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H 1072 : 1999  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

今回の制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成

及び日本工業規格を基礎にした国際規格の原案の提案を容易にするためISO 5956 : 1984, Copper and copper 

alloys-Determination of antimony content−Rhodamine B spectrometric methodを規格の一部とした。

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 1072 : 1999 

銅及び銅合金中のアンチモン 

定量方法 

Methods for determination of antimony in  

copper and copper alloys 

序文 この規格は,1984年に第1版として発行されたISO 5956, Copper and copper alloys−Determination of 

antimony content−Rhodamine B spectrometric methodを基に,対応する部分(塩化物抽出ローダミンB吸光

光度法)については,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には

規定されていない規定項目(5.以外の項目)を日本工業規格として追加している。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,銅及び銅合金(鋳物用地金及び鋳物)中のアンチモン定量方法について規定

する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 5956 : 1984 Copper and copper alloys−Determination of antimony content−Rhodamine B 

spectrometric method 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS H 1012 銅及び銅合金の分析方法通則 

3. 一般事項 分析方法に共通な一般事項は,JIS H 1012の規定による。 

4. 定量方法の区分 アンチモンの定量方法は,次のいずれかによる。各定量方法の対象合金番号又は記

号は,表1による。 

a) 塩化物抽出ローダミンB吸光光度法 この方法はアンチモン含有率0.001% (m/m) 以上0.1% (m/m) 以

下の試料に適用する。 

b) 原子吸光法 この方法は,アンチモン含有率0.005% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の試料に適用する。 

c) ICP発光分光法 この方法は,アンチモン含有率0.01% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の試料に適用す

る。 

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H 1072 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 定量方法及び対象合金番号又は記号 

合金番号 
又は記号 

対応規格番号 

(参考) 

定量方法 

塩化物抽出ローダミ

ンB吸光光度法 

原子吸光法 

ICP発光分光法 

CACIn401 

JIS H 2202 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CACIn402 

JIS H 2202 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CACIn403 

JIS H 2202 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CACIn406 

JIS H 2202 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CACIn407 

JIS H 2202 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CACIn502 

JIS H 2202 

○(1) 

○(2) 

○(3) 

CACIn503 

JIS H 2202 

○(1) 

○(2) 

○(3) 

CACIn602 

JIS H 2202 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CACIn603 

JIS H 2202 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CACIn604 

JIS H 2202 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CACIn605 

JIS H 2202 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC401 

JIS H 5120 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC401C 

JIS H 5121 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC402 

JIS H 5120 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC402C 

JIS H 5121 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC403 

JIS H 5120 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC403C 

JIS H 5121 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC406 

JIS H 5120 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC406C 

JIS H 5121 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC407 

JIS H 5120 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC407C 

JIS H 5121 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC502A 

JIS H 5120 

○(1) 

○(2) 

○(3) 

CAC502B 

JIS H 5120 

○(1) 

○(2) 

○(3) 

CAC502C 

JIS H 5121 

○(1) 

○(2) 

○(3) 

CAC503A 

JIS H 5120 

○(1) 

○(2) 

○(3) 

CAC503B 

JIS H 5120 

○(1) 

○(2) 

○(3) 

CAC503C 

JIS H 5121 

○(1) 

○(2) 

○(3) 

CAC602 

JIS H 5120 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC603 

JIS H 5120 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC603C 

JIS H 5121 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC604 

JIS H 5120 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC604C 

JIS H 5121 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC605 

JIS H 5120 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

CAC605C 

JIS H 5121 

○(1)(4) 

○(2) 

○(3) 

注(1) アンチモン含有率が0.001% (m/m) 未満の試料には適用しない。 

(2) アンチモン含有率が0.005% (m/m) 未満の試料には適用しない。 
(3) アンチモン含有率が0.01% (m/m) 未満の試料には適用しない。 
(4) アンチモン含有率が0.1% (m/m) を超える試料には適用しない。 

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5. 塩化物抽出ローダミンB吸光光度法 

5.1 

要旨 試料を塩酸と過酸化水素とで分解し,加熱して過剰の過酸化水素を分解する。塩酸で酸濃度

を調節し,硫酸セリウム (IV) 及び塩化ヒドロキシルアンモニウムを加え,生成するアンチモン (V) の塩

化物錯体をイソプロピルエーテルに抽出した後,ローダミンBを加えてローダミンBクロロアンチモン 

(V) 錯体を生成させ,光度計を用いて有機相の吸光度を測定する。 

5.2 

試薬 試薬は,次による。 

a) 塩酸 

b) 塩酸 (7+3, 1+11) 

c) 銅99.9% (m/m) 以上で,アンチモンを含有しないもの。 

d) 過酸化水素 

e) 硫酸セリウム溶液 硫酸セリウム (IV) 四水和物4gを硫酸 (1+35) に溶解し,硫酸 (1+35) で液量

を100mlとする。 

f) 

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (10g/l) 

g) ローダミンB溶液 ローダミンB0.01gを塩酸 (1+11) に溶解し,塩酸 (1+11) で液量を100mlとす

る。 

h) イソプロピルエーテル 

i) 

標準アンチモン溶液 (1μgSb/ml)  酒石酸アンチモン (III) カリウム三水和物0.137 2gを塩酸 (7+3) 

に溶解し,溶液を500mlの全量フラスコに塩酸 (7+3) を用いて移し入れ,塩酸 (7+3) で標線まで薄

めて原液 (100μgSb/ml) とする。この原液を使用の都度,必要量だけ塩酸 (7+3) で正確に100倍に薄

めて標準アンチモン溶液とする。 

5.3 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,表2による。 

表2 試料はかり取り量及び試料溶液の分取量 

試料中のアンチモン含有率 

% (m/m) 

試料はかり取り量 

試料溶液の分取量 

ml 

0.001以上 0.005未満 

2.0 

5.0 

0.005以上 0.03 未満 

1.0 

2.0 

0.03 以上 0.1 

以下 

0.5 

1.0 

5.4 

操作 

5.4.1 

試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。 

a) 試料をはかり取り,ビーカー (200ml) に移し入れる。 

h) 時計皿で覆い,塩酸 (7+3) 15mlを加え,更に過酸化水素5〜10mlを少量ずつ加えて試料を完全に分

解した後(5),溶液を煮沸して過剰の過酸化水素を分解する常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビ

ーカーの内壁を塩酸 (7+3) で洗って時計皿を取り除き,溶液を100mlの全量フラスコに塩酸 (7+3) 

を用いて移し入れ,塩酸 (7+3) で標線まで薄める。 

注(5) 激しい反応が終わるまでは,ビーカーを水で冷却しながら分解する。 

5.4.2 

アンチモンの抽出と呈色 アンチモンの抽出と呈色は,次の手順によって行う。 

a) 5.4.1 b)で得た溶液を表2に従って分取し,あらかじめ5℃以下に冷却した塩酸を試料中のアンチモン

含有率が0.001% (m/m) 以上0.005% (m/m) 未満の場合には10ml,0.005% (m/m) 以上0.1% (m/m) 以下

の場合には15ml入れた分液漏斗 (100ml) に移し入れる(6)。 

b) 硫酸セリウム溶液 [5.2 e)] 6滴を加えて振り混ぜる2分間静置した後,塩化ヒドロキシルアンモニウム

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溶液3滴を加えて振り混ぜる。20℃以下に冷却したイソプロピルエーテル10mlを加え,2分間激しく

振り混ぜる。5℃以下に冷却した水75mlを加え,15秒間振り混ぜる5分間静置した後,水相(下層)

を捨てる。 

c) 有機相に塩酸 (1+11) 3mlを加え,30秒間激しく振り混ぜ,静置して2層に分離した後,水相(下層)

を捨てる。この操作をもう一度繰り返す。 

d) 有機相にローダミンB溶液 [5.2 g)] 20mlを加え,30秒間振り混ぜる。2分間静置した後,水相(下層)

及び少量の有機相(上層)を捨てる。 

注(6) 次のb)から5.4.3までの操作は,中断せずに行う。 

5.4.3 

吸光度の測定 5.4.2 d)で得た有機相を,小さな乾いた栓付フラスコに移し入れ,振り回して,混

入している水滴をフラスコの底に集めた後,有機相の一部を光度計の吸収セル (1cm) に移し入れ,直ちに

水を対照液として波長550nm付近の吸光度を測定する。 

5.5 

空試験 5.6の検量線作成操作において得られる標準アンチモン溶液を添加しない溶液の吸光度を,

空試験の吸光度とする。 

5.6 

検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。 

a) 銅 [5.2 c)] を5.4.1 a)ではかり取った試料と同量ずつ数個はかり取り,それぞれをビーカー (200ml) に

移し入れ,5.4.1 b)の操作を行う。 

b) 溶液を5.4.2 a)で分取した試料溶液と同量ずつ分取し,あらかじめ5℃以下に冷却した塩酸を,試料中

のアンチモン含有率が0.001% (m/m) 以上0.005% (m/m) 未満の場合には10ml,0.005% (m/m) 以上

0.1% (m/m) 以下の場合には15mlを入れた数個の分液漏斗 (100ml) に移し入れた後,標準アンチモン

溶液 [5.2 i)] 0〜6.0ml(アンチモンとして0〜6μg)を段階的に加える。以下,5.4.2 b)〜5.4.3の手順に

従って試料と同じ操作を試料と並行して行い,得た吸光度と分取した溶液中のアンチモン量との関係

線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

5.7 

計算 5.4.3及び5.5で得た吸光度と5.6で作成した検量線とからアンチモン量を求め,試料中のアン

チモン含有率を次の式によって算出する。 

100

100

2

1

×

×

=

B

m

A

A

Sb

ここに, Sb: 試料中のアンチモン含有率 [% (m/m)] 
 

A1: 分取した試料溶液中のアンチモン検出量 (g) 

A2: 分取した空試験液中のアンチモン検出量 (g) 

m: 試料はかり取り量 (g) 

B: 5.4.2 a)で分取した試料溶液及び空試験液の量 (ml) 

6. 原子吸光法 

6.1 

要旨 試料を塩酸と硝酸との混酸で分解した後,溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレー

ム中に噴霧し,その吸光度を測定する。 

6.2 

試薬 試薬は,次による。 

a) 混酸(塩酸2,硝酸1,水2) 使用の都度調製する。 

b) 銅溶液 (20mgCu/ml) 銅[99.9% (m/m) 以上]10.0gをはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れ,時

計皿で覆い,混酸 [a)] 200mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下

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面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量フラスコに水を用いて移

し入れ,水で標線まで薄める。 

c) 亜鉛溶液 (20mgZn/ml) 亜鉛[99.9% (m/m) 以上]10.0gをはかり取ってビーカー (300ml) に移し入れ,

時計皿で覆い,混酸 [a)] 200mlを数回に分けて加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した

後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量フラスコ

に水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

d) ニッケル溶液 (20mgNi/ml) ニッケル[99.9% (m/m) 以上]10.0gをはかり取ってビーカー (300ml) に

移し入れ,時計皿で覆い,混酸 [a)] 200mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量フラスコに水

を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

e) 鉛溶液 (20mgPb/ml) 鉛[99.9% (m/m) 以上]10.0gをはかり取ってビーカー (500ml) に移し入れ,時

計皿で覆い,硝酸 (1+4) 250mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の

下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量フラスコに水を用いて

移し入れ,水で標線まで薄める。 

f) 

すず溶液 (20mgSn/ml) すず[99.9% (m/m) 以上]10.0gをはかり取ってビーカー (500ml) に移し入れ,

時計皿で覆い,塩酸225ml及び硝酸75mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,

時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量フラスコに塩

酸 (1+1) を用いて移し入れ,塩酸 (1+1) で標線まで薄める。 

g) 標準アンチモン溶液 (40μgSb/ml) アンチモン[99.9% (m/m) 以上]0.100gをはかり取ってビーカー 

(300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,混酸 [a)] 100mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで

冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を500mlの全量

フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄めて原液 (200μgSb/ml) とする。この原液を使用の

都度,塩酸 (1+4) で正確に5倍に薄めて標準アンチモン溶液とする。 

6.3 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,表3による。 

表3 試料はかり取り量 

試料中のアンチモン含有率 

% (m/m) 

試料はかり取り量 

0.005以上 0.06未満 

1.00 

0.06 以上 0.5 以下 

0.20 

6.4 

操作 

6.4.1 

試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次のいずれかの手順によって行う。 

a) 試料中のアンチモン含有率が0.005% (m/m) 以上0.06% (m/m) 未満の場合 

1) 試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。 

2) 時計皿で覆い,混酸 [6.2 a)] 20mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く(7)。 

3) 溶液を50mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

b) 試料中のアンチモン含有率が0.06% (m/m) 以上0.5% (m/m) 以下の場合 

1) 試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。 

2) 時計皿で覆い,混酸 [6.2 a)] 30mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計

皿の下面及びビーカーの内壁を水で洗って時計皿を取り除く(7)。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

注(7) けい酸などの沈殿が析出した場合には,溶液をろ紙(5種A)を用いてろ過し,ろ紙と沈殿とを

水で洗浄し,ろ液と洗液とを合わせる。沈殿は捨てる。 

6.4.2 

吸光度の測定 6.4.1のa) 3)又はb) 3)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光

光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長217.6nmにおける。吸光度を測定する。 

6.5 

空試験 空試験は,次のいずれかによる。 

a) 試料溶液の調製を6.4.1 a)によって行う場合 試薬だけを用いて6.4.1 a)及び6.4.2の手順に従って試料

と同じ操作を試料と並行して行う。 

b) 試料溶液の調製を6.4.1 b)によって行う場合 試薬だけを用いて6.4.1 b)及び6.4.2の手順に従って試料

と同じ操作を試料と並行して行う。 

6.6 

検量線の作成 検量線の作成は,次のいずれかの手順によって行う。 

a) 試料溶液の調製を6.4.1 a)によって行う場合 

1) 試料用検量線の作成 

1.1) 銅溶液 [6.2 b)],亜鉛溶液 [6.2 c)],ニッケル溶液 [6.2 d)],鉛溶液 [6.2 e)] 及びすず溶液 [6.2 f)] を,

その銅,亜鉛,ニッケル,鉛及びすずの量が6.4.1 a)ではかり取った試料中の銅,亜鉛,ニッケル,

鉛及びすずの量と10mgのけたまで等しくなるように数個の50mlの全量フラスコに取る。 

1.2) 標準アンチモン溶液 [6.2 g)] 0〜15.0ml(アンチモン0〜600μg)を段階的に加え,水で標線まで薄

める。 

1.3) 各溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に

噴霧し,波長217.6nmにおける吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度とアンチモン量との

関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

2) 空試験用検量線の作成 数個の50mlの全量フラスコに混酸 [6.2a)] 20mlを取る以下,1)の1.2)及び

1.3)の手順に従って操作する。 

b) 試料溶液の調製を6.4.1 b)によって行う場合 

1) 試料用検量線の作成 

1.1) 銅溶液 [6.2 b)],亜鉛溶液 [6.2 c)],ニッケル溶液 [6.2 d)],鉛溶液 [6.2 e)] 及びすず溶液 [6.2 f)] を,

その銅,亜鉛,ニッケル,鉛及びすずの量が6.4.1 b)ではかり取った試料中の銅,亜鉛,ニッケル,

鉛及びすずの量と10mgのけたまで等しくなるように数個の100mlの全量フラスコに取る。 

1.2) 標準アンチモン溶液 [6.2 g)] 0〜25.0ml(アンチモン0〜1 000μg)を段階的に加え,水で標線まで

薄める。 

1.3) 各溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に

噴霧し,波長217.6nmにおける吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度とアンチモン量との

関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

2) 空試験用検量線の作成 数個の100mlの全量フラスコに混酸 [6.2 a)] 30mlを取る。以下,1)の1.2)

及び1.3)の手順に従って操作する。 

6.7 

計算 計算は,次のいずれかによる。 

a) 試料溶液の調製を6.4.1 a)によって行った場合 6.4.2及び6.5 a)で得た吸光度と6.6 a)の1)及び2)で作

成した検量線とからそれぞれアンチモン量を求め,試料中のアンチモン含有率を,次の式によって算

出する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

100

2

1

×

=

m

A

A

Sb

ここに, Sb: 試料中のアンチモン含有率 [% (m/m)] 
 

A1: 試料溶液中のアンチモン検出量 (g) 

A2: 空試験液中のアンチモン検出量 (g) 

m: 試料はかり取り量 (g) 

b) 試料溶液の調製を6.4.1 b)によって行った場合 6.4.2及び6.5 b)で得た吸光度と6.6 b)の1)及び2)で作

成した検量線とからそれぞれアンチモン量を求め,試料中のアンチモン含有率を,次の式によって算

出する。 

100

2

1

×

=

m

A

A

Sb

ここに, Sb: 試料中のアンチモン含有率 [% (m/m)] 
 

A1: 試料溶液中のアンチモン検出量 (g) 

A2: 空試験液中のアンチモン検出量 (g) 

m: 試料はかり取り量 (g) 

7. ICP発光分光法 

7.1 

要旨 試料を塩酸と硝酸との混酸で分解し,溶液をICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧

し,その発光強度を測定する。 

7.2 

試薬 試薬は,次による。 

a) 混酸(塩酸2,硝酸1,水2) 使用の都度調製する。 

b) 銅99.96% (m/m) 以上でアンチモンを含有しないもの,又はアンチモン含有率が低く既知のもの。 

c) 亜鉛99.99% (m/m) 以上でアンチモンを含有しないもの,又はアンチモン含有率が低く既知のもの。 

d) すず99.90% (m/m) 以上でアンチモンを含有しないもの,又はアンチモン含有率が低く既知のもの。 

e) 鉛99.99% (m/m) 以上でアンチモンを含有しないもの,又はアンチモン含有率が低く既知のもの。 

f) 

マンガン99.9% (m/m) 以上でアンチモンを含有しないもの,又はアンチモン含有率が低く既知のもの。 

g) アルミニウム99.90% (m/m) 以上でアンチモンを含有しないもの,又はアンチモン含有率が低く既知

のもの。 

h) ニッケル99.9% (m/m) 以上でアンチモンを含有しないもの,又はアンチモン含有率が低く既知のもの。 

i) 

鉄99.9% (m/m) 以上でアンチモンを含有しないもの,又はアンチモン含有率が低く既知のもの。 

j) 

標準アンチモン溶液A (250μgSb/ml) アンチモン[99.9% (m/m) 以上]0.250gをはかり取り,ビーカ

ー (300ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸17ml,硝酸33ml及び水50mlを加え,穏やかに加熱し

て分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面及びビーカーの内壁を塩酸 (1+4) で洗って時計皿

を取り除き,溶液を1 000mlの全量フラスコに塩酸 (1+4) を用いて移し入れ,塩酸 (1+4) で標線ま

で薄める。 

k) 標準アンチモン溶液B (50μgSb/ml) 標準アンチモン溶液A [j)] を使用の都度,必要量だけ塩酸 (1+

4) で正確に5倍に薄めて標準アンチモン溶液Bとする。 

7.3 

試料はかり取り量 試料はかり取り量は,0.50gとする。 

7.4 

操作 

7.4.1 

試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次の手順によって行う。 

a) 試料をはかり取って,ビーカー (200ml) に移し入れる。 

background image

H 1072 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 時計皿で覆い,混酸 [7.2 a)] 30mlを加え,穏やかに加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿

の下面及びビーカーの内壁を水で洗って,時計皿を取り除く(7)。 

c) 溶液を100mlの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

7.4.2 

発光強度の測定 7.4.1 c)で得た溶液の一部を,ICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,

波長217.589nm,206.838nm又は231.147nmにおける発光強度を測定する(8)。 

注(8) 精度及び真度を確認してあれば,高次のスペクトル線を用いてもよく,バックグラウンド補正

機構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。 

7.5 

空試験 7.6の検量線の作成操作において得られる標準アンチモン溶液を添加しない溶液の発光強

度を,空試験の発光強度とする。 

7.6 

検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。 

a) 銅 [7.2 b)],亜鉛 [7.2 c)],すず [7.2 d)],鉛 [7.2 e)],マンガン [7.2 f)],アルミニウム [7.2 g)],ニッ

ケル [7.2 h)] 及び鉄 [7.2 i)] を0.50gの試料中に含まれる量と10mgのけたまで等しくなるように,そ

れぞれ数個はかり取り,数個のビーカー (200ml) に移し入れる。 

b) 7.4.1 b)の操作を行った後,標準アンチモン溶液A [7.2 j)] 及び/又は標準アンチモン溶液B [7.2 k)] の

各種液量(アンチモンとして0〜2 500μg)を段階的に加える。溶液を100mlの全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄める。 

c) 溶液の一部を,ICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長217.589nm,206.838nm又は

231.147nmにおける発光強度を試料と並行して測定し,得た発光強度とアンチモン量との関係線を作

成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。 

7.7 

計算 7.4.2及び7.5で得た発光強度と7.6で作成した検量線とからアンチモン量を求め,試料中のア

ンチモン含有率を,次の式によって算出する。 

100

)

(

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Sb

ここに, Sb: 試料中のアンチモン含有率 [% (m/m)] 
 

A1: 試料溶液中のアンチモン検出量 (g) 

A2: 空試験液中のアンチモン検出量 (g) 

A3: 7.6 a)ではかり取った銅 [7.2 b)],亜鉛 [7.2 c)],すず [7.2 d)],

鉛 [7.2 e)],マンガン [7.2 f)],アルミニウム [7.2 g)],ニッケル 
[7.2 h)] 及び鉄 [7.2 i)] 中に含まれるアンチモンの合量 (g) 

m: 試料はかり取り量 (g) 

H 1072 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

伸銅品分析分野の国際整合化推進本委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 佐 山 恭 正 

三菱マテリアル株式会社総合研究所 

小 熊 幸 一 

千葉大学工学部 

藤 沼   弘 

東洋大学工学部 

大河内 春 乃 

東京理科大学理学部 

村 山 拓 己 

通商産業省基礎産業局非鉄金属課 

大 島 清 治 

工業技術院標準部材料規格課 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

俣 野 宣 久 

川崎製線株式会社 

高 沢 寿 佳 

日本電信電話株式会社技術協力センター 

佐 藤 秀 樹 

日本電子材料工業全 

稲 垣 勝 彦 

日本鉱業協会技術部 

元 芳 照 夫 

富士通分析ラボ株式会社 

○ 田 口 克 徳 

株式会社コベルコ科研関門事業所 

○ 関 根 孝 雄 

三菱マテリアル株式会社総合研究所 

○ 小 林 秀 章 

日本青銅株式会社技術部技術課 

○ 豊 嶋 雅 康 

住友軽金属工業株式会社研究開発センター 

○ 束 原   巌 

株式会社第一原子力グループ放射線研究所 

○ 久留須 一 彦 

古河電気工業株式会社横浜研究所分析技術センター 

○ 平 野 静 一 

日鉱金属株式会社倉見工場 

(事務局) 

○ 藤 沢   裕 

日本伸銅協会技術部 

相 馬 南海雄 

日本伸銅協会総務部 

備考 ○印は分析方法原案作成小委員会委員も兼ねる。