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H 1275 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格であるこれによってJIS H 1275 : 1988は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日本

工業規格を基礎にした国際規格の原案の提案を容易にするため,ISO 7524 : 1985, Nickel, ferronickel and 

nickel alloys−Determination of carbon content−Infra-red absorption method after induction furnace combustion 

を規格の一部とした。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許権,実用新案権,又は出願公開後の実

用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について責任をもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 1275 : 1998 

ニッケル及びニッケル合金中の 

炭素定量方法 

Methods for determination of carbon  

in nickel and nickel alloys 

序文 この規格は,対応国際規格であるISO 7524 : 1985, Nickel, ferronickel and nickel alloys−Determination 

of carbon content-infra-red absorption method after induction furnace combustionと技術的内容が一致するように

作成した日本工業規格である。 

なお,対応国際規格がない五つの定量方法を日本工業規格として規定している。 

1. 適用範囲 この規格は,ニッケル及びニッケル合金中の炭素定量について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 7524 : 1985 Nickel, ferronickel and nickel alloys−Determination of carbon content−Infra-red 

absorption method after induction furnace combustion 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS H 1270 ニッケル及びニッケル合金鋳物の分析方法通則 

JIS Z 2615 金属材料の炭素定量方法通則 

3. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1270及びJIS Z 2615の規定による。 

4. 定量方法の区分 炭素の定量方法は,次のいずれかによることとし,各定量方法の適用試料は,表1

による。 

a) 燃焼−硫酸滴定法 この方法は,炭素含有率0.005% (m/m) 以上0.2% (m/m) 以下の試料に適用する。 

b) 燃焼−導電率法 この方法は,炭素含有率0.001% (m/m) 以上2.0% (m/m) 以下の試料に適用する。 

c) 燃焼−電量法 この方法は,炭素含有率0.001% (m/m) 以上2.0% (m/m) 以下の試料に適用する。 

d) 燃焼−熱伝導度法 この方法は,炭素含有率0.001% (m/m) 以上2.0% (m/m) 以下の試料に適用する。 

e) 燃焼−赤外線吸収法(積分法) この方法は,炭素含有率0.001% (m/m) 以上2.0% (m/m) 以下の試料

に適用する。 

f) 

燃焼−赤外線吸収法(循環法) この方法は,炭素含有率0.001% (m/m) 以上2.0% (m/m) 以下の試料

に適用する。 

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H 1275 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 燃焼−硫酸滴定法 

5.1 

要旨 試料を酸素気流中で加熱し,炭素を酸化して二酸化炭素とし,酸素とともに捕集ビュレット

に捕集した後,一定量の水酸化ナトリウム標準溶液中に導いて二酸化炭素を吸収させ,硫酸標準溶液で滴

定する。 

5.2 

試薬 試薬は,JIS Z 2615の6.4.2(試薬)による 

5.3 

装置 装置は,JIS Z 2615の6.4.3(装置)による(1)。 

注(1) 管状電気抵抗炉の代わりに,高周波誘導加熱炉を用いることができる。 

表1 定量方法及び適用試料 

試料 

燃焼− 
硫酸 
滴定法 

燃焼− 
導電率法 

燃焼− 
電量法 

燃焼− 
熱伝導 
度法 

燃焼− 
赤外線 
吸収法 

(積分法) 

燃焼− 
赤外線 
吸収法 

(循環法) 

合金番号 

合金記号 

NW2200 Ni99.0 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW2201 Ni99.0-LC 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NATB 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW4400 NiCu30 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW4402 NiCu30-LC 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW5500 NiCu30A13Ti 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW0001 NiMo30Fe5 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW0665 NiMo28 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW0276 NiMo16Cr15Fe6W4 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW6455 NiCr16Mo16Ti 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW6022 NiCr21Mo13Fe4W3 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW6007 NiCr22Fe20Mo6Cu2Nb 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW6985 NiCr22Fe20Mo7Cu 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

NW6002 NiCr21Fe18Mo9 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

ニッケル鋳物 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

ニッケル銅合金鋳物 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

ニッケルモリブデン合金鋳物 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

ニッケルモリブデンクロム合金鋳物 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

ニッケルクロム鉄合金鋳物 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

5.4 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,通常0.5gとする。 

5.5 

操作 

5.5.1 

予備操作 予備操作は,JIS Z 2615の6.4.4(予備操作)による(2)。ただし,管状電気抵抗炉中央

部での燃焼管内温度を1 400〜1 450℃に保持する。 

注(2) 高周波誘導加熱炉を用いる場合には,JIS Z 2615の6.4(中和滴定法)の備考2.(1)による。 

5.5.2 

定量操作 定量操作は,JIS Z 2615の6.4.5(定量操作)による(3)(4)(5)。 

注(3) 磁器燃焼ボート及び磁器燃焼ボートカバーは,あらかじめ1 400〜1 450℃で2時間以上空焼きし

たものを用いる。 

(4) 助燃剤は,JIS Z 2615の5.(13)(助燃剤)に規定されたものを単独又は2,3種類組み合わせて

用いるあらかじめ,最適な助燃剤の種類とその添加量及び加え方を炭素含有率既知の試料を用

いて調べておく。 

(5) 注(2)を適用した場合には,定量操作は,JIS Z 2615の6.4の備考2.(2)〜(4)の手順によるただし,

高周波磁器燃焼るつぼ及びるつぼのふたは,あらかじめ1 400〜1 450℃で2時間以上空焼きし

H 1275 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

たものを用いる助燃剤は,JIS Z 2615の5.(13)に規定されたものを単独又は2,3種類組み合わ

せて用いるあらかじめ,最適な助燃剤の種類,添加量及び加え方を炭素含有率既知の試料を用

いて調べておく。 

5.6 

空試験 試料に添加したのと同量の助燃剤だけを用いて,5.5.2の操作を行う。 

5.7 

計算 計算は,JIS Z 2615の6.4.7(計算)による 

6. 燃焼−導電率法 

6.1 

要旨 試料を酸素気流中で加熱し,炭素を酸化して二酸化炭素とし,一定量の水酸化ナトリウム溶

液に吸収させ,吸収前後の溶液の導電率の変化を測定する。 

6.2 

試薬 試薬は,JIS Z 2615の6.6.2(試薬)による。 

6.3 

装置 装置は,JIS Z 2615の6.6.3(装置)による。 

6.4 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,通常1.0gとする。 

6.5 

操作 

6.5.1 

予備操作 予備操作は,JIS Z 2615の6.6.4(予備操作)による(3)(4)。ただし,管状電気抵抗炉中央

部での燃焼管内温度を1 400〜1 450℃に保持する。 

6.5.2 

定量操作 定量操作は,JIS Z 2615の6.6.5(定量操作)による(3)(4)。 

6.6 

空試験 試料に添加したのと同量の助燃剤だけを用いて,6.5.2の操作を行う。 

6.7 

計算 計算は,JIS Z 2615の6.6.7(計算)による。 

7. 燃焼−電量法 

7.1 

要旨 試料を酸素気流中で加熱し,炭素を酸化して二酸化炭素とし,一定のpHに設定した弱アルカ

リ性の過塩素酸バリウム溶液に吸収させ,このとき増加した水素イオンを,電気分解によって発生させた

水酸化物イオンで中和し,そのときに要した電気量を測定する。 

7.2 

試薬 試薬は,JIS Z 2615の6.7.2(試薬)による。 

7.3 

装置 装置は,JIS Z 2615の6.7.3(装置)による。 

7.4 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,通常1.0gとする 

7.5 

操作 

7.5.1 

予備操作 予備操作は,JIS Z 2615の6.7.4(予備操作)による(3)(4)。ただし,管状電気抵抗炉中央

部での燃焼管内温度を1 400〜1 450℃に保持する 

7.5.2 

定量操作 定量操作は,JIS Z 2615の6.7.5(定量操作)による(3)(4)。 

7.6 

空試験 試料に添加したのと同量の助燃剤だけを用いて,7.5.2の操作を行う。 

7.7 

計算 計算は,JIS Z 2615の6.7.7(計算)による。 

8. 燃焼−熱伝導度法 

8.1 

要旨 試料を酸素気流中で加熱し,炭素を酸化して二酸化炭素とし,これを合成ゼオライトを入れ

た捕集管に吸収させた後,この捕集管を加熱して脱着放出させた二酸化炭素を酸素とともに熱伝導度検出

器に送り,二酸化炭素による熱伝導度の変化を測定する。 

8.2 

試薬 試薬は,JIS Z 2615の6.8.2(試薬)による。 

8.3 

装置 装置は,JIS Z 2615の6.8.3(装置)による。 

8.4 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,通常1.0gとする。 

H 1275 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.5 

操作 

8.5.1 

予備操作 予備操作は,JIS Z 2615の6.8.4(予備操作)による(4)(6)。 

注(6) 高周波磁器燃焼るつぼ及びるつぼのふたは,1 400〜1 450℃で2時間以上空焼きしたものを用い

る 

8.5.2 

定量操作 定量操作は,JIS Z 2615の6.8.5(定量操作)による(4)(6)。 

8.6 

空試験 試料に添加したのと同量の助燃剤だけを用いて,8.5.2の操作を行う。 

8.7 

計算 計算は,JIS Z 2615の6.8.7(計算)による。 

9. 燃焼−赤外線吸収法(積分法) 

9.1 

要旨 試料を酸素気流中で加熱し,炭素を酸化して二酸化炭素及び一酸化炭素とし,酸素とともに

赤外線吸収検出器に送り,その赤外線吸収量を測定する。 

9.2 

材料 材料は,JIS Z 2615の6.9.2(材料)による。 

9.3 

装置 装置は,JIS Z 2615の5.(6)(b)に規定された高周波誘導加熱炉に,JIS Z 2615の6.9.3(装置)

の(1),(3)及び(4)に規定された酸素精製部,燃焼ガス精製部及び二酸化炭素定量部を接続して用いる。ただ

し,JIS Z 2615の6.9.3(4)に規定された二酸化炭素定量部の代わりに二酸化炭素及び一酸化炭素の合量の赤

外線吸収量を測定するものを用いてもよい。この方式を用いる場合には,JIS Z 2615の6.9.3(3)に規定され

た燃焼ガス精製部の代わりに,JIS Z 2615の6.10.2(装置)の(3)に規定された燃焼ガス精製部を用いる。

この場合の装置の構成図の例を付図1に示す。 

9.4 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,通常1.0gとする。 

9.5 

操作 

9.5.1 

予備操作 予備操作は,JIS Z 2615の6.9.4(予備操作)による(4)(6)。ただし,二酸化炭素定量部に

二酸化炭素及び一酸化炭素の合量の赤外線吸収量を測定する方式を使用する場合は,JIS Z 2615の6.9.4(2)

に規定された窒素,アルゴン又は圧縮空気の代わりに酸素を用いてもよい。 

9.5.2 

定量操作 定量操作は,JIS Z 2615の6.9.5(定量操作)による(4)(6)。 

9.6 

空試験 空試験は,JIS Z 2615の6.9.6(空試験)による。 

9.7 

計算 計算は,JIS Z 2615の6.9.7(計算)による。 

10. 燃焼−赤外線吸収法(循環法) 

10.1 要旨 試料を一定体積内の一定圧力の循環酸素気流中で加熱し,炭素を酸化して二酸化炭素及び一

酸化炭素とし,酸素とともに循環ループの赤外線吸収検出器に送り,それらの赤外線吸収量をそれぞれ測

定する。 

10.2 装置 装置は,JIS Z 2615の6.10.2(装置)による。 

10.3 試料はかり取り量 試料はかり取り量は,通常1.0gとする。 

10.4 操作 

10.4.1 予備操作 予備操作は,JIS Z 2615の6.10.3(予備操作)による(4)(6)。 

10.4.2 定量操作 定量操作は,JIS Z 2615の6.10.4(定量操作)による(4)(6)。 

10.5 空試験 空試験は,JIS Z 2615の6.10.5(空試験)による。 

10.6 計算 計算は,JIS Z 2615の6.10.6(計算)による。 

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H 1275 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 赤外線吸収法(二酸化炭素及び一酸化炭素分析法)の装置の構成例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ニッケル及びニッケル合金分析方法工業標準原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

神 尾 彰 彦 

東京工業大学工学部 

後 藤 敬 一 

通商産業省基礎産業局非鉄金属課 

◎ 天 野   徹 

工業技術院標準部材料規格課 

村 田 祐 滋 

東京都立工業技術センター金属部 

竹 内 孝 夫 

科学技術庁金属材料技術研究所 

◎ 橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

太 田 裕 二 

社団法人日本銅センター技術部 

大 屋 武 夫 

ステンレス協会 

佐 藤 秀 樹 

社団法人日本電子材料工業会技術部 

稲 垣 勝 彦 

日本鉱業協会技術部 

赤 峰 淳 一 

社団法人日本電機工業会技術部 

篠 原   脩 

社団法人日本ガス石油機器工業会技術部 

山 添 哲 郎 

通信機械工業会技術部 

村 岡 良 三 

社団法人日本自動車部品工業会技術部 

山 下 満 男 

富士電機株式会社生産技術研究所 

安 井   毅 

株式会社東芝材料部品事業部開発技術部 

◎ 田 中 尚 生 

三菱マテリアル株式会社桶川製作所 

恒 原 正 明 

古河電気工業株式会社金属事業本部 

菅 沼 輝 夫 

日鉱金属株式会社倉見工場技術部 

大 関 哲 雄 

大木伸銅工業株式会社技術部 

中 島 安 啓 

株式会社神戸製鋼所アルミ・銅事業本部技術部 

田部井 和 彦 

三菱マテリアル株式会社桶川製作所技術管理室 

岡 村 明 人 

三菱伸銅株式会社若松製作所品質保証部 

○ 町 田 克 巳 

住友金属鉱山株式会社中央研究所 

○ 山 下   努 

株式会社東芝材料部品事業部品質保証部 

○ 山 本 寿 美 

古河電気工業株式会社横浜研究所 

○ 中 村   靖 

株式会社ジャパンエナジー分析センター 

○ 豊 嶋 雅 康 

住友軽金属工業株式会社研究開発センター 

(事務局) 

○ 藤 沢   裕 

日本伸銅協会技術部 

(関係者) 

久留須 一 彦 

古河電気工業株式会社横浜研究所 

天 川 義 勝 

株式会社ジャパンエナジー分析センター 

和 田 隆 光 

財団法人日本規格協会 

相 馬 南海雄 

日本伸銅協会総務部 

備考1. ◎印を付けてある委員は分科会委員を兼ねる。 

2. ○印を付けてある委員は分科会委員である。