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H 2151:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 種類,記号及び製造方法 ···································································································· 2 

5 品質······························································································································· 3 

6 試験······························································································································· 3 

7 検査······························································································································· 4 

8 包装······························································································································· 4 

9 表示······························································································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

H 2151:2015  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

チタン協会(JTS)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格であ

る。これによって,JIS H 2151:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 2151:2015 

チタン及びチタン合金−スポンジチタン 

Titanium and titanium alloys-Titanium sponge 

序文 

この規格は,2012年に第1版として発行されたISO 13092を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,展伸材及び鋳造品の溶解原料として用いるスポンジチタンについて規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 13092:2012,Titanium and titanium alloys−Titanium sponge(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 0511 チタン及びチタン合金−スポンジチタンのブリネル硬さ試験方法 

JIS H 1610 チタン及びチタン合金−サンプリング方法 

JIS H 1612 チタン及びチタン合金中の窒素定量方法 

JIS H 1613 チタン及びチタン合金中のマンガン定量方法 

JIS H 1614 チタン及びチタン合金中の鉄定量方法 

JIS H 1615 チタン中の塩素定量方法 

JIS H 1616 チタン及びチタン合金中のマグネシウム定量方法 

JIS H 1617 チタン及びチタン合金中の炭素定量方法 

JIS H 1618 チタン及びチタン合金−けい素定量方法 

JIS H 1619 チタン及びチタン合金−水素定量方法 

JIS H 1620 チタン及びチタン合金中の酸素定量方法 

JIS H 1623 チタン中のナトリウム定量方法 

JIS H 1630 チタンの発光分光分析方法 

JIS H 1632-2 チタン−ICP発光分光分析方法−第2部:パラジウム,マンガン,鉄,マグネシウム,

けい素,アルミニウム,バナジウム,ニッケル,クロム,すず,銅,モリブデン,ジルコニウム,

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H 2151:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ニオブ,タンタル,コバルト及びイットリウム定量方法 

JIS K 0069 化学製品のふるい分け試験方法 

JIS K 1105 アルゴン 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

スポンジチタン(titanium sponge) 

多孔質でスポンジの形状をした金属チタン。 

注記 金属チタンの溶解原料として使用される。酸化チタン(IV)を主成分とする原料を塩化して塩

化チタン(IV)とし,この塩化チタン(IV)を還元して製造される。 

3.2 

マグネシウム還元法(magnesium reduction method) 

塩化チタン(IV)を金属マグネシウムで還元し,その後不要成分の真空分離及び破砕によってスポンジ

チタンを得る方法。 

3.3 

ナトリウム還元法(sodium reduction method) 

塩化チタン(IV)を金属ナトリウムで還元し,その後不要成分の洗浄(リーチング)及び乾燥によって

スポンジチタンを得る方法。 

3.4 

ロット(lot) 

一つ又はそれ以上のバッチの製品を均一に混合した製品単位。 

なお,バッチとは,単一の反応容器で1回の製造で得られる製品単位をいう。 

種類,記号及び製造方法 

スポンジチタンの種類は,チタンの純度によって0種〜5種に分類し,その記号及び製造方法は,表1

による。 

表1−種類,記号及び製造方法 

種類 

記号 

製造方法 

0種M 

TS-100 M 

マグネシウム還元法 

1種M 

TS-105 M 

マグネシウム還元法 

1種S 

TS-105 S 

ナトリウム還元法 

2種M 

TS-120 M 

マグネシウム還元法 

2種S 

TS-120 S 

ナトリウム還元法 

3種M 

TS-140 M 

マグネシウム還元法 

3種S 

TS-140 S 

ナトリウム還元法 

4種M 

TS-160 M 

マグネシウム還元法 

4種S 

TS-160 S 

ナトリウム還元法 

5種M 

TS-200 M 

マグネシウム還元法 

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H 2151:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

品質 

スポンジチタンの品質は,次による。 

a) スポンジチタンは,均質で,かつ,品質に影響を与えるような混入物及び酸化色を呈する粒を含んで

はならない。混入物及び酸化色を呈する粒の有無は,目視で行い,その判定は,受渡当事者間の協定

による。 

b) スポンジチタンの化学成分は,箇条6 b) によって試験し,表2による。 

c) スポンジチタンのブリネル硬さは,箇条6 c) によって試験し,表2による。 

d) スポンジチタンの粒度は,箇条6 d) によって試験し,受渡当事者間の協定による。 

表2−化学成分及び硬さ 

記号 

化学成分 単位 % 

硬さ 

HBW 

Fe 

Cl 

Mn 

Mg 

Na 

Si 

Ti a) 

TS-100 M 0.06 

以下 

0.06 

以下 

0.01 

以下 

0.06 

以下 

− 

0.02 

以下 

0.02 

以下 

0.02 

以下 

0.005 

以下 

0.06 

以下 

99.7 

以上 

100以下 

TS-105 M 0.10 

以下 

0.10 

以下 

0.01 

以下 

0.06 

以下 

− 

0.03 

以下 

0.02 

以下 

0.03 

以下 

0.005 

以下 

0.08 

以下 

99.6 

以上 

105以下 

TS-105 S 

0.03 

以下 

0.15 

以下 

0.01 

以下 

− 

0.10 

以下 

0.03 

以下 

0.01 

以下 

0.03 

以下 

0.010 

以下 

0.08 

以下 

99.6 

以上 

TS-120 M 0.15 

以下 

0.12 

以下 

0.02 

以下 

0.07 

以下 

− 

0.03 

以下 

0.02 

以下 

0.03 

以下 

0.005 

以下 

0.12 

以下 

99.4 

以上 

105を超え120以下 

TS-120 S 

0.05 

以下 

0.20 

以下 

0.02 

以下 

− 

0.15 

以下 

0.03 

以下 

0.01 

以下 

0.03 

以下 

0.010 

以下 

0.12 

以下 

99.4 

以上 

TS-140 M 0.20 

以下 

0.15 

以下 

0.05 

以下 

0.08 

以下 

− 

0.03 

以下 

0.03 

以下 

0.03 

以下 

0.005 

以下 

0.15 

以下 

99.3 

以上 

120を超え140以下 

TS-140 S 

0.07 

以下 

0.20 

以下 

0.05 

以下 

− 

0.15 

以下 

0.03 

以下 

0.03 

以下 

0.03 

以下 

0.015 

以下 

0.15 

以下 

99.3 

以上 

TS-160 M 0.20 

以下 

0.15 

以下 

0.05 

以下 

0.08 

以下 

− 

0.03 

以下 

0.03 

以下 

0.03 

以下 

0.005 

以下 

0.25 

以下 

99.2 

以上 

140を超え160以下 

TS-160 S 

0.07 

以下 

0.20 

以下 

0.05 

以下 

− 

0.15 

以下 

0.03 

以下 

0.03 

以下 

0.03 

以下 

0.015 

以下 

0.25 

以下 

99.2 

以上 

TS-200 M 0.40 

以下 

0.30 

以下 

0.08 

以下 

0.15 

以下 

− 

0.06 

以下 

0.10 

以下 

0.05 

以下 

0.030 

以下 

0.30 

以下 

98.5 

以上 

200以下 

注a) Ti含有率は,Fe,Cl,Mn,Mg又はNa,Si,N,C,H及びOの含有率の合計を100から差し引いて算出す

る。 

試験 

スポンジチタンの試験は,次による。 

a) スポンジチタンの試料採取は,JIS H 1610による。 

b) 化学成分の分析試験は,次のいずれかによる。 

JIS H 1612,JIS H 1613,JIS H 1614,JIS H 1615,JIS H 1616,JIS H 1617,JIS H 1618,JIS H 1619, 

JIS H 1620,JIS H 1623,JIS H 1630,JIS H 1632-2 

c) ブリネル硬さ試験は,JIS H 0511による。 

d) 粒度試験は,JIS K 0069による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

検査 

スポンジチタンの検査は,ロットごとに行うこととし,次による。 

a) 混入物及び酸化色を呈する粒については,箇条5 a) に適合しなければならない。 

b) 化学成分は,箇条5 b) に適合しなければならない。 

c) ブリネル硬さは,箇条5 c) に適合しなければならない。 

d) 粒度は,箇条5 d) に適合しなければならない。 

包装 

スポンジチタンは,密閉容器に入れ,JIS K 1105に規定するアルゴンを封入する。 

表示 

容器には,次の事項を表示しなければならない。 

a) 種類又は記号 

b) ロットの番号 

c) 同一ロット内の容器番号 

d) 製造業者名又はその略号 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS H 2151:2015 チタン及びチタン合金−スポンジチタン 

ISO 13092:2012,Titanium and titanium alloys−Titanium sponge 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲  

適用範囲 

追加 

“の溶解原料として”を追加。 
技術的差異はない。 

− 

3 用語及び
定義 

スポンジチタンな
ど4用語を規定 

スポンジチタンなど3
用語を規定 

変更 

ISO規格では本文に記載されてい
る“金属チタンの溶解原料として使
用される。”を,JISでは注記に移
動 

参考情報であるため,注記に記載
した。 

変更 

3.2及び3.3については,ISO規格
のNOTEの内容を本文に移動。 
技術的差異はない。 

NOTEの内容は定義の一部と考え
られることから,次回ISO規格改
正時には,NOTEの内容を定義に
取り込むという提案を検討する。 

追加 

ロットを追加 

箇条7の検査をロットで行うため
に追加した。市場で定着した製品
単位であるため,ISOへの提案を
検討する。 

5 品質 

− 

− 

− 

追加 

品質に影響を与えるものとして,
“酸化色を呈する粒”を追加 

一般に品質に影響を与えるものと
して扱うため追加した。 

“混入物及び酸化色を呈する粒の
有無は,目視で行い,その判定は,
受渡当事者間の協定による。”を追
加 

我が国の市場に対応させるために
追加した。 

Ti含有率の計算方法を追加 

計算方法を明確にした。 

ブリネル硬さの規定を追加 

試験方法を明確にした。 

2

H

 2

1

5

1

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

5 品質 
(続き) 

− 

− 

− 

追加 

粒度の規定を追加 

我が国の市場に対応させるために
追加した。 

6 試験 

− 

− 

− 

追加 

試料採取,分析試験,硬さ試験及び
粒度試験を追加 

我が国の市場に対応させるために
追加した。 

7 検査 

− 

− 

− 

追加 

“ロットごとに行うこと”を追加 

試験対象を明確にするため追加し
た。 

混入物及び酸化色を呈する粒,化学
成分,硬さ並びに粒度の検査を追加 

我が国の市場に対応させるために
追加した。 

8 包装 

− 

− 

− 

追加 

包装に関する規定を追加 

我が国の市場に対応させるために
追加した。 

9 表示 

− 

− 

− 

追加 

表示する事項を追加 

我が国の市場に対応させるために
追加した。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13092:2012,MOD 

関連する外国規格 

ASTM B299,GOST 17746,GB/T 2524 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

H

 2

1

5

1

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。