H 1681 : 2000
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する同法第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本
規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申し出があり,日本工業標準調
査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS H 1681 : 1976は改
正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正は,タンタルの製品分析の現状を的確に反映し,その利便化を図るために改正した。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
H 1681 : 2000
タンタル中の炭素定量方法
Method for determination of carbon in tantalum
序文 この規格は,タンタル製品の品質,分析装置及び分析技術の推移に対応するために必要な改正を行
った。
なお,この規格に対応するISO規格は,発行されていない。
1. 適用範囲 この規格は,タンタル中の炭素定量方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS H 1680 タンタルの分析方法通則
JIS Z 2615 金属材料の炭素定量方法通則
3. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1680及びJIS Z 2615による。
4. 定量方法 炭素の定量方法は,燃焼−赤外線吸収法(積分法)による。この方法は,炭素含有率0.001%
(m/m) 以上0.05% (m/m) 以下の試料に適用する。
5. 燃焼−赤外線吸収法(積分法)
5.1
要旨 試料を酸素気流中で加熱し,炭素を十分に酸化して二酸化炭素とし,これを酸素とともに赤
外線吸収検出器に送り,二酸化炭素による赤外線吸収量を積分法で測定する。
5.2
器具及び材料 器具及び材料は,JIS Z 2615の5.(器具及び材料)及びJIS Z 2615の6.9.2の(3)(窒
素,アルゴン又は圧縮空気)による。
5.3
装置(1) 装置は,JIS Z 2615の5.(6)の(a)(管状電気抵抗加熱炉)又は(b)(高周波誘導加熱炉)とJIS
Z 2615の6.9.3の(1)(酸素精製部),(3)(燃焼ガス精製部)及び(4)(二酸化炭素定量部)とを接続して用
いる。ただし,JIS Z 2615の6.9.3の(4)の代わりに,二酸化炭素及び一酸化炭素の合量の赤外線吸収量を
測定する方式のものを用いてもよい。この方式を用いる場合には,JIS Z 2615の6.9.3の(3)の代わりに,
JIS Z 2615の6.10.2の(3)(燃焼ガス精製部)を用いる。この場合の装置の概略図の例を,付図1に示す。
注(1) 装置の構成,構造及び使用条件は,使用する装置によって異なる。
5.4
試料はかり取り量 試料はかり取り量は,通常0.50gとし,1mgのけたまではかる(2)。
注(2) 高感度の装置では,試料はかり取り量を減らしてもよい。
5.5
操作(3) 操作は,次のいずれかによる。
注(3) 操作の細かい手順は,装置によって異なるので,その装置ごとに指定された手順によって行う。
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H 1681 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 高周波誘導加熱炉を用いる場合
1) 準備操作 準備操作は,JIS Z 2615の6.9.4(予備操作)による(4)(5)(6)。ただし,二酸化炭素定量部
に二酸化炭素及び一酸化炭素の合量の赤外線吸収量を測定する方式の装置を使用する場合は,JIS Z
2615の6.9.4の(2)の窒素,アルゴン又は圧縮空気の代わりに酸素を用いてもよい。
注(4) 各部の器具及び材料の充てん,保守,気密試験などは,使用する装置の指定する方法によって
行う。
(5) 検量線作成用試料には,炭素含有率がこの定量方法の適用範囲と同程度の鉄鋼標準物質を用い
てもよい。
(6) 市販の装置には,試料はかり取り量及び空試験値を補正し,炭素含有率を直読できるものがあ
る。この場合には,指示値が既知の炭素含有率と一致するように調節する。
2) 定量操作 定量操作は,JIS Z 2615の6.9.5(定量操作)による(7)。ただし,助燃剤には,タングス
テン[JIS Z 2615の5.(13)(助燃剤)]を使用し,その使用量は1.0gとする(8)。
注(7) 高周波磁器燃焼るつぼ,るつぼのふた及び受け台は,通常あらかじめ空気中又は酸素気流中で
空焼きしたものを使用する。
(8) タングステンの代わりに適量のすずを含むタングステン助燃剤1.0gを用いてもよい。
b) 管状電気抵抗加熱炉を用いる場合
1) 準備操作 準備操作は,次の手順によって行う。
1.1) 電源を入れ,各部を十分に安定させ,酸素を供給して装置の気密を確認する。燃焼管の中央部の
温度を1 250〜1 450℃に,酸化管の温度を700℃に保つ(4)。
1.2) 指示計のゼロ点を調整する。
1.3) 分析試料の代わりに分析試料と同程度の炭素含有率の検量線作成用試料(5)を用い,b)の2)及び5.6
のb)の手順に従って操作し,次の式によって換算係数を求める(6)。
100
0
0
0
0
C
B
A
W
K
×
−
=
ここに,
K: 指示計の指示値を炭素量 (g) に換算するための係数
A0: 2.2)で得た指示値
B0: 5.6のa)又はb)で得た指示値
C0: 検量線作成用試料の炭素含有率[%(m/m)]
W0: 検量線作成用試料はかり取り量 (g)
2) 定量操作 定量操作は,次の手順によって行う。
2.1) 試料及び助燃剤(9)を磁器燃焼ボート(10)にはかり取り,磁器燃焼ボートカバー(10)で覆い,燃焼管の
中央部に挿入し,ただちに気密に栓をする(試料が燃焼し,燃焼ガスは精製部を経て赤外線吸収
検出器の試料セルに送られ,指示値が次第に増加する。)。
2.2) 指示計が一定値を示したとき指示値を読み取る。
注(9) 助燃剤は,JIS Z 2615の5.(13)(助燃剤)に規定されたものを単独又は2,3種類組み合わせて用
いる。あらかじめ,試料を用いて助燃剤の種類とその添加量及び加え方を変えて炭素を十分に
酸化し,その検出量が最高となる最適条件を調べておく。
(10) 磁器燃焼ボート及びボートカバーは,通常あらかじめ空気中又は酸素気流中で空焼きしたもの
を使用する。
5.6
空試験 空試験は,次のいずれかによる。
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H 1681 : 2000
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 高周波誘導加熱炉を用いる場合 試料に添加するのと同量の助燃剤だけを用い,5.5 a)の2)手順に従っ
て操作する。
b) 管状電気抵抗加熱炉を用いる場合 試料に添加するのと同量の助燃剤だけを用い,5.5 b)の2)の手順に
従って操作する。
5.7
計算 計算は,JIS Z 2615の6.9.7(計算)による。
付図1 赤外線吸収法(二酸化炭素及び一酸化炭素積分法)の装置の例
JIS H 1681改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
水 池 敦
東京理科大学
村 山 拓 己
通商産業省基礎産業局
八 田 勲
工業技術院標準部
橋 本 進
財団法人日本規格協会技術部
吉 岡 孝 之
科学技術庁金属材料技術研究所物性解析研究部
稲 本 勇
社団法人日本チタン協会(株式会社日鐵テクノリサーチ)
前 田 繁 則
株式会社ジャパンエナジー分析センター
塚 原 涼 一
住友金属鉱山株式会社技術本部
徳 岳 文 夫
東芝セラミックス株式会社開発研究所評価技術部
河 本 光 喜
株式会社オハラ品質管理部
山 内 良 夫
株式会社高純度物質研究所コンデンサ事業部
西 武 志
松下電子部品株式会社
水 口 紀 元
昭和キャボットスーパーメタル株式会社開発技術部
磯 田 伸 二
真空冶金株式会社
井 出 光 良
三井金属鉱業株式会社総合研究所上尾分析センター
(事務局)
豊 田 宣 俊
社団法人新金属協会
今 井 康 弘
社団法人新金属協会