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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 1614-1995 

チタン及びチタン合金中の鉄定量方法 

Methods for determination of iron in titanium and titanium alloys 

1. 適用範囲 この規格は,チタン及びチタン合金中の鉄定量方法について規定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 0601 表面粗さ一定義及び表示 

JIS H 1610 チタン及びチタン合金のサンプリング方法 

JIS H 1611 チタン及びチタン合金の分析方法通則 

JIS K 0119 蛍光X線分析方法通則 

JIS R 6251 研磨布 

JIS R 6252 研磨紙 

2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1611による。 

3. 定量方法の区分 鉄の定量方法は,次のいずれかによる。 

(1) 1, 10−フェナントロリン吸光光度法 この方法は,鉄含有率0.005% (m/m) 以上2.0% (m/m) 以下の試

料に適用する。 

(2) 原子吸光法 この方法は,鉄含有率0.005% (m/m) 以上2.0% (m/m) 以下の試料に適用する。 

(3) 誘導結合プラズマ発光分光法 この方法は,鉄含有率0.01% (m/m) 以上3.0% (m/m) 以下の試料に適

用する。 

(4) 蛍光X線分析法 この方法は,鉄含有率0.005% (m/m) 以上1.6% (m/m) 以下の試料に適用する。 

4. 1, 10−フェナントロリン吸光光度法 

4.1 

要旨 試料を塩酸とふっ化水素酸とで分解し,硝酸を加えてチタンなどを酸化する。ほう酸,酒石

酸,酢酸アンモニウム及び塩化ヒドロキシルアンモニウムを加えた後,1, 10−フェナントロリン鉄錯体を

生成させ,光度計を用いてその吸光度を測定する。 

4.2 

試薬 試薬は,次による。 

(1) 塩酸 (1+1) 

(2) 硝酸 (1+1) 

(3) ふっ化水素酸 (1+1) 

(4) ほう酸 

(5) 酒石酸溶液 (200g/l) 

(6) 酢酸アンモニウム溶液 (500g/l) 

(7) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (100g/l) 

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H 1614-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(8) 1, 10−フェナントロリン溶液 塩化1, 10−フェナントロリニウム一水和物2.4gを水1lに溶解するか

又は1, 10−フェナントロリン一水和物2.0gをエタノール (95) 100mlに溶解し,水で液量を1lとする。 

(9) 標準鉄溶液 (50μgFe/ml) 鉄[99.9% (m/m) 以上]0.500gをはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れ,

塩酸 (1+1) 30mlを加え,時計皿で覆い加熱し分解する。硝酸 (1+1) 5mlを加えて鉄を酸化し,更に

加熱を続けて窒素酸化物を追い出す。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り

除く。この溶液を1 000mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 

(500μgFe/ml) とする。原液を使用の都度,必要量だけ水で正しく10倍に薄めて標準鉄溶液とする。 

4.3 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,表1によって1mgのけたまではかる。 

表1 試料はかり取り量及び分取量 

鉄含有率 

% (m/m) 

試料はかり取り量 

分取量 

ml 

0.005以上 0.1未満 

1.0 

20.0 

0.1 以上 

0.4未満 

1.0 

10.0 

0.4 以上 

0.8未満 

0.5 

10.0 

0.8 以上 

2.0以下 

0.2 

10.0 

4.4 

操作 

4.4.1 

試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。 

(1) 試料をはかり取って,ポリエチレンビーカー (200ml) に移し入れる。 

(2) 塩酸 (1+1) 10ml及びふっ化水素酸 (1+1) 5ml(1)を加え,ポリエチレン時計皿で覆い,水浴上で穏や

かに加熱して分解する。硝酸 (1+1) 3mlを滴加し,引き続き加熱して窒素酸化物を追い出した後,ポ

リエチレン時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。ほう酸3gを加え,よくかき混ぜて溶解した

後,常温まで冷却する。 

(3) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液を,試料中の鉄

含有率に応じて表1に規定された量をA,B2個の100mlの全量フラスコに分取する。 

注(1) 試料形状によって,激しい分解反応を示すことがあるので少しずつ加える。 

4.4.2 

呈色 呈色は,次による。 

(1) 4.4.1(3)で得た試料溶液の入っているA及びBの全量フラスコに酒石酸溶液15ml,酢酸アンモニウム

溶液25ml,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液5mlを順次加えた後,水を加えて液量を約80mlとす

る。 

(2) Aの全量フラスコには,1, 10−フェナントロリン溶液 [4.2.(8)] 10mlを加え,水で標線まで薄め,Bの

全量フラスコは水で標線まで薄める。 

4.4.3 

吸光度の測定 4.4.2(2)で得た溶液を常温で20分間放置した後,Aの溶液の一部を光度計の吸収セ

ル (10mm) に取り,Bの溶液を対照液として波長510nm付近の吸光度を測定する。 

4.5 

空試験 試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。 

4.6 

検量線の作成 標準鉄溶液 [4.2(9)] 0〜8.0ml(鉄として0〜400μg)を段階的に数個の100mlの全量

フラスコに取り,酒石酸溶液15ml,酢酸アンモニウム溶液25ml及び塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液

5mlを順次加えた後,水を加えて液量を約80mlとする。1, 10−フェナントロリン溶液 [4.2.(8)] 10mlを加

え,水で標線まで薄める。常温で20分間放置した後,この溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取

り,水を対照液として波長510nm付近の吸光度を測定し,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,この関

係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

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4.7 

計算 4.4.3及び4.5で得た吸光度と4.6で作成した検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄含有率を次

の式によって算出する。 

100

100

Fe

2

1

×

×B

m

A

A−

ここに, Fe: 試料中の鉄含有率 [% (m/m)] 
 

A1: 分取した試料溶液中の鉄検出量 (g) 

A2: 分取した空試験液中の鉄検出量 (g) 

m: 試料はかり取り量 (g) 

B: 試料溶液及び空試験溶液の分取量 (ml) 

4.8 

許容差 許容差は,表2による。 

表2 許容差 

単位 % (m/m) 

室内再現許容差 

室間再現許容差 

2.8×[0.008 3×(鉄含有率)+0.001 0] 2.8×[0.023 3×(鉄含有率)+0.000 8] 

5. 原子吸光法 

5.1 

要旨 試料を塩酸とふっ化水素酸とで分解する。硝酸を加えてチタンなどを酸化し,ほう酸を加え

た後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。 

5.2 

試薬 試薬は,次による。 

(1) 塩酸 (1+1) 

(2) 硝酸 (1+1) 

(3) ふっ化水素酸 (1+1) 

(4) ほう酸 

(5) チタン 99% (m/m) 以上で鉄含有率ができるだけ低く,既知であるもの(2)。 

(6) 標準鉄溶液 (50μgFe/ml) 4.2(9)による。 

注(2) 鉄含有率は,4.の方法によって求める。 

5.3 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,0.50gとし,1mgのけたまではかる。 

5.4 

操作 

5.4.1 

試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。 

(1) 試料をはかり取って,ポリエチレンビーカー (200ml) に移し入れる。 

(2) 塩酸 (1+1) 10ml及びふっ化水素酸 (1+1) 5ml(1)を加え,ポリエチレン時計皿で覆い,水浴上で穏や

かに加熱して分解する。硝酸 (1+1) 3mlを滴加し,引き続き加熱して窒素酸化物を追い出した後,ポ

リエチレン時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。ほう酸3gを加え,よくかき混ぜて溶解した

後,常温まで冷却する。 

(3) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める(3)。 

注(3) 試料中の鉄含有率が0.1% (m/m) 以上の場合には,鉄含有率に応じて表3に規定された量を100ml

の全量フラスコに分取し,表3に規定された量の塩酸 (1+1) を加え,水で標線まで薄める。 

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表3 鉄含有率と分取量 

鉄含有率 

% (m/m) 

分取量 

ml 

塩酸 (1+1) 添加量 

ml 

0.1以上 0.5未満 

20.0 

0.5以上 2.0以下 

5.0 

9.5 

5.4.2 

吸光度の測定 5.4.1(3)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空

気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長248.3nmにおける吸光度を測定する。 

5.5 

空試験 空試験は,次のいずれかによる。 

(1) 5.4.1(3)で分取をしない場合 5.6.1の検量線の作成操作において得られる標準鉄溶液を添加しない溶

液の吸光度を,空試験溶液の吸光度とする。 

(2) 5.4.1(3)で分取をする場合 5.6.2の検量線の作成操作において得られる標準鉄溶液を添加しない溶液

の吸光度を,空試験溶液の吸光度とする。 

5.6 

検量線の作成 検量線の作成は,次のいずれかによる。 

5.6.1 

5.4.1(3)で分取をしない場合 

(1) チタン [5.2(5)] を0.50gずつ数個はかり取り,それぞれをポリエチレンビーカー (200ml) に移し入れ

る。 

(2) 5.4.1(2)に従って操作した後,100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れる。 

(3) これらの溶液に,標準鉄溶液 [5.2(6)] 0〜10.0ml(鉄として0〜500μg)を段階的に加え,水で標線まで

薄める。 

(4) これらの溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中

に噴霧し,波長248.3nmにおける吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と標準鉄溶液として加

えた鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

5.6.2 

5.4.1(3)で分取をする場合 

(1) チタン [5.2(5)] 0.50gをはかり取り,ポリエチレンビーカー (200ml) に移し入れる。 

(2) 5.4.1の(2)及び(3)の手順に従って操作する。 

(3) この溶液から,試料の分取量と同一量を数個の100mlの全量フラスコに分取し,分取量に応じて表3

に規定された量の塩酸 (1+1) を加える。以下,5.6.1の(3)及び(4)の手順に従って操作する。 

5.7 

計算 計算は,次のいずれかによる。 

(1) 5.4.1(3)で分取をしなかった場合 5.4.2及び5.5(1)で得た吸光度と5.6.1で作成した検量線とから鉄量

を求め,試料中の鉄含有率を次の式によって算出する。 

100

)

(

Fe

3

2

1

×

m

A

A

A

ここに, Fe: 試料中の鉄含有率 [% (m/m)] 
 

A1: 試料溶液中の鉄検出量 (g) 

A2: 空試験溶液中の鉄検出量 (g) 

A3: チタン [5.2(5)] 0.50g中に含まれる鉄量 (g) 

m: 試料はかり取り量 (g) 

(2) 5.4.1(3)で分取をした場合 5.4.2及び5.5(2)で得た吸光度と5.6.2で作成した検量線とから鉄量を求め,

試料中の鉄含有率を次の式によって算出する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

100

100

Fe

3

5

4

×

×

×

B

m

B

A

A

A

ここに, Fe: 試料中の鉄含有率 [% (m/m)] 
 

A4: 分取した試料溶液中の鉄検出量 (g) 

A5: 分取した空試験溶液中の鉄検出量 (g) 

A3: チタン [5.2(5)] 0.50g中に含まれる鉄量 (g) 

m: 試料はかり取り量 (g) 

B: 試料溶液及び空試験溶液の分取量 (ml) 

5.8 

許容差 許容差は,表4による。 

表4 許容差 

単位 % (m/m) 

室内再現許容差 

室間再現許容差 

2.8×[0.014 0×(鉄含有率)+0.000 3] 2.8×[0.024 4×(鉄含有率)+0.000 4] 

6. 誘導結合プラズマ発光分光法 

6.1 

要旨 試料を硝酸とふっ化水素酸又は硫酸とふっ化水素酸とで分解した後,溶液を誘導結合プラズ

マ(以下,ICPとしいう)発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。 

6.2 

試薬 試薬は,次による。 

(1) 塩酸 (1+1) 

(2) 硝酸 (1+1) 

(3) ふっ化水素酸 (1+1) 

(4) 硫酸 (1+1) 

(5) チタン 5.2(5)による。 

(6) コバルト溶液 (1mgCo/ml)  コバルト[99.5% (m/m) 以上]1.00gをはかり取ってビーカー (300ml) に

移し入れ,硝酸 (1+1) 40mlを加え,時計皿で覆い加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿

の下面を水で洗って時計皿を取り除く。この溶液を1 000mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,

水で標線まで薄める。 

(7) イットリウム溶液 (1mgY/ml)  酸化イットリウム (III) [99.5% (m/m) 以上]1.27gをはかり取ってビ

ーカー (300ml) に移し入れ,塩酸 (1+1) 20mlを加え,時計皿で覆い加熱して分解する。常温まで冷

却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。この溶液を1 000mlの全量フラスコに水を

用いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

(8) ランタン溶液 (1mgLa/ml)  酸化ランタン (III) [99.5% (m/m) 以上]1.17gをはかり取ってビーカー 

(300ml) に移し入れ,塩酸 (1+1) 20mlを加え,時計皿で覆い加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。この溶液を1 000mlの全量フラスコに水を用いて移し

入れ,水で標線まで薄める。 

(9) 標準鉄溶液 (500μgFe/ml)  4.2(9)の原液 (500μgFe/ml) を標準鉄溶液とする。 

6.3 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,0.50gとし,1mgのけたまではかる。 

6.4 

操作 

6.4.1 

試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかによる。 

H 1614-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 硝酸・ふっ化水素酸分解 

(a) 試料をはかり取って,ポリエチレンビーカー (200ml) に移し入れる。 

(b) 硝酸 (1+1) 50ml及びふっ化水素酸 (1+1) 10ml(1)を加え,ポリエチレン時計皿で覆い,水浴上で穏

やかに加熱して分解し,引き続き加熱して窒素酸化物を追い出す。常温まで冷却した後,ポリエチ

レン時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除く。 

(c) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れた後(4)水で標線まで薄め,直ちに溶液を乾いた

共栓付きのポリエチレン瓶又は四ふっ化エチレン(以下,PTFEという)瓶に移し入れる。 

(2) 硫酸・ふっ化水素酸分解 

(a) 試料をはかり取って,PTFEビーカー (200ml) に移し入れる。 

(b) 硫酸 (1+1) 20ml及びふっ化水素酸 (1+1) 4ml(1)を加え,PTFE時計皿で覆い,加熱して分解する(5)。

硝酸 (1+1) 4mlを滴加して数分間加熱した後,PTFE時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,

穏やかに加熱して濃縮し,少しずつ温度を上げて硫酸の白煙を5分間発生させる(6)。室温まで放冷

した後,少量の水でPTFEビーカーの内壁を洗浄し,よくかき混ぜた後,再び加熱して硫酸の白煙

を2〜3分間発生させる(6)。室温まで放冷した後,塩酸 (1+1) 20ml及び少量の水を加えて塩類を溶

解し,常温まで冷却する。 

(c) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ(4)(7),水で標線まで薄める。 

注(4) 発光強度の測定を6.4.2(2)で行う場合は,内標準溶液としてコバルト溶液 [6.2(6)] 5.0mlを加える。 

(5) 試料が分解しない場合は,ふっ化水素酸 (1+1) を追加して分解する。 

(6) 残存する硫酸量は,発光強度に影響を与えるので白煙の発生状態に注意する。残存する硫酸量

が一定とならないときは,発光強度の測定を6.4.2(2)で行わなければならない。 

(7) 発光強度の測定を6.4.2(2)で行う場合には,注(4)を適用してコバルト溶液 [6.2(6)] を加える代わ

りに,内標準としてイットリウム溶液5.0ml又はランタン溶液5.0mlを加えてもよい。 

6.4.2 

発光強度の測定 発光強度の測定は,次のいずれかによる。 

(1) 強度法 6.4.1(1)(c)又は(2)(c)で得た溶液の一部をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,

波長238.20nm又は259.94nmにおける鉄の発光強度を測定する。 

(2) 強度比法 6.4.1(1)(c)又は(2)(c)で得た溶液の一部をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,

波長238.20nm又は259.94nmにおける鉄の発光強度及び228.62nmにおけるコバルトの発光強度(8)を

同時に測定し,鉄の発光強度とコバルトの発光強度との比を求める(9)。 

注(8) 注(7)を適用した場合には,コバルトの発光強度を測定する代わりに,波長371.03nmにおけるイ

ットリウムの発光強度又は波長398.85nmにおけるランタンの発光強度を鉄の発光強度と同時に

測定する。 

(9) 注(8)を適用した場合には,鉄の発光強度とイットリウム又はランタンの発光強度との比を求め

る。 

6.5 

空試験 空試験は,次のいずれかによる。 

(1) 試料溶液の調製を6.4.1(1)によって行う場合 6.6(1)の検量線作成操作において得られる標準鉄溶液を

添加しない溶液の発光強度又は発光強度比を,空試験溶液の発光強度又は発光強度比とする。 

(2) 試料溶液の調製を6.4.1(2)によって行う場合 6.6(2)の検量線作成操作において得られる標準鉄溶液を

添加しない溶液の発光強度又は発光強度比を,空試験溶液の発光強度又は発光強度比とする。 

6.6 

検量線の作成 検量線の作成は,次のいずれかによる。 

(1) 試料溶液の調製を6.4.1(1)によって行う場合 チタン [6.2(5)] を0.50gずつ数個はかり取り,それぞれ

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H 1614-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ポリエチレンビーカー (200ml) に移し入れ,6.4.1(1)(b)に従って操作した後,標準鉄溶液 [6.2(9)] 0〜

30. 0ml(鉄として0〜15mg)を段階的に加える(10)。以下,6.4.1(1)(c)及び6.4.2の手順に従って試料と

同じ操作を試料と並行して行い,得た発光強度又は発光強度比と標準鉄溶液として加えた鉄量との関

係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

(2) 試料溶液の調製を6.4.1(2)によって行う場合チタン [6.2(5)] を0.50gずつ数個はかり取り,それぞれ

PTFEビーカー (200ml) に移し入れ,6.4.1(2)(b)に従って操作した後,標準鉄溶液 [6.2(9)] 0〜30.0ml

(鉄として0〜15mg)を段階的に加える(10)。以下,6.4.1(2)(c)及び6.4.2の手順に従って試料と同じ操

作を試料と並行して行い,得た発光強度又は発光強度比と標準鉄溶液として加えた鉄量との関係線を

作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

注(10) 注(4)又は(7)を適用した場合には,試料を溶液に加えたものと同じ内標準の溶液5.0mlを加える。 

6.7 

計算 計算は,次のいずれかによる。 

(1) 発光強度の測定を6.4.2(1)で行った場合 6.4.2(1)及び6.5(1)で得た発光強度と6.6(1)で作成した検量線

とから鉄量を求め,試料中の鉄含有率を次の式によって算出する。 

100

)

(

Fe

3

2

1

×

m

A

A

A

ここに, Fe: 試料中の鉄含有率 [% (m/m)] 
 

A1: 試料溶液中の鉄検出量 (g) 

A2: 空試験溶液中の鉄検出量 (g) 

A3: チタン [6.2(5)] 0.50g中に含まれる鉄量 (g) 

m: 試料はかり取り量 (g) 

(2) 発光強度の測定を6.4.2(2)で行った場合 6.4.2(2)及び6.5(2)で得た発光強度比と6.6(2)で作成した検量

線とから鉄量を求め,試料中の鉄含有率を6.7(1)の式によって算出する。 

6.8 

許容差 許容差は,表5による。 

表5 許容差 

単位 % (m/m) 

鉄含有率 

室内再現許容差 

室間再現許容差 

0.01 以上 0.1未満 

0.002 

0.005 

0.1 以上 3.0未満 

2.8×[0.027 8×(鉄含有率)−0.002 0] 2.8×[0.019 5×(鉄含有率)+0.000 2] 

7. 蛍光X線分析法 

7.1 

要旨 試料に一次X線を照射して元素を励起し,発生する鉄の蛍光X線を分光結晶で分光して検出

器に導き,その強度を測定する。 

7.2 

装置 

7.2.1 

装置の構成 装置の構成は,JIS K 0119の4.1(装置の構成)による。 

7.2.2 

装置の概要 装置の概要は,JIS K 0119の4.2(1)(波長分散方式)による。 

7.2.3 

X線発生部 X線発生部は,JIS K 0119の4.3(1)(波長分散方式)による。 

7.2.4 

分光・検出部 分光・検出部は,JIS K 0119の4.4(1)(波長分散方式)による。 

7.2.5 

計数・記録部 計数・記録部は,JIS K 0119の4.5(1)(波長分散方式)による。 

7.2.6 

データ処理部 データ処理部は,JIS K 0119の4.6(データ処理部)による。 

7.2.7 

冷却装置 冷却装置は,JIS K 0119の4.9(冷却装置)による。 

7.3 

試料の調製方法 

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H 1614-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.3.1 

分析試料の調製 分析試料の調製は,JIS H 1610及びJIS K 0119の6.2(1)(塊状,板状試料)によ

る。ただし,X線照射面の仕上げは,研磨又は旋盤切削による。研磨による場合には,JIS R 6251又はJIS 

R 6252の研磨材の粒度が60番以上のものを用い,旋盤切削による場合には,JIS B 0601の6.3S(仕上げ

記号で

)以上に仕上げる。 

7.3.2 

検量用試料の調製 検量用試料の調製は,JIS K 0119の6.3(1)による。ただし,3.(4)の適用範囲に

わたる4個以上の鉄含有率既知の試料を用いる(11)。 

また,X線照射面の仕上げは,7.3.1による。 

注(11) 鉄含有率既知の試料がない場合には,4., 5.又は6.の方法によって鉄含有率を求める。 

7.4 

操作 

7.4.1 

測定準備 測定準備は,JIS K 0119の7.(1)(1.1)(波長分散方式)による。ただし,X線通路は真空

とし,分析線はFe Kα,波長0.193 7nmの一次線を用い,分光結晶は,ふっ化リチウムを用いる。 

7.4.2 

蛍光X線強度の測定 7.4.1により準備された測定条件に従って,検量用試料及び分析試料の蛍光

X線強度を測定する。 

7.4.3 

検量線の作成 検量線の作成は,JIS K 0119の9.(1)(1.1)(検量線法)による。 

7.5 

計算 7.4.2で得た蛍光X線強度と7.4.3で作成した検量線とから試料中の鉄含有率を求める。 

7.6 

許容差 許容差は,表6による。 

表6 許容差 

単位 % (m/m) 

室内再現許容差 

室間再現許容差 

2.8×[0.001 88×(鉄含有率)+0.000 70] 2.8×[0.0172×(鉄含有率)+0.000 15] 

H 1614-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS原案調査作成委員会 構成表(五十音順) 

氏名 

所属 

(委員長) 

多 田 格 三 

フジ化学研究所 

赤 崎 勝 彦 

住友金属工業株式会社 

石 橋 耀 一 

日本鋼管株式会社 

稲 本   勇 

新日本製鉄株式会社 

大河内 春 乃 

科学技術庁金属材料技術研究所 

小 熊 幸 一 

千葉大学 

金 築 四 郎 

住友シチックス株式会社 

河 村 恒 夫 

株式会社神戸製鋼所・株式会社コベルコ科研 

北 岡 一 泰 

社団法人日本チタン協会 

高 木 譲 一 

通商産業省工業技術院 

(小委員長) 

中 村   靖 

株式会社ジャパンエナジー 

服 部 兆 隆 

東邦チタニウム株式会社 

藤 貫   正 

財団法人日本分析化学会 

松 木 由 一 

昭和電工株式会社・昭和タイタニウム株式会社 

横 溝   耿 

三菱マテリアル株式会社 

(事務局) 

伊 藤   均 

社団法人日本チタン協会 

小委員会 構成表(五十音順) 

氏名 

所属 

(小委員長) 

中 村   靖 

株式会社ジャパンエナジー 

赤 崎 勝 彦 

住友金属工業株式会社 

石 橋 耀 一 

日本鋼管株式会社 

稲 本   勇 

新日本製鉄株式会社 

金 築 四 郎 

住友シチックス株式会社 

河 村 恒 夫 

株式会社神戸製鋼所・株式会社コベルコ科研 

小 林 義 男 

株式会社ジャパンエナジー 

阪 本   博 

昭和電工株式会社 

西 尾 正 浩 

住友軽金属工業株式会社 

服 部 兆 隆 

東邦チタニウム株式会社 

松 木 由 一 

昭和電工株式会社・昭和タイタニウム株式会社 

山 本 寿 美 

古河電気工業株式会社 

横 溝   耿 

三菱マテリアル株式会社 

(事務局) 

北 岡 一 泰 

社団法人日本チタン協会 

伊 藤   均 

社団法人日本チタン協会