G 4903
:
2017
(
1
)
目 次
ページ
1
適用範囲
·························································································································
1
2
引用規格
·························································································································
1
3
種類及び記号
···················································································································
1
4
製造方法
·························································································································
2
5
化学成分
·························································································································
2
6
機械的性質
······················································································································
3
6.1
引張強さ,耐力及び伸び
·································································································
3
6.2
へん平性
······················································································································
3
7
オーステナイト結晶粒度
····································································································
5
8
水圧試験特性及び非破壊試験特性
························································································
5
9
寸法及び寸法許容差
··········································································································
5
9.1
寸法
····························································································································
5
9.2
寸法許容差
···················································································································
5
10
外観
·····························································································································
6
11
特別品質規定
·················································································································
6
12
試験
·····························································································································
6
12.1
分析試験
·····················································································································
6
12.2
機械試験
·····················································································································
6
12.3
オーステナイト結晶粒度試験
··························································································
7
12.4
水圧試験及び非破壊試験
································································································
7
13
検査及び再検査
··············································································································
7
13.1
検査
···························································································································
7
13.2
再検査
························································································································
8
14
表示
·····························································································································
8
15
報告
·····························································································································
8
附属書
A
(規定)特別品質規定
·······························································································
9
G 4903
:
2017
(
2
)
まえがき
この規格は,工業標準化法第
14
条によって準用する第
12
条第
1
項の規定に基づき,一般社団法人日本
鉄鋼連盟(
JISF
)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,
JIS G 4903
:2008
は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成
30
年
2
月
19
日までの間は,工業標準化法第
19
条第
1
項等の関係条項の規定に基づく
JIS
マ
ーク表示認証において,
JIS G 4903
:2008
によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格
JIS
G
4903
:
2017
配管用継目無ニッケルクロム鉄合金管
Seamless nickel-chromium-iron alloy pipes
1
適用範囲
この規格は,耐食用及び高温用の配管に用いる継目無ニッケルクロム鉄合金管(以下,管という。)につ
いて規定する。
なお,注文者があらかじめ製造業者との協定によって指定することができる特別品質規定の項目を,
附
属書
A
に規定している。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS G 0321
鋼材の製品分析方法及びその許容変動値
JIS G 0404
鋼材の一般受渡し条件
JIS G 0415
鋼及び鋼製品-検査文書
JIS G 0551
鋼-結晶粒度の顕微鏡試験方法
JIS G 0567
鉄鋼材料及び耐熱合金の高温引張試験方法
JIS G 0582
鋼管の自動超音波探傷検査方法
JIS G 0583
鋼管の自動渦電流探傷検査方法
JIS G 1281
ニッケルクロム鉄合金分析方法
JIS H 1270
ニッケル及びニッケル合金-分析用試料採取方法及び分析方法通則
JIS Z 2241
金属材料引張試験方法
JIS Z 8401
数値の丸め方
3
種類及び記号
管の種類は,
6
種類とし,その種類の記号及び製造方法を表す記号は,
表
1
による。
表
1
-
種類の記号及び製造方法を表す記号
種類の記号
製造方法を表す記号
製管方法
仕上げ方法
表示
NCF600TP
継目無し:
S
熱間仕上げ:
H
冷間仕上げ:
C
製造方法を表
す記号の表示
は,箇条
14 c)
による。
NCF625TP
NCF690TP
NCF800TP
NCF800HTP
NCF825TP
2
G 4903
:
2017
4
製造方法
製造方法は,次による。
a)
管は,継目なく製造し,熱間仕上げ又は冷間仕上げを行う。
b)
管は,熱間仕上げ又は冷間仕上げを行った後,
表
2
の焼なまし又は固溶化熱処理を行い,酸洗又はこ
れに準じる処理を行う。
c)
管端形状は,特に指定のない場合はプレンエンドとする。
表
2
-
熱処理
種類の記号
仕上げ方法
及び熱処理方法
熱処理条件
℃
固溶化熱処理
焼なまし
NCF600TP
熱間仕上後焼なまし
-
900
以上 急冷
冷間仕上後焼なまし
NCF625TP
冷間仕上後焼なまし
-
870
以上 急冷
冷間仕上後固溶化熱処理
1
090
以上 急冷
-
NCF690TP
熱間仕上後焼なまし
-
900
以上 急冷
冷間仕上後焼なまし
NCF800TP
熱間仕上後焼なまし
-
950
以上 急冷
冷間仕上後焼なまし
NCF800HTP
熱間仕上後又は冷間仕上後
固溶化熱処理
1 100
以上 急冷
-
NCF825TP
熱間仕上後焼なまし
-
930
以上 急冷
冷間仕上後焼なまし
5
化学成分
管は,
12.1
によって試験を行い,その溶湯分析値は,
表
3
による。注文者の要求によって製品分析を行
う場合は,
12.1
によって試験を行い,その製品分析値は
表
3
による。ただし,
表
3
に対する製品分析の許
容変動値は,受渡当事者間の協定による。
3
G 4903
:
2017
表
3
-
化学成分
単位
%
種類の記号
C Si Mn P
S Ni
a)
Cr Fe
Mo
Cu
Al
Ti
Nb
+
Ta
NCF600TP
0.15
以下
0.50
以下
1.00
以下
0.030
以下
0.015
以下
72.00
以上
14.00
~
17.00
6.00
~
10.00
-
0.50
以下
-
-
-
NCF625TP
0.10
以下
0.50
以下
0.50
以下
0.015
以下
0.015
以下
58.00
以上
20.00
~
23.00
5.00
以下
8.00
~
10.00
-
0.40
以下
0.40
以下
3.15
~
4.15
NCF690TP
0.05
以下
0.50
以下
0.50
以下
0.030
以下
0.015
以下
58.00
以上
27.00
~
31.00
7.00
~
11.00
-
0.50
以下
-
-
-
NCF800TP
0.10
以下
1.00
以下
1.50
以下
0.030
以下
0.015
以下
30.00
~
35.00
19.00
~
23.00
残部
-
0.75
以下
0.15
~
0.60
0.15
~
0.60
-
NCF800HTP
0.05
~
0.10
1.00
以下
1.50
以下
0.030
以下
0.015
以下
30.00
~
35.00
19.00
~
23.00
残部
-
0.75
以下
0.15
~
0.60
0.15
~
0.60
-
NCF825TP
0.05
以下
0.50
以下
1.00
以下
0.030
以下
0.015
以下
38.00
~
46.00
19.50
~
23.50
残部
2.50
~
3.50
1.50
~
3.00
0.20
以下
0.60
~
1.20
-
必用に応じて,この表以外の合金元素を添加してもよい。
注
a)
Ni
分析値には,
Co
を含んでもよい。
6
機械的性質
6.1
引張強さ,耐力及び伸び
管は,
12.2.3
によって試験を行い,その引張強さ,耐力及び伸びは,
表
4
による。ただし,厚さ
8 mm
未満の管で,
12
号試験片を用いて引張試験を行う場合の伸びの最小値は,厚さ
8 mm
から
1 mm
減じるご
とに
表
4
の伸びの値から
1.5
減じたものを,
JIS Z 8401
の規則
A
によって整数値に丸めた値とし,
表
5
に
よる。
6.2
へん平性
管は,
12.2.4
によって試験を行い,平板間の距離(
H
)が式
(1)
による値になるまで試験片に割れを生じ
てはならない。
D
t
e
t
e
H
+
+
=
)
1
(
············································································· (1)
ここに,
H
:
平板間の距離(
mm
)
t
:
管の厚さ(
mm
)
D
:
管の外径(
mm
)
e
:
0.09
(定数)
注記
へん平性の試験の実施については,
12.2.4
を参照。
4
G 4903
:
2017
表
4
-
機械的性質
種類の記号
仕上げ方法
及び熱処理方法
外径
mm
引張強さ
N/mm
2
耐力
N/mm
2
伸び
a)
%
11
号試験片又は
12
号試験片
4
号試験片
管軸方向
管軸方向
NCF600TP
熱間仕上後焼なまし
127
以下
550
以上
205
以上
35
以上
30
以上
127
超え
520
以上
175
以上
冷間仕上後焼なまし
127
以下
550
以上
245
以上
30
以上
25
以上
127
超え
205
以上
NCF625TP
冷間仕上後焼なまし
-
820
以上
410
以上
冷間仕上後固溶化熱処理
-
690
以上
275
以上
NCF690TP
熱間仕上後焼なまし
127
以下
590
以上
205
以上
35
以上
30
以上
127
超え
520
以上
175
以上
冷間仕上後焼なまし
127
以下
590
以上
245
以上
30
以上
25
以上
127
超え
205
以上
NCF800TP
熱間仕上後焼なまし
-
450
以上
175
以上
冷間仕上後焼なまし
-
520
以上
205
以上
NCF800HTP
熱間仕上後又は冷間仕上
後固溶化熱処理
-
450
以上
175
以上
NCF825TP
熱間仕上後焼なまし
-
520
以上
冷間仕上後焼なまし
-
580
以上
235
以上
注記
1
N/mm
2
=
1 MPa
注
a)
外径
20 mm
未満の管については,この表の伸びの規定は適用しないが,試験の結果は,記録する。ただし,
受渡当事者間の協定によって,伸びの値を規定してもよい。
表
5
-
厚さ
8 mm
未満の管の
12
号試験片(管軸方向)の場合の伸び
単位
%
種類の記号
仕上げ方法
及び熱処理方法
厚さ
1 mm
を超え
2 mm
以下
2 mm
を超え
3 mm
以下
3 mm
を超え
4 mm
以下
4 mm
を超え
5 mm
以下
5 mm
を超え
6 mm
以下
6 mm
を超え
7 mm
以下
7 mm
を超え
8 mm
未満
NCF600TP
熱間仕上後焼なまし
26
以上
28
以上
29
以上
30
以上
32
以上
34
以上
35
以上
冷間仕上後焼なまし
21
以上
22
以上
24
以上
26
以上
27
以上
28
以上
30
以上
NCF625TP
冷間仕上後焼なまし及び
冷間仕上後固溶化熱処理
NCF690TP
熱間仕上後焼なまし
26
以上
28
以上
29
以上
30
以上
32
以上
34
以上
35
以上
冷間仕上後焼なまし
21
以上
22
以上
24
以上
26
以上
27
以上
28
以上
30
以上
NCF800TP
熱間仕上後焼なまし及び
冷間仕上後焼なまし
NCF800HTP
熱間仕上後又は冷間仕上
後固溶化熱処理
NCF825TP
熱間仕上後焼なまし及び
冷間仕上後焼なまし
5
G 4903
:
2017
7
オーステナイト結晶粒度
NCF800HTP
の管は,
12.3
によって試験を行い,そのオーステナイト結晶粒度番号は,
5
以下でなければ
ならない。
8
水圧試験特性及び非破壊試験特性
管は,
12.4
によって試験を行い,その水圧試験特性及び非破壊試験特性は,次による。いずれの特性に
よるかは,注文者の指定による。指定がない場合は,製造業者の選択とする。
a)
水圧試験特性
1)
注文者が試験圧力を指定しない場合
管は,式
(2)
で算出される試験圧力
P
(ただし,
P
が
7 MPa
を
超えるときは
7 MPa
)を水圧試験下限圧力とし,これに耐え,漏れがあってはならない。この場合,
水圧試験圧力は,
0.5 MPa
刻みとする。
D
st
P
2
=
··················································································· (2)
ここに,
P
: 試験圧力(
MPa
)
t
: 管の厚さ(
mm
)
D
: 管の外径(
mm
)
s
:
表
4
の引張強さの規定最小値の
1/4
(
MPa
)
2)
注文者が試験圧力を指定する場合
管は,注文者の指定する圧力を水圧試験下限圧力とし,これに
耐え,漏れがあってはならない。ただし,その圧力が,式
(2)
によって算出される
P
又は
7 MPa
のい
ずれかを超える場合の水圧試験下限圧力は,受渡当事者間の協定による。
なお,指定する試験圧力は,
10 MPa
未満の場合は
0.5 MPa
刻み,
10 MPa
以上の場合は
1 MPa
刻
みとする。
b)
非破壊試験特性
管は,
12.4 b) 2)
によって超音波探傷試験又は渦電流探傷試験のいずれかの非破壊試
験を行い,その非破壊試験特性は,次のいずれかによる。ただし,受渡当事者間の協定によって,超
音波探傷試験又は渦電流探傷試験に代えて,日本工業規格による他の非破壊試験によってもよい。こ
の場合の合否判定基準は,超音波探傷試験又は渦電流探傷試験と同等以上とする。
1)
超音波探傷試験特性は,
JIS G 0582
の人工きず区分
UD
の対比試験片の人工きずからの信号と同等
以上の信号があってはならない。
2)
渦電流探傷試験特性は,
JIS G 0583
の人工きず区分
EY
の対比試験片の人工きずからの信号と同等
以上の信号があってはならない。
9
寸法及び寸法許容差
9.1
寸法
寸法は,受渡当事者間の協定による。
9.2
寸法許容差
寸法許容差は,次による。
a)
管の外径及び厚さの許容差並びに偏肉の許容値は,
表
6
による。
6
G 4903
:
2017
表
6
-
外径及び厚さの許容差並びに偏肉の許容値
区分
外径の許容差
厚さの許容差
偏肉の許容値
a)
外径
mm
許容差
厚さ
mm
許容差
熱間仕上継目無管
50
未満
±
0.5 mm
4
未満
±
0.5 mm
厚さの
20 %
以下
50
以上
±
1 %
4
以上
±
12.5 %
冷間仕上継目無管
30
未満
±
0.3 mm
2
未満
±
0.2 mm
-
30
以上
±
1 %
2
以上
±
10 %
注
a)
偏肉は,同一断面における測定厚さの最大値と最小値との差の注文厚さに対する割合を百
分率で表す。偏肉の許容差は,厚さ
5.6 mm
未満の管には適用しない。
b)
管の長さの許容差は,受渡当事者間の協定による。ただし,特に指定のない限り,管の長さは,指定
長さ以上とする。
10
外観
外観は,次による。
a)
管は,実用的に真っすぐ,かつ,その両端が管軸に対して実用的に直角でなければならない。
b)
管の内外面は,仕上げ良好で,使用上有害な欠点があってはならない。
c)
表面手入れを実施する場合は,グラインダ,機械加工などによってもよいが,手入れ後の厚さは,厚
さの許容差内でなければならない。
d)
手入れ跡は,管の形状に滑らかに沿わなければならない。
11
特別品質規定
受渡当事者間の協定によって適用することができる特別品質規定の項目は,
附属書
A
による。
12
試験
12.1
分析試験
12.1.1
分析試験の一般事項及び分析用試料の採り方
分析試験の一般事項及び分析用試料の採り方は,
JIS H 1270
の箇条
5
(分析試料の採取及び調製)によ
る。ただし,注文者が製品分析を要求した場合の分析用試料の採り方は,
JIS G 0321
の箇条
4
(分析用試
料採取方法)による。
12.1.2
分析方法
溶湯分析及び製品分析の方法は,
JIS H 1270
による。
なお,ニッケル(
Ni
)の分析試料をはかりとる場合は,
NCF600TP
,
NCF625TP
及び
NCF690TP
は
JIS G
1281
の
8.2.3
(試料はかり取り量)の
表
4
の
1
種とし,
NCF800TP
,
NCF800HTP
及び
NCF825TP
は
JIS G 1281
の
8.2.3
の
表
4
の
2
種とする。
12.2
機械試験
12.2.1
機械試験の一般事項
機械試験の一般事項は,
JIS G 0404
の箇条
7
(一般要求)及び箇条
9
(機械的性質)による。ただし,
JIS
G 0404
の
7.6
(試験片採取条件及び試験片)のうち,機械試験に供される供試材の採り方は,
A
類とする。
12.2.2
供試材の採り方及び試験片の数
7
G 4903
:
2017
供試材の採り方及び試験片の数は,同一溶解,同一寸法及び同一熱処理条件の管
50
本ごと及びその端数
から一つの供試材を採取し,それぞれの供試材から引張試験片
1
個及びへん平試験片
1
個を採取する。こ
こで,同一寸法とは,外径及び厚さが同一のものをいう。
12.2.3
引張試験
引張試験の試験片及び試験方法は,次による。
a)
試験片
試験片は,
JIS Z 2241
の
11
号,
12
号(
12A
号,
12B
号又は
12C
号)又は
4
号のいずれかと
し,供試材の管軸方向から採取する。
b)
試験方法
試験方法は,
JIS Z 2241
による。
12.2.4
へん平試験
へん平試験の試験片及び試験方法は,次による。
なお,へん平試験は,特に注文者の指定がない限り省略してもよい
1)
。
注
1)
試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,へん平性は規定を満足しなければならな
いことを意味する。
a)
試験片
試験片の長さは,
50 mm
以上とする。
b)
試験方法
試験温度は常温(
5
~
35
℃)とし,試験片を
2
枚の平板間に挟み,平板間の距離(
H
)が式
(1)
による値以下になるまで圧縮してへん平にしたとき,試験片に,割れが生じたかどうかを調べる。
12.3
オーステナイト結晶粒度試験
オーステナイト結晶粒度試験は,次による。
a)
供試材の採り方及び試験片の数
供試材の採り方及び試験片の数は,同一溶解,同一寸法及び同一熱
処理条件の管
100
本ごと及びその端数から一つの供試材を採取し,それぞれの供試材から,オーステ
ナイト結晶粒度試験片を
1
個採取する。
b)
試験片
試験片の長さは,
20 mm
以上とする。
c)
試験方法
試験方法は,
JIS G 0551
による。特に指定のない限り,オーステナイト結晶粒界の現出方
法は,
JIS G 0551
の
6.3.1
(一般事項)による。
12.4
水圧試験及び非破壊試験
水圧試験及び非破壊試験は,次による。
a)
試験の頻度
水圧試験又は非破壊試験は,いずれかについて管
1
本ごとに行う。
b)
試験方法
水圧試験及び非破壊試験の試験方法は,次による。
1)
水圧試験
管に,箇条
8 a)
に規定する水圧試験下限圧力以上の圧力を加えて
5
秒間以上保持したと
き,これに耐え,漏れが生じたかどうかを調べる。
2)
非破壊試験
試験方法は,次による。ただし,日本工業規格によるこれ以外の非破壊試験を行う場
合の試験方法は,受渡当事者間の協定による。
2.1)
超音波探傷試験方法は,
JIS G 0582
による。ただし,人工きず区分
UD
より浅い人工きず寸法区
分(より厳しい区分)の試験に置き換えてもよい。
2.2)
渦電流探傷試験方法は,
JIS G 0583
による。ただし,人工きず区分
EY
より浅い人工きず寸法区分
(より厳しい区分)の試験に置き換えてもよい。
13
検査及び再検査
13.1
検査
検査は,次による。
8
G 4903
:
2017
a)
検査の一般事項は,
JIS G 0404
による。
b)
化学成分は,箇条
5
に適合しなければならない。
c)
機械的性質は,箇条
6
に適合しなければならない。
d)
NCF800HTP
の管は,オーステナイト結晶粒度試験を行い,箇条
7
に適合しなければならない。
e)
水圧試験特性及び非破壊試験特性は,箇条
8
に適合しなければならない。
f)
寸法は,箇条
9
に適合しなければならない。
g)
外観は,箇条
10
に適合しなければならない。
h)
その他の検査。受渡当事者間の協定によって,
附属書
A
の特別品質規定の一部又は全部の項目を適用
する場合には,該当する規定に適合しなければならない。
13.2
再検査
機械試験で合格とならなかった管は,
JIS G 0404
の
9.8
(再試験)によって再試験を行い,合否を決定し
てもよい。
14
表示
検査に合格した管には,管ごとに,次の事項を表示しなければならない。ただし,外径が小さく管ごと
の表示が困難な場合又は注文者の要求がある場合は,これを結束して,一結束ごとに適切な方法で表示し
てもよい。表示の順序は,規定しない。また,注文者の承認を得たときは,製品識別が可能な範囲でその
一部を省略してもよい。
a)
種類の記号
b)
寸法。寸法は,外径及び厚さを表示する。
c)
製造方法を表す記号
製造方法を表す記号は,次による。ただし,“-”は,空白でもよい。
1)
熱間仕上継目無鋼管 -
S
-
H
2)
冷間仕上継目無鋼管 -
S
-
C
d)
製造業者名又はその略号
e)
特別品質規定の指定を表す記号
Z
(指定があった場合)
15
報告
製造業者は,特に指定のない限り,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,
JIS G 0404
の箇条
13
(報告)による。検査文書の種類は,注文時に特に指定がない場合,
JIS G 0415
の
5.1
(検査証
明書
3.1
)による。
9
G 4903
:
2017
附属書
A
(規定)
特別品質規定
A.1
高温引張試験における降伏点又は耐力(
Z2
)
1)
高温引張試験における降伏点又は耐力は,次による。
a)
管の高温引張試験における降伏点又は耐力の値及び試験温度は,受渡当事者間の協定による。
b)
供試材の採り方及び試験片の数は,同一溶解ごとに一つの供試材を採取し,それぞれの供試材から各
試験温度ごとに
1
個の試験片を採取する。
c)
試験片及び試験方法は,
JIS G 0567
による。
注
1)
管の取引においては,高温引張試験における降伏点又は耐力の要求指定を
Z2
と表記することが
ある。
A.2
超音波探傷試験及び検査(
Z3
)
2)
超音波探傷試験及び検査は,次による。
a)
超音波探傷試験における探傷感度の基準は,冷間仕上管においては,
JIS G 0582
の探傷感度区分
UB
,
熱間仕上管においては,探傷感度区分
UC
とし,対比試験片の人工きずからの信号と同等以上の信号
があってはならない。
b)
超音波探傷試験の方法は,
JIS G 0582
による。
c)
超音波探傷検査は,管
1
本ごとに行い,
a)
に適合しなければならない。
注
2)
管の取引においては,超音波探傷検査の要求指定を
Z3
と表記することがある。
A.3
渦電流探傷試験及び検査(
Z4
)
3)
渦電流探傷試験及び検査は,次による。
a)
渦電流探傷試験における探傷感度の基準は,冷間仕上管においては,
JIS G 0583
の探傷感度区分
EV
,
熱間仕上管においては,探傷感度区分
EX
とし,対比試験片の人工きずからの信号と同等以上の信号
があってはならない。
b)
渦電流探傷試験の方法は,
JIS G 0583
による。
c)
渦電流探傷検査は,管
1
本ごとに行い,
a)
に適合しなければならない。
注
3)
管の取引においては,渦電流探傷検査の要求指定を
Z4
と表記することがある。