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H 0522 : 1999  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS H 0522 : 1969は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,対応する国際規格ISO 9915 : 1992, Aluminium alloy castings−Radiographytesting(アル

ミニウム合金鋳物−放射線透過試験)及び関連する国際規格ISO 5579 : 1985, Non-destructive testing−

Radiographic examination of metallic materials by X-and gamma rays−Basic rules(非破壊試験−X線及びガン

マ線による金属材料の放射線透過試験−基本規定)に整合させた。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

H 0522 : 1999 

アルミニウム鋳物の放射線透過試験方法 

及び透過写真の等級分類方法 

Methods for radiographic test and classification  

by radiographs of aluminium castings 

序文 この規格は,1992年に第1版として発行されたISO 9915, Aluminium alloy castings−Radiography 

testingを元に,対応する部分については技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 この規格は,アルミニウム鋳物のX線又はγ線の透過写真による試験方法及び透過写真の

等級分類方法について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 9915 : 1992 Aluminium alloy castings Radiography testing 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成するこの

引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS Z 2306 放射線透過試験用透過度計 

ASTM E 155 Standard reference radiographs for inspection of aluminium and magnesium castings 

3. 一般事項 一般事項は,次による。 

a) 放射線透過試験は,アルミニウム鋳物にX線又はγ線を照射して撮影した透過写真によって欠陥を検

出して,その等級を分類する。 

b) 放射線透過試験は,通常,直接透過写真撮影による。 

c) 放射線透過試験を行う技術者は,アルミニウム鋳物に関する知識をもち,放射線装置,放射線の遮へ

い,写真処理を含む放射線透過試験方法及び透過写真の等級分類方法について,十分な技術と経験を

もっていなければならない。 

d) 試験するアルミニウム鋳物の撮影範囲及び欠陥の許容などは,あらかじめ受渡当事者間で協議のうえ,

その用途,設計並びに仕様を検討し,別途決めておくことが望ましい。 

4. 放射線透過写真の撮影方法 

4.1 

試験用具の性能 放射線装置,感光材料,撮影用具及び観察用具は,アルミニウム鋳物の検査する

部分(以下,検査部という。)の欠陥を明りょうに現す透過写真を撮影し,これを観察できる性能をもつも

のでなければならない。 

4.2 

放射線の照射配置 

H 0522 : 1999  

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4.2.1 

試験体の撮影配置 試験体へのX線及びγ線の照射方向は,試験体の大きさ,形状及び撮影配置に

関する試験部の状況によって決定し,図1〜7に示すいずれかの配置で撮影する。ただし,図6及び図7

に示す二重壁撮影法は,単壁撮影が技術的に行えない場合にだけ適用する。 

4.2.2 

放射線の中心軸 放射線の中心軸が撮影領域の中央部の試験面に直角に入射するように線源を配

置する。 

なお,欠陥が特定の照射角度で,よりよく検出されることが明らかな場合には,この限りではない。た

だし,照射角度が試験面に直角とならないような配置で撮影する場合は,その旨試験報告書に記載するこ

ととする。 

4.3 

試験体の表面状態 透過写真の評価の支障となるような試験体表面の凹凸は,撮影前に取り除くこ

とが望ましい。 

4.4 

試験体の肉厚 試験体の肉厚が,狭い領域において急激に変化する場合には,検査部のできるだけ

広い範囲が有効なフィルム濃度範囲に収まるように,通常の撮影とは異なった方法で撮影することが望ま

しい。 

4.5 

線源 放射線エネルギーは,原則として照射時間に適合した最も低いエネルギーを使用する。 

4.6 

フィルム及び増感紙 

4.6.1 

フィルム 使用するフィルムは,微粒子又は超微粒子で高いコントラストが得られる不燃性フィル

ムでなければならない。 

4.6.2 

増感紙 感度及び識別度を増すために鉛又は酸化鉛などの金属増感紙又はフィルタを使用しても

よい。使用する増感紙の厚さは0.02〜0.25mmの範囲内とする。増感紙には汚れがなく,表面が滑らかな

もので,判定に支障のあるようなきずがあってはならない。 

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H 0522 : 1999  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 撮影配置1:平板の単壁撮影方法 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

図2 撮影配置2:曲率をもった試験体の 

撮影方法(線源は凹面側,フィルムは凸面側)(1) 

注(1) この撮影配置は,図4の撮影配置4より望ましい。 

図3 撮影配置3:内部線源方法(2) 

注(2) この撮影方法は,1回の照射で全周を撮影できる利点がある。また,この撮影配置は,図2の撮影配置2よ

り望ましい。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図4 撮影配置4:曲率をもった試験体の単壁撮影 

方法(線源は凹面側,フィルムは凸面側) 

図5 撮影配置5:厚さの変化のある試験体, 

2種類以上の材質からなる単壁・複合フィルム撮影

方法 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

図6 撮影配置6:二重壁片面撮影方法(3) 

注(3) この場合,線源が上側の試験体に近接しているた

め,上側の試験体に存在する欠陥については評価の
対象としない。 

図7 撮影配置7:二重壁両面撮影方法(4) 

注(4) この場合,上側に存在する欠陥も評価の対象とす

る。場合によっては,放射線ビームの中心軸がフィ
ルム面に直角とならないこともある。 

4.7 

X線焦点−フィルム間距離 X線焦点−製品表面間の距離とフィルム−製品表面間の距離との比は,

透過度計孔の鮮明な像が生じるようなものでなければならない。 

4.8 

撮影及び現象処理 

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4.8.1 

フィルム濃度 試験部及び透過度計位置におけるフィルム濃度は,2.0〜3.0の間にあるように撮影

及び現象の条件を設定することが望ましい。 

4.8.2 

フィルムのかぶり 明りょうなかぶりが現れるようなフィルムは,定期的に除去しなければならな

い。かぶりの濃度は,0.2以下とすることが望ましい。 

4.8.3 

放射線の後方散乱の防止と確認 放射線の後方散乱を吸収するためにフィルム又はフィルムの背

面に適当な厚さの鉛層(5)をはり付け,撮影しなければならない。 

注(5) 放射線の後方散乱の防護が十分であるかは,例えば,使用する鉛層と同じ厚さのBという鉛文

字をフィルム又はフィルムカセットの背面にはり付け,通常の方法で撮影し,透過写真に文字

が現れないことによって確認する。 

4.8.4 

その他 欠陥の判定を困難とするような透過写真のきず,むらがあってはならない。 

4.9 

製品の識別 撮影する試験体には,照合のために文字又は記号のマーカを配置し,撮影位置がフィ

ルム上で確認できるようにするただし,試験体にマーカを配置することが困難な場合には,スケッチなど

によって撮影位置を確認できるようにする。 

5. フィルム観察装置 フィルム観察装置は,少なくとも次の構造を備えていることが望ましい。 

a) 試験体の検査部及び透過度計の位置において,判定に十分な光度の光源を備えているもの。 

b) フィルム観察面において,均一な明るさが得られる構造であるもの。 

c) 長時間使用時にフィルム乳化面が損傷しないように,適当なファン・ブロアなどの冷却装置を備えて

いるもの。 

d) フィルム観察面及びフィルムの大きさに応じた,マスクを備えているもの。 

6. 透過度計 

6.1 

透過度計の構造 使用する透過度計は,JIS Z 2306による。 

6.2 

透過度計の使用 透過写真の像質を評価するための透過度計の使用は,次による。 

a) 透過度計は,放射線撮影中,製品の指定肉厚上に設置する。製品形状が複雑な場合は,フィルムから

最も離れた検査部の位置に置く。 

b) 透過度計は,できるだけ放射線軸に垂直になるように置く。 

c) 同一の製品をまとめて撮影する場合には,放射線錘の最も外側に位置する製品の指定肉厚上に置く。 

d) 透過度計が製品の上部に置けない場合は,放射線吸収度及び肉厚のほぼ等しい材料のブロック上に置

く。 

e) 二重壁撮影の場合は,上部壁の放射線源側に置く。 

なお,透過度計を製品の上部壁に置くのが困難な場合には,放射線吸収度及び肉厚が二重壁厚にほ

ぼ等しい材料のブロック上に置く。この場合,透過度計の位置は,発泡スチロールなどで上部壁の高

さと合わせる。 

7. 等級分類 

7.1 

欠陥の種類及び等級 透過写真上の欠陥の種類及び等級は,ASTM E 155の基準写真と照合比較し

て判定する。その単位領域は,1辺が50mmの正方形とする。 

7.2 

グレード及び品質等級の判定方法 製品の要求品質特性に応じて,受渡当事者間の合意によって,

種々の欠陥を判定し,表1に示す総合判定A〜Dの四つの品質等級のいずれかを判定する。 

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なお,等級Aは,高応力下で使用される高品質の鋳物製品の品質特性に適合しており,等級Dは,一般

の鋳物品質特性に適合している。 

表1 品質等級及び欠陥の許容限界等級 

品質等級 

参照厚さ (mm) 

6.35 

19.1 

6.35 

19.1 

6.35 

19.1 

6.35 

19.1 

厚さの範囲 (mm) 

12未満 

12〜50 

12未満 

12〜50 

12未満 

12〜50 

12未満 

12〜50 

ASTM参照プレートの題目 

等級 

ガスホール(6) 

ガスポロシティ(円状) 

ガスポロシティ(棒状) 

シュリンケージ(キャビティ) 

− 

− 

− 

− 

シュリンケージ(スポンジ状) 

異物(少量) 

異物(多量) 

注(6) プローホールともいう。 

7.3 

異なる性状の欠陥が含まれている場合の判定方法 検査部の単位領域内に基準写真では単純に照合

できないような同一又は異なる性状の欠陥が存在している場合には,次の方法によって判定する。 

a) 二つの欠陥(同一種類の欠陥又は異なる種類の欠陥)が存在する場合 2種類の欠陥又は同一種類の

二つの欠陥が単位領域内に存在する場合の合否の判定は,表2による(例1.参照)。 

なお,両方の欠陥がいずれも許容限界等級である場合には,放射線透過試験は,不合格と判定する。 

表2 単位領域内に二つの欠陥が存在する場合の合否の判定基準 

一つの欠陥 
の判定等級 

他の欠陥の判定等級 

限界等級+1 

限界等級 

限界等級−1 

限界等級+1 

不合格 

不合格 

不合格 

限界等級 

不合格 

不合格 

合格 

限界等級−1 

不合格 

合格 

合格 

例1. ガスホール及びガスポロシティの二つの欠陥が存在している場合 ガスホールの許容限界等級

3,ガスポロシティの許容限界等級4の品質特性が要求される場合の合否の判定の例。 

合格:一つの欠陥だけが許容限界等級で

あり,他の欠陥は許容限界等級よ

り1等級小さいため。 

不合格:二つの欠陥がそれぞれ許容限界等

級であるため。 

b) 三つの欠陥(同一種類の欠陥又は異なる種類の欠陥)が存在する場合 3種類の欠陥又は同一種類の

三つの欠陥が単位領域内に存在する場合の合否の判定は,表3及び表4による。 

なお,二つ以上の欠陥がいずれも許容限界等級である場合には,放射線透過試験は,不合格と判定

する(例2.,例3.参照)。また,一つの欠陥が許容限界等級である場合には,他の二つの欠陥の一つが

許容限界等級より1等級小さく,さらに,残りの一つが許容限界等級より2等級小さくなければ,放

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射線透過試験は合格と判定しない(不合格:例4.,合格:例5.,例6.参照)。また,三つの欠陥のいず

れもが許容限界等級より少なくとも1等級小さい場合は,合格と判定する。 

表3 単位領域内に三つの欠陥が存在する場合の合否の判定基準 

(一つの欠陥が許容限界等級である場合) 

他の一つの欠陥 
の判定等級 

他のもう一つの欠陥の判定等級 

限界等級 

限界等級−1 

限界等級−2 

限界等級 

不合格 

不合格 

不合格 

限界等級−1 

不合格 

不合格 

合格 

限界等級−2 

不合格 

合格 

合格 

表4 単位領域内に三つの欠陥が存在する場合の合否の判定基準 

(一つの欠陥が許容限界等級より1等級小さい場合) 

他の一つの欠陥 
の判定等級 

他のもう一つの欠陥の判定等級 

限界等級 

限界等級−1 

限界等級−2 

限界等級−1 

合格 

合格 

合格 

限界等級−2 

合格 

合格 

合格 

例2. 三つのガスホールの欠陥が存在している場合 ガスホールの許容限界等級3の品質特性が要求

される場合の不合格の判定の例。 

不合格:二つの欠陥がそれぞれ許容限界等級であるため。 

例3. ガスホール,ガスポロシティ及びシュリンケージの三つの欠陥が存在している場合 ガスホー

ルの許容限界等級3,ガスポロシティの許容限界等級4及びシュリンケージの許容限界等級3の品

質特性が要求される場合の不合格の判定の例。 

不合格:二つの欠陥がそれぞれ許容限界等級であるため。 

例4. 三つのガスホールの欠陥が存在している場合 ガスホールの許容限界等級3の品質特性が要求

される場合の不合格の判定の例。 

不合格:一つの欠陥だけが許容限界等級であり,他の二つの欠陥は許容限界等級よりも小さ

い2等級であるが,さらに,そのうちのいずれか一つが2等級小さい1等級でないため。 

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例5. 三つのガスホールの欠陥が存在している場合 ガスホールの許容限界等級3の品質特性が要求

される場合の合格の判定の例。 

合格:一つの欠陥だけが許容限界等級であり,他の二つの欠陥の一つは許容限界等級よりも

1等級小さい2等級であり,さらに,もう一つが2等級小さい1等級であるため。 

例6. ガスホール,ガスポロシティ及びシュリンケージの三つの欠陥が存在している場合 ガスホー

ルの許容限界等級3,ガスポロシティの許容限界等級4及びシュリンケージの許容限界等級3の品

質特性が要求される場合の合格の判定の例。 

合格:一つの欠陥が許容限界等級であり,他の二つの欠陥の一つは許容限界等級よりも1等

級小さい2等級であり,さらに,もう一つが2等級小さい2等級であるため。 

c) 四つ以上の欠陥(同一種類の欠陥又は異なる種類の欠陥)が存在する場合 4種類以上の欠陥又は四

つ以上の欠陥が単位領域内に存在する場合には,放射線透過試験は不合格と判定する。 

8. 試験報告 放射線透過試験の判定結果及び透過写真は,検査記録として記録,保管しなければならな

い。また,注文者からの要求に応じて提出しなければならない。 

8.1 

検査記録 検査記録は,次の内容による。 

a) 製造業者名 

b) 製品名 

c) 合金の種類,質別又はそれらの記号 

d) 製品,フィルム及び検査結果が結びつく記号 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

e) 撮影装置 

f) 

フィルム名 

g) 現像条件 

1) 現像機名 

2) 現像温度 

3) 現像時間 

h) 撮影条件 

1) 撮影肉厚 

2) 管電圧 

3) 電流 

4) 露光時間 

5) X線焦点−フィルム間距離 

6) 増感紙使用の有無 

7) 撮影者名 

i) 

判定者名 

j) 

判定結果 

k) 等級分類記録 

l) 

備考 

関連規格 ISO 5579 : 1985 Non-destructive testing−Radiographic examination of metallic materials by X-and 

gamma rays Basic rules 

JIS改正原案調査作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

小 島   陽 

長岡技術科学大学 

茂 木 徹 一 

千葉工業大学 

里   達 雄 

東京工業大学工学部 

後 藤 敬 一 

通商産業省基礎産業局 

大 嶋 清 治 

工業技術院標準部 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

上 野 治 己 

トヨタ自動車株式会社第一材料技術部 

神 戸 洋 史 

日産自動車株式会社技術開発センター 

大 谷 忠 司 

株式会社本田技術研究所栃木研究所 

安 達   充 

宇部興産株式会社機械エンジニアリング事業本部 

THAN TRONG LONG 

株式会社東芝材料部品開発試作センター 

北 岡 山 治 

日本軽金属株式会社メタル合金事業部 

小 池   進 

株式会社神戸製鋼所大安工場 

中 井 清 之 

旭テック株式会社材料開発部 

石 川 明 成 

アイシン精機株式会社材料技術部 

山 下 和 秀 

株式会社東京軽合金製作所 

青 野 幸 雄 

小川合金製造株式会社 

(事務局) 

井 波 隆 夫 

社団法人軽金属協会