H 1365:2003
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本アル
ミニウム協会(JAA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき
との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS H 1365 : 1973は改正され,この規格に置き換えられる。
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目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 一般事項 ························································································································ 1
4. 定量方法の区分 ··············································································································· 1
5. カルミン酸吸光光度法 ······································································································ 1
5.1 要旨 ···························································································································· 1
5.2 試薬 ···························································································································· 1
5.3 試料はかり取り量 ·········································································································· 2
5.4 操作 ···························································································································· 2
6. 2-エチル-1, 3-ヘキサンジオール抽出分離クルクミン吸光光度法 ················································ 3
6.1 要旨 ···························································································································· 3
6.2 試薬 ···························································································································· 3
6.3 試料はかり取り量 ·········································································································· 4
6.4 操作 ···························································································································· 4
7. 2-エチル-1, 3-ヘキサンジオール抽出分離ICP発光分析法 ························································· 5
7.1 要旨 ···························································································································· 5
7.2 試薬 ···························································································································· 5
7.3 試料はかり取り量 ·········································································································· 6
7.4 操作 ···························································································································· 6
8. ICP発光分析法 ··············································································································· 7
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日本工業規格 JIS
H 1365:2003
アルミニウム及びアルミニウム合金中の
ほう素定量方法
Methods for determination of boron in aluminium and alminium alloys
1. 適用範囲 この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金中のほう素定量方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS H 1307 アルミニウム及びアルミニウム合金の誘導結合プラズマ発光分光分析方法
JIS H 1351 アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則
3. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1351による。
4. 定量方法の区分 ほう素の定量方法は,次のいずれかによる。
a) カルミン酸吸光光度法 この方法は,ほう素含有率0.01 % (m/m) 以上0.07 % (m/m) 以下の試料に
適用する。
b) 2-エチル-1, 3-ヘキサンジオール抽出分離クルクミン吸光光度法 この方法は,ほう素含有率0.000 5 %
(m/m) 以上0.01 % (m/m) 以下の試料に適用する。
c) 2-エチル-1, 3-ヘキサンジオール抽出分離ICP発光分析法 この方法は,ほう素含有率0.001 % (m/m)
以上0.01 % (m/m) 以下の試料に適用する。
d) ICP発光分析法 この方法は,ほう素含有率0.01 % (m/m) 以上0.25 % (m/m) 以下の試料に適用す
る。
5. カルミン酸吸光光度法
5.1
要旨 試料を水酸化ナトリウムと過酸化ナトリウムとで分解した後,硫酸を加えて酸性とする。溶
液の一部を分取し,カルミン酸を加えてほう素を呈色させ,吸光度を測定する。
5.2
試薬 試薬は,次による。
a) 硫酸 (1+1)
b) 水酸化ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム10gを水100 mlに溶解する。
c) 水酸化ナトリウム洗浄液 水酸化ナトリウム1gを水100 mlに溶解する。
d) 高純度アルミニウム 純度99.9 % (m/m) 以上で,ほう素含有率が0.000 1 % (m/m) 以下,チタン含
有率が0.001 % (m/m) 以下のもの。
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e) 過酸化ナトリウム
f)
カルミン酸溶液 カルミン酸0.02 gを硫酸100 mlに溶解する。使用の都度,必要量を調製する。
g) 標準ほう素溶液(0.250 mgB/ml) ほう酸1.425 gを水に溶解し,1 000 mlの全量フラスコに移し入れ,
水で標線まで希釈する。
5.3
試料はかり取り量 試料はかり取り量は,2.00 gとし,1 mgのけたまではかる。
5.4
操作
5.4.1
試料溶液の調製 試料溶液の調製は,試料中のチタン含有率に応じて,次のいずれかの手順によっ
て行う。
5.4.1.1 チタン含有率0.002 5 % (m/m) 以上の場合
a) 試料をはかり取って,ニッケル製又はポリ四ふっ化エチレン(以下,PTFEという。)製ビーカー(容
量200〜300 ml)に移し入れる。
b) 水酸化ナトリウム溶液[5.2 b)]25 mlを加え,ニッケル製又はPTFE製の時計皿で覆い分解する。反
応が静まった後,過酸化ナトリウム1.5 gを加え,過酸化ナトリウムが分解するまで加熱する。さらに,
過酸化ナトリウム1.5 gの添加と加熱操作とを同様にして2回繰り返す。時計皿の下面及びビーカー内
壁を少量の水で洗浄した後,加熱して過酸化ナトリウムを分解する(1)。
c) 約100 mlの水を加えて全量を約150 mlとする。加熱して2〜3分間煮沸した後,沸騰しない程度の温
度で約30分間静置する。流水中で室温まで冷却した後,時計皿の下面を少量の水で洗浄し,取り除く。
4種ろ紙とプラスチック製漏斗を用いて溶液をろ過する。ビーカー内壁とろ紙上の沈殿物とを少量の
水酸化ナトリウム洗浄液[5.2 c)]で4〜5回洗浄し,ろ液と洗浄液は合わせてニッケル製又はPTFE
製ビーカーに受ける。沈殿物は捨てる。溶液の入ったビーカーを熱板上で加熱して濃縮し,液量を約
40 mlとする。
d) 流水中で室温まで冷却した後,溶液を振り混ぜながら,硫酸 (1+1) 30 mlを少量ずつ加える。先の試
料分解操作で使用したビーカーに硫酸 (1+1) 10 mlを加えて洗浄し主液に合わせる。さらに,少量の
水で洗浄し同様に主液に合わせる。主液を加熱して透明溶液とする。流水中で常温まで冷却後,100 ml
の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで希釈する。
注(1) 過酸化ナトリウムが残存するとチタンの除去が不完全となるので,過酸化ナトリウムの分解時
に発生する微小な気泡が認められなくなるまで加熱を続ける。
5.4.1.2 チタン含有率0.002 5 % (m/m) 未満の場合
a) 試料をはかり取って,ニッケル製又はPTFE製ビーカー(容量200〜300 ml)に移し入れる。
b) 5.4.1.1 b) と同様に操作して試料を分解する。
c) 流水中で室温まで冷却した後,溶液を振り混ぜながら,硫酸 (1+1) 40 mlを少量ずつ加える。溶液を
加熱して透明溶液とする。流水中で常温まで冷却後,100 ml全量フラスコに移し入れ,水で標線まで
希釈する。
5.4.2
呈色 呈色は,次の手順によって行う。
a) 乾燥した25 ml全量フラスコに5.4.1.1 d) 又は5.4.1.2 c) で得た溶液2 mlを正確に分取する。カルミン
酸溶液 [5.2 f)] 20 mlを正確に加えてよく振り混ぜて呈色させる。
b) 栓をして約40分間放置する。
5.4.3
吸光度の測定 5.4.2 b) で得た呈色液の一部を光度計の吸収セル(10 mm)に取り,対照液を対照
として波長585 nm付近の吸光度を測定する。
5.4.4
対照液 検量線のほう素無添加の溶液を対照液とする。5.4.6に従って調製する。
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5.4.5
空試験 空試験は行わない。対照液を対照として吸光度測定することで代替する。この場合,対照
液の調製に使用した高純度アルミニウムに含有されるほう素量の分だけ分析結果に負誤差を与えることに
なる。ただし,ほう素含有率0.000 1 % (m/m) 以下の高純度アルミニウムを使用することになっているの
で無視してもよい。
5.4.6
検量線の作成 高純度アルミニウム[5.2 d)]2.00 gずつをはかり取り,5個のニッケル製又は
PTFE製ビーカー(容量200〜300 ml)に移し入れる。標準ほう素溶液[5.2 g)]を0 ml, 2.0 ml, 4.0 ml, 6.0 ml
及び 8.0 ml(ほう素量として0〜2 mg)加える。以下,5.4.1.2 b),c)及び5.4.2〜5.4.3に従って操作し,得
た吸光度と添加したほう素量の100分の2の量との関係線を作成して検量線とする。
5.4.7
計算 5.4.3で得た吸光度と5.4.6で作成した検量線からほう素量を求め,試料中のほう素含有率を,
次の式によって算出する。
100
100
2
×
×
=
m
A
B
ここに,
B: 試料中のほう素含有率[%(m/m)]
A: 分取した試料溶液中のほう素量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
6. 2-エチル-1, 3-ヘキサンジオール抽出分離クルクミン吸光光度法
6.1
要旨 試料を塩酸と硝酸とで分解した後,遊離塩酸濃度を約2mol/Lに調整する。2-エチル-1, 3-ヘキ
サンジオール・トルエン溶液を加えてほう素を抽出した後,トルエンを蒸発させる。残分を酢酸で溶解後,
一定量とし,一部を分取する。クルクミン溶液及び酢酸・硫酸混合液を加えて呈色させ,エタノール・水
混合液で希釈後,吸光度を測定する。
6.2
試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸(6 mol/L,2 mol/L) 市販の超高純度塩酸又は水に無水塩化水素ガス(純度99 %以上)を飽和
するまで吸収させて調製した高純度塩酸(約12 mol/L)を使用して調製する。
参考 ガラス瓶入りの塩酸は高い空試験値を与える場合がある。
b) 硝酸
c) 高純度アルミニウム 純度99.9 % (m/m) 以上で,ほう素含有率が0.000 1 % (m/m) 以下のもの。
d) 三塩化アルミニウム六水和物 試薬特級三塩化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)で,その4.5 g
中に含有されるほう素量が0.5 μg以下のもの。
e) 酢酸
f)
酢酸・硫酸混合液 酢酸100 mlと硫酸100 mlとを混合する。
g) クルクミン溶液 ほう素定量用又は植物性クルクミン0.2 g を酢酸100 mlに溶解する。使用の都度調
製する。
h) エタノール・水混合液 エタノール(95 %以上)150 mlと水50 mlとを混合する。
i)
抽出液 2-エチル-1, 3-ヘキサンジオール4 mlをトルエン100 mlに溶解する。
j)
標準ほう素溶液(5 μgB/ml) ほう酸0.572 gを水に溶解して1 000 mlの全量フラスコに移し入れ,水
で標線まで希釈して混合し,ほう素100 μg/mlの濃度とする。使用に際しては必要量だけ正確に20倍
に希釈してほう素5 μg/mlの溶液を調製する。
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6.3
試料はかり取り量 試料はかり取り量は,試料中のほう素含有率に応じて,表1に従い,1 mgのけ
たまではかる。
表 1 試料はかり取り量
ほう素含有率
% (m/m)
試料はかり取り量
g
0.000 5以上 0.005未満
0.50
0.005 以上 0.01 以下
0.30
6.4
操作
6.4.1
試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取って,石英製又はPTFE製ビーカー(容量300 ml)に移し入れる。
b) 石英製又はPTFE製時計皿で覆い,塩酸(6 mol/L)[6.2 a)]15 mlを加えて加熱する。反応が静かにな
った後,硝酸2 mlを加え,加熱して試料を完全に分解する(2)。
c) 塩酸(6 mol/L)[6.2 a)]10 mlを加え,時計皿とビーカー内壁を少量の水で洗浄する。流水中で室温
まで冷却した後,時計皿を取り除く。少量の水で分液漏斗に洗い移し,水で液量を約50 mlとする。
注(2) 未分解のけい素などの残さが認められた場合,時計皿の下面を少量の水で洗浄して取り除いた
後,5種Bろ紙を用いて溶液をろ過し,ビーカー内壁及び残さとろ紙を少量の水で5〜6回洗浄
する。ろ液と洗液とは石英製又はPTFE製ビーカーに合わせて受け,液量が約30 mlとなるまで
加熱して濃縮する。残さは捨てる。
6.4.2
錯体の抽出分離 錯体の抽出分離は,次の手順によって行う。
a) 6.4.1 c)の試料溶液の入った分液漏斗に抽出液[6.2 i)]40 mlを加えて15分間激しく振り混ぜる。静置
して2層に分離後,水相(下層)を別の分液漏斗に移す。抽出液40 mlを加えて再度15分間激しく振
り混ぜる。静置して2層に分離後,水相を捨てる。有機相を先の1回目抽出の有機相が入っている分
液漏斗に移し合わせる。
b) 塩酸(2 mol/L)[6.2 a)]20 mlを加えて1分間激しく振り混ぜる。2層に分離後,水相を捨てる。有機
相を石英製ビーカー(容量100 ml)に移し,熱板上又は沸騰水浴上で穏やかに加熱してトルエンを蒸
発させる(3)。
c) 少量の酢酸でビーカー中の残分を溶解した後,乾燥した25 ml全量フラスコに酢酸で洗い移し,標線
まで希釈する。
注(3) 送風しながら加熱してトルエンを蒸発させるとよい。トルエンがほとんど蒸発した後,残液中
に泡状に見えるものがある場合は水が残っていることを示しており,これが消失するまで加熱
を続ける。ビーカーはPTFE製を使用してもよいが, 水分の残存が判別しにくいので,できるだ
け石英製ビーカーの使用が望ましい。
参考 必要以上に加熱を続けると,酢酸で溶解した際に溶液が白濁し,分析結果に負誤差を与えるこ
とがある。
6.4.3
呈色 呈色は,次の手順によって行う。
a) 6.4.2 c)で得た溶液から正確に2 mlを乾燥した石英製又はPTFE製ビーカー(容量50〜100 ml)に分取
する。クルクミン溶液[6.2 g)]2 mlを正確に加えた後,内容物を緩やかに振り混ぜながら酢酸・硫酸
混合液[6.2 f)]3 mlを加える。時計皿で覆い,25〜30 ℃に調節された恒温水槽中に20分間浸せきす
る。
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b) 時計皿を取り除き,エタノール・水混合液[6.2 h)]を加えて内容物を希釈した後,50 ml全量フラス
コにエタノール・水混合液[6.2 h)]で洗い移し,標線まで希釈する。
6.4.4
吸光度の測定 6.4.3 b)で得た呈色液の一部を光度計の吸収セル(10 mm)に取り,6.4.5で調製し
た対照液を対照として,545 nm付近における吸光度を測定する。
6.4.5
対照液 6.4.3の呈色操作において,試料溶液2 mlを分取するのに代えて,酢酸2 mlを取る。その
他は試料と同様に操作して対照液を調製する。
6.4.6
空試験 石英製又はPTFE製ビーカー(容量300 ml)に試料分解で使用したときと同量の塩酸(6
mol/L)[6.2 a)]を加え,時計皿で覆ったまま加熱して溶液がおよそ10 mlとなるまで濃縮する。硝酸2 ml
を加えた後,6.4.1 c)〜6.4.4の操作を試料と並行して行い,吸光度を測定する。
6.4.7
検量線の作成 三塩化アルミニウム六水和物[6.2 d)]4.5 gずつをはかり取り,5個の石英製又は
PTFE製ビーカー(容量300 ml)に移し入れる。約10 mlの水を加えて三塩化アルミニウムを溶解する。塩
酸(6 mol/L)[6.2 a)]5 mlと硝酸2 mlを加えた後,標準ほう素溶液[6.2 j)]を0 ml,2.0 ml,4.0 ml,6.0 ml
及び8.0 ml(ほう素として0〜40 μg)添加する。以後,6.4.1 c)〜6.4.4に従い吸光度を測定する。ほう素無
添加のものの吸光度をそれぞれの吸光度から差し引き,その吸光度とほう素添加量の25分の2の量との関
係線を作成して検量線とする。
なお,三塩化アルミニウム六水和物の代わりに,高純度アルミニウム[6.2 c)]を使用してもよい。その
場合は,高純度アルミニウム0.5 gずつをはかり取り,5個の石英製又はPTFE製ビーカー(容量300 ml)
に移し入れる。6.4.1 b) に従ってアルミニウムを分解した後,標準ほう素溶液[6.2 j)]の添加操作から三
塩化アルミニウム使用の場合と同様に行って検量線を作成する。
6.4.8
計算 6.4.4で得られた試料溶液の吸光度及び6.4.6の空試験の吸光度に相当するほう素量を6.4.7
で作成した検量線から求める。試料中のほう素含有率を,次の式によって算出する。
100
25
2
2
1
×
×
−
=
m
A
A
B
ここに,
B: 試料中のほう素含有率[% (m/m)]
A1: 分取した試料溶液中のほう素量 (g)
A2: 分取した空試験溶液中のほう素量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
7. 2-エチル-1, 3-ヘキサンジオール抽出分離ICP発光分析法
7.1
要旨 試料を塩酸と硝酸とで分解した後,遊離塩酸濃度を約2 mol/Lに調整する。2-エチル-1,3-ヘキ
サンジオール・トルエン溶液を加えてほう素を抽出した後,トルエンを蒸発させる。残分を酢酸で溶解し,
一定量とする。この溶液をICP発光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,ほう素の発光強度を測定す
る。
7.2
試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸(6 mol/L,2 mol/L) 6.2 a)による。
b) 硝酸
c) 高純度アルミニウム 6.2 c) による。
d) 三塩化アルミニウム六水和物 6.2 d) による。
e) 酢酸
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f)
抽出液 6.2 i) による。
g) 標準ほう素溶液(10 μgB/ml) ほう酸0.572 gを水に溶解して1 000 mlの全量フラスコに移し入れ,
水で標線まで希釈して混合する。この溶液は,ほう素100 μg/mlの濃度とする。使用に際しては,必
要量だけ正確に10倍に希釈してほう素10 μg/mlの溶液を調製して使用する。
7.3
試料はかり取り量 試料はかり取り量は,1.00 gとし,1 mgのけたまではかる。
7.4
操作
7.4.1
試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取り,石英製又はPTFE製ビーカー(容量300 ml)に移し入れる。
b) 石英製又はPTFE製の時計皿で覆い,塩酸(6 mol/L)[7.2 a)]30 mlを加えて加熱する。反応が静かに
なった後,硝酸2 mlを加え,加熱して試料を完全に分解する(2)。
c) 塩酸(6 mol/L)[7.2 a)]10 mlを加え,時計皿とビーカー内壁とを少量の水で洗浄する。流水中で室
温まで冷却した後,時計皿を取り除く。少量の水で分液漏斗に洗い移し,水で液量を約50 mlとする。
7.4.2
錯体の抽出分離 錯体の抽出分離は,次の手順によって行う。
a) 7.4.1 c) の試料溶液の入った分液漏斗に抽出液[7.2 f)]40 mlを加えて15分間激しく振り混ぜる。静
置して2層に分離後,水相(下層)を別の分液漏斗に移す。抽出液[7.2 f)]40 mlを加えて再度15分
間激しく振り混ぜる。静置して2層に分離後,水相を捨てる。有機相を先の1回目の有機相の入って
いる分液漏斗に移し合わせる。
b) 塩酸(2 mol/L)[7.2 a)]20 mlを加えて1分間激しく振り混ぜる。2層に分離後,水相(下層)を捨て
る。有機相を石英製ビーカー(容量100 ml)に移し,熱板上又は沸騰水浴上で穏やかに加熱してトル
エンを蒸発させる(3)。
c) 少量の酢酸でビーカー中の残分を溶解した後,乾燥した25 ml全量フラスコに酢酸で洗い移し,標線
まで希釈する。
7.4.3
発光強度の測定 7.4.2 c)で得た溶液の一部をICP発光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,
249.678 nm又は249.773 nmの波長におけるほう素の発光強度を測定する。
7.4.4
空試験 石英製又はPTFE製ビーカー(容量300 ml)に試料分解で使用したのと同量の塩酸(6 mol/L)
を加え,時計皿で覆ったまま加熱して,溶液がおよそ10 mlとなるまで濃縮する。硝酸2 mlを加えた後,
7.4.1 c)〜7.4.3の操作を試料と並行して行い,発光強度を測定する。
7.4.5
検量線の作成 三塩化アルミニウム六水和物[7.2 d)]9.0 gずつをはかり取り,4個の石英製又は
PTFE製ビーカー(容量300 ml)に移し入れる。約10 mlの水を加えて三塩化アルミニウムを溶解する。塩
酸(6 mol/L)[7.2 a)]5 mlと硝酸2 mlとを加えた後,標準ほう素溶液[7.2 g)]を0 ml,5.0 ml,10.0 ml
及び15.0 ml(ほう素として0〜150 μg)添加する。以後,7.4.1 c)〜7.4.3の操作を試料と並行して行い,ほ
う素の発光強度を測定する。ほう素無添加のものの発光強度をそれぞれの発光強度から差し引き,その強
度とほう素添加量との関係線を作成して検量線とする。
なお,三塩化アルミニウム六水和物の代わりに,高純度アルミニウム[7.2 c)]を使用してもよい。その
場合は,高純度アルミニウム1.00 gずつをはかり取り,4個の石英製又はPTFE製ビーカー(容量300 ml)
に移し入れる。7.4.1 b)に従ってアルミニウムを分解した後,標準ほう素溶液[7.2 g)]の添加操作から三塩
化アルミニウム使用の場合と同様に行って検量線を作成する。
7.4.6
計算 7.4.3で得られた発光強度から7.4.4で得た空試験の発光強度を差し引き,その強度に相当す
るほう素量を7.4.5で作成した検量線から読み取る。含有率を次の式によって算出する。
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100
×
=mA
B
ここに,
B: 試料中のほう素含有率[% (m/m)]
A: 検量線から求めたほう素量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
8. ICP発光分析法 ICP発光分析法は,JIS H 1307の規定による。