H 0400 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS H 0400 : 1982は改正され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
H 0400 : 1998
電気めっき及び関連処理用語
Glossary of terms used in electroplating and related processes
序文 この規格は,1981年に第2版として発行されたISO 2079, Surface treatment and metallic coatings−
General classification of terms及び1981年に第2版として発行されたISO 2080, Electroplating and related
processes−Vocabularyを元に,対応する用語及びその定義については対応国際規格を翻訳し,技術的内容
を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない用語及びその定
義を日本工業規格として追加した。
1. 適用範囲 この規格は,電気めっき及び関連処理において用いられる主な用語及び定義について規定
する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 2079 : 1981 Surface treatment and metallic coatings−General classification of terms
ISO 2080 : 1981 Electroplating and related processes−Vocabulary
2. 用語の分類 電気めっき及び関連処理用語は,次の8部門に分類する。
a) 一般
b) 処理剤及び設備器具
c) 研磨及び前処理
d) めっき処理
e) 後処理
f)
関連表面処理
g) 排水処理
h) 試験及び検査
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応する英語を示す。
備考 二つ以上の用語を並べてある場合は,その順位に従って使用する。
a) 一般
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
表面処理
材料の表面を改質すること。
参考 表面の状態を変えることによって,表面の性質
を変えたり,新しい機能を付加する。
surface treatment,
surface finishing
2
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1002
化学めっき法
金属又は非金属表面に金属を化学的に還元析出させる方
法。
参考 置換法,化学還元法,熱分解法とがあり,置換
法は浸せきめっきと接触めっきとに,また化学
還元法は自己触媒めっきと非触媒めっきとに
分けられる。
chemical plating,
electroless plating
1003
化成処理
化学及び電気化学的処理によって,金属表面に安定な化合
物を生成させる処理。
参考 りん酸塩処理,クロメート処理,黒染処理など
がある。
conversion treatment
1004
拡散処理
a) 下地表面に別の金属又は非金属を拡散させて,表面層
を作り出す方法。
b) 電気めっきでは,皮膜及び素地金属,又は二つ以上の
皮膜間で合金化若しくは金属間化合物を形成するた
めの熱処理。
diffusion treatment
1005
溶融めっき法
めっきしようとする物を溶融金属中に浸せきして,表面に
金属皮膜を形成する方法。
hot dip metal coating,
hot dipping
1006
金属被覆
あらゆる方法で得られるすべての金属被覆を意味する一
般的用語。
metal coating,
metallic coating
1007
電気分解,
電解
一対の電極を電解質溶液などのイオン伝導体に挿入し,外
部電源から電流を流して化学変化を起こさせる操作。
electrolysis
1008
電解析出,
電析
電気分解によって,電極表面に物質が生成すること。
参考 水素ガスの発生,金属の析出及び高分子膜の析
出などがある。
electrolytic deposition,
electrodeposition
1009
電着
電気分解によって,電極表面に物質が付着して生成するこ
と。
electrodeposition
1010
電析結晶
電解析出のうち,電極表面に金属又は金属酸化物結晶が生
成すること。
electrocrystallization
1011
電気めっき法
金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出(電着)さ
せる方法。
electroplated coating,
electroplating
1012
貴金属
標準水素電極と比較して,高い正極電位をもつ金属。
参考 イオン化しにくく,そのため容易に溶解しない
方が貴となる。例えば,銅は亜鉛より,そして
金は銅又は亜鉛より貴となる
noble metal
1013
卑金属
標準水素電極と比較して,低い正極電位をもつ金属。
base metal
1014
酸化
物質が酸素と化合する反応。
oxidation
1015
還元
物質が水素と化合する反応及び酸化物又は酸素が含む化
合物から酸素の一部若しくは全部が除去される変化。
reduction
1016
アニオン,
陰イオン
負に帯電したイオン。
anion
1017
カチオン,
陽イオン
正に帯電したイオン。
cation
1018
電解質
水などの溶媒に溶けてイオン化し,その溶液が電気伝導性
をもち,電流を流すと電気分解現象を起こす物質。
electrolyte
1019
電気泳動
溶液中の荷電粒子が電位こう(勾)配によって移動する現
象。
electrophoresis,
cataphoresis
1020
イオン移動,
イオン泳動
電解液に電流を流したときにイオンが移動する現象。
ion transference,
ion transport,
ion migration
3
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1021
輸率
電解液に電流を流したときに特定のイオンが運ぶ電流の
割合。
transference number,
transport number
1022
錯塩
2種類以上の塩が化合してできた塩で,水に溶かしたとき
錯イオンに解離して,構成要素のイオンを生成しない塩。
complex salt
1023
錯イオン
電解質錯体が解離したときに生じるイオン。
complex ion
1024
複塩
2種類以上の塩が化合してできた塩で,水に溶かしたとき,
もとの成分の塩と同じイオンに電離する塩。
double salt
1025
電導度塩
導電性を増すため,電解液に添加する塩。
conducting salt,
electric conducting salt
1026
キレート化合物
金属原子が環状構造の一部を形成し,容易にイオンに解離
しない化合物。
chelate compound
1027
電極
陽極又は陰極を表す用語。
electrode
1028
陽極
a) 金属が電気化学的に溶解する極。不溶性の場合は,ア
ニオン(陰イオン)が放電する極。
b) 上記の機能を行う物質。
anode
1029
陰極
金属又は水素が電気化学的に析出する極。
cathode
1030
酸化還元電位,
平衡電位
単一の酸化還元系の電極反応が平衡にあるときの電位。
oxidation-reduction
potential,
redox potential
1031
バイポーラ電極
電解中,陽極と陰極との間に浸せきした電源に接続されて
いない導体が,電極のように働く現象。
bipolar electrode
1032
分極
電気分解中の電極に生じる自然電位からの電位のずれ。
polarization
1033
アノード分極
陽極での分極。
anode polarization
1034
カソード分極
陰極での分極。
cathode polarization
1035
減極
電極での分極が減少すること。
depolarization
1036
アノード反応,
陽極反応
電気分解において陽極で起こるアニオンの放電,金属の溶
出,酸化などの反応。
anode reaction
1037
カソード反応,
陰極反応
電気分解において陰極で起こるカチオンの放電,還元など
の反応。
cathode reaction
1038
陽極酸化
陽極処理によって電極表面において起こる酸化反応。
anodic oxidation
1039
拡散層
電解過程で,電極と接し,拡散による物質移動のために溶
液本体と濃度こう(勾)配を生じている溶液の薄い層。
diffusion layer
1040
アノード皮膜
a) 電解によって陽極上に形成される皮膜
b) 電解過程で,陽極に接し溶液本体と濃度が変わる溶液
の薄い層。
anode film
1041
カソード皮膜
電解過程で,陰極に接し溶液本体と濃度が異なる溶液の薄
い層。
cathode film
1042
電流濃度
電解液の単位容積当たりの電流の大きさ。
current concentration
1043
電流密度
電極の単位面積当たりの電流の大きさ。
current density
1044
臨界電流密度
(電気めっきにおいて)正常な皮膜を生成する電流密度の
上限及び下限。
critical current density
1045
限界電流密度
拡散によるイオンの補給が限界に達し,電圧を上げても電
流密度が増加しなくなる電流密度の最大値。
limiting current density
1046
電流効率
通過した電流のうち,目的とする電極反応に使用された電
流の割合。
参考 理論析出量(又は溶出量)に対する実際の析出
量(又は溶出量)との割合を百分率で表す。
current efficiency
1047
アノード効率,
陽極効率
特定の陽極過程の電流効率。
anode efficiency
4
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1048
カソード効率,
陰極効率
特定の陰極過程の電流効率。
cathode efficiency
1049
過電圧
実際電解が行われている電極電位と平衡電位との差。
参考 水素過電圧,酸素過電圧,活性化過電圧,濃度
過電圧などがある。
overvoltage
1050
水素過電圧
水素発生反応における過電圧。
hydrogen overvoltage
1051
酸素過電圧
酸素発生反応における過電圧。
oxygen overvoltage
1052
電流分布
電極の各位置における通過電流の分布状態。
current distribution
1053
ハルセル
種々の電流密度における電極表面の状況を観察する特殊
な形の電解槽。
Hull cell
1054
電解液,
電解質溶液
電解質を水などの溶媒に溶かした溶液。
electrolytic solution
1055
陽極液
分離セルで隔膜のアノード側の電解液。
anolyte
1056
陰極液
分離セルで隔膜のカソード側の電解液。
catholyte
1057
めっき浴
めっき槽内に入れられためっき液。
plating bath
1058
素地
皮膜が析出又は形成される材料。
basis material,
basis metal
1059
下地
直接めっきされる素地。
参考 単めっきの場合は,下地は素地と同義語にな
る。多層めっきの場合は,中間皮膜を下地と呼
ぶ。
substrate
1060
核生成
非電導性素地に電気めっきを行う際,析出の初期段階のサ
イトとしての役目を果たす触媒物質が吸着されるめっき
の前段階。
nucleation
1061
析出電位
電析又は電着において,固体生成物が析出し始める電位。 deposition potential
1062
電気めっき範囲
十分な電着が得られる電流密度の範囲。
deposition range,
electroplating range,
plating range
1063
一次電流分布
幾何学的な考察だけから予想される電極表面上の電流の
分布。
primary current
distribution
1064
被覆力
初期に陰極の全表面に金属を析出するため,所定の条件の
下で電気めっきさせ得る浴の能力。
covering power
1065
レベリング,
平滑能
素地の微視的な凹凸や,研磨の条こんなどを平滑化するめ
っき浴の能力。平滑化作用ともいう。
levelling,
(USA, leveling)
1066
均一電着性,
マクロスローイング
パワー
厚さが均一にめっきされるめっき浴の能力。
throwing power,
macrothrowing power
1067
微視的均一電着性,
ミクロスローイング
パワー
一定条件のもとで,穴とか狭い溝にも十分めっきさせ得る
めっき浴の能力。
microthrowing power
1068
めっき分布,
金属分布比
陰極上の二つの特定面積上で析出した電着金属の厚さの
割合。
metal distribution ratio
1069
不動態
化学的又は電気化学的に溶解若しくは反応が停止するよ
うな金属の特殊な表面状態。
passivity,
passive state
1070
不動態化
金属表面を不動態にすること。
passivating,
passivation,
passivate
5
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1071
活性化
a) 表面の化学的反応性を高めるため,表面の不動態を破
壊する処理。
b) 非電導性素地に金属を析出させる工程で,表面に触媒
金属を吸着させる処理。
activation
1072
光沢電気めっき
めっきした状態で,鏡のような高い反射率をもつ電着物を
生成させる方法。
bright electroplating
1073
光沢電気めっき範囲
所定の作業条件の下で,光沢電気めっきが得られる電流密
度の範囲。
bright electroplating
range
1074
光沢浸せき法
金属表面を種々な組成の溶液中に短時間浸せきして光沢
面とする方法。
参考 キリンス仕上げなどがある。
bright dipping
1075
化学光沢処理
アルミニウム及びその合金を溶液中に浸せきして光沢面
にする方法。
参考 英国で使用されている用語。
chemical brightening
1076
水素ぜい性
前処理及びめっき処理の過程で,被めっき物が水素を吸蔵
して延性又はじん(靱)性が低下する現象。
hydrogen embrittlement
1077
電着応力
電着によって皮膜に発生する引張り又は圧縮の内部応力。 stress of electrodeposits
1078
表面張力
互いに接する2相の界面において,それら2相の接触面積
を減少する向きに作用する力。
surface tension
1079
アニーリング
成形によるひずみ除去又は密着性改善のために一定の温
度でする加熱処理。
annealing
1080
pH
水素イオン濃度の逆数の対数。
参考 溶液の酸度又はアルカリ度を表すためなどに
用いる
hydrogen ion
concentration
1081
アノード腐食
電解槽中及び大気中で,陽極金属が電気化学的に溶解する
現象。
anode corrosion
1082
カソード防食
流電陽極又は外部電源を用いて金属体を陰極として通電
し,腐食を防止する方法。
cathodic protection
1083
犠牲防食
より卑な金属を電気的に接触させ,腐食させることによっ
て金属を保護する操作。
sacrificial protection
1084
バレル法
品物を回転容器の中に入れて,機械的,化学的又は電解的
に処理する方法の総称。
barrel processing
1085
電鋳法
電気めっき法による金属製品の製造・補修又は複製法。
electroforming
1086
置換反応
ある化合物に含まれる原子又は原子団を,他の原子又は原
子団に置き換える反応。
substitution reaction
1087
イオン交換
塩類水溶液中で,ある種の物質中のイオンが液中のイオン
と交換される現象。
ion exchange
1088
ウイスカ
単結晶の微小金属繊維成長物。
参考 貯蔵中若しくは使用中,自然に生成し,又は,
めっき処理中に生成することがある。すずめっ
きなどに生成しやすい。
whiskers
1089
めっきの種類
めっきに用いる金属及び合金の種類によって分類される
めっき。
kind of plating
1090
めっきの構成
多層めっきを組み立てている一連のめっきの種類の順序。 composition of plating
1091
めっきのタイプ
同一種類のめっきにおいて,性質,形態,方法などを異に
するめっき。
type of plating
1092
めっき有効面
表面処理の用途上で重要な面。
significant surface
1093
使用環境
装飾,防食などのめっきにおいて,めっきを施した製品が
使用される環境で,直接又は間接にその製品に影響を及ぼ
す周囲の雰囲気。
service condition
6
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 処理剤及び設備器具
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2001
添加剤
めっき皮膜の特性を向上させる目的で,めっき浴その他の
処理液に添加する物質。
addition agent,
additives
2002
光沢剤
めっき皮膜に光沢を与えるための添加剤。
brightener,
brightening agent
2003
錯化剤
金属イオンと結合して錯イオンを形成させるための添加
剤。
complexing agent
2004
酸化剤
他の物質を酸化させるための添加剤。
oxidizing agent,
oxidizer
2005
還元剤
他の物質を還元させるための添加剤。
reducing agent,
reducer
2006
緩衝剤
pHの変化を防ぐための添加剤。
buffer
2007
界面活性剤
液体の表面張力を減少させ,ぬ(濡)れをよくしたり,乳
化分散などの目的で用いられる物質。
surface active agnet,
interfacial action agent,
surfactant
2008
湿潤剤
表面張力を減少させ,材料表面上で液体を広がりやすくさ
せる物質。
wetting agent
2009
清浄剤,
洗浄剤
材料表面に付着している油脂類などの汚れの洗浄を助け
る物質。
detergent,
cleaning agent,
cleaner
2010
抑制剤,
インヒビタ
化学若しくは電気化学反応の急激な進行又は局部的な進
行を妨げる物質。
参考 めっきでは,酸洗液などに用いる
inhibitor
2011
乳化剤,
エマルジョン剤
安定した乳濁を生成するために用いる物質。
emulsifying agent,
emulsifier
2012
キレート剤
金属イオンに配位して,環状構造をもつ錯化合物(キレー
ト化合物)を形成する物質。
chelating agent
2013
不溶性アノード
電解中,電解液に金属イオンを出さない陽極。
inert anode,
insoluble anode
2014
補助極
均一電着性若しくは被覆力を改善するために用いる補助
の陰極又は陽極。
auxiliary electrode
2015
補助陽極
最低電流密度部分に配置して,陰極の電流密度分布を改善
する補助の陽極。
auxiliary anode
2016
補助陰極,
かぶり止め
陰極の電流密度を改善するために配置する補助の陰極。
参考 電流の集中しやすい箇所に品物とは別の陰極
を配置し,めっき厚さを均一にしたり,めっき
皮膜の焼けを防止することを目的とする。
auxiliary cathode,
robber,
thief,
supplementary cathode
2017
極棒
電解槽に固定された導電部で,ブスバから陽極,陰極に電
流を導く金属製の棒。
bar (anode or cathode),
rod
2018
ブスバ
電源から陽極及び陰極の棒に電流を伝えるための堅い導
体。
busbar
2019
アノードバッグ
陽極スライムが被めっき物に影響を与えないように陽極
を包む袋。
anode bag
2020
隔膜
陽極部分と陰極部分とを分離する多孔性又は透過性の膜。 diaphragm
2021
シールド
a) 陽極又は陰極上の電流分布を改善するように置いた
不導体の障害物。
b) 不導体物を間に置いて,陽極又は陰極上の電流分布を
変える操作。
shield
2022
分離セル
隔膜を含むセル又はその他の方法で陽極液と陰極液を物
理的に分けるセル。
divided cell
7
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
2023
引っかけ,
ジグ,
ラック
被めっき物の支持及び通電のために用いる支持具。
jig,
rack,
plating rack
2024
整流器
交流を直流に変換する装置。
rectifier
2025
脈動率,
リプル
電源の特性によって作られる直流電圧の規則的な変調。
ripple
2026
めっき防止材
電極又はラックの一部にレジストを施し,めっきされるの
を防ぐために使用する材料。
stop-off material,
stopping off,
masking material
2027
ダミー電極,
ダミー
めっき浴中の不純物の除去又は分解に使用する陰極。
dummy,
dummy cathode
2028
加熱器,
ヒータ
めっき条件を維持するため,めっき液を加熱するための機
器。
heater
2029
冷却機,
クーラ
めっき条件を維持するため,めっき液を冷却するための機
器。
cooler
2030
かくはん機
めっき液の濃度を均一にするために,液をかき混ぜる機
器。
agitator
2031
カソードロッカ
陰極棒を左右又は上下に動かして,被めっき物にかくはん
効果を与えるための機器。
cathode roker,
cathode rod movement
2032
ろ過機
ろ布又はひも巻きカートリッジなどのろ材を用いて,めっ
き液中の微粒子を分離する機器。
filter
2033
ろ過助剤
ろ材の目づまりを防ぎ,ろ過性能を増加させるために使用
される物質。
filter aid
2034
自動めっき装置
被めっき物の搬送又は槽の出し入れなどのめっき作業を
コンピュータによって管理する機器。
参考 自動めっき装置には,ホイスト式,エレベータ
式などがある。
automatic plating
equipment
2035
自動浴管理装置
浴成分の変動を連続的に検知し,この情報に基づき,コン
ピュータによって金属イオン,添加剤などの補給又は液の
更新を行う機器。
automatic plating bath
control equipment
c) 研磨及び前処理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3001
研磨
a) 金属表面を滑らかにする処理。
参考 欧州大陸で使用される用語。
b) 研磨剤で金属表面を平滑にする初期の段階。
参考 米国で使用される用語。
polishing
3002
前処理
被めっき物をめっき浴に入れる前の諸工程。
参考 表面状態の調整,装飾的効果などのために,表
面処理の主工程の前に行う処理。
pretreatment
3003
機械研磨法
金属表面を微細なと粒研磨材によって削り取り,平滑で所
定の寸法に近い面とする方法。
mechanical polishing
3004
電解研磨法
金属表面を特定溶液中で陽極溶解し,平滑な光沢面とする
方法。
electropolishing
3005
化学研磨法
金属表面の平滑さを改善するため,種々の組成の溶液中に
浸せきし,平滑な光沢面とする方法。
chemical polishing
3006
油性研磨剤
研磨剤を主成分とし,これに脂肪酸,鉱油,金属石けんな
どを混合した研磨剤。
参考 棒状と液状のものとがある。
buffing compound,
grease base buffing bar
8
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3007
トリポリ
研磨に用いる,もろく,極微細なけい酸。
参考 トリポライトに類似した研磨粒と油脂で作ら
れた棒状研磨剤。
tripoli
3008
バフ
布製又はその他の材料で作られた研磨輪。
buff
3009
エメリーバフ
バフにエメリー,溶融アルミナなどの研磨剤を接着したも
の。
emery polishing wheel,
emery wheel,
polishing wheel,
set-up wheel
3010
バフ研磨法
バフの周囲又は表面に種々の研磨剤などを付けて研磨す
る方法。
参考 研磨の程度や工程によって,素地研磨,仕上げ
研磨などに分けられる。
mopping,
buffing,
(USA, polishing)
3011
バレル研磨法
被研磨物を研磨剤などとともに回転又は振動容器中に入
れて研磨する方法。
barreling,
barrel polishing
3012
がら研磨
被研磨物を回転容器中で研磨する方法。
tumbling
3013
ベルト研磨法
研磨剤の付着したベルトを使用して研磨する方法。
belt sanding,
belt polishing
3014
研削
粗粒の研磨剤を含むか,又は付着させた研磨剤によって材
料の表面を除去する方法。
grinding
3015
ボビング
研磨剤で金属表面を平滑にする初期の段階。
bobbing,
(USA, polishing)
3016
グレイニング
回転ベルトに研磨剤を付着させて,平面を一方向に研磨す
る操作。
linishing,
(USA, graining)
3017
筆電解研磨
筆,スポンジなどにめっき液を吸収させて陰極とし,電解
研磨する方法。
brush electrolytic
polishing
3018
ラッピング
寸法誤差の調整又は表面仕上げの改善のために行う研磨。 lapping
3019
脱脂
素地に付着している油脂性の汚れを除去して清浄にする
操作。
参考 アルカリ脱脂,溶剤脱脂,エマルジョン脱脂,
電解脱脂,機械脱脂などがある。
degreasing
3020
電解脱脂
所定の溶液中に品物を陰極又は陽極として浸せきし,電解
によって脱脂する操作。
参考 陰極脱脂,陽極脱脂,PR脱脂などがある。
electrolytic cleaning,
electrolytic degreasing
3021
洗浄
表面から油脂その他の汚れをすべて除去する操作。
cleaning
3022
酸洗浄
酸溶液による洗浄。
acid cleaning
3023
酸浸せき
軽いさびなどを除去するため,酸溶液中に短時間浸して清
浄にする操作。
acid dipping
3024
酸洗い,
ピックリング
ミルスケール又は厚いさびの層を除去するため,比較的長
い時間,酸溶液中に浸して清浄にする操作。
参考 対応国際規格では,ピックリング (pickling) を
化学的又は電気化学的作用によって素地金属
から酸化物又はその他の化合物を除去するこ
とと規定している
acid pickling
3025
スケール
変色と呼ぶ表面皮膜より,厚い密着性のある酸化皮膜。
scale
3026
スマット
鉄鋼などの酸洗において,酸洗過多となった場合や,アル
カリ溶液でアルミニウム合金の酸化皮膜を除去したとき
に生じる微粉末状の黒色物質。
smut
3027
デスマット
スマットを除去する操作。
desmut
3028
アルカリ洗浄
アルカリ溶液による洗浄。
alkaline cleaning
9
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
3029
電解洗浄
被めっき物を陰極又は陽極として行う電解による洗浄。
参考 陰極法,陽極法,PR法などがある。
electrolytic cleaning
3030
アノード洗浄
被めっき物を陽極にして電解洗浄する方法。
anodic (reverse)
cleaning
3031
カソード洗浄
被めっき物を陰極にして電解洗浄する方法。
cathodic cleaning,
direct cleaning
3032
PR洗浄
電流の方向を周期的に変えて電解洗浄する方法。
periodic reverse current
cleaning
3033
超音波洗浄
超音波によって,被めっき物及び洗浄液に微振動を与えて
行う洗浄。
ultrasonic cleaning
3034
溶剤洗浄
有機溶剤を用いて行う被めっき物の洗浄脱脂。
solvent cleaning,
solvent degreasing
3035
二相洗浄
有機溶剤層と水成層とからなる液体を用いて行う洗浄。
参考 溶剤と乳化作用とによって洗浄効果が得られ
る。
diphase cleaning
3036
エマルジョン洗浄
乳化液を用いて行う被めっき物の洗浄。
emulsion cleaning
3037
浸せき洗浄
電流を使わずに,一般的にアルカリ溶液に浸して行う洗
浄。
immersion cleaning,
soak cleaning
3038
スプレー洗浄
金属表面に洗浄溶液を吹き付けて行う洗浄。
spray cleaning
3039
蒸気洗浄,
蒸気脱脂
被めっき物の上に溶剤蒸気を凝縮させて行う洗浄。
vapour degreasing,
(USA, vapor degreasing)
3040
ブラスト法
加工面に固体金属,鉱物性又は植物性の研磨材を高速度で
吹き付け,表面を清浄化,摩耗若しくは硬化させる方法。
参考 対応国際規格では,使用する研磨材などの種類
によって,アブレシブブラスト (abrasive
blasting),ビードブラスト (bead blasting),ガラ
スビードブラスト (glass bead blasting),カット
ワイヤブラスト (cut wire blasting),グリットブ
ラスト (grit blasting),サンドブラスト (sand
blasting),ショットブラスト (shot blasting),ウ
エットブラスト (wet blasting) の用語を規定し
ている。
blasting
3041
液体ホーニング
微粒の研磨材を加えた水又はそれに適切な腐食抑制剤を
加えたものを金属製品に吹き付けて清浄にし,同時になし
地仕上げにする方法。
liquid honing
3042
バニシ仕上げ,
バニッシング
表面層を除去せず,圧力をかけてこすって表面を平滑にす
る方法。
参考 研磨処理法の一種。
burnishing
3043
カラーオフ
軽い最終的なバフ研磨。
colouring off
(USA, coloring or colour
buffing)
3044
レリービング
色を少しずつ変化させるため,着色して特定面から物質を
機械的に除去する方法。
relieving
3045
ばり取り
機械,化学又は電気化学的な方法で鋭いへりを取る操作。 deburring,
trimming
d) めっき処理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4001
電気めっき
金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出させた皮
膜。
electroplated coatings,
electroplating
10
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4002
防食めっき
製品に耐食性を付与するために行うめっき。
electroplating for
corrosion prevention
4003
装飾めっき
製品に美観を付与するために行うめっき。
decorative plating
4004
機能めっき
めっき皮膜そのものの特性を利用するために行うめっき。 plating for functional use
4005
複合めっき
繊維状,粒子状などの分散相をもつ複合材料の電気めっ
き。
composite coatings,
composite plating
4006
合金めっき
2種類又はそれ以上の金属及び金属と非金属の合金の電気
めっき。
alloy platings,
electroplated coatings of
alloy
4007
多層めっき
2層又はそれ以上の金属を析出した電気めっき。
multilayer deposits
4008
銅めっき
銅イオン又は銅錯イオンを含む電解質に直流若しくはパ
ルス電流を流して,陰極上に金属銅を析出させる処理。
copper plating
4009
黄銅めっき
銅イオン,亜鉛イオン又はそれらの錯イオンを含む電解質
に直流又はパルス電流を流して,陰極上に銅と亜鉛の合金
を析出させる処理。
参考 銅−亜鉛の合金めっきで,真ちゅう(鍮)めっ
きともいう。
brass plating
4010
ニッケルめっき
ニッケルイオンを含む電解質に直流又はパルス電流を流
して,陰極上に金属ニッケルを析出させる処理。
nickel plating
4011
亜鉛めっき
亜鉛イオンや亜鉛錯イオンを含む電解質に直流又はパル
ス電流を流して,陰極上に金属亜鉛を析出させる処理。
zinc plating
4012
亜鉛合金めっき
亜鉛めっき液に,他の金属イオン又は錯イオンを添加して
通電し,陰極上に亜鉛と添加金属の合金を析出させる処
理。
zinc alloy plating
4013
すずめっき
すずイオンやすず錯イオンを含む電解質に直流又はパル
ス電流を流して,陰極上に金属すずを析出させる処理。
tin plating
4014
すず合金めっき
すずめっき液に,他の金属イオン又は錯イオンを添加して
通電し,陰極上にすずと添加金属を析出させる処理。
tin alloy plating
4015
金めっき
金イオンや金錯イオンを含む電解質に直流又はパルス電
流を流して,陰極上に金属金を析出させる処理。
参考 金含有率が99.9%以上の電気めっき。
gold plating
4016
金合金めっき
金めっき液に他の金属イオンを添加して通電し,陰極上に
金属金と添加金属を析出させる処理。
参考 金含有率が58.5%以上99.9%未満の電気めっき。
gold alloy plating
4017
銀めっき
銀イオンや銀錯イオンを含む電解質に直流又はパルス電
流を流して,陰極上に金属銀を析出させる処理。
silver plating
4018
装飾用クロムめっき
製品の美観のために仕上げめっきとして行われるクロム
めっき。
decorative chromium
plating
4019
工業用クロムめっ
き,
硬質クロムめっき
主として耐摩耗性を付与する目的で施した比較的厚いク
ロムめっき。
electroplated coatings of
chromium for
engineering purpose,
industrial chromium
plating,
hard chromium
electroplating
4020
マイクロポーラスク
ロムめっき
微細な穴が均一に分布したクロムめっき。
microporous chromium
plating
4021
マイクロクラックク
ロムめっき
微細な割れが均一に分布されるように施すクロムめっき。 microcracked chromium
plating
11
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4022
ポーラスクロムめっ
き
あらかじめ表面を粗にしてクロムめっきをするか,又はめ
っき後その表面をエッチングによって多孔性とし,油の保
持性を与えるクロムめっき。
porous chromium plating
4023
微小不連続
微細な割れ又は微小なあな(孔)。
microdiscontinuity
4024
多孔率
ポーラスクロムめっき面の任意の面積内において,割れ又
はあな(孔)の占める面積の割合を百分率で表したもの。
porosity rate
4025
静止めっき法
品物を個々に陰極に取り付けてめっきする方法。
rack plating,
vat plating,
(USA, still plating)
4026
バレルめっき法
回転容器中で行う電気めっき法。
barrel (electro)
plating
4027
ワンラック方式
樹脂上にめっきをするとき,前処理とめっき工程間でひっ
かけを変えない方式。
one-rack system
4028
変調電流めっき法
陰極電流密度を周期的に変えて行うめっき方法。
参考 変調電流めっき法には,断続めっき法,不完全
整流法,PR法などがある。また,サイクル数
は通常数分を超えず,交流と直流とを重ね合わ
せる場合ははるかに少ない。
modulated current
plating,
interrupted electro
plating
4029
断続めっき法
直流電流を周期的に中断させたり減少させて行うめっき
方法。
interrupted electroplating
4030
パルスめっき法
パルス波形の電流を用いて行うめっき方法。
pulse plating
4031
重畳電流めっき法,
重畳めっき法
直流電流にサージ,リプル,パルス,交流などの脈流を重
畳させ,周期的に電流を調整しながら行うめっき方法。
superimposed current
electroplating,
(UK, surge plating),
(USA, ripple plating)
4032
PRめっき,
PR法
電流の方向を周期的に変えて行うめっき方法。
periodic reverse
electroplating,
periodic reverse current
plating
4033
ストライクめっき,
ストライク
a) 後工程で行われる皮膜の析出を促進するための電着
金属の薄膜。
b) この膜を得るために特に調製された溶液。
c) 薄膜a)を得るために,異なる組成の浴か,又は後の過
程とは異なる作業条件で比較的短時間に行うめっき。
strike,
strike plating
4034
フラッシュめっき,
フラッシュ
極めて短時間に行う薄いめっき方法。
参考 この用語は,最終被覆だけに使用するとよい。
同じ性質の中間皮膜には,ストライクを使用す
る。
flash,
flash plating
4035
二層ニッケルめっき
法
第1層に硫黄を含まない無光沢又は半光沢のニッケルめ
っきを施し,その上に硫黄を含む光沢のニッケルめっきを
施すめっき方法。
duplex nickel plating
4036
肉盛りめっき法
寸法不足を補うことを目的として施すめっき方法。
salvage plating,
electro sizing
4037
下地めっき
多層めっきの下地となるめっき皮膜。
undercoat
4038
建浴
電解槽内にめっき浴その他の処理液を作り,電解できるよ
うに準備する作業。
initial make-up of
electrolytic bath
4039
浴管理
電解浴の状態を正常に維持するために行う管理。
参考 めっき浴成分の維持,正常な作業条件の維持,
不純物混入の予防と不純物除去などの管理作
業からなる。
control of bath
12
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
4040
脱塩
a) イオン交換などによって,溶存する塩類を除くこと。
参考 米国及び英国で一般的に使用されている。
b) 脱イオンと同義語。
参考 欧州大陸で一般的に使用されている。
demineralization
4041
脱イオン
イオン交換などによって溶液からイオンを除く操作。
deionization
4042
水の軟化
イオン交換などによって,水の硬度を下げる操作。
softening of water
4043
活性炭処理
めっき浴中の有機不純物を吸着除去するために活性炭を
用いる処理。
activated carbon
treatment
4044
空電解処理
めっき浴の調整を目的とした電解処理。
preplating treatment,
electrolytic purification,
work-out,
dummy plating
4045
迷走電流
a) 漏えい電流
b) 電解液,めっき液以外の伝熱管,槽壁などを通って被
めっき物に達する電流。
stray current
4046
浴電圧
めっき浴中の陰極と陽極との間の電圧。
bath voltage
4047
槽電圧
電解中,めっき浴又は電解セルの陽極,陰極間で測定され
る電圧。
tank voltage
4048
陽極スライム
金属を陽極にして電解したとき,電気化学的に溶解しない
残さ(渣)。
anode slime
4049
全シアン,
トータルシアン
めっき浴中の金属と錯塩とを作っているシアンイオンと
遊離状態のシアンとの総量。
total cyanide
4050
遊離シアン,
フリーシアン
めっき浴中の金属分をシアン錯塩にするのに必要な量以
上のシアン。
free cyanide
4051
持ち込み
槽外の液が被めっき物その他に付着して持ち込まれる現
象。
drag-in
4052
すくい出し
槽内の液が被めっき物その他に付着して持ち出される現
象。
drag-out
4053
ガス発生
電解中に,電極から目に見えるガスの発生。
gassing
4054
めっきはがし
a) 素地又は下地から皮膜を除去するのに用いる方法若
しくは溶液。
b) 素地又は下地から皮膜を除去する処理。
strip
4055
筆めっき
めっき液を筆やスポンジなどに吸収させて陽極とし,陰極
にした品物の表面をこすってめっきする方法。
brush (electro) plating,
tampon plating
4056
マンドレル,
鋳型,
金型
a) 電鋳でカソードに用いられる型。
b) 巻付け試験(マンドレル試験ともいう。)で使われる
支え。
mandrel,
matrix,
mould,
(USA, mold)
e) 後処理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5001
後処理
めっきの後工程として使用目的に適するようめっき皮膜
に施す処理。
post treatment
5002
ベーキング
素材のひずみ除去又はめっきの水素除去を目的として行
う熱処理。
baking,
(UK, stoving)
5003
応力除去
適切な温度に加熱保持して,めっき皮膜及び素地金属の残
留応力を減少させる操作。
stress relief
13
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5004
水素ぜい化除去
表面処理後,水素吸蔵によるぜい化を減少させたり除去す
るために行う処理。
hydrogen embrittlement
relief,
(UK, de-embrittlement)
5005
りん酸塩処理
りん酸塩を含む水溶液で,化学的に皮膜を生成させる方
法。
phosphating,
phosphate treatment
5006
クロメート処理
クロム酸又は重クロム酸塩を主成分とする溶液中に品物
を浸せきし,化学的に防せい皮膜を生成させる方法。
chromating,
chromate treatment,
(UK, chromate filming)
5007
クロメート皮膜
クロメート処理によって得られる膜。
chromate conversion
coatings
5008
光沢クロメート皮膜
化学研磨作用を利用して,めっきに光沢を与えるクロメー
ト皮膜。
bright chromate
conversion coatings,
clear chromate
conversion coatings
5009
有色クロメート皮膜
防食を目的とする有色(淡黄色,黄色などの干渉色)のク
ロメート皮膜。
coloured chromate
conversion coatings,
yellow chromate
conversion coatings
5010
緑色クロメート皮膜
防食を目的とする緑色のクロメート皮膜。
参考 皮膜の組成割合によって,オリーブ,グリーン,
ブロンズ,褐色などの色調を呈する。
green chromate
conversion coatings,
olive-drab chromate
conversion coatings
5011
黒色クロメート皮膜
防食及び装飾を目的とする黒色のクロメート皮膜。
black chromate
conversion coatings
5012
表面干渉じま
比較的薄いクロメート皮膜の場合,めっき上に残留した薄
い透明皮膜の表面に光が当たったとき,皮膜の表面及びめ
っき表面での反射光が互いに干渉して生じたにじ(虹)色
のしま模様。
interference fringe of
surface
5013
表面の色のばらつき
クロメート処理の浴組成,操作条件などによって変わる皮
膜組成の変化によって生じる有色クロメート皮膜の色調
のばらつき。
irregular colour
5014
白色腐食生成物
クロメート皮膜が破壊され,電気亜鉛めっき及び電気カド
ミウムめっきが腐食環境にさらされるときに生じる塩基
性炭酸亜鉛,塩基性カドミウムなどの白色化合物。
white corrosion product
5015
黒色処理
鉄鋼又は銅(銅合金)表面を黒色に仕上げる方法。
blackening,
black oxide treatment
5016
アルカリ黒色処理
高温アルカリ塩浴に浸せきして,鉄鋼又は銅(銅合金)表
面に,酸化物若しくは硫化物の皮膜を形成し,黒色に仕上
げる方法。
alkaline blackening,
black finishing
5017
エージング
一定の条件下に長時間置いて,所定の状態にする操作。
aging,
ageing
5018
リフロ処理
すず又ははんだめっき後,光沢化,ウィスカ防止及び密着
性を向上させるために加熱して溶融させる処理。
reflow treatment
5019
フュージング
はんだめっきを溶融させた後,再凝固させる操作。
fusing
f)
関連表面処理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6001
無電解めっき法
外部電源を用いずに,金属を化学的に還元析出させる方
法。
electroless plating
6002
自己触媒めっき法
化学還元作用によって金属を析出させ,還元される金属そ
autocatalytic plating
14
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
のものが触媒として働く方法。
6003
非触媒めっき法
化学還元作用によって金属を析出させ,還元される金属は
触媒としては働かない方法。
non-autocatalytic plating
6004
浸せきめっき法,
置換めっき法
置換反応によって物体の表面に金属の皮膜を形成する方
法。
immersion plating
6005
接触めっき法
析出する金属の化合物を含む溶液中で,下地を他の金属と
接触するように浸せきし,下地上に金属を析出させる方
法。
contact plating,
galvanic contact plating
6006
浸せき析出法
置換反応によって金属を被覆する方法。
immersion deposit
6007
コンディショニング
非電導性下地に金属を析出させる工程で,表面をあらかじ
め被覆しやすい状態に変える処理。
conditioning
6008
センシタイゼーショ
ン,
感受性化
非電導性下地表面に還元剤が吸着する現象。
sensitization
6009
キャタライザー−ア
クセラレータ法
Sn2+とPd2+の混合によってパラジウムコロイド液とし,こ
れに浸せきし,次に塩酸溶液に浸せきして化学めっきの反
応を促進させる方法。
catalyser-accelerator
process
6010
センシタイザー−ア
クチベータ法
Sn2+を含む液に浸せき後,Pd2+を含む液に浸せきして化学
めっきの反応を促進させる方法。
sensitizer-activator
process
6011
陽極酸化処理,
陽極処理
陽極における電気化学的な酸化処理の総称。
anodizing,
anodic treatment,
(USA, anodising)
6012
陽極皮膜
a) 電解酸化処理によって,金属表面構造が変化して形成
される保護,装飾又は機能的な皮膜。
b) 素地金属より卑な金属皮膜。
anodic coatings
6013
陽極酸化皮膜
陽極酸化処理によって生成した皮膜。
anodic oxide coating,
anodic oxide film
6014
自然発色陽極酸化
染料・顔料を用いないで陽極酸化処理だけで発色させる方
法。
integral colour
anodizing,
self-colour anodic
oxidation
6015
陽極酸化皮膜の封孔
処理
陽極酸化によって生成した多孔性皮膜のあな(孔)を封じ,
耐汚染性,耐食性などの物理的化学的性質を改善する処理
の総称。
sealing of anodic oxide
coating
6016
染色
陽極酸化皮膜の多孔性を利用して,その皮膜に染料を吸着
させる操作。
dyeing
6017
着色
化学又は電気化学的浸せき法によって,装飾着色仕上げを
得る方法。
colouring,
(USA, coloring)
6018
電解着色
多孔性陽極酸化皮膜を生成後,金属塩を溶解した浴中で電
解を行い,金属又は金属化合物を皮膜孔中に析出させ着色
する操作。
electrolytic colouring
6019
ブロンズ処理
銅及び銅合金又は銅及び黄銅(真ちゅう)めっきした金属
の表面の色を変えるために化学浸せきする処理。
bronzing
6020
プリエッチング
エッチング処理を容易に行うために,前もって加工物を有
機溶剤に浸せきする処理。
pre-etching
15
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6021
エッチング
金属又は非金属表面を化学的若しくは電気化学的に腐食
する方法。
参考 樹脂上にめっきする場合には,酸化剤を含む液
に樹脂を浸せきし,表面粗化と化学的変化を同
時に行うこと。
etch,
etching
6022
エッチング液
エッチングで用いられる溶液。
etchant
6023
レジスト
化学又は電気化学反応を防ぐため,品物,電極などの表面
の一部を被覆する物質。
resist
6024
電解加工
希望どおり金属を加工するため,電流を集中できるような
形をした道具及び(カソード)品物のすき間に電解液を入
れ,直流によって品物を加工する方法。
electrochemical
machining (ECM),
electrochemical milling
6025
ケミカルミリング
酸又はアルカリ溶液の金属溶解能を利用して金属の成形
加工を行う方法。
chemical milling,
chemical contouring
6026
メカニカルプレイテ
ィング,
ピーニング,
ピーンプレイティン
グ,
衝撃めっき
被覆しようとする金属粉末を投入し,ガラスビードのよう
な球状粒子を表面にぶつけて金属層を作る方法。
mechanical plating,
peening,
peen plating
6027
気相めっき,
ドライプロセス
気相状態を用いて材料表面をめっきする方法。ドライプロ
セスともいう。
参考 PVD(物理蒸着法)とCVD(化学蒸着法)とが
ある。
dry process,
vapor deposition
6028
物理蒸着
高温加熱,スパッタリングなどの物理的方法で物質を蒸発
し,基板に凝縮させ,薄膜を形成する方法。略称PVD。
参考 真空蒸着,イオンプレーティング,スパッタリ
ングなどの総称。
physical vapor
deposition
6029
真空蒸着
真空中で物質を加熱蒸発し,基板上に薄膜を形成する成膜
法。
vacuum evaporation
6030
イオンプレーティン
グ
電界を印加して発生したプラズマを利用し,蒸発原子をイ
オン化又は励起させ,基板上に薄膜を形成する成膜法。
ion plating
6031
スパッタリング
加速された粒子が固体表面に衝突したとき,運動量の交換
によって固体を構成する原子が空間へ放出される現象,及
びこの現象を用いた成膜法。
sputtering
6032
化学蒸着
気相化学反応によって,基板上に膜を形成させる方法。略
称CVD。
chemical vapor
deposition
6033
ブルーイング
適切な温度,空気,水蒸気又は化学薬品にさらして,鋼表
面に鉄の酸化物皮膜を形成させる処理。
参考 鋼の外観及び耐食性を改善するために行い,表
面は,加熱温度によって黄色又は青色を呈す
る。
blueing
6034
ショットピーニング
球状微物(ショット)を鋼材の表面に噴射し,表面層に残
留圧縮応力を生じさせ,かつ,加工硬化させながらある程
度の仕上げ度を保持させる方法。
shot peening
6035
仕上げ
a) 皮膜又は素地金属の外観。
b) この外観を得るための処理法。
finish
6036
光沢仕上げ
高い反射率をもった均一で方向性のない平滑な表面仕上
げ。
bright finish
6037
半光沢仕上げ
光沢の乏しいめっきを作る方法。
semibright finish,
semi-bright finishing
16
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
6038
無光沢仕上げ
放散及び反射しない表面を作る方法。
dull finish
6039
サテン仕上げ,
なし地仕上げ
方向性のあるつや消し面に仕上げる方法。
参考 ヘヤライン仕上げとマット仕上げとがある。
satin finish
6040
ヘヤライン仕上げ
方向性のある連続した細かいすじ模様に仕上げる方法。
hair line finish
6041
マット仕上げ
無方向性のつや消し面に仕上げる方法。
matte finish,
matt finish
6042
ビロード仕上げ
滑らかなつや消し面に仕上げる方法。
fine matte finish
6043
ゆず肌仕上げ,
オレンジピール仕上
げ
表面に機械的又は化学処理によって,微細な凹凸を均一に
形成させたつや消し仕上げ。
参考 小さなくぼみのあるゆず肌のような仕上げと
も表現する。
orange peel finish
g) 排水処理
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7001
排水処理
排水中の汚濁物質を除去し,排水基準に合った水質にして
排出するための処理。
waste water treatment,
effluent treatment
7002
溶存酸素
水や各種溶液中に分子状で溶解した酸素。略称DO。
参考 水の汚染状態を示す項目の一つ。
dissolved oxygen
7003
化学的酸素要求量
水中の有機物を酸化するために消費される酸化剤
(KMnO4) の量を酸素量に換算して表した量。略称COD。
chemical oxygen demand
7004
生物化学的酸素要求
量
好気性微生物によって,水中の有機物を生物化学的に酸化
分離するときに消費される酸素量。略称BOD。
biochemical oxygen
demand
7005
イオン電極
特定のイオンだけに感応してイオン濃度に応じた電位を
示す電極。
ion selective electrode
7006
中和処理
(排水処理においては)重金属を含むめっき排水を処理し
やすくするため,アルカリで中和する処理。
neutralization process
7007
活性汚泥,
活性スラッジ
排水を好気性微生物に処理させた後,静置し,凝集沈殿し
たもの。
activated sludge
7008
イオン交換樹脂
水に溶解している陽イオン及び陰イオンを吸着し,これを
除去する性質をもった多孔性の合成樹脂。
ion-exchange resin
7009
キレート樹脂
キレート結合で,特定のイオンを選択吸収する樹脂。
chelate resin
7010
浮遊剤
排水処理の際,水中の各種固体粒子を泡を付けて水面に浮
かせるために用いられる物質。
参考 起泡剤,捕集剤,条件剤(凝集剤,pH調節剤)
などがある。
flotation agent
7011
凝集剤
排水処理の際,水中に浮遊する各種固体微粒子を凝集する
ために用いられる物質。
agglomerate reagent,
aggregate reagent
coagulant
7012
フロック
排水中の固体粒子(コロイド,その他の懸濁粒子)が,凝
集剤によって接着,凝集して粗大化したもの。
flock
7013
重金属
比重が4〜5以上の金属約60種の総称。
heavy metal
7014
スラッジ,
汚泥
排水処理後に残る泥状のもの。
sludge
7015
スラリ
液体中に泥状物質が懸濁しているもの。
slurry
7016
沈殿法
排水中に懸濁している微粒子を重力によって沈降させて
処理する方法。
precipitation
7017
沈降分離装置
希薄なスラリを水平に流し,固形分を重力によって沈降さ
せ,分離させる装置。
precipitater
7018
シックナ,
濃縮装置
沈降分離装置のうち,スラリ中の固形物を沈降させ,濃縮
することを目的とした装置。
thickener
17
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
7019
クラリファイヤ,
清澄装置
沈降分離装置のうち,スラリ中の固形物を沈殿させ,上部
の澄んだ水の回収を目的とした装置。
clarifier
7020
アルカリ塩素法
処理すべき排水を塩基性として,活性塩素によってシアン
イオンを酸化分解する方法。
alkaline chrorination
process
7021
イオン交換法
イオン交換樹脂によって,塩類を除去する方法。
ion exchange method
7022
電解酸化法
排水を電気分解することによって,陽極でイオン化又は化
合物を酸化する方法。
electrolytic oxidation
method
7023
還元処理
(排水処理において)重金属を含むめっき排水を処理しや
すくするため,還元剤を用いて処理する方法。
参考 例えば,クロム系排水処理法の一つとして,重
亜硫酸ソーダ (NaHSO2) で六価クロムを三価
に還元して処理する。還元後はアルカリ剤で水
酸化クロムとして除去する。
reduction treatment
7024
濃縮回収
希薄なイオン濃度の水溶液をイオン交換樹脂に吸着させ,
比較的高濃度で回収する方法。
concentration recovery
h) 試験及び検査
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8001
外観試験
めっき面の欠陥の有無を目視によって調べる方法。
visual test
8002
膜厚試験
めっき皮膜の厚さを調べる方法。
参考 JIS H 8501には,顕微鏡断面厚さ試験方法,渦
電流式厚さ試験方法,蛍光X線試験方法などの
膜厚試験方法が規定されている。
film thickness test
8003
密着性試験
皮膜の密着性を調べる方法。
参考 JIS H 8504には,熱試験方法,引きはがし試験
方法,引張試験方法,曲げ試験方法などの密着
性試験方法が規定されている。
adhesion test
8004
硬さ試験
皮膜の表面硬さを調べる方法。
参考 硬さ試験方法として,ブリネル硬さ試験方法
(JIS Z 2243),ビッカース硬さ試験方法 (JIS Z
2244),ロックウェル硬さ試験方法 (JIS Z
2245),ショア硬さ試験方法 (JIS Z 2246) が規
定されている。
surface hardness test
8005
耐摩耗試験
摩耗に対する抵抗性を調べる方法。
参考 JIS H 8503には,往復運動磨耗試験方法,平板
回転磨耗試験方法,両輪駆動磨耗試験方法な
ど,5種類の試験方法が規定されている。
abrasion test,
wear resistance test
8006
耐食性試験
屋外、人工的腐食環境などに試料を暴露し,その耐食性を
調べる方法。
参考 JIS H 8502には,屋外暴露試験方法,連続噴霧
試験方法,サイクル試験方法,コロードコート
試験方法,ガス腐食試験方法が規定されてい
る。
corrosion resistance test,
corrosion test
8007
有孔度試験
皮膜のピンホールの有無を調べる方法。
参考 耐食性,電気絶縁性などの試験に用いる。
porosity test
8008
変色
環境などによって,めっき面が本来の色調を失う現象。
tarnish,
tarnishing
8009
乳白めっき
クロムめっきの場合に,電流密度が低すぎるか,又はめっ
き浴の温度が高すぎる場合に生じる光沢の乏しいめっき。
milky surface,
dull stain,
slighty milky
18
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
8010
しみ出し
めっき又はめっき後の仕上げた表面上にはん(斑)点や汚
点が,時間が経過してから遅れて出現する現象。
spotting out
8011
焦げ
粗いめっきで,主に過大な電流密度の場合に生じる表面の
変質。やけともいう。
burnt deposit
8012
ひび割れ
腐食試験において,自然に発生した細かい網状模様の割
れ。
crazing
8013
割れ
皮膜表面で無秩序,無方向に割れる現象。
crack,
crazing
8014
ざらつき
めっき浴中の固体浮遊物がめっき層の中に入り込んで生
じる小突起。
rough surface,
rough deposits
8015
樹枝状めっき
被めっき物に生じる枝状又は不規則な突起物。
trees dendrite,
trees
8016
こぶ状生成物
被めっき物に生じる丸みをおびた突起物。
nodule
8017
ピット
めっき面に生成される巨視的な穴。
pit
8018
ピンホール
素地又は下地層まで達するめっきの細孔。
pore,
pinhole
8019
ふくれ,
膨れ
めっき層の一部が素地又は下地層と密着しない状態。
blister
8020
はく離
めっき層が素地又は下地からはがれる現象。
peeling
8021
バーンオフ
無電解めっきした後に電気めっきをするとき,過大な電流
密度の通電又は電気的接触面積の不足によって,非導電性
下地から無電解めっき皮膜がはく離,消失してしまう現
象。焼け抜けともいう。
burn-off
8022
スポーリング
特異な熱膨張又は収縮が原因で,皮膜が割れたり,欠けた
りする現象。
spalling
8023
水切れ
表面が汚れているために,水皮膜が不連続に現れる現象。 water break
8024
無めっき
めっきが付いていない状態。低電流密度部分などに生じや
すい。
bare spot,
void,
uncovered
8025
レイティングナンバ
腐食面積と有効面積との割合によって腐食の程度を示す
評点。10〜0に区分されている。略称 RN。
rating number
19
H 0400 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
電気めっき用語改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 松 本 誠 臣
武蔵工業大学
○ 青 江 徹 博
OEAガルバノ事務所
阿 部 芳 彦
北海道立工業試験場
天 野 徹
工業技術院標準部材料規格課
榎 本 英 彦
大阪市立工業研究所
○ 海老名 延 郎
エビナ電化工業株式会社
○ 大 高 徹 雄
上村工業株式会社
金 子 國 雄
社団法人表面技術協会
○ 神 戸 徳 蔵
東京都鍍金工業組合
○ 小 泉 宗 栄
日本パーカーライジング株式会社
小 浦 延 幸
東京理科大学理工学部
小 谷 勇
愛知県工業技術センター
古 賀 孝 昭
荏原ユージライト株式会社中央研究所
○ 斎 藤 いほえ
東京都城南地域中小企業振興センター
○ 須 賀 蓊
スガ試験機株式会社
星 野 重 夫
武蔵工業大学
○ 矢 部 賢
矢部技術士事務所
山 崎 龍 一
神奈川県産業技術総合研究所
山 下 嗣 人
関東学院大学工学部
○ 渡 辺 博
株式会社東芝重電技術研究所
(事務局)
及 川 耕 一
社団法人表面技術協会
備考 ○印をつけてある委員は,小委員会委員を兼ねる。