2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き，本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
H 1623 - 1995
チタン中のナトリウム定量方法
Method for determination of sodium in titanium
1. 適用範囲 この規格は，スポンジチタン中のナトリウム定量方法について規定する。
備考 この規格の引用規格を，次に示す。
JIS H 1611 チタン及びチタン合金の分析方法通則
JIS H 4600 チタン板及び条
JIS H 4650 チタン棒
JIS K 8005 容量分析用標準物質
2. 一般事項 定量方法に共通な一般事項は，JIS H 1611による。
3. 定量方法 ナトリウムの定量方法は，原子吸光法による。この方法は，ナトリウム含有率0.01% (m/m)
以上0.20% (m/m) 以下の試料に適用する。
4. 原子吸光法
4.1
要旨 試料をふっ化水素酸で分解する。硝酸を加えてチタンなどを酸化し，ほう酸を加えた後，溶
液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し，その吸光度を測定する。
4.2
試薬 試薬は，次による。
(1) 硝酸 (1＋1)
(2) ふっ化水素酸 (1＋1)
(3) ほう酸
(4) チタン［99% (m/m) 以上］ 展伸材 (JIS H 4600, JIS H 4650) を使用する。
(5) 標準ナトリウム溶液 (100μgNa/ml) 塩化ナトリウム (JIS K 8005) 2.54gを水に溶解し，溶液を1
000mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ，水で標線まで薄めた後，乾いたポリエチレン瓶に移し
入れ，原液 (1 000μgNa/ml) とする。この原液を使用の都度，必要量だけ水で正しく10倍に薄めて標
準ナトリウム溶液とする。
4.3
試料はかり取り量 試料はかり取り量は，1.0gとし，1mgのけたまではかる。
4.4
操作
4.4.1
試料溶液の調製 試料溶液の調製は，次の手順によって行う。
(1) 試料をはかり取って，ポリエチレンビーカー (300ml) に移し入れる。
(2) 水40mlを加え，ふっ化水素酸 (1＋1) 10mlを少しずつ加え，ポリエチレン時計皿で覆い，水浴上で穏
やかに加熱して分解する。硝酸 (1＋1) 3mlを滴加し，引き続き加熱して窒素酸化物を追い出した後，
ポリエチレン時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。ほう酸3gを加え，よくかき混ぜて溶解し
2
H 1623 - 1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き，本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
た後，常温まで冷却する。
(3) 溶液を500mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ，水で標線まで薄めた後，乾いたポリエチレン瓶
に移し入れる(1)。
注(1) 試料溶液の調製後2時間以内に吸光度の測定が終了する場合には，ポリエチレン瓶に移し入れる
必要はない。
4.4.2
吸光度の測定 4.4.1(3)で得た溶液の一部を，水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空
気・アセチレンフレーム中に噴霧し，波長589.0nmにおける吸光度を測定する。
4.5
空試験 4.6の検量線の作成操作において得られる標準ナトリウム溶液を添加しない溶液の吸光度
を空試験の吸光度とする。
4.6
検量線の作成 検量線の作成は，次の手順によって行う。
(1) チタン[4.2(4)]を1.0gずつ数個はかり取り，それぞれをポリエチレンビーカー (300ml) に移し入れる。
(2) 4.4.1(2)に従って操作した後，溶液を500mlの全量フラスコに水を用いて移し入れる。
(3) これらの溶液に，標準ナトリウム溶液[4.2(5)]0〜20.0ml（ナトリウムとして0〜2 000μg）を段階的に加
え，水で標線まで薄めた後，乾いたポリエチレン瓶に移し入れる(1)。
(4) これらの溶液の一部を，水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中
に噴霧し，波長589.0nmにおける吸光度を試料と並行して測定し，得た吸光度とナトリウム量との関
係線を作成し，その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
4.7
計算 4.4.2及び4.5で得た吸光度と，4.6で作成した検量線とからナトリウム量を求め，試料中のナ
トリウム含有率を，次の式によって算出する。
100
2
1
×
m
A
A
Na
−
＝
ここに， Na： 試料中のナトリウム含有率 [% (m/m)]
A1： 試料溶液中のナトリウム検出量 (g)
A2： 空試験液中のナトリウム検出量 (g)
m： 試料はかり取り量 (g)
3
H 1623 - 1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き，本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS原案調査作成委員会 構成表 （五十音順）
氏名
所属
（委員長）
多 田 格 三
フジ化学研究所
赤 崎 勝 彦
住友金属工業株式会社
石 橋 耀 一
日本鋼管株式会社
稲 本 勇
新日本製鐵株式会社
大河内 春 乃
科学技術庁金属材料技術研究所
小 熊 幸 一
千葉大学
金 築 四 郎
住友シチックス株式会社
河 村 恒 夫
株式会社神戸製鋼所・株式会社コベルコ科研
北 岡 一 泰
社団法人日本チタン協会
高 木 譲 一
工業技術院標準部
（小委員長）
中 村 靖
株式会社ジャパンエナジー
服 部 兆 隆
東邦チタニウム株式会社
藤 貫 正
財団法人日本分析化学会
松 木 由 一
昭和電工株式会社・昭和タイタニウム株式会社
横 溝 耿
三菱マテリアル株式会社
（事務局）
伊 藤 均
社団法人日本チタン協会
小委員会 構成表 （五十音順）
氏名
所属
（主査）
中 村 靖
株式会社ジャパンエナジー
赤 崎 勝 彦
住友金属工業株式会社
石 橋 耀 一
日本鋼管株式会社
稲 本 勇
新日本製鐵株式会社
金 築 四 郎
住友シチックス株式会社
河 村 恒 夫
株式会社神戸製鋼所・株式会社コベルコ科研
小 林 義 男
株式会社ジャパンエナジー
阪 本 博
昭和電工株式会社
西 尾 正 浩
住友軽金属工業株式会社
服 部 兆 隆
東邦チタニウム株式会社
松 木 由 一
昭和電工株式会社・昭和タイタニウム株式会社
山 本 寿 美
古河電気工業株式会社
横 溝 耿
三菱マテリアル株式会社
（事務局）
北 岡 一 泰
社団法人日本チタン協会
伊 藤 均
社団法人日本チタン協会