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H 1113:2014  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 一般事項························································································································· 1 

4 分析値のまとめ方 ············································································································· 2 

4.1 測定回数 ······················································································································ 2 

4.2 分析値の表示 ················································································································ 2 

5 定量元素及び定量範囲 ······································································································· 2 

6 要旨······························································································································· 2 

7 試料の調製 ······················································································································ 2 

7.1 分析試料の調製 ············································································································· 2 

7.2 標準試料の調製 ············································································································· 3 

8 装置及び器具 ··················································································································· 3 

9 操作······························································································································· 4 

10 検量線の作成 ················································································································· 5 

11 計算 ····························································································································· 5 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6 

H 1113:2014  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本鉱業協会(JMIA)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS H 1113:1994は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 1113:2014 

亜鉛地金の光電測光法による発光分光分析方法 

Method for photoelectric emission spectrochemical analysis of zinc metal 

序文 

この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 3815-1を基に,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,亜鉛地金の光電測光法による発光分光分析方法について規定し,JIS H 2107に規定された

鉛,鉄,カドミウム,すず,銅及びアルミニウムの定量に適用する。 

警告 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。 

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではな

い。この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなけれ

ばならない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 3815-1:2005,Zinc and zinc alloys−Part 1: Analysis of solid samples by optical emission 

spectrometry(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS H 0301 非鉄金属地金のサンプリング,試料調製及び分析検査通則 

JIS H 1111 亜鉛地金分析方法 

JIS H 2107 亜鉛地金 

JIS K 0116 発光分光分析通則 

JIS Z 2611 金属材料の光電測光法による発光分光分析方法通則 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

一般事項 

分析に共通な一般事項は,JIS K 0116及びJIS Z 2611による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

分析値のまとめ方 

4.1 

測定回数 

測定回数は,通常,2回とするが,分析試料の数が,JIS H 0301の3.3(サンプリング)に規定された試

料個数より多く,過去のデータの裏付けがある場合には,測定回数を1に減らすことができる。 

なお,測定回数2回とは,平面状試料の場合には,同一測定面に対し場所を変えて2回測定することと

し,棒状試料の場合には,測定面を変えて2回測定することとする。 

4.2 

分析値の表示 

分析値は,質量分率で表し,指定がある場合を除き,JIS H 2107に規定された数値の有効最小位の次の

桁まで算出し,JIS Z 8401の規則Aによって丸める。 

なお,測定回数が2回の場合には,2回の平均値を分析値とする。 

定量元素及び定量範囲 

定量元素及び定量範囲は,表1による。 

表1−定量元素及び定量範囲 

単位 %(質量分率) 

定量元素 

定量範囲 

鉛 

 0.000 1以上 2.0以下 

鉄 

 0.000 1以上 0.3以下 

カドミウム 

 0.000 1以上 1.0以下 

すず 

 0.000 1以上 0.002以下 

銅 

 0.000 1以上 0.01以下 

アルミニウム 

 0.000 1以上 0.04以下 

要旨 

平面状又は棒状に成形調製した試料を電極とし,対電極に黒鉛又はタングステンを用いて,交流高圧ア

ーク又は高圧整流スパークを発生させ,発光スペクトルを分光器によって分光し,定量元素のスペクトル

強度を光電測光法によって測定する。 

試料の調製 

試料採取・試料調製用用具及び機械は,JIS Z 2611の4.(試料採取・試料調製用用具及び機械)による。

また,試料調製上の注意は,JIS Z 2611の7.1.3(試料調製上の注意)による。 

7.1 

分析試料の調製 

分析試料の調製は,次による。 

a) 平面状試料の調製 平面状試料の調製は,次による。 

1) 採取 試料の採取は,通常JIS H 0301の3.3(サンプリング)によって,一溶湯ごとに必要量を採

取し,JIS Z 2611の4.1(溶湯試料採取用鋳型)に従って,図1に示すような鋳型に注入し,鋳造試

料を採取する。 

鋳込みに際しては,乾燥した清浄な鋳型を用いる。 

2) 成形 あらかじめエタノールなどによって清浄にした切断・切削用機械を用いて,鋳造試料の底面

を厚さ1〜3 mm切断して除去し,平面部の直径20 mm以上,厚さ5 mm以上の平面状に成形する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図1−金属製鋳型の例(皿型) 

b) 棒状試料の調製 棒状試料の調製は,次による。 

1) 採取 試料の採取は,通常JIS H 0301の3.3(サンプリング)によって,地金又は製品を抜き取り,

平均組成が得られる部分を採取する。 

2) 成形 あらかじめエタノールなどによって清浄にした切断・切削用機械を用いて,棒状(縦及び横

がそれぞれ5 mm以上,長さ50 mm以上)に切り取る。 

7.2 

標準試料の調製 

JIS Z 2611の6.2(標準試料)によって,分析試料中の定量元素含有率を内挿する濃度範囲において,定

量元素の含有率が適切な間隔を保つように数個の試料を鋳造し,7.1によって一系列の標準試料を調製する。 

これらの標準試料中の定量元素含有率は,JIS H 1111に規定する方法によって求める。 

又は,標準試料として,分析の目的に合致する認証標準物質(CRM)又は標準物質(RM)を用いても

よい。 

なお,標準試料の形状は,分析試料の形状と同じでなければならない。 

装置及び器具 

装置及び器具は,以下による。 

a) 発光分光分析装置 JIS K 0116の5.1(装置の構成)及びJIS Z 2611の3.(装置)による。 

b) 対電極 直径6〜8 mmで長さ30〜150 mmの黒鉛棒又は直径1〜8 mmで長さ30〜120 mmのタングス

テン棒を用い,その先端を30〜160°の円すい状に成形して用いる。 

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H 1113:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

操作 

操作は,次のいずれかによる。 

a) 内標準を用いる場合 内標準を用いる場合は,次による。 

1) 7.1で調製した分析試料と対電極[箇条8 b)]とを電極支持台に保持する。 

2) あらかじめ定めた発光条件で交流高圧アーク又は高圧整流スパークを発生させる。 

なお,あらかじめ繰返し精度の良い発光条件を選定しておく。発光条件の例を表2に示す。 

表2−発光条件の例 

項目 

例1 

例2 

分光器 

入口スリット幅 
出口スリット幅 

0.75 mパッシェンルンゲ形回折格子 
25 μm 

− 

1 mパッシェンルンゲ形回折格子 
30 μm 
50 μm 

測光法 

光電測光 

光電測光 

励起電源装置 

二次電圧 
二次電流 

交流高圧アーク 
5 kV 
0.8〜1.2 A 

高圧整流スパーク 
18 kV 

− 

対電極 

黒鉛 

タングステン 

分析間隙 

2 mm 

5 mm 

アルゴン流量 

− 

5 L/min 

予備放電時間 

10 s 

10 s 

積分時間 

20 s 

15 s 

3) 定量元素及び亜鉛(内標準)のスペクトル強度を測定し,定量元素と亜鉛(内標準)とのスペクト

ル強度比を求める。 

なお,あらかじめ繰返し精度の良い分析線,内標準線を選定しておく。分析線及び内標準線の例

を表3に示す。 

表3−分析線及び内標準線の例 

単位 nm 

元素 

分析線 

内標準線 

鉛 

283.3,405.7,368.3 

− 

鉄 

259.9,371.9 

− 

カドミウム 

228.8,361.0 

− 

すず 

317.5 

− 

銅 

327.4,324.7,510.5 

− 

アルミニウム 

396.1,394.4,305.2 

− 

亜鉛 

− 

Zn I 481.05 

Zn I 307.28 

b) 内標準を用いない場合 内標準を用いない場合は,次による。 

1) a) 1)の操作を行う。 

2) a) 2)の操作を行う。 

なお,あらかじめ繰返し精度の良い発光条件を選定しておく。発光条件の例を表2に示す。 

3) 定量元素のスペクトル強度を測定する。 

なお,あらかじめ繰返し精度の良い分析線を選定しておく。分析線の例を表3に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

10 検量線の作成 

検量線の作成は,次のいずれかによる。 

a) 内標準を用いる場合 内標準を用いる場合は,次による。 

1) 7.2で調製した標準試料のそれぞれと対電極[箇条8 b)]とを電極支持台に保持する。 

2) 箇条9 a) 2)の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,亜鉛(内標準)に対する定量元

素のスペクトル強度比を求める。 

3) 2)で得た強度比と標準試料中の定量元素含有率との関係線を作成して検量線とする。 

4) 既に作成した検量線がある場合は,二個以上の標準試料を用いて,2)の手順に従ってスペクトル強

度比を求め,この値を用いて装置の時間的変動による検量線のずれを補正した検量線を使用しても

よい。 

b) 内標準を用いない場合 内標準を用いない場合は,次による。 

1) a) 1)の操作を行う。 

2) 箇条9 a) 2)の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,スペクトル強度を求める。 

3) 2)で得た強度と標準試料中の定量元素含有率との関係線を作成して検量線とする。 

4) 既に作成した検量線がある場合は,二個以上の標準試料を用いて,2)の手順に従ってスペクトル強

度を求め,この値を用いて装置の時間的変動による検量線のずれを補正した検量線を使用してもよ

い。 

11 計算 

計算は,次のいずれかによる。 

a) 内標準を用いる場合 箇条9 a) 3)で得た定量元素と亜鉛(内標準)とのスペクトル強度比と,箇条10 

a)で作成した検量線とから,試料中の定量元素含有率を求める。 

なお,検量線による定量範囲は,使用した標準試料系列の定量元素含有率の範囲内でなければなら

ない。 

b) 内標準を用いない場合 箇条9 b) 3)で得た定量元素のスペクトル強度と箇条10 b)で作成した検量線

とから,試料中の定量元素含有率を求める。 

なお,検量線による定量範囲は,使用した標準試料系列の定量元素含有率の範囲内でなければなら

ない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS H 1113:2014 亜鉛地金の光電測光法による発光分光分析方法 

ISO 3815-1:2005 Zinc and zinc alloys−Part 1: Analysis of solid samples by 
optical emission spectrometry 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容 

(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 

亜鉛地金中の鉛,
鉄,カドミウム,す
ず,銅及びアルミニ
ウムの6成分の定量
方法を規定 

亜鉛及び亜鉛合金中の
鉛,鉄,カドミウム,す
ず,銅,アルミニウム及
びマグネシウムの7成分
の定量方法を規定 

削除 

ISO規格では,亜鉛地金についてはJIS
と同じ6成分を規定しており,亜鉛合金
については,マグネシウムを加えた7成
分を規定している。したがって,規格の
適用対象の差によるもので,技術的な差
異はない。 

ISO/TC 18は,2005
年から実質的な活動
を休止しているため,
ISOへの提案はでき
ない状況である。 

警告 

− 

− 

追加 

JISとして必要な警告を追加した。技術的
差異はない。 

2 引用規格 

− 

− 

用語及び定義 
発光分光法を規定 

削除 

JISでは分析方法の定義は不要のため,削
除した。実質的な差異はない。 

3 一般事項 

JIS K 0116及びJIS 
Z 2611を引用 

− 

− 

追加 

JISとして必要な一般事項を規定した。 

4 分析値の
まとめ方 

測定回数及び分析
値の表示を記載 

6.4 

結果の計算 

追加 

JISとして必要な事項を追加した。 

5 定量元素
及び定量範
囲 

定量範囲を記載 

附属書C 

定量下限値を記載 

追加 
変更 

定量範囲を追加した。 
カドミウム及びアルミニウムの定量下限
値を変更した。 

6 要旨 

− 

− 

追加 

JISとして必要な要旨を規定した。技術的
差異はない。 

2

H

 1

11

3

2

0

1

4

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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H 1113:2014  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容 

(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

7 試料の調
製 

7.1 分析試料の調製 


ISO 20081を引用 

追加 

JISでは,分析試料の調製方法を詳しく記
載した。 

7.2 標準試料の調製 

6.2 

検量線 

追加 

JISでは,標準試料を鋳造して調製する方
法を追加した。 

8 装置及び
器具 

− 

− 

追加 

JISとして必要な装置及び器具を規定し
た。 

9 操作 

6.1 
6.3 

試験方法 

追加 

JISでは,操作方法を詳しく記載するとと
もに,分析線を一部追加した。 

10 検量線
の作成 

6.2 

検量線 

追加 

JISでは,検量線の作成方法を詳しく記載
した。 

11 計算 

− 

− 

追加 

JISでは,具体的な計算のやり方を記載し
た。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3815-1:2005,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

2

H

 1

11

3

2

0

1

4

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。