1
H
1
3
5
3
:
1
9
9
9
解
説
解説表2 JISと対応する国際規格との対比表
JIS H 1353 : 1999 アルミニウム及びアルミニウム
合金中の鉄定量方法
ISO 793 : 1973 アルミニウム及びアルミニウム合金−鉄の定量方法−オルトフェナントロリン吸光光度法
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との一致
が困難な理由と今後の
対策
(1) 適用範囲
○ アルミニウム及びアルミニ
ウム合金中の鉄定量方法
ISO 793
○ アルミニウム及びアルミニウム
合金中の鉄定量方法
≡
(2) 引用規格
○ JIS H 1351及びJIS K 8005を
引用
−
−
(3) 一般事項
○ 共通な一般事項を分析方法
通則などを引用し規定
− ISOには規定なし。
−
(4) 定量方法の
区分
○ 水酸化鉄沈殿分離過マンガ
ン酸カリウム滴定法
− ISOには規定なし。
−
○ スルホサリチル酸吸光光度
法
− ISOには規定なし。
−
○ 1,10−フェナントロリン吸
光光度法
ISO 793
○ オルトフェナントロリン吸光光
度法
= 名称が異なるが,同一試薬で
あり,JISが正式名称。
(5) 水酸化鉄沈
殿分離過マ
ンガン酸カ
リウム滴定
法
○ 定量操作,鉄含有率の算出式
を規定
−
−
(6) スルホサリ
チル酸吸光
光度法
○ 定量操作,鉄含有率の算出式
を規定
−
−
(7) 1,10フェナ
ントロリン
吸光光度法
○
ISO 793
○
=
a) 試薬
○ 塩酸
○ 塩酸
= JISは試料を分解しやすいよ
うに過酸化水素を加えてい
る違いはあるが,技術的な差
異とはならない。
○ 過酸化水素
−
−
2
H
1
3
5
3
:
1
9
9
9
解
説
解説表2 JISと対応する国際規格との対比表(続き)
対比項目
規定項目
(I) JISの規定内容
(II) 国際規格番
号
(III) 国際規格の規定内容
(IV) JISと国際規格との相違点
(V) JISと国際規格との整合
が困難な理由と今後の対
策
○ 標準鉄溶液
○ 標準鉄溶液
= JISには,ISOの酸化鉄から
作成する方法も選択できる
よう注記したが,ばらつきの
少ない純鉄を使用するほう
がよい。
b) 試料はかり
取り量
○ 含有率0.002% (m/m) 以上
0.5% (m/m) 未満の場合
1.00g,0.5% (m/m) 以上
2.5% (m/m) 以下の場合
0.40gを採取する。
○ 含有率0.05% (m/m) 以下2.5%
(m/m) 以下で0.5g採取する。
= 定量下限は,JISの方が広い。
JISは含有率によって試料採
取量を変えている。ISOは分
取量を変えて対応している
ので,技術的な差とはならな
い。
c) 操作
試料溶液の
調製
○ 酸分解後けい素の沈殿が認
められた場合は,ろ過して灰
化後硝酸とふっ化水素で分
解する。
○ けい素含有率の高い試料は白金
容器に入れて水酸化ナトリウム
で分解する。
≠ いずれも操作中に不溶解物
が認められた場合の操作で
あるが,ISOのように水酸化
ナトリウムを用いて分解す
るために白金容器を使用し
なくても,ふっ化水素を使用
すれば十分分解できる。
JIS法を提案する。
d) 検量線の作
成
○ 数個のフラスコに標準鉄溶
液を段階的に加え作成する。
○ 標準鉄溶液を指定濃度で作成す
る。
≠ 技術的に差異はないが,JIS
の方が簡便である。
ヨーロッパの主要国でも
ISO法をそのまま採用して
いないため,簡便なJIS法を
提案する。
備考1. 対比項目(I)及び(III)の小欄で,“○”は該当する項目を規定している場合,“−”は規定していない場合を示す。
2. 対比項目(IV)の小欄の記号の意味は,次による。
“≡”:JISと国際規格との技術的内容は同等である。
“=”:JISと国際規格との技術的内容は同等である。ただし,軽微な技術上の差異がある。
“≠”:JISは,国際規格と技術的内容が同等でない。ただし,“ADP”に該当する場合を除く。
“−”:該当項目がない場合。