2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
H 1360-1997
アルミニウム及びアルミニウム
合金中のニッケル定量方法
Methods for determination of nickel in aluminium and aluminium alloys
序文 この規格は,1977年に第1版として発行された,ISO 3979 (Aluminium and aluminium alloys−
Determination of nickel−Spectrophotometric method using dimethylglyoxime) が対応国際規格としてあるが,
クロロホルムを試薬として使用する方法であるため,環境保全の観点から不採用とした。
なお,対応国際規格がないジメチルグリオキシムニッケル重量法及びジメチルグリオキシム抽出分離ピリ
ジルアゾレゾルシン吸光光度法の二つの定量方法を日本工業規格として規定している。
1. 適用範囲 この規格は,アルミニウム及びアルミニウム合金中のニッケル定量方法について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS H 1351 アルミニウム及びアルミニウム合金の分析方法通則
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 3979 : 1977 Aluminium and aluminium alloys−Determination of nickel−Spectrophotometric
method using dimethylglyoxime
2. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1351による。
3. 定量方法の区分 ニッケルの定量方法は,次のいずれかによる。
(1) ジメチルグリオキシムニッケル重量法 この方法は,ニッケル含有率0.1% (m/m) 以上3% (m/m) 以下
の試料に適用する。
(2) ジメチルグリオキシム抽出分離ピリジルアゾレゾルシン吸光光度法 この方法は,ニッケル含有率
0.001% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の試料に適用する。
4. ジメチルグリオキシムニッケル重量法
4.1
要旨 試料を水酸化ナトリウムで,又は塩酸と硝酸とで分解する硫酸酸性とした後,アルミニウム
板を投入して煮沸し,銅などを還元して析出させ,ろ別する。溶液に酒石酸を加えた後,弱アルカリ性と
し,ジメチルグリオキシムを加えてジメチルグリオキシムニッケルの沈殿を生成させ,こし分けた後,乾
燥してその質量をはかる。
4.2
試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+1,1+2)
(2) 硝酸
2
H 1360-1997
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(3) 硝酸 (1+1)
(4) ふっ化水素酸
(5) 硫酸 (1+1)
(6) アンモニア水 (1+1)
(7) 水酸化ナトリウム溶液 水酸化ナトリウム20gを水100mlに溶解してポリエチレン瓶に保存し,その
上澄み液を使用する。
(8) チオ硫酸ナトリウム溶液(飽和,約450g/l)
(9) アルミニウム板[99.99% (m/m) 以上]
(10) 酒石酸溶液 酒石酸25gを水60mlに溶解し,ろ過した後,硝酸 (1+1) 2mlを加え,水で液量を100ml
とする。
(11) ジメチルグリオキシム溶液 ジメチルグリオキシム1gをエタノール (95) 100mlに溶解する。
4.3
試料はかり取り量 試料はかり取り量は,ニッケル含有率に応じ,表1に従って,1mgのけたまで
はかる。
表1 試料はかり取り量
ニッケル含有率
% (m/m)
試料はかり取り量
g
0.1以上0.5未満
3.0
0.5以上3以下
1.0
4.4
操作
4.4.1
試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
(1) けい素含有率が1% (m/m) 未満の試料
(a) 試料をはかり取って,ビーカー (500ml) に移し入れる。
(b) 時計皿で覆い,試料1gについて水酸化ナトリウム溶液15mlを少量ずつ加えて分解する。反応が穏
やかになったら,加熱して試料を完全に分解する。
(c) 時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗浄した後,温水約150mlを加えてかき混ぜ,しば
らく静置して沈殿を沈降させる時計皿を取り除き,沈殿をろ紙(5種B)を用いてこし分け,温水
で洗浄する。
(d) ろ紙上の沈殿を水で元のビーカーに洗い落とし,なるべく少量の塩酸 (1+1) と硝酸 (1+1) とを用
いて溶解した後,硫酸 (1+1) 10mlを加え,加熱して硫酸の白煙を2〜3分間発生させる。放冷した
後,水100〜150mlを加え,加熱して塩類を溶解する。
(2) けい素含有率が1% (m/m) 以上の試料
(a) 試料をはかり取って,ビーカー (500ml) に移し入れる。
(b) 時計皿で覆い,試料1gについて塩酸 (1+1) 20mlを少量ずつ加えて分解する。反応が穏やかになっ
たら,硝酸5mlを加えて煮沸し,銅などを溶解する。
(c) 時計皿の下面及びビーカーの内壁を少量の水で洗浄して時計皿を取り除き,ろ紙(5種B)を用い
て不溶性けい素などをろ別し,沈殿及びろ紙を温水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー
(500ml) に合わせ,硫酸 (1+1) 20mlを加え,加熱して硫酸の白煙を2〜3分間発生させる。
(d) 放冷した後,水100〜150mlを加え,加熱して塩類を溶解する。溶液をろ紙(5種A)を用いてろ別
し,沈殿及びろ紙を水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー (500ml) に合わせて主液とし,
液量が100〜150mlになるまで加熱して濃縮する。
3
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(e) 不溶性けい素などの残さは,ろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,加熱して乾燥した後,
強熱してろ紙を灰化する。放冷した後,硝酸5ml,硫酸 (1+1) 1m1及びふっ化水素酸5mlを加え,
加熱して硫酸の白煙を1〜2分間発生させる。放冷した後,溶液を(d)で保存しておいた主液の入っ
たビーカーに水を用いて移し入れる。
4.4.2
銅などの分離 銅などの分離は,次の手順によって行う。
(1) 4.4.1で得た溶液に,U字型に折り曲げたアルミニウム板(1)を入れ,時計皿で覆い,約1時間穏やかに
煮沸して(2)銅などを還元析出させる(3)。
(2) 溶液をろ紙(5種A)を用いてろ過し,沈殿及びろ紙を水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液はビーカ
ー (500ml) に合わせ,水で液量を約200mlとする。必要ならば加熱して濃縮する。
注(1) アルミニウム板は,通常厚さ約1.5mm,幅約25mm,長さ50〜80mmのものを用い,ニッケルを
含まないものとする。
(2) 煮沸中に液量が減少したときは熱水を加えて液量を100〜150mlとする。
(3) 試料溶液の調製を4.4.1(1)によって行った場合には,銅などの分離操作は4.4.2(1)及び(2)の手順
による代わりに,次の手順によって行う。溶液を加熱濃縮して液量を約20mlとし,チオ硫酸ナ
トリウム溶液を試料中の銅量に応じて10〜20mlを少量ずつ加えた後,時計皿で覆い,穏やかに
煮沸を続けて溶液を透明とし,直ちに溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,温水で十分に洗浄
し,ろ液と洗液を合わせる。
4.4.3
沈殿の生成 沈殿の生成は,次の手順によって行う。
(1) 4.4.2(2)で得た溶液に硝酸2〜3mlを加えて煮沸し,鉄などを酸化する。酒石酸溶液 [4.2(10)] を,試料
溶液の調製を4.4.1(1)によって行った場合には試料1gについて10ml,試料溶液の調製を4.4.1(2)によ
って行った場合は試料1gについて25mlを加える。
(2) アンモニア水 (1+1) を滴加して弱アルカリ性とし(4),水で液量を約300mlとする。1〜2分間煮沸し
てアンモニア臭がなくなったら熱源からおろし,ジメチルグリオキシム溶液 [4.2(11)] を溶液中のニ
ッケルの予想含有量0.01gにつき,10mlの割合で試料溶液をかき混ぜながら少量ずつ加え,ジメチル
グリオキシムニッケルを沈殿させ,約1時間静置する(5)。
注(4) pH試験紙で弱アルカリ性であることを確認する。
(5) ニッケル含有量が少ないときは,1夜静置する。
4.4.4
ひょう量 ひょう量は,次の手順によって行う。
(1) 4.4.3(2)で得た沈殿を,あらかじめ115±5℃で乾燥して恒量としたガラスろ過器 (G3) を用いてろ過し,
水で十分に洗浄する。
(2) ガラスろ過器と沈殿を115±5℃で約1時間乾燥し,デシケーター中で常温まで放冷した後,その質量
をはかる。恒量となるまでこの操作を繰り返す。
4.5
空試験 空試験は,行わない。
4.6
計算 試料中のニッケル含有率を,次の式によって算出する。
100
2
203
.0
)
(
2
1
×
×
−
m
m
m
Ni=
ここに, Ni: 試料中のニッケル含有率 [% (m/m)]
m1: 4.4.4(2)で得た質量 (g)
m2: ガラスろ過器の質量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
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5. ジメチルグリオキシム抽出分離ピリジルアゾレゾルシン吸光光度法
5.1
要旨 試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,くえん酸を加え,アンモニア水でpH9.0とする。ジメ
チルグリオキシムを加え,アニリンとトルエンとの混合溶媒でニッケル錯体を抽出し,塩酸で生成するジ
メチルグリオキシムニッケル錯体を逆抽出する。ピリジルアゾレゾルシンを加え,pH9.5に調節してピリ
ジルアゾレゾルシンニッケル錯体を生成させ,マスキング剤としてエチレンジアミン四酢酸二水素二ナト
リウム(以下,EDTA2Naという。)を加えた後,光度計を用いてその吸光度を測定する。
5.2
試薬 試薬は,次による。
(1) 塩酸 (1+1,1+5)
(2) 硝酸
(3) ふっ化水素酸
(4) 硫酸 (1+1)
(5) 混酸(塩酸1,硝酸1,水2)
(6) アンモニア水
(7) 塩化アンモニウム溶液 (250g/l)
(8) 洗浄液 酢酸アンモニウム125gを500mlの水に溶解し,塩酸とアンモニア水とでpH90±0.2に調節
する。
(9) 緩衝液 四ほう酸ナトリウム十水和物2gを100mlの水に溶解し,塩酸と水酸化ナトリウム溶液 (50g/l)
とでpH9.5±0.2に調節する。
(10) くえん酸溶液 くえん酸一水和物50gを水に溶解し,水で液量を100mlとする。
(11) ジメチルグリオキシム溶液 4.2(11)による。
(12) ピリジルアゾレゾルシン溶液 ピリジルアゾレゾルシン0.1gを水酸化ナトリウム溶液 (0.25mol/l) 4ml
に溶解し,水で液量を100mlとする。調製後1週間以内のものを使用する。
(13) EDTA2Na溶液 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物1gを100mlの水に溶解する。
(14) 混合溶媒 アニリン4.0mlとトルエン96mlとを混合する。
(15) 標準ニッケル溶液 (5μg/ml) ニッケル[99.95% (m/m) 以上]0.100gをはかり取ってビーカー (300ml)
に移し入れ,時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 20mlを加えて分解し,加熱して窒素酸化物を追い出す。常
温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。溶液を1 000ml
の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (100μgNi/ml) とする。この原液を
使用の都度,必要量だけ水で正しく20倍に薄めて標準ニッケル溶液とする。
5.3
試料はかり取り量 試料はかり取り量は,ニッケル含有率に応じ,表2に従って,1mgのけたまで
はかる。
表2 試料はかり取り量
ニッケル含有率
% (m/m)
試料はかり取り量
g
0.001 以上0.1 未満
0.50
0.1
以上0.5 以下
0.20
5.4
操作
5.4.1
試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
(1) ニッケル含有率が0.001% (m/m) 以上0.0l% (m/m) 未満の場合
(a) 試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れる。
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(b) 時計皿で覆い,混酸15mlを加え,加熱して試料を分解する。完全に分解した後,流水中で常温ま
で冷却する。時計皿の下面とビーカーの内壁を水で洗浄して時計皿を取り除く(6)。
(c) 溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,沈殿及びろ紙を温水で洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー
(300ml) に受け,液量が約50mlになるまで加熱して濃縮し,主液として保存する。
(d) 不溶解物をろ紙とともに白金るつぼ(30番)に移し入れ,加熱してろ紙を完全に灰化する。放冷し
た後,硝酸5mlを加え,ふっ化水素酸3mlを少量ずつ加えて不溶解物を完全に分解する。硫酸 (1
+1) 4,5滴を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。放冷した後,少量の水で塩類を溶解する。
溶液を(c)で保存しておいた主液の入ったビーカーに水を用いて移し入れる。
注(6) けい素などの不溶解物が認められないときには,次の(c)及び(d)の操作は行わない。
(2) ニッケル含有率が0.0l% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の場合
(a) (1)の(a)〜(d)の手順に従って操作する。
(b) 常温まで冷却した後,溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
溶液をニッケル含有率に応じ,表3に従ってビーカー (300ml) に分取する。
表3 分取量
ニッケル含有率
% (m/m)
分取量
ml
0.01 以上0.05 未満
20.0
0.05 以上0.1 未満
10.0
0.1 以上0.5 以下
5.0
5.4.2
ニッケルの抽出分離 ニッケルの抽出分離は,次の手順によって行う。
(1) 5.4.1(1)の(b)若しくは(d)又は5.4.1(2)(b)で得た溶液に,くえん酸溶液 [5.2(10)] 10ml及び塩化アンモニ
ウム溶液 [5.2(7)] 10mlを加え,水で液量を約50mlとする。
(2) pH計を用いてアンモニア水と塩酸 (1+5) でpHを9.0±0.2に調節する。調節中に発熱するようであ
れば,おおよそ調節し,流水中で常温まで冷却した後,正しく調節する。
(3) 溶液を分液漏斗 (200ml) に水を用いて移し入れ,水で液量を90〜100mlとする。ジメチルグリオキシ
ム溶液 [5.2(11)] 3mlを加え,約5分間放置する。
(4) 混合溶媒 [5.2(14)] 20mlを加え,約5分間激しく振り混ぜる。しばらく静置して2相に分離後,水相
(下層)を別の分液漏斗に移し入れ,ジメチルグリオキシム溶液 [5.2(11)] 1mlと混合溶媒 [5.2(14)]
20mlを加え,約5分間激しく振り混ぜる。静置して2相に分離後,水相(下層)を捨てる(7)。2回目
の抽出を行った有機相を1回目の有機相が入っている分液漏斗に移し入れて合わせる。
(5) 有機相に洗浄液 [5.2(8)] 20mlを加えて約30秒間激しく振り混ぜた後,静置し2相に分離した後,水
相(下層)を捨てる(7)。洗浄液10mlを分液漏斗の内壁を洗うようにして加え,水相(下層)を捨て
た後(7),分液漏斗の脚部内側を水で洗浄する。
(6) 有機相に塩酸 (1+5) 10mlを加え,約3分間激しく振り混ぜる。静置して2相に分離後,水相(下層)
をビーカー (200ml) に移し入れる。この操作をもう一度繰り返し,水相(下層)を先の水相が入って
いるビーカーに移し入れる。水20mlを分液漏斗の内壁を洗うようにして加え,その水相(下層)も
水相が入っているビーカーに移し入れる。
注(7) ニッケル以外の金属元素の混入を防ぐため,水相をできるだけ分離して捨てる。
5.4.3
呈色 呈色は,次の手順によって行う。
(1) 5.4.2(6)で得た水相に,ピリジルアゾレゾルシン溶液 [5.2(12)] を1.0ml加える。
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(2) pH計を用いてアンモニア水と塩酸 (1+5) でpH9.5±0.2に調節し,緩衝液 [5.2(9)] 5mlを加える。
(3) 加熱して約30秒間煮沸した後,流水中で常温まで冷却する。溶液を100mlの全量フラスコに水を用
いて移し入れ,水で液量を約90mlとする。
5.4.4
対照液の調製 対照液の調製は,次の手順によって行う。
(1) 塩酸 (1+5) 5ml及び水30mlをビーカー (200ml) に取り,ピリジルアゾレゾルシン溶液 [5.2(12)] 1.0ml
を加える。
(2) 5.4.3の(2)及び(3)の手順に従って操作した後,EDTA2Na溶液 [5.2(13)] 1mlを加え,水で標線まで薄め
る。
5.4.5
吸光度の測定 吸光度の測定は,次の手順によって1試料ずつ行う。
(1) 5.4.3(3)で得た溶液にEDTA2Na溶液 [5.2(13)] 1mlを加え,水で標線まで薄める。
(2) EDTA2Na溶液添加後2分間放置したら,直ちに(8)溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取り,
5.4.4で調製した対照液を対照として,波長495nm付近の吸光度を測定する。
注(8) EDTA2Na溶液添加後は,吸光度に経時変化が認められるので,添加から吸光度測定までの放置
時間は正しく2分間とする。
なお,対照液については,この放置時間は考慮しなくてよい。
5.5
空試験 試料を用いないで試料と同じ操作を試料と並行して行う。
5.6
検量線の作成 4個のビーカー (200ml) に混酸を5mlずつ取り,標準ニッケル溶液 [5.2(15)] 0〜
12.0ml(ニッケルとして0〜60μg)を段階的に加えた後,くえん酸溶液 [5.2(10)] 10ml及び塩化アンモニウ
ム溶液 [5.2(7)] 10mlを加え,水で液量を50mlとする。以下,5.4.2(2)〜5.4.3及び5.4.5の手順に従って試
料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度とニッケル量との関係線を作成し,その関係線を原点を
通るように平行移動して検量線とする。
5.7
計算 計算は,次のいずれかによる。
(1) 試料溶液の調製を5.4.1(1)によって行った場合 5.4.5(2)で得た吸光度から5.5で得た吸光度を差し引い
て得られる吸光度と,5.6で作成した検量線とからニッケル量を求め,試料中のニッケル含有率を次の
式によって算出する。
100
×
m
A
Ni=
ここに, Ni: 試料中のニッケル含有率 [% (m/m)]
A: 試料溶液中のニッケル検出量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
(2) 試料溶液の調製を5.4.1(2)によって行った場合 5.4.5(2)で得た吸光度から5.5で得た吸光度を差し引い
て得られる吸光度と,5.6で作成した検量線とからニッケル量を求め,試料中のニッケル含有率を次の
式によって算出する。
100
100×
×B
m
A
Ni=
ここに,
Ni: 試料中のニッケル含有率 [% (m/m)]
A: 分取した試料溶液中のニッケル検出量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
B: 試料溶液及び空試験液の分取量 (ml)
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JIS改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
畦 上 尚
株式会社日軽分析センター
藤 沼 弘
東洋大学工学部
村 上 徹 朗
工学院大学
俣 野 宣 久
川崎製線株式会社
大河内 春 乃
科学技術庁金属材料技術研究所
後 藤 敬 一
通商産業省基礎産業局
天 野 徹
工業技術院標準部
久留須 一 彦
古河電気工業株式会社
井 川 洋 志
昭和電工株式会社
小 島 盛 昭
株式会社フジクラ
水 砂 博 文
住友電気工業株式会社
山 田 哲 夫
株式会社神戸製鋼所
松 原 道 夫
セイコー電子工業株式会社
船 渡 好 人
株式会社島津製作所
中 田 滋
古河電気工業株式会社
佐 藤 豊
東洋アルミニウム株式会社
北 村 照 夫
昭和アルミニウム株式会社
荻 島 淳
三菱アルミニウム株式会社
川 口 修
スカイアルミニウム株式会社
西 尾 正 浩
住友軽金属工業株式会社
坂 巻 博
日本軽金属株式会社
蠏 庄 作
社団法人軽金属協会
(事務局)
井 波 隆 夫
社団法人軽金属協会