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H 2109:2006  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本伸銅協会(JCBA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS H 2109:1986は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。 

H 2109:2006  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 原料の分類番号,種類,品質及び形状 ················································································· 2 

5. 共通注意事項 ·················································································································· 5 

6. 受渡当事者間の協定事項 ··································································································· 5 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 2109:2006 

銅及び銅合金リサイクル原料分類基準 

Classification standard of copper and copper alloy recycle materials 

1. 適用範囲 この規格は,銅及び銅合金リサイクル原料(以下,原料という。)の分類基準について規定

する。 

備考 原料には,新原料と古原料とがある。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 3101 電気用硬銅線 

JIS C 3102 電気用軟銅線 

JIS C 3103 電気機器巻線用軟銅線 

JIS C 3104 平角銅線 

JIS C 3105 硬銅より線 

JIS C 3151 すずめっき硬銅線 

JIS C 3152 すずめっき軟銅線 

JIS H 3100 銅及び銅合金の板並びに条 

JIS H 3110 りん青銅及び洋白の板並びに条 

JIS H 3130 ばね用ベリリウム銅,チタン銅,りん青銅及び洋白の板並びに条 

JIS H 3140 銅ブスバー 

JIS H 3250 銅及び銅合金の棒 

JIS H 3260 銅及び銅合金の線 

JIS H 3270 ベリリウム銅,りん青銅及び洋白の棒並びに線 

JIS H 3300 銅及び銅合金の継目無管 

JIS H 3320 銅及び銅合金の溶接管 

JIS H 3510 電子管用無酸素銅の板,条,継目無管,棒及び線 

JIS H 5120 銅及び銅合金鋳物 

JIS H 5121 銅合金連続鋳造鋳物 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) 異材 銅又は銅合金であるが,この分類基準のそれぞれの種類の“品質及び形状”に規定されていな

いもの。 

b) 異物 銅及び銅合金でないもの。 

c) 純良 異材・異物を含まないもの。めっきしたもの,腐食したもの,排煙脱硫設備を備えた炉内にお

いて加熱処理をし過ぎたもの,加熱処理不足のものなどが付着・混入していないこと。 

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H 2109:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 新原料 板,条,棒,線,管などの切断残材,打ち抜き残材など,加工工程において発生しリサイク

ルされる銅及び銅合金。 

e) 古原料 本来の用途を終えてリサイクルされる銅及び銅合金。 

4. 原料の分類番号,種類,品質及び形状 原料の種類は,32種類とし,その分類番号,種類,品質及び

形状は,表1による。 

表 1 原料の分類番号,種類並びに品質及び形状 

分類番号 

種類 

品質及び形状 

1号銅線 

径又は厚さが1.3 mm以上の銅線,及び素線の径が1.3 mm以上の銅より線の純
良なもので,はんだ,めっきなどを除去したものを混入しないもの。 
備考 ここでいう銅線及び銅より線は,次のものをいう。 

a) JIS C 3101〜JIS C 3104に規定された銅線 
b) JIS C 3105に規定された硬銅より線 
c) JIS H 3260に規定された合金番号C 1100又はこれと銅成分が同等以上

の銅線 

2号銅線 

a) 径又は厚さが0.35 mm以上1.3 mm未満の銅線,及び素線の径が0.35 mm以

上1.3 mm未満の銅より線の純良なもの。 

b) 径又は厚さが0.35 mm以上の銅線のビニル被覆などを除去した純良なも

の。 

c) 径又は厚さが0.35 mm以上の銅線のはんだ,めっきなどを除去した純良な

もの。 

備考 ここでいう銅線及び銅より線は,1号銅線の備考に規定したものと同一

する。 

1号ナゲット銅
(太) 

導体径又は厚さが1.3 mm以上の銅線及び素線の径が1.3 mm以上の銅より線を
ナゲット加工した(短切線)純良なもので,銅成分が99.90 %以上のもの。 
備考 ここでいう銅線及び銅より線は,1号銅線の備考に規定したものと同一

とする。 

1号ナゲット銅
(細) 

導体径又は厚さが0.35 mm以上1.3 mm未満の銅線及び素線の径が0.35 mm以
上1.3 mm未満の銅より線をナゲット加工した純良なもので,銅成分が99.90 %
以上のもの。 
備考 ここでいう銅線及び銅より線は,1号銅線の備考に規定したものと同一

とする。 

2号ナゲット銅 
 

銅線,すずめっき銅線,銅より線又はすずめっき銅より線をナゲット加工した
もので,銅成分が99 %以上のものであり,更に不純物の成分量が次に適合し
ているもの。 
     すず     0.3  %以下 
     アルミニウム 0.01 %以下 
     ニッケル   0.05 %以下 
     鉄      0.03 %以下 
     アンチモン  0.01 %以下 
     その他の金属及び絶縁被覆物  0.2 %以下 
備考1. ここでいう銅線及び銅より線は,1号銅線の備考に規定したものと同一

とする。 

2. ここでいうすずめっき銅線は次のものをいう。 

a) JIS C 3151に規定されたすずめっき硬銅線 
b) JIS C 3152に規定されたすずめっき軟銅線 

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H 2109:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 1 原料の分類番号,種類並びに品質及び形状(続き) 

分類番号 

種類 

品質及び形状 

3号ナゲット銅 

銅線,すずめっき銅線,銅より線又はすずめっき銅より線をナゲット加工した
もので,銅成分が97 %以上のものであり,更に不純物の成分量が次に適合し
ているもの。 
      アルミニウム          0.50 %以下 
      その他の金属及び絶縁被覆物   1 %以下 
備考 ここでいう銅線,すずめっき銅線,銅より線及びすずめっきより線は,2

号ナゲット銅の備考1.及び備考2.に規定したものと同一とする。 

被覆銅線 
 

ポリエチレン・ビニルなどの被覆付銅線。 
備考1. 受渡しは,サンプル又は銅分歩留(1)に基づく受渡当事者間の協定によ

る。 

2. 裸ばら形状又はこん包・結束形状については,受渡当事者間の協定に

よる。 

注(1) 被覆付銅線に含有する銅分比率 

上銅 

厚さ0.3 mm以上のJIS H 3100,JIS H 3250,JIS H 3300の合金番号C 1020・C 
1100・C 1201・C 1220,JIS H 3320の合金番号C 1220,JIS H 3140の合金番号
C 1020・C 1100及びJIS H 3510の合金番号C 1011の板,条,管及び棒並びに
化学成分がこれらと同等のものの原料で,純良なもの。ただし,小片を混入し
てはならない。 
備考 銅合金などの異材を混入してはならない。 

並銅 

径又は厚さが0.35 mm以上のめっきを除去した銅原料,分類番号8に該当しな
いJIS H 3100,JIS H 3250,JIS H 3300 の合金番号C 1020・C 1100・C 1201・C 
1220,JIS H 3320の合金番号C 1220,JIS H 3140の合金番号C 1020・C 1100,
JIS H 3510の合金番号C 1011,並びに,径又は厚さが0.35 mm以上のJIS H 3260
の合金番号C 1201・C 1220及びJIS H 3510の合金番号C 1011並びに化学成分
がこれらと同等の銅原料。 
備考 銅合金などの異材を混入してはならない。 

10 

下銅 

分類番号1,2,8及び9に該当しない銅線,銅板,銅条,銅棒,銅管及び銅鋳
物の原料で,高銅合金,黄銅,青銅などの異材の混入がなく,はんだ,タール,
湯あかなどの少ないもの。 

11 

雑銅 

分類番号1〜10に該当しない銅の原料で,銅成分が94 %以上あるもの。 

12 

1号薬きょう 

爆管及び雷管を取り除いた加熱処理していないJIS H 3100 の合金番号 C 2600 
の薬きょうで,異材を混入しないもの。ただし,腐食したものを除く。 

13 

2号薬きょう 

未射撃及び不発のものを除いた加熱処理をしていないJIS H 3100の合金番号C 
2600のけん銃,小銃及び機関砲の打ちがら薬きょう。ただし,腐食したものを
除く。 

14 

3号薬きょう 

加熱処理をしてあるJIS H 3100 の合金番号C 2600の薬きょう。ただし,腐食
したものを除く。 

15 

1号新黄銅 

厚さ0.2 mm以上のJIS H 3100 の 合金番号C 2600・C 2680・C 2720 及び化学
成分がこれらと同等のものを切断又は打ち抜いた純良な新原料。ただし,小片
を混入してはならない。 
備考 JIS H 3100の合金番号C 3560・C 3561・C 3710・C 3713・C 4621・C 4640の原

料は異材として混入してはならない。 

16 

2号新黄銅 

厚さ0.2 mm以上のJIS H 3100の合金番号C 2801 及び化学成分がこれと同等の
ものを切断又は打ち抜いた純良な新原料。ただし,小片を混入してはならない。 
備考 JIS H 3100の合金番号C 3560・C 3561・C 3710・C 3713・C 4621・C 4640 の

原料は異材として混入してはならない。 

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H 2109:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 1 原料の分類番号,種類並びに品質及び形状(続き) 

分類番号 

種類 

品質及び形状 

17 

新黄銅棒コロ 

JIS H 3250 の合金番号C 3601・C 3602・C 3603・C 3604・C 3712・C 3771,JIS 
H 3260の合金番号C 3501 及びJIS H 3100の合金番号C 3560・C 3561・C 3710・
C 3713 並びに化学成分がこれらと同等のものの新原料。 
備考 JIS H 3300の合金番号C 4430・C 6870・C 6871・C 6872,JIS H 3250の合金

番号C 6782・C 6783,JIS H 5120のすべての黄銅の原料,及び鉛レス快削
黄銅棒の原料並びにその他の異材を混入してはならない。 

参考 鉛レス快削黄銅棒は,日本伸銅協会の技術標準JCBA  T204の合金番号

C 6801・C 6802・C 6803・C 6804・C 6931・C 6932として定められている。 

18 

並黄銅 

分類番号15〜17に該当しない黄銅板,条,管,棒及び線並びに化学成分がこれ
と同等のものの原料。 
備考 JIS H 3300 の合金番号C 4430・C 6870・C 6872及び鉛レス快削黄銅棒の

原料並びにその他の異材を混入してはならない。 

参考 ここでいう鉛レス快削黄銅棒は,新黄銅棒コロの参考に規定したものと

同一とする。 

19 

黄銅削り粉 

黄銅板,条,棒,線及び管の削り粉。油及び水分の少ないもの。ただし,やす
り削り粉,のこ切粉などの微細な原料を混入してはならない。 
備考 JIS H 3300の合金番号C 4430・C 6870・C 6871・C 6872,JIS H 3250の合金

番号C 6782, JIS H 5120及びJIS H 5121のすべての黄銅削り粉,及び鉛
レス快削黄銅棒の原料並びにその他の異材を混入してはならない。 

参考 ここでいう鉛レス快削黄銅棒は,新黄銅棒コロの参考に規定したものと

同一とする。 

20 

雑黄銅 

分類番号15〜19,28及び29に該当しない黄銅の原料。 

21 

りん青銅新切 

JIS H 3110の合金番号C 5050・C 5071・C 5111・C 5102・C 5191・C 5212及び JIS 
H 3130の合金番号C 5210並びに化学成分がこれらと同等のものの新原料で純
良なもの。 
備考 JIS H 3270の合金番号C 5341・C 5441の原料は異材として混入してはな

らない。 

22 

雑りん青銅 

分類番号21に該当しないりん青銅の原料及びJIS H 3270 の 合金番号C 5341・ 
C 5441 の原料で,異材を混入しないもの。 

23 

洋白新切 

JIS H 3110の合金番号C 7351・C 7451・C 7521・C 7541,JIS H 3130の合金番号C 
7701及びJIS H 3270の合金番号C 7451・C 7521・C 7541・C 7701並びに化学成分
がこれらと同等のものの新原料で純良なもの。 
備考 JIS H 3270の合金番号C 7941の原料は異材として混入してはならない。 

24 

雑洋白 

分類番号23に該当しない洋白の原料。 

25 

ベリリウム銅新
切 

JIS H 3130の合金番号C 1700・C 1720・C 1751及びJIS H 3270の合金番号C 1720 
並びに化学成分がこれらと同等のものの新原料で純良なもの。 

26 

白銅 

JIS H 3100の合金番号C 7060・C 7150及びJIS H 3300の合金番号C 7060・C 
7100・C 7150・C 7164並びに化学成分がこれらと同等のものの原料で純良なも
の。 

27 

アルミニウム青 
銅 

JIS H 3100の合金番号C 6140・C 6161・C 6280・C 6301,JIS H 3250の合金番
号C 6161・C 6191・C 6241,JIS H 5120の記号CAC701・CAC702・CAC703・
CAC704及びJIS H 5121の記号CAC701C・CAC702C・CAC703C並びに化学成分
がこれらと同等のものの原料で純良なもの。 

28 

黄銅鋳物 

JIS H 5120の黄銅鋳物及び化学成分がこれらと同等のものの原料で純良なも
の。 

29 

高力黄銅鋳物 

JIS H 5120及びJIS H 5121の高力黄銅鋳物及び化学成分がこれらと同等のもの
の原料で純良なもの。 

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H 2109:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 1 原料の分類番号,種類並びに品質及び形状(続き) 

分類番号 

種類 

品質及び形状 

30 

青銅鋳物 

JIS H 5120及びJIS H 5121の青銅鋳物,りん青銅鋳物及び鉛青銅鋳物並びに化
学成分がこれらと同等のものの原料で純良なもの。 

31 

青銅鋳物削り粉 

分類番号30の削り粉で,異材混入がなく,油及び水分の少ないもの。ただし,
やすり削り粉,のこ切粉などの微細な原料を混入してはならない。 

32 

雑青銅 

分類番号30及び31に該当しない青銅の原料。 

5. 共通注意事項 共通注意事項は,次による。 

a) 密閉容器及び管端をつぶした原料には, 空気,油及び水分を密封していてはならない。 

b) 有害物質を混入してはならない。 

c) すべての原料に“異材”を混入してはならない。 

d) すべての原料に“異物”を混入してはならない。 

6. 受渡当事者間の協定事項 受渡当事者間の協定事項は,次による。 

a) 原料に含まれる油及び水分の量 

b) 原料の形状及び寸法 

c) 原料の受渡し条件 

d) ブリケット,プレス品など,原料を圧縮・固化したものの扱い