2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
H 0601-1962
ゲルマニウムの抵抗率測定方法
Testing Methods of Resistivity for Germanium
1. 適用範囲 この規格は,単結晶ゲルマニウムの抵抗率を測定する方法について規定する。
なお,多結晶ゲルマニウムもこの試験方法を準用することができるが,その場合は結晶境界における影
響を考慮して評価しなければならない。
2. 試料の前処置 試料の測定する表面は,研摩紙または液体ホーニングなどによってよくみがき,じゅ
うぶんに脱脂水洗し,乾燥する。
3. 測定方法
3.1
測定は原則として交流4探針法によるが,直流4探針法を用いてもよい。
3.1.1
交流4探針法
(1) 測定装置
(a) 測定回路
図1
(b) 針 4本の針は一直線上に並び,針先間隔は1mmとする。針先は1mmに比べてじゅうぶんに小さ
い細い径に仕上げ,針の材質はタングステンなどじゅうぶんなカタサをもったものを用いて針先が
太くならないようにする。
(2) 測定環境 測定装置はじゅうぶんに電磁しゃへいされたもので,測定温度はとくに指定のないかぎり
25±2℃とし,測定前に試料が一定温度になるのにじゅうぶんな時間,測定温度状態に放置する。なお
測定温度は記録する。
(3) 測定方法 測定はまず4探針を試料から離してスイッチSを閉じ,可変トランスを加減して真空管電
2
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圧計の指示がフルスケールになるようにする。つぎにスイッチSを開き,4探針をゲルマニウム試料
上におけば,抵抗率は真空管電圧計のフルスケールを100Ωcmとして読むことができる。この真空管
電圧計の読みが小さくて精度がよく読めないときは,真空管電圧計の減スイ器を使用して測定する。
なお使用する固定トランスは,その1次〜2次間,および2次〜接地間の容量が,じゅうぶんに小さ
いものであることを要する。
直列抵抗Rおよび真空管電圧計の入力インピーダンスは100ρ (Ω) に比べてじゅうぶんに大きいこ
とを要する。測定電流I (mA) は,測定する抵抗率をρ (Ωcm) とすると,次式を満足する電流以下であ
ることを要する。
ρ
10
2=
I
··················································································· (1)
針先間隔を1mmとした場合,針をおくゲルマニウムの面のおうとつは1mmに比べてじゅうぶんに
小さくする。試料の大きさはその厚さが3mm以上,針をおく表面の端が,すべての針から3mm以上
離れているとき外側の2本の針を流れる電流をI (mA),内側の2本に現われる電圧をV (mV) とする
と,抵抗率ρ (Ωcm) は次式によって得られる。
I
V
628
.0
=
ρ
············································································· (2)
ただし,試料が上にのべた大きさよりも小さいときは補正を行なう必要がある。
3.1.2
直流4探針法
(1) 測定装置
(a) 測定回路
図2
(b) 針 3.1.1の(b)に同じ。
(2) 測定環境 3.1.1の(2)に同じ。
(3) 測定方法 図2は直流法による最も基本的な測定回路を示したもので,可変抵抗Rを加減して電流計
の読みが所要の電流値になるように調整し,そのとき内側の2本の針に現われる電圧を電位差計によ
り測定し,3.1.1の(3)の(2)式により抵抗率を求める。
4. 報告 測定値を報告するときは,つぎの事項を付記する必要がある。
(1) 交流4探針法,直流4探針法の別
(2) 測定温度
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非鉄金属部会 ゲルマニウム抵抗率測定方法専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
垂 井 康 夫
電気試験所田無分室
浅 川 俊 文
電気通信研究所半導体研究室
高 橋 得 雄
電気通信研究所半導体研究室
塚 本 哲 男
ソニー株式会社半導体部製造課
加 藤 宏
東京芝浦電気株式会社トランジスター工場
武 田 行 松
日本電気株式会社半導体工業部
上 田 浩
株式会社日立製作所中央研究所
藤 本 一 夫
松下電器産業株式会社
武 市 武
電子機械工業会
並 川 博
住友金属鉱山株式会社東京研究所
大 森 茂 夫
東京電子冶金研究所
堂 前 正 美
東京冶金工業株式会社
和 田 次 郎
三井金属鉱業株式会社中央研究所
小 木 朴 郎
三菱金属鉱業株式会社鉱業研究所
黒 田 和 夫
社団法人原子力金属懇話会
西 家 正 起
通商産業省鉱山局金属課
長 沢 武
工業技術院標準部材料規格課
(事務局)
佐 藤 武 男
工業技術院標準部材料規格課