H 1338 : 1999
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格であるこれによってJIS H 1338 : 1993は改正され,この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
H 1338 : 1999
マグネシウム及びマグネシウム
合金中の鉄定量方法
Methods for determination of iron in magnesium and magnesium alloys
序文 この規格は,1973年に第1版として発行されたISO 792, Magnesium and magnesium alloys−
Determination of iron−Orthophenanthroline photometric methodを元に,対応する部分については技術的内容
を変更することなく作成した日本工業規格である。この規格の4.(定量方法の区分)のうち,二つの定量
方法は,対応国際規格に規定されていない方法であるが,日本工業規格として追加している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,マグネシウム及びマグネシウム合金中の鉄定量方法について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 792 : 1973 Magnesium and magnesium alloys−Determination of iron−Orthophenanthroline
photometric method
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS H 1331 マグネシウム合金分析方法の通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
3. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1331及びJIS K 0121の規定による。
4. 定量方法の区分 鉄の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 1, 10−フェナントロリン吸光光度法 この方法は,鉄含有率0.002% (m/m) 以上0.05% (m/m) 以下の
試料に適用する。ただし,ジルコニウムを含有する試料には適用しない。
b) 塩化物抽出分離1, 10-フェナントロリン吸光光度法 この方法は,鉄含有率0.000 5% (m/m) 以上0.05%
(m/m) 以下の試料に適用する。
c) ジエチルジチオカルバミン酸・ピロリジンジチオカルバミン酸抽出原子吸光法 この方法は,鉄含有
率0.001% (m/m) 以上0.08% (m/m) 以下の試料に適用する。
5. 1, 10-フェナントロリン吸光光度法
5.1
要旨 試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,塩化ヒドロキシルアンモニウムを加えて鉄を還元する。
pHを調節した後1, 10-フェナントロリンを加えて呈色させ,光度計を用いてその吸光度を測定する。
2
H 1338 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2
試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸 (1+1)
b) 過酸化水素
c) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (10g/l)
d) 酢酸ナトリウム溶液 酢酸ナトリウム三水和物272gを水500mlで溶解し,酢酸240mlを加え,水で
液量を1 000mlとする。
e) 1, 10-フェナントロリン溶液 (10g/l) 1, 10-フェナントロリン溶液の調製は,次のいずれかによる。
1) 1, 10-フェナントロリン一水和物10gをエタノール (95) で溶解し,エタノール (95) で液量を1
000mlとする。
2) 塩化1, 10-フェナントロリニウム一水和物10gに水を加え,加熱して溶解する。常温まで冷却した
後,水で液量を1 000mlとする。
f)
標準鉄溶液 (20μgFe/ml) 鉄[99.9% (m/m) 以上]0.100gをはかり取ってビーカー (200ml) に移し入
れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 30ml及び過酸化水素1mlを加え,加熱して分解する。常温まで冷却
した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。溶液を1 000mlの全量
フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (100μgFe/ml) とする。この原液を使用の
都度,必要量だけ,水で正確に5倍に薄めて標準鉄溶液とする。
5.3
試料はかり取り量 試料はかり取り量は,試料中の鉄含有率に応じて表1に従って,1mgのけたま
ではかる。
表1 試料はかり取り量及び塩酸 (1+1) 添加量
試料中の鉄含有率
% (m/m)
試料はかり取り量
g
塩酸 (1+1) 添加量
ml
0.002以上0.01未満
1.00
15
0.01 以上0.05以下
0.50
7.5
5.4
操作
5.4.1
試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れ,水約10mlを加える。
b) 時計皿で覆い,試料はかり取り量に応じて,表1に規定した量の塩酸 (1+1) を少量ずつ加えて分解
する。反応が穏やかになったら過酸化水素1mlを加え,加熱して試料を完全に分解し,加熱を続けて
過剰の過酸化水素を分解する。
c) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く(1)。
注(1) 不溶解物が認められる場合には,溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,少量の温水で数回洗浄
し,ろ液と洗液とを合わせる。液量が50mlを超えた場合は,50ml以下になるまで加熱して濃縮
する。不溶解物は捨てる。
5.4.2
呈色 呈色は,次の手順によって行う。
a) 5.4.1c)で得た溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で液量を約60mlとする。
b) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液4mlを加えて振り混ぜた後,酢酸ナトリウム溶液 [5.2d)] 15mlを
加える。
試料の種類及び亜鉛含有率に応じて,表2に規定した量の1, 10-フェナントロリン溶液 [5.2e)] を加
えた後,水で標線まで薄め,約30分間放置する。
3
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表2 1,10-フェナントロリン溶液添加量
試料の種類
試料中の亜鉛含有率
% (m/m)
1, 10−フェナントロリン溶
液 [5.2e)] の添加量
ml
マグネシウム地金
−
3
マグネシウム合金
2未満
6
マグネシウム合金
2以上
12
5.4.3
吸光度の測定 5.4.2b)で得た溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取り,水を対照液として,
波長510nm付近の吸光度を測定する。
5.5
空試験 試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。
5.6
検量線の作成 数個の100mlの全量フラスコに,標準鉄溶液 [5.2f)] 0〜25.0ml(鉄として0〜500μg)
を段階的に取り,水で液量を約60mlとする。以下,5.4.2b)及び5.4.3の手順に従って,試料と同じ操作を
試料と並行して行い,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動し
て検量線とする。
5.7
計算 5.4.3及び5.5で得た吸光度と,5.6で作成した検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,
次の式によって算出する。
100
2
1
×
−
=
m
A
A
Fe
ここに,
Fe: 試料中の鉄含有率 [% (m/m)]
A1: 試料溶液中の鉄検出量 (g)
A2: 空試験液中の鉄検出量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
6. 塩化物抽出分離1, 10-フェナントロリン吸光光度法
6.1
要旨 試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,塩酸を加えてその濃度を調節した後,4-メチル-2-ペン
タノンで鉄の塩化物錯体を抽出する。有機相の鉄を水で逆抽出し,塩化ヒドロキシルアンモニウムを加え
て鉄 (III) を鉄 (II) に還元する。pHを調節した後,1, 10-フェナントロリンを加えて呈色させ,光度計を
用いてその吸光度を測定する。
6.2
試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸 (3+1,2+1,1+1)
b) 過酸化水素
c) 塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (10g/l)
d) 酢酸ナトリウム溶液 酢酸ナトリウム三水和物544gを,水500mlで溶解し,水で液量を1 000mlとす
る。
e) 1, 10-フェナントロリン溶液 5.2e)による。
f)
4-メチル-2-ペンタノン
g) 標準鉄溶液 (20μgFe/ml) 5.2f)の原液を塩酸 (2+1) で正確に5倍に薄めて標準鉄溶液とする。
6.3
試料はかり取り量 試料はかり取り量は1.50gとし,1mgのけたまではかる。
6.4
操作
6.4.1
試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。
a) 試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れ,水約10mlを加える。
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 時計皿で覆い,塩酸 (3+1) 20mlを少量ずつ加えて試料を分解する。反応が穏やかになったら過酸化
水素1mlを加え,加熱して試料を完全に分解し,更に10分間煮沸して過剰の過酸化水素を分解する。
c) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を塩酸 (2+1) で洗浄し,時計皿を取り除く(2)。
注(2) 不溶解物が認められた場合には,溶液をろ紙(5種B)を用いてろ過し,少量の温水で数回洗浄
し,ろ液と洗液とを合わせる。液量が20ml以下になるまで加熱して濃縮する。不溶解物は捨て
る。
6.4.2
鉄の抽出分離 鉄の抽出分離は,次の手順によって行う。
a) 6.4.1c)で得た溶液を分液漏斗 (100ml) に塩酸 (2+1) を用いて移し入れ,塩酸 (2+1) で液量を約60ml
とする。
b) 4-メチル-2-ペンタノン20mlを加え,約1分間激しく振り混ぜ,静置して二層に分離した後,水相(下
層)を捨てる。
c) 有機相に水15mlを加え,約1分間激しく振り混ぜ,静置して二層に分離した後,水相(下層)をビ
ーカー (100ml) に移し入れて主液とする。さらに,有機相に水10mlを加え,約1分間激しく振り混
ぜ,静置して二層に分離した後,水相(下層)を主液に合わせる。
6.4.3
呈色 呈色は,次の手順によって行う。
a) 6.4.2c)で得た溶液に,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液2mlを加えて振り混ぜた後,酢酸ナトリウ
ム溶液 [6.2d)] 5mlを加え,塩酸 (1+1) を用いてpHを3.4〜4.1に調節し,1, 10-フェナントロリン溶
液 [6.2e)] 5mlを加えて振り混ぜる。
b) 溶液を50mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めた後,約30分間放置する。
6.4.4
吸光度の測定 6.4.3b)で得た溶液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取り,水を対照液として
波長510nm付近の吸光度を測定する。
6.5
空試験 空試験は,次の手順によって行う。
a) 塩酸 (3+1) 20mlと過酸化水素1mlとをビーカー (200ml) に取り,時計皿で覆い,溶液の液量が約5ml
になるまで加熱して濃縮する。
b) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を塩酸 (2+1) で洗浄し,時計皿を取り除く。
c) 溶液を分液漏斗に塩酸 (2+1) を用いて移し入れ,塩酸 (2+1) で液量を約60mlとする。以下,6.4.2b)
〜6.4.4の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行う。
6.6
検量線の作成 あらかじめ塩酸 (2+1) 40mlを入れた分液漏斗 (100ml) に標準鉄溶液 [6.2g)] 0〜
10.0ml(鉄として0〜200μg)を段階的に加え,塩酸 (2+1) で液量を約60mlとする。以下,6.4.2b)〜6.4.4
の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,この関
係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
6.7
計算 6.4.4及び6.5で得た吸光度と,6.6で作成した検量線とから鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,
次の式によって算出する。
100
2
1
×
−
=
m
A
A
Fe
ここに,
Fe: 試料中の鉄含有率 [% (m/m)]
A1: 試料溶液中の鉄検出量 (g)
A2: 空試験液中の鉄検出量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
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7. ジエチルジチオカルバミン酸・ピロリジンジチオカルバミン酸抽出原子吸光法
7.1
要旨 試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,酒石酸を加えた後,アンモニア水でpHを調節する。ジ
エチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム(以下,DADDCという。)及びピロリジンジチオカルバ
ミン酸アンモニウム(以下,APDCという。)を加え,生成する鉄の錯体を酢酸ブチルで抽出し,有機相を
原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。
7.2
試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸 (1+1,1+4)
b) アンモニア水
c) 過酸化水素
d) 硫酸ナトリウム(無水)
e) 酒石酸溶液 (400g/l) 鉄を含有しないか,又は鉄含有率が既知の酒石酸を用いる。
f)
DADDC溶液 ジエチルジチオカルバミン酸ジエチルアンモニウム0.5gを水に溶解し,水で液量を
100mlとする。不溶解物があれば,乾いたろ紙(5種A)を用いてろ過してろ液を用いる。溶液は,
褐色瓶に保存する。この溶液は,使用の都度使用する。
g) APDC溶液 ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム0.5gを水に溶解し,水で液量を100mlとす
る。不溶解物があれば,乾いたろ紙(5種A)を用いてろ過してろ液を用いる。溶液は,褐色瓶に保
存する。この溶液は,なるべく新しいものを使用する。
h) 酢酸ブチル
i)
標準鉄溶液 (10μgFe/ml) 5.2f)の原液(100μgFe/ml)を,使用の都度,必要量だけ水で正確に10倍に
薄めて標準鉄溶液とする。
j)
ブロモチモールブルー溶液 ブロモチモールブルー0.1gをエタノール (95) 50mlに溶解し,水で液量
を100mlとする。溶液は褐色瓶に保存する。
7.3
試料はかり取り量 試料はかり取り量は,1.00gとし,1mgのけたまではかる。
7.4
操作
7.4.1
試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 試料中の鉄含有率が0.001% (m/m) 以上0.004% (m/m) 未満の場合
1) 試料をはかり取って,ビーカー (300ml) に移し入れ,水約10mlを加える。
2) 時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 20mlを少量ずつ加えて分解する。反応が穏やかになったら過酸化水素
1mlを加え,加熱して試料を完全に分解し,加熱を続けて過剰の過酸化水素を分解する。
3) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く(1)。
b) 試料中の鉄含有率が0.004% (m/m) 以上0.08% (m/m) 以下の場合
1) a)の1)〜3)の手順に従って操作する。
2) 溶液を200mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
3) この溶液を,試料中の鉄含有率に応じて,表3に従ってビーカー (200ml) に分取する。
表3 分取量
試料中の鉄含有率
% (m/m)
分取量
ml
0.004以上0.015未満
50.0
0.015以上0.03 未満
25.0
0.03 以上 0.08 以下
10.0
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7.4.2
錯体の抽出 錯体の抽出は,次の手順によって行う。
a) 7.4.1のa)3)又はb)3)で得た溶液に酒石酸溶液 [7.2e)] 20mlを加え,水で液量を約80mlとした後,アン
モニア水及び/又は塩酸 (1+4) を用いて溶液のpHを5.6〜6.0に調節する(3)。
b) 溶液を分液漏斗 (200ml) に水を用いて移し入れ,水で液量を約100mlとし,DADDC溶液 [7.2f)] 5ml
及びAPDC溶液 [7.2g)] 5mlを加えて振り混ぜる。
c) 酢酸ブチル20.0mlを加え,3分間激しく振り混ぜる。静置して二層に分離した後,水相(下層)を捨
て,有機相(上層)を硫酸ナトリウム(無水)約1gを入れた共栓付き三角フラスコ (20〜30ml) に移
し入れ,振り混ぜる(4)。
注(3) アンモニア水をゆっくり加えると,生成する酒石酸塩の沈殿が溶けにくくなるので,ブロモチ
モールブルー溶液 [7.2j)] 数滴を指示薬として加え,溶液が青(pH約8)になるまでアンモニア
水を手早く加える。常温まで冷却した後,pH計を用いて塩酸 (1+4) でpHを5.6〜6.0に調節す
るとよい。
(4) 有機相を硫酸ナトリウム(無水)と振り混ぜて脱水する代わりに,分液漏斗の脚部に乾いたろ
紙又は脱脂綿を詰め,それを通すことによって脱水してもよい。
7.4.3
吸光度の測定 7.4.2c)で得た有機相を,酢酸ブチルを用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空
気・アセチレンフレーム中に噴霧し,248.3nmにおける吸光度を測定する。
7.5
空試験 空試験は,次のいずれかの手順によって行う。
a) 7.4.1a)によって試料溶液を調製した場合
1) 塩酸 (1+1) 20ml及び過酸化水素1mlをビーカー (200ml) に取り,時計皿で覆い,溶液の液量が約
5mlになるまで加熱して濃縮する。
2) 7.4.1a)3),7.4.2及び7.4.3の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行う。
b) 7.4.1b)によって試料溶液を調製した場合
1) a)1)の操作を行う。
2) 常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗浄し,時計皿を取り除く。
3) 7.4.1b)2)〜7.4.3の手順に従って,試料と同じ操作を試料と並行して行う。
7.6
検量線の作成 数個のビーカー (200ml) に,標準鉄溶液 [7.2i)] 10〜4.0ml(鉄として0〜40μg)を段
階的に取り,酒石酸溶液 [7.2e)] 20mlを加え,水で液量を約80mlとした後,アンモニア水及び/又は塩酸
(1+4) を用いて溶液のpHを5.6〜6.0に調節する(3)。以下,7.4.2b)〜7.4.3の手順に従って,試料と同じ操
作を試料と並行して行い,得た吸光度と鉄量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移
動して検量線とする。
7.7
計算 計算は,次のいずれかによる。
a) 7.4.1a)によって試料溶液を調製した場合 7.4.3及び7.5a)2)で得た吸光度と,7.6で作成した検量線と
から鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。
100
2
1
×
−
=
m
A
A
Fe
ここに,
Fe: 試料中の鉄含有率 [% (m/m)]
A1: 試料溶液中の鉄検出量 (g)
A2: 空試験液中の鉄検出量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
7
H 1338 : 1999
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 7.4.1b)によって試料溶液を調製した場合 7.4.3及び7.5b)3)で得た吸光度と,7.6で作成した検量線と
から鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。
100
200
2
1
×
×
−
=
B
m
A
A
Fe
ここに,
Fe: 試料中の鉄含有率 [% (m/m)]
A1: 分取した試料溶液中の鉄検出量 (g)
A2: 分取した空試験液中の鉄検出量 (g)
m: 試料はかり取り量 (g)
B: 7.4.1b)3)で分取した試料溶液及び空試験液の量 (ml)
JIS改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
藤 沼 弘
東洋大学工学部
村 上 徹 朗
工学院大学
大河内 春 乃
東京理科大学
俣 野 宣 久
川崎製線株式会社
村 山 拓 己
通商産業省基礎産業局非鉄金属課
大 嶋 清 治
工業技術院標準部
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
井 川 洋 志
昭和電工株式会社千葉事業所
久留須 一 彦
古河電気工業株式会社横浜研究所分析技術センター
水 砂 博 文
住友電気工業株式会社研究開発部特性評価センター
坂 本 敏 正
株式会社神戸製鋼所アルミ・銅事業本部
冨 田 百合男
宇部興産株式会社建設資材事業本部
鈴 木 通
中央工産株式会社野田工場
(事務局)
井 波 隆 夫
社団法人軽金属協会技術開発部