G 4331:2020
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目 次
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1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 品質······························································································································· 1
5 試験方法························································································································· 2
5.1 試験体 ························································································································· 2
5.2 外観試験 ······················································································································ 2
5.3 色の均一性試験 ············································································································· 2
5.4 皮膜の耐候性試験 ·········································································································· 3
6 報告······························································································································· 3
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まえがき
この規格は,産業標準化法に基づき,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
産業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
G 4331:2020
ステンレス鋼の化学発色皮膜−
品質及び試験方法
Chemically colored films formed on stainless steels-
Performance and test methods
1
適用範囲
この規格は,ステンレス鋼の表面に形成する化学発色皮膜(以下,皮膜という。)の発色に関わる基本的
な品質及び試験方法について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 5600-7-7 塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第7節:促進耐候性及び促進耐光性
(キセノンランプ法)
JIS Z 8105 色に関する用語
JIS Z 8720 測色用の標準イルミナント(標準の光)及び標準光源
JIS Z 8722 色の測定方法−反射及び透過物体色
JIS Z 8781-4 測色−第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8105によるほか,次による。
3.1
化学発色皮膜
ステンレス鋼をカラー化する目的で化学的な酸化力によって表面に形成させた皮膜。
4
品質
皮膜の品質は,箇条5によって試験を行ったとき,表1を満足しなければならない。
なお,耐候性を参考値として注文者が要求する場合は,その試験方法は,5.4による。耐候性の評価基準
については,受渡当事者間の協定による。
表1−品質
項目
品質
試験箇条
外観
きず,膨れなど使用上有害な欠点及び色むらがあってはならない。
5.2
色の均一性
5.3で求めた色差(ΔE*ab)が,いずれも3.0以下。
5.3
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試験方法
5.1
試験体
試験体は,皮膜を形成したステンレス鋼を用いる。試験体の採取方法,採取位置などは,受渡当事者間
の協議による。
なお,皮膜を形成したステンレス鋼が平面でない場合,又は平面部の面積が小さく測定できない場合は,
皮膜を形成したステンレス鋼と同一種類の記号及び表面仕上げのステンレス鋼板に,同一条件で皮膜を形
成したものを試験体としてもよい。
いずれの場合も,試験体の大きさは,300 mm×300 mmとすることが望ましい。
5.2
外観試験
外観試験は,照度が1 000 lx以上の場所で,皮膜にきず,膨れなどの使用上有害な欠点及び色むらの有
無を目視によって確認する。
5.3
色の均一性試験
5.3.1
一般
色の均一性は,試験体の測定箇所の皮膜の色を測定し,それぞれ隣接する測定箇所の色との色差を求め
ることによって評価する。皮膜の色の測定は,次による。
a) 測定器 測定器は,JIS Z 8722で規定する分光測光器,光電色彩計又はこれらと同等以上の性能があ
る測定器を用いる。
b) 測定箇所 測定箇所は9点とし,隣接する測定箇所との距離は一定とする。図1に,測定箇所の例を
示す。
単位 mm
図1−測定箇所の例
c) 測定方法 測定器を用い,次のいずれかの条件で測定し,JIS Z 8781-4の4.1(基本座標)によって計
算し,CIE 1976 L*a*b*色空間の色座標で表す。色座標の算出には,JIS Z 8720の4.2.2で規定する標
準イルミナントD65を用いる。
1) JIS Z 8722の5.3.1 c)(幾何条件c)で,照射光に,試験体からの鏡面反射となる成分を含む(di:8°)
条件。
2) JIS Z 8722の5.3.1 d)(幾何条件d)で,受光する反射光に鏡面反射成分を含む(8°:di)条件。
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5.3.2
色の均一性試験の結果
JIS Z 8781-4の4.3(色差)によって,5.3.1で測定した9点の測定箇所の色とそれぞれ隣接する箇所の色
との色差の値12個を小数点第1位まで求め,試験結果とする。ただし,対角線上に隣接する測定箇所の色
との色差は求めない。
5.4
皮膜の耐候性試験
皮膜の耐候性試験は,次による。
a) 試験条件 試験条件は,JIS K 5600-7-7の6.2(光源及びフィルタ)のデイライトフィルタを用いたキ
セノンアークランプを光源とし,9.5(試験片のぬれ及び試験槽内の相対湿度)のサイクルAとする。
b) 照射時間 照射時間は,受渡当事者間の協議による。
6
報告
受渡当事者間の協定によって,次の事項を報告する。
a) この規格の規格番号
b) 色の測定に用いた幾何条件
c) 試験結果
d) その他必要な事項