1
H
1333 :
19
99
解
説
解説表
3
JIS
と対応する国際規格との対比表
JIS H 1333
: 1999
マグネシウム及びマグネシウム
合金中の亜鉛定量方法
ISO 1783
: 1973
マグネシウム合金中の亜鉛定量方法−滴定法
ISO
4194
: 1981
マグネシウム合金中の亜鉛定量方法−原子吸光法
対比項目
規定項目
(I)
JIS
の規定内容
(II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容
(IV)
JIS
と国際規格との相違点
(V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
(1)
適用範囲
○ マグネシウム及びマグネシ
ウム合金中の亜鉛定量方法
ISO 1783
ISO 4194
○ マグネシウム合金中の亜鉛定量
方法
=
ISO
は合金だけを対象とし
ているが,
JIS
は純マグネシ
ウムも対象とした方法であ
る。
合金だけでなく純マグネシ
ウムも分析対象とする規格
でないと品質の確認保証が
できない。
(2)
引用規格
○
JIS H 1331
及び
JIS K 0121
を
引用
−
−
(3)
一般事項
○ 共通な一般事項を分析方法
通則などを引用し規定
ISO
に は 規 定 な
し
−
(4)
定 量 方 法 の
区分
○ イオン交換分離エチレンジ
アミン四酢酸二水素二ナト
リウム滴定法
ISO 1783
○ イオン交換分離
EDTA
滴定法。
ISO
と
JIS
は定量範囲が異なる
≠
○ ヘキサシアノ鉄
(II)
酸カリウ
ム滴定法
ISO
に は 規 定 な
し
−
○ 原子吸光法(
A
法)
ISO
に は 規 定 な
し
−
純マグネシウム及び合金を
対象
○ 原子吸光法(
B
法)
ISO 4194
○ 原子吸光法
≡
ISO
は合金だけを対象とし
た方法であり,採用した。
(5)
イ オ ン 交 換
分 離 エ チ レ
ン ジ ア ミ ン
四 酢 酸 二 水
素 二 ナ ト リ
ウム滴定法
○
ISO 1783
○
≠
2
H
1333 :
19
99
解
説
解説表
3
JIS
と対応する国際規格との対比表 (続き)
対比項目
規定項目
(I)
JIS
の規定内容
(II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容
(IV)
JIS
と国際規格との相違点
(V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
a)
要旨
○ 試料を塩酸で分解し,強塩基
性イオン交換樹脂に通し亜
鉛を吸着。次に硝酸で亜鉛を
溶離し溶出液に酢酸アンモ
ニウムとアンモニア水を加
え
pH
を調節。
XO
を指示薬
として
EDTA2Na
標準溶液で
滴定する。
○ 試料を塩酸で分解し,過剰の酸を
蒸発させ除く。残さを
2N
塩酸溶
液中にとり強塩基性イオン交換
樹脂に通す。樹脂に吸着された亜
鉛を塩酸溶液で溶離する。ジチゾ
ンを指示薬として
EDTA
標準溶
液で滴定する。
≠ 滴定の指示薬は,
JIS
がキシ
レノールオレンジ
(XO)
を
使用するのに対し,
ISO
はジ
チゾンを使用。
ISO
法は,滴定の指示薬にジ
チゾンを使用しているが,こ
のジチゾンは変色点が見に
くい。
鋭敏さ,滴定の終点の見やす
さは
JIS
の
XO
の方が優れて
いる。
b)
試薬
○ 滴定の指示薬:
XO
溶液
○ 滴定の指示薬:ジチゾンのエタノ
ール溶液
≠ 同上
同上
c)
器具
○ イオン交換カラム
○ イオン交換カラム
≠
JIS
は,寸法などを丁寧に図
示しているのに対し,
ISO
は
直径
40mm
,
高さ約
400mm
と
文言で説明しているだけで
あり,寸法も異なる。
JIS
は効率がよく亜鉛の吸
着,洗浄ができるように設計
したものを分かりやすく図
示している。
ISO
の規定では
分析者がとまどう。
d)
試 料 は か り
取り量
○
JIS
は亜鉛含 有率に応じ て
1.00g
と
0.3g
の
2
段階。
○
4g
を
250mI
とし,亜鉛含有率に
応じ
3
段階に分取。
≠
e)
操作
○ 準備操作
○ イオン交換カラムの準備
≠ 洗浄に使用する酸濃度が異
なる。
ISO
は,煩雑である。
○ 試料の分解
○ 試料溶液の調製
≠
JIS
は試料はかり取りのとき
に
2
段階に分けているが,
ISO
は
4g
を
250ml
とし,亜
鉛含有率に応じ
3
段階に分取
し,イオン交換を行ってい
る。
○ 亜鉛の分離
○ イオン交換
≠ 洗浄,溶離に使用する酸濃
度,酸の種類,使用量が異な
る。
JIS
法は完全に溶離しかつ
迅速である。
3
H
1333 :
19
99
解
説
J
解説表
3
JIS
と対応する国際規格との対比表 (続き)
対比項目
規定項目
(I)
JIS
の規定内容
(II)
国 際 規 格 番
号
(III)
国際規格の規定内容
(IV)
JIS
と国際規格との相違点
(V)
JIS
と国際規格との整合
が困難な理由及び今後の
対策
○ 亜鉛の滴定
○ 滴定
≠
pH
調整について
ISO
はリト
マス試験紙を使用するのに
対し,
JIS
は
pH
計を使用。
また,滴定の指示薬として
ISO
法はジチゾンを使用し,
ISO
法は
XO
を使用。
XO
指示薬の方が鋭敏で,変
色点が見やすい。
○ 空試験
○ 空試験
=
以上,
ISO
法は各国でも採用
しておらず,また,
ISO
に整
合させれば技術的に後退す
るため不採用とし,簡便な
JIS
を提案する。
(6)
ヘ キ サ シ ア
ノ・鉄
(II)
酸
カ リ ウ ム 滴
定法
○ 測定操作,亜鉛含有率の算出
式を規定
−
−
(7)
原子吸光法
(
A
法)
○ 測定操作,亜鉛含有率の算出
式を規定
−
−
(8)
原子吸光法
(
B
法)
○
ISO 4194
○
≡
ISO
を
JIS
の様式に改めた程
度で技術的変更することな
く採用した。
備考
1.
対比項目
(I)
及び
(III)
の小欄で, ○
は該当する項目を規定している場合, −
は規定していない場合を示す。
2.
対比項目
(IV)
の小欄の記号の意味は,次による。
≡ :
JIS
と国際規格との技術的内容は同等である。
= :
JIS
と国際規格との技術的内容は同等である。ただし,軽微な技術上の差異がある。
≠ :
JIS
は,国際規格と技術的内容が同等でない。
− :該当項目がない場合。