.04
±0.06
±0.04
±0.06
0
−0.04
3.5を超え 5.0以下 ±0.05
±0.05
±0.06
±0.05
±0.06
0
−0.05
5.0を超え 10以下
±0.06
±0.06
±0.08
±0.06
±0.08
0
−0.06
10を超え
20以下
±0.08
±0.07
±0.10
±0.07
±0.10
−
20を超え
35以下
±0.10
±0.08
±0.12
±0.08
±0.12
−
35を超え
50以下
−
±0.10
±0.14
±0.10
±0.14
−
50を超え
100以下
−
±0.2% b)
±0.3% b)
−
−
−
注a) 長方形の場合,長辺及び短辺それぞれに適用する。
b) 百分率表記は,径又は対辺距離に対する割合を示す。
8
H 3270:2018
表8−線の径又は対辺距離の許容差a)
単位 mm
径又は対辺距離の区分
合金番号
C 1720
C 5071,C 5111,C 5102,C 5191,C 5212,
C 7451,C 7521,C 7541,C 7701
形状
丸形
丸形
正六角形,正方形又は長方形
0.40以上
0.50以下
±0.010
±0.010
±0.015
0.50を超え 1.0以下
±0.015
±0.015
±0.020
1.0を超え
2.0以下
±0.020
±0.020
±0.030
2.0を超え
3.5以下
±0.025
±0.025
±0.040
3.5を超え
5.0以下
±0.035
±0.035
±0.050
注a) 長方形の場合,長辺及び短辺それぞれに適用する。
b) 棒の真円度 丸形の棒の真円度は,表7の径の許容差の1/2以下とする。
注記 真円度とは,丸形の棒の任意断面において測った最大径と最小径との差をいう。
c) 棒の長さの許容差 棒の長さの指定があったとき,その長さの許容差は,
00.
10
+
mmとする。
6.3
棒の曲がりの許容値
棒の曲がりの許容値は,表9による。ただし,質別Oの棒には適用しない。
なお,規定寸法範囲外の棒の曲がりの許容値は,製造業者の判断による。ただし,特に要求がある場合
は,受渡当事者間の協定によって許容値を決めてもよい。
注記 曲がりとは,図1に示すように,基準の長さに対する弧の深さをいう。
図1−棒の曲がり
表9−棒の曲がりの許容値
単位 mm
径又は対辺
距離の区分
長さ
基準の
長さ
形状
普通級丸形
正六角形
特殊級丸形
8以上50以下
1 000以下
全長
1以下
6以下
1以下
1 000を超え 2 000以下
1 000
2以下
6以下
1以下
2 000を超え 5 000以下
2 000
5以下
15以下
3以下
6.4
角半径の許容値
正六角形棒の角半径の許容値は,表10による。
注記 角半径とは,辺と辺との交わり部の半径をいう。
9
H 3270:2018
表10−正六角形棒の角半径の許容値
単位 mm
対辺距離の区分
許容値
0.5以上
6以下
0.6以下
6を超え
10以下
0.8以下
10を超え
20以下
1.2以下
20を超え
35以下
2.0以下
35を超え
50以下
2.8以下
50を超え
100以下
4.0以下
7
試験
7.1
分析試験
分析試験は,次による。
a) 分析用試料の採取方法 分析用試料は,鋳造時に必要量を採取する。
なお,鋳塊又は製品から採取してもよい。
b) 分析方法 化学成分の分析試験は,次による。
JIS H 1051,JIS H 1052,JIS H 1053,JIS H 1054,JIS H 1055,JIS H 1056,JIS H 1058,JIS H 1060,
JIS H 1062,JIS H 1063
ただし,JIS H 1292に規定する定量元素及び定量範囲にある化学成分の分析試験にあっては,JIS H
1292によってもよい。
7.2
引張試験
引張試験は,JIS Z 2241による。棒の試験片は,長さ方向に採取した4号試験片又は9号試験片(9A号
又は9B号)とする。
なお,径又は対辺距離が35 mm以上の棒の試験片は,供試材の表面に近い部分から採取する。線の試験
片は,9号試験片(9A号又は9B号)とする。
7.3
硬さ試験
7.3.1
ビッカース硬さ試験
ビッカース硬さ試験は,JIS Z 2244による。ビッカース硬さ試験の最小試験力は,4.903 Nとする。棒の
横断面について外周から中心までの約1/3の位置に沿って測定する。ただし,C 1720の棒の時効硬化処理
後のビッカース硬さは,棒の表面で測定してもよい。
7.3.2
ロックウェル硬さ試験
ロックウェル硬さ試験は,JIS Z 2245による。棒の横断面について外周から中心までの約1/3の位置に
沿って3等分した扇形の3点で測定する。
7.4
時効硬化処理
合金番号C 1720の棒及び線の時効硬化処理温度は,315±5 ℃とし,処理時間は,表11による。
10
H 3270:2018
表11−時効硬化処理時間
単位 分
形状
径の区分
(mm)
質別
O
1/4H
3/4H
H
棒
3.0以上
19以下
180±10
−
−
120±10
19を超え
35以下
180±10
−
−
180±10
線
0.40以上 1.0以下
180±10
−
−
−
0.40以上 5.0以下
−
120±10
60±10
−
8
検査
検査は,次によるほか,JIS H 0321による。
a) 検査の頻度は,製造業者の判断による。ただし,特に要求がある場合は,受渡当事者間の協定による。
b) 外観は,5.1の規定に適合しなければならない。
c) 化学成分は,5.2の規定に適合しなければならない。
d) 機械的性質は,5.3の規定に適合しなければならない。
e) 寸法及びその許容差並びに形状の許容値は,箇条6の規定に適合しなければならない。
9
表示
棒及び線は,1包装ごと,1束ごと,1巻ごと又は1製品ごとに,ラベル・荷札など適切な方法によって,
次の事項を表示しなければならない。
a) 規格番号及び製品記号
例 JIS H 3270 C 7541 B-1/2H
b) 寸法
例1 丸形棒の場合 10×2 000 mm(径×長さ)
例2 長方形棒の場合 15×25×2 000 mm(短辺×長辺×長さ)
例3 丸形線の場合 3.5 mm(径)
例4 長方形線の場合 4.0×6.0 mm(短辺×長辺)
c) 製造番号
d) 製造業者名又はその略号
10 報告
製造業者は,受注時に注文者から要求がある場合,受渡当事者間で同意した試験及び/又は検査の成績
を記載した報告書(成績書)を注文者へ提出しなければならない。
11
H 3270:2018
附属書A
(参考)
棒及び線の代表寸法
棒の径又は対辺距離の代表寸法を表A.1に,線の径又は対辺距離の代表寸法を表A.2に,棒の長さの代
表寸法を参考として表A.3に示す。
注記 代表寸法とは,市場に広く流通している寸法をいう。
表A.1−棒の径又は対辺距離の代表寸法
単位 mm
径又は対辺
距離の代表
寸法
合金番号
径又は対辺
距離の代表
寸法
合金番号
C 1720
C 5111
C 5102
C 5191
C 5212
C 5341
C 5441
C 7521
C 7541
C 7701
C 7941
C 1720
C 5111
C 5102
C 5191
C 5212
C 5341
C 5441
C 7521
C 7541
C 7701
C 7941
形状
形状
形状
形状
形状
形状
丸形 正六
角形
丸形
正六
角形
丸形 正六
角形
丸形
正六
角形
丸形
正六
角形
丸形
正六
角形
3.0
○
−
○
−
○
−
26
○
−
○
○
○
−
3.2
○
−
−
−
−
−
27
○
−
○
○
○
−
3.5
○
−
○
−
○
−
28
○
−
○
○
○
−
4.0
○
−
○
−
○
−
30
○
−
○
○
○
−
4.5
○
−
○
−
○
−
32
○
−
○
○
○
−
5.0
○
−
○
−
○
−
34
○
−
○
○
○
−
5.5
○
−
○
−
○
−
35
○
−
○
○
○
−
6
○
−
○
○
○
−
36
−
−
○
○
○
−
7
○
−
○
○
○
−
38
−
−
○
○
○
−
8
○
−
○
○
○
−
40
−
−
○
○
○
−
9
○
−
○
○
○
−
41
−
−
○
−
−
−
10
○
−
○
○
○
−
42
−
−
○
−
−
−
11
○
−
○
○
○
−
44
−
−
○
−
−
−
12
○
−
○
○
○
−
45
−
−
○
−
−
−
13
○
−
○
○
○
−
46
−
−
○
−
−
−
14
○
−
○
○
○
−
50
−
−
○
−
−
−
15
○
−
○
○
○
−
55
−
−
○
−
−
−
16
○
−
○
○
○
−
60
−
−
○
−
−
−
17
○
−
○
○
○
−
65
−
−
○
−
−
−
18
○
−
○
−
○
−
70
−
−
○
−
−
−
19
○
−
○
○
○
−
75
−
−
○
−
−
−
20
○
−
○
○
○
−
80
−
−
○
−
−
−
21
○
−
○
○
○
−
85
−
−
○
−
−
−
22
○
−
○
○
○
−
90
−
−
○
−
−
−
23
○
−
○
○
○
−
95
−
−
○
−
−
−
24
○
−
○
○
○
−
100
−
−
○
−
−
−
25
○
−
○
○
○
−
12
H 3270:2018
表A.2−線の径又は対辺距離の代表寸法
単位 mm
径又は対辺
距離の代表
寸法
合金番号
径又は対辺
距離の代表
寸法
合金番号
C 1720
C 5071,C 5111
C 5102,C 5191
C 5212,C 7451
C 7521,C 7541
C 7701
C 1720
C 5071,C 5111
C 5102,C 5191
C 5212,C 7451
C 7521,C 7541
C 7701
丸形
正六角形
正方形
長方形
丸形
正六角形
正方形
長方形
丸形
正六角形
正方形
長方形
丸形
正六角形
正方形
長方形
0.40
○
−
○
○
1.8
○
−
○
−
0.45
○
−
○
○
2.0
○
−
○
−
0.50
○
−
○
○
2.3
○
−
○
−
0.55
○
−
○
○
2.5
○
−
○
−
0.60
○
−
○
○
2.6
○
−
○
−
0.65
○
−
○
○
2.8
○
−
○
−
0.7
○
−
○
−
3.0
○
−
○
−
0.8
○
−
○
○
3.2
○
−
○
−
0.9
○
−
○
○
3.5
○
−
○
−
1.0
○
−
○
○
4.0
○
−
○
−
1.2
○
−
○
○
4.5
○
−
○
−
1.4
○
−
○
−
5.0
○
−
○
−
1.6
○
−
○
−
表A.3−棒の長さの代表寸法
単位 mm
径又は対辺距離の
代表寸法
合金番号
C 1720
C 5111,C 5102,C 5191,C 5212,
C 5341,C 5441
C 7521,C 7541,
C 7701,C 7941
0.5以上 35以下
1 000,2 000
35を超え 50以下
−
1 000,2 000
50を超え 100以下
−
500,1 000
−