H 2107:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類及び記号 ··················································································································· 2
5 製造······························································································································· 2
6 注文情報························································································································· 2
7 化学成分························································································································· 3
8 サンプリング及び試料調製 ································································································· 3
9 分析方法························································································································· 3
10 表示 ····························································································································· 3
11 報告 ····························································································································· 3
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5
H 2107:2015
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本鉱業協会(JMIA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS H 2107:1999は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成28年3月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS H 2107:1999によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
H 2107:2015
亜鉛地金
Zinc ingots
序文
この規格は,2004年に第2版として発行されたISO 752を基とし,技術的内容を変更して作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,亜鉛地金の中で鉱石又はその他の亜鉛含有物質から蒸留又は電気化学的還元によって得ら
れる精製亜鉛の固体(以下,地金という。)について規定する。ただし,溶融状態のもの及び再溶解にて生
産される再生亜鉛については規定しない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 752:2004,Zinc ingots(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 0301 非鉄金属地金のサンプリング,試料調製及び分析検査通則
JIS H 1111 亜鉛地金分析方法
JIS H 1113 亜鉛地金の光電測光法による発光分光分析方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
亜鉛地金(zinc ingots)
溶融した精製亜鉛を鋳造して得られる固体。
3.2
精製亜鉛(primary zinc)
鉱石又はその他の亜鉛含有物質から蒸留又は電気化学的還元によって得られる亜鉛。
2
H 2107:2015
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3.3
鋳造(cast)
溶融した精製亜鉛からジャンボ又はスラブの形状をした地金を製造する方法。
3.4
バッチ(batch)
一回の鋳造から得られる複数の地金の総称。
3.5
ジャンボ(jumbo)
機械装置によって取り扱うことが適切な大形地金。
3.6
スラブ(slab)
一般的に18 kgから30 kgまでの,人手による取扱いに適している小形地金。
3.7
バンドル(bundle)
取扱い時,輸送時及び保管時の安全確保のために,主としてスラブをバンド掛けしたもの。
4
種類及び記号
地金の種類及び記号は,表1による。
表1−種類及び記号
種類
記号
ISO 752による表記
(参考)
最純亜鉛地金
○○
ZN-1
特種亜鉛地金
〇
ZN-2
普通亜鉛地金
□
ZN-3
蒸留亜鉛地金特種
△
ZN-4
蒸留亜鉛地金1種
1
ZN-5
蒸留亜鉛地金2種
2
−
5
製造
地金は,溶融した精製亜鉛を鋳造によって製造する。
6
注文情報
購入者は製造業者に,照会又は注文によって次の情報を提供する。
a) JIS番号
b) 地金の種類
c) ジャンボ又はスラブの全質量
d) ジャンボの個々の質量,又はスラブをバンドルにしたものの個々の質量
e) 特別な地金形状の要求の有無
f)
検査成績書の要求の有無
3
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7
化学成分
地金は,表2に示す種類ごとに規定された化学成分を満たさなければならない。分析結果の表示につい
て,その分析値は元素ごとに表2で規定する最小桁に丸めて表示する。
なお,表2の亜鉛(Zn)規定値は,鉛(Pb),カドミウム(Cd),鉄(Fe),すず(Sn),銅(Cu)及び
アルミニウム(Al)のうち,各種類ごとに規定された化学成分の含有率を合計し,100 %から差し引いた
値に適用する。
表2−化学成分
単位 %
種類
Zn
Pb
Cd
Fe
Sn
Cu
Al
最純亜鉛地金
99.995以上
0.003以下
0.002以下
0.002以下
0.001以下
0.001以下
0.001以下
特種亜鉛地金
99.990以上
0.003以下
0.003以下
0.003以下
0.001以下
0.002以下
0.002以下
普通亜鉛地金
99.97以上
0.02以下
0.005以下
0.01以下
0.001以下
0.002以下
0.010以下
蒸留亜鉛地金特種
99.7以上
0.3以下
0.01以下
0.02以下
−
−
−
蒸留亜鉛地金1種
98.5以上
1.3以下
0.2以下
0.025以下
−
−
−
蒸留亜鉛地金2種
98.0以上
1.8以下
0.5以下
0.1以下
−
−
−
8
サンプリング及び試料調製
サンプリング及び試料調製は,JIS H 0301による。
9
分析方法
化学成分の分析試験は,JIS H 1111及びJIS H 1113による。
10 表示
ジャンボ及びバンドルは,製造業者と購入者とが他の方法で合意しない限り,次の情報を製品に表示す
るか,又は書類を添付する。
a) 製造業者の名称又はその略号
b) 地金の種類(表1に示す記号)
c) 鋳造番号
d) ジャンボ及びバンドルの質量
11 報告
製造業者は,購入者からの要求がある場合には,出荷品ごとに検査成績書を提供しなければならない。
検査成績書は,購入者との協議で合意した,次のa) 及び/又はb) とする。
a) その出荷品を製造した特定の鋳造又はバッチにおいて得られた分析値による化学成分の成績書。
b) その注文された出荷品に適合する成績書。この成績書には,次の情報を含まなければならない。
1) 製造業者名及び住所
2) 報告日
3) 購入者名及び住所
4) 購入者の注文番号
5) 供給された商品及びその数量
4
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6) 地金の種類
7) 製造業者の印又はサイン
5
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附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS H 2107:2015 亜鉛地金
ISO 752:2004,Zinc ingots
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
1
一致
−
2 引用規
格
3 用語及
び定義
3
用語及び定義
変更
削除
ISO規格では,鋳造は,連続鋳
造と非連続鋳造に分けて定義
されていたが,国内では実用上
必要ないため鋳造として定義
した。
ブロックはジャンボに内包さ
れ,また,国内ではその名称が
使用されないので削除した。
4 種類及
び記号
11
ISO規格と関係のある主
要国の国内規格種類との
対比(UNS番号,EN,
ASTM規格,JIS及びAS)
変更
地金の種類及び記号について
は,従来JISを採用した。
国内市場の状況に配慮。
5 製造
4
一致
−
6 注文情
報
5
注文情報
変更
a) を国際規格の番号から“JIS
番号”に変更した。
国内市場の状況に配慮。
2
H
2
1
0
7
:
2
0
1
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 化学成
分
6
化学成分
数値の丸め方
変更
変更
削除
種類については,従来JISを採
用した。化学成分については,
ISO規格を採用したが,従来
JISが厳しい規定値の場合は従
来JISの規定値を採用した。
丸め方の桁数の表示を元素ご
とに表2で規定する最小桁に
変更し,数値の丸め方の規制を
削除した。
国内市場の状況に配慮。
国内市場及び海外市場の動向に
よって,整合性を図っていくこと
を検討。
8 サンプ
リング及
び試料調
製
7
サンプリング
変更
ISO規格ではISO 20081を規定
しているが,JISでは国内で定
着しているJIS H 0301を採用
した。
国内市場の状況に配慮。
9 分析方
法
8
分析方法
変更
ISO規格ではAS,ASTM規格,
EN及びJISの引用を規定して
いるが,JISでは国内で定着し
ているJIS H 1111及びJIS H
1113を採用した。
国内市場の状況に配慮。
10 表示
9
表示
追加
削除
変更
JISでは,表示方法への書類添
付及び製造業者の名称の略号
による表示を追加した。
ISO規格での表示は,バッチ番
号又は鋳造番号であるが,JIS
ではバッチ番号を削除した。
ISO規格での質量の表示は,イ
ンゴット又はバンドルの質量
であるが,JISではジャンボ及
びバンドルの質量に変更した。
国内市場の状況に配慮。
2
H
2
1
0
7
:
2
0
1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
11 報告
10
報告
変更
ISO規格の種類をJISの種類に
変更した。
ISO規格では,製造業者の代表
者のサインを規定しているが,
JISでは国内で使用頻度が高い
製造業者の印を追加した。
国内市場の状況に配慮。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 752:2004,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 削除………………国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加………………国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
2
H
2
1
0
7
:
2
0
1
5
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。